JP2007160530A - 包装用フィルム及び包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層を中心に3層以上の積層体からなり、最外層が両側とも150℃以下の熱融着層よりなる延伸ポリプロピレン系樹脂フイルムであって、基材層の両側には、それぞれ冷キシレン可溶分の異なる樹脂よりなる層が形成されることを特徴とするフィルム。
【選択図】 なし
Description
また、生鮮品等の包装に用いられる防曇フイルムでは、防曇性を安定かつ長期間維持する為、フイルムを構成する樹脂に防曇剤を練りこむ等の手法が採られてきた。しかしながら、菌茸類を中心に自動包装化が進むにつれ、密封状態での防曇性が求められる様になり、高湿度下での袋内側の水滴付着防止性が要求される様になってきた。
また、特開平8−197671号には、二軸延伸フイルムの二軸延伸完了前に防曇剤を塗布する方法が開示されているが、防曇剤が表面にしか存在しない為、持続性に劣るものであった。
(1)結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層を中心に3層以上の積層体からなり、最外層が両側とも150℃以下の熱融着層よりなる延伸ポリプロピレン系樹脂フイルムであって、基材層の両側には、それぞれ冷キシレン可溶分の異なる樹脂よりなる層が形成され、全層に防曇剤が存在するフィルム。
(2)前記フィルムの全層に防曇剤が存在するフィルム。
(3)冷キシレン可溶分の多い樹脂を用いた層を熱融着層とし、熱融着層表面の水洗後の濡れ張力が34mN/m以上である(1)または(2)記載のフィルム。
(4)フィルムが2軸延伸されてなることを特徴とした(1)または(2)記載のフィルム。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の包装用フィルムからなり、冷キシレン可溶分の多い樹脂を用いた熱融着層が袋の内側となることを特徴とした包装体。
また、基材層を挟む各層の好ましいCXSの差としては、1重量%以上であり、差が1重量%未満の場合は、結晶性の差が出来ず、防曇性を発揮させたい面への防曇剤の選択的移行が、困難となるので、好ましくない。又各層の好ましいCXSとしては、熱融着層が5〜50重量%であり、5重量%未満の場合は、結晶性が高くなり、熱接着性が不十分となる場合があり、50重量%を超える場合は、表面がベタついてフイルム同士がブロッキングする等の問題が発生する事があり好ましくない。一方、もう片方の表面層の好ましいCXSの範囲としては1〜4重量%であり、1重量%未満の場合は、樹脂が硬く製膜が困難となる場合があり、4重量%を超える場合は、防曇剤が表面層に若干なりとも移行する現象が起こり、熱融着層への防曇剤の移行が完全とは言えなくなる事があり、好ましくない。
本発明のフイルムは、必要に応じて本発明の特性を阻害しない範囲で、表面処理を行う事ができる。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等が例示でき、特に制限はない。連続処理が可能であり、このフイルムの製造過程の巻き取り工程前に容易に実施できるコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理を行うのが好ましく、熱融着層表面の濡れ張力を向上する手段としてはコロナ放電処理が特に好ましい。また、用途に応じて本発明の特性を阻害しない範囲で、フイルムに穴あけ加工等の特殊加工を行う事が出来る。1〜5000μmの穴あけ加工を施して、青果物の鮮度保持包装等にも使用する事が出来る。
(1)500ccの上部開口容器に30℃の温水を300cc入れる。
(2)フィルムの防曇性測定面を内側にしてフィルムで容器開口部を密閉する。
(3)5℃の冷室中に放置する。
(4)5℃の冷室に放置12時間後、30℃の環境に移し、12時間放置する。
(5)(4)の操作を2日間繰り返した後、5℃の冷室に12時間放置後フィルム測定面の露付着状況を6段階で評価する。
評価6級:全面露なし(付着面積O)
評価5級:若干の露付着(付着面積1/5まで)
評価4級:多少の露付着(付着面積1/4まで)
評価3級:約1/2の露付着(付着面積2/4まで)
評価2級:ほとんど露付着(付着面積3/4まで)
評価1級:全面露付着(付着面積3/4以上)
下記製造例で得られたフイルムの熱融着層表面を蒸留水で40〜50秒間、室温で洗い流した後、JIS−K−6768法に準じて、フイルムの濡れ張力を評価した。
NISHIBE KIKAI社製シーラー(LotNo.A56430)により、シール温度140℃、圧力2kg/cm2、ヒートシール時間2秒の条件にて、シール幅10mm、袋サイズ200mm×210mmの袋を作成した。
ブナシメジ100gを入れ、再び、NISHIBE KIKAI社製シーラー(LotNo.A56430)により、シール温度140℃、圧力2kg/cm2、ヒートシール時間2秒の条件にて、シール幅10mmのシールをして密封包装した。
包装品を冷蔵庫(5〜10℃)に入れ、保存6日後の袋内側の水滴の付き具合を5段階評価した。
評価5級:全面水滴なし(付着面積O)
評価4級:多少の水滴付着(付着面積1/4まで)
評価3級:約1/2の水滴付着(付着面積2/4まで)
評価2級:ほとんど水滴付着(付着面積3/4まで)
評価1級:全面水滴付着(付着面積3/4以上)
3台の溶融押出機を用い、第1の押出機にてプロピレン単独重合体FS2011DG3(住友化学(株)製、MFR2.5g/10分、融点158℃、CXS3.3重量%)にポリオキシエチレンステアリルアミンモノステアリン酸エステル0.64重量%、ポリオキシエチレンステアリルアミン0.16重量%、ステアリン酸モノグリセリンエステル0.10重量%、ステアリン酸ジグリセリンエステル0.05重量%を配合して基材層Aとし、第2の押出機にて、プロピレン・エチレン・ブテン共重合体FSX66E8(住友化学(株)製 エチレン含有量2.5モル%、ブテン含有量7モル%、MFR3.1g/10分、融点133℃、CXS2.5重量%)100重量%に不活性微粒子(サイリシア350:富士シリシア化学(株)製、粒子径1.8μm)を3000ppm添加して基材層を挟む表面層Bとし、第3の押出機にて、プロピレン・ブテン共重合体BH180EL−3(住友化学(株)製 ブテン含有量25モル%、MFR8.5g/10分、融点128℃、CXS14.0重量%)100重量%に不活性微粒子(サイリシア350:富士シリシア化学(株)製、粒子径1.8μm)を1500ppm添加して基材層を挟む熱融着層Cとして、ダイス内にて表面層B/基材層A/熱融着層Cとなるように、表面層B、基材層A、熱融着層Cの順にTダイ方式にて溶融共押出し後、25℃のチルロールにて冷却固化し、縦方向に4.5倍、横方向に8倍延伸し、表面層B0.8μm、基材層A 22.7μm、熱融着層C1.5μmの合計25μmの3層の包装用フィルムを得た。得られたフィルムの熱融着層C表面にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理面を水洗した後の濡れ張力が35mN/mとなるにした。
得られた包装用フイルムは本発明の要件を満足するものであり、十分な防曇性を有するものであった。
実施例2に於いて、熱融着層表面の水洗後の濡れ張力が表1に示す通りとなる様にコロナ処理度を調整して実施例2のフイルムを得た。
得られた包装用フイルムは本発明の要件を満足するものであり、十分な防曇性を有するものであった。
実施例1に於いて、基材層を挟む表面層Bに、熱融着層Cに用いた樹脂と同じプロピレン・ブテン共重合体BH180EL−3を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例1のフイルムを得た。
実施例1に於いて、表1に示す通り、層構成の順番を基材層A、基材層を挟む層として中間層B、熱融着層Cの順番に積層した以外は、実施例1と同様にして、比較例2のフイルムを得た。
実施例1に於いて、表1に示す通り、基材層Aと熱融着層Cの間に基材層を挟む層として中間層Bを入れた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のフイルムを得た。
Claims (5)
- 結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層を中心に3層以上の積層体からなり、最外層が両側とも150℃以下の熱融着層よりなる延伸ポリプロピレン系樹脂フイルムであって、基材層の両側には、それぞれ冷キシレン可溶分の異なる樹脂よりなる層が形成されることを特徴としたフィルム。
- 請求項1記載のフイルムであって、前記フィルムの全層に防曇剤が存在することを特徴としたフィルム。
- 請求項1あるいは2に記載のフイルムであって、前記冷キシレン可溶分の多い樹脂を用いた層を熱融着層とし、熱融着層表面の水洗後の濡れ張力が34mN/m以上であることを特徴としたフィルム。
- 請求項1あるいは2記載のフイルムであって、前記フィルムが2軸延伸されてなることを特徴としたフィルム。
- 請求項1あるいは2記載のフィルムからなり、冷キシレン可溶分の多い樹脂を用いた熱融着層が袋の内側となることを特徴とした包装体。
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