JP2003291282A - 青果物包装用フィルム及び包装体 - Google Patents
青果物包装用フィルム及び包装体Info
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Abstract
るのに適したフィルム及び包装体、を提供することを目
的とする。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂を主体とし2軸延
伸されてなる基層と、基層の内側表面に形成されたポリ
オレフィン系樹脂を主体とするシール層を有する多層積
層体からなる包装用フィルムであって、a)基層の内側表
面を形成するシール層は、スウェル比が1.10〜1.
40の範囲のポリオレフィン系樹脂を主体とし、その表
面は防曇性を有するものであり、b)基層は、構成する樹
脂中に防曇剤が存在し、基層の内側表面に形成されたシ
ール層のポリオレフィン系樹脂のスウェル比より大き
く、1.42以下のスウェル比をもつポリオレフィン系
樹脂を主体としてなる
Description
び包装体に関し、特に、野菜・根菜、果実、草花、花
木、きのこ類、魚、肉など高い鮮度が要求される植物又
は動物類からなる生鮮品(以下、本明細書ではこれらを
生鮮品と称する)を包装するのに適した内側表面にシー
ル層を有する多層積層体からなるフィルム及び包装体に
関するものである。
光学的性質、機械的性質、包装適性などが優れているこ
とから食品包装及び繊維包装などの包装分野に広く使用
されている。特に、防曇フィルムは野菜などの包装に広
く使用されている。
ムでは、防曇性を安定かつ長期間維持する為、フィルム
を構成する樹脂に防曇剤を練りこむ等の手法が採られて
きた。しかしながらこれらの防曇剤の練りこまれた樹脂
では、これを溶融押出ししてフィルムを形成する際、溶
融樹脂の押出し口より昇華した防曇剤が吹き出し溶融樹
脂の引き取りロールと溶融樹脂との密着を悪くするとい
う現象がおこり、その結果、樹脂の結晶の成長を促進す
るなどして、透明性を悪くするなどの問題点があった。
プロピレン延伸フィルムの問題点を解決し、十分な防曇
性と透明性を有する生鮮品を包装するのに適したフィル
ム及び包装体、を提供することを目的とする。
め、本発明の包装用フィルムは、 1.ポリプロピレン系樹脂を主体とし2軸延伸されてな
る基層と、基層の内側表面に形成されたポリオレフィン
系樹脂を主体とするシール層を有する多層積層体からな
る包装用フィルムであって、 a)基層の内側表面を形成するシール層は、スウェル比が
1.10〜1.40の範囲のポリオレフィン系樹脂を主
体とし、その表面は防曇性を有するものであり、 b)基層は、構成する樹脂中に防曇剤が存在し、基層の内
側表面に形成されたシール層のポリオレフィン系樹脂の
スウェル比より大きく、1.42以下のスウェル比をも
つポリオレフィン系樹脂を主体としてなることを特徴と
する包装用フィルム、 2.全層に防曇剤が存在することを特徴とする上記1記
載の包装用フィルム、3.2軸延伸されてなることを特徴
とする上記1又は2の包装用フィルム、 4.生鮮品包装に用いられることを特徴とする上記1,2又
は3記載の包装用フィルム、 5.上記1,2,3又は4記載の包装用フィルムを用いてなる
ことを特徴とする包装体、 からなるものである。
び包装体の実施の形態を説明する。本発明において用い
られる包装用フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主体
とし2軸延伸されてなる基層と、基層の内側表面に形成
されたポリオレフィン系樹脂を主体とするシール層を有
する多層積層体からなる包装用フィルムである。
法などによって製造するのが好ましい。また、本発明を
構成する包装用フィルムの基層は2軸延伸されている必
要があるが、内側表面に形成するシール層は未延伸、1
軸延伸、2軸延伸のいずれの状態であってもよい。
層を形成するのに適したポリプロピレン系樹脂として
は、内側表面に形成されたシール層のポリオレフィン系
樹脂のスウェル比より大きく、1.42以下のスウェル
比をもつ必要がある。ここで、スウェル比とは、ダイス
ウェル(押出しダイ出口での溶融樹脂の流動状態を示す
もの)の大きさのメジャーを意味し、この値が大きいほ
ど押出しダイ出口での膨張が大きいことを意味し抵抗が
大きいものである。小さければ押出しダイ出口での膨張
が小さく、抵抗が小さいことを意味する。
樹脂のスウェル比が内側表面に形成されたシール層のポ
リオレフィン系樹脂のスウェル比以下の場合は、押出し
機出口より樹脂が押出される際に、昇華した防曇剤とシ
ール層樹脂の圧力が基層側に向く為、引取り機との接触
が不安定となり、樹脂の結晶化に斑ができ、透明性を悪
くするものであり、スウェル比が1.42を越える場合
は、押出し機出口での圧力が外側に向き過ぎる為、押出
し機出口に於いてシール層樹脂表面と金属との擦れが生
じ、外観を悪くするものである。
ピレン系樹脂としては、上記範囲を満足するものであれ
ば特に限定するものではなく、例えば、アイソタクチッ
クポリプロピレンのほか、プロピレン・エチレン共重合
体、プロピレン・ブテンー1共重合体、プロピレン・エ
チレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ペンテン共
重合体などの1種又は2種以上を用いる。さらに他のポ
リオレフィン系樹脂、例えば、エチレン・ブテン−1共
重合体、エチレン・プロピレン・ブテン1共重合体、エ
チレン・アクリル酸共重合体・エチレン・アクリル酸共
重合体を金属イオンにより架橋したアイオノマー、ポリ
ブテン−1、ブテン・エチレン共重合体などを一部に用
いてもよく、さらに、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などをフィルムの特性
を害さない範囲で用いることもできる。また、紫外線吸
収剤、酸化防止剤などを任意に配合することもできる。
側表面のシール層を形成するのに適したポリオレフィン
系樹脂としては、スウェル比が1.10〜1.40の範
囲である必要がある。ここで、スウェル比が1.10未
満の場合は、押出し機出口より樹脂が押出される際に、
昇華した防曇剤の圧力に押され、引取り機との接触が不
安定となり、樹脂の結晶化に斑ができ、透明性を悪くす
るものであり、スウェル比が1.40を越える場合は、
押出し機出口での圧力が外側に向き過ぎる為、押出し機
出口に於いてシール層樹脂表面と金属との擦れが生じ、
外観を悪くするものである。
プロピレン系樹脂としては、上記範囲を満足するもので
あれば特に限定するものではなく、例えば、エチレン・
ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−
1共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン
・アクリル酸共重合体を金属イオンにより架橋したアイ
オノマー、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ブテン・
エチレン共重合体、プロピレン・プロピレン・ブテン−
1共重合体、プロピレン・ペンテン共重合体等の1種又
は2種以上を用いるが、さらにポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリカーボーネート系樹脂などをフィ
ルムの特性を害さない範囲で用いることもできる。また
適宜、無機質粒子又は有機ポリマーからなる微粒子を含
有することが好ましい。
防曇性を有することが必要であって、このため、基層及
びシール層を構成する樹脂中に防曇剤が存在することが
通常である。フィルム製造時に、基層を形成する樹脂及
びシール層を形成する樹脂の両方に防曇剤を配合してお
いてもよく、基層を形成する樹脂だけに防曇剤を配合し
ておいてフィルムを製造してもよい。後者の場合であっ
ても、フィルム製造時及びフィルム形成後の保管時に基
層を形成する樹脂中の防曇剤はシール層に順次移行し、
次いでシール層表面にブリードアウトしてシール層表面
が防曇性を有する状態になる。
る側のシール層表面には、生鮮品を包装した状態で保存
乃至流通期問中防曇性を示すような防曇剤が存在しなけ
ればならない。即ち本発明では、包装体内面の曇り現象
を防止して商品価値を高めるばかりでなく、曇りの進行
によって形成される水滴による包装体内容物の水腐れを
防止するうえでも防曇作用は極めて重要な特性であり、
かつ流通過程で長期的に優れた防曇性を持続させるため
には、保存乃至流通時の気温変化を考慮して、5〜30℃
の問で温度変化を繰り返す経過中継続して防曇性を示す
ような防曇剤がシール層表面に存在するものであること
が望まれる。
品を包装対象とするものであり、冷凍保存よりもむしろ
室温雰囲気での保存が望まれるところから、本発明にお
ける防曇特性の設定にあたっては、5〜30℃の問で温度
変化を繰り返したときの防曇性により定めるのが好まし
い。
ルコールの脂肪酸エステル類、高級脂肪酸のアミン類、
高級脂肪酸のアマイド類、高級脂肪酸のアミンやアマイ
ドのエチレンオキサイド付加物などを典型的なものとし
て挙げることができる。かかる防曇剤のフィルム中での
存在量は全層換算でO.1〜10重量%、特にO.2〜5重量%が
好ましく、シール層構成成分中では5重量%以下、特に0.
1〜1.0重量%であるのが好ましい。
ないが、通常、本発明の包装用フィルム中の全層に対し
1/50〜1/3(基層の両面にシール層を有するときはその合
計厚み)である。厚み比が、より小さいとシール強度が
不充分となり、包装体としての信頼性が欠けることにな
る。また、厚み比が、より大きいと基層部分の割合が小
さいことにより包装用フィルム全体に腰がなくなり、生
鮮品を充填した後の包装体の形状が不安定で商品価値に
欠ける。また、包装用フィルムの厚みは、特に限定する
ものではないが、5〜250μm程度であり、この範囲でシ
ール層の厚みは適宜定めることができる。
法を次に記す。 (1)スウェル比 ダイスウェルの大きさのメジャーで、大きいほど押出し
口出口での膨張が大きい。JIS K6758に示されるポリプ
ロピレン試験方法(230℃、21.18N)に準拠したメルト
フローレートを測定する際の溶融樹脂吐出部を写真撮影
し、ダイ内径とダイより押出される溶融樹脂ストランド
径の比を測定した(図−1参照)。スウェル比=溶融樹
脂ストランド径/ダイ内径
開口部を密閉する。 5℃の冷室中に放置する。 5℃の冷室に放置12時問後、30℃の環境に移し、12時
間放置する。 の操作を2日間繰り返した後、フィルム測定面の露
付着状況を6段階で評価する。 評価6級:全面露なし(付着面積O) 評価5級:若干の露付着(付着面積1/5まで) 評価4級:多少の露付着(付着面積1/4まで) 評価3級:約1/2の露付着(付着面積2/4まで) 評価2級:ほとんど露付着(付着面積3/4まで) 評価1級:全面露付着(付着面積3/4以上)
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
有量2.5モル%、ブテン含有量7 モル%、スウェル比 1.2
4) 100 重量部、不活性微粒子(サイリシア430、富士シリシア化学
(株)製、粒子径2.5μm)0.25重量部、防曇剤(高級脂肪
酸エステルモノグリセライト)O.45重量部%を混合して、
シール層形成用樹脂とした。
1.31)100重量部に防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリ
セライト)1.O重量部を混合して基層形成用樹脂とした。
度260℃になるようにして溶融し、基層の両面にシール
層を積層した3層状態でTダイから共押出しして、温度2
5℃のキャスティンクロールにてキャスティング後、縦
方向に4倍、さらに横方向に9,5倍延伸した。
にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理面の濡れ張力
39mN/m、基層18μm、シール層片側 1μmの合計20
μmの3層の包装用フィルムを得た。
示す。この表からわかるように優れた防曇性と、透明性
を併せ有するものである。
層と基層に用いる樹脂のスウェル比をそれぞれ表1に示
すように変えて比較例1,2のフィルムを得た。得られ
た包装用フィルムの諸特性を表1に示す。
のそれよりも高く透明性に劣るものである。
囲を超えた為、透明性が悪くなったものである。
基層それぞれに防曇剤を配合しない以外は、実施例1と
同様にして包装用フィルムを得た。
示す。透明性は、良好なものの、防曇性が著しく悪いも
のである。
れば、生鮮品の包装において優れた防曇性を有するとと
もに、優れた透明性をもった包装用フィルムを提供する
ことができる。
を示した図
Claims (5)
- 【請求項1】ポリプロピレン系樹脂を主体とし2軸延伸
されてなる基層と、基層の内側表面に形成されたポリオ
レフィン系樹脂を主体とするシール層を有する多層積層
体からなる包装用フィルムであって、 a)基層の内側表面を形成するシール層は、スウェル比が
1.10〜1.40の範囲のポリオレフィン系樹脂を主
体とし、その表面は防曇性を有するものであり b)基層は、構成する樹脂中に防曇剤が存在し、基層の内
側表面に形成されたシール層のポリオレフィン系樹脂の
スウェル比より大きく、1.42以下のスウェル比をも
つポリオレフィン系樹脂を主体としてなる、ことを特徴
とする包装用フィルム。 - 【請求項2】全層に防曇剤が存在することを特徴とする
請求項1記載の包装用フィルム。 - 【請求項3】2軸延伸されてなることを特徴とする請求
項1又は2記載の包装用フィルム。 - 【請求項4】生鮮品包装に用いられることを特徴とする
請求項1,2又は3記載の包装用フィルム。 - 【請求項5】請求項1,2,3又は4記載の包装用フィルムを
用いてなることを特徴とする包装体。
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