JPH10255563A - Nb▲3▼Sn超電導線材 - Google Patents

Nb▲3▼Sn超電導線材

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JPH10255563A
JPH10255563A JP9055130A JP5513097A JPH10255563A JP H10255563 A JPH10255563 A JP H10255563A JP 9055130 A JP9055130 A JP 9055130A JP 5513097 A JP5513097 A JP 5513097A JP H10255563 A JPH10255563 A JP H10255563A
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superconducting
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廉 井上
Tsukasa Kiyoshi
司 木吉
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孝之 宮武
Narikazu Matsukura
功和 枩倉
Takayoshi Miyazaki
隆好 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Snを含有するCu基合金材中にNbまたは
Nb合金材からなるフィラメントが埋め込まれたNb/
Cu−Sn合金複合多芯部と、Ta層またはTa合金層
を夫々必須的に含むNb3 Sn超電導線材において、線
材製造時の加工性に優れると共に、高耐力、高強度を有
するNb3 Sn超電導線材を提供すること。 【解決手段】 線材横断面におけるTa層の平均結晶粒
径を0.3〜2.0μmとする、或いは、Nb,V,Z
r,Hfから選ばれる1種以上を合計で0.1〜10%
含有するTa合金層を用いる、また或いは、Nb/Cu
−Sn合金複合多芯部とTa層との間に、TaとCu−
Sn合金の間のヴィッカース硬度を有する金属または合
金からなる中間層を形成する等により、加工性に優れる
と共に、高耐力、高強度を有するNb3 Sn超電導線材
を提供し得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核磁気共鳴(NM
R)装置等に用いられる超電導マグネットの構成素材と
して使用されるNb3 Sn超電導線材に関し、特に加工
性、耐力、強度に優れたNb3 Sn超電導線材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】超電導物質によって実現される永久電流
現象を利用して、電力を消費せずに電流をコイル状に流
して磁場を発生させる超電導マグネットは、核融合炉、
磁気浮上列車、NMR装置、各種物性試験機器等に用い
られている。この様な超電導マグネットには、従来から
NbTi、Nb3 Sn等の超電導物質を線材にしたもの
が使用されている。特に、8T以上の高磁界を発生させ
るマグネットには、Nb 3 Sn超電導線材が用いられ
る。
【0003】図1は、この様な線材の例を示す拡大横断
面図である。図1(a)は外部安定型と呼ばれるタイプ
であって、この種の超電導線材では広く用いられている
タイプである。中心部はCu−Sn合金(ブロンズ)中
にNbフィラメントが埋め込まれたNb/Cu−Sn合
金複合多芯部からなり、これを取り囲む様にTaまたは
Nbからなる環状のバリア領域が形成されている。最外
周部はCuよりなり、何らかの原因で超電導状態が失わ
れた場合にも、電流を優先的に流し、線材の焼損を防ぐ
ための安定化領域である。Nb3 Sn線材は、最終的な
熱処理時に、多芯部のNbとブロンズの界面にNb3
nを生成させることにより超電導特性を得る。またバリ
ア層は、熱処理の際ブロンズ中のSnが最外周部のCu
中に不純物として拡散し、安定化領域のCuを汚染する
ことを防ぐために設けられている。図1(b)は内部安
定型と呼ばれるタイプであって、中心部に安定化のため
のCuを配していることを特徴とする。このタイプでは
中心部のCuの周りにTaまたはNbからなる環状のバ
リア領域が形成され、さらにその外周にNb/Cu−S
n合金複合多芯部が設けられている。
【0004】この様なNb3 Sn線材を用いた高磁界マ
グネットは蓄積エネルギーが大きく、励磁時にマグネッ
トを構成する超電導線材に高い電磁応力が印可される。
従って、超電導線材自体にも高い電磁応力に耐えられる
耐力、強度が要求される。特に、Nb3 Sn線材の臨界
電流は歪みに対して敏感で、歪みが約0.2%を超える
と臨界電流が歪みと共に減少していくので、Nb3 Sn
線材の高強度化が検討されており、これまでにもいくつ
かの方法が提案されている。
【0005】特開平3−171514号では、線材内に
補強材としてTa,Ta合金材を挿入する方法が提案さ
れ、また補強材としてCu−Nb合金を用いる方法(東
北大学金属材料研究所 強磁場超伝導材料研究センター
平成6年度年次報告、p143)やアルミナ分散銅を用
いる方法(東北大学金属材料研究所 強磁場超伝導材料
研究センター 平成6年度年次報告、p147)も提案
されている。これらのうち、図2にTaを補強材とする
Nb3 Sn線材の横断面図を示す(特開平3−1715
14号)。
【0006】これら補強材を用いた線材の中で、線材の
耐力、強度が最も向上するのはTaを用いた線材であ
る。補強材としてTaを用いた場合には、他の補強材に
比べて少ない量で所望の強度にすることが可能であるか
ら、線材断面積に占める補強材の割合を少なく、即ち超
電導に寄与するNb/Cu−Sn合金複合多芯部の割合
を多くすることが可能となる。その結果、線材断面積あ
たりの臨界電流密度が高くとれることになり、超電導マ
グネットのコンパクト化にも寄与し得る。また、特開平
3−171514号に記載されている様に、Taは低温
で非常に優れた導電性を有するためTa自体を安定化材
として用いることも可能であり、従ってTaを補強及び
安定化の両目的で使用したものでは、線材断面積あたり
の臨界電流密度をより一層高くとることができる様にな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、補強材
としてTaを用いたNb3 Sn線材を製造する過程にお
いては、図3に示す様に線材が正常に加工されない場合
や断線を生じる場合があった。断線が発生した場合は言
うまでもないが、正常に加工できない場合も、Nb3
nからなる超電導フィラメントの内部断線をもたらし、
その結果、臨界電流の低下を引き起こすことになる。本
発明はこの様な状況の下になされたものであり、その目
的は、加工性に優れると共に、高耐力、高強度なNb3
Sn超電導線材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の様な課題を解決し
得た本発明のNb3 Sn超電導線材とは、Snを含有す
るCu基合金材中にNbまたはNb合金材からなるフィ
ラメントが埋め込まれたNb/Cu−Sn合金複合多芯
部と、Ta層またはTa合金層を夫々必須的に含むNb
3 Sn超電導線材において、線材横断面における前記T
a層またはTa合金層の平均結晶粒径が0.3〜2.0
μmであることを特徴とするNb3 Sn超電導線材であ
る。
【0009】或いは、Nb/Cu−Sn合金複合多芯部
と、Ta合金層を夫々必須的に含むNb3 Sn超電導線
材において、前記Ta合金層は、Nb,V,Zr,Hf
から選ばれる1種以上を合計で0.1〜10%含有する
ものであることを特徴とするNb3 Sn超電導線材であ
る。
【0010】また或いは、Nb/Cu−Sn合金複合多
芯部と、Ta層またはTa合金層を夫々必須的に含むN
3 Sn超電導線材において、前記Nb/Cu−Sn合
金複合多芯部と前記Ta層またはTa合金層との間に、
前記TaまたはTa合金のヴィッカース硬度と前記Cu
−Sn合金のヴィッカース硬度の間のヴィッカース硬度
を有する金属または合金からなる中間層が形成されてい
ることを特徴とするNb3 Sn超電導線材である。
【0011】
【発明の実施の形態】上述の様な加工の問題は、 1)fcc金属中に埋設されたbcc金属の引き抜き加
工時には、bcc金属の一部の変形モードのみが加工さ
れるために不均一変形が発生すること、 2)特に1)の状況はfcc金属とbcc金属の間の変
形抵抗差が大きな時に顕著となること、等に起因するも
のであることが分かった。本発明者らの検討の結果、以
下の様な手段により、Taの不均一変形は抑制できるこ
とが判明した。
【0012】線材横断面におけるTa層またはTa合
金層の平均結晶粒径を0.3〜2.0μmに制御する。 Ta合金層に、Nb,V,Zr,Hfから選ばれる1
種以上を合計で0.1〜10%含有するTa合金を用い
る。 Nb/Cu−Sn合金複合多芯部とTa層またはTa
合金層との間に、前記TaまたはTa合金のヴィッカー
ス硬度と前記Cu−Sn合金のヴィッカース硬度の間の
ヴィッカース硬度を有する金属または合金からなる中間
層を形成する。
【0013】また、上記〜の手段の中から2つ以上
を併用することにより、Taの不均一変形防止効果が一
層高いものとなる。以下、それぞれの手段について詳細
に説明する。
【0014】まず、Ta層またはTa合金層の平均結晶
粒径を制御する手段について説明する。従来、補強材と
して用いられていたTa層においては、線材加工前のT
aの平均結晶粒径で100〜150μm程度のものが使
用されていたため、その後の線材加工により最終のTa
層の平均結晶粒径が横断面では2.5〜5μm程度とな
っていた。
【0015】本発明者らが、Ta層の平均結晶粒径を種
々変化させて線材を加工したところ、最終的に線材に加
工した際の線材の横断面におけるTa層の結晶粒径を従
来より微細化したものではTa層の不均一変形が抑制さ
れることが判明した。線材横断面におけるTa層の結晶
粒径が微細化されることで、Ta層の不均一変形が抑制
される理由の詳細は不明であるが、任意の方位を持つ多
数の微細な結晶粒からTa層が構成される場合、引き抜
き加工で粒内に不均一変形が生じたとしても、Ta層全
体としては変形が顕著でなくなることによるものと類推
される。
【0016】線材横断面におけるTa層の平均結晶粒径
は0.3〜2.0μmに制御される必要がある。平均結
晶粒径が2.0μmを超える場合には、結晶粒の方位の
影響が出やすいためTaの不均一変形を十分には抑える
ことができない。一方、平均結晶粒径が0.3μm未満
の場合は、結晶粒の微細化によってTaの加工硬化が進
むことになり、かえって変形抵抗差を大きくしてしまう
場合がある。Ta層の不均一変形を抑制するために、よ
り好ましい平均結晶粒径の下限は0.5μm、他方上限
は1.0μmである。
【0017】また、Ta層はTa単独であっても構わな
いが、Ta合金であっても良い。ここで言うTa合金と
は、Taを90%以上含有する合金を指すものである。
Taを90%以上含有するTa合金であれば、Nb3
n超電導線材中にTa層を設ける本来の理由である線材
の高耐力、高強度化に十分な特性が保たれるからであ
る。補強材として、Taを90%以上とするTa合金層
を使用すれば、本発明の目的である優れた加工性と高耐
力、高強度を併せ持つと共に、残部に種々の目的により
他の元素を含有することができる。含有する元素は、目
的に応じて選択可能であり、特に限定されるものではな
い。
【0018】上記平均結晶粒径を制御する方法では、T
aを90%以上とする範囲では、Ta合金中の含有元素
に関係なく、Ta合金層の不均一変形を防止できるが、
逆にTa合金中の含有元素およびその含有量を適切に調
整することによれば、結晶粒のサイズが従来のレベルで
あってもTa合金層の不均一変形を防止できることが分
かった。この場合、Ta合金層は、Nb,V,Zr,H
fから選ばれる1種以上を合計で0.1〜10%含有す
るTa合金である必要がある。上述の特開平3−171
514号にも、Ta層としてTa合金を使用し得ること
が記載されているが、含有する元素の例として、O,F
e,Niが挙げられている。本発明者らの検討の結果、
これらの元素を含有することにより、Nb3 Sn超電導
線材の高耐力、高強度化は達成し得るが、加工性の面で
は十分な効果が得られないことが分かった。Nb,V,
Zr,Hfから選ばれる1種以上を含有することによ
り、Taの不均一変形防止に効果が上がる理由は、合金
化によってすべり変形モードが変化し、特定モードのみ
変形することがなくなることによると考えられる。含有
量が合計で0.1〜10%であるのは、0.1%未満で
は、含有量が少なすぎてTaの不均一変形が十分に抑制
できないためである。また、10%を超えると、Ta合
金自体の加工硬化が進み、かえって変形抵抗差を大きく
してしまう場合がある。より望ましい含有量の下限は
0.5%、他方上限は5%である。
【0019】この場合のTa合金は、Nb,V,Zr,
Hfから選ばれる1種以上を合計で0.1〜10%含有
するTa合金である必要があるが、Taを90%以上含
有する合金であれば、残部に他の元素を含んでいても構
わない。Nb,V,Zr,Hfから選ばれる1種以上を
合計で0.1〜10%含有すると共に、Taを90%以
上含有するTa合金であれば、Nb3 Sn超電導線材中
にTa層を設ける本来の理由である線材の高耐力、高強
度化に十分な特性が保たれるからである。この様なTa
合金層を使用すれば、本発明の目的である優れた加工性
と高耐力、高強度を併せ持つと共に、残部に種々の目的
により他の元素を含有することができる。含有する元素
は、目的に応じて選択可能であり、特に限定されるもの
ではない。
【0020】Ta合金層として、Nb,V,Zr,Hf
から選ばれる1種以上を合計で0.1〜10%含有する
Ta合金を用いると共に、線材横断面におけるTa合金
層の平均結晶粒径を0.3〜2.0μmに制御すること
で、より一層不均一変形防止効果が高まる。
【0021】次に、Nb/Cu−Sn合金複合多芯部と
Ta層またはTa合金層との間に中間層を形成する方法
について説明する。Ta層の不均一変形は、上述の通
り、TaとNb/Cu−Sn合金複合多芯部との間で変
形抵抗差が大きいことに起因している。図4に示す様
に、Taとブロンズとでは、例えばヴィッカース硬度で
約100の硬度差があり、この硬度差が変形抵抗差の要
因の一つとなっている。TaとNb/Cu−Sn合金複
合多芯部との間に、Taのヴィッカース硬度とブロンズ
のヴィッカース硬度の間のヴィッカース硬度を有する金
属または合金からなる中間層を形成すれば、TaとNb
/Cu−Sn合金複合多芯部との間の硬度差が、Taと
中間層の界面および中間層とNb/Cu−Sn合金複合
多芯部の界面での硬度差に分散される。その結果、Ta
とNb/Cu−Sn合金複合多芯部との間の変形抵抗差
が緩和され、Ta層の不均一変形が抑制されることが分
かった。図5にNbを中間層として用いた場合の夫々の
層のヴィッカース硬度をグラフに示す。また図6に中間
層を用いたNb3 Sn超電導線材例の横断面図を示す。
中間層を形成する金属または合金は、ヴィッカース硬度
がTaとブロンズの間であれば本発明の効果が得られ、
例えば、Nb,V,Ti等が挙げられる。加工性の点か
らは、Nb、Nb合金、V、V合金から選ばれる1種で
あることが望ましい。ここで、Nb合金、V合金とは、
それぞれNbまたはVを90%以上含有する合金を意味
する。NbまたはVを90%以上含有する合金であれ
ば、ヴィッカース硬度がTaとブロンズの間であると共
に、加工性の効果も損なうことがないので、本発明の目
的を達すると同時に、残部に種々の目的に応じて、他の
元素を含有することが可能となる。含有する元素は、目
的に応じて選択可能であり、特に限定されるものではな
いが、例えば、Ti,Zr,Hf,Ta等を挙げること
ができる。
【0022】以上説明してきた本発明は、Snを含有す
るCu基合金材中にNbまたはNb合金材からなるフィ
ラメントが埋め込まれたNb/Cu−Sn合金複合多芯
部と、Ta層またはTa合金層の少なくとも2層からな
るNb3 Sn超電導線材であれば、その効果を発揮しう
るものであり、様々なNb3 Sn超電導線材の構成に適
用できるものである。例えば、Ta層を補強材としてだ
けでなく安定化領域として使用する図2、図6の様な場
合においても、或いは図7、図8の様に補強材とは別に
Cuの安定化領域およびバリア層を形成する場合におい
ても、発明の効果を得ることができるものである。ま
た、超電導領域を形成するNb/Cu−Sn合金複合多
芯部においては、超電導特性を損なわない範囲で、Nb
やCu基合金に他の元素を含有することが可能である。
Nb合金としては、例えば、Ti,Ta,Zr,Hfの
いずれか1種以上を含有するNb合金を挙げることがで
きる。Cu基合金としては、Snの他に、例えばTi,
Ta,Zr,Hf,Ge,Si,Mgのいずれか1種以
上を含むCu基合金を挙げることができる。
【0023】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0024】
【実施例】
(実験例1) 図7に示す様な、外部安定型のNb3
n超電導線材を作製して実験を行った。まず、直径60
mmのCu−13%Sn合金の中心とその周囲に直径1
1.3mmの孔を7カ所あけ、該孔と同サイズのNb棒
を該孔内に挿入し、押出ビレットを作製した。その後、
該ビレットを静水圧押出法により直径20mmに押出
し、これを引き抜き加工により伸線し、六角ダイスによ
り対辺長1.5mmの六角断面に仕上げ、その後所定の
長さに切断した。この六角線を、直径10.5mmのT
a棒の周りに582本束ねた。ここでTa棒は種々の平
均結晶粒径を持つものを用意した。このTaと六角線の
複合体を、厚さ0.2mmのNbシート2層で巻き、更
に外形60mm、内径47mmのCuパイプに挿入し、
多芯押出ビレットとした。該多芯ビレットを直径20m
mに静水圧押出し、その後引き抜き加工を経て、1.0
5×1.77(mm)の平角導体を作製した。尚、この
伸線加工の工程において、途中適宜、中間焼鈍を施し
た。伸線できた線材を650℃、100時間で熱処理し
て、NbとCu−Sn合金の界面にNb3 Snを生成さ
せた。
【0025】この超電導線材の断面観察を光学顕微鏡に
より行い、Taの平均結晶粒径の測定およびTaの不均
一変形の有無の確認を行った。ここで伸線後の線材のT
a層の平均結晶粒径は、素材のTa棒の結晶粒径とほぼ
比例関係にあることが確認できた。また臨界電流(温
度:4.2K 磁場:12T)、液体ヘリウム中(温
度:4.2K)での0.2%耐力および引張強度も測定
した。結果を表1に示す。
【0026】Taの平均結晶粒径が0.3〜2.0(μ
m)の試料No.3、4、5では、Taの不均一変形が
抑制され、超電導フィラメントの断線もないことが確認
できた。一方、No.6は平均結晶粒径が2.0μmを
超えるため、Taの不均一変形が見られ、No.1、2
は伸線途中で断線したため評価が行えなかった。また、
臨界電流、0.2%耐力および引張強度の値も、No.
3、4、5は、No.6に比べて大きく、超電導特性も
良好であった。
【0027】
【表1】
【0028】(実験例2) 実験例1と同様、図7に示
す様な、外部安定型のNb3 Sn超電導線材を作製して
実験を行った。まず、直径60mmのCu−13%Sn
合金の中心とその周囲に直径11.3mmの孔を7カ所
あけ、該孔と同サイズのNb棒を該孔内に挿入し、押出
ビレットを作製した。その後、該ビレットを静水圧押出
法により直径20mmに押出し、これを引き抜き加工に
より伸線し、六角ダイスにより対辺長1.5mmの六角
断面に仕上げ、その後所定の長さに切断した。この六角
線を、直径10.5mmのTa合金棒の周りに582本
束ねた。ここでTa合金棒はTaに種々の元素を含有し
たものを用意した。尚、Ta合金棒の平均結晶粒径は9
5μmであり、最終熱処理後、超電導線材とした際のT
a合金層の平均結晶粒径は2.5μmであった。このT
aと六角線の複合体を、厚さ0.2mmのNbシート2
層で巻き、更に外形60mm、内径47mmのCuパイ
プに挿入し、多芯押出ビレットとした。該多芯ビレット
を直径20mmに静水圧押出し、その後引き抜き加工を
経て、1.05×1.77(mm)の平角導体を作製し
た。尚、この伸線加工の工程において、途中適宜、中間
焼鈍を施した。伸線できた線材を650℃、100時間
で熱処理して、NbとCu−Sn合金の界面にNb3
nを生成させた。
【0029】この超電導線材の断面観察を光学顕微鏡に
より行い、Ta合金の不均一変形の有無の確認を行っ
た。また臨界電流(温度:4.2K 磁場:12T)、
液体ヘリウム中(温度:4.2K)での0.2%耐力お
よび引張強度も測定した。結果を表2に示す。尚、試料
No.14はNbとHfを同時に含有したものである。
【0030】Nb,V,Zr,Hfから選ばれる1種以
上を合計で0.1〜10%含有するTa合金を用いた試
料No.8、9、11〜14では、Taの不均一変形が
抑制され、超電導フィラメントの断線もないことが確認
できた。一方、Ta以外の元素を含有しなかったNo.
7では、Taの不均一変形が見られ、No.10、15
は伸線途中で断線したため、評価ができなかった。ま
た、臨界電流、0.2%耐力および引張強度の値も、N
o.8、9、11〜14は、No.7に比べて大きく、
超電導特性も良好であった。
【0031】
【表2】
【0032】(実験例3) 図8に示す様な、外部安定
型のNb3 Sn超電導線材を作製して実験を行った。こ
のとき、中心部のTa層の周囲に、厚さ0.2mmのN
bシートを約10層巻くこと以外は、実験例1と同様の
方法にて超電導線材を作製した。尚、使用したTa棒の
平均結晶粒径は95μmであり、最終熱処理後、超電導
線材とした際のTa層の平均結晶粒径は2.5μmであ
った。
【0033】この超電導線材(試料No.16)の断面
観察を光学顕微鏡により行い、Ta合金の不均一変形の
有無の確認を行った。また臨界電流(温度:4.2K
磁場:12T、13T)、液体ヘリウム中(温度:4.
2K)での0.2%耐力および引張強度も測定した。結
果を表3に示す。尚、比較材として実験例2で用いた試
料No.7のデータも示す。
【0034】No.16の試料では、Taの不均一変形
が抑制され、超電導フィラメントの断線もないことが確
認できた。また、臨界電流、0.2%耐力および引張強
度の値も、No.16はNo.7に比べて大きく、超電
導特性も良好であった。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】以上説明してきた様に、本発明のNb3
Sn超電導線材によれば、線材の製造時においてTa層
またはTa合金層に不均一変形が生じない、即ち線材製
造時の加工性に優れると共に、超電導線材となった後も
高耐力、高強度を有するNb3Sn超電導線材を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の超電導線材の例を示す横断面図であり、
(a)は外部安定型、(b)は内部安定型である。
【図2】Taを補強材とするNb3 Sn線材の例を示す
横断面図であり、(a)はTaを内部に配置するタイ
プ、(b)はTaを外部に配置するタイプ、(c)はT
aを内部に分散して配置するタイプである。
【図3】製造時に正常に加工できなかったNb3 Sn線
材の例を示す横断面図である。
【図4】Taとブロンズのヴィッカース硬度の測定結果
を示すグラフである。
【図5】Ta、Nbおよびブロンズのヴィッカース硬度
の測定結果を示すグラフである。
【図6】Nb/Cu−Sn合金複合多芯部とTa層また
はTa合金層との間に中間層を用いたNb3 Sn超電導
線材の例を示す横断面図であり、(a)はTaを内部に
配置するタイプ、(b)はTaを外部に配置するタイ
プ、(c)はTaを内部に分散して配置するタイプであ
る。
【図7】実験例1、2に用いた、Taを補強材とするN
3 Sn線材の例を示す横断面図である。
【図8】実験例3に用いた、Nb/Cu−Sn合金複合
多芯部とTa層との間に中間層を用いたNb3 Sn線材
の例を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 Nb/Cu−Sn合金複合多芯部 2 Cu安定化領域 3 Cu安定化領域への不純物の拡散を防ぐバリア層 4 Ta層またはTa合金層 5 Taとブロンズの中間の硬度を有する金属または合
金からなる中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮武 孝之 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 枩倉 功和 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 宮崎 隆好 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Snを含有するCu基合金材中にNbま
    たはNb合金材からなるフィラメントが埋め込まれたN
    b/Cu−Sn合金複合多芯部と、Ta層またはTa合
    金層を夫々必須的に含むNb3 Sn超電導線材におい
    て、線材横断面における前記Ta層またはTa合金層の
    平均結晶粒径が0.3〜2.0μmであることを特徴と
    するNb3 Sn超電導線材。
  2. 【請求項2】 Snを含有するCu基合金材中にNbま
    たはNb合金材からなるフィラメントが埋め込まれたN
    b/Cu−Sn合金複合多芯部と、Ta合金層を夫々必
    須的に含むNb3 Sn超電導線材において、前記Ta合
    金層は、Nb,V,Zr,Hfから選ばれる1種以上を
    合計で0.1〜10%(重量%、以下同じ)含有するも
    のであることを特徴とするNb3 Sn超電導線材。
  3. 【請求項3】 線材横断面におけるTa合金層の平均結
    晶粒径が0.3〜2.0μmである請求項2に記載のN
    3 Sn超電導線材。
  4. 【請求項4】 Snを含有するCu基合金材中にNbま
    たはNb合金材からなるフィラメントが埋め込まれたN
    b/Cu−Sn合金複合多芯部と、Ta層またはTa合
    金層を夫々必須的に含むNb3 Sn超電導線材におい
    て、前記Nb/Cu−Sn合金複合多芯部と前記Ta層
    またはTa合金層との間に、前記TaまたはTa合金の
    ヴィッカース硬度と前記Cu−Sn合金のヴィッカース
    硬度の間のヴィッカース硬度を有する金属または合金か
    らなる中間層が形成されていることを特徴とするNb3
    Sn超電導線材。
  5. 【請求項5】 中間層が、Nb、Nb合金、V、V合金
    から選ばれる1つ以上よりなる請求項4に記載のNb3
    Sn超電導線材。
  6. 【請求項6】 線材横断面におけるTa層またはTa合
    金層の平均結晶粒径が0.3〜2.0μmである請求項
    4または5に記載のNb3 Sn超電導線材。
  7. 【請求項7】 Ta合金層が、Nb,V,Zr,Hfか
    ら選ばれる1種以上を0.1〜10%含有するものであ
    る請求項4〜6のいずれかに記載のNb3 Sn超電導線
    材。
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