JP4669362B2 - 不定形耐火物の吹付け施工方法、それに使用する吹付け材料、及び施工装置 - Google Patents

不定形耐火物の吹付け施工方法、それに使用する吹付け材料、及び施工装置 Download PDF

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Description

本発明は、高炉、樋、混銑車、転炉、取鍋、2次精錬炉、タンディッシュ、セメントロータリーキルン、廃棄物溶融炉、焼却炉、あるいは非鉄金属容器等の各種金属容器や窯炉の築炉または補修に際しての不定形耐火物の吹付け施工方法、それに使用する吹付け材料、及び施工装置に関する。
不定形耐火物の吹付け施工方法は湿式施工方法と乾式施工方法とに大別できる。
湿式施工方法は施工水を予め材料へ添加して混練しスラリー状とした不定形耐火物を圧送して先端ノズル部において急結材等を添加して吹付ける工法である。他方、乾式施工方法は不定形耐火物を乾燥状態で空気搬送し、先端のノズル部で施工水を注水して吹付ける工法である。
湿式施工方法は乾式施工方法に比べて付着性に優れた緻密質の耐火物の吹付け施工体を形成することができ、施工に際しての発塵量が少ない等の効果がある。反面、吹付けに際して混練装置やスラリー圧送装置が必要で、その上、装置の構造が複雑で高価であり、また、吹付け作業後はスラリー状不定形耐火物が混練装置や搬送ホース内に付着し、その洗浄作業に手間取るという欠点がある。
これに対して、乾式施工方法は、基本的には乾燥状態で空気搬送された耐火物に先端ノズル部で、施工水を注水するのみであるので、吹付装置は簡単で作業性に優れているが、吹付け材料には水分が十分に混合されない状態での吹付けであるため、吹付けに際して、粉塵が多く発生し、吹付け施工体の耐火物組織も不均一となる傾向があり、付着率、接着強度及び耐食性も劣ったものとなる。湿式施工方法と比較すると混練効果が低く水分使用量が多いため緻密な施工体が得られにくいという欠点もある。
そこで、乾式施工方法の改良として、材料を搬送するホースの搬送経路内で注水してホース内での材料同士あるいは材料とホース内面との衝突による混練効果を狙った乾式施工方法が過去検討されている。この方法は、乾式施工方法の欠点である発塵を防止し吹付け施工体の品質を向上する利点がある。
例えば、特許文献1には、吹付材料搬送用圧縮エアーの配管と吹付けノズルの2ヶ所で水を添加する吹付け施工方法が記載されている。そして、吹付材料搬送用圧縮エアー中には予備混練として水を噴霧することが記載されている。このように水をエアー中に均一に分散させて添加することで、混練不足を解消し短いノズルの使用を可能とし、局部的な水分の不均一に起因するホース内の材料付着を防止することができると記載されている。
しかしながら、実際の施工現場ではホースが30m〜50mにもなる場合があり、上流側の水分添加位置が材料供給器付近にある特許文献1の方法では、吹付けノズルまでの搬送中に材料の粗粒部と微粉部が分離してしまう(セグレが生じる)問題がある。その結果、先端のノズル部で水を注水するのみの方法では、セグレを解消することができず、微粉部と粗粒部とが分離した組織が不均一な施工体になってしまう。しかも、発塵も多く、搬送管内に微粉が付着堆積してしまう問題もある。このため、従来の乾式施工方法と比較して低水分で緻密な施工することができなかった。
そこで、ホースが長い場合でも、一旦分離してセグレが生じた材料をホース内で再度混和する方法もいくつか提案されている。例えば特許文献2には、吹付けノズル内に振動部材を取り付けると共に振動部材に吹き込むための気体供給部をノズル管に設けた吹付けノズルが開示されている。この方法では、確かにより均一な施工体が得られるが、ノズルに注水部に加えて気体を吹き込むための供給構造が必要になり、ノズルが複雑で重くなり作業者に負担がかかる問題がある。さらに、振動部材が耐火物によって摩耗するために頻繁に交換する手間がかかる問題がある。
また、特許文献3には、空気搬送された不定形耐火組成物に吹付けノズル手前でウオーターリングを通して流し込み軟度の作業性が得られる施工水分量と圧搾空気を添加し、さらに吹付けノズル部で凝集剤又は保形性付与剤を添加して吹付け施工する2段階注水方法が開示されている。この方法においては、施工水分を高圧の圧搾空気を用いて添加すれば、その強力な攪拌作用によって不定形耐火物と水との均一混合が短時間でできることが記載されている。この結果リバウンドロスによる環境悪化や水分増加による施工体の品質劣化等の従来の乾式法や半乾式施工法が有する問題点や、吹き込み装置が複雑になるとか、掃除が面倒であるとか、残剤廃棄量が多い等の問題が解決されると記載されている。しかしながら、この施工法では、ウオーターリングにおいて一度にスラリー状態になるほどの大量の水分をしかも吹付けノズル手前で添加するため吹付け材料中に水分が均一に分散することができずしかも十分な混練効果が得られない。このため緻密な施工体が得られ難い問題がある。また、混練効果を上げるために吹付けノズルよりも離れた位置にウオーターリングを設けることも考えられるが、搬送ホースが詰まり易くなりまた洗浄作業の手間を要することになる。
さらに、特許文献4には、耐火材料骨材、耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤を含む吹付け材料を粉末の状態で気流にのせて搬送管内に送り込み、搬送管の途中で施工水を全量注水し、その後も気流(空気)搬送し、吹付けノズルを通じて吹付ける吹付け施工方法が開示されている。そして、搬送管の途中で施工水を全量注水して湿潤状態になった後でも不定形耐火物組成は搬送管に付着するような粘性にはならず、従来の湿式吹付け施工方法と同程度の添加水分量と施工体の品質が得られるとされている。
しかしながら、この方法でテストを行ったところ、単に搬送管の途中で施工水を全量注水しただけでは、粉末材料とくに材料中の超微粉原料に対する水のなじみが悪く、混練状態が不十分となり、リバウンドロスと発塵が多く作業性に劣ったものとなり、安定した品質の吹付け施工体が得られなくなるという欠点があることが分かった。
そのため、作業性を満足させるためには、どうしても水分量を増すことになり、場所により水分量のバラツキが生じ、水分が多すぎる部位は高気孔率になり、逆に少なすぎる部位においては結合不十分となり、いずれの部位も所定の耐用性が得られなくなる問題がある。また、ノズル孔から離れた位置から水分を添加すると急結剤の溶解によって材料が凝集し始めるため添加水分量が増え、しかも搬送管の洗浄という煩雑な作業が増える問題がある。
また、この特許文献4にはプレモイストとして水分を添加することも開示されているが、これは発塵防止効果を目的としたものであり、この程度の水分を添加しただけでは予備混練効果が得られない。
特開昭63−31562号公報 特開昭63−1471 特開平10−316478号公報 特開2002−220288号公報
本発明の課題は、材料搬送管の途中で水分を添加する吹付け施工において、材料搬送管が長くなっても、水分と吹付け材料との混練効果を高め、材料搬送管内への材料付着を回避し、均一でしかも低水分で緻密な施工体を得る作業性に優れた吹付け施工方法とそれに使用する材料、その装置を提供することにある。
本発明は、材料供給機から先端吹付けノズルに至る材料搬送管に1次注水器を設けると共に先端吹付けノズル直前に2次注水器を設け、それぞれの注水器から材料搬送管内を搬送される吹付け材料に注水する不定形耐火物の吹付け施工方法であって、前記1次注水器は、前記2次注水器の上流側に5〜20mの間隔を空けて設け、1次注水器からは全施工水の10〜50質量%の施工水を添加し、2次注水器から施工に必要な残りの施工水を注水し、しかも1次注水器の上流側5m以内の位置で材料搬送管に圧縮空気を吹き込み、さらに1次注水器では平均粒径40μm以下の微粒化水を圧縮空気と共に注水することを特徴とする。
本発明において、1次注水器の上流側5m以内の位置で材料搬送管に圧縮空気を吹き込むことで、圧縮空気によって材料が均一に混合される。そしてこの均一な状態の材料は、混合された直後に1次注水器から全施工水の10〜50質量%の施工水が微粒化水として添加されて均一に湿潤され、その後材料搬送管内を搬送中に十分混練される。そして2次注水器から施工に必要な残りの施工水を注水されることで、スラリー状になった吹き付け材料が吹付けノズルから吐出し、セグレを生じることなく均一で緻密な施工体が得られる。この時、圧縮空気を吹き込む位置が、1次注水器から上流側5mを越える場合には、圧縮空気による混合効果が薄れてくるので吹付け材料を均一に湿潤できにくくなり均一な混練が得られにくい。
本発明では、2次注水器からも材料搬送管内を搬送される吹付け材料に平均粒径40μm以下の微粒化水を噴霧注水することが好ましい。これによって、添加される水の比表面積が大きくなり、従来の水の添加方法と比較して格段に材料を均一に湿潤することができるため、材料搬送管内を高速で移動する材料粉末に対しても短時間でより高い混練効果が得られる。特に微細な原料粒子に対するより均一な湿潤化の効果が大きい。その結果、低水分で緻密な施工体が得られる。
微粒化水の平均粒径はレーザードップラー法によって測定することができる。微粒化水の平均粒径が40μmより大きな場合には、水の比表面積が小さくなり吹付け材料が均一に湿潤されにくくなり、混練された材料の場所による水分量にバラツキが発生してくる。その結果、良好な作業性を持つ吹付け材料とするためには施工水分が増えてしまう。
本発明において微粒化水は、圧縮空気と共に噴霧注水することで、圧縮空気の圧力や流速を設定することでより小さな粒径の微粒化水が得られ、しかもそれを制御できる。また、吹付け作業終了時には注水を止めた時にエアーのみを吐出することができるのでノズル詰りを防止することもできる。
平均粒径が40μmの微粒化水は、空気と水との混合物を加圧噴霧する一般的な噴霧ノズルにおいて、ノズル孔径、圧力、及び流量等を経済的に実用化できる範囲で最適化することによって得ることができる。つまり噴霧される粒径は、空気の圧力が高い程、ノズル孔径が小さい程、あるいは水/空気の流量比が小さい程、小さくなることが知られており、このため必要な水分量をもとにこれらの条件を最適にすることで平均粒径が40μm以下の微粒化水を得ることができる。例えば、施工水搬送経路としての内孔と、この内孔に円周方向に細長い開口部を有する1本のスリット状のノズル孔を有し、開口部の幅が0.1〜1mmであり、ノズル孔の上流側には均圧室を有し、この均圧室に混合室が連結し、混合室に加圧水と圧縮空気の導入口を有している注水器を使用することができる。
1次注水器は、2次注水器より上流側に間隔を空けて設けることで吹付け材料搬送中に、吹付け材料を均一に湿潤化しながら微粒化水との衝突、水を含んだ吹付け材料どうしの衝突、あるいは吹付け材料と搬送管内面との衝突等による混練効果が加わる。
さらに、本発明においては、1次注水器を2つ以上設けることも可能である。1次注水器を、ある間隔で2つ設け、1次施工水を2箇所にわけて注水しても特に問題ない。
本発明においては、搬送中の吹付け材料中に水を分散し吹付け材料を均一に湿潤するために1次注水器からは全施工水の10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%の水を注水する。また、この1次注水器から注水する水にはあらかじめ分散剤あるいは結合剤を添加しておくこともできる。あらかじめ分散剤を溶解しておけば、分散剤が粉末として最初から混合する場合と比較して水に早く溶解するので、より低水分化となる。
この1次注水器による吹付け材料の混練状態は、粉体、水及び空気のそれぞれが連続した状態すなわちFunicular域を目指している。このFunicular域とは、「混練技術」、橋本健次著、昭和53年10月5日、産業技術センター発行に記載されており、粉体、液体及び気体の混練状態をさらに細かく分類した一つの状態であり、粉体に対して液体が十分コーティングされた状態であるが、気体が連続しているため、見た感じはバサバサの状態にあることを意味する。具体的には、スラリーになる一歩手間の段階であり混練物を手で握ると固まるが、直ぐにまたほぐれるような状態である。通常分散剤を含む不定形耐火物は、水を少しずつ添加しながら混練してゆくと最初の内は水を添加してもほとんど変化がないが、あるとき急激に軟化しスラリーになる水分添加量がある。本発明の1次注水器での微粒化水の添加量は、この急激に軟化する直前の水分添加量を目標としている。この状態は、タップフロー試験でも混練物がほとんど広がらない状態つまり100〜110mmの範囲でもある。本発明においては、使用する耐火原料、急結剤、分散剤あるいは結合剤の種類、粒度及び添加量等によって1次注水分が異なるが、水分添加量の目安はこのタップフロー値の範囲も目安とすることができる。つまり水分が少なすぎても多すぎてもタップフロー値は広がるが、その中間の状態である。
さらにミクロ的には、75μm以下の原料粒子はもともと粉末状態ではいくつかの原料粒子が集まった小さな2次粒子の形になっているが、本発明では原料粒子がこの2次粒子の形を保持した状態で微粒化水によって湿潤された状態になると考えられる。この2次粒子の中には75μmより大きな原料粒子が核として存在することもある。そして本発明では、平均粒径が40μm以下と極めて小さな微粒化水を使用することで、1つの2次粒子に対する水分量がスラリーになる量より少ない値、あるいはスラリーになっても高粘性な値になっていると考えられる。このため搬送中に2次粒子どうしが合体しても、よりスラリーにはなりにくいと考えている。そして材料の搬送中において、2次粒子同士、2次粒子と75μm以上の粒子、あるいは2次粒子と搬送管内面等の衝突によってさらに混練効果が加わると考える。
この結果、低水分で混練効果が優れた混練物となり、2次注水器で必要最小限の水分量で施工可能となる。従って従来の乾式吹付け施工法と比較して極めて少ない水分添加量で作業性に適した混練物が得られることになる。さらに、材料搬送管内では、このため吹付け材料がスラリー状態にならないため、途中で詰まったりすることがないので、搬送ホースを長くすることができ、例えば、20m以上の長い距離を搬送することも可能となる。しかも搬送ホース内に付着堆積することもないので洗浄の手間が掛からない。
一方、平均粒径が40μmよりも大きな微粒化水ではこの2次粒子を湿潤化したときに、一つの2次粒子に対する水分量が多すぎて2次粒子をスラリー化してしまう頻度が高くなると考えられる。前述のように、ほんの少しの水分含有率の差によってスラリー化(解こう)が生じる。したがって、搬送中に水分が過剰な2次粒子と水分が適量の2次粒子とが衝突した場合にはスラリーが合体成長することもある。その結果搬送材料中には局部的にスラリーが生成してしまう可能性もある。
1次注水器による水分の添加量が、吹付けに必要な水分量の10質量%未満の場合には、吹付け材料に対して水分量が少ないため、搬送中に吹付け材料を均一な湿潤状態にすることができない。その結果、2次注水器での添加水分量をその分だけ増やすことになり、十分な混練状態にない吹付け材が吹付けられ、施工体の品質が低下する。また、50質量%を超えると、搬送中に混練された吹付け材料中に水分が多量に存在するようになるため、混練物が搬送管内に付着する現象が発生する。
さらに、この均一に湿潤し混練された吹付け材料に対して先端吹付けノズル直前に設けた2次注水器から残りの施工水を添加するが、より好ましくは平均粒径40μm以下の微粒化水として圧縮空気と共に噴霧注水する。平均粒径40μm以下の微粒化水とすることで、前述のように搬送中の吹付け材料に対して、より均一に湿潤することができるので高い混練効果が得られる。このため、従来の乾式施工方法と比較してよりもはるかに少ない水分量で高い混練効果が得られ、これによってリバウンドロスが少なく付着率の高い緻密な施工体を得ることができる。
また、2次注水器は、先端吹付けノズルの直前に設ける。直前に設けることで搬送ホースの洗浄を低減し、しかも先端吹付けノズル内での混練効果が得られる。なお、吹付けノズルの直前とは、必ずしも吹付けノズルと注水器を別々に設置することなく、吹付けノズル自体に2次注水器を取り付けても良いし、吹付けノズルと一体化したもので構わない。
また、この2次注水器から、急結剤を水に添加して噴霧注水することもできる。急結剤を水に添加して入れることで、急結剤が湿潤した吹付け材料中へより早く拡散することができ、反応性が高まり付着率が向上する。
材料搬送管内での均一な湿潤効果を高めるためには、注水器からの微粒化水の噴霧注水方向を材料搬送管内の吹付け材料の搬送方向に対して30〜70度傾斜した笠状に噴霧注水することが好ましい。この笠状の噴霧は、材料を搬送しない条件において注水器から微粒化水を圧縮空気とともに噴霧注水する時に形成されていれば良い。実際に材料を搬送する場合には、笠状噴霧の傾斜角度はさらに大きくなり、笠状の下流側に長く伸びた状態になっている。
このように噴霧される微粒化水は笠状つまり面状に形成されているので、この面を吹付け材料の原料粒子が通過するときに微粒化水と衝突するため、吹付け材料がより均一に湿潤されることができる。さらにこの微粒化水のうち噴霧直後に原料粒子と衝突しなかったものは、材料を搬送する空気の流れに乗って材料搬送管内で材料搬送方向と平行に浮遊状態で移動する並流噴霧流を形成する。
この並流噴霧流によって、搬送中に微粒化水が原料粒子と接触して原料粒子を湿潤化するため、さらに湿潤効果が高まる。笠状の噴霧の形成は、微粒化水の噴霧角度に影響され、上記傾斜角度内にあることが望ましい。その角度が30度未満では十分な湿潤効果が得られないためか混練不足となり緻密な施工体が得られず、70度を超えると壁面に衝突する微粒化水の割合が多くなり、湿潤効果が低下する。
本発明において、微粒化水の搬送用空気の流速v(m/sec)は、材料の搬送速度V(m/sec)に対してV〜3Vで、微粒化水の搬送用空気の流量wは、吹付け材料の搬送用空気の流量W(Nm/min)に対して0.01W〜0.15Wであることが好ましい。
微粒化水搬送用空気の流速vが材料の搬送速度V未満では、吹付け材料を均一に湿潤しにくくなり混練不足となり緻密な施工体が得られず、3Vを超えると、微粒化水が反対側の壁面に衝突して壁面に沿って水流を形成し、底に水が溜まるため微粒化水を搬送空気中に均一に分散することができない。
また、微粒化水搬送用空気の流量w(Nm/min)が0.01W未満では、微粒化水の空気に対する割合が多すぎ平均粒径が大きくなるため吹付け材料を均一に湿潤しにくくなり、0.15Wを超えると、空気量が増えることになるのでリバウンドロスも多くなる。
ここで微粒化水搬送用空気の流量とは注水器としてのプレミックス混合器に吹き込む空気の流量であり、微粒化水搬送用空気の流速とは、この流量と微粒化水を噴霧注水するためのノズル孔の断面積とから計算されるものである。また、吹付け材料搬搬送用空気の流量とは、材料を搬送するために吹き込んでいる空気の流量であり、その流速は注水器直前の材料搬送管の断面積から計算するものである。
さらに、注水器の微粒化水を噴霧注水するためのノズル孔の内面に螺旋状の凹凸を形成すると、噴霧された微粒化水が、搬送ホース内で螺旋状に回転するため、より吹付け材料との接触頻度が高まり、均質に湿潤することができる。
また、注水器から微粒化水を噴霧注水するためのノズル孔は、吹付け材料の搬送方向の中心に向けて斜め方向に、小さな貫通孔を複数個設けて形成しても良いが、円周方向に長いスリットの方がより好ましい。スリットの場合には、ノズル孔から噴霧される微粒化水が面状に材料搬送管内に噴霧されるため、笠状の噴霧が形成されやすくしかも微粒化水と吹付け材料中の原料粒子との接触頻度が高くなるためである。さらにスリットの方が吹付け材料が詰まりにくい。スリットは、注水器の内孔面の円周方向に複数設けても良いし、連続した1本のスリットでも良い。そのスリットの開口部の幅は、平均粒径40μm以下の微粒化水を発生させる点から0.1〜1mmが好ましい。0.1mm未満ではスリットが吹付け材料により詰まりやすくなり、1mmを超えると平均粒径40μm以下の微粒化水が発生しにくくなる。
本発明の施工装置においては、材料搬送管の2次注水器の近くに混合器を設けるとより混練効果が向上する。1次注水器からの噴霧注水によって湿潤された吹付け材料が材料搬送管内を搬送されるときに、特に材料搬送管が長い場合には粗粒原料と微粉部とが分離しセグレが発生することがある。このセグレをもとに戻すために、混合器を設ける。この混合器によってバラツキのない緻密な施工体が得られる。混合器としては、スタティックミキサー等の一般的な混合器を設けることができるが、より好ましくは内径を絞った混合管(絞り管)である。内径を絞るという簡単な構造であり、材料の詰りが無いことからより好ましい。混合管の内径dは材料搬送管の内径Dに対して、0.5D以上0.9D未満が好ましい。
また、本発明の施工装置においては、圧縮空気供給機と1次注水器との間に材料の混合を目的として、混合管を設けることができる。
本発明の施工方法に適用できる吹付け材料としては、従来の湿式吹付け材や乾式吹付け材のどちらでも問題なく使用することができる。従来の湿式吹き付け材を使用した場合には、混練するためのミキサーが不要でしかも作業後に材料搬送管を洗浄する手間も要することがないので格段に作業性に優れる施工方法となる。しかも従来の湿式施工方法と同等クラスの添加水分で緻密な施工体が得られる。また従来の乾式吹付け材を適用した場合には、より低水分で緻密な施工体を得ることができる。例えば、鉄鋼業においては、取鍋や転炉用のマグネシア材質吹付け材、転炉用のマグネシア−カルシア材質吹付け材やマグネシア−カーボン質吹付け材、樋用のアルミナ−炭化ケイ素材質吹付け材、及び取鍋用のアルミナ−マグネシア材質吹付け材等を使用することができる。この時あらかじめ水に急結剤や分散剤等を溶解した施工水を微粒化水として使用することも可能である。
なかでも吹付け材料が、粒径75μm以下の炭化ケイ素を5〜30質量%含むアルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物である場合には、低水分で施工することができる。アルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物を構成する炭化ケイ素は、多孔質でしかも水に濡れ難い原料であり、これがアルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物と施工水との馴じみの悪さの原因である。本発明では施工水の添加を平均粒径40μm以下の微粒化水を発生させる注水器をもって行うことにより、炭化ケイ素の多孔質組織に微粒化水が挟入する。また、耐火原料組成に占める粒径75μm以下の炭化ケイ素微粉の割合を5〜30質量%としたことで、この炭化ケイ素微粉が不定形耐火物のマトリックスに微粒化水を封じ込める。すなわち、本発明によれば、この炭化ケイ素の多孔質組織への微粒化水の挟入と、炭化ケイ素微粉によるマトリックスへの微粒化水の封じ込めによって、炭化ケイ素に対する施工水の濡れ難さが緩和される。その結果、1次注水箇所で微粒化水が添加された不定形耐火物は吹付けノズルに到達するまでの間の混和が促進され、均一且つ緻密な施工体組織を得ることができる。
さらに吹付け材料が、マグネシア微粉1〜30質量%、残部がアルミナを主体とするアルミナ−マグネシア質不定形耐火物である場合には、より耐用性を向上させる効果がある。一般的にアルミナ−マグネシア質不定形耐火物において耐火物原料組成の一部を占めるマグネシアは、施工水分との反応で消化し、耐火物組織をぜい弱化させて施工体の強度低下の原因となる。本発明では前記したように不定形耐火物が施工水分と長時間の接触がないこと、さらに施工水量の低減化が可能となって、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物におけるマグネシアの消化が抑制され、吹付け施工体の強度が向上する。また、施工水量の低減化によって不定形耐火物の施工体組織が緻密化する。この組織の緻密化は、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物におけるアルミナ粒子とマグネシア粒子との接触面積を大きくし、吹付け施工体使用時の高温下においてアルミナとマグネシアとの反応によるスピネル生成が促進される。このスピネルの生成は、スピネル自身の耐スラグ性と共にスピネルボンド組織形成による強度付与の効果を持つ。
耐火原料組成に占めるマグネシア微粉の割合は、1質量%未満ではマグネシアのもつ耐食性の効果が得られず、しかもアルミナとの反応によるスピネル生成量が少なくなって耐スラグ性の効果が不十分となる。30質量%を超えると、不定形耐火物施工体が使用時の熱間において、スピネル生成反応が不十分なマグネシア微粉の割合が増えるためか、スラグ浸潤層が厚くなって構造的スポーリング性が原因した耐用性の低下を招く。マグネシア微粉の具体的な粒径は、アルミナとの反応性を向上させるためにJIS標準ふるいをもって、例えば1mm以下とする。さらに好ましくは150μm以下が好ましい。さらに75μm以下といった微細粒でもよい。
一方、吹付け材料を施工温度で大別すると、冷温間用吹付け材と熱間吹付け材とに分けることができる。冷温間付け材は、新たな窯炉のライニングあるいは大掛かりな補修に使用され、窯炉等の温度は常温から600℃以下の範囲で行われ、施工後の養生時間中に水和反応が進行して結合組織が生成する。これに対して、熱間吹付け材は、操業中に小規模な補修を目的に行われるため、窯炉を冷やすことなく補修作業を行うので窯炉等の温度が600℃以上の高温での作業となる。施工直後の水分の蒸発と結合剤の重合もしくは縮合反応等によって急激に結合組織が生成する。
600℃以下の温度で施工される冷温間吹付け材料としては、耐火原料粉末に対してアルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなる結合剤と、急結剤と、分散剤と、及び繊維とを添加し混合してなる配合組成物であって、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を25〜60質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7である吹付け材料を使用することで、低水分で混練することができ緻密な施工体が得られる。
本発明の施工方法において1次注水器を通過した後の材料は、前述のように、粉末状態の2次粒子の単位でそれぞれが分散し均一に湿潤された状態になっていると考えている。この2次粒子には、急結剤、分散剤及び結合剤が含有されているがその添加量は少なく、製造時に他の耐火原料粉末と均一に混合されているのでお互いに接触する頻度は極め低い。このため急結剤、分散剤及び結合剤のほとんどは、この効果を失効することなく2次粒子中に存在していると考えられる。このため、材料が搬送されている間に急結剤や分散剤が水中に溶解して広範囲に拡散することがほとんどない。このため材料が凝集しないので、水分量が増えることもない。このため、急結剤を先端部で別に添加する必要がないため、急結剤の添加量の管理やホースの洗浄という煩雑な作業も不要となる。しかも低水分で緻密な施工体が得られる。
ただし本発明では1次注水器で微粒化水を添加する直前に圧縮空気で材料を混合しているため微粉に対する湿潤効果が非常に高い。このため、急結剤、分散剤及び結合剤の溶解拡散を抑制しながら効果的な水分を添加するには、比表面積の大きな10μm未満の超微粉原料が有効であり、しかも75μm未満10μm以上の原料とのバランスが重要である。すなわち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7の範囲であることが好ましく、さらに0.30〜0.60の範囲がより緻密な施工体が得られることからより好ましい。0.25未満では凝集傾向になり施工水分が多くなり、0.7を超えると粉体が搬送管内に付着し易くなる。
また75μm未満の原料の使用量は、25質量%未満では、緻密な施工体が得られにくく、60質量%を超えると施工体の耐用性が低下する。
一方、この冷温間吹付け材料に繊維を添加しておくとより搬送管内へ材料が付着しにくくなる効果がある。この理由は、繊維の添加によって搬送中の材料が空気を多く含んだ、かさの低い塊りを形成するため、空気でより搬送されやすくなり搬送管内の内面に付着しにくくなるためではないかと推定する。一方、施工体が緻密になるので乾燥時の爆裂対策にも有効である。
さらにより好ましい冷温間吹付け材料の粒度構成は、粒径5mm以下1mm以上が20〜45質量%、粒径1mm未満75μm以上が10〜40質量%、及び粒径75μm未満が25〜60質量%であり、しかも10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7である耐火原料粉末100質量部に対して、外掛けで結合剤としてアルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種を1〜7質量部、急結剤を0.5〜5質量部、分散剤を0.01〜0.5質量部、及び繊維を0.05〜0.5質量部添加して混合してなる配合組成物である。
以上は、施工時の温度が600℃以下の場合であったが、600℃以上の温度で施工される熱間吹付け材料として好ましい材料は、耐火原料粉末に対してリン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなる結合剤と、急結剤とを添加し混合してなる配合組成物であって、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を10〜45質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7である。
この熱間吹付け材料は、従来の乾式施工方法で一般的に使用されているリン酸塩あるいはケイ酸塩を結合剤とするタイプと似ているが、微粉の構成に特徴がある。つまり、施工水を平均粒径40μm以下の微粒化水として搬送管中へ噴霧注水するため、従来の湿式材料よりも75μm未満の微粉原料を10〜45質量%と多く使用することができ、その結果非常に緻密な施工体が得られるメリットがある。
そして冷温間吹付け材料と同様に、1次注水器で微粒化水を添加する直前に圧縮空気で材料を混合しているため微粉に対する湿潤効果が非常に高く、このため、急結剤と結合剤との溶解拡散を抑制しながら効果的な水分を添加するには、比表面積の大きな10μm未満の超微粉原料が有効であり、しかも75μm未満10μm以上の原料とのバランスが重要である。すなわち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7の範囲であることが好ましく、さらに0.30〜0.60の範囲がより緻密な施工体が得られることからより好ましい。0.25未満では凝集傾向になり施工水分が多くなり、0.7を超えると粉体が搬送管内に付着し易くなる。
さらに熱間吹付け材料におけるより好ましい粒度構成は、粒径5mm以下1mm以上が20〜45質量%、粒径1mm未満75μm以上が20〜45質量%、及び粒径75μm未満が10〜45質量%であり、しかも10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の重量比が0.3〜0.6である耐火原料粉末100質量部に対して外掛けで結合剤としてリン酸塩またはケイ酸塩を1〜7質量部、及び急結剤を0.5〜5質量部添加して混合してなる配合組成物である。
更に、本発明の吹付け施工方法において施工した施工体において、養生後110℃で24時間以上乾燥した後、見掛け気孔率が18〜30%、かつ通気率が100×10−5cm・cm/cm・cmHO・sec以上である吹付け材料を使用した場合にはより低水分で緻密でしかも耐爆裂性に優れた施工体を得ることができる。本発明の施工方法に適用する吹き付け材料は、低水分施工を前提とした設計としているため、見掛け気孔率は低下する反面、乾燥時あるいは熱間での吹付け時に爆裂を生じ易くなる場合がある。このため、通気性を持たせた施工体とすることで爆裂を防止することができる。見掛け気孔率が18%未満では、緻密になり爆裂しやすくなり、30%を超えると耐食性が低下する。通気率が100×10−5cm・cm/cm・cmHO・sec未満では、爆裂しやすくなる。前記範囲を満足する材料は、粒度構成を最適化したり、繊維等の通気性を高める添加材を入れることで得られる。例えば、75μm以下の粒度構成を調整することにより得られ、より具体的には、10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比を0.3〜0.6の範囲とすることで得ることができる。
本発明の吹付け材料に使用する耐火材料粉末としては、一般的な不定形耐火物に使用される耐火原料であれば問題なく使用することができる。例えば、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、炭素類、金属等である。また、耐火原料粉末の最大粒径は、5mmを超えると1次注水器による噴霧注水後の搬送中に分離、セグレが生じ易くなり混練効果が低下するため、耐火原料粉末のうち粒径5mm以下の原料が90質量%以上であることがより好ましく、さらにより好ましくは、耐火原料粉末のうち粒径3mm以下の原料が90質量%以上である。
冷温間吹付け材料の結合剤としては、アルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなるものを使用することができるが、強度が発現しやすい点からは、アルミナセメントがより好ましい。
熱間吹付け材料の結合剤としては、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなるものを使用することができる。
分散剤は解こう剤とも称され、一般的な不定形耐火物で使用されているものであれば問題なく使用することができる。不定形耐火物施工時の流動性を付与する効果をもつ。具体例としては、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、ウルトラポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダ、ポリメタリン酸塩などの無機塩、クエン酸ソーダ、酒石酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸塩、β−ナフタレンスルホン酸塩類、ナフタリンスルフォン酸、カルボキシル基含有ポリエーテル系分散剤等である。
急結剤は施工水の存在下で結合剤と反応し、不定形耐火物を急速に硬化させ、不定形耐火物に付着性を付与する。急結剤は粉末状態で不定形耐火物に当初から混入させておく他、急結剤を吹付けノズルの近傍で且つ二次注水箇所より前方にて添加してもよい。急結剤を吹付けノズルまたはその近傍で添加する場合は、必要により、急結剤を水で希釈した液状で使用する。
急結剤の具体例を挙げると、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩、CaO・Al、12CaO・7Al、CaO・2Al、3CaO・Al、3CaO・3Al・CaF、11CaO・7Al・CaFなどのカルシウムアルミネート類、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩などである。
ただし、本発明の冷温間吹付け材料に使用する急結剤としては、アルミン酸ソーダまたは消石灰のいずれも粉末が、施工体の強度に優れる面からより好ましい。また本発明の熱間吹付け材料に使用する急結剤としては、消石灰、活性マグネシア、あるいは硫酸塩の粉末が、施工体の強度に優れる面からより好ましい。
繊維は、通常の不定形耐火物で爆裂防止等の目的で使用されている繊維を使用することができ、例えば、ビニロン、ナイロン、PVA、ポリビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、炭素等である。
1次注水器の上流側5m以内の位置で材料搬送管に圧縮空気を吹き込むことで、圧縮空気によって材料が均一に混合される。このため材料搬送管が長くなっても、搬送中の材料のセグレを矯正でき、低水分で良好な混練効果が得られるためバラツキの少ない緻密な施工体が得られる。このため、施工現場のスペースが狭い場合に、離れた位置に材料供給器を設置したとしても、良好な施工体が得られる。
平均粒径が40μm以下の微粒化水を材料搬送管内へ噴霧注水することで、低水分で良好な混練効果が得られるためバラツキの少ない緻密な施工体が得られ、炉の寿命が向上する。また、ミキサー等の特別な混練装置を必要とせず、しかも材料搬送管が詰まることもないので、作業中のトラブルが減少し、洗浄作業も軽減されるので作業性に非常に優れる施工方法となる。
吹付け材料が、粒径75μm以下の炭化ケイ素を5〜30質量%含むアルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物である場合には従来の施工方法と比較して施工水との馴じみが良く、材料搬送管内での施工水の添加では不定形耐火物と施工水との混和が十分となり、付着性の向上と共に、発塵が抑制される。そして、施工体の緻密性が向上する。
吹付け材料が、マグネシア微粉1〜30質量%、残部がアルミナを主体とするアルミナ−マグネシア質不定形耐火物である場合には施工体の消化抑制とスピネル生成の促進によって、アルミナ−マグネシア質不定形耐火物がもつ容積安定性および耐食性の効果がいかんなく発揮され、吹付け施工体の耐用性は格段に向上する
また、耐火原料粉末に対してアルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなる結合剤と、急結剤と、分散剤と、繊維とを添加し混合してなる配合組成物であって、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を25〜60質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の重量比が0.25〜0.7で構成された材料を使用した場合、従来の湿式施工方法と比べて、少ない添加水分量で混練することができるので高品質でしかもばらつきの少ない施工体が得られ、炉の寿命が向上する。さらに、従来のように急結剤の添加量の管理や材料搬送管の洗浄という煩雑な作業もほんどなく、作業効率が向上する。
さらに、耐火原料粉末に対して結合剤としてリン酸塩またはケイ酸塩と、急結剤とを添加し混合してなる配合組成物であって、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を10〜45質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の重量比が0.25〜0.7で構成された材料を使用した場合、従来の乾式施工方法と比べて少ない添加水分量で混練することができるので高品質でしかもばらつきの少ない施工体が得られ、炉の寿命が向上する。また、大掛かりな専用のミキサーを設置することがないので作業性に優れている。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の不定形耐火物の吹付け施工方法を実施するための装置10の全体構成を示す。
同図において、1は吹付け材料2が収納された材料供給機を示す。材料供給機1は、一般に不定形耐火物の吹付け装置に使用されているもので定量吐出できるものであれば、ロテクターガン、リードガン、野上セメントガン等の如何なるタイプのものでも問題なく使用することができる。
この材料供給機1内の吹付け材料2は、材料供給機1内に供給される圧縮空気によって内圧が調整され、下端に設けられたモータMによって駆動するテーブルフィーダー3によって、材料供給機1から先端吹付けノズル4まで配置された搬送ホース5に供給される。
搬送ホース5にはテーブルフィーダー3の搬送空気導入箇所6を通して搬送空気が供給され、材料供給機1からの吹付け材料2を搬送ホース5の先端吹付けノズル4から対象体18に吹き付け施工する。
この搬送ホース5には、材料供給機1の直後に上流側から、圧縮空気供給器25、拡大管26、絞り管21、そして1次注水器7が、また、先端吹付けノズル4の直前には2次注水器8が設けられている。
圧縮空気供給器25は、1次注水器の上流側5m以内の位置に設けられており、図2に示すように外側に圧縮空気導入口28を有し、環状に圧縮空気吐出口27を有しており、材料搬送経路内に均一に圧縮空気を吹き込むことが可能である。このように圧縮空気を吹き込むことで材料がより均一に混合されるようになる。
さらに、圧縮空気供給機25と1次注水器7との間にはさらに材料の混合を目的として、混合管を設けることができる。図2においては、混合管として内径が拡大した拡大管26と内径が縮小した絞り管21を設けている。つまり、これらの混合管は、圧縮空気を吹き込むことによる材料の混合効果をより高めることができる。混合管としては、拡大管あるいは絞り管に特定されず混合効果を有するものであれば使用することができるが、材料が詰まりにくい点からは、拡大管及び/または絞り管が使用しやすい。
また、1次注水器7及び2次注水器8は、微粒化水を、搬送ホース5内を空気搬送される吹付け材料に2段階で噴霧注水し、吹き付け材料を湿潤する。
図3は、注水器の構成を搬送ホース5に沿って切断した断面によって示す。注水器は、図1に示す1次注水器7と2次注水器8とも同様の構造として適用することができる。注水器は、ノズル本体15とプレミックス気液混合器9とからなる。
プレミックス気液混合器9は、垂直方向の圧縮空気導入口91とこれに直交する施工水導入口92とを有するスプレーノズル構造を形成している。
プレミックス気液混合器9では、その混合室19において噴霧状の水滴を発生させる。すなわち、施工水導入口92に加圧した水を導入し、圧縮空気導入口91から水よりも圧力の高い空気が導入されるため空気と混合され水滴状になる。このプレミックス気液混合器9は、水を水滴状にして空気と混合した混合物とするためのもので、この実施例の構造に限定されることなく一般な公知の構造の気液混合器を使用することができる。
微粒化水を噴出するノズル本体15は、外筒11とその内部に設けられた内筒12とからなる。ノズル本体15は、ノズル本体を貫通するボルトで搬送ホース5間に固定されている。吹付け材料は図中の矢印の方向に空気搬送され、ノズル本体の内孔内も吹付け材料が搬送される。注水器の外筒11と内筒12との間には、プレミックス気液混合器9からの加圧状態にある噴霧状の水滴を微粒化水を発生するためのノズル孔から搬送ホース中へ均一に噴霧するために、圧力が均一になるように溜りとして、円周方向に連続した均圧室13が形成されている。この均圧室13には気液混合器としてのプレミックス気液混合器9の混合室19が連続している。
この均圧室13の先端部には微粒化水を発生するためのノズル孔14が形成されている。このノズル孔14は、空気搬送方向に外径が細くなる内筒12の先端部とそれにほぼ等間隔で対面する外筒11とで形成される連続した空間として形成されている。このノズル孔14は、円周方向に連続した1本のスリット状をなし、図4に示すように、搬送ホース5の搬送方向の軸心に向かって、矢印で示す材料進行方向とのなす角度αが30〜70度傾斜して形成されている。この実施例のノズル孔の開口部16の幅及びスリットの幅は0.5mmであり、ノズル孔の長さは15mmである。また、この内筒12と外筒11は、耐磨耗性を持たせるために、セラミック製にすると耐用性が向上し、しかも平均粒径40μm以下の安定した微粒化水が得られやすい。尚、ノズル孔の開口部16の幅及びスリットの幅は内筒12と外筒11との隙間の調整によって任意に変更することが可能な構造になっている。
ノズル本体15の均圧室13より後端側は、外筒11と内筒12とが接しており途中にOリング20によってシールされている。さらに、外筒11と内筒12によって形成されるノズル孔面には螺旋状の凹凸が形成される。これによって、噴霧された微粒化水が、搬送ホース内で螺旋状に回転し、より吹付け材料との接触頻度が高まり、均質に湿潤することができる。
図3において点線で示す微粒化水の動きは、実験用として注水器の両側に透明な材質の円筒を接続し、吹付け材料は導入せず、加圧水と圧縮空気のみを供給することで圧縮空気と共に微粒化水を噴霧注入した状態を観察した概略図を示している。微粒化水は笠状に噴霧注水されて中央部で衝突してその後ほぼ平行に流れて並流噴霧流を形成している。この状態で、材料搬送空気を供給すると、衝突の中心が不明確になってくるが笠状の噴霧とその流側には並流噴霧流が形成される。
図4には、本発明に使用する混合管としての絞り管の詳細を示す。この絞り管21は、両側にフランジを有する円筒で、内孔は、内径が材料搬送管5より小さい絞り部22と、その両側のテーパー部23、さらにその両側に材料搬送管の内径Dと同じストレート部24とからなっている。絞り部の内径dは、材料搬送管の内径Dに対して0.5D以上0.9D以下となっている。この絞り管は、図1及び図2のように1次注水器7と圧縮空気供給器25との間、あるいは図示していないが2次注水器8の前後のいずれか一方もしく両方に設けることができる。このような絞り管(混合管)を配置すると、より混練効果が高まりバラツキの少ない施工体が得られる。
上記各図に示す吹付け装置10による吹付けは以下の要領で施工される。
まず、従来の乾式吹付け方法と同様に、材料供給機1の吹付け材料を搬送空気導入箇所6からの搬送空気により搬送ホース内を空気搬送させる。それと同時に、圧縮空気供給器から空気を吹き込み、微粒化水を、1次注水器7及び2次注水器8から空気搬送されている吹付け材料に噴霧する。この時、注水器において、施工水導入口92には加圧水を供給し、圧縮空気導入口91には加圧水よりも圧力が高い圧縮空気を供給することで噴霧状の水滴が発生する。この噴霧状の水滴は、圧縮空気と共にノズル孔へ供給されることで、ノズル孔において平均粒径40μm以下の微粒化水となって材料搬送経路内へ噴霧注水される。
そして、先端吹き付けノズルを操作して、炉壁に十分混練された不定形耐火物を吹付ける。
図1に示す1次注水器7と2次注水器8との距離間隔については混練効果の面から5m以上20m以下、より好ましくは5m以上10m以下である。5m未満では1次注水器から2次注水器までの距離が短いために微粒化水による吹付け材料の湿潤効果が不十分となり十分な混練効果が得られない。20mを超えると材料が搬送中に、粗粒部と微粉部とが分離するいわゆるセグレを生じやすくなる。
2次注水器を設ける位置は、先端から0.5m以上5m未満の範囲が好ましく、より好ましくは、0.5m以上3m未満である。0.5m未満の場合には、微粒化水と吹付け材料とが十分混練されず、5mを超えると搬送ホースや先端吹付けノズルが詰まりやすくなる。
圧縮空気供給機からの空気吹込み条件は、圧力は吹き込み位置での材料搬送管内の圧力より1Mpa以内で高い圧力であることがより好ましく、また圧縮空気の流量は吹付け材料の搬送用空気の流量の10〜40%であることがより好ましい。
表1及び表2は、上記各図に示す吹付け装置を用いて、それぞれの表に示す吹付け材料を用いて吹付けテストを行った結果を示す。なお、先端吹き付けノズルから材料供給機までの距離は約40m、1次注水器と2次注水器との距離は10m、圧縮空気供給機は1次注水器の上流側1.5mの位置、2次注水器は先端から1.7mの位置、先端吹付けノズルの長さは1.5mである。また、吹付け材料の搬送用空気の流量は5Nm/min、圧力は0.27MPa、1次注水器の手前の吹付け材搬送用空気の流速が23m/sec、1次注水器の微粒加水搬送用空気の流量は250NL/min、微粒化水搬送用空気の流速は30m/sec、2次注水器も同数値とし、スリット及びノズルの開口部の幅は0.5mm、材料搬送管の内径は35mm、それぞれの注水器に供給する水の元圧は0.38MPaとした。圧縮空気供給機へは、圧力0.3Mpa、流量1Nm/minの圧縮空気を供給した。この時、微粒化水の平均粒径を吹付け材料は供給せず吹付け材料の搬送用空気のみを供給した状態でレーザードップラー法にて測定したところ40μm(体積平均粒径)であった。尚、測定位置は、ノズルの開口部より300mm下流部である。また、微粒化水の粒径の測定装置は、米国TSI社の商品名「AEROMETRICS」を使用した。
Figure 0004669362
Figure 0004669362
これらの表において、比較例1は、図1の圧縮空気供給機、拡大管及び絞り管を使用していない以外は実施例1と同様の条件とした。比較例2及び3は圧縮空気の吹き込み位置が本発明の範囲外の位置であるもの、比較例4は、実施例に示す吹付け装置において、1次注水器のみから施工水全量を噴霧したものである。また、比較例5は、実施例と同じ装置を用いたものではあるが、ノズル孔断面積を小さくして噴霧状態ではない高圧水のみを注水した場合を示す。また、比較例6は従来の湿式方式で施工した例であり、ミキサーで混練したあと圧送ポンプで吹付け材料を圧送し、先端吹付けノズルで急結剤を添加する一般的な装置を使用したものである。実施例1,2及び比較例1〜5は、急結剤を粉末としてあらかじめ他の原料と一緒に混合した配合組成物を使用した。
テストは水平方向に約1m離れた位置に、垂直に置いた金枠(深さ40mm、幅160mm、長さ400mm)へ吹付け施工し、110℃で乾燥後の施工体の品質を調べたものである。回転侵食試験においては、高炉スラグを使用し1550℃×4時間行い、試験片の残存厚みを比較した。
テストの結果、1次注水器の直前で圧縮空気を吹き込んでいない比較例1は、かさ比重のバラツキが大きく、材料が均一に混練されていないことがわかる。また、1次注水器の直前で圧縮空気を吹き込んでいるがその位置が本発明の範囲外である比較例2と比較例3は、施工体のかさ比重のバラツキが大きく、物性も実施例1と比較すると劣っており、混練効果が不十分でバラツキの大きな施工体となっていることがわかる。
また、1次注水器から施工水全量を噴霧注入した比較例4の場合には、搬送時に吹付け材料がスラリー状となり、材料搬送管内で詰まってしまい施工できなかった。
また、圧縮空気を使用せず、水のみを添加した比較例5は、リバウンドロスの少ない良好な作業性とするためには添加水分量が増え、そのため施工体品質は劣化した結果となった。
また、実施例1は、従来の湿式吹付け方法である比較例6と比較すると、同じ添加水分量で吹付け施工することができ、しかも施工体の品質もほぼ同等であった。
次に、表3に示す配合割合において、実施例1の施工条件で吹付けテストを実施した結果について説明する。通気率の測定方法はJISR2115に従った。表3は、冷温間吹付け材の例で、粒径75μm以下の炭化ケイ素を10質量%、残部がアルミナからななる耐火原料粉末を使用したアルミナ−炭化ケイ素質吹付け材において、微粉部の施工体に与える影響について調査した。結合剤、急結剤、及び分散剤は粉末状のものを使用し、耐火原料粉末及び繊維とあらかじめ均一に混合した配合組成物を使用した。
実施例3〜6は、10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が本発明の範囲内であり、低水分で緻密な施工体が得られている。これに対して比較例7は10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.2と小さいため、急結剤が凝集傾向になり添加水分が増えるため緻密な施工体が得られなかった。また、比較例8は、10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.75と大きいため、搬送管が詰り気味になりノズルから材料が吐出する際に不安定となり良好な施工体が得られなかった。実施例7〜10は粒径75μm未満の原料が本発明の範囲内にあり低水分で緻密な施工体が得られている。これに対して比較例9は粒径75μm未満の原料が不足し、低強度な施工体となっている。比較例10は粒径75μm未満の原料が多すぎて耐食性が悪い。
Figure 0004669362
さらに、表4に示す配合割合において、実施例1の施工条件で吹付けテストを実施した結果について説明する。通気率の測定方法はJISR2115に従った。表4は熱間吹付け材の例で、粒径75μm以下のマグネシアを10質量%、残部がアルミナからななる耐火原料粉末を使用したアルミナ−マグネシア材質吹付け材において微粉部の施工体に与える影響について調査した。結合剤と急結剤は粉末状のものを使用し耐火原料粉末とあらかじめ均一に混合した配合組成物を使用した。実施例11〜14は、10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が本発明の範囲内であり、低水分で緻密な施工体が得られている。これに対して比較例11は10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.2と小さいため、急結剤が凝集傾向になり添加水分が増えるため緻密な施工体が得られなかった。また、比較例12は、10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.8と大きいため、搬送管が詰り気味になりノズルから材料が吐出する際に不安定となり良好な施工体が得られなかった。実施例15〜18は粒径75μm未満の原料が本発明の範囲内にあり低水分で緻密な施工体が得られている。これに対して比較例13は粒径75μm未満の原料が不足し、低強度な施工体となっている。比較例14は粒径75μm未満の原料が多すぎて耐食性が悪い。
Figure 0004669362
図6は1次注水器での微粒化水の平均粒径と不定形耐火物施工体の気孔率との関係をグラフ化したものである。この試験には表1に示した実施例1をベースとして、1次注水器での施工水の平均粒径のみを変化させ、他はこの実施例1と同じ条件で施工し、得られた不定形耐火物の施工体の気孔率を測定した。同グラフのとおり、本発明で規定した微粒化水添加による施工体の緻密性向上の効果は歴然としている。
本発明は、各種の冶金炉、窯業炉の各部位の吹き付け補修、築炉に好適に使用できる。
本発明の吹付け装置の全体構成を示す。 本発明で使用する圧縮空気供給機、拡大管、及び絞り管を示す。 本発明で使用する注水器の構成を示す。 本発明で使用する注水器のノズル孔の傾斜の角度を示す。 本発明で使用する絞り管の断面を示す。 1次注水器での微粒化水の平均粒径と不定形耐火物施工体の緻密性との関係を示す。
符号の説明
1.材料供給機
2.乾燥耐火物(吹き付け材料)
3.テーブルフィーダー
4.先端吹付けノズル
5 搬送ホ−ス
6.搬送空気導入箇所
7.1次注水器
8.2次注水器
9.プレミックス気液混合器
91.圧縮空気導入口
92.施工水導入口
10.吹き付け装置
11.外筒
12.内筒
13.均圧室
14.ノズル孔
15.ノズル本体
16.開口部
18.対象体
19.混合室
20.Oリング
21.絞り管
22.絞り部
23.テーパー部
24.ストレート部
25.圧縮空気供給機
26.拡大管
27.圧縮空気吐出口
28.圧縮空気導入口

Claims (16)

  1. 材料供給機から先端吹付けノズルに至る材料搬送管に1次注水器を設けると共に先端吹付けノズル直前に2次注水器を設け、それぞれの注水器から材料搬送管内を搬送される吹付け材料に注水する不定形耐火物の吹付け施工方法であって、
    前記1次注水器は、前記2次注水器の上流側に5〜20mの間隔を空けて設け、1次注水器からは全施工水の10〜50質量%の施工水を添加し、2次注水器から施工に必要な残りの施工水を注水し、しかも1次注水器の上流側5m以内の位置で材料搬送管に圧縮空気を吹き込み、さらに1次注水器では平均粒径40μm以下の微粒化水を圧縮空気と共に注水する不定形耐火物の吹付け施工方法。
  2. 2次注水器からも1次注水器と同様に平均粒径40μm以下の微粒化水を圧縮空気と共に注水する請求項1に記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  3. それぞれの注水器から材料搬送管内に圧縮空気と共に噴霧される微粒化水は、材料搬送管内を搬送される吹付け材料の搬送方向に30〜70度傾斜し、且つ、材料搬送管内の中心に向かって笠状に噴霧注水される請求項1または請求項2に記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  4. それぞれの注水器から材料搬送管内に圧縮空気と共に噴霧される微粒化水は、微粒化水搬送用空気の流速vが吹付け材料搬送用空気の流速Vに対してV〜3Vであって、しかも、微粒化水搬送用空気の流量wが吹付け材料搬送用空気の流量Wに対して0.01W〜0.15Wの条件下で噴霧される請求項1〜3のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  5. 吹付け材料が、粒径75μm以下の炭化ケイ素を5〜30質量%含むアルミナ−炭化ケイ素質不定形耐火物である請求項1〜4のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  6. 吹付け材料が、マグネシア微粉1〜30質量%、残部アルミナを主体とするアルミナ−マグネシア質不定形耐火物である請求項1〜4のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  7. 冷温間で施工される冷温間吹付け材料であって、耐火原料粉末に対してアルミナセメント、マグネシアセメント、リン酸塩またはケイ酸塩のうち1種からなる結合剤と、急結剤と、分散剤と、繊維とを添加し混合してなり、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を25〜60質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法で使用される吹付け材料。
  8. 熱間で施工される熱間吹付け材料であって、耐火原料粉末に対して結合剤としてリン酸塩またはケイ酸塩と、急結剤とを添加し混合してなり、耐火原料粉末中に粒径75μm未満の原料を10〜45質量%含有し、しかもこのうち10μm未満の原料/75μm未満10μm以上の原料の質量比が0.25〜0.7であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法で使用される吹付け材料。
  9. 結合剤がアルミナセメントで、急結剤がアルミン酸ソーダまたは消石灰のいずれも粉末である請求項7に記載の吹付け材料。
  10. 結合剤がリン酸塩またはケイ酸で、急結剤が消石灰、活性マグネシア、あるいは硫酸塩のいずれも粉末である請求項8に記載の吹付け材料。
  11. 常温で吹付け施工した施工体において、養生後110℃で24時間以上乾燥した後、見掛け気孔率が18〜30%、かつ通気率が100×10−5cm・cm/cm・cmHO・sec以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工方法で使用される吹付け材料。
  12. 吹付け施工した施工体において、養生後110℃で24時間以上乾燥した後、見掛け気孔率が18〜30%、かつ通気率が100×10−5cm・cm/cm・cmHO・sec以上である請求項7〜10のいずれかに記載の吹付け材料。
  13. 材料供給機から先端吹付けノズルに至る材料搬送管に1次注水器を設けると共に先端吹付けノズル直前に2次注水器を設け、それぞれの注水器から材料搬送管内を搬送される吹付け材料に圧縮空気と共に微粒化水を注水する不定形耐火物の吹付け施工装置であって、
    前記1次注水器の上流側5m以内の位置に、材料搬送管に圧縮空気を吹き込む圧縮空気供給機を設け、1次注水器は平均粒径40μm以下の微粒化水を発生し、前記2次注水器の上流側に5〜20mの間隔を空けて設けた不定形耐火物の吹付け施工装置。
  14. 圧縮空気供給機と1次注水器との間の材料搬送管に混合管を設けた請求項13に記載の不定形耐火物の吹付け施工装置。
  15. それぞれの注水器は、施工水搬送経路としての内孔と、この内孔に円周方向に細長い開口部を有する1本のスリット状のノズル孔を有し、このノズル孔は吹付け材料の搬送方向に30〜70度傾斜し、しかも開口部の幅が0.1〜1mmであり、ノズル孔の上流側には均圧室を有し、この均圧室に混合室が連結し、混合室に加圧水と圧縮空気の導入口を有している請求項13または請求項14に記載の不定形耐火物の吹付け施工装置。
  16. 2次注水器近くの材料搬送管の途中に内径を絞った混合管を設けている請求項13〜15のいずれかに記載の不定形耐火物の吹付け施工装置。
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