JP2011099024A - 粉末状熱可塑性樹脂組成物、並びにそれを用いた二層構造を有するシート状熱可塑性樹脂成形物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粉末状熱可塑性樹脂(A1)と、(イ)成形金型温度より低い膨張開始温度、(ロ)成形金型温度より低い最大膨張温度、かつ、(ハ)最大膨張温度と最大膨張時に対して70%収縮に至る温度との差が1〜30℃の範囲内である熱膨張性マイクロカプセル(A2)からなる粉末状熱可塑性樹脂組成物、及びそれを用いた非発泡層と発泡層の二層構造を有するシート状熱可塑性樹脂成形物により解決する。
【選択図】 図2
Description
(イ)成形金型温度より低い、膨張開始温度。
(ロ)成形金型温度より低い、最大膨張温度。
(ハ)最大膨張温度と最大膨張時に対して70%収縮に至る温度との差が、1〜30℃の範囲内。
本発明に用いられる粉末状熱可塑性樹脂(A1)としては、従来公知の粉末状の熱可塑性樹脂であれば特に限定なく使用することができる。本発明における粉末状熱可塑性樹脂(A1)としては、例えば、粉末状の熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂や、粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂が挙げられる。
本発明においては、低温特性や耐摩耗性に優れるという観点から、粉末状熱可塑性樹脂(A1)として、粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A1u)を選択して用いるのが好ましい。
アルコール等の低分子活性水素基含有化合物との反応により得られるものである。
(1)公知の方法で塊状重合させて得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂を冷凍粉砕して粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A1u)の粉末を得る方法。
(2)イソシアネート基末端プレポリマーを溶解しない非水系の分散媒中に分散させて、水と反応させて鎖延長する工程を経て得られるポリウレタン樹脂を分離・乾燥して粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A1u)を得る方法。
(3)水中に分散させたイソシアネート基末端プレポリマーを、イソシアネート基末端プレポリマーの有するイソシアネート基の残部を水の有する活性水素基と反応させる工程を経て得られるポリウレタン樹脂を分離・乾燥して粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A1u)を得る方法。
これらのうち、樹脂の形状が球状である(2)及び(3)の方法によれば、粉体流動性が良好である。
なお、GPCの測定条件は、以下のとおりである。
・測定器:「HLC−8120」(東ソー(株)製)
・カラム:「TSKgel MultiporeHXL−M」(東ソー(株)製)
粒径=5μm、サイズ=7.8mmID×30cm×4本
・キャリア:テトラヒドロフラン(THF)
・検出器:視差屈折
・サンプル:THF/n−メチルピロリドン=2/1の1%溶液
・検量線:標準ポリスチレン
本発明においては、粉末状熱可塑性樹脂(A1)として、粉末状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂(A1c)も、好適に用いることができる。
Mg1−XRX(OH)2(CO3)X/2・mH2O
(該一般式において、0<x≦0.5の実数、mは0または実数、RはAl、CrまたはFeである。)
で示される含水炭酸塩鉱物で六方晶系、リョウ面体三方格子で、この群に属する鉱物は互いに同形である。ジャ紋岩や他のマグネシウムを多く含む岩石中に低温の熱水作用の産物として産するが、本発明においては、このような天然物であってもよく、また合成品であってもよい。合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特開昭61−174270号公報などに記載の公知の方法を例示することができる。また、本発明においては、その結晶構造、結晶粒子径あるいは結晶水の有無およびその量などに制限されることなく使用することが可能である。また、ハイドロタルサイトは、前記ハイドロタルサイトと過塩素酸とを水中で任意の比率で反応させ、ハイドロタルサイト中のCO3の一部または全部をClO4に置換した過塩素酸一部導入型または過塩素酸導入型のものを用いてもよい。添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して通常0.01〜5.0重量部の範囲内が好ましい。
本発明に用いられる熱膨張性マイクロカプセル(A2)は、膨張開始温度と最大膨張温度の双方が成形金型温度より低く、かつ、最大膨張温度と最大膨張時に対して70%収縮に至る温度との差が1〜30℃の範囲内である性能を有するものを選択して用いる必要がある。なお、膨張開始温度、最大膨張温度、並びに、最大膨張時に対して70%収縮に至る温度は、いずれも熱機械分析(TMA)により計測される温度である。
本発明の粉末状熱可塑性樹脂組成物は、粉体同士をコンパウンドすることにより得るのが好ましい。
本発明の二層構造を有するシート状ポリウレタン樹脂成形物は、本発明の粉末状熱可塑性樹脂組成物を金型表面に積層し、加熱により粉末状熱可塑性樹脂組成物を溶融及び発泡させて得られる、発泡層(発泡した状態のまま成形される層)と非発泡層(発泡した後に収縮して、見かけ上、非発泡層となる層)の二層構造を有するものである。
本発明の粉末状熱可塑性樹脂組成物は、前記一連の記載のとおり、発泡層と非発泡層の二層構造を有するシート状熱可塑性樹脂成形物を得るものとして好適に用いることができるが、併せて、成形条件(金型温度や脱型時間等)を変えることにより、発泡層を形成せず、非発泡層のみからなる単層構造のシート状熱可塑性樹脂成形物も得ることが可能である。
調製例1−1:
攪拌機、温度計、留出塔及び窒素ガス導入管を備えた容量2Lの反応器に、アジピン酸762gと無水マレイン酸49gとエチレングリコール386gとを仕込み、窒素ガスを流しながら、150℃、常圧の条件で攪拌することによりエステル化反応させた。
縮合水が認められなくなった時点で、テトラブチルチタネート0.1gを添加し、反応系内の圧力を徐々に0.07kPaまで減圧するとともに、190℃まで徐々に昇温して反応を継続することによりポリエステルジオールを得た。得られたポリエステルジオールの数平均分子量は2、000、ヨウ素価は12.7gI/100gであった。
続いて、攪拌機、温度計、留出塔及び窒素ガス導入管を備えた容量500mLの反応器に、上記のポリエステルジオール74gと酢酸ブチル150gとを仕込み、窒素ガスを流しながら110℃まで昇温して、攪拌した。その後、2−エチルヘキシルメタクリレート75gと過酸化ベンゾイル1gとの溶解混合物を滴下ロートから1時間かけて滴下した。滴下終了後、130℃に昇温して更に2時間反応させることにより、固形分50%の分散剤溶液を得た。以下、これを「分散剤溶液(1)」という。
調製例1−2:
攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管を備えた容量3Lの反応器に、1、4−BDとエチレングリコールとアジピン酸とから得られる数平均分子量2、600のポリエステルジオール282.6gと、1、4−BDとアジピン酸とから得られる数平均分子量1、000のポリエステルジオール201.8gと、1、6−HDとイソフタル酸とから得られる数平均分子量1、500のポリエステルジオール322.9gを80〜100℃で均一に混合した後に、前記の分散剤溶液(1)24.2gと、非水系の分散媒としてイソオクタン「キョーワゾール C−800」(協和発酵ケミカル(株)製)818.2gとを仕込み、75〜98℃で30〜150分間攪拌することにより、高分子ポリオールをイソオクタン中に分散させて、非水系の分散液を調製した。
上記分散液に、有機ポリイソシアネートとしてHDIを159.2gと、ビスマス系触媒「ネオスタン U−600」(日東化成(株)製)0.005gとを添加し、90〜95℃で3時間にわたり、HDIを高分子ポリオールと反応させることにより、「イソシアネート基末端プレポリマー(1)」の分散液を調製した。
前記「イソシアネート基末端プレポリマー(1)」の分散液に、一官能の活性水素基含有化合物であるジ−2−エチルヘキシルアミン20.3gと、二官能の活性水素基含有化合物である1、6−HD7.5gを添加し、「イソシアネート基末端プレポリマー(1)」と80〜90℃にて反応させることにより、「イソシアネート基末端プレポリマー(2)」の分散液を調製した。
前記の「イソシアネート基末端プレポリマー(2)」の分散液に、水50.7g〔「イソシアネート基末端プレポリマー(2)」のイソシアネート基(計算値)の10当量に相当〕を添加し、「イソシアネート基末端プレポリマー(2)」と水とを、65〜70℃にて、イソシアネート基が消費されるまで鎖延長反応させることにより、ポリウレタン樹脂の分散液を調製した。
上記のポリウレタン樹脂の分散液から固形分(ポリウレタン樹脂)を濾別し、これに、下記に示す添加剤(1)〜(4)を添加し乾燥した後に、打粉剤「MP−1451」(綜研化学(株)製)3.0gを添加することにより、粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂「A1−1」(本発明の(A1u)に相当)を調製した。得られた樹脂の粒子は真球状(短/長=1.0)であり、数平均分子量は29、000であった。
〔添加剤〕
(1)酸化防止剤:「イルガノックス245」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、添加量=2.0g。
(2) 紫外線吸収剤:「チヌビン 213」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製
)、添加量=2.0g。
(3)光安定剤:「チヌビン 765」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、添加量=2.0g。
(4)ブロッキング防止剤:「SH200−300CV」(東レ・ダウコーニング(株)製)、添加量=1.5g。
実施例1:
粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂「A1−1」を容量9Lのヘンシェルミキサーにそれぞれ1,500g仕込み、熱膨張性マイクロカプセル(A2)として、表2に示す性能を有する熱膨張性マイクロカプセル「A2−1」を0.7質量%(10.5g)追加した。次いで、以下の着色顔料「D−1」を0.8質量%(12.0g)添加し、1,000rpmで40秒間撹拌混合して粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物「PU−A1」を調製した。配合比について、表1に示す。
住化カラー製カーボンブラック分散顔料「PV−817」667gと、同社製酸化チタン分散顔料「PV−7A1301」333gを、粉体専用リボンミキサーを用いて均一になるまで混合した。
実施例2、比較例1〜7:
表1に示す配合比に従って、実施例1と同様の方法により、粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物として「PU−A1」並びに「PU−B1」〜「PU−B5」を調製した。
なお、熱膨張性マイクロカプセル(A2)の代わりに、粉末状有機系熱分解型発泡剤として体積平均粒径6μmのアゾジカルボンアミド(ADCA)粉末を用いた比較例用の粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物として「PU−B6」を、また、熱膨張性マイクロカプセル(A2)等の発泡に寄与する成分を含まない比較例用となる非発泡性粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物として「PU−B7」を、各々追加調製した。
各々の配合比について、表1に示す。
なお、表2に記載の各々の平均粒径は、粒度分布径測定器「LA−910」(HORIBA社製)を用いて、体積平均粒子径を測定した値である。
また、表2に記載の各々の膨張開始温度「TS」並びに最大膨張温度「TMAX」は、熱機械分析装置(TMA)(TMA2940、TA instruments社製)を用いて測定した値、具体的には、試料25μgを直径7mm、深さ1mmのアルミ製容器に入れ、上から0.1Nの力を加えた状態で、5℃/minの昇温速度で80℃から250℃まで加熱し、測定端子の垂直方向における変位を測定し、変位が上がり始める温度を膨張開始温度「TS」、その変位の最大値を最大変位量とし、最大変位量における温度を最大膨張温度「TMAX」とした値である。並びに、表2に記載の各々の最大膨張時に対して70%収縮に至る温度「T70%SHR」は、変位の最大値である最大変位量に対して70%変位量が下がった時点(最大変位量に対して100%変位量が下がった時点は前記の変位が上がり始める時点、即ち、膨張開始温度「TS」における変位と同じになる)における温度をもって、最大膨張時に対して70%収縮に至る温度「T70%SHR」とした値である(図1および図2参照:狭い温度範囲において、熱膨張性マイクロカプセルの収縮する勢いが大きいことを示すうえで好適な指標となる温度として、この70%収縮に至る温度を測定した)。
実施例3:
250℃に加熱した金型内に、粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物として、表1に記載の「PU−A1」を1,500g仕込んで10秒間保持し、金型を反転させて過剰の粉末材料を除去し、非発泡層並びに発泡層を同時に形成した。この金型を300℃の加熱炉に入れて30秒間にわたり加熱した後で、加熱炉から取り出した金型を冷却し脱型することで、非発泡層と発泡層が一体となった二層構造のシート状熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物を得た。得られた該成形物の諸性能について、表3に示す。
実施例3と同様の装置及び成形条件により、「PU−A2」並びに「PU−B1」〜「PU−B7」を各々使用して、非発泡層と発泡層が一体となった二層構造のシート状熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物を得た。得られた各々の成形物の諸性能について、表3に示す。
なお、シート状熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物において、発泡層のみしか形成されない(本発明の所望する前記の二層構造を形成しない)結果となった「PU−B1」〜「PU−B6」を用いた成形物については、表面硬度、耐摩耗性、並びに機械特性(引張強度、破断伸び)の測定は行わなかった。
得られた成形シートの表面(非発泡層からなる意匠面)におけるピンホールの有無及び程度をマイクロスコープにより観察し、下記の基準に従って評価した。
「5」:ピンホールが全く認められないもの。
「4」:わずかにピンホールが認められるが目立たないもの。
「3」:わずかであるがピンホールが明らかに認められるもの。
「2」:ピンホールがやや著しいもの。
「1」:ピンホールが非常に著しいもの。
JIS K6253に準じて測定した。
得られた成形シートについて、往復運動平面摩耗試験機を用いて、下記の条件で100往復摩耗を行い、その後の成形シートの状態を目視により観察し、下記の基準に従って評価した。なお、試験は非発泡層からなる意匠面を摩耗試験の対象とした。
摩耗条件:
・ 往復運動:40回/分
・ 摩擦子 :30mm×12mm
・ 荷重 :29.4N
・ 摩耗材 :白綿かなきん3号を5枚積層
評価
「5」:損傷が全く認められないもの。
「4」:わずかに損傷が認められるが目立たないもの。
「3」:わずかであるが損傷が明らかに認められるもの。
「2」:損傷がやや著しいもの。
「1」:損傷が非常に著しいもの。
得られた成形シートについて、JIS K6251、JIS K6252に準じて引張試験を行い、引張強度、破断伸びを測定した。
試験条件
サンプル:ダンベル1号形
引張速度:200mm/分
調製例2:
ヘンシェルミキサーを用い、次の要領で調製した。先ず、塩化ビニル樹脂「ゼオン103EP(日本ゼオン(株)製、塩化ビニル単独重合体、平均重合度:1000(JIS K 6721)、平均粒径約110μm)」を1,500g、ハイドロタルサイトを15g、過塩素酸ナトリウムを7.5g、紫外線吸収剤「チヌビンP(チバガイギー社製、トリアゾール系)」を3g、ステアリン酸亜鉛を3g、および、顔料「フタロシアニンブルー、酸化チタン、カーボン混合品」を30g各々仕込み、次いで、トリメリット酸エステル可塑剤「トリメックスNSK(花王(株)製、炭素数6〜10のアルキルトリメリテート)」を750g添加して前記可塑剤が粉体に吸収された後に、ポリエステル系可塑剤「ポリサイザー W−2060(DIC(株)製、アジピン酸系ポリエステル可塑剤)」を450g添加した。ドライアップ後に50℃まで冷却した段階で粉体流動性改良剤である微粒塩化ビニル樹脂(粒度基準平均重合度850、平均粒径1μm)を150g添加して、粉末状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂「A3−1」(本発明の(A1c)に相当)を調製した。
実施例5:
粉末状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂「A3−1」を容量9Lのヘンシェルミキサーに1,500g仕込み、熱膨張性マイクロカプセル(A2)として、表2に示す性能を有する熱膨張性マイクロカプセル「A2−1」を1.0質量%(15.0g)追加し、1,000rpmで40秒間撹拌混合して粉末状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂組成物「PVC−A1」を調製した。配合比について、表4に示す。
表4に示す配合比に従って、実施例1と同様の方法により、粉末状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂組成物「PVC−B1」を調製した。
なお、熱膨張性マイクロカプセル(A2)等の発泡に寄与する成分を含まない比較例用となる粉末状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂組成物として「PVC−B2」も、追加調製した。
各々の配合比について、表4に示す。
実施例6:
230℃に加熱した金型内に、前記の粉末状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂組成物「PVC−A1」を1,500g仕込んで10秒間保持し、金型を反転させて過剰の粉末材料を除去し、非発泡層並びに発泡層を同時に形成した。この金型を300℃の加熱炉に入れて30秒間にわたり加熱した後で、加熱炉から取り出した金型を冷却し脱型することで、非発泡層と発泡層が一体となった二層構造のシート状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂成形物を得た。得られた該成形物の諸性能について、表5に示す(前記のシート状熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物と同じ条件にて測定)。
実施例6と同様の装置及び成形条件により、「PVC−B1」並びに「PVC−B2」を各々使用して、シート状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂成形物を得た。得られた各々の成形物の諸性能について、表5に示す(各々、前記のシート状熱可塑性ポリウレタン樹脂成形物と同じ条件にて測定)。
なお、シート状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂成形物において、発泡層のみしか形成されない(本発明の所望する前記の二層構造を形成しない)結果となった「PVC−B1」を用いた成形物については、表面硬度、耐摩耗性、並びに機械特性(引張強度、破断伸び)の測定は行わなかった。
Claims (4)
- 粉末状熱可塑性樹脂(A1)および熱膨張性マイクロカプセル(A2)より構成される粉末状熱可塑性樹脂組成物であり、(A2)が次の(イ)〜(ハ)の性能を有することを特徴とする、該組成物。
(イ)成形金型温度より低い、膨張開始温度。
(ロ)成形金型温度より低い、最大膨張温度。
(ハ)最大膨張温度と最大膨張時に対して70%収縮に至る温度との差が、1〜30℃の範囲内。 - 粉末状熱可塑性樹脂(A1)が、粉末状熱可塑性ポリウレタン樹脂(A1u)であることを特徴とする、請求項1に記載の粉末状熱可塑性樹脂組成物。
- 粉末状熱可塑性樹脂(A1)が、粉末状熱可塑性ポリ塩化ビニル樹脂(A1c)であることを特徴とする、請求項1に記載の粉末状熱可塑性樹脂組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の粉末状熱可塑性樹脂組成物を金型表面に積層し、加熱により粉末状熱可塑性樹脂組成物を溶融及び発泡させて得られることを特徴とする、発泡層と非発泡層の二層構造を有するシート状熱可塑性樹脂成形物。
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