JP2007155215A - 不定形耐火物の吹付け施工方法とそれに使用する吹付け材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分と吹付け材料との混練効果を高め、低水分で緻密な施工体を得ることができ、しかも作業性に優れた不定形耐火物の吹付け施工方法を提供すること。
【解決手段】材料搬送管5において上流側に1次注水器7と下流側に2次注水器8とを設けて2ヶ所から吹付け材料に施工水を注水し、1次注水器7からは全施工水の10〜50質量%の施工水を注水し、2次注水器8からは施工に必要な残りの施工水を注水して吹付ける場合において、少なくとも1次注水器7から材料搬送管5内へ平均粒径100μm以下の気泡を1〜30体積%含有する施工水を、材料搬送方向に対して30〜70度傾斜し、材料搬送管5内のほぼ中心で衝突するように材料搬送管5内に注水し、平均粒径100μm以下の微粒化水を発生させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉、樋、混銑車、転炉、取鍋、2次精錬炉、タンディッシュ、セメントロータリーキルン、廃棄物溶融炉、焼却炉、あるいは非鉄金属容器等の各種金属容器や窯炉の築炉または補修に際しての不定形耐火物の吹付け施工方法とそれに使用する吹付け材料関する。
不定形耐火物の吹付け施工方法は湿式施工方法と乾式施工方法とに大別できる。
湿式施工方法は施工水を予め材料へ添加して混練しスラリー状とした吹付け材料(不定形耐火物)を圧送して先端ノズル部において急結剤等を添加して吹付ける工法である。他方、乾式施工方法は吹付け材料(不定形耐火物)を乾燥状態で空気搬送し、先端のノズル部で施工水を注水して吹付ける工法である。
湿式施工方法は乾式施工方法に比べて付着性に優れた緻密質の耐火物の吹付け施工体を形成することができ、施工に際しての発塵量が少ない等の効果がある。反面、吹付けに際して混練装置やスラリー圧送装置が必要で、その上、装置の構造が複雑で高価であり、また、吹付け作業後はスラリー状不定形耐火物が混練装置や材料搬送管内に付着し、その洗浄作業に手間取るという欠点がある。
これに対して、乾式施工方法は、基本的には乾燥状態で空気搬送される吹付け材料に先端ノズル部で、施工水を注水するのみであるので、吹付け装置は簡単で作業性に優れているが、吹付け材料には水分が十分に混合されない状態での吹付けであるため、吹付けに際して、粉塵が多く発生し、吹付け施工体の耐火物組織も不均一となる傾向があり、付着率、接着強度及び耐食性も劣ったものとなる。湿式施工方法と比較すると混練効果が低く水分使用量が多いため緻密な施工体が得られにくいという欠点もある。
通常、先端ノズル部で施工水を注水するには、ノズルの外周面に設けた複数の貫通孔からノズル中心あるいはその前方に向かって加圧水を注水することが一般的である(特許文献1)。この注水される水は、材料搬送管内で材料を湿潤させるために分散させ霧状にした方が良いと考えられている。
例えば、特許文献2では、マテリアルホースに連通する管体に直径方向に開けられた水噴出口に水を圧送し、管体内に霧状水を噴出させてカーテンウォールを形成し、この管体に吹付け材料(耐火原料)をマテリアルホースから圧送して霧状水と吹付け材料とを圧送空気を利用して管体内で混合する方法が記載されている。そして水噴出口の開口端の直径を0.01mm〜1mmとし、30〜50kg/cmの水圧を掛けると水は霧状になって、カーテンウォールを形成することも記載されている。
しかしながら、この方法では先端ノズル部で水が霧状として供給されるため、実際には吹付け材料を圧送する空気の流れに逆らって吹付け材料の中心部まで均一に湿潤することは難しく十分な混練効果が得られにくい問題がある。また、吹付け材料の搬送量が例えば70kg/min等のように多くなった場合には、多量の水を添加する必要が出てくるが、霧状の水では多量の水の添加が難しい。さらに、添加水分を増やそうとすると大きな水滴状態で噴霧しなければならず、混練状態が悪くなる。
また、混練効果を高めるために、複数個所から注水する方法やノズルを長くしてノズル内での混練効果を狙ったものも過去提案されているが、期待する程低水分で混練することができず、またいずれの場合にも人がノズルを持って作業するには重くなりすぎる問題があった。
そこで、吹付け施工方法において水と吹付け材料との混練効果を向上させるために、吹付け材料を搬送する材料搬送管の搬送経路内で注水して材料搬送管内での吹付け材料同士あるいは吹付け材料と材料搬送管内面との衝突による混練効果を狙った施工方法が過去検討されている。
例えば、特許文献3には、吹付け材料搬送用の圧縮エアーの配管と吹付けノズルの2ヶ所で水を添加する吹付け施工方法が開示されている。そして、吹付け材料搬送用の圧縮エアー中には予備混練として水を噴霧することが記載されている。このように水をエアー中に均一に分散させて添加することで、混練不足を解消し短いノズルの使用を可能とし、局部的な水分の不均一に起因する材料搬送管内の材料付着を防止することができると記載されている。確かにこの方法では、水のみを吹付けノズルのみで添加する場合と比較すると発塵が少なくなり、材料搬送管内の材料付着の防止には効果があると考えられるが、単に噴霧しただけでは、吹付け材料を均一に湿潤することが難しく良好な混練効果が得られない。このため、従来の乾式施工方法と比較して低水分で緻密な施工をすることができなかった。
また、特許文献4には、空気搬送された不定形耐火組成物に吹付けノズル手前でウォーターリングを通して流し込み軟度の作業性が得られる施工水分量と圧搾空気を添加し、さらに吹付けノズル部で凝集剤又は保形性付与剤を添加して吹付け施工する2段階注水方法が開示されている。そして、この方法においては、施工水分を高圧の圧搾空気を用いて添加すれば、その強力な攪拌作用によって不定形耐火物と水との均一混合が短時間でできることが記載されている。その結果、リバウンドロスによる環境悪化や水分増加による施工体の品質劣化等の従来の乾式法や半乾式施工法が有する問題点や、吹付け装置が複雑になるとか、掃除が面倒であるとか、残剤廃棄量が多い等の従来の湿式法が有する問題点が解決されると記載されている。
しかしながら、この特許文献4の方法では、施工に必要な全ての水分を添加するためには多量の高圧圧搾空気が必要となり、ウォーターリングから高圧の圧搾空気を多量に吹き込むと、吹付け材料が均一に混練されにくくなり、しかも脈動を起こすことがある。このため緻密な施工体が得られ難い問題がある。
さらに、特許文献5には、耐火材料骨材、耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤を含む吹付け材料を粉末の状態で気流にのせて材料搬送管内に送り込み、材料搬送管の途中で施工水を全量注水し、その後も気流(空気)搬送し、吹付けノズルを通じて吹付ける吹付け施工方法が開示されている。そして、材料搬送管の途中で施工水を全量注水して湿潤状態になった後でも不定形耐火物組成は材料搬送管に付着するような粘性にはならず、従来の湿式吹付け施工方法と同程度の添加水分量と施工体の品質が得られるとされている。
しかしながら、この方法でテストを行ったところ、単に材料搬送管の途中で施工水を全量注水しただけでは、粉末材料とくに吹付け材料中の超微粉原料に対する水のなじみが悪く、混練状態が不十分となり、リバウンドロスと発塵が多く作業性に劣ったものとなり、安定した品質の吹付け施工体が得られなくなるという欠点があることが分かった。
そのため、作業性を満足させるためには、どうしても水分量を増すことになり、場所により水分量のバラツキが生じ、水分が多すぎる部位は高気孔率になり、逆に少なすぎる部位においては結合不十分となり、いずれの部位も所定の耐用性が得られなくなる問題がある。また、先端のノズル孔から離れた位置から水分を添加すると急結剤の溶解によって材料が凝集し始めるため添加水分量が増え、しかも材料搬送管の洗浄という煩雑な作業が増える問題がある。
また、この特許文献5にはプレモイストとして水分を添加することも開示されているが、これは発塵防止効果を目的としたものであり、この程度の水分を添加しただけでは予備混練効果が得られない。
そこで、上記課題を解決するために本発明者等は、PCT/JP2005/10431において、材料搬送管内を搬送される吹付け材料に2ヶ所から注水する施工方法であって、注水器から平均粒径100μm以下の微粒化水を圧縮空気とともに注水する不定形耐火物の吹付け施工方法を提案した。この方法によれば、水を平気粒径100μm以下の微粒化水として注水することで、低水分で吹付け材料を均一に湿潤化できるため、緻密な施工体が得られるという作用効果が得られる。しかしながら、例えば70kg/min程度の吹付け材料供給速度で一度に大量の吹付け施工をしようとすると、微粒化水を吹き込むための圧縮空気の量が多くなりすぎるために、リバウンドロス等が多くなりしかも緻密な施工体が得られにくくなる問題があることがわかった。
特公昭59−4194号公報 特開昭62−129166号公報 特開昭63−31562号公報 特開平10−316478号公報 特開2002−220288号公報
本発明の課題は、水分と吹付け材料との混練効果を高め、低水分で緻密な施工体を得ることができ、しかも作業性に優れた吹付け施工方法とそれに使用する吹付け材料を提供することにある。
本発明は、材料搬送管内を搬送される吹付け材料に対して注水器から施工水を注水して吹付ける不定形耐火物の吹付け施工方法であって、材料搬送管内へ注水器から平均粒径100μm以下の気泡を0.1〜30体積%含有する施工水を、材料搬送方向に対して30〜70度傾斜し、材料搬送管内のほぼ中心で衝突するように注水し、平均粒径100μm以下の微粒化水を発生させることを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法である。
本発明では、空気を平均粒径100μm以下の気泡として含有する施工水を材料搬送管内に注水することで、従来の水のみを添加する場合と比較して低水分で緻密な施工体が得られることがわかった。この理由は、水流が衝突して微粒化水になる場合に、水中に微細な気泡を多く均一に含んでいるために衝突時に水が小さな粒子に分離しやすく、より微細な微粒化水が発生することで吹付け材料をより均一湿潤することができるためではないかと推定する。
また、圧縮空気によって微粒化水を注水する場合と比較すると、大量の吹付け施工をしても、リバウンドロス等が少なくしかも緻密な施工体が得られる効果も得られる。これは、注水するために圧縮空気を必要としないにもかかわらず、微粒化水を吹き込む場合と同等な大きさの微粒化水が発生するためと考える。
気泡の大きさは、平均粒径が100μm以下と小さいため水中に均一に分散した状態で含有することができ、しかも水流どうしあるいは吹付け材料と衝突した時に微細な微粒化水を発生しやすい。気泡の大きさが、平均粒径が100μmより大きな場合には、混練効果が悪く良好な施工体とするために多くの施工水が必要となる。気泡のより好ましい大きさは、平均粒径が50μm以下である。
そして気泡の施工水への含有率は、低水分で均一な混練効果を得るために0.1〜30体積%とする。好ましくは1〜20体積%である。0.1体積%未満では低水分で均一に混練されにくく、30体積%を超えると吹付け施工時に脈動が発生しやすくなったり、発塵が多くなったりする。
このようにして発生させる微粒化水はその平均粒径が100μm以下となるようにする。本発明において、平均粒径が100μm以下の微粒化水は、吹付け材料を供給せず材料の搬送用空気のみを供給した状態で施工水を注水した時に、発生していれば良い。実際の吹付け施工においては、吹付け材料が搬送されており、水流どうしの衝突に加えて材料と施工水との衝突によっても、100μm以下の微粒化水が発生していると推定する。このように、材料搬送管内で微粒化水が発生するので、水の比表面積が大きくなり、従来の水の添加方法と比較して格段に吹付け材料を均一に湿潤させることができるため、材料搬送管内を高速で移動する吹付け材料の粉末に対しても短時間でより高い混練効果が得られる。特に微細な原料粉末に対するより均一な湿潤化の効果が大きい。その結果、低水分で緻密な施工体が得られる。また、微粒化水と共に圧縮空気は吹き込まないので、吹付け量が多くなっても圧縮空気量の増大に伴うリバウンドロス等の問題が発生することもない。
この微粒化水は、上述のとおり平均粒径が100μm以下となるようにし、好ましくは70μm以下、さらに好ましくは5〜50μmとなるようにする。この平均粒径はレーザードップラー法によって測定することができる。微粒化水の平均粒径が100μmより大きな場合には、水の比表面積が小さくなり吹付け材料が均一に湿潤されにくくなり、混練された吹付け材料の場所による水分量にバラツキが発生してくる。その結果、良好な作業性を持つ吹付け材料とするためには施工水分が増えてしまう。
そして、水流の流速は速い方が、水流どうしの衝突あるいは水流と吹付け材料との衝突によってより小さな微粒化水を発生しやすくなり、低水分で混練することができる。また吹付け材料の攪拌効果もより大きくなる。このため水流の流速は、7m/s以上(s:秒)が好ましく、より好ましくは10m/s以上、さらに好ましくは15m/s以上である。水流が7m/s未満では、微細な微粒化水が得られにくく低水分で混練しにくくなる。ここで、本発明で言う水流の流速とは、注水器への水の単位時間当たりの供給量と注水口の内孔断面積とから計算される値である。なお、水流の流速の上限は50m/s以下とすることで十分細かい微粒化水が得られる。50m/sを超えると水圧が高くなり注水器や配管が高耐圧仕様となり高価になる割には、低水分化の効果が小さく実用的でない。
また、本発明においては注水器の注水口は断面が円形の複数の貫通孔とすることができる。この内径は0.4mm以上2mm以下、水圧は0.4Mpa以上5Mpa以下とすることが好ましい。注水口の内径が0.4mm未満では吹付け材料が詰まりやすくなり、2mmを超えると水流の直径が大きくなりすぎて微粒化水が大きくなりやすく均一な混練効果が得られにくくなる。注水口のより好ましい内径は、0.6mm以上1.5mm以下である。一方、水圧は0.4Mpa未満では、水流の流速が遅くなり良好な微粒化水が得られにくく混練効果が低下し、5Mpaを超えると水分過多になり易くなる。水圧のより好ましい範囲は、0.6Mpa以上3Mpa以下である。
さらに、注水器から微粒化水を噴霧注水するための注水口は、円周方向に長いスリットとすることもできる。スリットの場合には、注水口から噴霧される水が面状に材料搬送管内に注水されるため、笠状の水流あるいは噴霧が形成されやすくしかも微粒化水と吹付け材料中の原料粒子との接触頻度を高くすることができる。さらにスリットにすると吹付け材料が詰まりにくい。スリットは、注水器の内孔面の円周方向に複数設けても良いし、連続した1本のスリットでも良い。そのスリットの開口部の幅は、平均粒径100μm以下の微粒化水を発生させる点から0.1〜1mmが好ましい。0.1mm未満ではスリットが吹付け材料により詰まりやすくなり、1mmを超えると平均粒径100μm以下の微粒化水が発生しにくくなる。
本発明においては、材料搬送管において上流側に1次注水器と下流側に2次注水器とを設けて2ヶ所から注水し、1次注水器からは全施工水の10〜50質量%の施工水を注水し、2次注水器から施工に必要な残りの施工水を注水するに際して、少なくとも1次注水器から前記のうちいずれかの方法で注水することができる。また、この1次注水器から注水する水にはあらかじめ分散剤あるいは結合剤を添加しておくこともできる。あらかじめ分散剤を溶解しておけば、分散剤を粉末として最初から混合する場合と比較して水に早く溶解するので、より低水分化となる。
この1次注水器による吹付け材料の混練状態は、粉体、水及び空気のそれぞれが連続した状態すなわちFunicular域を目指している。このFunicular域とは、「混練技術」、橋本健次著、昭和53年10月5日、産業技術センター発行に記載されており、粉体、液体及び気体の混練状態をさらに細かく分類した一つの状態であり、粉体に対して液体が十分コーティングされた状態であるが、気体が連続しているため、見た感じはバサバサの状態にあることを意味する。具体的には、スラリーになる一歩手前の段階であり混練物を手で握ると固まるが、直ぐにまたほぐれるような状態である。通常分散剤を含む不定形耐火物は、水を少しずつ添加しながら混練してゆくと最初の内は水を添加してもほとんど変化がないが、あるとき急激に軟化しスラリーになる水分添加量がある。本発明の1次注水器での施工水の添加量は、この急激に軟化する直前の水分添加量を目標としている。この状態は、タップフロー試験でも混練物がほとんど広がらない状態つまり100〜110mmの範囲でもある。本発明においては、使用する耐火原料、急結剤、分散剤あるいは結合剤の種類、粒度及び添加量等によって1次注水量が異なるが、水分添加量の目安はこのタップフロー値の範囲も目安とすることができる。つまり水分が少なすぎても多すぎてもタップフロー値は広がるが、その中間の状態である。
さらにミクロ的には、粒径75μm以下の原料粒子はもともと粉末状態ではいくつかの原料粒子が集まった小さな2次粒子の形になっているが、本発明の1次注水器で注水する場合では原料粒子がこの2次粒子の形を保持した状態で微粒化水によって湿潤された状態になると考えられる。この2次粒子の中には粒径75μmより大きな原料粒子が核として存在することもある。そして本発明では、平均粒径が100μm以下と極めて小さな微粒化水が発生する条件で注水するため、1つの2次粒子に対する水分量がスラリーになる量より少ない値、あるいはスラリーになっても高粘性な値になっていると考えられる。このため搬送中に2次粒子どうしが合体しても、スラリーにはなりにくいと考えている。そして材料の搬送中において、2次粒子同士、2次粒子と75μm以上の粒子、あるいは2次粒子と材料搬送管内面等の衝突によってさらに混練効果が加わると考える。
その結果、低水分で混練効果が優れた混練物となり、2次注水器で必要最小限の水分量で施工可能となる。したがって、従来の乾式吹付け施工法と比較して極めて少ない水分添加量で作業性に優れた混練物が得られることになる。さらに、材料搬送管内では、このため吹付け材料がスラリー状態にならないため、途中で詰まったりすることがないので、材料搬送管を長くすることができ、例えば、30m以上の長い距離を搬送することも可能となる。しかも材料搬送管内に付着堆積することもないので洗浄の手間が掛からない。
一方、平均粒径が100μmよりも大きな微粒化水ではこの2次粒子を湿潤化したときに、一つの2次粒子に対する水分量が多すぎて2次粒子をスラリー化してしまう頻度が高くなると考えられる。前述のように、ほんの少しの水分含有率の差によってスラリー化(解こう)が生じる。したがって、搬送中に水分が過剰な2次粒子と水分が適量の2次粒子とが衝突した場合にはスラリーが合体成長する。その結果、搬送材料中には局部的にスラリーが生成してしまうことになる。そして吹付け材料は不均一な混合物となり混練効果が低下し、しかもスラリーは材料搬送管内に付着することになると推定される。
1次注水器による水分の添加量が、吹付けに必要な水分量の10質量%未満の場合には、吹付け材料に対して水分量が少ないため、搬送中に吹付け材料を均一な湿潤状態にすることができない。その結果、2次注水器での添加水分量をその分だけ増やすことになり、十分な混練状態にない吹付け材が吹付けられ、施工体の品質が低下する。また、50質量%を超えると、搬送中に混練された吹付け材料中に水分が多量に存在するようになるため、混練物が材料搬送管内に付着する現象が発生する。
さらに、この均一に湿潤し混練された吹付け材料に対して2次注水器から残りの施工水を添加するが、より好ましくは平均粒径100μm以下の微粒化水を発生させるようにする。平均粒径100μm以下の微粒化水とすることで、前述のように搬送中の吹付け材料に対して、より均一に湿潤することができるので高い混練効果が得られる。このため、従来の乾式施工方法と比較してよりもはるかに少ない水分量で高い混練効果が得られ、これによってリバウンドロスが少なく付着率の高い緻密な施工体を得ることができる。
また、2次注水器は、先端吹付けノズルの直前に設けることが好ましい。直前に設けることで材料搬送管の洗浄の手間を低減し、しかも先端吹付けノズル内での混練効果が得られる。なお、吹付けノズルの直前とは、必ずしも吹付けノズルと注水器を別々に設置することではなく、吹付けノズル自体に2次注水器を取り付けても良いし、吹付けノズルと一体化したものでも構わない。
また、この2次注水器から、急結剤を水に添加して噴霧注水することもできる。急結剤を水に添加して入れることで、急結剤が湿潤した吹付け材料中へより早く拡散することができ、反応性が高まり付着率が向上する。
本発明においては材料搬送管の2次注水器の近くに混合器を設けるとより混練効果が向上する。これは、1次注水器からの注水によって湿潤された吹付け材料が材料搬送管内を搬送されるときに、特に材料搬送管が長い場合には粗粒原料と微粉部とが分離しセグレが発生することがある。このセグレをもとに戻すために、混合器を設ける。この混合器によってバラツキのない緻密な施工体が得られる。混合器としては、スタティックミキサー等の一般的な混合器を設けることができるが、より好ましくは内径を絞った混合管である。内径を絞るという簡単な構造であり、材料の詰りが無いことからより好ましい。混合管の内径dは材料搬送管の内径Dに対して、0.5D以上0.9D未満が好ましい。
本発明の施工方法に適用できる吹付け材料としては、従来の湿式吹付け材や乾式吹付け材のどちらでも問題なく使用することができる。従来の湿式吹付け材を使用した場合には、混練するためのミキサーが不要でしかも作業後に材料搬送管を洗浄する手間も要することがないので格段に作業性に優れる施工方法となる。しかも従来の湿式施工方法と同等クラスの添加水分で緻密な施工体が得られる。また従来の乾式吹付け材を適用した場合には、より低水分で緻密な施工体を得ることができる。例えば、鉄鋼業においては、取鍋や転炉用のマグネシア材質吹付け材、転炉用のマグネシア−カルシア材質吹付け材やマグネシア−カーボン質吹付け材、樋用のアルミナ−炭化ケイ素材質吹付け材、及び取鍋用のアルミナ−マグネシア材質吹付け材等を使用することができる。このとき、あらかじめ水に急結剤や分散剤等を溶解した施工水を微粒化水として使用することも可能である。
なかでも吹付け材料が、粒径75μm以下の炭化ケイ素を5〜30質量%含むアルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物である場合には、低水分で施工することができる。アルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物を構成する炭化ケイ素は、多孔質でしかも水に濡れ難い原料であり、これがアルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物と施工水との馴じみの悪さの原因である。本発明では施工水を、平均粒径100μm以下の微粒化水とすることにより、炭化ケイ素の多孔質組織に微粒化水が挟入する。また、耐火原料組成に占める粒径75μm以下の炭化ケイ素微粉の割合を5〜30質量%としたことで、この炭化ケイ素微粉が不定形耐火物のマトリックスに微粒化水を封じ込める。すなわち、本発明によれば、この炭化ケイ素の多孔質組織への微粒化水の挟入と、炭化ケイ素微粉によるマトリックスへの微粒化水の封じ込めによって、炭化ケイ素に対する施工水の濡れ難さが緩和される。その結果、1次注水箇所で微粒化水が添加された不定形耐火物は吹付けノズルに到達するまでの間の混和が促進され、均一且つ緻密な施工体組織を得ることができる。
さらに吹付け材料が、マグネシア微粉を1〜30質量%含み、残部がアルミナを主体とするアルミナ−マグネシア質不定形耐火物である場合には、より耐用性を向上させる効果がある。一般的にアルミナ−マグネシア質不定形耐火物において耐火物原料組成の一部を占めるマグネシアは、施工水分との反応で消化し、耐火物組織をぜい弱化させて施工体の強度低下の原因となる。本発明では前述したように不定形耐火物が施工水分と長時間の接触がないこと、さらに施工水量の低減化が可能となって、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物におけるマグネシアの消化が抑制され、吹付け施工体の強度が向上する。また、施工水量の低減化によって不定形耐火物の施工体組織が緻密化する。この組織の緻密化は、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物におけるアルミナ粒子とマグネシア粒子との接触面積を大きくし、吹付け施工体使用時の高温下においてアルミナとマグネシアとの反応によるスピネル生成が促進される。このスピネルの生成は、スピネル自身の耐スラグ性と共にスピネルボンド組織形成による強度付与の効果を持つ。
耐火原料組成に占めるマグネシア微粉の割合は、1質量%未満ではマグネシアのもつ耐食性の効果が得られず、しかもアルミナとの反応によるスピネル生成量が少なくなって耐スラグ性の効果が不十分となる。30質量%を超えると、不定形耐火物施工体が使用時の熱間において、スピネル生成反応が不十分なマグネシア微粉の割合が増えるためか、スラグ浸潤層が厚くなって構造的スポーリングが原因した耐用性の低下を招く。マグネシア微粉の具体的な粒径は、アルミナとの反応性を向上させるためにJIS標準ふるいをもって、例えば1mm以下とする。さらに好ましくは150μm以下である。さらに75μm以下といった微細粒でもよい。
一方、吹付け材料を施工温度で大別すると、冷温間用吹付け材と熱間吹付け材とに分けることができる。冷温間付け材は、新たな窯炉のライニングあるいは大掛かりな補修に使用され、窯炉等の温度は常温から600℃以下の範囲で行われ、施工後の養生時間中に水和反応が進行して結合組織が生成する。これに対して、熱間吹付け材は、操業中に小規模な補修を目的に行われるため、窯炉を冷やすことなく補修作業を行うので窯炉等の温度が600℃以上の高温での作業となる。施工直後の水分の蒸発と結合剤の重合もしくは縮合反応等によって急激に結合組織が生成する。
600℃以下の温度で施工される冷温間吹付け材料としては、耐火原料粉末に対してアルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなる結合剤と、急結剤と、分散剤と、繊維とを添加し混合してなる配合組成物であって、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を25〜60質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7である吹付け材料を使用することで、低水分で混練することができ緻密な施工体が得られる。
本発明の施工方法において1次注水器を通過した後の材料は、前述のように、粉末状態の2次粒子の単位でそれぞれが分散し均一に湿潤された状態になっていると考えている。この2次粒子には、急結剤、分散剤及び結合剤が含有されているがその添加量は少なく、製造時に他の耐火原料粉末と均一に混合されているのでお互いに接触する頻度は極め低い。このため急結剤、分散剤及び結合剤のほとんどは、その効果を失効することなく2次粒子粒に存在していると考えられる。このため、材料が搬送されている間に急結剤や分散剤が水中に溶解して広範囲に拡散することがほとんどない。したがって材料が凝集しないので、水分量が増えることもない。このため、急結剤を先端部で別に添加する必要がなく、急結剤の添加量の管理や材料搬送管の洗浄という煩雑な作業も不要となる。しかも低水分で緻密な施工体が得られる。
ただし本発明では施工水を100μm以下の微粒化水が発生する条件で添加しているため、湿潤効果が非常に高く、このため、急結剤、分散剤及び結合剤の溶解拡散を抑制しながら効果的に施工水を添加するには、比表面積の大きな10μm未満の超微粉原料が有効であり、しかも75μm未満10μm以上の原料とのバランスが重要である。すなわち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7の範囲であることが好ましく、さらに0.30〜0.60の範囲がより緻密な施工体が得られることからより好ましい。0.25未満では凝集傾向になり施工水分が多くなり、0.7を超えると粉体が材料搬送管内に付着し易くなる。
また75μm未満の原料の使用量は、25質量%未満では、緻密な施工体が得られにくく、60質量%を超えると施工体の耐用性が低下する。
一方、この冷温間吹付け材料に繊維を添加しておくとより材料搬送管内へ材料が付着しにくくなる効果がある。この理由は、繊維の添加によって搬送中の材料が空気を多く含んだ、かさの低い塊りを形成するため、空気でより搬送されやすくなり材料搬送管内の内面に付着しにくくなるためではないかと推定する。一方、施工体が緻密になるので乾燥時の爆裂対策にも有効である。
さらにより好ましい冷温間吹付け材料の粒度構成は、粒径5mm以下1mm以上が20〜45質量%、粒径1mm未満75μm以上が10〜40質量%、及び粒径75μm未満が25〜60質量%であり、しかも10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7である耐火原料粉末100質量部に対して、外掛けで結合剤としてアルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種を1〜7質量部、急結剤を0.5〜5質量部、分散剤を0.01〜0.5質量部、及び繊維を0.05〜0.5質量部添加して混合してなる配合組成物である。
以上は、施工時の温度が600℃以下の場合であったが、600℃以上の温度で施工される熱間吹付け材料として好ましい材料は、耐火原料粉末に対して熱硬化性有機樹脂、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなる結合剤を添加し混合してなる配合組成物であって、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を10〜45質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7である。また、必要に応じて急結剤を添加することもできる。
この熱間吹付け材料は、従来の乾式施工方法で一般的に使用されている熱硬化性有機樹脂、リン酸塩あるいはケイ酸塩を結合剤とするタイプと似ているが、微粉の構成に特徴がある。つまり、施工水を平均粒径100μm以下の微粒化水が発生する条件で添加するため、従来の湿式材料よりも75μm未満の微粉原料を10〜45質量%と多く使用することができ、その結果非常に緻密な施工体が得られるメリットがある。
そして本発明では施工水を平均粒径が100μm以下の微粒化水が発生する条件で添加しているため、湿潤効果が非常に高く、比表面積の大きな10μm未満の超微粉原料が低水分で緻密な施工体を得るために有効であり、しかも75μm未満10μm以上の原料とのバランスが重要である。すなわち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7の範囲であることが好ましく、さらに0.30〜0.60の範囲がより緻密な施工体が得られることからより好ましい。0.25未満では凝集傾向になり施工水分が多くなり、0.7を超えると粉体が材料搬送管内に付着し易くなる。
さらに熱間吹付け材料におけるより好ましい粒度構成は、粒径5mm以下1mm以上が20〜45質量%、粒径1mm未満75μm以上が20〜45質量%、及び粒径75μm未満が10〜45質量%であり、しかも10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.3〜0.6である耐火原料粉末100質量部に対して外掛けで結合剤として熱硬化性有機樹脂、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種以上を1〜7質量部混合してなる配合組成物である。
更に、本発明の吹付け施工方法では、常温で施工した施工体において、養生後110℃で24時間以上乾燥した後、見掛け気孔率が18〜30%、かつ通気率が100×10−5cm・cm/cm・cmHO・sec以上である吹付け材料を使用した場合にはより低水分で緻密でしかも耐爆裂性に優れた施工体を得ることができる。本発明の施工方法に適用する吹付け材料は、低水分施工を前提とした設計としているため、見掛け気孔率は低下する反面、乾燥時あるいは熱間での吹付け時に爆裂を生じ易くなる場合がある。このため、通気性を持たせた施工体とすることで爆裂を防止することができる。見掛け気孔率が18%未満では、緻密になり爆裂しやすくなり、30%を超えると耐食性が低下する。通気率が100×10−5cm・cm/cm・cmHO・sec未満では、爆裂しやすくなる。前記範囲を満足する材料は、粒度構成を最適化したり、繊維等の通気性を高める添加材を入れることで得られる。例えば、75μm以下の粒度構成を調整することにより得られ、より具体的には、10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比を0.25〜0.7の範囲とすることで得ることができる。
本発明の吹付け材料に使用する耐火原料粉末としては、一般的な不定形耐火物に使用される耐火原料であれば問題なく使用することができる。例えば、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、炭素類、金属等である。また、耐火原料粉末の最大粒径は、5mmを超えると1次注水器による注水後の搬送中に分離、セグレが生じ易くなり混練効果が低下するため、耐火原料粉末のうち粒径5mm以下の原料が90質量%以上であることがより好ましく、さらにより好ましくは、耐火原料粉末のうち粒径3mm以下の原料が90質量%以上である。
冷温間吹付け材料の結合剤としては、アルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなるものを使用することができるが、強度が発現しやすい点からは、アルミナセメントがより好ましい。
熱間吹付け材料の結合剤としては、熱硬化性有機樹脂、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種以上からなるものを使用することができる。熱硬化性有機樹脂としては、フェノール樹脂やフラン樹脂を使用することができる。
分散剤は解こう剤とも称され、一般的な不定形耐火物で使用されているものであれば問題なく使用することができる。不定形耐火物施工時の流動性を付与する効果をもつ。具体例としては、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ポリメタリン酸塩などの無機塩、クエン酸ソーダ、酒石酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸塩類、ナフタリンスルフォン酸、カルボキシル基含有ポリエーテル系分散剤等である。
急結剤は施工水の存在下で結合剤と反応し、不定形耐火物を急速に硬化させ、不定形耐火物に付着性を付与する。急結剤は粉末状態で不定形耐火物に当初から混入させておく他、急結剤を吹付けノズルの近傍で且つ二次注水箇所より前方にて添加してもよい。急結剤を吹付けノズルまたはその近傍で添加する場合は、必要により、急結剤を水で希釈した液状で使用する。
急結剤の具体例を挙げると、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩、CaO・Al、12CaO・7Al、CaO・2Al、3CaO・Al、3CaO・3Al・CaF、11CaO・7Al・CaFなどのカルシウムアルミネート類、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩などである。
ただし、本発明の冷温間吹付け材料に使用する急結剤としては、アルミン酸ソーダまたは消石灰のいずれも粉末が、施工体の強度に優れる面からより好ましい。また本発明の熱間吹付け材料に使用する急結剤としては、消石灰、活性マグネシア、あるいは硫酸塩の粉末が、施工体の強度に優れる面からより好ましい。
繊維は、通常の不定形耐火物で爆裂防止等の目的で使用されている繊維を使用することができ、例えば、ビニロン、ナイロン、PVA、ポリビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、炭素等である。
平均粒径が100μm以下の気泡を0.1〜30体積%含有する施工水を材料搬送管内に注水することで、従来の水のみを添加する場合と比較して低水分で緻密な施工体が得らる。
材料搬送管内へ注水された水流が平均粒径100μm以下の微粒化水となる条件で施工されるため、低水分で良好な混練効果が得られるためバラツキの少ない緻密な施工体が得られ、炉の寿命が向上する。また、ミキサー等の特別な混練装置を必要とせず、しかも材料搬送管が詰まることもないので、作業中のトラブルが減少し、洗浄作業も軽減されるので作業性に非常に優れる施工方法となる。
吹付け材料が、粒径75μm以下の炭化ケイ素を5〜30質量%含むアルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物である場合には従来の施工方法と比較して施工水との馴じみが良く、材料搬送管内での施工水の添加では不定形耐火物と施工水との混和が十分となり、付着性の向上と共に、発塵が抑制される。そして、施工体の緻密性が向上する。
吹付け材料が、マグネシア微粉を1〜30質量%含み、残部がアルミナを主体とするアルミナ−マグネシア質不定形耐火物である場合には施工体の消化抑制とスピネル生成の促進によって、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物がもつ容積安定性および耐食性の効果がいかんなく発揮され、吹付け施工体の耐用性は格段に向上する。
また、耐火原料粉末に対してアルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなる結合剤と、急結剤と、分散剤と、繊維とを添加し混合してなる配合組成物であって、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を25〜60質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7で構成された材料を使用した場合、従来の湿式施工方法と比べて、少ない添加水分量で混練することができるので高品質でしかもばらつきの少ない施工体が得られ、炉の寿命が向上する。さらに、従来のように急結剤の添加量の管理や材料搬送管の洗浄という煩雑な作業もほんどなく、作業効率が向上する。
さらに、耐火原料粉末に対して結合剤として熱硬化性有機樹脂、リン酸塩またはケイ酸塩を添加し混合してなる配合組成物であって、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を10〜45質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7で構成された材料を使用した場合、従来の乾式施工方法と比べて少ない添加水分量で混練することができるので高品質でしかもばらつきの少ない施工体が得られ、炉の寿命が向上する。また、大掛かりな専用のミキサーを設置することがないので作業性に優れている。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の不定形耐火物の吹付け施工方法を実施するための吹付け装置10の全体構成を示す。
同図において、1は吹付け材料2が収納された材料供給機を示す。材料供給機1は、一般に不定形耐火物の吹付け装置に使用されているもので定量吐出できるものであれば、ロテクターガン、リードガン、野上セメントガン等の如何なるタイプのものでも問題なく使用することができる。
この材料供給機1内の吹付け材料2は、材料供給機1内に供給される圧縮空気によって内圧が調整され、下端に設けられたモータMによって駆動するテーブルフィーダー3によって、材料供給機1から先端吹付けノズル4まで配置された搬送ホース5に供給される。
搬送ホース5にはテーブルフィーダー3の搬送空気導入箇所6を通して搬送空気が供給され、材料供給機1からの吹付け材料2を搬送ホース5の先端吹付けノズル4から対象体9に吹き付け施工する。
この搬送ホース5には、材料供給機1の直後に1次注水器7が、また、先端吹付けノズル4の直前には2次注水器8が設けられている。
この1次注水器7及び2次注水器8は、搬送ホース5内で微粒化水を発生させ、空気搬送される吹付け材料に2段階で注水し、吹付け材料を湿潤する。
また、それぞれの注水器は気泡発生器23を有している。この気泡発生器23としては、100μm以下の気泡を発生するマイクロバブル発生装置を使用している。マイクロバブル発生装置には色々なタイプがあるが、装置内に加圧水と空気(場合によっては加圧空気)を供給し攪拌することで数μmから数十μmの気泡を発生させるものである。これらは一般に市販されており、例えば、西華産業株式会社製のOHRラインミキサー、ナノプラネット研究所のマイクロナノバブル発生装置等を使用することができる。また、マイクロバブル発生装置を複数連結して使用することで、気泡の密度を高めることもできる。図1の実施例においては、気泡発生器23としてはOHRラインミキサーを使用した。
図2は、注水器の構成を搬送ホース5に沿って切断した断面によって示す。注水器としては、図1に示す1次注水器7と2次注水器8とも同様の構造のものを適用することができる。
注水器7(8)は外筒11とその内部に設けられた内筒12とからなる。注水器7(8)は、注水器を貫通する図示しないボルトで搬送ホース5間に固定されている。吹付け材料は搬送ホース5内を図中の矢印の方向に空気搬送される。注水器の外筒11と内筒12との間には、加圧水の圧力が均一になるように溜りとして、円周方向に連続した均圧室13が形成されている。
この均圧室13には材料搬送方向に傾斜した注水口14が形成されている。この注水口14は、図2に示すように、搬送ホース5の搬送方向の軸心に向かって、矢印で示す材料進行方向とのなす角度αが30〜70度となるように傾斜して形成されている。この実施例の注水口は、内径は0.8mm、傾斜角度αは45度であり、円周方向に沿って等間隔に合計12個設けられている。
また、図2の例においては注水口として断面が円形の貫通孔を12個設けたが、この12個の貫通孔の代わりに、図5に示すように注水口を連続するスリットとすることも可能である。
図2において点線で示す微粒化水の動きは、実験用として注水器の両側に透明な材質の円筒を接続し、吹付け材料は導入せず、加圧水のみを供給した状態を観察した概略図を示している。注水口14から水は水流となって吐出し中央部で衝突して微粒化水となりその後ほぼ平行に流れて並流噴霧流Aを形成している。この状態で、材料搬送空気を供給すると、衝突の中心がやや大きく不明確になってくるが笠状の並流噴霧流が形成される。本発明では、この材料搬送用空気を供給した状態で100μm以下の微粒化水が発生することとする。この状態において微粒化水の大きさを100μm以下にするためには、注水口の内径、傾斜角度、数、さらには注水口から吐出される水流の流速、水圧等を最適条件にすれば良い。
図3には、本発明に使用する混合管を示す。この混合管16は、両側にフランジを有する円筒で、内孔は、内径が材料搬送管5より小さい絞り部17と、その両側のテーパー部18、さらにその両側に材料搬送管の内径Dと同じストレート部19とからなっている。絞り部の内径dは、材料搬送管の内径Dに対して0.5D以上0.9D以下となっている。この混合管は、2次注水器の前後のいずれか一方もしく両方に設けることができる。この混合管を2次注水器の前後に配置すると、より混練効果が高まりバラツキの少ない施工体が得られる。
図4は、100μm以下の気泡を含む施工水を発生するための別の実施例である気泡供給ラインの例を示す。この気泡供給ラインで発生する100μm以下の気泡を含む施工水を吹付け施工装置の注水器に供給する。図4においては、気泡安定剤導入管21と施工水導入管20とを備える施工水タンク22の底部に気泡発生器23が接続されている。この気泡発生器23には、エアー配管27と施工水循環配管28が接続されている。施工水循環配管28は、減圧弁24と開閉バルブ25を有して他端は施工水昇圧ポンプ29に接続されている。施工水昇圧ポンプ29には、もう一方の施工水循環配管28が接続されている。このもう一方の施工水循環配管28の他端は、施工水タンク22の底部に接続されている。ここで、気泡発生器23は、100μm以下の気泡を発生するためのもので、マイクロバブル発生装置などと称されて一般に市販されているものを使用することができる。図4においては、西華産業株式会社製の商品名OHRラインミキサーを使用した。この気泡供給ラインにおいては、気泡を含む加圧水を流量調整弁26を介して吹付け施工装置まで輸送することができる。そして、気泡安定剤導入管21より気泡安定剤を添加することで、気泡密度低下を抑制している。気泡安定化剤は、より小さな気泡を形成しやすくししかも気泡の合体や浮上を抑制する目的で添加するもので界面活性剤等の公知の物質を使用することができる。
上記各図に示す吹付け装置10による吹付けは以下の要領で施工される。
まず、従来の乾式吹付け方法と同様に、材料供給機1の吹付け材料を搬送空気導入箇所6からの搬送空気により搬送ホース5内を空気搬送させる。それと同時に、加圧した水を気泡発生器23を介して、1次注水器7及び2次注水器8の施工水導入口15に供給することで、空気搬送されている吹付け材料に注水する。注水器から注水される水流は、搬送ホース5内で他の水流あるいは吹付け材料と衝突することで微粒化水となる。この微粒化水が吹付け材料を均一に湿潤し均一に混練する。
そして、先端吹付けノズル4を操作して、炉壁等の対象体9に十分混練された不定形耐火物を吹付ける。
図1に示す1次注水器7と2次注水器8との距離間隔については、特に限定することはないが、ある程度離れていた方が混練効果の面から好ましい。最低1m以上の間隔を設けることが好ましい。すなわち1次注水器は2次注水器の上流側1m以上から材料供給機1までの間であれば特に制約なく設けることができる。
2次注水器8は、先端吹付けノズル4本体あるいはその直前付近に設けることができる。先端吹付けノズルの先端から離れ過ぎると搬送ホースや先端吹付けノズルが詰まりやすくなる。搬送ホースの長さについても特に限定されず例えば10〜100mの間であれば問題なく使用することができる。
表1は、耐火原料粉末として粒度調整したマグネシアクリンカー100質量部に対して、結合剤として粉末状のフェノール樹脂を4質量部使用した吹付け材料に対して種々の注水条件で吹付けテストを行った結果を示す。なお、注水器は先端吹付けノズルの先端から1.7mの位置に1ヶ所のみ設け、先端吹付けノズルの長さは1.5mである。また、吹付け材料の搬送用空気の流量は4.5Nm/min、圧力は0.25MPa、注水器の注水口の傾斜角度は45度とし、材料搬送管の内径は35mm、注水器に供給する水の元圧は1.0MPaとした。施工水量は、吹付け状況や施工体の状況に応じて調整した。このとき、微粒化水の平均粒径を吹付け材料は供給せず吹付け材料の搬送用空気のみを供給した状態でレーザードップラー法にて測定したところ21μm(体積平均粒径)であった。なお、測定位置は、注水器の注水口より300mm下流部である。微粒化水の粒径の測定装置としては、米国TSI社の商品名「AEROMETRICS」を使用した。テストは水平方向に約1m離れた位置に、垂直に置いた金枠(深さ40mm、幅160mm、長さ400mm)へ吹付け施工し、110℃で乾燥後の施工体の品質を調べたものである。
また、施工水中の気泡の平均粒径は、気泡発生器から出た直後の水をビデオカメラで撮影し画像解析することで平均粒径を測定した。また気泡の体積割合は、施工条件と同一の条件で気泡発生器へ水と空気を供給し、一定時間に排出された水の前後の体積を測定することで計算した。その結果、気泡の平均粒径は37μm、気泡の割合は5体積%であった。
Figure 2007155215
表1において、実施例1から実施例4は注水口の内径と水流の流速を変化させたものであるが、本発明の範囲内であり、低水分で緻密な施工体が得られている。
次に、表2、表3、及び表4に示す配合割合において、図1及び図2に示す施工方法で吹付けテストを実施した結果について説明する。1次注水器は先端吹付けノズルの先端から20mの位置、2次注水器は先端吹付けノズルの先端から1.7mの位置、先端吹付けノズルの長さは1.5mである。また、吹付け材料の搬送用空気の流量は4.8Nm/min、圧力は0.27MPa、1次注水器の水流の流速は9.5〜10m/s、注水口の内径は0.8mm、注水口の数は8個、注水口の傾斜角度は50度、2次注水器も同数値とし、注水器及び材料搬送管の内径は35mm、それぞれの注水器に供給する水の元圧は0.9〜1.1MPaとした。施工水量は、吹付け状況や施工体の状況に応じて調整した。このとき、微粒化水の平均粒径を吹付け材料は供給せず吹付け材料の搬送用空気のみを供給した状態でレーザードップラー法にて測定したところ24μm(体積平均粒径)であった。なお、測定位置は、注水器の注水口より300mm下流部である。また施工水中の、気泡の平均粒径は37μm、気泡の割合は5体積%であった。テストは水平方向に約1m離れた位置に、垂直に置いた金枠(深さ40mm、幅160mm、長さ400mm)へ吹付け施工し、110℃で乾燥後の施工体の品質を調べたものである。回転侵食試験については、表2では高炉スラグを使用し1550℃×4時間行い、表3、表4では転炉スラグを用い1650℃×4時間行い試験片の残存厚みを比較した。通気率の測定方法はJISR2115に従った。
表2は、冷温間吹付け材の例で、粒径75μm以下の炭化ケイ素を10質量%含み、残部がアルミナからなる耐火原料粉末を使用したアルミナ−炭化ケイ素質吹付け材において、微粉部の施工体に与える影響について調査した結果を示す。結合剤、急結剤、及び分散剤は粉末状のものを使用し、耐火原料粉末及び繊維とあらかじめ均一に混合した配合組成物を使用した。実施例5〜12は、粒径75μm未満の原料の割合、及び10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が本発明の範囲内であり、低水分で緻密な施工体が得られている。これに対して比較例1は10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.2と小さいため、急結剤が凝集傾向になり添加水分が増えるため緻密な施工体が得られなかった。比較例2は10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.8と大きいため、材料搬送管が詰り気味になりノズルから材料が吐出する際に不安定となり良好な施工体が得られなかった。比較例3は粒径75μm未満の原料が不足し、低強度な施工体となっている。比較例4は粒径75μm未満の原料が多すぎて耐食性が悪い。
Figure 2007155215
表3は熱間吹付け材の例で、粒径75μm以下のマグネシアを10質量%含み、残部がアルミナからなる耐火原料粉末を使用したアルミナ−マグネシア材質吹付け材において微粉部の施工体に与える影響について調査した結果を示す。結合剤と急結剤は粉末状のものを使用し耐火原料粉末とあらかじめ均一に混合した配合組成物を使用した。実施例13〜20は、粒径75μm未満の原料の割合、及び10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が本発明の範囲内であり、低水分で緻密な施工体が得られている。これに対して比較例5は10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.2と小さいため、急結剤が凝集傾向になり添加水分が増えるため緻密な施工体が得られなかった。比較例6は10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.8と大きいため、材料搬送管が詰り気味になりノズルから材料が吐出する際に不安定となり良好な施工体が得られなかった。比較例7は粒径75μm未満の原料が不足し、低強度な施工体となっている。比較例8は粒径75μm未満の原料が多すぎて耐食性が悪い。
Figure 2007155215
表4は結合剤としてフェノール樹脂を使用した熱間吹付け材の例で、粒径75μm以下のマグネシアを10質量%含み、残部もマグネシアクリンカーからなる耐火原料粉末を使用したマグネシア材質吹付け材において微粉部の施工体に与える影響について調査した結果を示す。結合剤は粉末状のものを使用し耐火原料粉末とあらかじめ均一に混合した配合組成物を使用した。実施例21〜28は、粒径75μm未満の原料の割合、及び10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が本発明の範囲内であり、低水分で緻密な施工体が得られている。これに対して比較例9は10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.2と小さいため、添加水分が増えるため緻密な施工体が得られなかった。比較例10は10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.8と大きいため、材料搬送管が詰り気味になりノズルから材料が吐出する際に不安定となり良好な施工体が得られなかった。比較例11は粒径75μm未満の原料が不足し、低強度な施工体となっている。比較例12は粒径75μm未満の原料が多すぎて耐食性が悪い。
Figure 2007155215
本発明は、各種の冶金炉、窯業炉の各部位の吹付け補修、築炉に好適に使用できる。
本発明の不定形耐火物の吹付け施工方法を実施するための装置の全体構成を示す。 本発明で使用する注水器の構成を示す。 混合管の断面を示す。 気泡供給ラインの構成を示す。 注水器の第二の実施例を示す。
符号の説明
1 材料供給機
2 吹付け材料(乾燥耐火物)
3 テーブルフィーダー
4 先端吹付けノズル
5 搬送ホ−ス
6 搬送空気導入箇所
7 1次注水器
8 2次注水器
9 対象体
10 吹付け装置
11 外筒
12 内筒
13 均圧室
14 注水孔
15 施工水導入口
16 混合管
17 絞り部
18 テーパー部
19 ストレート部
20 施工水導入管
21 気泡安定剤導入管
22 施工水タンク
23 気泡発生器
24 減圧弁
25 開閉バルブ
26 流量調整弁
27 エアー配管
28 施工水循環配管
29 施工水昇圧ポンプ

Claims (11)

  1. 材料搬送管内を搬送される吹付け材料に対して注水器から施工水を注水して吹付ける不定形耐火物の吹付け施工方法であって、材料搬送管内へ注水器から平均粒径100μm以下の気泡を0.1〜30体積%含有する施工水を、材料搬送方向に対して30〜70度傾斜し、材料搬送管内のほぼ中心で衝突するように注水し、平均粒径100μm以下の微粒化水を発生させることを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法。
  2. 材料搬送管において上流側に1次注水器と下流側に2次注水器とを設けて2ヶ所から吹付け材料に施工水を注水し、1次注水器からは全施工水の10〜50質量%の施工水を注水し、2次注水器からは施工に必要な残りの施工水を注水して吹付ける不定形耐火物の吹付け施工方法であって、少なくとも1次注水器から平均粒径100μm以下の気泡を0.1〜30体積%含有する施工水を、材料搬送方向に対して30〜70度傾斜し、材料搬送管内のほぼ中心で衝突するように注水し、平均粒径100μm以下の微粒化水を発生させることを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法。
  3. 注水器から注水される水の流速が7m/s以上である請求項1または請求項2に記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  4. 吹付け材料が、粒径75μm以下の炭化ケイ素を5〜30質量%含むアルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物である請求項1〜3のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  5. 吹付け材料が、マグネシア微粉を1〜30質量%含み、残部がアルミナを主体とするアルミナ−マグネシア質不定形耐火物である請求項1〜3のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  6. 冷温間で施工される冷温間吹付け材料であって、耐火原料粉末に対してアルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなる結合剤と、急結剤と、分散剤と、繊維とを添加し混合してなり、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を25〜60質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法で使用される吹付け材料。
  7. 熱間で施工される熱間吹付け材料であって、耐火原料粉末に対して結合剤として熱硬化性有機樹脂、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種以上を添加し混合してなり、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を10〜45質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法で使用される吹付け材料。
  8. 結合剤がアルミナセメントで、急結剤がアルミン酸ソーダまたは消石灰のいずれも粉末である請求項6に記載の吹付け材料。
  9. 結合剤がリン酸塩またはケイ酸で、急結剤として消石灰、活性マグネシア、あるいは硫酸塩を使用し、いずれも粉末である請求項7に記載の吹付け材料。
  10. 常温で吹付け施工した施工体において、養生後110℃で24時間以上乾燥した後、見掛け気孔率が18〜30%、かつ通気率が100×10−5cm・cm/cm・cmHO・sec以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法で使用される吹付け材料。
  11. 常温で吹付け施工した施工体において、養生後110℃で24時間以上乾燥した後、見掛け気孔率が18〜30%、かつ通気率が100×10−5cm・cm/cm・cmHO・sec以上である請求項6〜9のいずれかに記載の吹付け材料。
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