JP2007084524A - アミノフェノール化合物 - Google Patents

アミノフェノール化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2007084524A
JP2007084524A JP2006089365A JP2006089365A JP2007084524A JP 2007084524 A JP2007084524 A JP 2007084524A JP 2006089365 A JP2006089365 A JP 2006089365A JP 2006089365 A JP2006089365 A JP 2006089365A JP 2007084524 A JP2007084524 A JP 2007084524A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
compound
compound represented
aromatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006089365A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Ono
幸治 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2006089365A priority Critical patent/JP2007084524A/ja
Publication of JP2007084524A publication Critical patent/JP2007084524A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性の高い縮合系高分子の原料として有用な新規なアミノフェノール化合物を提供する。
【解決手段】一般式(1)又は(3)で表されるアミノフェノール化合物。
Figure 2007084524

(式中、Arは芳香族基を示し、芳香環上のアミノ基とヒドロキシル基は隣り合う位置に配置する。)
Figure 2007084524

(式中、Yは、水素原子、アルキル基又は芳香族基を示し、Arは前記に同じ。)
【選択図】なし

Description

本発明は、アミノフェノール化合物に関する。
一分子中に2つのアミノフェノール構造を有するビスアミノフェノール類は、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂およびポリベンゾオキサゾール樹脂などの原料として用いられている。これらの樹脂は、その用途に応じて、様々な構造を有する樹脂が合成されており、ビスアミノフェノール類も樹脂構造に対応する様々な構造が選択され、使用されている。
一方、これらの樹脂は、一般に熱可塑性の高分子であるが、高い耐熱性を有していることから、高温の環境にさらされる用途に多く用いられている。また、これらの樹脂において、より耐熱性を高める手段として、熱硬化が可能な置換基を導入する試みがなされており、それに用いる原料が要望されている。これに対応するものとして、従来の技術では、架橋基を有するモノアミノフェノール(例えば、非特許文献1参照。)が報告されているが、更にこれらを用いた樹脂の特性である低誘電性、機械的強度における改善がさらに望まれている。
Robert C. Evers and George J. Moore、and Jerald L. Burkett,ACS Symposium Series(1982),195(Cyclopolym. Chain−Ring Structure) p223−p235
本発明は、耐熱性の高い高分子の原料に適したアミノフェノール化合物を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、
(1) ブタジイニル基を有するアミノフェノール化合物、
(2) 前記アミノフェノール化合物が、ビスアミノフェノール化合物である、第(1)項に記載のアミノフェノール化合物、
(3) 前記ビスアミノフェノール化合物は、式(1)で表される化合物である、第(2)項に記載のアミノフェノール化合物、
Figure 2007084524
(式(1)中、Arは芳香族基を示し、該芳香族基において芳香環上のアミノ基とヒドロキシル基は隣り合う位置に配置する。また、前記芳香環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
(4) 前記ビスアミノフェノール化合物は、式(2)で表される化合物である、第(2)項または第(3)項に記載のアミノフェノール化合物、
Figure 2007084524
(式(2)中、ベンゼン環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
(5) 前記アミノフェノール化合物が、モノアミノフェノール化合物である、第(1)項に記載のアミノフェノール化合物、
(6) 前記モノアミノフェノール化合物は、式(3)で表される化合物である、第(5)項に記載のアミノフェノール化合物、
Figure 2007084524
(式(3)中、Yは、水素原子、アルキル基、又は芳香族基を示し、Arは芳香族基を示し、該芳香族基において、芳香環上のアミノ基とヒドロキシル基は隣り合う位置に配置する。また、前記Ar、又はYにおける芳香環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
(7) 前記モノアミノフェノール化合物は、式(4)で表される化合物である、第(5)項または第(6)項に記載のアミノフェノール化合物、
Figure 2007084524
(式(4)中、Yは、水素原子、アルキル基、又は芳香族基を示す。また、式(4)中のベンゼン環、又はYにおける芳香環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
(8) 前記モノアミノフェノール化合物は、式(5)で表される化合物である、第(5)項、第(6)項、または第(7)項に記載のアミノフェノール化合物、
を提供するものである。
Figure 2007084524
(式(5)中、ベンゼン環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
本発明によれば、ブタジイニル基を有するアミノフェノール化合物を得ることができ、これらは、高分子、特に縮合系高分子の原料として有用である。高分子に用いる場合、一般式(1)のようなビスアミノフェノール化合物の場合は、高分子の主鎖に直接導入することができ、一般式(3)のようなモノアミノフェノール化合物の場合は、高分子の側鎖及び末端に導入することができ、高分子の特性を向上させるのに有用である。
本発明は、ブタジイニル基を有するアミノフェノール化合物であり、少なくともブタジイニル基とアミノフェノール基を有するものであり、ブタジイニル基を有するビスアミノフェノール化合物及びモノアミノフェノール化合物である。その具体例として、式(1)で表されるビスアミノフェノール化合物や、式(3)で表されるモノアミノフェノール化合物を挙げることができる。前記式(1)で表されるビスアミノフェノール化合物においては、式中のArとして、芳香族基を有するものである。なお、前記Arにおける芳香環上のアミノ基とヒドロキシル基は隣り合う位置に配置する。また、前記芳香環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。前記式(3)で表されるモノアミノフェノール化合物においては、式中のYとして、水素原子、アルキル基、又は芳香族基を有し、Arとして、芳香族基を有するものである。なお、前記Arにおける芳香環上のアミノ基とヒドロキシル基は隣り合う位置に配置する。また、前記Y及びArとしての芳香族基における芳香環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。
前記一般式(1)で表されるビスアミノフェノール化合物、又は一般式(3)で表されるモノアミノフェノール化合物において、Arは芳香族基を示し、前記芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基及びフェナンスレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの内、フェニル基が、樹脂の溶解性に優れることから、特に好ましい。
一方、Yは、水素原子、アルキル基、又は芳香族基を示し、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基及びt−ブチル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらにより、溶解性を有する樹脂を得ることができる。前記芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基及びフェナンスレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの内、フェニル基が、樹脂の溶解性に優れることから、特に好ましい。Yが芳香族基の場合、Y及びArは、互いに同じであっても異なっていても良い。
前記アダマンタン構造を含む基としては、アダマンタン構造を基本単位とするダイヤモンドイド構造を有する基および2つ以上のアダマンタンが結合しているポリアダマンタン構造を有する基等が挙げられる。上記ダイヤモンドイド構造を有する基としては、例えば、アダマンチル基、ジアマンチル基、トリアマンチル基、テトラマンチル基、ペンタマンチル基、ヘキサマンチル基、ヘプタマンチル基、オクタマンチル基、ノナマンチル基、デカマンチル基、ウンデカマンチル基、アダマンチルフェニル基、ジアマンチルフェニル基、トリアマンチルフェニル基、テトラマンチルフェニル基、ペンタマンチルフェニル基、ヘキサマンチルフェニル基、ヘプタマンチルフェニル基、オクタマンチルフェニル基、ノナマンチルフェニル基、デカマンチルフェニル基、ウンデカマンチルフェニル基、アダマンチルフェノキシフェニル基、ジアマンチルフェノキシフェニル基、トリアマンチルフェノキシフェニル基、テトラマンチルフェノキシフェニル基、ペンタマンチルフェノキシフェニル基、ヘキサマンチルフェノキシフェニル基、ヘプタマンチルフェノキシフェニル基、オクタマンチルフェノキシフェニル基、ノナマンチルフェノキシフェニル基、デカマンチルフェノキシフェニル基およびウンデカマンチルフェノキシフェニル基等が挙げられ、上記ポリアダマンタン構造を有する基としては、1,1’−ビアダマンチル基および2,2’−ビアダマンチル基などのビアダマンチル基、1,1’,1’’−トリアダマンチル基および2,2’,2’’−トリアダマンチル基などのトリアダマンチル基、1,1’,1’’,1’’’−テトラアダマンチル基および2,2’,2’’,2’’’−テトラアダマンチル基などのテトラアダマンチル基、1,1’,1’’,1’’’,1’’’’−ペンタアダマンチル基および2,2’,2’’,2’’’,2’’’’−ペンタアダマンチル基などのペンタアダマンチル基、1,1’,1’’,1’’’,1’’’’,1’’’’’−ヘキサアダマンチル基および2,2’,2’’,2’’’,2’’’’,2’’’’’−ヘキサアダマンチル基などのヘキサアダマンチル基、ヘプタアダマンチル基、オクタアダマンチル基、ノナアダマンチル基、デカアダマンチル基、ウンデカアダマンチル基、ビアダマンチルフェニル基、トリアダマンチルフェニル基、テトラアダマンチルフェニル基、ペンタアダマンチルフェニル基、ヘキサアダマンチルフェニル基、ヘプタアダマンチルフェニル基、オクタアダマンチルフェニル基、ノナアダマンチルフェニル基、デカアダマンチルフェニル基、ウンデカアダマンチルフェニル基、ビアダマンチルフェノキシフェニル基、トリアダマンチルフェノキシフェニル基、テトラアダマンチルフェノキシフェニル基、ペンタアダマンチルフェノキシフェニル基、ヘキサアダマンチルフェノキシフェニル基、ヘプタアダマンチルフェノキシフェニル基、オクタアダマンチルフェノキシフェニル基、ノナアダマンチルフェノキシフェニル基、デカアダマンチルフェノキシフェニル基およびウンデカアダマンチルフェノキシフェニル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらにより、耐熱性を有する樹脂を得ることができる。
前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらにより、溶解性、耐熱性を有する樹脂を得ることができる。
本発明のブタジイニル基を有するビスアミノフェノール化合物において、その中でも、式(1)で表されるビスアミノフェノール化合物の具体例としては、
1,4−(2,2’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(4,4’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−2,2’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(4,4’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−2,2’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(2,3’−ジアミノ−3,2’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(4,5’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−2,3’−ジアミノ−3,2’−ジヒドロキシージフェニル)ブタジイン、1,4−(4,5’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−2,3’−ジアミノ−3,2’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(2,3’−ジアミノ−3,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(4,5’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−2,3’−ジアミノ−3,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(4,5’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−2,3’−ジアミノ−3,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(2,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(4,2’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−2,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシージフェニル)ブタジイン、1,4−(4,2’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−2,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,5’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,5’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−3,3’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(3,3’−ジアミノ−2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,5’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−3,3’−ジアミノ−2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,5’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−3,3’−ジアミノ−2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(3,4’−ジアミノ−2,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,2’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−3,4’−ジアミノ−2,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,2’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−3,4’−ジアミノ−2,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,5’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,5’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−3,3’−ジアミノ−4,4’―ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,2’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(5,2’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−3,4’−ジアミノ−4,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(6,6’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン及び1,4−(6,6’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、等が挙げられるが、これらの中で、1,4−(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、1,4−(6,6’−ビス(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシージフェニル)ブタジイン及び1,4−(6,6’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン、が、樹脂としたときの溶解性が高いという点で好ましい。
本発明のブタジイニル基を有するモノアミノフェノール化合物において、その中でも、式(3)で表されるモノアミノフェノール化合物の具体例としては、
1−(1,3−ブタジイニル)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−(n−ヘキシル)−1,3−ブタジイニル)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、4−(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−1−(4ーフェニル−1,3−ブタジイニル)−2−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−(n−ヘキシル)−1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−ベンゼン、5−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−1−(4ーフェニル−1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−ベンゼン、5−(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−(n−ヘキシル)−1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−ベンゼン、5−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−1−(4ーフェニル−1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−ベンゼン、5−(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−(n−ヘキシル)−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、6−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、6−(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−(n−ヘキシル)−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、2−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン及び2−(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、等が挙げられるが、これらの中で、1−(1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−(n−ヘキシル)−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、6−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン及び6−(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼン、が、樹脂としたときの溶解性が高いという点で好ましい。
本発明のビスアミノフェノール化合物の製造方法としては、例えば、まず、出発原料をハロゲン化フェノールとして、これを用い、ニトロ化反応を行い、ハロゲン基とニトロ基とを有するハロゲン化ニトロフェノールを合成し、次いで、保護基を有するエチニル基を有する化合物を用いて、カップリング反応を行うことにより、前記ハロゲン基を、保護基を有するエチニル基を有する1価の基で置換する。ここで、1価の基とは、端部に、前記ハロゲン基が結合していた部位に結合し得る結合手を1つ有する基のことを言う。得られた化合物のエチニル基の保護基を、脱保護反応により外し、エチニル基を有するニトロフェノール化合物を得る。次いで、エチニル基同士のカップリング反応を行い、次いで、前記ニトロ化反応で得られたニトロ基を、還元することにより、本発明のビスアミノフェノール化合物を得ることができる。
本発明のモノアミノフェノール化合物の製造方法としては、例えば、まず、前記ビスアミノフェノール化合物の製造方法と同様にして、エチニル基を有するニトロフェノール化合物を得る。次いで、アルキル基、芳香族基、又は保護基を有するエチニル基を有する化合物を用いて、エチニル基同士のカップリング反応を行い、次いで、前記カップリング反応において、保護基を有するエチニル基を有する化合物を用いた場合は、脱保護反応を行い、次いで、前記ニトロ化反応で得られたニトロ基を、還元することにより、本発明のモノアミノフェノール化合物を得ることができる。一方、前記カップリング反応において、アルキル基又は芳香族基を有するエチニル基を有する化合物を用いた場合は、そのまま、前記ニトロ化反応で得られたニトロ基を、還元することにより、本発明のモノアミノフェノール化合物を得ることができる。
次いで、本発明のビスアミノフェノール化合物及びモノアミノフェノール化合物の製造方法について具体例を説明するが、本発明の式(1)で表されるビスアミノフェノール化合物の内、代表例の一つとして、式(2)で表されるビスアミノフェノール化合物の場合、及び、本発明の式(3)で表されるモノアミノフェノール化合物の内、代表例の一つとして、式(4)で表されるモノアミノフェノール化合物の場合、例えば、以下のルートによって合成することができる。
Figure 2007084524
式(6)及び式(7)中、Zはクロロ基、ブロモ基およびヨード基などのハロゲン基を示し、式(8)及び式(9)中、Xは、保護基を示し、例えば、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル基または2−トリメチルシリル−1−ブチニル基を示す。式(12)及び式(13)中、Y1は、アルキル基、芳香族基、又は保護基を示し、保護基としては、例えば、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチニル基または2−トリメチルシリル−1−ブチニル基を示す。式(14)及び式(4)中、Yは、水素原子、アルキル基、又は芳香族基を示す。式(2)、式(4)、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)、式(11)、式(12)、式(13)、及び式(14)中、ベンゼン環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。
上記Y1としてのアルキル基及び芳香族基は、前記式(3)で表されるモノアミノフェノール化合物におけるYとしてのそれらと同じものを挙げることができる。
式(2)で表されるビスアミノフェノール化合物の場合、まず、出発原料のハロゲン化フェノールとして、式(6)で表される3−ブロモフェノールで、HNO3によるニトロ化反応を行い、式(7)で表される3−ブロモ−6−ニトロフェノールが得られる。ここで、式(1)及び式(3)で表される化合物において、Arとして、フェニル基以外の芳香族基の場合は、式(6)で表される化合物におけるフェニル基に代え、その構造にあわせ、例えば、ナフチル基、アントラセニル基及びフェナンスレニル基などを有する化合物を用いれば良い。
上記で得られた3−ブロモ−6−ニトロフェノール(式(7))と、アセチレンの片側がXで表される保護基で置換された化合物(式(8))とを、カップリング反応させることによって、式(9)で表される化合物が得られる。このカップリング反応において、触媒を用いると良いが、触媒としては、例えば、パラジウムなどの遷移金属触媒を用いることができる。また、置換基Xとしては、保護基としてのトリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
上記で得られた式(9)で表される化合物における保護基に対して、アルカリ金属水酸化物を用いて、脱保護反応を行い、式(10)で表される化合物が得られる。前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カルシウムなどが挙げられる。
上記で得られた式(10)で表される化合物をカップリング反応させることによって、式(11)で表される化合物が得られる。前記カップリング反応において、触媒を用いると良いが、例えば、銅などの遷移金属触媒を用いる。
次に、上記で得られた式(11)で表される化合物のニトロ基を、塩化スズ(II)二水和物およびハイドロサルファイトナトリウムなどの還元剤で還元することにより、式(2)で表されるビスアミノフェノール化合物を得ることができる。
また、式(4)で表されるモノアミノフェノール化合物の場合、まず、式(2)で表されるビスアミノフェノール化合物の場合と同様にして、式(10)で表される化合物を得る。
上記で得られた式(10)で表される化合物と、アセチレンの片側が、Y1で表されるアルキル基、芳香族基、又は保護基で置換された化合物(式(12))とを、カップリング反応させることによって、式(13)で表される化合物が得られる。このカップリング反応において、触媒を用いると良いが、触媒としては、例えば、銅などの遷移金属触媒を用いる。また、保護基Y1としては、トリメチルシリル基およびヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
次に、上記で得られた式(13)で表される化合物において、置換基Y1が保護基として働く基である場合、アルカリ金属水酸化物を用いて、脱保護反応を行い、式(14)で表される化合物が得られる。前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カルシウムなどが挙げられる。置換基Y1がアルキル基又は芳香族基である場合は、式(13)で表される化合物と式(14)で表される化合物とは同一化合物である。
次に、上記で得られた式(14)で表される化合物のニトロ基を、塩化スズ(II)二水和物およびハイドロサルファイトナトリウムなどの還元剤で還元することにより、式(4)で表されるモノアミノフェノール化合物を得ることができる。
以下、合成法の例について、更に詳細に説明する。
上記式(2)で表されるビスアミノフェノール化合物の合成例において、式(7)で表される3−ブロモ−6−ニトロフェノールは、式(6)で表される3−ブロモフェノールを、硝酸水溶液中、0℃〜100℃の温度範囲で、ニトロ化することによって得られる。この時、反応時間としては、特に制限されない。前記硝酸水溶液量としては、特に制限されないが、硝酸の使用量としては、式(6)で表される化合物に対して、1〜10当量倍が好ましい。
また、式(9)で表される化合物は、上記で得た式(7)で表される3−ブロモ−6−ニトロフェノールと、式(8)で表されるアセチレンの片側が保護基Xで置換された化合物とを、触媒存在下で、窒素、アルゴンおよびヘリウム等の不活性ガス雰囲気中で、20〜150℃程度の温度範囲でカップリング反応することによって得られる反応液を、濃縮および再沈殿等の分離操作を施すことにより、式(9)で表される化合物を得ることができる。この時、反応時間としては、特に制限されない。また、得られた化合物は、必要に応じて、カラムクロマトグラフィー、再結晶等により、精製することができる。
前記式(8)で表される化合物としては、保護基で置換された化合物として、例えば、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、トリメチルシリル−アセチレン等が挙げられ、その使用量は、式(7)で表される化合物に対し、2〜3mol倍が好ましい。
前記カップリング反応における前記触媒系としては、通常、炭素−炭素結合を形成し得る触媒系ならば、特に制限無く用いることができるが、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ヨウ化銅およびトリフェニルホスフィンからなる触媒系を用いることが望ましい。ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの添加量としては、式(8)で表される化合物に対して、0.1から1mol%が好ましく、また、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムに対して、トリフェニルホスフィンは1から20当量倍が好ましく、ヨウ化銅は1から5当量倍の間が好ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、発生する酸を捕捉して、触媒反応を促進するために、アミン系の溶媒が用いられる。前記溶媒としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミン等のアミン類、ピリジンおよびピペリジン等の環状アミン類が挙げられる。これらの溶媒は、単独または2種以上を組み合わせて用いられる。その使用量は、上記反応に用いる原料に対して、2から50重量倍が好ましい。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活等を防ぐために、あらかじめ蒸留しておくことが望ましい。
式(8)で表される化合物として、保護基を有する3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンを用いた場合は、式(9)で表される化合物を、アルカリ金属水酸化物を用いて、脱保護することにより、式(10)で表される化合物を得ることができる。
次に、式(11)で表される化合物は、式(10)で表される化合物を、触媒存在下で、窒素、アルゴンおよびヘリウム等の不活性ガス雰囲気中で、0〜150℃の温度範囲でカップリング反応することによって反応生成物が得られ、これを、濃縮および再沈殿等の分離操作を施すことにより得られる。この時、カップリング反応時間としては、特に制限されない。このようにして得られた式(11)で表される化合物は、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶等により、精製することができる。
前記触媒系としては、通常炭素−炭素結合を形成しうる触媒系ならば、特に制限無く用いることができるが、例えば、酢酸銅(II)一水和物を用いることが望ましい。酢酸銅(II)一水和物の添加量としては、特に規定されないが、式(10)で表される化合物に対して、1から30当量倍の間であることが好ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、触媒反応を促進するために、アミン系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒を用いることが好ましい。前記アミン系溶媒としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミン等の3級アミン類、ピリジンおよびピペリジン等の環状アミン類などが挙げられる。これらの中でも、ピリジンが好ましい。前記アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノールなどが挙げられる。これらの中でも、メタノールが好ましい。前記アミン系溶媒とアルコール系溶媒の混合比率としては、アミン系溶媒に対してアルコール系溶媒が、体積比で0.1倍から10倍の間であることが好ましい。前記アミン系溶媒とアルコール系溶媒の使用量としては特に特定されないが、上記合成に用いる原料に対して、2から50重量倍を用いることが好ましい。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活等を防ぐために、あらかじめ蒸留しておくことが望ましい。
次に、式(2)で表される化合物は、上記で得た式(11)で表される化合物を、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、またはジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒中で、0℃〜100℃程度の温度範囲で、塩化第2スズなどの還元剤を用いて還元反応させることにより得られる。これらの溶媒は、単独または2種以上を組み合わせて用いられる。溶媒の使用量としては、上記反応に用いる原料に対して、2から50重量倍を用いるのが好ましい。この時、反応時間としては、特に制限されない。還元剤の使用量としては、式(11)で表される化合物に対して、1〜10当量倍が好ましい。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活等を防ぐために、予め蒸留しておくことが望ましい。
また、上記還元反応において、反応させる化合物が水に対して難溶で、ハイドロサルファイトナトリウムなどの水溶性の還元剤を用いる場合の例を挙げると、式(11)で表される化合物を、ジクロロメタンおよびアセトニトリルなどの有機溶媒と水とから構成される有機層と水層を有する溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基存在下、1,1’−ジオクチル−4,4’−ビピリジウムなどの電荷移動触媒を用いて、0〜100℃の温度範囲で、ハイドロサルファイトナトリウムなどの還元剤により還元反応を行うことができる。その際、窒素など不活性雰囲気下で行うことが好ましい。溶媒の使用量としては、特に限定されない。この時、反応時間としては、特に特定されないが2〜8時間が望ましい。還元剤の使用量としては、式(11)で表される化合物のニトロ基に対して、1〜10当量倍が好ましい。電荷移動触媒の使用量としては式(11)で表される化合物のニトロ基に対して、0.05〜1当量倍が好ましい。また、得られた化合物は、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶等により、精製することができる。
一方、上記式(4)で表されるモノアミノフェノール化合物の合成例において、式(13)で表される化合物は、式(10)で表される化合物と、式(12)で表されるアセチレンの片側がY1で表されるアルキル基、芳香族基、又は保護基で置換された化合物とを、触媒存在下で、窒素、アルゴンおよびヘリウム等の不活性ガス雰囲気中で、0〜150℃の温度範囲でカップリング反応することによって反応生成物が得られ、これを、濃縮および再沈殿等の分離操作を施すことにより得られる。この時、カップリング反応時間としては、特に制限されない。このようにして得られた式(13)で表される化合物は、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶等により、精製することができる。
前記式(12)で表される化合物としては、保護基Y1で置換された化合物として、例えば、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、トリメチルシリル−アセチレン等が挙げられ、その使用量は、式(10)で表される化合物に対し、1〜20mol倍が好ましい。
前記触媒系としては、通常炭素−炭素結合を形成し得る触媒系ならば、特に制限無く用いることができるが、例えば、酢酸銅(II)一水和物を用いることが望ましい。酢酸銅(II)一水和物の添加量としては、特に規定されないが、式(10)で表される化合物に対して、1から30当量倍の間であることが好ましい。
この反応に用いられる溶媒としては、触媒反応を促進するために、アミン系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒を用いることが好ましい。前記アミン系溶媒としては、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミンおよびトリブチルアミン等の3級アミン類、ピリジンおよびピペリジン等の環状アミン類などが挙げられる。これらの中でも、ピリジンが好ましい。前記アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノールおよびイソプロパノールなどが挙げられる。これらの中でも、メタノールが好ましい。前記アミン系溶媒とアルコール系溶媒の混合比率としては、アミン系溶媒に対してアルコール系溶媒が、体積比で0.1倍から10倍の間であることが好ましい。前記アミン系溶媒とアルコール系溶媒の使用量としては特に特定されないが、上記合成に用いる原料に対して、2から50重量倍を用いることが好ましい。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活等を防ぐために、あらかじめ蒸留しておくことが望ましい。
式(12)で表される化合物として、保護基Y1を有する3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンを用いた場合は、式(13)で表される化合物を、アルカリ金属水酸化物を用いて、脱保護することにより、式(14)で表される化合物を得ることができる。一方、置換基Y1がアルキル基又は芳香族基である場合は、式(13)で表される化合物と式(14)で表される化合物とは同一化合物である。
次に、式(4)で表される化合物は、上記で得た式(14)で表される化合物を、メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、またはジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒中で、0℃〜100℃程度の温度範囲で、塩化第2スズなどの還元剤を用いて還元反応させることにより得られる。これらの溶媒は、単独または2種以上を組み合わせて用いられる。溶媒の使用量としては、上記反応に用いる原料に対して、2から50重量倍を用いるのが好ましい。この時、反応時間としては、特に制限されない。還元剤の使用量としては、式(14)で表される化合物に対して、1〜10当量倍が好ましい。また、これらの溶媒は、副反応や触媒の失活等を防ぐために、予め蒸留しておくことが望ましい。
また、上記還元反応において、反応させる化合物が水に対して難溶で、ハイドロサルファイトナトリウムなどの水溶性の還元剤を用いる場合の例を挙げると、式(14)で表される化合物を、ジクロロメタンおよびアセトニトリルなどの有機溶媒と水とから構成される有機層と水層を有する溶媒中、炭酸カリウムなどの塩基存在下、1,1’−ジオクチル−4,4’−ビピリジウムなどの電荷移動触媒を用いて、0〜100℃の温度範囲で、ハイドロサルファイトナトリウムなどの還元剤により還元反応を行うことができる。その際、窒素など不活性雰囲気下で行うことが好ましい。溶媒の使用量としては、特に限定されない。この時、反応時間としては、特に特定されないが2〜8時間が望ましい。還元剤の使用量としては、式(14)で表される化合物のニトロ基に対して、1〜10当量倍が好ましい。電荷移動触媒の使用量としては式(14)で表される化合物のニトロ基に対して、0.05〜1当量倍が好ましい。また、得られた化合物は、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーおよび再結晶等により、精製することができる。
上記で得られたビスアミノフェノール化合物は、ジカルボン酸化合物と縮合反応させることにより、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂前駆体及びポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体などへと変換させることができる。前記ジカルボン酸化合物としては、ベンゼンジカルボン酸及びナフタレンジカルボン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一方、上記で得られたモノアミノフェノール化合物は、上記で得られたポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂前駆体及びポリベンゾオキサゾール樹脂前駆体などの側鎖及び末端に導入することができる。
以下に本発明を説明するために実施例を示すが、これによって本発明を限定するものではない。
得られた化合物は特性評価のため、IRおよびMSの各種スペクトルの測定を行った。各特性の測定条件は次のとおりとした。
試験方法
(1)赤外分光分析(IR):PERKIN ELMER社製1640型を用いて、KBr錠剤法により測定した。
(2)質量分析(MS):日本電子(株)製JMS−700型を用いてフィールド脱着(FD)法で測定した。
(実施例1)
(1)[3−ブロモ−6−ニトロフェノールの合成]
温度計、撹拌機および還流管を備えた4つ口の500mlフラスコに、20%硝酸水溶液200ml(0.64モル)を入れ、激しく撹拌しながら、3−ブロモフェノール50.2g(0.29モル)を、少しずつ添加した。添加中、フラスコの内温は20℃〜30℃に保った。添加終了後、温度が上昇しなくなったら、引き続き、1時間反応を続けた。その後、反応液を、冷水約500ml中に注ぎ、得られた粗生成物を濾別し、純水で洗い、乾燥した。さらに、粗生成物を、熱エタノールにより再結晶して、固体を得た。得られた固体を減圧乾燥することにより、生成物56.9gを得た。この生成物を用いて、IR分析を行ったところ、ニトロ基の吸収が1500cm-1付近及び1370cm-1付近にあること、また、ブロモ基の吸収が690〜515cm-1にあること、さらには、質量分析を行ったところ、分子量が217であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
(2)[3−(2−(2−(2−ヒドロキシルプロピル))エチニル)−6−ニトロフェノールの合成]
温度計、ジムロート冷却管および窒素導入管を備えた4つ口の500mLフラスコに、上記で得た3−ブロモ−6−ニトロフェノール13.1g(0.06mol)、トリフェニルホスフィン0.79g(0.003mol)、ヨウ化銅0.23g(0.0012mol)、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン5.6g(0.066mol)、脱水トリエチルアミン72mlおよび脱水ピリジン38ml、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.25g(0.00036mol)を仕込み、窒素を流しながら、105℃で1時間、加熱還流した。その後、トリエチルアミンおよびピリジンを減圧留去し、粘稠な褐色溶液を得た。これに、水200mL、塩酸5mLを注ぎ、析出した固形物を濾取し、さらに、水500mlで洗浄した。この固形物を、50℃で1日間、減圧乾燥することにより、生成物11.9gを得た。得られた生成物を用いて、IR分析を行ったところ、エチニル基の吸収が2260〜2190cm-1付近にあること、また、質量分析を行ったところ、分子量が221であることより、得られた生成物は、目的物であることを示していた。
(3)[3−エチニル−6−ニトロフェノールの合成](脱保護反応)
温度計、ジムロート冷却管および撹拌機を備えた5Lの4つ口フラスコに、n−ブタノール3Lおよび水酸化カリウム(85%)182g(2.763mol)を仕込み、フラスコ内に加熱還流して溶解した。これに、上記で合成した3−(2−(2−(2−ヒドロキシルプロピル))エチニル)−6−ニトロフェノール76.1g(0.344mol)を加えて、30分間加熱して還流した。これを、氷浴にて冷却し、析出した結晶を、ろ取した。この結晶を、エタノール1Lで2回洗浄し、60℃で減圧乾燥することによって、50.5gの3−エチニル−6−ニトロフェノールを得た。質量分析を行ったところ、分子量が163であることより、目的物であることを示していた。
(4)[1,4−(4,4’−ジニトロ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジインの合成]
温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた4つ口の1リットルフラスコに、酢酸銅(II)一水和物89.6g(0.449mol)、ピリジン250mlおよびメタノール250mlを仕込み、フラスコ中に窒素を流し、氷浴中で撹拌し、懸濁液とした。30分後、上記(3)で得た3−エチニル−6−ニトロフェノール3.34g(0.0205mol)を加え、氷浴中で6時間、室温で1時間反応させた。その後、反応液を水3500mlに投入し、析出した固形物を濾取し、この固形物を50℃で減圧乾燥することにより、生成物2.86gを得た。得られた生成物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量が324であることより、得られた生成物は、目的物であることを示していた(収率86%)。
(5)[1,4−(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジインの合成]
温度計、ジムロート冷却管および窒素導入管を備えた4つ口の200mLフラスコに、濃塩酸20mlとエタノール30mlを仕込み、さらに、上記操作を繰り返して得た1,4−(4,4’−ジニトロ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジイン6.81g(0.021モル)を撹拌しながら添加し、浮遊させた。これに、塩化スズ(II)二水和物15gをエタノール20mlに溶かしたものを、30℃以下の温度で1時間かけて加えた。12時間後、析出した結晶を、ろ過し、エタノール−塩酸混合液により再結晶した。得られた塩酸塩を、水で加水分解させ、エタノールにより再結晶し、減圧乾燥させることにより、生成物4.5gを得た。得られた生成物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量264であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
(実施例2)
[1,4−(6,6’−ビス(1−(3,5―ジメチルアダマンチル))−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジインの合成]
実施例1の(1)において、3−ブロモフェノール50.2g(0.29モル)の代わりに4−(1−(3,5−ジメチルアダマンチル))−3−ブロモフェノール97.2g(0.29モル)を用いた以外は、実施例1の(1)〜(5)と同様に反応を行い、目的物を得た。
得られた化合物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量588であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
(実施例3)
[1,4−(6,6’−ビス(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−ジフェニル)ブタジインの合成]
実施例1の(1)において、3−ブロモフェノール50.2g(0.29モル)の代わりに4−(7−(1,1’−(3,5,3’,5’−テトラメチルビアダマンチル)))−3−ブロモフェノール144.3g(0.29モル)を用いた以外は、実施例1の(1)〜(5)と同様に反応を行い、目的物を得た。
得られた化合物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量913であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
(実施例4)
[1−(4−フェニル−1,3−ブタジイニル)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−ベンゼンの合成]
実施例1の(4)において、3−エチニル−6−ニトロフェノール3.34g(0.0205mol)の代わりに、3−エチニル−6−ニトロフェノール1.67g(0.0102mol)及びエチニルベンゼン1.05g(0.0102mol)を用いた以外は、実施例1の(1)〜(5)と同様に反応を行い、目的物を得た。
得られた化合物を用いて、質量分析を行ったところ、分子量233であることより、得られた化合物が目的物であることを示していた。
本発明のビスアミノフェノール化合物を原料として得られる芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂およびポリベンゾオキサゾール樹脂などの樹脂は、従来の樹脂に比べて、より耐熱性に優れるものであり、これらの樹脂は、有機層間絶縁膜用材料など半導体用途に有用である。

Claims (8)

  1. ブタジイニル基を有するアミノフェノール化合物。
  2. 前記アミノフェノール化合物が、ビスアミノフェノール化合物である、請求項1に記載のアミノフェノール化合物。
  3. 前記ビスアミノフェノール化合物は、式(1)で表される化合物である、請求項2に記載のアミノフェノール化合物。
    Figure 2007084524
    (式(1)中、Arは芳香族基を示し、該芳香族基において芳香環上のアミノ基とヒドロキシル基は隣り合う位置に配置する。また、前記芳香環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
  4. 前記ビスアミノフェノール化合物は、式(2)で表される化合物である、請求項2または3に記載のアミノフェノール化合物。
    Figure 2007084524
    (式(2)中、ベンゼン環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
  5. 前記アミノフェノール化合物が、モノアミノフェノール化合物である、請求項1に記載のアミノフェノール化合物。
  6. 前記モノアミノフェノール化合物は、式(3)で表される化合物である、請求項5に記載のアミノフェノール化合物。
    Figure 2007084524
    (式(3)中、Yは、水素原子、アルキル基、又は芳香族基を示し、Arは芳香族基を示し、該芳香族基において、芳香環上のアミノ基とヒドロキシル基は隣り合う位置に配置する。また、前記Ar、又はYにおける芳香環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
  7. 前記モノアミノフェノール化合物は、式(4)で表される化合物である、請求項5または6に記載のアミノフェノール化合物。
    Figure 2007084524
    (式(4)中、Yは、水素原子、アルキル基、又は芳香族基を示す。また、式(4)中のベンゼン環、又はYにおける芳香環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
  8. 前記モノアミノフェノール化合物は、式(5)で表される化合物である、請求項5、6、または7に記載のアミノフェノール化合物。
    Figure 2007084524
    (式(5)中、ベンゼン環上の水素原子は、アダマンタン構造を含む基で置換されていても良い。前記アダマンタン構造を含む基は、炭素数1以上20以下のアルキル基を有していても良い。)
JP2006089365A 2005-08-24 2006-03-28 アミノフェノール化合物 Pending JP2007084524A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006089365A JP2007084524A (ja) 2005-08-24 2006-03-28 アミノフェノール化合物

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005242656 2005-08-24
JP2006089365A JP2007084524A (ja) 2005-08-24 2006-03-28 アミノフェノール化合物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007084524A true JP2007084524A (ja) 2007-04-05

Family

ID=37971886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006089365A Pending JP2007084524A (ja) 2005-08-24 2006-03-28 アミノフェノール化合物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007084524A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063202A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd ビスアミノフェノール化合物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063202A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd ビスアミノフェノール化合物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5940548B2 (ja) 新規なスピロビフルオレン化合物
CN100528816C (zh) 碘取代芳族化合物的制备方法及其应用
JPH09323958A (ja) トリアリールアミン及びアリールアミンの製造方法
JP4356446B2 (ja) ビスアミノフェノール誘導体
JP2007084524A (ja) アミノフェノール化合物
WO2006085493A1 (ja) 芳香族ジアミン及びその製造方法
JP2007063202A (ja) ビスアミノフェノール化合物
JP4251024B2 (ja) 芳香族カルボン酸とその酸塩化物、および合成法
EP1834943A1 (en) Process for producing aromatic dicarboxylic acid
JP4900681B2 (ja) 1,5−ビス(アミノヒドロキシベンゾイル)−2,6−ジメチルナフタレン化合物
KR20020063073A (ko) 3,6-다이(3',5'-비스(트리플로오로메틸)벤젠)피로멜리틱다이안하이드라이드 및 그 제조방법
JP4345298B2 (ja) 芳香族カルボン酸誘導体及びその酸塩化物誘導体
JP4251046B2 (ja) 芳香族カルボン酸およびその合成法
JP2008081418A (ja) 9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン化合物
JP4569173B2 (ja) ビスアミノフェノール化合物
JP2006193434A (ja) 4,4’−ジアミノビフェニル化合物
JP2009013116A (ja) エチニルフェニルビアダマンタン誘導体
JP3132784B2 (ja) 3,3’−ジニトロ−5,5’−ビス(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテルの製造方法
JP4397823B2 (ja) ニトロ又はアミノアリールポリアダマンタン誘導体とその製造法
JP7228155B2 (ja) 電荷輸送性ポリマーの製造方法
JP6917612B2 (ja) ペリレンテトラカルボン酸二無水物の臭素一置換体の製造方法及び精製方法。
JP2008037772A (ja) 2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン化合物の製造方法
JP2007246400A (ja) フルオレン骨格含有フタルイミド類及びそれから誘導されるジアミン類
JP2004292393A (ja) 芳香族カルボン酸及びその酸塩化物誘導体の合成法
JP4961773B2 (ja) 芳香族カルボン酸及びその酸ハロゲン化物