JP6393437B1 - 不定形耐火物の吹付け施工方法及びそれに使用する吹付け材料 - Google Patents
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Abstract
Description
湿式施工方法は施工水を予め材料へ添加して混練しスラリー状とした吹付け材料を圧送して先端吹付けノズル部において急結剤等を添加して吹付ける工法である。他方、乾式施工方法は吹付け材料を乾燥状態でガス搬送し、先端吹付けノズル部で施工水を注水して吹付ける工法である。
しかしながら、本発明者らがこの吹付け施工方法による吹付け施工を数多く実施したところ、吹付け材料の吐出量が変動したり、吹付け材料と施工水とが分離したりする現象が散見され、吹付け施工の安定性に改善の余地があることがわかった。
材料供給機から先端吹付けノズルに至る材料搬送管に注水器を設け、この注水器から材料搬送管内を搬送される吹付け材料に施工水を注水する不定形耐火物の吹付け施工方法であって、
前記注水器に導入される施工水を搬送するための施工水搬送用ガスの流量(Nm3/min)と施工水量(m3/min)との比(施工水搬送用ガスの流量/施工水量)が100以上1000以下である、不定形耐火物の吹付け施工方法。
注水器7からは、材料搬送管5内を搬送される吹付け材料2に施工水が施工水搬送用ガスと共に供給される。この注水器7の構成は特に限定されず、材料搬送管5内に施工水を施工水搬送用ガスと共に供給(注水)できるものであればよい。この注水器7からは、施工水が施工水搬送用ガスと共に注水されるから、その施工水は、いわゆる噴霧水(微粒化水)となる。
この注水器7を設ける位置は、先端吹付けノズル4先端から0.5m以上5m未満の範囲が好ましく、より好ましくは、0.5m以上3m未満である。なお、先端吹付けノズル4の長さは、概ね1m以上10m以下である。
本発明の吹付け施工方法の特徴は、注水器7に導入される施工水を搬送するための施工水搬送用ガスの流量(Nm3/min)と施工水量(m3/min)との比(施工水搬送用ガスの流量/施工水量)(以下「ガス・施工水量比」という。)を100以上1000以下とすることにある。このガス・施工水量比を100以上1000以下とすることで、施工水の混水性と吹付け材料の搬送性が向上し、吹付け施工の安定性が向上する。
これに対して、ガス・施工水量比が100未満であると、施工水搬送用ガスの流量が少ないため、材料搬送管5に水が入りにくくなり、混水性が低下する。
一方、ガス・施工水量比が1000を超えると、施工水搬送用ガスの流量が多すぎるため、噴霧水同士の衝突により粒子の大きな水しぶきが生じて、施工水が不均一な分布となる。そうすると混水性が低下する。また、水しぶきが材料搬送管5の内壁へ不均一な状態で付着すると吹付け材料の閉塞が生じる。例えば、材料搬送管5の断面において下側部分に水しぶきが付着すると、この下側部分にだけ吹付け材料が固着してしまい(下側部分にだけ吹付け材料が固着し、上側部分には吹付け材料が固着しない状態)、吹付け材料の閉塞が生じる。そうすると搬送性が低下する。
このガス・施工水量比は250以上800以下であることが好ましい。
圧縮度(%)=(密充填嵩密度−疎充填嵩密度)/密充填嵩密度×100
なお、詳細は後述するが、本発明で使用する吹付け材料は耐火原料粉末に加えて繊維を含有することがあるところ、繊維を含有する場合、圧縮度の評価(密充填嵩密度及び疎充填嵩密度の測定)は、繊維を除いた状態で実施するものとする。すなわち、吹付け材料が繊維を含有する場合、本発明でいう圧縮度とは、繊維を除いた吹付け材料について評価したものをいう。
すなわち、粒径2mm超の粒子の含有量が30質量%を超えると、この粒径2mm超の粒子が多くなるので吹付け材料内の隙間が大きくなり、外力によりその隙間の中に微粉が流れ込んで組織が密になるので圧縮度が32%を超えてしまうことがある。
また、粒径45μm以下の粒子の含有量が30質量%を超えると、この粒径45μm未満の粒子が多いので、吹付け材料が多量の空気を含むこととなり、外力により凝集しやすくなって圧縮度が32%を超えてしまうことがある。なお、粒径45μm未満の粒子の含有量が3質量%未満であると、良好な吹付け施工体を形成できにくくなる。
ここで、本発明において、粒子の粒径がd超とは、その粒子が目開きdの篩上に残る粒度であることを意味し、粒子の粒径がd以下とは、その粒子が目開きdの篩を通過する粒度であることを意味する。
同様にこの吹込手段8から施工水量(Nm3/min)は、前述のガス・施工水量比の計算においては、「施工水量(m3/min)」として合算するものとする。
なお、この固気比の計算に用いる「搬送用ガスの合計流量(Nm3/min)」とは、吹付け材料搬送用ガス導入管6からの吹付け材料搬送用ガスの流量(Nm3/min)と、注水器7からの施工水搬送用ガスの流量(Nm3/min)と、吹込手段8を使用した場合のこの吹込手段8からのガスの流量(Nm3/min)の合計流量(Nm3/min)のことをいう。
急結剤の具体例を挙げると、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩、CaO・Al2O3、12CaO・7Al2O3、CaO・2Al2O3、3CaO・Al2O3、3CaO・3Al2O3・CaF2、11CaO・7Al2O3・CaF2などのカルシウムアルミネート類、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩などである。
表1に、本発明の第一の実施例を示している。この実施例では、図1の吹付け装置において吹込手段8を使用せずに吹付け施工を実施した。すなわち、この実施例では施工水及び施工水搬送用ガスは注水器7のみから供給した。施工水搬送用ガス及び吹付け材料搬送用ガスの圧力は0.2MPa以上0.5MPa以下の範囲とした。
吹付け材料は、耐火性粉末としてアルミナ−シリカ質粉末、結合剤として消石灰、及び分散剤としてケイ酸塩を所定の割合で混合したものとし、この吹付け材料を図1の吹付け装置にて吹付け、そのときの混水性と搬送性を評価した。そして、これらの評価結果に基づいて総合評価を行った。
○(優):両方の評価結果とも○(優)。
△(良):少なくとも一方の評価結果が△(良)、かつ×(不良)の評価結果がない。
×(不良):少なくとも一方の評価結果が×(不良)。
表2に、本発明の第二の実施例を示している。この実施例では、図1の吹付け装置において吹込手段8を使用して吹付け施工を実施した。施工水搬送用ガス、吹付け材料搬送用ガス及び吹込手段8から吹き込むガスの圧力は、第一の実施例と同じ0.2MPa以上0.5MPa以下の範囲とした。
吹付け材料も、第一の実施例と同じ材料構成のものを使用し、混水性及び搬送性の評価方法、並びに総合評価の基準も第一の実施例と同じとした。
2 吹付け材料
3 テーブルフィーダー
4 先端吹付けノズル
5 材料搬送管
6 吹付け材料搬送用ガス導入管
7 注水器
8 吹込手段
A 吹付け対象体
Claims (7)
- 材料供給機から先端吹付けノズルに至る材料搬送管に注水器を設け、この注水器から材料搬送管内を搬送される吹付け材料に施工水を注水する不定形耐火物の吹付け施工方法であって、
前記注水器に導入される施工水を搬送するための施工水搬送用ガスの流量(Nm3/min)と施工水量(m3/min)との比(施工水搬送用ガスの流量/施工水量)が100以上1000以下である、不定形耐火物の吹付け施工方法。 - 前記施工水搬送用ガスの流量(Nm3/min)と、吹付け材料を搬送するための吹付け材料搬送用ガスの流量(Nm3/min)との比(施工水搬送用ガスの流量/吹付け材料搬送用ガスの流量)が0.07以上2以下であり、かつ、前記吹付け材料の圧縮度が32%以下である、請求項1に記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
- 前記吹付け材料にガス又はガスと共に施工水を吹き込む吹込手段を前記注水器の上流側に設け、
前記吹込手段からの施工水量は全施工水量の20質量%以下(0質量%を含む。)であり、かつ、前記注水器から全施工水量の残りの施工水を注水する、請求項1又は2に記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。 - 吹付け材料の吐出量(kg/min)と搬送用ガスの合計流量(Nm3/min)との比(吹付け材料の吐出量/搬送用ガスの合計流量)が1以上20以下である、請求項1から3のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
- 吹付け材料中における粒径2mm超の粒子の含有量が30質量%以下(0質量%を含む。)であり、粒径45μm以下の粒子の含有量が3質量%以上30質量%以下である、請求項1から4のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
- 請求項1から5のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法に使用する吹付け材料であって、圧縮度が32%以下である、吹付け材料。
- 粒径2mm超の粒子の含有量が30質量%以下(0質量%を含む。)であり、粒径45μm以下の粒子の含有量が3質量%以上30質量%以下である、請求項6に記載の吹付け材料。
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