JP2008214463A - 低温発泡性防火塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】住宅用の建築物にも適用が可能な低温発泡性防火塗料であり、具体的には200℃程度までの温度で完全に発泡が完了すること、そして、発泡倍率が初期塗膜の5倍以上に膨張することが可能なものであると共に、建築用のパネル等に既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能な低温発泡性防火塗料を提供することにある。
【解決手段】比較的低温で防火塗膜を形成することが可能な発泡性防火塗料であって、少なくとも熱膨張性樹脂粒子、熱膨張性黒鉛粒子および無機充填剤を含むと共に、前記発泡性防火塗料の乾燥塗膜中には、前記熱膨張性樹脂粒子が1〜10質量%、前記熱膨張性黒鉛粒子が5〜25質量%含有された低温発泡性防火塗料とすることによって、解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に建築物の外壁用に使用され、比較的低温で発泡防火層を形成することが可能な低温発泡性防火塗料に関するものである。
最近の建築物は火災防止のために、外壁には不燃性の材料を使用したものが多用されている。これ等の不燃性材料からなる外壁等は、火災によっても燃えることがなく壁表面からの熱伝導速度も遅いので、容易には内部の木材が発火することはない。しかしながら、炎が壁材等の隙間に浸入した場合には、中の温度が急激に上昇して木材が発火することがある。このため、火災の炎が隙間に浸入しないようにすることが好ましい。そこで、外壁材料等に発泡性の防火塗料を塗布することが行われることもある。このような発泡性の防火塗料材料組成物に関しては、特許文献1に見られるようなエチレン不飽和を有する単量体混合物の重合体からなるシェルと、該シェルに封入された不燃性の発泡剤とを有する熱可塑性微小球を用いた耐火塗料が知られているが、熱可塑性微小球が膨張後、破裂して不燃性の発泡剤が放出されて火が弱められても、最後は燃えてしまう恐れがあった。また、特許文献2に見られるような耐火塗料が知られている。この耐火塗料は、塗膜形成成分と低温膨張性黒鉛およびリン酸化合物とを含むものであるが、この防火塗料は、ローラー等による塗装には粘度が高く、粘性も流動性がないため簡単には塗装ができず、また、発泡開始温度は200℃程度であるが、発泡が完了する前に木材の着火温度に達する場合があり完全に課題が解決できなかった。さらに、住宅の建設においては現場において塗料を塗装するだけでなく、予めパネル等に発泡性防火塗料をプレコートしておくことが行われる。その場合、既存の塗装器具で簡単に塗装を行うことができることが好ましく、このような作業性に関しても満足させる必要があった。
特開平6−49260号公報 特開平9−183978号公報
よって本発明が解決しょうとする課題は、住宅用の建築物にも適用が可能な低温発泡性防火塗料であり、具体的には200℃程度までの温度で完全に発泡が完了すること、そして、発泡倍率が初期塗膜の少なくとも5倍以上に膨張することが可能であると共に、建築用のパネル等に既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能な低温発泡性防火塗料を提供することにある。
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載するように、比較的低温で防火塗膜を形成することが可能な発泡性防火塗料であって、少なくとも熱膨張性樹脂粒子、熱膨張性黒鉛粒子および無機充填剤を含むと共に、前記発泡性防火塗料の乾燥塗膜中には、前記熱膨張性樹脂粒子が1〜10質量%、前記熱膨張性黒鉛粒子が5〜25質量%含有される低温発泡性防火塗料とすることによって、解決される。
また、請求項2に記載するように、前記熱膨張性樹脂粒子が、ニトリル系モノマーを含有するモノマー混合物の重合体からなるポリマーの外郭と、この外郭内に封入された揮発性熱膨張剤から形成されている請求項1に記載の低温発泡性防火塗料とすることによって、解決される。さらに、請求項3に記載するように、前記無機充填剤が、リン酸化合物、金属水和物、無機質繊維、金属炭酸塩の少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載の低温発泡性防火塗料とすることによって、解決される。
そして、請求項4に記載するように、請求項1〜3のいずれかに記載される低温発泡性防火塗料を、建築物の外壁用として使用する低温発泡性防火塗料とすることによって、解決される。
本発明は、少なくとも熱膨張性樹脂粒子、熱膨張性黒鉛粒子および無機充填剤を含有すると共に、発泡性防火塗料の乾燥塗膜中には前記熱膨張性樹脂粒子を1〜10質量%、前記熱膨張性黒鉛粒子が5〜25質量%添加された低温発泡性防火塗料であるから、木材の住宅用にも使用が可能な低温発泡性防火塗料である。具体的には200℃程度までの温度で完全に発泡が完了し、そして発泡倍率が初期塗膜の少なくとも5倍以上に膨張するので十分に防火性を有すると共に、建築用のパネル等に既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能な低温発泡性防火塗料である。
また、好ましくは前記熱膨張性樹脂粒子が、ニトリル系モノマーを含有するモノマー混合物の重合体からなるポリマーの外郭と、この外郭内に封入された揮発性熱膨張剤から形成されているとすることによって、さらに、好ましくは前記無機充填剤が、リン酸化合物、金属水和物、無機質繊維、金属炭酸塩の少なくとも1種を含有する低温発泡性防火塗料とすることによって、木材の住宅用にも適用が可能な低温発泡性防火塗料であり、具体的には、95〜135℃で発泡を開始し200℃程度までの温度で完全に発泡が完了する。そして、発泡倍率も初期塗膜の10倍以上に膨張することが可能であると共に、建築用のパネル等に既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能な低温発泡性防火塗料である。
そして、請求項4に記載するように、請求項1〜3のいずれかに記載される低温発泡性防火塗料を、建築物の外壁用として使用する低温発泡性防火塗料とすることによって、木材と組み合わされる住宅用の外壁用として好適な低温発泡性防火塗料である。具体的には、200℃程度までの温度で完全に発泡が完了するので、木材が発火する温度までに初期塗膜の10倍以上に膨張して塗膜を形成し十分な防火性を有すると共に、建築用のパネル等に既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能な低温発泡性防火塗料である。
請求項1に記載する発明は、比較的低温で防火塗膜を形成することが可能な発泡性防火塗料であって、少なくとも熱膨張性樹脂粒子、熱膨張性黒鉛粒子および無機充填剤を含むと共に、前記発泡性防火塗料の乾燥塗膜中には、前記熱膨張性樹脂粒子が1〜10質量%、前記熱膨張性黒鉛粒子が5〜25質量%含有された低温発泡性防火塗料である。このような発泡防火性塗料は、木材と組み合わされる住宅用の建築物にも適用が可能な低温発泡性防火塗料であり、200℃程度までの温度で完全に発泡が完了し、また発泡倍率が初期塗膜の5倍以上に膨張すると共に、既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能な低温発泡性防火塗料である。
より詳細に説明する。従来のこの種の発泡防火性塗料は、前述したように熱膨張性樹脂粒子や熱膨張性黒鉛粒子を個別に添加することを手段としていたので、本発明が課題とする特に低温での発泡防火性塗料としては問題があった。本発明ではこの両者の配合割合を特定することと無機充填材を必須成分とすることによって、200℃程度までの温度で完全に発泡を完了させることができ、また発泡倍率が初期塗膜の少なくとも5倍以上に膨張させることによって、木材と組み合わされて構成される住宅用の建材の発泡防火性塗料として十分に適用できるようになった。しかも、この低温発泡性防火塗料は、その粘度と粘性が通常の塗装材料と同程度のものであるから、既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能なものである。すなわち、発泡性防火塗料の乾燥塗膜中に熱膨張性樹脂粒子を1〜10質量%、および熱膨張性黒鉛粒子を5〜25質量%添加することによって、200℃程度の温度で発泡を完了させることができ、その発泡塗膜厚も初期の膜厚と比較して少なくとも5倍以上のものとなって、十分な防火性を発揮するものであることが確認された。このため、着火温度が260℃程度の木材が使用された住宅用の建材の発泡防火性塗料として十分に適用できることになる。なお、無機充填剤の添加量は、熱膨張性樹脂粒子並びに熱膨張性黒鉛粒子の添加量に併せて適宜選択すれば良い。
また、塗膜形成のための樹脂成分としては、ノンハロゲンの水溶性の樹脂が好ましく、例えばアクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂、アクリルシリコン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。さらに、リン酸系の分散剤、シリコン系の消泡剤、ウレタン系、アクリル系、繊維素系の増粘剤等の種々の添加剤を加えることができる。そして、この低温発泡性防火塗料は、水溶性の低温発泡性防火塗料として固形分が70〜80質量%となるように調整されることが好ましい。これは、既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能な低温発泡性防火塗料とするためである。このことによって、建築部材に対して現場においても、また予めプレコートすることが容易となる。さらに、水溶性の低温発泡性防火塗料であるから、環境上からも好ましいものである。
そして、前記熱膨張性樹脂粒子は、請求項2に記載するように、ニトリル系モノマーを含有するモノマー混合物の重合体からなるポリマーの外郭と、この外郭内に封入された揮発性熱膨張剤から形成されていることが好ましい。このような熱膨張性樹脂粒子は、エチレン不飽和を有する単量体あるいはエチレン不飽和を有する単量体混合物の重合体からなるシェルと、このシェルに封入された発泡剤とを有する熱可塑性微小球で、発泡剤としては、塩素を含まない脂肪族フルオロカーボン或いはフルオロ炭化水素を含むものである。具体的には、塩化ビニリデンとアクリロニトリルの共重合体からなる重合体シェルに、イソブタンやイソペンタンが発泡剤として用いられるものである。エクスパンセル(登録商標)として市販されているものである。そして、本発明で用いられる熱膨張性樹脂粒子は、これ等の中でも商品名がエクスパンセル009−80、エクスパンセル551−40、エクスパンセル092−40等として市販されるものが該当し好ましく用いられる。また、その添加量は乾燥塗膜中に2〜8質量%とするのが後述する熱膨張性黒鉛粒子との兼ね合いで、発泡開始温度を95℃程度から135℃程度とすることができると共に、200℃程度で発泡を完了させることができ好ましい。そして、その発泡膜厚も初期の膜厚と比較して10倍以上のものが得られ、十分な防火性を発揮するものである。なお、余り低い温度、例えば80℃程度で発泡が開始するようなものは、不必要な時に発泡が生じる危険性があり好ましくない。また、発泡の開始温度が150℃を超えるような場合には、発泡が完了する前に木材等に着火することがあり問題となる。
また、熱膨張性黒鉛粒子としては、炭素原子による六角網目状平面が積み重なった結晶構造を有し、かつこの六角網目状平面の層間に各種の物質を挿入した黒鉛層間化合物で、高温に加熱されると六角網目状平面の層間に挿入された各種の物質が分解してガス化し、その圧力で層間が層面と垂直方向に大きく膨張するものである。具体的には、天然黒鉛や人造黒鉛の粉末に硫酸と酸化剤との混酸を添加して攪拌することによって製造されている。各社から種々の名称で市販されている。例えば、フレームカットGREP−EG(東ソー社製)、グラフガード220/80(巴工業社製)等である。本発明においては、熱膨張性樹脂粒子との兼ね合いから10〜20質量%程度とするのが、発泡開始温度を95℃程度から135℃程度とすることができると共に、200℃程度で発泡を完了させることができ好ましい。そして、その発泡膜厚も初期の膜厚と比較して10倍以上のものが得られ、十分な防火性を発揮することになり好ましい。
そして、前記無機充填剤としては請求項3に記載するように、リン酸化合物、金属水和物、無機質繊維、金属炭酸塩の少なくとも1種から選ばれる。具体的には、ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム、トリフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等のリン酸化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水和物、ガラス繊維、鉱物繊維等の無機繊維、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩が使用される。そして、これ等の内少なくともリン酸化合物と金属水和物は同時に含有されていることが好ましい。このような無機充填剤の添加量は、熱膨張性樹脂粒子並びに熱膨張性黒鉛粒子の添加量に併せて選択されるが、通常乾燥塗膜中に40〜85質量%程度添加されるのが好ましい。このように、少なくとも熱膨張性樹脂粒子、熱膨張性黒鉛粒子並びに無機充填剤を有する低温発泡性防火塗料は、発泡開始温度が95℃程度から135℃程度であり、200℃程度で発泡が完了されるので好ましい。また、その発泡膜厚も初期の膜厚と比較して10倍以上のものが得られるので、木材の着火温度に対して十分に対応できる建築材料用の発泡性防火塗料性として実用的なものとなる。
そして、請求項4に記載するように、本発明の低温発泡性防火塗料を、建築物の外壁用の低温発泡性防火塗料とすることによって、その効果が十分に発揮される。すなわち、従来のこの種の発泡性防火塗料組成物では、木材の着火温度(260℃)よりも発泡温度が高いので塗料組成物塗膜が発泡する前に木材に着火してしまうことがあり、木材を組合わせた建築材料には使用できなかったが、低温で発泡を開始し200℃程度までには完全に発泡が完了し、木材が発火する温度までには初期塗膜の厚さの10倍以上に膨張して防火性の塗膜を形成することができるので、木材が組み合わされて使用される建築材料であっても十分に防火性能を発揮する。また、本発明の低温発泡性防火塗料は、建築用のパネル等に既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能であり実用的である。例えば、ALC、窯業系サイディング材等からなる外壁用パネルにローラーや吹き付け装置等を用いて塗布したりスプレーする等して、通常0.05〜2.0mm程度の厚さ、好ましくは0.1〜1.0mm程度の厚さにプレコートしておくことができる。このようなプレコートによっても塗膜が剥がれたりすることなく、十分に防火性能を有する低温発泡性防火塗料である。また、現場において同様の処理を施した場合にも十分に防火性能を有する低温発泡性防火塗料として機能する。
以下の実施例によって、本発明の低温発泡性防火塗料の効果を説明する。すなわち、表1に記載する組成を有する水溶性の低温発泡性防火塗料について、塗装性、火炎試験、発泡開始温度、発泡倍率を測定したものである。用いた材料は、アクリル樹脂として、ポリトロンE930(旭化成ケミカルズ社製)、水酸化アルミニウムとして、ハイジライトH32(昭和電工社製)、ポリリン酸アンモニウムとして、タイエンL(太平化学産業社製)、無機質繊維として、PMFファイバー204(スロス社の鉱物繊維)、炭酸カルシウムとして、炭酸NN200(日東粉化社製)、熱膨張性黒鉛粒子としては、グラフガート220/80(巴工業社製)、また熱膨張性樹脂粒子としては、エクスパンセル社の商品名エクスパンセル009−80、エクスパンセル551−40、エクスパンセル092−40を使用した。これ等の必要量に分散剤(サンノプコ社のノプコスパース44C)、消泡剤(サンノブコ社のSNデフォーマー5016)、増粘剤(フジヘック社のヒドロキシエチルセルロース)を加え、水溶媒によって粘度が20〜100dPa・sとなるように調整した。なお、表中の数値は質量%である。
また、試験項目の塗装性は、(中毛ローラー)を用いて塗装がどの程度スムースに行えるかを調べたもので、スムースに塗装ができた場合を〇印で、余りスムースに行えない場合を△印で、殆ど塗装が困難(塗膜が形成できない)な場合を×印で示した。さらに、火炎試験は、実験用のガスバーナの炎が青色になるような空気量を十分にし、試料を垂直にした状態で前記炎を水平に当てることによって発泡させた。その後発泡塗膜面の状態を観測するもので、十分に発泡しており指で軽く押しても塗膜面が崩れない場合を〇印で示した。また、*1で示したものは、火炎試験直後はスムーズに発泡するが、途中で発泡物が崩れ落ちた。*2で示したものは、火炎試験直後はスムーズに発泡するが、途中で発泡物が燃えて消滅した。*3で示したものは、発泡は大きいが、得られた塗膜は軽く触ると崩れ落ちた。*4で示したものは、塗膜の形成が十分でないため、発泡塗膜がない部分があった。さらに、*5で示したものは火炎試験直後はスムーズに発泡するが、殆ど発泡物が燃えて消滅してしまったものである。また、発泡開始温度は、4mm厚さのスレート板上に前記塗料を0.7〜0.8kg/mになるように塗布した後、十分に乾燥して乾燥後の塗膜厚さが250〜300μmとなる様に調整して試料を作製した。この試料に対して、10cmの距離を置いて赤外線ヒーターによって加熱した。塗膜表面の温度を測定しながら、塗膜表面に発泡現象が見られたときの温度を発泡開始温度として、その値を記載した。さらに、発泡倍率は、前記低温発泡性防火塗料の乾燥した後の塗膜厚(A)と火炎試験後の塗膜厚(B)を測定し、B/A×100として計算した値を記載した。5倍以上を合格とした。結果を表1に示した。
Figure 2008214463
実施例から明らかなとおり、実施例1〜7に示した低温発泡性防火塗料は、本発明の課題を全て満足するものである。すなわち、実施例1に記載されるように、熱膨張性樹脂粒子(エクスパンセル009−805)を2質量%および熱膨張性黒鉛粒子を10質量%含むものは、塗装性が良好で、火炎試験に合格し、発泡倍率は10〜15倍であり、発泡開始温度は120℃と優れたものである。また、実施例2に記載されるように、熱膨張性樹脂粒子(同上)を4質量%および熱膨張性黒鉛粒子を16質量%含むものは、塗装性が良好で、火炎試験に合格し、発泡倍率は25〜30倍であり、発泡開始温度は110℃と優れたものである。さらに、実施例3に記載されるように、熱膨張性樹脂粒子(同上)を6質量%および熱膨張性黒鉛粒子を20質量%含むものは、塗装性が良好で、火炎試験に合格し、発泡倍率は40〜45倍であり、発泡開始温度は105℃と優れたものである。また、実施例4に記載されるように、熱膨張性樹脂粒子(同上)を8質量%および熱膨張性黒鉛粒子を16質量%含むものは、塗装性が良好で、火炎試験に合格し、発泡倍率は40〜45倍であり、発泡開始温度は105℃と優れたものである。さらに、実施例5に記載されるように、熱膨張性樹脂粒子(エクスパンセル551−406)を4質量%および熱膨張性黒鉛粒子を16質量%含むものは、塗装性が良好で、火炎試験に合格し、発泡倍率は30〜35倍であり、発泡開始温度は95℃と優れたものである。また、実施例6に記載されるように、熱膨張性樹脂粒子(エクスパンセル092−407)を2質量%および熱膨張性黒鉛粒子を10質量%含むものは、塗装性が良好で、火炎試験に合格し、発泡倍率は25〜30倍であり、発泡開始温度は135℃と優れたものである。そして、実施例7に記載されるように、熱膨張性樹脂粒子(エクスパンセル009−805)を4質量%および熱膨張性黒鉛粒子を14質量%含むものも、塗装性が良好で、火炎試験に合格し、発泡倍率は25〜30倍であり、発泡開始温度は110℃と優れたものであることが判る。
これに対して、比較例1〜5で示した例の場合は、塗装性、火炎試験、発泡開始温度、発泡倍率のいずれかが不合格となった。すなわち、比較例1のように熱膨張性樹脂粒子を含まないものは、火炎試験に不合格となり、また発泡開始温度が190℃と高くなって好ましくない。さらに、発泡倍率も測定不能であった。また、比較例2のように熱膨張性樹脂粒子は含有するが、熱膨張性黒鉛粒子を含まない場合は、火炎試験に不合格となり、また発泡倍率が測定不能であった。そして、比較例5のように、熱膨張性黒鉛粒子の添加量が3質量%と少ない場合も、火炎試験に不合格となり、また発泡倍率も測定不能であった。さらに、比較例3のように、熱膨張性樹脂粒子の添加量が12質量%と多くなると、塗装性が若干悪くなり、火炎試験には不合格となる。さらに、発泡倍率も測定不能となる。
また、比較例4のように、熱膨張性黒鉛粒子の添加量が40質量%と多くなると、塗装性は全く悪くなり、また火炎試験に不合格となる。さらに、このような低温発泡性防火塗料は塗膜の形成が全くできなかった。
本発明の低温発泡性防火塗料は、200℃程度までの温度で完全に発泡が完了し、また、初期塗膜の少なくとも5倍以上に膨張することが可能であるから、十分な防火性能を有すると共に、建築用のパネル等に既存のローラー塗装器具、吹き付け装置によって簡単に塗装が可能な低温発泡性防火塗料として、実用的なものである。

Claims (4)

  1. 比較的低温で防火塗膜を形成することが可能な発泡性防火塗料であって、少なくとも熱膨張性樹脂粒子、熱膨張性黒鉛粒子および無機充填剤を含むと共に、前記発泡性防火塗料の乾燥塗膜中には、前記熱膨張性樹脂粒子が1〜10質量%、前記熱膨張性黒鉛粒子が5〜25質量%含有されることを特徴とする低温発泡性防火塗料。
  2. 前記熱膨張性樹脂粒子が、ニトリル系モノマーを含有するモノマー混合物の重合体からなるポリマーの外郭と、この外郭内に封入された揮発性熱膨張剤から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の低温発泡性防火塗料。
  3. 前記無機充填剤が、リン酸化合物、金属水和物、無機質繊維、金属炭酸塩の少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の低温発泡性防火塗料。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載される低温発泡性防火塗料を、建築物の外壁用として使用することを特徴とする低温発泡性防火塗料。
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