JP2001347626A - 耐火被覆シート - Google Patents

耐火被覆シート

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JP2001347626A
JP2001347626A JP2000170779A JP2000170779A JP2001347626A JP 2001347626 A JP2001347626 A JP 2001347626A JP 2000170779 A JP2000170779 A JP 2000170779A JP 2000170779 A JP2000170779 A JP 2000170779A JP 2001347626 A JP2001347626 A JP 2001347626A
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weight
sheet
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refractory
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JP2000170779A
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English (en)
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Hirofumi Amano
裕文 天野
Norio Numata
憲男 沼田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の技術と同等の優れた施工性と形状追従
性を有し、なおかつ従来の技術を解決し、皮膚に対して
刺激性の少ない厚みの薄い耐火被覆シートの提供。 【解決手段】 200℃以上の環境下で3〜100倍に
膨張する耐火性組成物からなる一つもしくは複数のシー
ト層と坪量50〜500g/m2の陶土混抄紙の一つも
しくは複数の層を積層してなることを特徴とする耐火被
覆シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火被覆シートに
関し、さらに詳しくは、柱、梁等に容易に施工すること
が可能であり、厚みが薄い耐火被覆シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集合住宅や戸建て住宅等において
建築物の構造材をなす梁、柱等として軽量な鉄骨が用い
られるようになってきている。このような建築物の構造
材として用いられる鉄骨には、建設省告示第2999号
やJIS A 1304により耐火性能基準が定められ
ており、その基準を満たすために、鉄骨の表面を耐火性
に優れた材料(耐火被覆材)で被覆する方法が一般的に
実施されている。
【0003】鉄骨に耐火性を付与するための被覆材料と
して、特開昭63−194051号公報には、セラミッ
クファイバーなどの無機質材料を主材とし、それに無機
質バインダーを含浸した湿潤状態の繊維フェルトを用い
た鉄骨の被覆方法が記載されている。しかしながら、こ
の技術では被覆材を鉄骨に固定する際に接着剤や座金な
どが必要となる。また、この技術で用いられている耐火
被覆材に用いられている無機繊維は人間の肌に対する刺
激性の強い素材であり、作業者の作業条件への悪影響が
問題となる。また、被覆材の厚みが厚く建築物内の居住
空間に制限を与えるという問題点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、従来の技術と同等の優れた施工性と形状追従性
を有し、なおかつ従来の技術を解決し、皮膚に対して刺
激性の少ない厚みの薄い耐火被覆シートを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究をすすめた結果、特定の熱膨張率
を有する耐火性組成物からなるシートと特定の陶土混抄
紙からなる積層シートが施工性、刺激性、耐火性能につ
いて優れることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明の第1発明(請求項1記
載の発明)は、200℃以上の環境下で3〜100倍に
膨張する耐火性組成物からなる一つもしくは複数のシー
ト層と坪量50〜500g/m2の陶土混抄紙の一つも
しくは複数の層を積層してなることを特徴とする耐火被
覆シートである。
【0007】また、本発明の第2発明(請求項2記載の
発明)は、耐火性組成物が熱可塑性樹脂及び/又はゴム
物質100重量部に対して、リン化合物と中和処理され
た熱膨張性黒鉛との合計量20〜500重量部、無機充
填剤20〜500重量部を含有し、かつ、中和処理され
た熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比(熱膨張性黒鉛
/リン化合物)が0.01〜9の樹脂組成物であること
を特徴とする上記の耐火被覆シートである。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明の耐火被覆シートは、耐火
性組成物からなるシート層と陶土混抄紙の層の積層体か
らなっている。本発明の耐火被覆シートの構成成分、製
法等を以下に詳細に説明する。
【0009】1.耐火性組成物 本発明で用いる耐火性組成物は、熱可塑性樹脂及び/又
はゴム物質100重量部に対して、リン化合物と中和処
理された熱膨張性黒鉛との合計量20〜500重量部、
無機充填剤20〜500重量部を含有し、かつ、中和処
理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比(熱膨張
性黒鉛/リン化合物)が0.01〜9の樹脂組成物であ
る。
【0010】(1)熱可塑性樹脂組成物及び/又はゴム
物質 本発明で用いることのできる熱可塑性樹脂及び/又はゴ
ム物質としては、特に限定されず、ポリプロピレン樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリ
ペンテン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(B
R)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(I
IR)、塩素化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム
(EPR、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン
(CSM)、アクリルゴム(ACM、ANM)、エピク
ロルヒドリンゴム(CO、ECO)、多加硫ゴム
(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FKM、
FZ)、ウレタンゴム(U)等が挙げられる。これらの
中でも、クロロプレンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチル
ゴム等が好ましく、クロロプレンゴム、塩素化ブチルゴ
ム等のハロゲン化された樹脂は、それ自体難燃性が高
く、さらに熱による脱ハロゲン化反応により、架橋が起
こり、加熱後の強度が向上する点において好ましい。
【0011】(2)リン化合物 本発明の耐火性組成物で用いるリン化合物としては、特
に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェ
ート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニ
ルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム
等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一
般式(1)で表される化合物等が挙げられる。これらの
うち、耐火性の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニ
ウム類、及び、下記一般式(1)で表される化合物が好
ましく、性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸
アンモニウム類がより好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】式(1)中、Rl及びR3は、水素、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、
炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、
炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、
炭素数1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル
基、炭素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜1
6のアリールオキシ基を表す。
【0014】上記赤リンは、少量の添加で難燃効果を向
上する。上記赤リンとしては、市販の赤リンを用いるこ
とができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安
全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティング
したもの等が好適に用いられる。
【0015】上記ポリリン酸アンモニウム類としては、
特に限定されず、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メ
ラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、
難燃性、安全性、コスト等の点からポリリン酸アンモニ
ウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、ヘ
キスト社製「AP422」、「AP462」、住友化学
工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC
60」、「テラージュC70」、「テラージュC80」
等が挙げられる。
【0016】上記一般式(1)で表される化合物として
は、特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチ
ルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エ
チルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン
酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホ
ン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチル
ホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニル
ホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホ
スフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホ
スフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフ
ィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホ
スフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、
高価ではあるが、高難燃性の点において好ましい。上記
リン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用しても
良い。
【0017】(3)中和処理された熱膨張性黒鉛 本発明で用いる中和処理された熱膨張性黒鉛とは、従来
公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したものであ
る。上記熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分
解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃
硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸
化水素等の強酸化剤とで処理することにより生成するグ
ラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持し
たままの結晶化合物である。
【0018】上述のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
により、上記中和処理された熱膨張性黒鉛が得られる。
【0019】上記脂肪族低級アミンとしては、特に限定
されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、
トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブ
チルアミン等が挙げられる。
【0020】上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類
金属化合物としては、特に限定されず、例えば、カリウ
ム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム
等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩など
が挙げられる。
【0021】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が、200
メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所
定の耐火断熱層が得られず、また、20メッシュより大
きくなると、黒鉛の膨張度が大きいという利点はある
が、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質と混練する際に分
散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。
【0022】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品
としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」、東
ソー社製「GREP−EG」等が挙げられる。
【0023】(4)無機充填剤 本発明で用いられる無機充填剤としては、特に限定され
ず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化ア
ンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイ
ドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭
酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸
カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウ
ム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、
タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナ
イト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサ
イト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化けい索、カーボンブ
ラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉
末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム
「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミ
ニウムボレート、硫化モリブデン、炭化けい素、ステン
レス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フラ
イアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらは、単独
で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0024】上記無機充填剤としては、特に、含水無機
物及び金属炭酸塩との併用が好ましい。上記含水無機物
及び金属炭酸塩は、骨材的な働きをすることから、残渣
強度の向上や熱容量の増大に寄与すると考えられる。
【0025】さらに、上記含水無機物は、加熱時の脱水
反応によって生成した水のために吸熱が起こり、温度上
昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残
渣として酸化物が残存し、これが骨材となって働くこと
で残渣強度が向上する点で特に好ましい。中でも、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウムは、脱水効果を発
揮する温度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発
揮する温度領域が広がり、より効果的な温度上昇抑制効
果が得られることから、併用することが好ましい。
【0026】また、上記金属炭酸塩は、上記リン化合物
としてポリリン酸アンモニウムを使用した場合、ポリリ
ン酸アンモニウムとの反応で膨張を促進とすると考えら
れ、また、有効な骨材として働き、燃焼後に形状保持性
の高い残渣を形成する。
【0027】上記含水無機物及び金属炭酸塩の粒径とし
ては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは
1〜50μmである。上記無機充填剤は、添加量が少な
いときは、分散性が性能を大きく左右するため粒径の小
さいのが望ましいが、0.5μm未満では二次凝集が起
こり、分散性が悪くなる。上記無機充填剤の添加量が多
いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物粘度が高
くなり成型性が低下するが、粒径を大きくすることで樹
脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径
の大きいものが好ましい。粒径が100μmを超える
と、成型体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下す
る。
【0028】上記含水無機物の市販品としては、例え
ば、水酸化アルミニウムでは、粒径1μmの「H−42
M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「H−31」
(昭和電工社製)、また、炭酸カルシウムでは、例え
ば、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カル
シウム社製)、粒経8μmの「BF300」(白石カル
シウム社製)等が挙げられる。
【0029】(5)その他の成分 本発明で用いる耐火性組成物には、必要に応じて、ポリ
ブテン等液状成分、石油樹脂等の粘着付与剤を添加する
ことができる。
【0030】(6)配合割合 本発明の耐火組成物における、各成分の配合量は、熱可
塑性樹脂及び/又はゴム物質100重量部に対して、リ
ン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量は、
20〜500重量部である。リン化合物と中和処理され
た熱膨張性黒鉛との合計量が20重量部未満では、十分
な熱膨張性が得られず、500重量部を超えると、均一
な分散が困難となるため、均一な厚みに施工することが
難しくなり、施工方法が限定される。
【0031】また、中和処理された熱膨張性黒鉛とリン
化合物との重量比(熱膨張性黒鉛/リン化合物)は、
0.01〜9である。熱膨張性黒鉛の比率が多くなる
と、燃焼に膨張した黒鉛が飛散して十分な耐火断熱層が
形成されず、リン化合物の比率が多くなると、十分な耐
火断熱層が形成されなくなるため、十分な断熱性が得ら
れない。
【0032】本発明の耐火組成物における、無機充填剤
の配合量は、熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質100重
量部に対して、20〜500重量部である。無機充填剤
の配合量が20重量部未満では、骨材量が不足するた
め、十分な強度の燃焼残渣が形成されず、500重量部
を超えると、均一な分散が困難となるため、均一な厚み
に施工することが難しくなり、施工方法が限定される。
【0033】(7)組成物及び耐火性シート層 上記の各成分からなる本発明で用いる耐火性組成物は、
200℃以上の環境下で3〜100倍に膨張する。20
0℃以上の環境下の膨張率が、3倍未満であると断熱性
が不十分であり、100倍を超えると燃焼後の残さの強
度が不十分である。
【0034】上記の耐火性組成物からシート層を得るに
は、例えば押出成形、カレンダー成形、熱プレス成形等
の通常のシート成形方法が可能である。シート層の厚み
は、0.2〜5.0mmが好ましい。0.2mm未満で
あると耐火性が十分なく、5.0mmを超えると重すぎ
て作業性が悪くなる。また、本発明の耐火性シート層
は、塗料状としても用いることができ、その際は公知の
混練、攪拌装置を用いて、混練、攪拌を行い、塗料状に
して用いることができる。
【0035】2.陶土混抄紙 本発明で用いる陶土混抄紙としては、陶土を含有する抄
紙であれば、限定されるものではない。陶土混抄紙は、
1000℃前後の温度で焼結が始まり、素焼き状のシー
ト状物になる。膨張性の耐火性組成物を火炎に直接晒さ
れるのを保護する働きを果たし、十分な耐火性能を発現
することとなる。
【0036】陶土混抄紙の坪量は、50〜500g/m
2が好ましい。坪量が50g/m2未満では、焼結した後
の素焼き状シートの厚みが十分でないため、保護機能が
十分でなくなり、また坪量が500g/m2を超える
と、抄紙の厚さがシート全体の柔軟性に悪影響を及ぼ
し、施工性が悪くなる。
【0037】3.耐火被覆シート 本発明の耐火被覆シートは、上記の耐火性組成物からの
一つもしくは複数のシート層と上記の陶土混抄紙の一つ
若しくは複数層を積層させて得られる。積層方法として
は、組成物自体の接着力で積層することができるが、別
に接着剤を用いてもよい。
【0038】上記の様にして得られた耐火被覆シートの
厚みは、0.2〜5.0mmが好ましい。0.2mm未
満であると耐火性が十分でなく、5.0mmを超えると
重すぎて作業性が悪くなる。
【0039】本発明の耐火被覆シートは、鉄骨の柱、梁
等に貼り付けて用い、火災時の加熱によって、耐火性組
成物シート層が燃焼、膨張して不燃性の燃焼残渣による
耐火断熱層を形成し、鉄骨の梁や柱が高温に上昇するの
を防ぐ機能を発揮する。したがって、本発明の耐火被覆
シートを鉄骨などに被覆施工する際に、耐火性組成物層
の膨張が十分に行われるように、その内側または外側に
フォーム材の層をさらに加えて積層すると、効果は増大
し、好ましい。
【0040】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明は、実施例に限定されるものではな
い。
【0041】実施例1 熱可塑性樹脂及び/又はゴム物質としてブチルゴム40
重量部、リン化合物としてポリリン酸アンモニウム(ヘ
キスト社製、AP422)50重量部、中和処理された
熱膨張製黒鉛としてGREP−EG(東ソー社製)30
重量部、無機充填剤として炭酸カルシウム(白石カルシ
ウム社製、BF300)150重量部及び水酸化アルミ
ニウム(昭和電工社製、H31)50重量部、粘着付与
剤として石油樹脂(トーネックス社製、エスコレッツ)
10重量部及びポリブテン(出光化学社製、100R)
50重量部からなる耐火性組成物を混練し、平均厚み
2.0mmのシートを得た。なお、本耐火性組成物にお
いて、熱膨張性黒鉛/リン化合物の重量比は0.6であ
った。
【0042】得られた耐火性組成物シートに坪量350
g/m2の陶土混抄紙をラミネートして、2.5mmの
厚さの耐火被覆シートを得た。得られた耐火被覆シート
をH鋼柱に図1に示す様に直接貼付けた。図1におい
て、1はH鋼鉄骨柱であり、2は耐火被覆シートであ
る。得られた被覆H鋼について、JIS A−1304
に基づき耐火性能を評価した。その結果を表1に示す。
【0043】比較例1 特開昭63−194051号公報の実施例で示されてい
る被覆材、すなわち、セラミックファイバーからなるフ
ェルト状物にコロイダルシリカを含浸させた湿潤状態の
繊維フェルト材を、実施例1と同様にH鋼柱に耐火接着
剤F#81−27(ニチアス社製)を用いて貼付け、J
IS A−1304に基づき耐火性能を評価した。その
結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の耐火被覆シートは、上述の構成
であり、加熱時に燃焼残渣による膨張断熱層を形成し、
さらにその膨張断熱層が十分な形状保持性を有すること
によって、優れた耐火性能を発現するので、従来の技術
と比較して、施工性、皮膚への刺激性、厚みのいずれの
点においても良好で、幅広い用途に適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の耐火被覆シートを貼付けたH鋼の断面
図である。
【符号の説明】
1 H鋼 2 耐火被覆シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/49 C08K 5/49 9/00 9/00 C08L 21/00 C08L 21/00 101/00 101/00 C09K 21/02 C09K 21/02 21/04 21/04 E04B 1/94 E04B 1/94 V E04F 13/00 E04F 13/00 B // C08J 5/18 CER C08J 5/18 CER CEZ CEZ Fターム(参考) 2E001 DE01 FA01 FA02 GA03 GA24 HD11 HE01 HF12 JA06 JA22 JA29 JB01 JB07 JC09 JD02 JD08 4F071 AA11 AA12 AA14 AA15 AA20 AA22 AA24 AA26 AA31 AA41 AA50 AA51 AA53 AA54 AA67 AB03 AB18 AB20 AB21 AB24 AB25 AB26 AB27 AB28 AC15 AD01 AD04 AE07 AF47 AG01 AH03 BC01 BC02 4F100 AA01A AA01C AA01H AA04A AA04C AA08H AA19H AA37A AA37C AA37H AB03 AD20B AD20D AD20H AK01A AK01C AK09 AL05A AL05C AN00A AN00C AN02 AR00A AR00C BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 BA08 BA10A BA10B BA10C BA10D BA11 CA23A CA23C DG10B DG10D EC03 EC032 EC18 EC182 GB08 JB16A JB16C JJ07A JJ07C JL01 YY00B YY00D 4H028 AA07 AA10 AA12 AA42 AB03 AB04 BA03 BA06 4J002 AC011 AC031 AC061 AC071 AC081 AC091 AH002 BB031 BB121 BB151 BB171 BB181 BB241 BB271 BC021 BD031 BD121 BG011 BG021 BG031 BG041 BG051 BG061 BL011 BN151 CC031 CG001 CH041 CH071 CK021 CL001 CP031 CQ001 DA018 DA027 DA028 DA038 DA068 DC008 DE058 DE068 DE078 DE088 DE098 DE108 DE118 DE128 DE138 DE148 DE188 DE238 DF018 DG028 DG048 DG058 DH046 DH056 DJ008 DJ018 DJ038 DJ048 DK008 DL008 DM008 EW046 EW126 EW136 FA048 FA088 FA108 FB077 FB087 FD018 FD136

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 200℃以上の環境下で3〜100倍に
    膨張する耐火性組成物からなる一つもしくは複数のシー
    ト層と坪量50〜500g/m2の陶土混抄紙の一つも
    しくは複数の層を積層してなることを特徴とする耐火被
    覆シート。
  2. 【請求項2】 耐火性組成物が熱可塑性樹脂組成物及び
    /又はゴム物質100重量部に対して、リン化合物と中
    和処理された熱膨張性黒鉛との合計量20〜500重量
    部、無機充填剤20〜500重量部を含有し、かつ、中
    和処理された熱膨張性黒鉛とリン化合物との重量比(熱
    膨張性黒鉛/リン化合物)が0.01〜9の樹脂組成物
    であることを特徴とする請求項1に記載の耐火被覆シー
    ト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007161976A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Hiroshima Kasei Ltd 耐火性樹脂組成物、耐火性樹脂ストリップ、耐火性テープ
US7847012B2 (en) 2006-06-06 2010-12-07 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Vinyl chloride resin composition and molded article thereof
JP2016084886A (ja) * 2014-10-27 2016-05-19 積水化学工業株式会社 建材用熱膨張性多層パッキン

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