JP2007165151A - Nb3Sn超電導線用芯線、Nb3Sn超電導線及びその製造方法 - Google Patents

Nb3Sn超電導線用芯線、Nb3Sn超電導線及びその製造方法 Download PDF

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【課題】低コストで製造可能で、高い臨界電流密度を達成でき、歪みにも強く、機械的強度にも優れたNbSn超電導線用芯線、NbSn超電導線及びその製造方法を提供する。
【解決手段】Nb管1の内側に、Cu被覆2を有するSn−Zn合金棒3を収容する一方、Nb管1の外側に、Cu層4を形成して単芯線を作製し、単芯線を細線化して定尺に切り分けた後、Cu管とCu芯との間に、単芯線の複数本を分散させ複合化して多芯線とし、細線化後、熱処理を施してSnとNbを反応させNbSnを生成させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、9T以上の高磁界を発生する超電導マグネット等に用いられるNbSn超電導線用芯線、NbSn超電導線及びその製造方法に関するものである。
NbSn超電導線は、9T以上の磁界を発生させるほぼ全ての超電導マグネットに使用されている代表的な超電導線材である。
NbSn超電導線の代表的な製造方法として、以下の4つの方法が挙げられる。
(1)ブロンズ法
NbあるいはNb合金コアとCu−Sn(ブロンズ)マトリックスを複合化して極細多芯化し、熱処理を施してブロンズ中のSnをNbコアヘ拡散させてNbSnとする製法である。最終的なフィラメント径を均一なサブミクロンオーダーとすることも可能で、交流損失の低減に有利である(例えば、特許文献1参照)。
(2)Sn内部拡散法
Cuマトリックス内に多数の極細Nbコアを配置するとともに、Snコアを線材中心あるいは複数に分散させて配置させ、熱処理を施してSnをCuマトリックスを介してNbコアに拡散させてNbSnとする製法である。臨界電流密度(Jc)の高い線を低コストで製造可能である(例えば、特許文献2参照)。
(3)粉末法
Nb粉末とSn粉末を混合し、Nbパイプ等に充填して単芯線とし、複数束ねて複合化した多芯線とした後、熱処理を施してSnとNbを反応させてNbSnとする製法である(例えば、特許文献3参照)。また、関連した製法として、Ta−Sn金属間化合物粉末をNbパイプ内に充填して単芯線とし、複数束ねて複合化した多芯線とした後、熱処理を施してSnをNbへ拡散させてNbSnとする製法もある。この方法では、15T以上の高い磁界でJcが高いという利点がある。
(4)Nbチューブ法
Nb管内にCu被覆したSn棒を収容し、Nb管外側にはCu管を被覆して単芯線とし、複数束ねて複合化した多芯線とした後、熱処理を施してSnをCuマトリックスを介してNbへ拡散させてNbSnとする製法である。臨界電流密度(J)の高い線を低コストで製造できるという利点がある(例えば、特許文献4参照)。
特開2004−342561号公報 特開2004−171829号公報 特開2005−32631号公報 特開2005−93235公報
しかしながら、前述の方法では、以下に示すような課題があった。
まず、(1)のブロンズ法では、ブロンズが伸線を繰り返すと加工硬化して断線等が発生し、伸線不能になる。従って、伸線の途中で数パス毎に中間熱処理を施し、ブロンズの加工歪みを除去して軟化させる必要があるため、製造コストが高くなり、製造に要する時間も長くなる。また、高臨界電流密度(Jc)を達成するためには、ブロンズ中のSn濃度を固溶限界(15.8wt%)近傍あるいは、それ以上まで高Sn濃度化させる必要がある。その結果、前記中間熱処理の回数は更に多くなるので、コスト高や断線の危険性が更に増大してしまう。
次に、(2)のSn内部拡散法は、ブロンズ法のような中間熱処理が不要なため低コストで製造可能となり、Sn量も比較的容易に調整が可能であるため、高磁界での高Jc化にも有利である。しかし、フィラメント径を約50μm以下にするようなフィラメントの極細化には不利なので、交流損失を低減するのは困難である。また、Sn拡散後に元来Snが存在した位置が空隙となるため、断面構成によっては線材の機械的強度が低下する可能性がある。しかも、融点が232℃のSnを含んでいるので、押出し等において、押出し比を高くし過ぎると(即ち、細く押し過ぎると)、たとえ冷間押出しでも加工熱によりSnが溶けて不均一加工になってしまう可能性がある。
また、(3)の粉末法では、粉末充填によるため、非常に多数のフィラメントを断面・長さ両方向に均一に極細化するのは困難である。特に、フィラメント径を約50μm以下にするのは難しいため、フィラメント径が太くなり、交流損失を低減するのは困難である。また、長さ方向にフィラメント径が均一でない場合、マグネットにしたときの永久電流モード時の電流減衰度が大きくなってしまい、NMR等の均一磁界を発生するマグネットには不利となる。しかも、フィラメントが太いので、NbSn生成熱処理後の線材は、曲げ等の歪には弱い。
更に、(4)のNbチューブ法では、最終フィラメント径は10〜20μm程度が限界であり、ブロンズ法ほど細くはできないが、内部拡散法や粉末法ほど太くはないため、交流損失は比較的低減可能である。しかし、更なる高Jc化のためにNb管内のSn量を増やすと加工性が低下して加工不可能になるため、加工性が原因で高Jc化が困難になる。また、内部拡散法と同様に融点の低いSnを複合化しているため、大きな押出し比で押出し加工できない。加えて、リング状に生成したNbSnフィラメント内側の元来Snが存在した位置には空隙が発生する場合があり、線材の機械的強度に問題がある。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、従来の超電導線加工設備を用いて低コストで製造可能で、高い臨界電流密度を達成でき、歪みにも強く、機械的強度にも優れたNbSn超電導線用芯線、NbSn超電導線及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のNbSn超電導線用芯線は、Nb管又はNb合金管の内側に、Cu被覆又はCu基合金被覆を有するSn−Zn合金棒を収容する一方、前記Nb管又はNb合金管の外側に、Cu層又はCu基合金層を形成して単芯線としたことを特徴とする。
Cu管又はCu基合金管と、Cu芯又はCu基合金芯との間に、前記単芯線を複数分散させて多芯線とすることもできる。
前記Nb合金管は、Nbに、Ti、Ta、Zr、V、Hfのいずれか1種類あるいは複数種を合計濃度で5at%以下含むことが好ましい。
前記Sn−Zn合金棒のZn濃度が12wt%以上、40wt%以下であり、SnとZnの合計濃度が95wt%以上であることが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明のNbSn超電導線は、Nb管又はNb合金管の内側にCu被覆又はCu基合金被覆を有するSn−Zn合金棒を収容する一方、前記Nb管又はNb合金管の外側にCu層又はCu基合金層を形成した単芯線内に、NbSnを生成したことを特徴とする。
Cu管又はCu基合金管と、Cu芯又はCu基合金芯との間に、前記単芯線を複数分散させた多芯線内に、NbSnを生成してもよい。
前記Nb合金管は、Nbに、Ti、Ta、Zr、V、Hfのいずれか1種類あるいは複数種を合計濃度で5at%以下含むことが好ましい。
前記Sn−Zn合金棒のZn濃度が12wt%以上、40wt%以下であり、SnとZnの合計濃度が95wt%以上であることが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明のNbSn超電導線の製造方法は、Nb管又はNb合金管の内側に、Cu被覆又はCu基合金被覆を有するSn−Zn合金棒を収容する一方、前記Nb管又はNb合金管の外側に、Cu層又はCu基合金層を形成して単芯線を作製し、該単芯線を細線化して定尺に切り分けた後、Cu管又はCu基合金管とCu芯又はCu基合金芯との間に、前記単芯線の複数本を分散させ複合化して多芯線とし、細線化後、熱処理を施してSnとNbを反応させNbSnを生成させることを特徴とする。
前記熱処理は、230℃以上、520℃以下の温度領域においての昇温時間も含めた保持時間を10時間以上とし、その後のNbSn生成熱処理温度を550℃以上、750℃以下とすることが好ましい。
本発明によれば、従来の純Snコアを用いたNbチューブ法と比較して高い臨界電流密度を達成できる。また、NbSn生成後の線材の強度に優れ、歪みにも強いNbSnを低コストで製造することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本発明に係るNbSn超電導線の製造過程で得られる単芯線の一例を示す。
この単芯線は、Nb管1の内側に、Cu被覆2を有するSn−Zn合金棒3を収容する一方、Nb管2の外側に、Cu層4を形成したものである。
(Nb管)
Nb管1の材質は、純Nbとするのみならず、Ti、Ta、Zr、V、Hfのいずれか1種類あるいは複数種を合計濃度で5at%以下含むNb合金とすることが好ましい。
この理由は、NbへのTi、Ta等の添加によりJcが向上し、また、Ta、Zr、V、Hf等の添加によりNb合金の結晶粒を均一に微細化させるため、純Nbに比較してフィラメントの形状を均一に保持できる利点があるからである。但し、その添加濃度が5at%を超えると、合金の硬さが硬くなり、Nb合金管内に複合化したSn−Zn合金との硬さの差(ミスマッチ)が大きくなり不均一加工の原因となる。
(Sn−Zn合金棒)
SnにZnを添加することにより、SnのNbへの拡散反応を促進させることができ、高Jc化の観点から有利となる。
Sn−Zn合金棒3において、SnとZnを主成分とするSn−Zn合金のZn濃度は、12wt%以上、40wt%以下とすることが好ましく、SnとZnの合計濃度が95wt%以上とすることが望ましい。
Zn濃度を12wt%以上としたのは、図2に示すSnとZnの相図(フェイズダイヤグラム)において、融点が232℃の純SnにZnを添加していくと、Sn−8.8wt%Znにおいて融点が最低の198.5℃となるが、更に添加していくと約12wt%で純Snの融点以上に高くなるからである。また、Zn濃度を40wt%以下としたのは、NbとSnのモル比(3:1)を考慮すると、Znを40wt%を超えて多量に添加するとSn濃度が低下するため、NbSn生成に必要なSn量が不足してしまうためである。
また、その他の添加元素としては、固溶しやすく、かつ合金の融点を極端に低下させないという条件からBi、Al、Cu、Ag等が考えられる。但し、主成分であるSnやZnのいずれか一方と延性に乏しい化合物を形成してしまう可能性もあるので、その添加濃度は5wt%未満とすることが好ましい。従って、Sn−Zn合金濃度は95wt%以上とすることが望ましい。
(NbSn生成熱処理過程)
単芯線には後に熱処理が施され、単芯線内におけるSn−Zn合金棒3のSnとNb管1のNbとの反応によりNbSnが生成される。
このNbSn生成熱処理過程においては、230℃以上、520℃以下の温度領域での昇温時間も含めた保持時間が10時間以上であり、その後のNbSn生成熱処理温度が550℃以上、750℃以下とすることが好ましい。
この理由は、一般的なNbSn生成熱処理温度は600℃以上であるが、いきなり室温から上記時間より短時間で600℃以上に温度を上昇させると、Sn−Zn部分が液状化して線材の両端末から漏れ出す可能性があるからである。
更に、円筒状NbあるいはNb合金フィラメント内部の液状化したSn−Zn部分にNbが拡散していく結果、NbSnが島状に生成して線材長さ方向やフィラメント断面の半径方向に不連続に分布してしまい、臨界電流値等の超電導特性が低下してしまう。
従って、上記現象を防止するために、Snの融点近傍の230℃以上、Cu−Sn合金におけるε相が生成する520℃以下の温度で、温度上昇に要する時間(昇温時間)、あるいは230〜530℃の範囲内で、昇温時間を含めた保持時間を10時間以上とすることで、600℃付近でも液状化しないCu−Sn−Zn合金とすることができる。
(製造工程)
図3に、本実施形態に係るNbSn超電導線の製造工程の一例を示す。
まず、図4に示す単芯ビレットを作製すべく、内径15.1mm、外径22mm、長さ150mmのNb−1at%TaからなるNb−Ta合金管11内に、直径15mmのCu被覆12を施したSn−Zn合金棒13(Sn−Zn合金棒13の直径は10.3mm)を収納させ、Nb−Ta合金管11の外周には内径22.1mm、外径28mmのCu管14を被覆して単芯ビレット10とする(図3工程a)。
この単芯ビレットを室温で直径12mmに静水圧押出し加工した後(工程b)、伸線加工を繰り返し(工程c)、図5に示すように対辺距離1.1mmの六角断面シングル線20とする(工程d)。
このシングル線を、直状に矯正した後(工程e)、長さ150mmに切り分け、六角断面単芯線とする(工程f)。
次に、図6に示すように、同じサイズのCu六角線31を85本束ね、その周囲に276本の六角断面単芯線33を束ねた後、内径24mm、外径28mmのCu管35内に収納してマルチビレット30とする(工程g)。
このマルチビレットを室温で直径12mmに静水圧押出し加工した後(工程h)、伸線加工を繰り返して(工程i)、直径1mmのマルチ線とする(工程j)。
図7に、このマルチ線の模式的な構造図を示す。
このマルチ線40は、Cu管41と、Cu芯43の間に、六角断面複合群45が形成されており、六角断面複合群45は、Sn−Zn合金棒51の外側に順にCu層53、Nb−Ta合金層55が形成された六角体がCuマトリックス47中に複数分散した構造となっている。
このマルチ線40をAr雰囲気中で、(415℃×10h)+(515℃×5h)の条件で多段階に昇温させたのち、600℃×100時間の熱処理を行い、NbSnを生成させる(工程k)。
(本実施形態における効果)
(1)従来製法では、加工を繰り返すとSnだけが軟化し、他の複合物であるNbやCuは加工硬化していくので硬さの差が顕著になり、不均一加工となってしまうが、本製法では、Zn濃度を調整することでSn−Zn合金の融点を純Snの融点よりも高くし、加工熱によるSnの溶融や軟化現象を防止することができ、均一加工が可能になる。
(2)従来製法では、加工性の観点からNb管内に収納できるSn量には限界値があり、Nb:Sn=3:1に必要なSnを供給できなかったが、本製法によれば、たとえSnの一部がZnになっても、Sn・Zn量自体を多くできるので、結果的に純Snに比較して、より多くのSnを供給可能になる。
(3)熱処理後のリング状NbSn層の内側には、比較的Zn濃度の高いCu−Zn合金(真鍮)製の芯が残存するため、リング状NbSnフィラメントの補強材として有効に機能し、機械的強度が高くなる結果、マグネットに巻線したときも電磁力に耐え得る高強度NbSn線となる。
(4)コスト面からは、Sn、Znともに安価な金属であり、従来法の内部拡散法等に比較してコスト高になることなく、フィラメント径が10μmレベルの線材を製造可能である。加えて、ブロンズ法のような中間熱処理は必要ない。
(5)従来の純Snコアを用いたNbチューブ法と比較して高い臨界電流密度を達成できる。また、NbSn生成後の線材の強度もNbSnフィラメント内側のCu−Zn合金により高くすることができ、歪みにも強いNbSnを低コストで製造することができる。
Cu被覆Sn−Zn合金棒のZn濃度を0(純Sn)、10、20、30、40wt%の5種類とし、図3に示す工程図に従ってNbSn超電導線を作製した。
マルチビレットを静水圧押出し加工した(工程h)直後の押出し材の表面温度は、加工熱により約150℃まで上昇していた。押出し材内部は更に温度上昇していると考えられる。その後、伸線加工(工程i)を繰り返して直径1mmのマルチ線とした。図8に、このマルチ線の断面写真を示す。
本製法によれば、ブロンズ法のように加工を繰り返しても加工硬化しないため、中間熱処理無しでφ1mmまで伸線できた。
表1に、Sn−Zn合金棒(コア)のZn濃度が0(純Sn)、10、20、30、40wt%の5種類の線材の12Tにおける臨界電流(Ic)とn値の測定結果を示す。n値とは、超電導線の電流(I)−電圧(V)特性において、有限の抵抗が発生したときの対数プロットしたlog(I)−log(I)グラフの傾きに相当し、フィラメント均一性と相関関係がある。n値が高いほど、フィラメントが線材長さ方向に均一であることを示しており、n値が高い線材ほど永久電流モードで運転する超電導マグネットにおいて永久電流の減衰を防止できる。
Figure 2007165151
表1の結果より、Icとn値は相関関係があり、共に高い順にSn−20,30,40,10,0wt%となり、Sn−20wt%Znコアが最も高い値を示した。Sn−40wt%Znコアの線材はSn濃度が低下したため、Icが低下している。また、Sn−10,0wt%Znコアの線材はIcとn値が低く、断面写真観察からもフィラメンの不均一変形やサイズが一定していないことが判明した。断面が不均一になった結果、特性が低下したものと考えられる。その要因としては、押出し加工時の加工熱が200℃付近に到達したため、SnあるいはSn−10wt%Znが軟化してしまい、NbTaとの硬さの違いが顕著になったため、その後の加工で不均一が更に助長されてしまったと考えられる。
次に、表2に、熱処理済みの線材を室温で引張り試験した結果を示す。
Figure 2007165151
表2の結果より、破断強度は高い順に、Sn−40,30,20,10,0wt%となり、Zn濃度の高い順に引張り強度も高くなった。この理由は、NbSn生成後にリング状NbSn内に生成したCu−Zn合金(真鍮)の引張り強度が、Zn濃度の増加とともに高くなった結果と推測される。
本実施形態に係る単芯線を示す断面図である。 SnとZnの相図(フェイズダイヤグラム)である。 本実施形態に係るNbSn超電導線の製造工程図である。 本実施形態に係る単芯ビレットを示す断面図である。 本実施形態に係る六角断面シングル線を示す断面図である。 本実施形態に係るマルチビレットを示す断面図である。 本実施形態に係るマルチ線を示す模式的な構造図である。 本実施形態に係るマルチ線の断面写真であり、(a)は全体写真、(b)は部分拡大写真である。
符号の説明
1 Nb管
2、12、22 Cu被覆
3、13、23 Sn−Zn合金棒
4 Cu層
10 単芯ビレット
11、21 Nb−Ta合金管
14、24、35 Cu管
20 六角断面シングル線
30 マルチビレット
31 Cu六角線
33 六角断面単芯線
40 マルチ線
41 Cu管
43 Cu芯
45 六角断面複合群
47 Cuマトリックス
51 Sn−Zn合金棒
53 Cu層
55 Nb−Ta合金層

Claims (10)

  1. Nb管又はNb合金管の内側に、Cu被覆又はCu基合金被覆を有するSn−Zn合金棒を収容する一方、前記Nb管又はNb合金管の外側に、Cu層又はCu基合金層を形成して単芯線としたことを特徴とするNbSn超電導線用芯線。
  2. Cu管又はCu基合金管と、Cu芯又はCu基合金芯との間に、前記単芯線を複数分散させて多芯線としたことを特徴とする請求項1記載のNbSn超電導線用芯線。
  3. 前記Nb合金管は、Nbに、Ti、Ta、Zr、V、Hfのいずれか1種類あるいは複数種を合計濃度で5at%以下含むことを特徴とする請求項1又は2記載のNbSn超電導線用芯線。
  4. 前記Sn−Zn合金棒のZn濃度が12wt%以上、40wt%以下であり、SnとZnの合計濃度が95wt%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のNbSn超電導線用芯線。
  5. Nb管又はNb合金管の内側に、Cu被覆又はCu基合金被覆を有するSn−Zn合金棒を収容する一方、前記Nb管又はNb合金管の外側に、Cu層又はCu基合金層を形成した単芯線内に、NbSnが生成されていることを特徴とするNbSn超電導線。
  6. Cu管又はCu基合金管と、Cu芯又はCu基合金芯との間に、前記単芯線を複数分散させた多芯線内に、NbSnが生成されていることを特徴とする請求項5記載のNbSn超電導線。
  7. 前記Nb合金管は、Nbに、Ti、Ta、Zr、V、Hfのいずれか1種類あるいは複数種を合計濃度で5at%以下含むことを特徴とする請求項5又は6記載のNbSn超電導線。
  8. 前記Sn−Zn合金棒のZn濃度が12wt%以上、40wt%以下であり、SnとZnの合計濃度が95wt%以上であることを特徴とする請求項5又は6記載のNbSn超電導線。
  9. Nb管又はNb合金管の内側に、Cu被覆又はCu基合金被覆を有するSn−Zn合金棒を収容する一方、前記Nb管又はNb合金管の外側に、Cu層又はCu基合金層を形成して単芯線を作製し、該単芯線を細線化して定尺に切り分けた後、Cu管又はCu基合金管とCu芯又はCu基合金芯との間に、前記単芯線の複数本を分散させ複合化して多芯線とし、細線化後、熱処理を施してSnとNbを反応させNbSnを生成させることを特徴とするNbSn超電導線の製造方法。
  10. 前記熱処理は、230℃以上、520℃以下の温度領域においての昇温時間も含めた保持時間を10時間以上とし、その後のNbSn生成熱処理温度を550℃以上、750℃以下とすることを特徴とする請求項9記載のNbSn超電導線の製造方法。
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