JP2775641B2 - 芳香族ポリカルボン酸の製造法 - Google Patents
芳香族ポリカルボン酸の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、芳香族ポリカルボン酸の製造法に関し、さ
らに詳しくは、芳香環の側鎖に低級アルキル基を有する
ベンジル誘導体を酸化し、芳香族ジカルボン酸または芳
香族トリカルボン酸を製造する方法に関する。
らに詳しくは、芳香環の側鎖に低級アルキル基を有する
ベンジル誘導体を酸化し、芳香族ジカルボン酸または芳
香族トリカルボン酸を製造する方法に関する。
また、本発明は、芳香族ポリカルボン酸、特に、4,
4′−ビフェニルジカルボン酸の原料として有用な新規
なベンジル誘導体である4,4′−ビス(4−アルキルフ
ェニル)ベンジルに関する。
4′−ビフェニルジカルボン酸の原料として有用な新規
なベンジル誘導体である4,4′−ビス(4−アルキルフ
ェニル)ベンジルに関する。
芳香族ポリカルボン酸、例えば、4,4′−ビフェニル
ジカルボン酸は、耐熱性、強度に優れた高性能ポリエス
テルや、アラミド樹脂などの原料として、また、トリメ
リット酸は、塩化ビニル用可塑剤やポリアミドイミド樹
脂の原料などとして有用である。
ジカルボン酸は、耐熱性、強度に優れた高性能ポリエス
テルや、アラミド樹脂などの原料として、また、トリメ
リット酸は、塩化ビニル用可塑剤やポリアミドイミド樹
脂の原料などとして有用である。
このような芳香族ポリカルボン酸を、芳香環の側鎖に
アルキル基を有するベンジル誘導体を原料として、1段
の酸化反応により効率よく得ることができるならば、そ
の工業技術的な意義は大きい。
アルキル基を有するベンジル誘導体を原料として、1段
の酸化反応により効率よく得ることができるならば、そ
の工業技術的な意義は大きい。
ところで、このようなベンジル誘導体から酸化反応に
より芳香族ポリカルボン酸を製造するには、2つの芳香
環を結合している1,2−ジケトン結合(−COCO−)を酸
化的に開裂し、その2つのカルボニル基をカルボキシル
基に変換するとともに、側鎖のアルキル基を酸化してカ
ルボキシル基に変換する必要がある。
より芳香族ポリカルボン酸を製造するには、2つの芳香
環を結合している1,2−ジケトン結合(−COCO−)を酸
化的に開裂し、その2つのカルボニル基をカルボキシル
基に変換するとともに、側鎖のアルキル基を酸化してカ
ルボキシル基に変換する必要がある。
従来、ベンジル(すなわちジベンゾイル)の1,2−ジ
ケトン結合を酸化的に開裂する方法として、以下に述べ
る各種の方法が知られている。
ケトン結合を酸化的に開裂する方法として、以下に述べ
る各種の方法が知られている。
ベンジルを70%過塩素酸の存在下、95%過酸化水素水
と酢酸中で反応させ、安息香酸とする方法。
と酢酸中で反応させ、安息香酸とする方法。
(J.Org.Chem.,16,1785−7(1951)) ベンジルを塩化第一銅とピリジンとの錯体を触媒と
し、メタノール中、空気を通気しながら反応させ、安息
香酸とする方法。
し、メタノール中、空気を通気しながら反応させ、安息
香酸とする方法。
(Bull.Chem.Soc.Jpn 32,783−87(1959)) ベンジルを強アルカリ条件下、次亜塩素酸ナトリウム
で酸化し、安息香酸とする方法。
で酸化し、安息香酸とする方法。
(J.Am.Chem.Soc.,82 2876−8(1960)) ベンジルを水酸化カリウムの存在下、tert−ブチルパ
ーオキサイドとクロロベンゼン中で反応させ、安息香酸
とする方法。
ーオキサイドとクロロベンゼン中で反応させ、安息香酸
とする方法。
(Bull.Chem.Soc.Jpn 34,102−4(1961)) ベンジルを18−クラウン−6−エーテルの存在下、カ
リウムスーパーオキサイドとベンゼン中で反応させ、安
息香酸とする方法。
リウムスーパーオキサイドとベンゼン中で反応させ、安
息香酸とする方法。
(J.Org.Chem.,41,1077−8(1976)) ベンジルをヒドロキシルアミンスルホン酸と蟻酸中で
反応させ、オキシム化とベックマン転位を同時に行な
い、安息香酸とする方法。
反応させ、オキシム化とベックマン転位を同時に行な
い、安息香酸とする方法。
(J.Org.Chem.,47,2208−10(1982)) ベンジルと次亜塩素酸カルシウムと、アセトニトリル
と酢酸の混合溶媒中で反応させ、安息香酸とする方法。
と酢酸の混合溶媒中で反応させ、安息香酸とする方法。
(Tetrahedron Lett.,23,3135−8(1982)) ベンジルを硝酸第二銅−ピリジン−トリエチルアミン
錯体と、メタノール溶媒中で反応させ、安息香酸とする
方法。
錯体と、メタノール溶媒中で反応させ、安息香酸とする
方法。
(J.Org.Chem.,49,3498−3503(1984)) ベンジルをジオキソビス(トリフロロアセタト)クロ
ムにより酸化し、安息香酸とする方法。
ムにより酸化し、安息香酸とする方法。
(Tetrahedron Lett.,27,437−40(1986)) しかし、上記の各方法は、芳香環の側鎖にアルキル基
を有するベンジル誘導体のアルキル基と1,2−ジケトン
結合(2つのカルボニル基)とを同時に酸化してカルボ
キシル基へ変換し、1段の酸化反応で芳香族ポリカルボ
ン酸を製造する方法としては、いずれも適当でない。
を有するベンジル誘導体のアルキル基と1,2−ジケトン
結合(2つのカルボニル基)とを同時に酸化してカルボ
キシル基へ変換し、1段の酸化反応で芳香族ポリカルボ
ン酸を製造する方法としては、いずれも適当でない。
すなわち、およびの方法では、2つのカルボニル
基間の酸化的開裂はできるものの、芳香環の側鎖に結合
しているアルキル基をカルボキシル基に酸化することは
困難である。およびの方法では、触媒の活性種はCu
イオンであり、2つのカルボニル基間の開裂能はあるも
のの、やはり芳香環に結合しているアルキル基の酸化は
不可能である。の方法では、活性化されたメチル基あ
るいはメチレン基は酸化されカルボキシル基になるが、
トルイル酸(すなわちメチル安息香酸)等の側鎖メチル
基は酸化されにくく、したがって1,2−ジケトン結合の
酸化的な開裂と同時に側鎖アルキル基の酸化を行なうこ
とは困難である。の方法では、そもそも高価なクラウ
ンエーテルを用いる点で経済的ではないため、工業的に
は実施し難い。の方法では、2つのカルボニル基の開
裂により生成する化合物は、芳香族モノカルボン酸ある
いはそのアミドであり、側鎖アルキル基を酸化する別の
工程が必要となる。の方法でも、1,2−ジケトン結合
の酸化的開裂のみで、側鎖アルキル基は別の工程で酸化
する必要がある。の方法では、1,2−ジケトン結合の
酸化的開裂反応自体の収率が低いという欠点がある。
基間の酸化的開裂はできるものの、芳香環の側鎖に結合
しているアルキル基をカルボキシル基に酸化することは
困難である。およびの方法では、触媒の活性種はCu
イオンであり、2つのカルボニル基間の開裂能はあるも
のの、やはり芳香環に結合しているアルキル基の酸化は
不可能である。の方法では、活性化されたメチル基あ
るいはメチレン基は酸化されカルボキシル基になるが、
トルイル酸(すなわちメチル安息香酸)等の側鎖メチル
基は酸化されにくく、したがって1,2−ジケトン結合の
酸化的な開裂と同時に側鎖アルキル基の酸化を行なうこ
とは困難である。の方法では、そもそも高価なクラウ
ンエーテルを用いる点で経済的ではないため、工業的に
は実施し難い。の方法では、2つのカルボニル基の開
裂により生成する化合物は、芳香族モノカルボン酸ある
いはそのアミドであり、側鎖アルキル基を酸化する別の
工程が必要となる。の方法でも、1,2−ジケトン結合
の酸化的開裂のみで、側鎖アルキル基は別の工程で酸化
する必要がある。の方法では、1,2−ジケトン結合の
酸化的開裂反応自体の収率が低いという欠点がある。
以上のように、前記いずれの方法を用いても、ベンジ
ルまたはベンジル誘導体の1,2−ジケトン結合を酸化的
に開裂してカルボキシル基に変換することは可能である
ものの、芳香環の側鎖にアルキル基を有するベンジル誘
導体から1段の酸化反応で芳香族ポリカルボン酸を製造
することは困難あるいは実質的に不可能であり、側鎖の
アルキル基を酸化する別の工程が必要となるため、製造
工程が2段以上になるという欠点がある。
ルまたはベンジル誘導体の1,2−ジケトン結合を酸化的
に開裂してカルボキシル基に変換することは可能である
ものの、芳香環の側鎖にアルキル基を有するベンジル誘
導体から1段の酸化反応で芳香族ポリカルボン酸を製造
することは困難あるいは実質的に不可能であり、側鎖の
アルキル基を酸化する別の工程が必要となるため、製造
工程が2段以上になるという欠点がある。
本発明の目的は、芳香環の側鎖にアルキル基を有する
ベンジル誘導体から1段の酸化反応で芳香族ポリカルボ
ン酸を製造する方法を提供することにある。
ベンジル誘導体から1段の酸化反応で芳香族ポリカルボ
ン酸を製造する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、芳香族ポリカルボン酸、特に、
4,4′−ビフェニルジカルボン酸の原料として有用な新
規なベンジル誘導体を提供することにある。
4,4′−ビフェニルジカルボン酸の原料として有用な新
規なベンジル誘導体を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の有する問題点を解決す
るために鋭意研究した結果、芳香環の側鎖にアルキル基
を有する特定のベンジル誘導体を、炭素数3以下の脂肪
族モノカルボン酸を少なくとも50重量%含有する溶媒中
で、実質的に、コバルトおよびマンガンから選択される
少なくとも1種の重金属触媒および臭素触媒からなる酸
化触媒の存在下、分子状酸素により酸化することによ
り、1段の酸化反応で効率的に芳香族ポリカルボン酸の
得られることを見出した。
るために鋭意研究した結果、芳香環の側鎖にアルキル基
を有する特定のベンジル誘導体を、炭素数3以下の脂肪
族モノカルボン酸を少なくとも50重量%含有する溶媒中
で、実質的に、コバルトおよびマンガンから選択される
少なくとも1種の重金属触媒および臭素触媒からなる酸
化触媒の存在下、分子状酸素により酸化することによ
り、1段の酸化反応で効率的に芳香族ポリカルボン酸の
得られることを見出した。
また、本発明者らは、新規なベンジル誘導体である4,
4′−ビス(4−アルキルフェニル)ベンジルを合成
し、このベンジル誘導体が芳香族ポリカルボン酸である
4,4′−ビフェニルジカルボン酸の原料として有用であ
ることを見出した。
4′−ビス(4−アルキルフェニル)ベンジルを合成
し、このベンジル誘導体が芳香族ポリカルボン酸である
4,4′−ビフェニルジカルボン酸の原料として有用であ
ることを見出した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至った
ものである。
ものである。
かくして、本発明によれば、式〔I〕 (ただし、式中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基
またはイソプロピル基、R2は、メチル基、エチル基また
はイソプロピル基、およびnは、0または1を示す。) で表わされるベンジル誘導体を、炭素数3以下の脂肪族
モノカルボン酸を少なくとも50重量%含有する溶媒中
で、実質的に、コバルトおよびマンガンから選択される
少なくとも1種の重金属触媒および臭素触媒からなる酸
化触媒の存在下、分子状酸素により酸化することを特徴
とする芳香族ポリカルボン酸の製造法が提供される。
またはイソプロピル基、R2は、メチル基、エチル基また
はイソプロピル基、およびnは、0または1を示す。) で表わされるベンジル誘導体を、炭素数3以下の脂肪族
モノカルボン酸を少なくとも50重量%含有する溶媒中
で、実質的に、コバルトおよびマンガンから選択される
少なくとも1種の重金属触媒および臭素触媒からなる酸
化触媒の存在下、分子状酸素により酸化することを特徴
とする芳香族ポリカルボン酸の製造法が提供される。
また、本発明によれば、下記一般式〔II〕 (ただし、式中Rはメチル基、エチル基またはイソプロ
ピル基を示す。) で表わされる4,4′−ビス(4−アルキルフェニル)ベ
ンジルが提供される。すなわち、 式〔III〕 で表わされる4,4′−ビス(4−メチルフェニル)ベン
ジル、 式〔IV〕 で表わされる4,4′−ビス(4−エチルフェニル)ベン
ジル、および 式〔V〕 で表わされる4,4′−ビス(4−イソプロピルフェニ
ル)ベンジルが提供される。
ピル基を示す。) で表わされる4,4′−ビス(4−アルキルフェニル)ベ
ンジルが提供される。すなわち、 式〔III〕 で表わされる4,4′−ビス(4−メチルフェニル)ベン
ジル、 式〔IV〕 で表わされる4,4′−ビス(4−エチルフェニル)ベン
ジル、および 式〔V〕 で表わされる4,4′−ビス(4−イソプロピルフェニ
ル)ベンジルが提供される。
以下、本発明について詳述する。
(ベンジル誘導体) 本発明で用いる前記式〔I〕で表わされるベンジル誘
導体としては、例えば、4,4′−ジメチルベンジル、4,
4′−ジエチルベンジル、4,4′−ジイソプロピルベンジ
ル、3,3′,4,4′−テトラメチルベンジル、2,2′,4,4′
−テトラメチルベンジル、2,2′,5,5′−テトラメチル
ベンジル、4,4′−ビス(4−メチルフェニル)ベンジ
ル、4,4′−ビス(4−エチルフェニル)ベンジル、4,
4′−ビス(4−イソプロピルフェニル)ベンジル等が
挙げられる。
導体としては、例えば、4,4′−ジメチルベンジル、4,
4′−ジエチルベンジル、4,4′−ジイソプロピルベンジ
ル、3,3′,4,4′−テトラメチルベンジル、2,2′,4,4′
−テトラメチルベンジル、2,2′,5,5′−テトラメチル
ベンジル、4,4′−ビス(4−メチルフェニル)ベンジ
ル、4,4′−ビス(4−エチルフェニル)ベンジル、4,
4′−ビス(4−イソプロピルフェニル)ベンジル等が
挙げられる。
これらのベンジル誘導体のうち、4,4′−ビス(4−
アルキルフェニル)ベンジル〔ただし、アルキル基は、
メチル基、エチル基またはイソプロピル基である〕は、
新規化合物であり、ルイス酸触媒の存在下、オキザリル
ジハライドと4−アルキルビフェニルとのフリーデル・
クラフツ反応(Friedel−Crafts反応)により容易に合
成することができる。
アルキルフェニル)ベンジル〔ただし、アルキル基は、
メチル基、エチル基またはイソプロピル基である〕は、
新規化合物であり、ルイス酸触媒の存在下、オキザリル
ジハライドと4−アルキルビフェニルとのフリーデル・
クラフツ反応(Friedel−Crafts反応)により容易に合
成することができる。
4,4′−ビス(4−アルキルフェニル)ベンジル以外
の上記ベンジル誘導体も、ルイス酸触媒の存在下、トル
エン、エチルベンゼン、クメン、キシレン等の置換芳香
族化合物とオキザリルジハライドとのフリーデル・クラ
フツ反応により、得ることができる。例えば、前記置換
芳香族化合物として、トルエンを用いると4,4′−ジメ
チルベンジルが、エチルベンゼンでは4,4′−ジエチル
ベンジルが、クメンでは4,4′−ジイソプロピルベンジ
ルが、o−キシレンでは3,3′,4,4′−テトラメチルベ
ンジルが、m−キシレンでは2,2′,4,4′−テトラメチ
ルベンジルが、p−キシレンでは2,2′,5,5′−テトラ
メチルベンジルがそれぞれ生成する。
の上記ベンジル誘導体も、ルイス酸触媒の存在下、トル
エン、エチルベンゼン、クメン、キシレン等の置換芳香
族化合物とオキザリルジハライドとのフリーデル・クラ
フツ反応により、得ることができる。例えば、前記置換
芳香族化合物として、トルエンを用いると4,4′−ジメ
チルベンジルが、エチルベンゼンでは4,4′−ジエチル
ベンジルが、クメンでは4,4′−ジイソプロピルベンジ
ルが、o−キシレンでは3,3′,4,4′−テトラメチルベ
ンジルが、m−キシレンでは2,2′,4,4′−テトラメチ
ルベンジルが、p−キシレンでは2,2′,5,5′−テトラ
メチルベンジルがそれぞれ生成する。
(酸化触媒) 本発明において使用する酸化触媒としては、実質的
に、 コバルトおよびマンガンから選択される少なくとも1
種の重金属触媒、および 臭素触媒 からなる酸化触媒が使用される。
に、 コバルトおよびマンガンから選択される少なくとも1
種の重金属触媒、および 臭素触媒 からなる酸化触媒が使用される。
本発明で使用するコバルト触媒およびマンガン触媒
は、酸化反応系で溶解し得る形態のものであれば、単
体、化合物のいずれであってもよい。
は、酸化反応系で溶解し得る形態のものであれば、単
体、化合物のいずれであってもよい。
化合物の具体例としては、コバルトまたはマンガンの
酸化物、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩、ハロゲン化
物等の無機化合物;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪
酸、ナフテン酸、芳香族カルボン酸等の有機酸との塩が
挙げられる。これらの中でも、臭化物および脂肪酸塩が
好ましく、特に、酢酸塩が好ましい。
酸化物、水酸化物、炭酸塩、塩基性炭酸塩、ハロゲン化
物等の無機化合物;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪
酸、ナフテン酸、芳香族カルボン酸等の有機酸との塩が
挙げられる。これらの中でも、臭化物および脂肪酸塩が
好ましく、特に、酢酸塩が好ましい。
コバルト触媒およびマンガン触媒は、それぞれ単独
で、あるいは任意の割合で混合して使用することができ
るが、Co:Mnの原子比で1:99〜95:5の混合触媒が好まし
い。
で、あるいは任意の割合で混合して使用することができ
るが、Co:Mnの原子比で1:99〜95:5の混合触媒が好まし
い。
コバルト触媒および/またはマンガン触媒の使用量
は、溶媒100グラムに対して、金属元素として、合計量
で0.0003グラム原子以上、好ましくは0.003〜0.17グラ
ム原子である。これらの重金属触媒の使用量を増やすほ
ど芳香族ポリカルボン酸の選択率が向上する。使用量の
上限は、使用する重金属触媒の溶媒に対する溶解度にも
よるが、金属元素として、溶媒100グラムに対し0.17グ
ラム原子を超える量を使用しても、選択率の大幅な向上
は見られず、経済的に得策ではない。
は、溶媒100グラムに対して、金属元素として、合計量
で0.0003グラム原子以上、好ましくは0.003〜0.17グラ
ム原子である。これらの重金属触媒の使用量を増やすほ
ど芳香族ポリカルボン酸の選択率が向上する。使用量の
上限は、使用する重金属触媒の溶媒に対する溶解度にも
よるが、金属元素として、溶媒100グラムに対し0.17グ
ラム原子を超える量を使用しても、選択率の大幅な向上
は見られず、経済的に得策ではない。
一方、臭素触媒としては、分子状臭素、臭化水素、臭
化水素酸塩等の無機臭素化物;臭化メチル、臭化エチル
等の臭化アルキル;およびブロモ酢酸等の臭素化脂肪酸
が挙げられ、溶媒に溶解して臭素イオンを生じるもので
あれば特に限定されないが、その中でも、選択率や取り
扱いの容易さ等から、臭化アンモニウム、臭化水素、臭
化カリウムが好ましい。
化水素酸塩等の無機臭素化物;臭化メチル、臭化エチル
等の臭化アルキル;およびブロモ酢酸等の臭素化脂肪酸
が挙げられ、溶媒に溶解して臭素イオンを生じるもので
あれば特に限定されないが、その中でも、選択率や取り
扱いの容易さ等から、臭化アンモニウム、臭化水素、臭
化カリウムが好ましい。
臭素触媒は、反応系で臭素イオンを生じ、前記重金属
触媒と併用することにより、高い選択率で芳香族ポリカ
ルボン酸を生成させることができる。
触媒と併用することにより、高い選択率で芳香族ポリカ
ルボン酸を生成させることができる。
臭素触媒の使用量は、溶媒100グラムに対して、0.000
1グラム原子以上、好ましくは0.001〜0.05グラム原子で
ある。臭素触媒の使用量が少なすぎると、酸化反応によ
るポリカルボン酸の生成速度が遅く、逆に多すぎると、
芳香環に臭素が結合して副生物の生成量が増大するおそ
れがあるので、いずれも好ましくない。
1グラム原子以上、好ましくは0.001〜0.05グラム原子で
ある。臭素触媒の使用量が少なすぎると、酸化反応によ
るポリカルボン酸の生成速度が遅く、逆に多すぎると、
芳香環に臭素が結合して副生物の生成量が増大するおそ
れがあるので、いずれも好ましくない。
この臭素触媒は、反応系に最初から添加してもよい
が、反応系に酸化中間体が生成してから、一度に、また
は徐々に添加してもよい。
が、反応系に酸化中間体が生成してから、一度に、また
は徐々に添加してもよい。
(溶媒) 本発明において使用する溶媒は、少なくともその50重
量%が炭素数3以下の脂肪族モノカルボン酸であればよ
い。
量%が炭素数3以下の脂肪族モノカルボン酸であればよ
い。
炭素数3以下の脂肪族モノカルボン酸としては、例え
ば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が挙げられるが、その
中でも酢酸が好ましい。
ば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等が挙げられるが、その
中でも酢酸が好ましい。
これらの脂肪族モノカルボン酸には、必要に応じて、
水、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類、メチルエ
チルケトン等のケトン類などの他の溶剤を混合してもよ
い。
水、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類、メチルエ
チルケトン等のケトン類などの他の溶剤を混合してもよ
い。
他の溶媒の中でも、水を0.1重量%以上含有させる
と、酸化触媒の使用量が同じでも、芳香族ポリカルボン
酸の収率を高めることができるため、特に好ましい。
と、酸化触媒の使用量が同じでも、芳香族ポリカルボン
酸の収率を高めることができるため、特に好ましい。
溶媒の使用量は、原料のベンジル誘導体および酸化触
媒の少なくとも一部を溶解する量であればよく、特に制
限はないが、通常、原料に対して、重量比で2〜100倍
を使用する。溶媒の使用量が過度に少ないと反応系の流
動性が低下し、円滑な反応が妨げられ、逆に、過度に多
量の溶媒を使用しても、反応自体促進されないので得策
ではない。
媒の少なくとも一部を溶解する量であればよく、特に制
限はないが、通常、原料に対して、重量比で2〜100倍
を使用する。溶媒の使用量が過度に少ないと反応系の流
動性が低下し、円滑な反応が妨げられ、逆に、過度に多
量の溶媒を使用しても、反応自体促進されないので得策
ではない。
(反応条件) 分子状酸素としては、純酸素のほか、これを他の不活
性ガスで希釈した混合ガスあるいは空気を使用すること
ができる。
性ガスで希釈した混合ガスあるいは空気を使用すること
ができる。
反応温度は、通常、80〜220℃、好ましくは120〜200
℃である。反応系の温度があまり低温であると、反応速
度が遅くなり、逆に、高過ぎると、溶媒の酸化分解が生
じ易くなるため、いずれも好ましくない。
℃である。反応系の温度があまり低温であると、反応速
度が遅くなり、逆に、高過ぎると、溶媒の酸化分解が生
じ易くなるため、いずれも好ましくない。
本発明の酸化反応は、常圧でも可能であるが、加圧下
で一層速やかとなる。酸化反応系の圧力は、反応温度条
件下で溶媒が液相を保つに必要な圧力以上であればよ
く、また、酸素分圧の高い方がよい。一般に、酸素分圧
は、0.1〜8kg/cm2(絶対圧)がよい。空気あるいは窒素
などの不活性ガスで希釈された分子状酸素の場合、全圧
は、ゲージ圧で0〜30kg/cm2の範囲で充分である。
で一層速やかとなる。酸化反応系の圧力は、反応温度条
件下で溶媒が液相を保つに必要な圧力以上であればよ
く、また、酸素分圧の高い方がよい。一般に、酸素分圧
は、0.1〜8kg/cm2(絶対圧)がよい。空気あるいは窒素
などの不活性ガスで希釈された分子状酸素の場合、全圧
は、ゲージ圧で0〜30kg/cm2の範囲で充分である。
酸化反応は、バッチ反応、連続反応のいずれでもよ
い。
い。
本発明の製造法によれば、一段の反応によりベンジル
誘導体中の1.2−ジケトン結合の酸化的開裂および芳香
環の側鎖アルキル基のカルボキシル基への酸化を同時に
達成でき、しかも高収率で目的化合物の芳香族ポリカル
ボン酸を得ることができ、工業的価値が高い。
誘導体中の1.2−ジケトン結合の酸化的開裂および芳香
環の側鎖アルキル基のカルボキシル基への酸化を同時に
達成でき、しかも高収率で目的化合物の芳香族ポリカル
ボン酸を得ることができ、工業的価値が高い。
また、本発明によれば、4,4′−ビフェニルジカルボ
ン酸の原料として有用な新規なベンジル誘導体である4,
4′−ビス(4−アルキルフェニル)ベンジルが提供さ
れる。
ン酸の原料として有用な新規なベンジル誘導体である4,
4′−ビス(4−アルキルフェニル)ベンジルが提供さ
れる。
以下実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
るが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものでは
ない。
[実施例1〜3] 撹拌機、還流冷却器、空気吹き込み管を備えた200cc
のチタン製オートクレーブに2,2′,4,4′−テトラメチ
ルベンジル(TMBZ)2.00g、酢酸(AcOH)100g、および
第1表に示す酸化触媒および水を入れ、窒素で10kg/cm2
(ゲージ圧)に加圧した後昇温した。
のチタン製オートクレーブに2,2′,4,4′−テトラメチ
ルベンジル(TMBZ)2.00g、酢酸(AcOH)100g、および
第1表に示す酸化触媒および水を入れ、窒素で10kg/cm2
(ゲージ圧)に加圧した後昇温した。
反応系が180℃になった後、10kg/cm2(ゲージ圧)の
圧力を保ちながら、撹拌下に毎時24の空気を流通し、
6時間酸化反応を行なった。反応後、生成したトリメリ
ット酸(TMA)をガスクロマトグラフィーによって分析
したところ、各々第1表に示す収率を得た。
圧力を保ちながら、撹拌下に毎時24の空気を流通し、
6時間酸化反応を行なった。反応後、生成したトリメリ
ット酸(TMA)をガスクロマトグラフィーによって分析
したところ、各々第1表に示す収率を得た。
ガスクロマトグラフィー分析は、DEXSIL 300GCをChro
mosorb WAW DMCS(80〜100メッシュ)に5%担持したも
の(ガスクロ工業(株)製)を充填した2mガラスカラム
を使用し、100℃〜270℃まで、10℃/分の昇温速度で測
定した。検出器はFIDであった。なお、試料は、予め触
媒の重金属を除去した後、ビス(トリメチルシリル)ト
リフルオロアセトアミドでトリメチルシリル化して使用
した。以下の実施例においてもガスクロマトグラフィー
分析の方法は同じである。
mosorb WAW DMCS(80〜100メッシュ)に5%担持したも
の(ガスクロ工業(株)製)を充填した2mガラスカラム
を使用し、100℃〜270℃まで、10℃/分の昇温速度で測
定した。検出器はFIDであった。なお、試料は、予め触
媒の重金属を除去した後、ビス(トリメチルシリル)ト
リフルオロアセトアミドでトリメチルシリル化して使用
した。以下の実施例においてもガスクロマトグラフィー
分析の方法は同じである。
[実施例4] 2,2′,4,4′−テトラメチルベンジルに代え、4,4′−
ビス(4−メチルフェニル)ベンジル(実施例8で合
成)とした以外は、実施例2と同じ装置、反応条件で酸
化反応を行なった。
ビス(4−メチルフェニル)ベンジル(実施例8で合
成)とした以外は、実施例2と同じ装置、反応条件で酸
化反応を行なった。
反応後生成物を同様にガスクロマトグラフィーで分析
したところ、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の収率
は、82.4%であった。
したところ、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の収率
は、82.4%であった。
[実施例5] 実施例1と同様の装置を使用し、4,4′−ビス(4−
メチルフェニル)ベンジル2.00g、酢酸100g、酢酸コバ
ルト・4水塩0.50g(Co:0.002グラム原子)、酢酸マン
ガン・4水塩1.0g(Mn:0.004グラム原子)、を入れ、窒
素で5kg/cm2(ゲージ圧)に加圧した後、その圧力に保
ちながら、150℃に昇温し、撹拌下に毎時24の空気を
流通し、6時間酸化反応を行なった。
メチルフェニル)ベンジル2.00g、酢酸100g、酢酸コバ
ルト・4水塩0.50g(Co:0.002グラム原子)、酢酸マン
ガン・4水塩1.0g(Mn:0.004グラム原子)、を入れ、窒
素で5kg/cm2(ゲージ圧)に加圧した後、その圧力に保
ちながら、150℃に昇温し、撹拌下に毎時24の空気を
流通し、6時間酸化反応を行なった。
生成物を同様にガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の収率は10.5
%、4−メチル−4′−ビフェニルカルボン酸の収率は
80.0%であった。
ころ、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の収率は10.5
%、4−メチル−4′−ビフェニルカルボン酸の収率は
80.0%であった。
引続き反応系に臭化アンモニウム1.00gを添加し、再
度5kg/cm2(ゲージ圧)に加圧、150℃で4時間酸化反応
を行なったところ、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の
収率は、91.2%まで上昇した。
度5kg/cm2(ゲージ圧)に加圧、150℃で4時間酸化反応
を行なったところ、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の
収率は、91.2%まで上昇した。
[実施例6] 実施例1と同様の装置を使用し、4,4′−ビス(4−
エチルフェニル)ベンジル(実施例9で合成)2.00g、
酢酸100g、酢酸コバルト・4水塩0.50g(Co:0.002グラ
ム原子)、酢酸マンガン・4水塩1.00g(Mn:0.004グラ
ム原子)、臭化アンモニウム1.00g(Br:0.010グラム原
子)および水9.50gを入れ、窒素で10kg/cm2(ゲージ
圧)に加圧した後、その圧力に保ちながら180℃に昇温
し、撹拌下に毎時24の空気を流通し、6時間酸化反応
を行なった。
エチルフェニル)ベンジル(実施例9で合成)2.00g、
酢酸100g、酢酸コバルト・4水塩0.50g(Co:0.002グラ
ム原子)、酢酸マンガン・4水塩1.00g(Mn:0.004グラ
ム原子)、臭化アンモニウム1.00g(Br:0.010グラム原
子)および水9.50gを入れ、窒素で10kg/cm2(ゲージ
圧)に加圧した後、その圧力に保ちながら180℃に昇温
し、撹拌下に毎時24の空気を流通し、6時間酸化反応
を行なった。
生成物を同様にガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、4,4′ビフェニルジカルボン酸が収率81.5%で得
られたことがわかった。
ころ、4,4′ビフェニルジカルボン酸が収率81.5%で得
られたことがわかった。
[実施例7] 実施例1と同様の装置を使用し、4,4′−ビス(4−
イソプロピルフェニル)ベンジル(実施例10で合成)2.
00g、酢酸100g、酢酸コバルト・4水塩6.40g(CO:0.026
グラム原子)、酢酸マンガン・4水塩18.9g(Mn:0.077
グラム原子)、臭化アンモニウム1.00g(Br:0.010グラ
ム原子)を入れ、窒素で15kg/cm2(ゲージ圧)に加圧し
た後、その圧力に保ちながら180℃に昇温し、撹拌下に
毎時24の空気を流通し、6時間酸化反応を行なった。
イソプロピルフェニル)ベンジル(実施例10で合成)2.
00g、酢酸100g、酢酸コバルト・4水塩6.40g(CO:0.026
グラム原子)、酢酸マンガン・4水塩18.9g(Mn:0.077
グラム原子)、臭化アンモニウム1.00g(Br:0.010グラ
ム原子)を入れ、窒素で15kg/cm2(ゲージ圧)に加圧し
た後、その圧力に保ちながら180℃に昇温し、撹拌下に
毎時24の空気を流通し、6時間酸化反応を行なった。
生成物を同様にガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、4,4′−ビフェニルジカルボン酸が収率85.1%で
得られたことがわかった。
ころ、4,4′−ビフェニルジカルボン酸が収率85.1%で
得られたことがわかった。
以下の実施例8〜10に、本発明の新規4,4′−ビス
(4−アルキルフェニル)ベンジルの合成例を示す。
(4−アルキルフェニル)ベンジルの合成例を示す。
[実施例8] 冷却器と滴下漏斗を付けた50mlの三口フラスコに、4
−メチルビフェニル3.36g(20.0ミリモル)、粉砕した
塩化アルミニウム2.66g(19.9ミリモル)、ジクロロメ
タン10mlを入れ、0℃に保った。この中に、5mlのジク
ロロメタンに溶解したオキザリルクロライド0.86ml(1
0.1ミリモル)を滴下漏斗より50分かけて滴下した。4
−メチルビフェニルは滴下終了後2.5時間で消失した。
−メチルビフェニル3.36g(20.0ミリモル)、粉砕した
塩化アルミニウム2.66g(19.9ミリモル)、ジクロロメ
タン10mlを入れ、0℃に保った。この中に、5mlのジク
ロロメタンに溶解したオキザリルクロライド0.86ml(1
0.1ミリモル)を滴下漏斗より50分かけて滴下した。4
−メチルビフェニルは滴下終了後2.5時間で消失した。
反応終了後、反応液を0℃に保ちながら水を加え、触
媒と反応生成物とを分離した。水層は、クロロホルムで
抽出し、先に分離した有機層と合わせ、水、次いで飽和
食塩水で洗浄し、さらに、無水硫酸ナトリウムで脱水し
た。抽出液を乾固したところ、固形成分3.78gを得た。
媒と反応生成物とを分離した。水層は、クロロホルムで
抽出し、先に分離した有機層と合わせ、水、次いで飽和
食塩水で洗浄し、さらに、無水硫酸ナトリウムで脱水し
た。抽出液を乾固したところ、固形成分3.78gを得た。
これを、内部標準法によるガスクロマトグラフィー
(カラム;SE−30、1m)で分析した結果、4,4′−ビス
(4−メチルフェニル)ベンジルが64.4モル%(オキザ
リルクロライド基準)の収率で得られた。この粗結晶を
トリエンで再結晶し、DSC純度99.29%の結晶を得た。
(カラム;SE−30、1m)で分析した結果、4,4′−ビス
(4−メチルフェニル)ベンジルが64.4モル%(オキザ
リルクロライド基準)の収率で得られた。この粗結晶を
トリエンで再結晶し、DSC純度99.29%の結晶を得た。
なお、DSC純度の測定方法は、メットラー社製のDSC30
を用いて測定した。昇温は、160℃から225℃まで2℃/
分の昇温速度で実施した(以下同じ)。
を用いて測定した。昇温は、160℃から225℃まで2℃/
分の昇温速度で実施した(以下同じ)。
[実施例9] 実施例8と同様の反応装置に4−エチルビフェニル3.
65g(20.0ミリモル)、ジクロロメタン15ml、オキザリ
ルクロライド0.86ml(10.1ミリモル)を入れ、0℃に保
った。この中に、細かく粉砕した塩化アルミニウム2.66
g(19.9ミリモル)を3回に分けて徐々に投入した。塩
化アルミニウム投入終了後3.5時間で4−エチルビフェ
ニルは消失した。
65g(20.0ミリモル)、ジクロロメタン15ml、オキザリ
ルクロライド0.86ml(10.1ミリモル)を入れ、0℃に保
った。この中に、細かく粉砕した塩化アルミニウム2.66
g(19.9ミリモル)を3回に分けて徐々に投入した。塩
化アルミニウム投入終了後3.5時間で4−エチルビフェ
ニルは消失した。
反応終了後、実施例8と同様の操作により固形成分4.
01gを得た。これを、実施例8と同様の方法で定量した
ところ、4,4′−ビス(4−エチルフェニル)ベンジル
が60.5モル%(オキザリルクロライド基準)の収率で得
られた。
01gを得た。これを、実施例8と同様の方法で定量した
ところ、4,4′−ビス(4−エチルフェニル)ベンジル
が60.5モル%(オキザリルクロライド基準)の収率で得
られた。
この粗結晶をトルエンとメタノールとの等容量混合溶
媒で再結晶し、DSC純度99.74%の結晶を得た。
媒で再結晶し、DSC純度99.74%の結晶を得た。
[実施例10] 実施例8と同様の反応装置に、粉砕した塩化アルミニ
ウム2.66g(19.9ミリモル)、ジクロロメタン10mlを入
れ0℃に保った。この中に、4−イソプロピルビフェニ
ル3.93g(20.0ミルモル)、オキザリルクロライド0.86m
l(10.1ミリモル)、ジクロロメタン5mlからなる混合溶
液を滴下漏斗より90分かけて滴下した。4−イソプロピ
ルビフェニルは滴下終了後30分で消失した。
ウム2.66g(19.9ミリモル)、ジクロロメタン10mlを入
れ0℃に保った。この中に、4−イソプロピルビフェニ
ル3.93g(20.0ミルモル)、オキザリルクロライド0.86m
l(10.1ミリモル)、ジクロロメタン5mlからなる混合溶
液を滴下漏斗より90分かけて滴下した。4−イソプロピ
ルビフェニルは滴下終了後30分で消失した。
反応終了後、実施例8と同様の操作により固形成分4.
14gを得た。実施例8と同様の方法で定量したところ、
4,4′−ビス(4−イソプロピルフェニル)ベンジルが6
1.7モル%の収率で得られた。この粗結晶を熱ヘキサン
で洗浄後、メタノールとクロロホルムとの等容量混合溶
媒により再結晶し、DSC純度99.04%の結晶を得た。
14gを得た。実施例8と同様の方法で定量したところ、
4,4′−ビス(4−イソプロピルフェニル)ベンジルが6
1.7モル%の収率で得られた。この粗結晶を熱ヘキサン
で洗浄後、メタノールとクロロホルムとの等容量混合溶
媒により再結晶し、DSC純度99.04%の結晶を得た。
実施例8〜10で得られたベンジル誘導体の1H−NMRス
ペクトルを第1図〜第3図に、IRスペクトルを第4図〜
第6図に、それぞれ示す。
ペクトルを第1図〜第3図に、IRスペクトルを第4図〜
第6図に、それぞれ示す。
また、第2表に、実施例8〜10で得られたベンジル誘
導体の融点と分子量(M+:ガス−マスで測定)、および
各図面との対応関係を示す。
導体の融点と分子量(M+:ガス−マスで測定)、および
各図面との対応関係を示す。
第1図〜3図は、本発明の4,4′−ビス(4−アルキル
フェニル)ベンジルの核磁気共鳴(1H−NMR)スペクト
ル、第4図〜第6図は、本発明の,4′−ビス(4−アル
キルフェニル)ベンジルの赤外線吸収(IR)スペクトル
である。
フェニル)ベンジルの核磁気共鳴(1H−NMR)スペクト
ル、第4図〜第6図は、本発明の,4′−ビス(4−アル
キルフェニル)ベンジルの赤外線吸収(IR)スペクトル
である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−122645(JP,A) 特開 昭61−280448(JP,A) J.Amer.Chem.Soc., 95〔4〕 (1973) P.1296−1301 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 49/78 - 49/835 C07C 51/21 - 51/265 C07C 63/307 - 63/333 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】式〔I〕 (ただし、式中、R1は、水素原子、メチル基、エチル基
またはイソプロピル基、R2は、メチル基、エチル基また
はイソプロピル基、およびnは、0または1を示す。) で表わされるベンジル誘導体を、炭素数3以下の脂肪族
モノカルボン酸を少なくとも50重量%含有する溶媒中
で、実質的に、コバルトおよびマンガンから選択される
少なくとも1種の重金属触媒および臭素触媒からなる酸
化触媒の存在下、分子状酸素により酸化することを特徴
とする芳香族ポリカルボン酸の製造法。 - 【請求項2】前記溶媒100グラムに対し、コバルトおよ
びマンガンから選択される少なくとも1種の重金属触媒
を、金属元素として合計量で0.0003グラム原子以上、か
つ、臭素触媒を、臭素元素として0.0001グラム原子以上
の割合で存在させる請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】脂肪族モノカルボン酸が酢酸であり、温度
80〜220℃および圧力0〜30kg/cm2(ゲージ圧)で酸化
反応させる請求項1記載の製造法。 - 【請求項4】ベンジル誘導体が、4,4′−ジメチルベン
ジル、4,4′−ジエチルベンジル、4,4′−ジイソプロピ
ルベンジル、3,3′,4,4′−テトラメチルベンジル、2,
2′,4,4′−テトラメチルベンジル、2,2′,5,5′−テト
ラメチルベンジル、4,4′−ビス(4−メチルフェニ
ル)ベンジル、4,4′−ビス(4−エチルフェニル)ベ
ンジル、4,4′−ビス(4−イソプロピルフェニル)ベ
ンジルから選択される化合物である請求項1記載の製造
法。 - 【請求項5】式〔II〕 (ただし、式中Rはメチル基、エチル基またはイソプロ
ピル基を示す。) で表わされる4,4′−ビス(4−アルキルフェニル)ベ
ンジル。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1186062A JP2775641B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 芳香族ポリカルボン酸の製造法 |
US07/538,057 US5087742A (en) | 1989-07-20 | 1990-06-14 | Process for preparing aromatic polycarboxylic acids |
EP90307197A EP0409437B1 (en) | 1989-07-20 | 1990-07-02 | Process for preparing aromatic polycarboxylic acids |
DE69012689T DE69012689T2 (de) | 1989-07-20 | 1990-07-02 | Verfahren zur Herstellung von aromatischen Polycarbonsäuren. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1186062A JP2775641B2 (ja) | 1989-07-20 | 1989-07-20 | 芳香族ポリカルボン酸の製造法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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---|---|
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EP (1) | EP0409437B1 (ja) |
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DE (1) | DE69012689T2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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CN103483186B (zh) * | 2013-08-29 | 2015-07-01 | 中唯炼焦技术国家工程研究中心有限责任公司 | 4,4′-联苯二甲酸的合成方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB833440A (en) * | 1956-10-31 | 1960-04-27 | Ici Ltd | Preparation of aromatic carboxylic acids |
US3406196A (en) * | 1964-09-30 | 1968-10-15 | Du Pont | Oxidation of polyalkyl aromatics to polycarboxylic acids |
DE2962928D1 (en) * | 1978-12-21 | 1982-07-08 | Ici Plc | Recovery of bromine from the effluent gases of a bromine catalysed oxidation process |
US4670581A (en) * | 1983-01-27 | 1987-06-02 | Sugai Chemical Industry Co., Ltd. | Biphenyl compounds and process for producing the same |
DE3464595D1 (en) * | 1983-10-24 | 1987-08-13 | Teijin Petrochem Ind | Process for producing 2,6-naphthalenedicarboxylic acid |
US4665215A (en) * | 1984-07-24 | 1987-05-12 | Celanese Corporation | Process for producing 4-acetoxybenzoic acid |
-
1989
- 1989-07-20 JP JP1186062A patent/JP2775641B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1990
- 1990-06-14 US US07/538,057 patent/US5087742A/en not_active Expired - Fee Related
- 1990-07-02 EP EP90307197A patent/EP0409437B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1990-07-02 DE DE69012689T patent/DE69012689T2/de not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Amer.Chem.Soc.,95〔4〕 (1973) P.1296−1301 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE69012689D1 (de) | 1994-10-27 |
JPH0352840A (ja) | 1991-03-07 |
EP0409437A3 (en) | 1992-03-25 |
EP0409437B1 (en) | 1994-09-21 |
EP0409437A2 (en) | 1991-01-23 |
US5087742A (en) | 1992-02-11 |
DE69012689T2 (de) | 1995-03-02 |
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