JPH10237980A - 耐火性外壁材及び外壁の耐火構造 - Google Patents

耐火性外壁材及び外壁の耐火構造

Info

Publication number
JPH10237980A
JPH10237980A JP4081597A JP4081597A JPH10237980A JP H10237980 A JPH10237980 A JP H10237980A JP 4081597 A JP4081597 A JP 4081597A JP 4081597 A JP4081597 A JP 4081597A JP H10237980 A JPH10237980 A JP H10237980A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wall
fire
wall material
resistant
fire resistant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4081597A
Other languages
English (en)
Inventor
Chika Iri
知香 伊理
Katsunori Onishi
克則 大西
Hiroshi Onishi
洋 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP4081597A priority Critical patent/JPH10237980A/ja
Publication of JPH10237980A publication Critical patent/JPH10237980A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】凹凸裏面を有する外壁材や外壁構造であって
も、その裏面に防火性シートを貼着することができる耐
火性外壁材及び外壁の耐火構造を提供する。 【解決手段】外壁材11の裏面略全面に、柔軟性を有す
る耐火性シート12が貼着されている耐火性外壁材1で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐火性外壁材及び
外壁の耐火構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築材料の分野、特に外壁においては、
従来から、耐火性が重要な意味を持っている。従来、外
壁を形成する外壁材として、そのものに耐火性能を持た
せたALC板、コンクリート板、木片セメント板等があ
る。しかしながら、このような外壁材は、火炎の遮断、
裏側の温度上昇抑制等の所定の耐火性能を持たせるため
には、厚み、材料の選択性に多くの制約があった。
【0003】そこで、例えば、図4に示すように、スレ
ート等の不燃建材aの裏面にロックウールb等を不定形
に吹き付けた、いわゆる吹付けロックウール被覆耐火構
造〔耐火(通)Wn0111・1111〕が知られてい
る。
【0004】しかしながら、このような耐火構造を得る
には、ロックウールを必要厚さに吹き付けるための施工
管理が難しく、又、吹付作業の作業環境が悪いという不
都合がある。
【0005】又、例えば、実開昭58─159312号
公報に記載され、図5に示すように、壁面パネルcの裏
面側に耐火断熱材dを裏張りしかつ耐火断熱材の脱落防
止部材e及びパネル取付け部材を設けた外装パネルf
と、不燃性の内装パネルgを備え、あらかじめ施工した
形材に外装パネルfと内装パネルgを所定間隔をおいて
取付けると共に、外装パネルf同士の接続部分にシール
材hと不燃性のバックアップ部材iを介在させた耐火壁
構造が提案されている。
【0006】しかしながら、このような耐火壁構造の場
合には、壁面パネルcが凹凸状のものである場合には、
その裏面側に裏張りされる耐火断熱材dが追従すること
ができないという問題点がある。
【0007】又、近年、樹脂材料の用途拡大に伴って、
建築材料、特に外壁材料として、樹脂材料が広く用いら
れており、耐火性能を付与された樹脂材料が求められて
いる。
【0008】このような耐火性能としては、単に材料自
体が燃え難いばかりではなく、火炎を裏面に回すことが
ない性質等も要求されている。樹脂成分及び有機成分
は、本質的に燃焼又は溶融する性質を有するので、いか
に長時間このような状態にならないか、含有される無機
成分が、いかに長時間脱落しないか等が問題となる。
【0009】特開平6−25476号公報には、ポリオ
レフィン樹脂に赤リン又はリン化合物と熱膨張性黒鉛と
を用いる技術が開示されている。このものは難燃性につ
いては充分であるが、例えば、シート状にして壁の裏打
ち材等に使用した場合には、耐火・防火試験において脆
い灰分だけが残り、残渣が脱落したり、裏面の温度が2
60℃以上に上昇してしまう等の問題点があった。
【0010】又、特公昭61−57337号公報には、
粘着性非加硫ゴムに熱膨張性黒鉛を添加して難燃性を得
る技術が開示されている。しかしながら、このものは、
難燃性については充分であるが、上記したと同様、耐火
性を満足するには不充分である欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来の問題点を解消し、凹凸裏面を有する外壁材や外
壁構造であっても、その裏面に防火性シートを貼着する
ことができる耐火性外壁材及び外壁の耐火構造を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1記載の発
明(本発明1)は、外壁材の裏面略全面に、柔軟性を有
する耐火性シートが貼着されている耐火性外壁材であ
る。
【0013】本願の請求項2記載の発明(本発明2)
は、耐火性シートが、非加硫ゴムにリン化合物と中和処
理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有する材料か
らなる本発明1記載の耐火性外壁材である。
【0014】本願の請求項3記載の発明(本発明2)
は、複数の外壁材が立設され、それらの外壁材の両側縁
が支柱に係止されて外壁が形成され、上記外壁材の裏面
略全面から支柱にわたって、非加硫ゴムにリン化合物と
中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有する
材料からなる耐火性シートが貼着されている外壁の耐火
構造である。
【0015】本願の請求項4記載の発明(本発明3)
は、複数の外壁材が立設され、それらの外壁材の隣接す
る側縁に縦方向に沿う膨出部が形成され、その側縁同士
の相対する面に縦方向に沿って凹溝が形成され、その凹
溝間に目地材を介在するように接続されて外壁が形成さ
れ、上記外壁材の裏面略全面に、非加硫ゴムにリン化合
物と中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有
する材料からなる耐火性シートが貼着されている外壁の
耐火構造である。
【0016】本発明において、柔軟性を有する耐火性シ
ートとしては、セラミック繊維フェルト等の無機系シー
ト、ゴム、プラスチック等に耐火性能を発現する物質を
加えた有機系シート、あるいはこれらの複層シート等が
用いられる。
【0017】耐火性シートを形成する材料中の非加硫ゴ
ムとしては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(B
R)、1,2−ポリブタジエンゴム(1,2−BR)、
スチレン−ブタジンゴム(SBR)、クロロプレンゴム
(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(II
R)、エチレン−プロピレンゴム(EPM、EPD
M)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、アク
リルゴム(ACM,ANM)、エピクロルヒドリンゴム
(CO,ECO)、多加硫ゴム(T)、シリコーンゴム
(Q)、フッ素ゴム(FKM、FZ)、ウレタンゴム
(U)等が挙げられる。これらは、リン化合物、黒鉛及
び無機充填剤を添加した後、加硫されてもよい。
【0018】本発明における耐火性シートの耐火性能
は、これら3成分がそれぞれの性質を発揮することによ
り発現する。具体的には、加熱時に熱膨張性黒鉛が膨張
断熱層を形成して熱の伝達を阻止する。無機充填剤は、
その際に熱容量を増大させ、リン化合物は、膨張断熱層
及び充填材の形状保持能力を有する。
【0019】上記リン化合物としては特に限定されず、
例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレ
ジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホ
スフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金
属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記一般式(1)で
表される化合物等が挙げられる。なかでも、ポリリン酸
アンモニウム類;下記一般式(1)で表される化合物が
好ましい。
【0020】
【化1】
【0021】式中、R1 、R3 は、水素、炭素数1〜1
6の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は、炭素数
6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数
1〜16の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基、炭
素数6〜16のアリール基、又は、炭素数6〜16のア
リールオキシ基を表す。
【0022】上記赤リンとしては、市販の赤リンを用い
ることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等
の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティ
ングしたもの等が好ましい。
【0023】上記ポリリン酸アンモニウム類としては、
例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリ
ン酸アンモニウム等が挙げられる。市販品としては、ヘ
キスト社製「AP462」、住友化学工業社製「スミセ
ーフP」が挙げられる。
【0024】上記一般式(1)で表される化合物として
は、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメ
チル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、
プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプ
ロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジ
メチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェ
ニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジ
メチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチ
ルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオ
クチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチル
フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス
(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられ
る。上記リン化合物は、単独で用いても、2種以上を併
用してもよい。
【0025】熱膨張性黒鉛としては、従来公知の物質が
使用可能であり、例えば、天然鱗状グラファイト、熱分
解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫
酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過
塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素
等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生
成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶
化合物が挙げられる。
【0026】上記のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和する。上
記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。上
記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物とし
ては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バ
リウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、
硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。このように中和処理
した熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、CA−6
0S(日本化成社製)等が挙げられる。
【0027】中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、2
0〜200メッシュのものが好ましい。粒度が200メ
ッシュより細かいと、黒鉛の膨張度が小さく、望む耐火
断熱層が得られず、粒度が20メッシュより大きいと、
膨潤度が大きいという点では効果があるが、樹脂と混練
する際、分散性が悪く物性の低下が避けられない。
【0028】無機充填剤としては特に限定されず、例え
ば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化
錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロ
タルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊
維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モン
モリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ
素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸
カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」、チタン酸ジル
コン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭
化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、
スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられ
る。なかでも、加熱時に脱水し、吸熱効果のある水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム
等の含水無機物を用いるのが好ましい。
【0029】耐火性シートを形成する材料としては、上
記非加硫ゴム100重量部に対して、上記リン化合物と
上記中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量は20〜2
00重量部、上記無機充填剤が50〜500重量部含有
されるのが好ましい。上記リン化合物と上記中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛との合計量が20重量部未満である
と、充分な耐火性能が得られず、200重量部を超える
と、機械的物性の低下が大きくなる。上記無機充填剤が
50重量部未満であると、充分な耐火性能が得られず、
500重量部を超えると、機械的物性の低下が大きくな
る。
【0030】本発明においては、中和処理された熱膨張
性黒鉛とリン化合物を組み合わせることにより、燃焼時
の膨張性黒鉛の飛散を抑え、形状保持を図るもので、熱
膨張性黒鉛が多すぎると、燃焼時に膨張した黒鉛が飛散
し、加熱時に充分な膨張断熱層が得られず、逆にリン化
合物が多すぎても、断熱層が充分でなく、望む効果が得
られなくなるため、中和処理された熱膨張性黒鉛とリン
化合物の重量比は中和処理された熱膨張性黒鉛:リン化
合物=9:1〜1:9であるのが好ましい。より好まし
くは5:1〜1:5、更に好ましくは3:1〜1:3で
ある。
【0031】本発明において、耐火性シートを形成する
材料中には、耐火層の物性を損なわない範囲で、更に、
フェノール系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤、金
属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化
剤、顔料等が添加されてもよい。
【0032】耐火性シートを形成する材料は、各成分を
単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダ
ーミキサー、ロール等の混練装置を用いて得られる。耐
火性シートは、防水性能を有するものであってもよい
し、又、防水性能を有しないものであってもよい。
【0033】本発明4において、目地材としては、耐火
性ゴムや耐火性パテ材からなるものが好適に使用され
る。耐火性ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、1,2─ポリブタジエン、ス
チレン─ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリル
ゴム、ブチルゴム、エチレン─プロピレンゴム、クロロ
スルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、多加硫ゴム、シリコーンゴムフッ素ゴム、
ウレタンゴム等のゴム成分に、上記と同様のリン化合物
と中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有す
るもの等が使用される。
【0034】耐火性パテ材としては、顔料を適当な展色
材にて固く練り上げたものに、上記と同様のリン化合物
と中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有す
るもの等が使用される。顔料としては、例えば、タル
ク、チャイナクレイ、亜鉛華等が挙げられ、展色材とし
ては、例えば、油、油ワニス、ポリブテンあるいはニカ
ワ、カゼイン水溶液等が挙げられる。接着強度を高める
ためにエポキシ樹脂を配合したものであってもよい。
【0035】
【作用】本発明1の耐火性外壁材は、外壁材の裏面略全
面に、柔軟性を有する耐火性シートが貼着されているこ
とにより、凹凸裏面を有する外壁材であっても、その裏
面略全面に顕著な耐火性能を発現する耐火性シートが貼
着された構造とすることができる。
【0036】本発明2の耐火性外壁材は、更に、耐火性
シートが、非加硫ゴムにリン化合物と中和処理された熱
膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有する材料からなること
によって、その耐火性シートは火災の際に燃焼しにく
く、しかも充分な形状保持能力を有し、外壁材の裏面の
温度を所定温度以上にすることがない顕著な耐火性能を
発現する。
【0037】本発明3の外壁の耐火構造は、複数の外壁
材が立設され、それらの外壁材の両側縁が支柱に支持さ
れて外壁が形成され、上記外壁材の裏面略全面から支柱
にわたって、非加硫ゴムにリン化合物と中和処理された
熱膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有する材料からなる耐
火性シートが貼着されていることにより、凹凸裏面を有
する外壁であっても、その外壁材裏面略全面から支柱に
わたって耐火性シートを貼着することができ、その耐火
性シートは火災の際に燃焼しにくく、しかも充分な形状
保持能力を有し、外壁材の裏面の温度を所定温度以上に
することがない顕著な耐火性能を発現する。
【0038】本発明4の外壁の耐火構造は、複数の外壁
材が立設され、それらの外壁材の隣接する側縁に縦方向
に沿う膨出部が形成され、その側縁同士の相対する面に
縦方向に沿って凹溝が形成され、その凹溝間に目地材を
介在するように接続されて外壁が形成され、上記外壁材
の裏面略全面に、非加硫ゴムにリン化合物と中和処理さ
れた熱膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有する材料からな
る耐火性シートが貼着されていることにより、凹凸裏面
を有する外壁であっても、その外壁材裏面略全面に耐火
性シートを貼着することができ、その耐火性シートは火
災の際に燃焼しにくく、しかも充分な形状保持能力を有
し、外壁材の裏面の温度を所定温度以上にすることがな
い顕著な耐火性能を発現する。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の耐火性外壁材の
一例を説明する横断面図である。外壁材11の裏面全面
に、非加硫ブチルゴムにリン化合物と中和処理された熱
膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有材料からなる耐火性非
加硫ブチルゴムシート(以下、耐火性シートという)1
2が貼設されて、耐火性外壁材1が形成されている。
【0040】図2は、本発明の外壁の耐火構造の一例を
説明する横断面図である。複数の縦長長方形の外壁材2
1,21が隣接するように建築物の周りに立設され、そ
の各両側縁が横断面形状コ字状の鋼材からなる支柱22
に係止されて外壁が形成されている。
【0041】各外壁材21,21の裏面全面から支柱2
2の建物内側面の全面に、耐火性シート23,23が貼
着されて、外壁の耐火構造2が形成されている。
【0042】図3は、本発明の外壁の耐火構造の別の例
を説明する横断面図である。複数の縦長長方形の外壁材
31,31が立設されている。それらの外壁材31,3
1の隣接する側縁には、縦方向に沿う膨出部32,32
が形成され、その側縁同士の相対する面に縦方向に沿っ
て凹溝33,33が形成されている。その凹溝33,3
3間に目地材34を介在するように外壁材31,31の
隣接する側縁間が接続されて外壁が形成されている。
【0043】外壁材31,31の裏面全面には、膨出部
分32,32をも一体に覆うように、耐火性シート3
5,35が貼着されて、外壁の耐火構造3が形成されて
いる。尚、外壁材31,31の隣接する側縁間も上記と
同様の耐火性シートが被覆されているのが好ましい。
【0044】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0045】実施例1 ブチルゴム〔ムーニー粘度(100℃)=47、不飽和
度=2.0のイソブチレン・イソプレンゴム〕100重
量部に、中和処理された熱膨張性黒鉛(CA−60S、
日本化成社製)30重量部、ポリリン酸アンモニウム
(スミセーフP、住友化学社製)20重量部、水酸化ア
ルミニウム(B703S、日本軽金属社製)150重量
部を添加したものを、二本ロールを用いて溶融混練し
て、厚さ5mmの耐火性シートを作成した。
【0046】図1に示すように、この耐火性シート12
を、長さ2710mm×幅910mm×厚さ15mmの
硬質木片セメント板からなる外壁材11の裏面全面に貼
着して、耐火性外壁材1を得た。得られた耐火性外壁材
1について、JIS A1304により耐火性の試験評
価を行った。
【0047】外壁材1の硬質木片セメント板の表面に、
JIS A1304に規定する標準加熱曲線に従って加
熱を1時間与えた。その結果、外壁材1の裏面の温度は
260℃以下であった。
【0048】実施例2 図2に示すように、実施例1で用いたのと同様の外壁材
21,21を隣接するように建築物の周りに立設し、そ
の各両側縁が横断面形状コ字状の鋼材からなる支柱22
に係止して外壁を形成した。
【0049】各外壁材21,21の裏面全面から支柱2
2の建物内側面の全面に、実施例1で用いたのと同様の
耐火性シート23,23を貼設して、外壁の耐火構造2
を形成した。この外壁の耐火構造2の表面側に実施例1
と同様の熱量を1時間与えた。その結果、外壁の耐火構
造2の裏面の温度は260℃以下であった。
【0050】実施例3 図3に示すように、実施例1で用いたのと同様の材質か
らなり、両側縁に縦方向に沿う膨出部32が形成され、
その側縁の縦方向に沿って凹溝33,33が形成されて
いる外壁材31を用いた。その複数個の外壁材31,3
1を建物の周囲に立設し、その凹溝33,33間に目地
材34を介在するように外壁材31,31の隣接する側
縁間を接続して外壁を形成した。
【0051】その外壁材31,31の裏面全面に、膨出
部分33をも一体に覆うように、実施例1で用いたのと
同様の耐火性シート35,35を貼着して、外壁の耐火
構造3を形成した。この外壁の耐火構造3の表面側に実
施例1と同様の熱量を1時間与えた。その結果、外壁の
耐火構造3の裏面の温度は260℃以下であった。
【0052】
【発明の効果】本発明1の耐火性外壁材は、上記のよう
にされているので、凹凸裏面を有する外壁材であって
も、裏面を所定温度以上にすることがない顕著な耐火性
能を発現する。本発明2,3の外壁の耐火構造は、それ
ぞれ、上記のようにされているので、凹凸裏面を有する
外壁であっても、裏面を所定温度以上にすることがない
顕著な耐火性能を発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐火性外壁材の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の外壁の耐火構造の一例を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の外壁の耐火構造の別の例を示す断面図
である。
【図4】従来の吹付けロックウール被覆耐火構造を示す
断面図である。
【図5】従来の耐火壁構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 耐火性外壁材 2,3 外壁の耐火構造 11,21,31 外壁材 12,23,35 耐火性シート 22 支柱 32 膨出部 33 凹溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外壁材の裏面略全面に、柔軟性を有する
    耐火性シートが貼着されていることを特徴とする耐火性
    外壁材。
  2. 【請求項2】 耐火性シートが、非加硫ゴムにリン化合
    物と中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤とを含有
    する材料からなることを特徴とする請求項1記載の耐火
    性外壁材。
  3. 【請求項3】 複数の外壁材が立設され、それらの外壁
    材の両側縁が支柱に係止されて外壁が形成され、上記外
    壁材の裏面略全面から支柱にわたって、非加硫ゴムにリ
    ン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填剤と
    を含有する材料からなる耐火性シートが貼着されている
    ことを特徴とする外壁の耐火構造。
  4. 【請求項4】 複数の外壁材が立設され、それらの外壁
    材の隣接する側縁に縦方向に沿う膨出部が形成され、そ
    の側縁同士の相対する面に縦方向に沿って凹溝が形成さ
    れ、その凹溝間に目地材を介在するように接続されて外
    壁が形成され、上記外壁材の裏面略全面に、非加硫ゴム
    にリン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛と無機充填
    剤とを含有する材料からなる耐火性シートが貼着されて
    いることを特徴とする外壁の耐火構造。
JP4081597A 1997-02-25 1997-02-25 耐火性外壁材及び外壁の耐火構造 Pending JPH10237980A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4081597A JPH10237980A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 耐火性外壁材及び外壁の耐火構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4081597A JPH10237980A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 耐火性外壁材及び外壁の耐火構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10237980A true JPH10237980A (ja) 1998-09-08

Family

ID=12591159

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4081597A Pending JPH10237980A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 耐火性外壁材及び外壁の耐火構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10237980A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001073480A (ja) * 1999-09-07 2001-03-21 Sekisui Chem Co Ltd 防・耐火外壁構成体の施工方法
US6922963B2 (en) * 2000-06-05 2005-08-02 Bondo Corporation Moisture and condensation barrier for building structures
JP2008156781A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Sekisui Film Kk 難燃性網状体及び難燃性積層体
JP2019218744A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 ケイミュー株式会社 耐火化粧材及び耐火構造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001073480A (ja) * 1999-09-07 2001-03-21 Sekisui Chem Co Ltd 防・耐火外壁構成体の施工方法
US6922963B2 (en) * 2000-06-05 2005-08-02 Bondo Corporation Moisture and condensation barrier for building structures
JP2008156781A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Sekisui Film Kk 難燃性網状体及び難燃性積層体
JP2019218744A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 ケイミュー株式会社 耐火化粧材及び耐火構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3838780B2 (ja) 耐火性シート状成形体及びシート積層体
JPWO2006054572A1 (ja) 区画体の貫通部構造
US20030008119A1 (en) Fire-resistant sheetlike molding, fire-resistant laminate for covering steel, fire-resistant structure for wall, and method for constructing fire-resistant steel and fire-resistant wall
JPH11117422A (ja) 鉄骨被覆用耐火積層体及び耐火被覆鉄骨構造体
JPH10237980A (ja) 耐火性外壁材及び外壁の耐火構造
JP2000054525A (ja) 耐火性換気用見切り部材
JP2006249925A (ja) 耐火被覆材とその取付け構造
JP2005282360A (ja) 木質の構造部材及び建築物
JP2000034365A (ja) 耐火性樹脂組成物及びそれを用いたシート成形体
JPH11141011A (ja) 耐火複合構成体及びその被覆方法
JP6941662B2 (ja) 被覆材、配管、及び耐火構造
JP4137285B2 (ja) 防・耐火壁構成体
JP4320110B2 (ja) 防耐火壁構造
JPH10237981A (ja) 長尺被耐火被覆材の耐火被覆施工方法
JP2000213082A (ja) 耐火被覆材
JP4137301B2 (ja) H型鉄骨用耐火被覆ユニット
JP2000001926A (ja) 耐火鉄骨被覆体
JP2000054526A (ja) 耐火ガスケット
JPH11117424A (ja) 耐火鉄骨被覆材
JP3739204B2 (ja) 木質の構造部材及び建築物
JP2000291174A (ja) 防・耐火パネル壁
JP4527911B2 (ja) 合成耐火被覆方法
JPH11333989A (ja) 耐火性多層シート
JPH11140425A (ja) 耐火性目地材
JP2002070219A (ja) 耐火性遮音間仕切り壁