JP2005297544A - ポリプロピレン系積層フィルム及びそれを用いた包装体 - Google Patents
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【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂を主体とし延伸されてなる基層の少なくとも片面にポリオレフィン系樹脂を主体とするシール層が形成された積層体からなり、有効製品取り幅が5500mm以上であるフィルムであって、該フィルムの厚み変動率Y(%)とフィルムの製品取り幅X(mm)との関係が下記式を満足することを特徴とするポリオレフィン系積層フィルム。 Y≦0.001X+4
【選択図】 なし
Description
また、これらのフィルムは近年、高速製膜化、広幅化によって大量生産される様になってきた。この様な大量生産化が進む中で問題となるのがフィルムの厚みむらであり、フィルムに厚みむらがあると、フィルムの加工工程において印刷性、製袋性などが著しく悪くなってしまう。厚みむら低減に関して、ポリエステル系フィルムでは、静電密着法などでロールに密着させ易いため、厚みむら低減は比較的容易であるが、ポリオレフィン系フィルムでは、溶融押出ししたフィルムを静電密着法でロールに密着させにくく、かつポリオレフィン系樹脂は溶融粘度が高く分子量分布も広いため、ポリオレフィン系樹脂の分子量分布に依存する溶融変形の緩和時間分布があることなどに起因して、厚みむらが発生し易いため、特許文献1にみられる様に、平滑性、平面性を得るには特殊な製造方法を実施することが必要な状況であった。
1.ポリプロピレン系樹脂を主体とし延伸されてなる基層の少なくとも片面にポリオレフィン系樹脂を主体とするシール層が形成された積層体からなり、有効製品取り幅が500mm以上であるフィルムであって、該フィルムの厚み変動率Y(%)とフィルムの製品取り幅X(mm)との関係が下記式を満足することを特徴とするポリオレフィン系積層フィルム。
Y≦0.001X+4
2.第1に記載のポリオレフィン系積層フィルムであって、2軸延伸されてなることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルム。
3.第1又は2記載のポリオレフィン系積層フィルムであって、基層に防曇剤を有することを特徴とするポリオレフィン系積層フィルム。
4.第3に記載のポリオレフィン系積層フィルムを用いてなる包装体であって、シール層には基層から移行した防曇剤を有することを特徴とする包装体。
5.結晶性ポリプロピレンを主体とする基層形成用樹脂と該樹脂のスウェル比より小さいスウェル比のポリオレフィンを主体とするシール層形成用樹脂をそれぞれ別の押出し機から加熱溶融させてT型ダイス内で前記の基層形成用樹脂とシール層形成用樹脂を積層後、スリット状のT型ダイス出口よりフィルム状に溶融押出して、冷却固化せしめて未延伸フィルムとするに際し、前記溶融押出されたフィルム状樹脂をチルロール上に落下させつつ、該フィルム状樹脂に対して、該チルロールに接触する面とは反対側の面からエアーナイフによって風圧700〜2200mmH2Oの風を当てることにより、未延伸フィルムとチルロールとを密着させた後、次いで、該未延伸フィルムを90〜140℃の温度に加熱して長手方向に3〜7倍延伸した後、冷却し、次いで、テンター式延伸機に導き、100〜175℃の温度に加熱し、幅方向に8〜12倍に延伸した後、80〜168℃の温度で熱処理して幅方向に2〜15%緩和処理させ、冷却した後巻き取ることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムの製造方法。
6.第1記載のポリオレフィン系積層フィルムであって、幅500mm以上、長さ2000m以上であることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムロール 。
7.第6記載のポリオレフィン系積層フィルムロールであって、このポリオレフィン系フィルムは、フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムから流れ方向 20000mm、幅方向40mmの試験片を切り出し流れ方向20000mmにわたって連続してフイルム厚みを測定したとき、たとき、前記フィルムの厚み変動率Z(%)が3%以上、15%以下であることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムロール。
8.第1記載のポリオレフィン系積層フィルムであって、幅5500mm以上、長さ2000m以上であることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムロール 。
9.第8記載のポリオレフィン系積層フィルムロールであって、このポリオレフィン系フィルムは、フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムから流れ方向 20000mm、幅方向40mmの試験片を切り出し流れ方向20000mmにわたって連続してフイルム厚みを測定したとき、たとき、前記フィルムの厚み変動率Z(%)が3%以上、15%以下であることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムロール。
本発明のポリプロピレン系積層フィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主体としてなる基層の片面にポリオレフィン系樹脂を主体とするシール層が形成された積層体からなるフィルムである。
さらに他のポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体・エチレン・アクリル酸共重合体を金属イオンにより架橋したアイオノマー、ポリブテン−1、ブテン・エチレン共重合体などを一部に用いてもよく、さらに、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などをフィルムの特性を害さない範囲で用いることもできる。また、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを任意に配合することもできる。
シール層が両面に有る場合あるいはどちらかのシール層を、シール層が片面にのみある場合が、シール層側を引取り機(チルロール)上に落下させることが必要である。本願においては、特にシール層が両面にある場合の方が、フィルム表面の荒れを低減する効果が大きく、好ましいが片面に限定されるわけではない。
さらにポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などをフィルムの特性を害さない範囲で用いることもできる。また適宜、無機質粒子又は有機ポリマーからなる微粒子を含有することが好ましい。
つまり、基層とシール層のスウェル比をある特定の範囲内にすることにより、安定的にダイスより樹脂を押出し、冷却、引取りができるので、最終的に得られるフィルムの幅方向の厚み変動が小さくでき、またその変動が安定しているので幅が広く、長尺のフィルムの生産に有利である。
結晶性ポリプロピレンを主体とする基層形成用樹脂とポリオレフィンを主体とするシール層形成用樹脂をそれぞれ別の押出し機に供給し、加熱溶融し、ろ過フィルターを通した後、220〜320℃の温度でT型ダイス内で基層形成用樹脂とシール層形成用樹脂を積層後、スリット状のT型ダイス出口より、溶融押出し、冷却固化せしめ、未延伸フィルムを作る。このとき、ドラム状の引取り機(チルロール)上に樹脂を落下させ、チルロールに接触する面とは反対側の面からエアーナイフによって風を当てることにより、未延伸シートとチルロールとの密着性が増し、良好な未延伸シートが得られるので好ましい。この際のエアーナイフの風圧は、700〜2200mmH2Oの範囲とする。風圧が低いと未延伸シートとチルロールとの密着が不均一になり、風圧が高いと未延伸シートがばたつきチルロールとの密着が不均一になるので好ましくない。
また、エアーナイフと未延伸シートの距離は1mm〜5mmの範囲が好ましく、風距離が短いと未延伸シートがばたつきやすく、エアーナイフの先端部と接することがあり、距離が長いと未延伸シートとチルロールの密着が十分でなることがあるい。
ここでいうエアーナイフと未延伸シートの距離はエアーナイフの先端部と未延伸シートの垂直距離を意味する。
また、エアーナイフからの風を未延伸シートとチルロールの接地点に当てることが重要である。そのためには、エアーナイフと未延伸シートの角度は調整することが手段としてあるが、角度が小さいと溶融樹脂がチルロールに接触する前に風が当たるためチルロールの接地点が変動し、また角度が大きいと溶融樹脂のチルロールへの接地点より進行方向側へ風があたることになるので密着が不十分となり、厚み変動の要因となる。
ここでいうエアーナイフと未延伸シートの角度はチルロールの中心点から溶融樹脂の設置点に向かって引いた線に対して風か吹き付けられる角度を意味する。
また、樹脂温度は樹脂劣化が発生しない範囲で230〜290℃程度の高温であることが好ましく、さらには270〜280℃程度の高温が好ましい。
Y≦0.001X+4
好ましくは、Y≦0.001X+3.8、特に好ましくはY≦0.001X+3.5の関係を満足するものである。上記関係式を満足しない場合は、フィルムの平面性が悪く、光の反射の関係上光沢感のないフィルムとなる上、製袋時にフィルムが蛇行し製袋不良等が発生する為好ましくない。また、変動率Yが1%であれば実用上十分優れたものである。ここでYは製品取り幅Xに対応する部分に関しての幅方向厚み変動率のことをいう。
また、ここでの、厚み変動率Yは以下のように測定する。
厚み変動率(%):アンリツ株式会社製フィルム厚み連続測定器(製品名:K−313A広範囲高感度電子マイクロメーター及びフイルム送り装置としてミクロン計測器(株)製フイルム送り装置:製番A90172を使用)を用い、フィルムの巻き取り方向と直交する製品取り幅全幅にわたって連続してフィルム厚みを計測し、下式から厚み変動率を算出した。
厚み変動率(%)=[(厚みの最大値−厚みの最低値)/厚みの平均値]×100
ここでいう製品取り幅とは、フィルムの製膜工程で横延伸等する際にフィルムの幅方向両端に発生する未延伸部分等の厚みの厚い部分を除いた製品取り幅あるいはそれよりスリット小分けされたフィルムの長さのことをいう。
もちろん、製品取り幅がフィルムの製膜工程で横延伸等する際にフィルムの幅方向両端に発生する未延伸部分等の厚みの厚い部分を除いた製品取り幅の場合において、フィルムの厚み変動率Y(%)とフィルムの製品取り幅X(mm)との関係が上記式を満足することが好ましい。この場合の製品取幅は、5500mm以上の場合が好ましい。
また、変動率Yが1%であれば実用上十分優れたものである。
また、ここでの、厚み変動率Zは以下のように測定する。
アンリツ株式会社製フィルム厚み連続測定器(製品名:K−313A広範囲高感度電子マイクロメーター及びフイルム送り装置としてミクロン計測器(株)製フイルム送り装置:製番A90172を使用)を用い、20000mmを連続してフィルム厚みを計測し、下式から厚み変動率を算出した。
厚み変動率(%)=[(厚みの最大値−厚みの最低値)/厚みの平均値]×100
サンプリングの方法を説明する。1本のロールに巻かれていたフィルムについて、上記定常領域から任意に流れ方向 20000mm、幅方向40mmの試験片を切り出す。
本願発明の積層フィルムは特に15μm〜60μmの厚みのフィルムにおいて有用である。
(1)スウェル比
ダイスウェルの大きさのメジャーで、この値が大きいほど押出し出口での膨張が大きいことを示す。
JIS K6758に示されるポリプロピレン試験方法(230℃、21.18N)に準拠したメルトフローレートを測定する際の溶融樹脂吐出部を写真撮影し、ダイ内径とダイより押出される溶融樹脂ストランド径の比を測定した。
スウェル比=溶融樹脂ストランド径/ダイ内径図1にその概念図を示す。
アンリツ株式会社製フィルム厚み連続測定器(製品名:K−313A広範囲高感度電子マイクロメーター及びフイルム送り装置としてミクロン計測器(株)製フイルム送り装置:製番A90172を使用)
を用い、フィルムの巻き取り方向と直交する製品取り幅全幅にわたって(フィルムの巻き取り方向長さ40mm)連続してフィルム厚みを計測し、下式から厚み変動率を算出した。
厚み変動率(%)=[(厚みの最大値−厚みの最低値)/厚みの平均値]×100
ASTM D2457に準拠して測定した。数値が高い程、良好な光沢感示す。
(溶断シール)
溶断シール機(共栄印刷機械材料(株)製:PP500型)を用いて、フィルムの溶断シール袋を作成した。
条件:溶断刃;刃先角度60度
シール温度;370℃
ショット数;120袋/分
出来上がった溶断シール袋の出来栄えを下記の判定基準によりランク分けした。
◎:非常に良好(三角版での二つ折り性が良好でできあがった袋の袋口の端面がきれ
いに揃っており、シール部分もきれいに仕上がっている)
○:良好(製袋条件の微調整が必要であるが全体的に良好)
×:やや不良(かなりの製袋条件の調整が必要)
××:不良(調整では対応が困難、袋口端面の不揃いが多数発生し、シール部の仕上が
りも悪い)
製品取り幅×長さ方向500mmのサンプルをサンプリングして、これを幅方向に3等分し、それぞれの中央部より、幅方向50mm×長さ方向250mmの大きさのサンプルをサンプリングし、このサンプルをシール面が合わさる様に二つ折りにして、ヒートシール温度130℃、圧力1kg/cm2、ヒートシール時間1秒の条件で、熱板シール
を行い、15mm幅の試験片を作製した。この試験片の180度剥離強度を測定し、ヒートシール強度(N/15mm)とした。
製品取り幅×長さ方向500mmのサンプルをサンプリングして、これを幅方向に3等分し、それぞれの中央部より、幅方向300mm×長さ方向20mmの大きさのサンプルをサンプリングし、これの中央部に図2に示す様な200mm間隔の標線をつけ、この間隔Aを測定した。続いて、無荷重で、120℃の雰囲気のオーブンに5分間入れた後、室温にて30分放置し、標線の間隔Bを求め、以下の式により熱収縮率を求めた。
熱収縮率(%)=[(A−B)/A]×100
実施例、比較例で得られたフィルムロールにおいて、定常領域から試料を切り出し、厚み変動率Z(上記(7))を測定した。なお測定においては、フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域から流れ方向 20000mm、幅方向40mmの試験片を切り出し流れ方向20000mmにわたって連続してフイルム厚みを測定した。
アンリツ株式会社製フィルム厚み連続測定器(製品名:K−313A広範囲高感度電子マイクロメーター及びフイルム送り装置としてミクロン計測器(株)製フイルム送り装置:製番A90172を使用)を用い、20000mmわたって連続してフィルム厚みを計測し、下式から厚み変動率を算出した。
厚み変動率(%)=[(厚みの最大値−厚みの最低値)/厚みの平均値]×100
(イ)シール層形成用樹脂
(a)プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(エチレン含有量2.5モル%、ブテン含有量7モル%、融点133.2℃)80質量部とプロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量25モル%、融点128.0℃)20質量部よりなるFSX66M3(住友化学工業(株)製、スウェル比1.24、メルトフローレート2.9g/10分、融点132.8℃)100質量部を用いてシール層形成用樹脂とした。
(b)アイソタクチックポリプロピレン重合体FS2011DG3(住友化学工業(株)製、スウェル比 1.31、メルトフローレート2.5g/10分、融点158.5℃)100質量部に防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライト)1.0質量部を混合して基層形成用樹脂とした。
(a)の樹脂と(b)の樹脂を1:9(質量比)の割合で、(a)の樹脂温度を270℃、(b)の樹脂温度を278℃になるようにして溶融し、基層の両面にシール層を積層した3層状態でリップ幅900mm、リップギャップ2.5mmのTダイから共押出しして、温度20℃のドラム状の引取り機(チルロール)に、Tダイ出口より200mm下方の位置で、未延伸フィルムとの距離3.5mm、未延伸フィルムとの角度14°に設定したリップギャップ0.9mmのエアーナイフより風圧1060mmH2Oの風を未延伸シートとチルロールの接地点に吹き付け冷却固化した。こうして得られた未延伸フィルムを120℃の温度に予熱した後、130℃の温度で周速度の異なるロール間で縦方向に3.8倍延伸後、120℃まで冷却し、次に該延伸フィルムをテンターに導き、172℃のオーブン内で予熱後155℃のオーブン内で横方向に10倍延伸した。さらに、165℃のオーブン内で横方向に8%の緩和を行い延伸フィルムを得た。
フィルムの製造中、製造・延伸工程は安定していた。したがって、フィルムロールはフィルムの全長にわたって定常領域に該当していることが確認された。
実施例1において、(a)、(b)の樹脂温度を260℃とし、チルロール温度を25℃とした以外は、実施例1と同様にして実施例2の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの諸特性を表1に示す。
実施例1において、シール層と基層に用いる樹脂のスウェル比及びメルトフローレートを表1に示すように変えて比較例1のフィルムを得た。得られた積層フィルムの諸特性を表1に示す。
実施例1において、エアーナイフの風圧を2500mmH2Oとした以外は、実施例1
と同様にして比較例2の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの諸特性を表1に示す。
(イ)シール層形成用樹脂
(a)プロピレン・エチレン・ブテン共重合体(エチレン含有量2.5モル%、ブテン含有量7モル%、融点133.2℃)80質量部とプロピレン・ブテン共重合体(ブテン含有量25モル%、融点128.0℃)20質量部よりなるFSX66M3(住友化学工業(株)製、スウェル比 1.24、メルトフローレート2.9g/10分、融点132.8℃)100質量部を用いてシール層形成用樹脂とした。
(b)アイソタクチックポリプロピレン重合体FS2011DG3(住友化学工業(株)製、スウェル比 1.31、メルトフローレート2.5g/10分、融点158.5℃)100質量部に防曇剤(高級脂肪酸エステルモノグリセライト)1.0質量部を混合して基層形成用樹脂とした。
(a)の樹脂と(b)の樹脂を1:9(質量比)の割合で、(a)の樹脂温度を270℃、(b)の樹脂温度を278℃になるようにして溶融し、基層の両面にシール層を積層した3層状態でリップ幅900mm、リップギャップ2.5mmのTダイから共押出しして、温度20℃のドラム状の引取り機(チルロール)に、Tダイ出口より200mmの位置でリップギャップ0.9mmのエアーナイフより風圧1060mmH2Oの風を吹き付け冷却固化した。こうして得られた未延伸フィルムを120℃の温度に予熱した後、130℃の温度で周速度の異なるロール間で縦方向に3.8倍延伸後、120℃まで冷却し、次に該延伸フィルムをテンターに導き、172℃のオーブン内で予熱後155℃のオーブン内で横方向に10倍延伸した。さらに、165℃のオーブン内で横方向に8%の緩和を行い延伸フィルムを得た。
得られた積層フィルムの諸特性を表2に示す。この表から、本発明の積層フィルムは、厚み変動率が小さく、優れたヒートシール強度と加工適性を有するものであることが理解できる。
実施例3において、(a)、(b)の樹脂温度を260℃とし、チルロール温度を25℃とした以外は、実施例3と同様にして実施例2の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの諸特性を表2に示す。
積層フィルムは、実施例3に比べれば厚み変動率は大きめであるものの、製品有効取り幅の幅方向の左右の物性差は小さく、加工性は良好であった。
実施例3において、シール層と基層に用いる樹脂のスウェル比及びメルトフローレートを表2に示すように変えて比較例1のフィルムを得た。得られた積層フィルムの諸特性を表2に示す。
実施例3において、エアーナイフの風圧を2500mmH2Oとした以外は、実施例3と同様にして比較例2の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの諸特性を表2に示す。
Claims (9)
- ポリプロピレン系樹脂を主体とし延伸されてなる基層の少なくとも片面にポリオレフィン系樹脂を主体とするシール層が形成された積層体からなり、製品取り幅が500mm以上であるフィルムであって、前記フィルムの幅方向厚み変動率Y(%)とフィルムの製品取り幅X(mm)との関係が下記式を満足することを特徴とするポリオレフィン系積層フィルム。
Y≦0.001X+4 - 請求項1記載のポリオレフィン系積層フィルムであって、2軸延伸されてなることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルム。
- 請求項1又は2記載のポリオレフィン系積層フィルムであって、基層に防曇剤を有することを特徴とするポリオレフィン系積層フィルム。
- 請求項3に記載のポリオレフィン系積層フィルムを用いてなる包装体であって、シール層には基層から移行した防曇剤を有することを特徴とする包装体。
- 結晶性ポリプロピレンを主体とする基層形成用樹脂と該樹脂のスウェル比より小さいスウェル比のポリオレフィンを主体とするシール層形成用樹脂をそれぞれ別の押出し機から加熱溶融させてT型ダイス内で前記の基層形成用樹脂とシール層形成用樹脂を積層後、スリット状のT型ダイス出口よりフィルム状に溶融押出して、冷却固化せしめて未延伸フィルムとするに際し、前記溶融押出されたフィルム状樹脂をチルロール上に落下させつつ、該フィルム状樹脂に対して、該チルロールに接触する面とは反対側の面からエアーナイフによって風圧700〜2200mmH2Oの風を当てることにより、未延伸フィルムとチ
ルロールとを密着させた後、次いで、該未延伸フィルムを90〜140℃の温度に加熱して長手方向に3〜7倍延伸した後、冷却し、次いで、テンター式延伸機に導き、100〜175℃の温度に加熱し、幅方向に8〜12倍に延伸した後、80〜168℃の温度で熱処理して幅方向に2〜15%緩和処理させ、冷却した後巻き取ることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムの製造方法。 - 請求項1記載のポリオレフィン系積層フィルムであって、製品取り幅500mm以上、長さ2000m以上である請求項1、2又は3のいずれかに記載のポリオレフィン系積層フィルムロール 。
- 請求項6記載のポリオレフィン系積層フィルムロールであって、このポリオレフィン系フィルムは、フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムから流れ方向 20000mm、幅方向40mmの試験片を切り出し流れ方向20000mmにわたって連続してフイルム厚みを測定したとき、前記フィルムの厚み変動率Zの変動(%)が3%以上、15%以下であることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムロール。
- 請求項1記載のポリオレフィン系積層フィルムであって、幅5500mm以上、長さ2000m以上であることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムロール 。
- 請求項8記載のポリオレフィン系積層フィルムロールであって、このポリオレフィン系フィルムは、フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムから流れ方向 20000mm、幅方向40mmの試験片を切り出し流れ方向20000mmにわたって連続してフイルム厚みを測定したとき、たとき、前記フィルムの厚み変動率Z(%)が3%以上、15%以下であることを特徴とするポリオレフィン系積層フィルムロール。
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