JP2007161976A - 耐火性樹脂組成物、耐火性樹脂ストリップ、耐火性テープ - Google Patents

耐火性樹脂組成物、耐火性樹脂ストリップ、耐火性テープ Download PDF

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Abstract

【課題】粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、およびリン化合物を主成分とする耐火テープの熱膨張温度を、約300℃以下でも膨張するようにし、約100〜200℃で可塑化または溶融する樹脂製配管にも対応させる。
【解決手段】粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、およびリン化合物から成る主要成分に、熱可塑性樹脂で低沸点液化炭化水素を包摂した熱膨張性マイクロカプセルであって、約100℃近傍で膨張を開始し、最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差する熱膨張温度特性を有する熱膨張性マイクロカプセルを配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐火性樹脂組成物、耐火性樹脂ストリップ、耐火性テープに関し、特に、建築物の仕切り部に設けられた防火区画や防火壁等を貫通して設けられた給水管、配電管、その他電線・ケーブル及びバスダクト等を含む各種配管の周囲に被覆して、防火性能を確保するための耐火性テープを製造するための耐火性樹脂組成物、および耐火性樹脂ストリップに関する。
本明細書において、給水管、配電管その他電線・ケーブル及びバスダクト等を含む管を「各種配管」と総称する。
本明細書において「耐火性樹脂ストリップ」とは、本発明の耐火性樹脂組成物を、カレンダー、プレス、押出機等任意の成形機で成形し、幅が一定で比較的長く加工した成形体で、リボン、テープ等と同義である。耐火性樹脂ストリップは、そのままで各種配管の周囲に巻き付けることができるようにしたもので、織布、不織布、フィルム、金属箔、メッシュ、紙等の基材に展着・固定した状態の、いわゆるダクトテープ限定解釈されるべきではない。
本明細書において、「耐火性テープ」とは、本発明の耐火性樹脂ストリップを、織布、不織布、フィルム、金属箔、メッシュ、紙等の基材に、展着・固定したもので、流体を輸送するためのパイプ、チューブ、導管、または電力線、電話ケーブルなどの導線を導くのに使用されるパイプの周囲に巻くテープと定義する。
建築基準法施行令第112条第15項及び第129条の2の5は、建築物の防火区画や防火壁等、防火性能を確保することが要求される壁・床等を貫通する給水管、配電管その他の管(電線・ケーブル及びバスダクト等を含む)については、貫通部分を経由しての火災拡大・延焼を防ぐために、一定の「遮炎性能」の確保が必要と規定している。
建築基準法施行令における「遮炎性能」とは、壁・床等の片側から、通常の火災を想定した加熱を加えたときに、その部位に応じて20分、45分または1時間、管貫通部を経由して壁・床等の反対側に火炎を出さないことと定義している。
即ち、防火区画貫通部措置については、建築基準法の中に具体的な耐火時間の記述が盛り込まれ、「最大1時間の耐火性能(=遮炎性能)」を有するものであること、が必要な条件とされている。
参考までに説明するが、改正前の建築基準法においても、全く同じ条項に区画貫通部に関する記述がされていたが、要求される耐火性能(耐火時間)に関する具体的な規定はなかった。
ここで、区画貫通部に樹脂製配管を使用した場合の燃焼機構に関して説明する。まず、火災が発生すると、樹脂外部からの熱で分解し、低分子量分子(可燃性ガス)を放出する。この可燃性ガスが気相(火炎)で空気中の酸素(O)で酸化されて発熱する。この発熱速度が十分ならば、樹脂の熱分解生成物の生成および供給が維持され、燃焼と高い発熱速度が継続する。
すなわち、この段階をブロックダイヤグラムで表すと、樹脂が完全に燃焼するまで次のようなサイクルになる。区画の一方の側からの熱伝導→樹脂の熱分解→樹脂の低分子量化→低分子量分子の生成→可燃性ガスの拡散→可燃性ガスの燃焼→燃焼熱の発生→樹脂の熱分解の進行。
従って、樹脂の難燃化は、上述した各段階のどれか一つまたは複数を遮断することによって達成される。この樹脂の燃焼機構と難燃化機構を応用した方法が幾つか提案されている。図1は、その代表的な施工例を示す斜視図、図2はその断面図である。
図1および2において、1は、建築物の防火区画を形成する防火壁である。防火壁1には貫通孔2が穿設されている。この貫通孔2を貫通して各種配管3が配設されている。各種配管3の周囲は、耐火テープ4で被覆されている。耐火テープ4と貫通孔2との間の空隙はモルタル等の不燃材料5で完全に埋め戻して十分な気密性を保持するように施工されている。
この配管防火機構を説明する。防火区画の防火壁1に穿設された貫通孔2に配設された各種配管3が、火災時に熱変形して凹陥部が形成されたり、あるいは一部が焼失して隙間が形成された場合、その周囲に巻き付けられたテープ4が熱膨張して、凹陥部や隙間を充填して、閉塞した状態になり、防火区画の防火壁1の一方の側で発生した熱、炎、煙、火災により発生する各種ガス等が、防火区画の防火壁1の他方の側の区画へ侵入するのを防止し、理想的には、本格的な消化活動が開始されるまで、その状態を維持することである。
図1および2で示した施工法に使用する耐火テープに関しては、幾つかの提案がなされている。
特許文献1、2、3および4は、概略、ゴム成分を含む樹脂成分又はエポキシ樹脂、熱膨張性黒鉛、水酸化カルシウム、水酸化マグネシム等無機充填剤、リン化合物、難燃剤等を主要成分とする、建築物の仕切部に設けられた防火区画を貫通する樹脂配管、ケーブル、又は断熱被覆管に装着される防火区画貫通部材であって、特定の膨張倍率、破断点荷重を有する熱膨張性材料からなるテープ状成形体を開示している。
従来の耐火テープは、熱膨張性黒鉛による火炎からの熱伝導性の抑制、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムによる低分子量分子の生成の抑制、ポリ燐酸アンモニウムによる低分子量分子の拡散の抑制、およびハロゲン系難燃剤による炎での燃焼反応の抑制を単独で或いは組合わせて利用したものである。
ところで、特許文献1〜4が開示している熱膨張性黒鉛は、約250〜300℃で膨張を開始する。しかしながら、樹脂製配管の場合、樹脂の種類によっては、約100〜200℃の比較的低温度で可塑化または溶融するものがある。その場合、熱膨張性黒鉛が膨張する前に、熱膨張性黒鉛と樹脂製配管の間に凹陥部、或いは空隙が形成され、そこから、防火区画の防火壁の一方の側で発生した熱、炎、煙、火災により発生する各種ガス等が、防火区画の防火壁の他方の側の区画へ侵入する恐れがある。
従って、特許文献1〜4に開示されている耐火テープは、火災周辺温度が300℃以下という、きわめて初期の火災には、十分対応できないという欠点がある。
特開2002−172181号広報 特開2002−16785号広報 特開2003−148658号広報 特開2002−227335号広報
従って、発明が解決しようとする課題は、建築物の仕切り部に設けられた防火区画や防火壁等を貫通して設けられた給水管、配電管、その他電線・ケーブル及びバスダクト等を含む各種配管の周囲に被覆して、防火性能を確保するための耐火テープの熱膨張温度を、従来から使用されている熱膨張性黒鉛の膨張温度である約300℃以下でも膨張するようにすることである。
発明が解決しようとする別の課題は、建築物の仕切り部に設けられた防火区画や防火壁等を貫通して設けられた給水管、配電管、その他電線・ケーブル及びバスダクト等を含む各種配管の周囲に被覆して、防火性能を確保するための耐火テープの熱膨張温度を、従来から使用されている熱膨張性黒鉛の膨張温度である約300℃以下でも膨張する熱膨張性材料を策定し、それと熱膨張性黒鉛とを併用することにより、耐火テープの用途の拡大を図ることである。
発明が解決しようとする別の課題は、建築物の仕切り部に設けられた防火区画や防火壁等を貫通して設けられた給水管、配電管、その他電線・ケーブル及びバスダクト等を含む各種配管の周囲に被覆して、防火性能を確保するための耐火テープの熱膨張温度を、従来から使用されている熱膨張性黒鉛の膨張温度である約300℃以下でも膨張するようにすることにより、耐火テープの用途を拡大することである。
前述したように、ブチルゴム等各種ゴム、熱膨張性黒鉛、水酸化アルミニウム、ポリ燐酸アンモニウムを主要成分とする耐火テープの熱膨張温度は、主として熱膨張性黒鉛のそれとほぼ一致し、約300℃である。
そこで、本発明者は、粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物等耐火テープの主成分と親和性がよく、且つ配合した後も、他の成分の物性に影響されることなく、約300℃以下の本来の膨張温度で膨張する材料を策定した。
その材料を策定するに当たって、(イ)熱膨張性黒鉛の膨張開始温度が約250〜300℃であること。(ロ)樹脂製配管の中には100〜200℃で可塑化または溶融するものがあること。(ハ)火災時には、直接火炎が接触する前に、先ず、300℃以下の高温ガスが、100〜200℃で可塑化または溶融する脂製配管に接触し、そのような樹脂製配管を可塑化または溶融し、凹陥部を形成し、耐火テープとの間に空隙を形成することがある。こと等を考慮した。
そこで、300℃以下の温度で熱膨張性黒鉛が熱膨張する前に膨張して、可塑化または溶融した樹脂製配管の凹陥部を完全に充填するような膨張性材料として、熱膨張性マイクロカプセルを検討した。
従って、本発明の耐火性樹脂組成物は、粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物、および熱膨張性黒鉛の膨張開始温度より低い温度で膨張し、最大膨張に到達した後の収縮移行曲線が、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差するような熱膨張特性を有し、熱可塑性樹脂で低沸点炭化水素を包含した熱膨張性マイクロカプセルとを含むことを特徴とする。
熱膨張性マイクロカプセルは、イソブタン等膨張剤となる液化炭化水素を、熱可塑性高分子のシェルで包含(encapsulating)した平均粒子径が3〜50μmの粒子である。
熱膨張性マイクロカプセルのシェルとなる熱可塑性高分子は、塩化ビニリデん−アクリルニトリルコポリマー、アクリルニトリル系コポリマー等で構成されている。シェルの厚さは2〜15μmで、耐圧性は300kg/cm以上なので、機械強度も高く、耐溶剤性も充分ある。
熱膨張性マイクロカプセルの膨張メカニズムを説明する。熱膨張性マイクロカプセルを加熱していくと、まずシェルが軟化し、包含されている炭化水素がガス化を始める。ガス化により内圧が上昇し、マイクロカプセルの膨張が開始する。最大膨張時は、内圧とシェルを構成する高分子の張力と外圧が平衡となって膨張状態が維持される。さらに、加熱を続けると、薄くなったシェルをガスが透過拡散するので、内圧よりもシェルの張力と外圧が大きくなるため、通常は破裂せず、形状を維持しながら収縮する。
熱膨張性マイクロカプセルは、各種のものが市場より入手できる。その熱膨張倍率を例示すると、100℃で1.03〜1.14、120℃で1.08〜1.18、140℃で1.11〜1.95、160℃で1.10〜2.94、180℃で1.10〜2.80、200℃で1.13〜2.76である。
熱膨張性マイクロカプセルは、大日精化工業(株)から「ダイフォーム」(登録商標名)として、松本油脂製薬(株)から「マツモトマイクロスフェアー」(登録商標名)として、日本フィライト(株)から「エクスパンセル」(登録商標名)として、それぞれ数種の品番、グレードのものが製造、販売されている。
本発明で使用可能な熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径または粒径、膨張開始温度、最高膨張温度を例示すると下記の通りである。
Figure 2007161976
Figure 2007161976
例示した熱膨張性マイクロカプセルの物性と難燃性との相関関係を説明する。粒径或いは平均粒子径は、コンパウンド中のマイクロカプセルの分散性に寄与する物性で難燃性とは多少相関関係がある。粒度分布は、閉塞を均一に維持するという観点から考えると多少相関関係がある。熱膨張率は高い倍率の方が閉塞力を高めるので好ましい。膨張開始温度が難燃性の寄与にし、配管を構成する樹脂の可塑化(軟化)温度に合わせてグレ−ドを選定することが必要である。
本発明において、粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物等耐火テープの主成分に、熱膨張性マイクロカプセルを配合するに当たっては、無論熱膨張性マイクロカプセルを単品使用することが基本である。
しかしながら、熱膨張性マイクロカプセルを配合する目的は、熱膨張性黒鉛が膨張する300℃になるまでの初期膨張機能を補完するものである。従って、配管を構成する樹脂の可塑化(軟化)温度を考慮した上で、物性、主として膨張率、膨張開始温度および最高膨張温度等が異なる2種類以上の熱膨張性マイクロカプセルを使用することが好ましい。
本明細書で使用する「熱膨張性黒鉛の膨張開始温度より低い温度で膨張し、最大膨張に到達した後の収縮移行曲線が、熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差するような熱膨張特性を有する熱膨張性マイクロカプセル」とは、100℃近傍で膨張を開始し、最大膨張に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差することにより、100〜300℃の範囲で連続した膨張機構を有する熱膨張性マイクロカプセルの意味である。
従って、単品の熱膨張性マイクロカプセルで100〜300℃の範囲で連続した膨張機構を発現する熱膨張性マイクロカプセルがあれば、単品で使用することが好ましい。しかしながら、単品の熱膨張性マイクロカプセルで、そのような膨張機構を発現するものが無い場合は、物性が異なる2種類以上の熱膨張性マイクロカプセルを使用することが好ましい。その場合、樹脂製配管の可塑化温度を約140〜170℃に想定し、その少し低温度域で膨張すること、および少し高温度域で膨張すること、基本的な膨張倍率が大きいこと、従って、添加量が少なくてよいこと、マイクロカプセルの熱膨張→収縮のタイミングが相対的にバランスがよいことを基本的条件として選択することが好ましい。
樹脂製配管の可塑化温度を約140〜170℃に想定した場合、140℃より少し低温度域で膨張する熱膨張性マイクロカプセルと、170℃より少し高温度域で膨張する熱膨張性マイクロカプセルを併用することにより、100℃近傍から、熱膨張性黒鉛が熱膨張する約300℃の範囲に対応することができる。
たとえば、膨張開始温度が約105℃、最高膨張温度が約130〜140℃の熱膨張性マイクロカプセル(A)は、約105℃で立ち上がって膨張し、約130〜140℃で膨張倍率が最高に達し、140℃以上になると徐々に収縮する。一方、膨張開始温度が約155℃、最高膨張温度が約180℃の熱膨張性マイクロカプセル(B)は、熱膨張性マイクロカプセル(A)が収縮する温度である約155℃で立ち上がって膨張し、約180℃で膨張倍率が最高に達し、180℃以上になると徐々に収縮する。
この場合、熱膨張性マイクロカプセル(A)の配合量は、ベースポリマーの質量当たり、3〜25質量部、好ましくは5〜15質量部である。マイクロカプセル(B)の配合量は、同じく、5〜40質量部、好ましくは10〜25質量部である。それぞれ、規定した範囲より少ないと膨張量が少なく材料全体に膨張機能が発現されない。逆に、規定した範囲より多いと過膨張により材料密度の低下のため強度不足になる可能性がある。
次に、本発明の耐火テープの基本的必須成分としての粘着ベースポリマーは、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、1,2−ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、多加硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、ポリイソブチレンゴム、塩化ブチルゴム等が例示される。これらの粘着ベースポリマーは、1種または2種以上使用してもよい。
本発明の耐火性樹脂組成物の基本的必須成分ではないが、粘着付与剤または有機バインダーとして、数種の樹脂を使用することが好ましい。粘着付与剤または有機バインダーとしての樹脂としては、ポリブテン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリペンテン等各種ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフェノール、ポリウレタン等が例示される。これらの樹脂は1種または2種以上混合して使用してもよい。
本発明の耐火性樹脂組成物の基本的必須成分である熱膨張性黒鉛は、公知のものであるので、その製造方法の詳細は割愛する。熱膨張性黒鉛は、各種の物性、品級のものが市場より入手できる。
現在、市場より入手できる熱膨張性黒鉛は、樹脂・ゴム等の可燃性物質に配合することにより、燃焼時にC軸方向に膨張し、断熱層を形成することにより、燃焼が拡がるのを防止する。難燃剤として、非ハロゲン系であり、燃焼時に塩素ガス等の有害ガスを発生しない、また断熱層生成による高い燃焼防止効果により、ハロゲン系難燃材に比べ、可燃性物質への配合量の低減が可能である。原料が天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト等天然黒鉛が主成分であり、焼却による処分が容易である。
たとえば、代表的な熱膨張性黒鉛である東ソー(株)製の「フレームカットGREP−EG」(登録商標)は、250〜300℃近辺まで膨張を抑制させた特殊処理加熱膨張性黒鉛で、あらゆる熱可塑性樹脂に高い効果を発揮するハロゲンフリータイプの難燃剤である。樹脂に対して少量の配合で、高度の難燃化を奏功することができるので、樹脂の物性低下を抑える事が出来、樹脂燃焼中に発生する煙を最小限に抑える事が出来るという特性がある。
本発明の耐火性樹脂組成物の必須成分である含水無機物質としては、水酸化アルミニウムは、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト等が例示される。いずれも加熱による熱負荷を受けたときの脱水反応によって生成された水による吸熱反応による燃焼抑制作用を示す。水酸化アルミニウムは、水酸化マグネシウムに比べて反応温度は低いが吸熱量が大きいので好ましい。
本発明の耐火性樹脂組成物の必須成分であるリン化合物は、難燃性が向上し、燃焼した後の残滓の形状が保持される。リン化合物としては、各種リン酸エステル類、リン酸のアルカリ金属塩或いはアルカリ土類金属塩、ポリリン酸アンモニウム等が例示される。特に、炭化層による低分子量化の抑制、熱膨張性黒鉛との相乗効果もあるでポリリン酸アンモニウムが好ましい。
上述した必須成分の他に、従来から使用されているゴム、プラスチック用添加剤、たとえば、架橋剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、充填剤、補強剤、着色剤、発泡剤、可塑剤、老化防止剤等を必要に応じて配合することを妨げない。これら架橋剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、充填剤、補強剤、着色剤、発泡剤、可塑剤、老化防止剤等は、各種の文献に記載されていて公知のものであるので、具体的に例示することを割愛する。
以上述べた本発明者の耐火性樹脂組成物の必須成分である粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物、熱膨張性マイクロカプセルの配合比率は、ベースポリマー100質量部に対し、熱膨張性黒鉛が15〜150質量部、好ましくは40〜100質量部、難燃剤としてのリン化合物が50〜200質量部、好ましくは70〜150質量部、難燃剤として含水無機化合物が50〜250質量部、好ましくは100〜200質量部、および熱膨張性マイクロカプセルが5〜50質量部、好ましくは10〜30質量部の範囲である。
この場合、熱膨張性マイクロカプセルとして、膨張開始温度および最高膨張温度が低い熱膨張性マイクロカプセル(A)、膨張開始温度および最高膨張温度が高い熱膨張性マイクロカプセル(B)を併用する場合、熱膨張性マイクロカプセル(A)は、ベースポリマーの質量当たり、3〜25質量部、好ましくは5〜15質量部、熱膨張性マイクロカプセル(B)は、同じく、5〜40質量部、好ましくは10〜25質量部使用することが好ましい。
このようして各種成分が配合された本発明の耐火性樹脂組成物は、常用の各種混練機を使用して溶融混練した後、プレス成形機、カレンダー成形機、押出機等常用の各種成形機により、ストリップに成形することができる。各種配管に巻き付ける場合、そのままの状態で巻き付けることができる。
さらに、本発明の耐火性樹脂組成物は、ストリップに成形した後、織布、不織布、フィルム、金属箔、メッシュ、紙、各種複合材から構成された基材に、所望により離型剤と共に展着・固定し、いわゆるダクトテープ状に製造される。このように、各種基材に、所望により離型剤と共に展着・固定し、ダクトテープ状に製造することにより、使い勝手、移動性、貯蔵性等が向上し、商取引上、マーチャンダイジング上から好ましい。
本発明で使用できる基材としての織布、不織布、フィルム、金属箔、メッシュ、紙、各種複合材は、前掲特許文献等に開示されていて、テープ製造業界で公知のものであるので、詳細な説明は割愛する。
上述したようにして製造された本発明の耐火テープ4は、図1〜2に示したように、建築物の防火区画を形成する防火壁1に穿設されている貫通孔2を貫通して、配設されている各種配管3の周囲に巻き付けた後、耐火テープ4と貫通孔2との間の空隙はモルタル等の不燃材料5で完全に埋め戻して十分な気密性を保持するように施工する。
上記課題は、下記のいずれかの手段により解決することができる。
1.イ。粘着ベースポリマー、ロ。熱膨張性黒鉛、ハ。含水無機物、ニ。リン化合物、およびホ。熱可塑性樹脂で低沸点液化炭化水素を包含した熱膨張性マイクロカプセルであって、約100℃近傍で膨張を開始し、最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差する熱膨張温度特性を有する熱膨張性マイクロカプセル、とを含む耐火性樹脂組成物。
2.前記1項において、熱膨張性マイクロカプセルとして、膨張開始温度と最大膨張到達温度が異なる2種類の熱膨張性マイクロカプセルを使用することを特徴とし、此処に一方の熱膨張性マイクロカプセルが最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、他方の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度曲線と交差し、さらに該他方の熱膨張性マイクロカプセルが最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差することにより、100〜300℃の範囲で連続した膨張機構を付与する。
3.前記1または2項において、粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物、および熱膨張性マイクロカプセルの配合比率が、ベースポリマー100質量部に対し、熱膨張性黒鉛が15〜150質量部、リン化合物が50〜200質量部、含水無機物が50〜250質量部、および熱膨張性マイクロカプセルが5〜50質量部の範囲である。
4.前記1〜3項のいずれか1項に記載された耐火性樹脂組成物を通常の成形装置で成形した耐火性樹脂ストリップ。
5.前記4項の耐火性樹脂ストリップを離型剤と共に基材に展着・固定した耐火性テープ。
請求項1に記載した発明により、イ。粘着ベースポリマー、ロ。熱膨張性黒鉛、ハ。含水無機物、ニ。リン化合物、およびホ。熱可塑性樹脂で低沸点液化炭化水素を包含した熱膨張性マイクロカプセルであって、約100℃近傍で膨張を開始し、最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差する熱膨張温度特性を有する熱膨張性マイクロカプセルを主成分としているので、希望する形状の成形体に成形することができ、たとえ約100〜200℃の比較的低温度で可塑化または溶融する樹脂製配管を使用していても、当該樹脂製配管に前記成形体を巻き付けてあれば、火災により樹脂製配管の間に凹陥部、或いは空隙が形成されても、その凹陥部、或いは空隙を完全に充填され、防火区画の防火壁の一方の側で発生した熱、炎、煙、火災により発生する各種ガス等が、防火区画の防火壁の他方の側の区画へ侵入するのを防止することができ、また組成物であるので、希望する形状に成形することができ、かつそれ自体で移動が可能で商取引の対象になる。
請求項2に記載した発明により、一方の熱膨張性マイクロカプセルが最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、他方の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度曲線と交差し、さらに該他方の熱膨張性マイクロカプセルが最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差する膨張開始温度と最大膨張到達温度が異なる2種類の熱膨張性マイクロカプセルを使用するので、100〜300℃の範囲で連続した膨張機構を付与する耐火性樹脂組成物が提供される。
請求項3に記載した発明により、粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物、および熱膨張性マイクロカプセルの配合比率が、ベースポリマー100質量部に対し、熱膨張性黒鉛が15〜150質量部、リン化合物が50〜200質量部、含水無機物が50〜250質量部、および熱膨張性マイクロカプセルが5〜50質量部の範囲としたので、粘着ベースポリマーに対して、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物、および熱膨張性マイクロカプセルを広範な配合比率で使用することができ、それぞれの目的、コスト、マーチャンダイジングに合わせた用途の開発が可能である。
請求項4に記載した発明により、それ自体で各種配管に巻き付けて使用することができる耐火性樹脂ストリップが提供される。
請求項5に記載した発明により、耐火性樹脂ストリップを基材に展着・固定したので、施工性、移動性、貯蔵性等が向上し、商取引上、マーチャンダイジング上から好ましい。
以下、発明を実施するための最良の形態を実施例、比較例により説明する。
表−2に記載した配合により耐火性樹脂組成物を製造した。なお、表−2において数値は質量部である。
Figure 2007161976
表−3に記載した配合により耐火性樹脂組成物を製造した。なお、表−3において数値は質量部である。
Figure 2007161976
表−4に記載した配合により耐火性樹脂組成物を製造した。なお、表−4において数値は質量部である。
Figure 2007161976
Figure 2007161976
比較例
表−5に記載した配合により耐火性樹脂組成物を製造した。なお、表−5において数値は質量部である。
Figure 2007161976
表−2〜表−5において、*1〜*8は下記の通りである。
*1:日本合成ゴム(株)の登録商標
*2:出光石油化学(株)の登録商標
*3:熱膨張性黒鉛に対する東ソー(株)の登録商標で、250〜300℃近辺まで膨張を抑制させた特殊処理した熱膨張性黒鉛で、あらゆる熱可塑性樹脂に高い効果を発揮するハロゲンフリータイプの難燃剤である。
*4:昭和電工(株)の登録商標
*5:ポリリン酸アンモニウム系難燃剤に対するクラリアントジャパン(株)の登録商標で、白色粉末、低水溶解性(0.5%以下)の発泡製難燃剤である。
*6:日東粉化工業(株)の登録商標
*7:熱膨張性マイクロカプセルに対する松本油脂製薬(株)の登録商標で、低沸点液化炭化水素を厚さ2〜15μmの熱可塑性樹脂のシェルで包摂したもので、比重が1.03、最大膨張倍率(体積)が約60倍、シェルの軟化温度が105〜115℃である。
*8:熱膨張性マイクロカプセルに対する松本油脂製薬(株)の登録商標で、低沸点液化炭化水素を熱可塑性樹脂のシェルで包含した平均粒子径が20〜30μmで、膨張倍率(体積)が20〜70倍、膨張温度が130〜190℃である。
実施例1〜3および比較例の組成物をカレンダーロールで圧延して、L50mm×W50mm×T10mmの供試体を製造した。図3に示した圧縮永久歪み試験用治具に挟み、10mmのスペーサー6、7で固定し、ギアオ−ブン内で規定温度で30分間加熱した後、供試体を取り出してノギスで長さを測定した。その結果を表−6に示した。
Figure 2007161976
[考察]
実施例および比較例において、熱膨張性マイクロカプセルとして実施例1では100℃前半で膨張を開始するが後半で膨張速度が鈍化するものを使用した。実施例2では100℃後半で膨張を開始するものを使用した。実施例3では、実施例1と2で使用した熱膨張性マイクロカプセルを合わせて使用した。実施例3において、140〜200℃の温度領域において直線的な膨張倍率の上昇が確認された。この結果から、熱膨張性マイクロカプセルの種類および添加量を調整することにより、膨張倍率曲線を自由にコントロールすることが可能であることを確認した。
実施例および比較例の結果から、膨張倍率曲線をコントロールすることによって、樹脂製の各種配管の可塑化温度領域に膨張開始温度を合わせることにより、樹脂製の各種配管の変形によって生じる空隙を閉塞することが可能である。それによって、空隙から漏洩してくる熱風による温度上昇を防ぐことができ、250〜300℃近辺まで膨張を抑制させた熱膨張性黒鉛の非対応温度領域である100℃以下〜250℃の範囲まで対応でき、熱膨張性黒鉛による膨張機能の補完的な役割を果たし、100℃以下〜300℃の全温度領域に対応して耐火性能を発揮することができる。
本発明の耐火性樹脂組成物、耐火性樹脂ストリップ、および耐火性テープはそれぞれ、下記に例示する産業上の利用可能性がある。
1.本発明の耐火性樹脂組成物は、イ。粘着ベースポリマー、ロ。熱膨張性黒鉛、ハ。含水無機物、ニ。リン化合物、およびホ。熱可塑性樹脂で低沸点液化炭化水素を包含した熱膨張性マイクロカプセルであって、約100℃近傍で膨張を開始し、最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差する熱膨張温度特性を有する熱膨張性マイクロカプセルを主成分としているので、希望する形状の成形体に成形することができ、たとえ約100〜200℃の比較的低温度で可塑化または溶融する樹脂製配管を使用していても、当該樹脂製配管に前記成形体を巻き付けてあれば、火災により樹脂製配管の間に凹陥部、或いは空隙が形成されても、その凹陥部、或いは空隙を完全に充填され、防火区画の防火壁の一方の側で発生した熱、炎、煙、火災により発生する各種ガス等が、防火区画の防火壁の他方の側の区画へ侵入するのを防止することができ、また組成物であるので、希望する形状に成形することができ、かつそれ自体で移動が可能で商取引の対象になる。
2.本発明の耐火性樹脂組成物は、イ。粘着ベースポリマー、ロ。熱膨張性黒鉛、ハ。含水無機物、ニ。リン化合物、およびホ。2種類の熱膨張性マイクロカプセルを主成分としており、一方の熱膨張性マイクロカプセルが最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、他方の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度曲線と交差し、さらに該他方の熱膨張性マイクロカプセルが最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差するような膨張開始温度と最大膨張到達温度が異なる2種類の熱膨張性マイクロカプセルを使用するので、約100℃以下〜300℃の全範囲で連続した膨張機構を付与する耐火性樹脂組成物が提供され、希望する形状の成形体に成形することができ、たとえ約100〜200℃の比較的低温度で可塑化または溶融する樹脂製配管を使用していても、当該樹脂製配管に前記成形体を巻き付けてあれば、火災により樹脂製配管の間に凹陥部、或いは空隙が形成されても、その凹陥部、或いは空隙を完全に充填され、防火区画の防火壁の一方の側で発生した熱、炎、煙、火災により発生する各種ガス等が、防火区画の防火壁の他方の側の区画へ侵入するのを防止することができ、また組成物であるので、希望する形状に成形することができ、かつそれ自体で移動が可能で商取引の対象になる。
3.本発明の耐火性樹脂組成物は、粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物、および熱膨張性マイクロカプセルの配合比率が、ベースポリマー100質量部に対し、熱膨張性黒鉛が15〜150質量部、リン化合物が50〜200質量部、含水無機物が50〜250質量部、および熱膨張性マイクロカプセルが5〜50質量部の範囲としたので、粘着ベースポリマーに対して、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物、および熱膨張性マイクロカプセルを広範な配合比率で使用することができ、それぞれの目的、コスト、マーチャンダイジングに合わせた産業上の用途の開発が可能である。
4.本発明の耐火性樹脂ストリップは、それ自体で各種配管に巻き付けて使用することができるので、特に、建築物の仕切り部に設けられた防火区画や防火壁等を貫通して設けられた給水管、配電管、その他電線・ケーブル及びバスダクト等を含む各種配管の周囲に被覆して、防火性能を確保するための工事の施工効率が向上するので、当業界に資するところが大きい。
5.本発明の耐火性テープは、耐火性樹脂ストリップを基材に展着・固定したので、施工性、移動性、貯蔵性等が向上し、商取引上、マーチャンダイジング上からも産業上資するところが大きい。
建築物の防火区画を形成する防火壁を貫通する配管工事の状態を示す斜視図。 図1の断面図。 実施例および比較例の試験に使用した装置を示す斜視図。
符号の説明
1 建築物の防火区画を形成する防火壁
2 貫通孔
3 配管
4 耐火テープ
5 不燃材料
6 供試片
7 スペーサー

Claims (5)

  1. イ。粘着ベースポリマー、
    ロ。熱膨張性黒鉛、
    ハ。含水無機物、
    ニ。リン化合物、および
    ホ。熱可塑性樹脂で低沸点液化炭化水素を包含した熱膨張性マイクロカプセルであって、約100℃近傍で膨張を開始し、最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差する熱膨張温度特性を有する熱膨張性マイクロカプセル、とを含む耐火性樹脂組成物。
  2. 熱膨張性マイクロカプセルとして、膨張開始温度と最大膨張到達温度が異なる2種類の熱膨張性マイクロカプセルを使用することを特徴とし、此処に一方の熱膨張性マイクロカプセルが最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、他方の熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度曲線と交差し、さらに該他方の熱膨張性マイクロカプセルが最大膨張温度に到達した後の収縮移行曲線が、約250〜300℃で膨張を開始する熱膨張性黒鉛の膨張開始温度曲線と交差することにより、100〜300℃の範囲で連続した膨張機構を付与する請求項1に記載の耐火性樹脂組成物。
  3. 粘着ベースポリマー、熱膨張性黒鉛、含水無機物、リン化合物、および熱膨張性マイクロカプセルの配合比率が、ベースポリマー100質量部に対し、熱膨張性黒鉛が15〜150質量部、リン化合物が50〜200質量部、含水無機物が50〜250質量部、および熱膨張性マイクロカプセルが5〜50質量部の範囲である請求項1または2項に記載の耐火性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載した耐火性樹脂組成物を通常の成形装置で成形した耐火性樹脂ストリップ。
  5. 請求項4に記載した耐火性樹脂ストリップを基材に展着・固定した耐火性テープ。
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