JP2005282360A - 木質の構造部材及び建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、耐火被覆の作業性がよく、作業環境もよく、耐火性能もよい木質の構造部材及び建築物を提供することを目的としている。
【解決手段】 本発明は、木質の構造用材料の周囲に柔軟性と可撓性を備え熱膨張性の耐火被覆材を予め被覆して構造部材とするもの、及びこの構造部材を用いて構築し、耐火被覆材の端部どうしを突き合わせ接合する建築物である。耐火被覆材は熱膨張性で非加硫ゴムにリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、無機充填剤を含有した耐火性組成物からなる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、耐火性を有する木質の構造部材及び建築物に関する。
従来の木造建築物は、「木質構造材の断面がある程度あれば表層が炭化することによる断熱効果で芯まで燃えることがない」と言う考えから、「燃え代」を考慮して設計したり、着火しないように周囲を断熱材や不燃材等で囲ったりして、耐火性を向上させようとしていた。木質の天井小梁を不燃材で囲った例は、特許文献1に示されている。
一方、鉄骨には、特公平4−80173号公報に記載されているような、他の鉄骨との接合部を除いて耐火被覆材で予め被覆してなる鉄骨が知られている。しかし、この公報で用いる耐火被覆材は、石膏、セメントなどの水硬性材料を含みモルタル状のものであり、鉄骨への被覆は作業環境の悪い吹き付けで行っていた。
実公平1−25134号公報
しかしながら、木造建築物を耐火性能の優れたものにするには限界があり、通常の耐火建築物並みの性能を満たすためには、不燃材である石膏ボードや珪酸カルシウム板を二重に重ね張りするなど非常に複雑な構造になっており、作業に手間がかかった。しかも、石膏ボードや珪酸カルシウム板は切断するときに粉塵が発生し、作業環境も悪くなる問題があった。また、板間に隙間があるとそこから火炎が進入し耐火性を損ねる問題もあった。
本発明は、上記従来技術の問題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、耐火被覆の作業性がよく、作業環境もよく、耐火性能もよい木質の構造部材及び建築物を提供することである。
本発明は、木質の構造用材料の周囲に柔軟性と可撓性を備え熱膨張性の耐火被覆材を予め被覆したことを特徴とする木質の構造部材である。
ここで、請求項1記載の発明は、上記発明において、前記耐火被覆材が、非加硫ゴムにリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充てん材を含有してなる耐火性非加硫ゴム組成物であり、該耐火性非加硫ゴム組成物は、それぞれの含有量が、前記非加硫ゴム100重量部に対して、リン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量が20〜200重量部の範囲内、無機充てん材が50〜500重量部の範囲内、中和処理された熱膨張性黒鉛:リン化合物の重量比が、9:1〜1:9の範囲内を満たすことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の木質の構造部材で構築されたことを特徴とする建築物である。
請求項3記載の発明は、木質の構造部材どうしの接合部においてその構造部材に被覆されている耐火被覆材の端部どうしが突き合わせ接合されていることを特徴とする請求項2記載の建築物である。
本発明において、木質の構造用材料としては、木材、合板、パーチクルボード、集成材、PSL、LSL、LVL、OSB等のエンジニアリングウッドなどからなる角材や板材等であり、柱や梁、壁等に用いることのできる構造用材料である。
本発明において、柔軟性と可撓性を備え熱膨張性の耐火被覆材としては、柔軟性と可撓性を有しており、しかも加熱時には膨張して断熱層を形成し耐火性能を発揮するものである。この耐火被覆材としては、例えば、樹脂組成物に、熱膨張性黒鉛、蛭石、ケイ酸ナトリウム、硼酸ナトリウム等を配合したもの、請求項2、3の耐火被覆材などを挙げることができ、メジヒカット(三井金属塗料社製)、ダンシール(古河テクノマテリアル社製)、ファイヤーバリア(住友3M社製)等の商品名で知られているものがある。
請求項1記載の本発明において、耐火性非加硫ゴム組成物は、それぞれの含有量が、前記非加硫ゴム100重量部に対して、リン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量が20〜200重量部、無機充てん材が50〜500重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛:リン化合物の重量比が、9:1〜1:9であるのが好ましい。
上記非加硫ゴムとしては特に限定されず、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらは、リン化合物、黒鉛、及び無機充てん材を添加した後、加硫されてもよい。
本発明において、リン化合物としては特に限定されず、例えば、赤リン;各種リン酸エステル(トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等);リン酸金属塩(リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等);ポリリン酸アンモニウム類;次式(化1)で表される化合物等が挙げられる。
式中、R1 、R3 は水素、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2 は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状もしくは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
上記式で表される化合物としては、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2、3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。
本発明において、リン化合物としては、なかでも、ポリリン酸アンモニウム類が好ましい。上記ポリリン酸アンモニウム類としては、例えば、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変成ポリリン酸アンモニウム等が挙げられる。市販品として、ヘキスト社製「AP462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」等が挙げられる。
リン化合物として、市販の赤リンを用いる場合、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたものが好ましい。上記リン化合物は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
本発明では、上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和処理する。上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物としては、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭素塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。このように中和処理した熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、「CA60S」(日本化成社製)、「GREP−EG」(東ソー社製)が挙げられる。
本発明で用いられる中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュのものが好ましい。粒度が200メッシュより細かいと、黒鉛の膨張度が小さく、望む耐火断熱層が得られない。粒度が20メッシュより大きいと、膨張度が大であるが、樹脂と混練する際、分散性が悪く物性の低下が避けられない。
本発明に用いられる無機充てん材としては特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルーン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルーン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。
上記無機充てん材として、含水無機物は、加熱時に脱水し、吸熱効果のあるため、耐熱性を高めるという点から好ましい。具体的には、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等を用いるのが好ましい。また、周期律表II族またはIII族に属する金属の金属塩または酸化物は、燃焼時に発泡して発泡焼成物を形成するため、形状保持性を高めるという点から好ましい。具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。また、耐火被覆材の表面化粧性のためには、無機充てん材として酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カーボンブラック、酸化鉄などの無機顔料になるものが、着色性があり好ましい。
ここで、本発明においては、加熱時に熱膨張性黒鉛が膨張断熱層を形成して熱の伝達を阻止する。また無機充てん材は熱容量を増大させ、リン化合物は膨張断熱層および充てん材の形状保持能力を有する。
本発明においては、前記木質の構造用材料に柔軟性と可撓性を備えた耐火被覆材を積層被覆するのである。積層被覆の方法としては、構造用材料にシート状の耐火被覆材を巻き出しながら熱等で接着する方法、液状の耐火被覆材原料をローラーコートする方法、構造用材料の上に流してコートする方法、刷毛で塗布する方法などが採用できる。耐火被覆材はその用途により、構造用材料の表面の場合や表裏両面や周囲にも被覆する場合がある。
耐火被覆された木質の構造部材は、建築物の主要構造部に用いることができる。例えば、柱、梁、床小梁、屋根の小屋組、外壁支持部材、床面下地材、外壁パネル面材、屋根面下地材、天井野縁、バルコニー支持梁等に用いることができる。
本発明の耐火被覆材の厚みとしては、加熱されて膨張したときに充分な断熱層を形成するものが好ましく、厚みを5〜20倍に膨張させる場合には膨張前の耐火被覆材の厚みは0.3〜6mmが好適であり、更に好ましくは1.5〜4mmである。膨張率が大きすぎると形状保持性が悪くなり耐火断熱性能が悪くなり、膨張率が低すぎると断熱性能が上がらずコストアップにもなる。また厚みが大きすぎるとコストアップになり、厚みが小さすぎると断熱耐火性能が低いものになる。
本発明の木質の構造部材を用い、各構造材をほぞ接合、継手、金物等により接合し組立てて骨組を形成したり、壁構造を形成し、耐火性のある建築物を構築する。この時、各構造部材に被覆してある耐火被覆材は、構造部材の接合部で互いに突き合わすようにするのが好ましい。こうすることにより、各構造部材は耐火被覆材で被覆されたものとなる。尚、使用部位により、耐火被覆材間に隙間が生じる場合は、その隙間を耐火被覆材で被覆し、突き合わせ接合すればよい。
(作用)
本発明の木質の構造部材は、木質の構造用材料の周囲に柔軟性と可撓性を備え熱膨張性の耐火被覆材を予め被覆したものであるから、構造用材料の表面に耐火被覆材がその柔軟性と可撓性により変形密着する。また、耐火被覆材は熱膨張性であるので加熱されたときその寸法を拡大する。この耐火被覆材が膨張することにより、断熱層を形成し、高い耐火性を発揮する。したがって、耐火被覆材を通常のものに比べて薄いものにすることができる。
請求項1記載の木質の構造部材は、耐火被覆材が、非加硫ゴムにリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充てん材を含有してなる耐火性非加硫ゴム組成物であるから、加熱時に膨張断熱層を形成することにより顕著な耐火性を有する。さらに、燃焼時に発泡して発泡焼成物を形成するため、形状保持性を高めるという作用効果を奏する。
請求項2記載の建築物は、請求項1記載の木質の構造部材で構築されているから、各構造部材を組立てた後の耐火被覆が少なくなり、耐火被覆の作業環境、作業性がよくなり、更に各構造部材が耐火性に優れ、建築物全体として非常に優れた耐火性を有するものとなる。
請求項3記載の建築物は、木質の構造部材どうしの接合部においてその構造部材に被覆されている耐火被覆材の端部どうしが突き合わせ接合されているから、各構造部材を組立てた後の耐火被覆作業がなくなり、耐火被覆の作業環境、作業性がよくなり、しかも耐火性能は耐火被覆材の突き合わせ部においても、火災で加熱されると耐火被覆材が膨張して突き合わせ部を密閉し、耐火性能の高いものにし、更に各構造部材が耐火性に優れ、建築物全体として非常に優れた耐火性を有するものとなる。
本発明の木質の構造部材は、木質の構造用材料の周囲に柔軟性と可撓性を備え熱膨張性の耐火被覆材を予め被覆したものであるから、構造用材料の表面に耐火被覆材がその柔軟性と可撓性により変形密着し、耐火被覆材は熱膨張性であるので加熱されたときその寸法を拡大し膨張することにより、断熱層を形成し、高い耐火性を発揮する。したがって、耐火被覆材を通常のものに比べて薄いものにすることができる。
請求項1記載の木質の構造部材は、耐火被覆材が、非加硫ゴムにリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充てん材を含有してなる耐火性非加硫ゴム組成物であるから、加熱時に膨張断熱層を形成することにより顕著な耐火性を有する。また、構造用材料への接着性がよいので被覆も容易である。
請求項2記載の建築物は、請求項1記載の木質の構造部材で構築されているから、各構造部材を組立てた後の耐火被覆が少なくなり、耐火被覆の作業環境、作業性がよくなり、更に各構造部材が耐火性に優れ、建築物全体として非常に優れた耐火性を有するものとなる。
請求項3記載の建築物は、木質の構造部材どうしの接合部においてその構造部材に被覆されている耐火被覆材の端部どうしが突き合わせ接合されているから、各構造部材を組立てた後の耐火被覆作業がなくなり、耐火被覆の作業環境、作業性がよくなり、しかも耐火性能は耐火被覆材の突き合わせ部においても、火災で加熱されると耐火被覆材が膨張して突き合わせ部を密閉し、耐火性能の高いものにし、更に各構造部材が耐火性に優れ、建築物全体として非常に優れた耐火性を有するものとなる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。そして実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではなく種々の変更が可能である。図1は、本発明の実施例であって木質の構造部材の斜視図を示し、図2は木質の構造部材どうしを接合した状態を示す斜視図である。
符号1は、木質の構造部材であって、耐火被覆材2が構造用材料3の周囲に積層被覆されている。上記構造用材料は10cm角の木材からなり、上記耐火被覆材2は、厚さが3mmで柔軟性と可撓性を備えた熱膨張性のものになっている。
以下に実施例として、上記耐火被覆材2に熱膨張性の耐火性非加硫ゴム組成物を用いる例を示す。上記耐火被覆材2は、非加硫ゴムとして、ブチルゴム(ムーニー粘度(100℃)=47、不飽和度=2.0のイソブチレン・イソプレンゴム)を使用し、リン化合物として、ポリリン酸アンモニウム(スミセーフP、住友化学社製)と、tーブチルホスホン酸(和光純薬工業社製)を使用し、中和処理された熱膨張性黒鉛として、CA60S(日本化成社製)を使用し、無機充てん材として、水酸化アルミニウム(B703S、日本軽金属社製)と、水酸化マグネシウム(キスマ5B、共和化学社製)を使用した。
上記非加硫ゴム、リン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充てん材よりなる耐火性非加硫ゴム組成物のそれぞれの含有量が、前記非加硫ゴム100重量部に対して、リン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量が20〜200重量部、無機充てん材が50〜500重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛:リン化合物の重量比が、9:1〜1:9とした配合割合で、各成分をロールを用いて溶融混練を行い、樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を140℃で連続押出しして、厚さ3mmの長尺シート状の耐火被覆材2を得た。
この耐火被覆材2を図1に示すように木材からなる構造用材料3の周囲に接着して積層被覆し構造部材1を得た。
この実施例の構造部材1は、耐火被覆材2が、非加硫ゴムにリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充てん材を含有してなる耐火性非加硫ゴム組成物であるから、加熱すると約25mm厚に膨張して断熱層を形成し、耐火性を発揮した。
(1)耐火性
上記構造部材1を、コーンカロリーメーター(ATLAS社製「CONE2A」)を用いて、35kW/cm2 の照射熱量を30分間与えて燃焼させた後、照射側の構造用材料3の温度を測定したところ260℃以下であり、木質材料は260℃以上でないと着火しないので、じゅうぶん耐火性を有するものであった。
(2)形状保持性
上記耐火性評価後の耐火被覆材2(残渣)に、50mm×50mm×1mm厚の金属板を載せ、この金属板上にさらに10g、50gの分銅を別々に載せて残渣の状態を観察した。10g、50gともに残渣に崩れ(めりこみ、ひび等)が生ぜずに形状保持性の優れたものであった。
上記の構造部材1を用い建築物の骨組を構築した。この時、各構造部材1A、1Bの接合部は互いの耐火被覆材2、2の端部21、21どうしが突き合わさるように接合した。このため、この接合部では、耐火被覆作業がなく、吹き付け作業もなく、作業環境がよく、作業時間も構造部材1A、1Bの接合時間のみに短縮された。
本発明は、耐火性を有する木質の構造部材及び建築物としての利用に有効である。
本発明の実施例の木質の構造部材を示す斜視図である。 木質の構造部材どうしを接合した状態を示す斜視図である。
符号の説明
1、1A、1B 木質の構造部材
2 耐火被覆材
21 耐火被覆材の端部
3 木質の構造用材料

Claims (3)

  1. 木質の構造用材料の周囲に柔軟性と可撓性を備え熱膨張性の耐火被覆材を予め被覆した構造部材であって、
    前記耐火被覆材が、非加硫ゴムにリン化合物、中和処理された熱膨張性黒鉛、及び、無機充てん材を含有してなる耐火性非加硫ゴム組成物であり、該耐火性非加硫ゴム組成物は、それぞれの含有量が、前記非加硫ゴム100重量部に対して、リン化合物と中和処理された熱膨張性黒鉛との合計量が20〜200重量部の範囲内、無機充てん材が50〜500重量部の範囲内、中和処理された熱膨張性黒鉛:リン化合物の重量比が、9:1〜1:9の範囲内を満たすことを特徴とする木質の構造部材。
  2. 請求項1記載の木質の構造部材で構築されたことを特徴とする建築物。
  3. 木質の構造部材どうしの接合部においてその構造部材に被覆されている耐火被覆材の端部どうしが突き合わせ接合されていることを特徴とする請求項2記載の建築物。
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