JP2006220348A - 不定形耐火材の吹付け施工方法 - Google Patents

不定形耐火材の吹付け施工方法 Download PDF

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英二 元木
Yutaka Naito
裕 内藤
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Hiroaki Otsubo
浩昭 大坪
Yasunari Matsumura
康成 松村
Tsuyoshi Matsuda
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Abstract

【課題】乾式吹付け施工法及び湿式吹付け施工法の難点を解消し、材料の混練作業を不要とし、搬送管の閉塞を伴わずに長距離搬送して吹付け施工ができ、かつ高品質の施工体が得られる新規な吹付け施工法を提供する。
【解決手段】湿式吹付け用の不定形耐火材2を、粉末の状態で気流にのせて搬送管4に送り込んで搬送管内を浮遊させながら搬送し、搬送の途中にて吹付けノズルの先端から0.3〜15m上流の搬送管の2箇所以上において施工水を多段的に添加し、施工水を添加した不定形耐火材を吹付けノズル5から吹付け施工する不定形耐火材の吹付け施工法。
【選択図】図1

Description

本発明は、不定形耐火材の湿式吹付け施工方法の改良に関し、特に高炉樋用の不定形耐火材の吹付け施工方法に関する。
不定形耐火材の有力な施工法として吹付け施工法が知られている。この施工法は流し込み工法に比べて流し込み用の型枠を必要とせず、また、形状が複雑で枠組みが困難な箇所にも容易に施工ができるため、近年ますます多くの分野で広範に使用されるようになっている。かかる吹付け施工法には大別して、空気圧送方式の乾式吹付け施工法と、ポンプ圧送方式の湿式吹付け施工法がある。
乾式吹付け施工法は、水との結合により硬化するアルミナセメント等の硬化剤と、吹付け時の付着性を良くするためのクレー等の耐火性粉末を含んだ粉末状の吹付け用耐火材を、空気圧送方式の吹付け機により搬送管内を空気圧送し、圧送された粉末状の吹付け用耐火材に吹付けノズル部で施工水を添加して粘性の高い付着性状態とし、これをノズルを通じて吹出して炉壁に付着させて硬化し、耐火炉壁を構築する施工法である。
かかる乾式吹付け施工法は、吹付け用耐火材を粉末状で空気圧送するため、搬送管の閉塞が起こらず搬送が容易で長距離搬送が可能であり、またノズル部で水を添加するだけであるので、施工自体は簡便で施工性も良好であるが、反面、粉末状の吹付け用耐火材と施工水とをノズル内で混合させているため、施工水と粉末状の吹付け用耐火材との接触時間が短く、両者が充分均一に混合されないことが生じ、施工された耐火炉壁の品質が不均一になり、強度の大きい安定した高品質の耐火物が得られ難い傾向がある。
一方、湿式吹付け施工法は、乾式吹付け法よりも品質が均一で、物性が優れた炉壁を得るために開発された施工法で、吹付け用耐火材と施工水とをあらかじめミキサーを用いて充分に混練して混練物(坏土)とし、これを圧送ポンプに供給して搬送管で搬送し、ノズル部で坏土を凝集させるための急結剤を添加して炉壁構築部に吹付け、比較的瞬間的に凝集させて炉壁等の耐火物を構築する。
かかる湿式吹付け施工法は、凝集結合系を採用しているため、低水量で施工可能であるが、上記のように圧送ポンプに供給する前に吹付け材料を充分に混練するため、大型のミキサーと多くの人員を必要とし、圧送距離が長い場合や混練物の可使時間が短い場合、混練物の粘性が不適切であるとポンプ中又は搬送管内で閉塞を起こすことがある。
さらに、粘度が大きい坏土をポンプ圧送にて長距離搬送するには大型のポンプが必要であり、搬送距離も乾式吹付け施工法に比べて短く、そのうえ施工終了時、搬送管内に坏土が残るため、材料のロスが多くかつその取り出しの清掃に多くの人員と時間を要するという問題もある。また、高炉樋のように垂直状の施工壁の場合には、吹付け材料自体も施工壁との付着不良による剥離や脱落が発生し耐用低下の一因となっている。
このような乾式吹付け施工法及び湿式吹付け施工法の有する問題を解消する方法の一つとして、特許文献1に記載された方法が知られている。この方法は、吹付け用の不定形耐火材を、粉末の状態で気流にのせて搬送管内に送り込んで搬送管内を浮遊させながら搬送し、搬送の途中例えば吹付けノズルの先端から0.3〜15mの搬送管において施工水を添加し、吹付けノズルを通じて吹付ける方法(以下、この方法を「新吹付け施工法」とする)で、湿式と乾式の両吹付け施工法の長所を生かし、互いの短所をある程度補うことができる特徴を有している。
しかしながら、この施工法は、施工水を吹付けノズルの先端から0.3〜15mの搬送管の一箇所において添加するために、施工水の添加位置の設定が難しくなる。すなわち、添加位置がノズルに近い位置であると、従来の乾式吹付け方法と同じように施工水と粉末状の吹付け用耐火材との接触時間が短くなるため、両者を充分均一に混合し難くなる。また、ノズルから離れた位置で全施工水を一括添加した場合には、施工水を添加した後の搬送距離が長くなるため、不定形耐火材の圧送負担が増大し材料吐出が安定しないなどの問題が生じ、施工性の改善が求められている。
特開2002−220288号公報
本発明は、上記した新吹付け施工法の長所を生かして、吹付け材料の混練作業を不要とすると共に、搬送管内での閉塞を伴わずに長距離の搬送を可能にし、かつ不定形耐火材と施工水との接触時間をできるだけ長くして両者の混合状態をよくすることによって、優れた施工性と高品質で均一な特性を有する施工体が得られる不定形耐火材の新規な吹付け施工方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を達成するために、新吹付け施工法における施工水の添加の仕方について鋭意検討して得られた新規な知見に基づきなされたものである。すなわち、吹付け用の不定形耐火材を粉末の状態で搬送管内を空気流により搬送し、その搬送途中にて施工に必要な全量の水分を添加する新吹付け施工法において、施工水の添加の仕方を多段的に行うことによって、新吹付け施工法が改善され優れた施工性が得られることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明は以下に記載される不定形耐火材の吹付け施工方法を提供する。
(1)耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤を含む不定形耐火材を、粉末の状態で気流にのせて搬送管に送り搬送管内を空気流により搬送し、搬送の途中にて搬送管の2箇所以上において施工水を多段的に添加した後、吹付けノズルを通じて吹付け施工することを特徴とする不定形耐火材の吹付け施工方法。
(2)施工水を、吹付けノズルの先端から0.3〜15mの上流の搬送管において添加する上記(1)の不定形耐火材の吹付け施工方法。
(3)施工水の添加量を吹付けノズルに近い側の添加水量を遠い側の添加水量より大にする上記(1)又は(2)の不定形耐火材の吹付け施工方法。
(4)搬送管において添加する水を吹付けノズルに近い方から順次1,2,・・・N次添加水とするとき、1次添加水以外の添加水量が施工時合計添加水量の10〜70%である上記(1)、(2)又(3)の不定形耐火材の吹付け施工方法。
(5)高炉樋の内張り又は該内張りの補修部の吹付け施工法である上記(1)〜(4)のいずれかの不定形耐火材の吹付け施工方法
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の不定形耐火材の吹付け施工法により構築された施工体。
本発明は、粉末状の不定形耐火材を搬送管で空気搬送し、その搬送の途中にて前記不定形耐火材に施工水を吹付けノズルの先端から0.3〜15mの上流の搬送管の2箇所以上において多段的に添加することにより、不定形耐火材と施工水との混合性を改善できるので、吹付けノズルからの材料(坏土)の安定的な吐出と吐出時における発塵の低減が可能となり、優れた施工性と施工体が得られる。
また、施工水をこのように多段的に分けて添加することにより、施工水を吹付けノズルの先端から上流の搬送管において一括添加する場合に比べて、搬送時の圧送損失を小さくできるため搬送が容易となり、かつ施工終了時における搬送管中の残存材料の掃除等も大幅に簡便化できる。
以下に、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の吹付け施工方法における粉末状の不定形耐火材は、一般的に耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤を含んでいるが限定されない。ここで、耐火性骨材としては、アルミナ、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、カイアナイト、バン土頁岩、シャモット、ケイ石、パイロフィライト、シリマナイト、アンダルサイト、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、黒鉛などの炭素、ホウ化チタンおよびホウ化ジルコニウムから選ばれる1種以上の使用が好ましい。本明細書において、耐火性骨材は、平均粒子直径が30μmを超えるものをいう。これらの耐火性骨材は、平均粒子直径が好ましくは12mm以下、特には10mm以下が好ましい。粒度は、2種類以上、例えば粗粒、中粒および細粒の組み合わせが使用できるが、この場合、粒子の95質量%以上が、搬送管の内径との関係から最大粒子直径/搬送管の内径の比率が1/7〜1/3になるようにするのが好ましい。
また、耐火性粉末は、耐火性骨材の隙間を埋めて耐火性骨材を結合する結合部を形成するもので、平均粒子直径が10μm以下、好ましくは5μm以下の耐火性超微粉が好ましくは使用される。耐火性超微粉としては、アルミナやヒュームドシリカなどが好ましい。アルミナやヒュームドシリカは、粉末だけでなく、その一部は、アルミナゾル、シリカゾルやコロイダルシリカなどの形態で使用してもよい。耐火性粉末は、耐火性骨材100質量部に対して、好ましくは30〜60質量部、特には40〜50質量部含まれるのが好適である。
耐火性粉末としては、上記の耐火性超微粉に加えて、耐火性超微粉よりも粒度は大きいが、平均粒子直径が好ましくは30μm以下の他の材料を加えることができる。かかる材料としては、アルミナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、バン土頁岩、シャモット、パイロフィライト、シリマナイト、アンダルサイト、ケイ石、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ベントナイトまたはシリカなどを、単独使用または併用するのが好ましい。しかしながら、本発明における不定形耐火材には、従来の乾式施工法の耐火材料において含まれているごとき、水分を加えたとき急激に粘度が上昇するような粘土質材料である、例えば耐火粘土、カオリン、ベントナイトなどはできるだけ少なくするのが好ましく、耐火性骨材100質量部に対して好ましくは3質量部以下にするのが好適である。
不定形耐火材に含まれる結合剤は、不定形耐火物の結合剤として機能するもので、好ましくは、アルミナセメントが使用される。アルミナセメントを結合剤として使用した場合には、施工体は常温から高温までの広い範囲で強度を維持できる。結合剤としては、リン酸、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩、リグニンスルホン酸塩、水溶性フェノールなどを使用することもできる。結合剤は、耐火性骨材100質量部に対して、好ましくは2.5〜20質量部、特には5〜12質量部含有させるのが好適である。
本発明において不定形耐火材に含まれる分散剤は重要であり、分散剤が含まれない場合には、粉末状の組成物に施工水を添加した場合に粘性が増大し、搬送管が閉塞してしまうおそれがある。分散剤としては、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの縮合リン酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩などのカルボン酸塩、メラミンスルホン酸塩、及びβ−ナフタレンスルホン酸塩などのスルホン酸塩から選ばれる1種以上が好ましい。分散剤は、耐火性骨材100質量部に対して、好ましくは0.03〜1.5質量部、特には0.08〜0.35質量部添加するのが好適である。
さらに、不定形耐火材に含まれる急結剤は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩、CaO・Al23、12CaO・7Al23、CaO・2Al23、3CaO・Al23、3CaO・3Al23・CaF2、11CaO・7Al23・CaF2などのカルシウムアルミネート類、または酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩、から選ばれる1種以上が好ましい。
上記急結剤のなかでも、入手が容易であり、また安価であり、かつその特性が優れていることから、アルミン酸ナトリウムを使用するのがより好ましい。アルミン酸ナトリウムはその融点が高いので、耐火物の耐火度を低下させず、耐火物の特性を損なうことがない。なお、急結剤が結合剤の働きを兼ねてもよい。例えば、急結剤および結合剤として、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩を採用してもよい。
これらの急結剤は、粉末状で不定形耐火材中に含有されることが必要であり、その平均粒子直径は、好ましくは20〜200μm、特には50〜100μmが好適である。急結剤の含有量は、急結剤の種類によってある程度変化するが、耐火性骨材100質量部に対して、好ましくは0.07〜4.5質量部、特には0.7〜2.5質量部が好適である。0.07質量部より少ないと、水を添加しても急結速度が不足して吹付け施工された耐火物が流れ落ちる恐れがあり、一方、4.5質量部を超えて注入すると急速に硬化するために吹付け施工が難しくなったり、耐熱性や耐食性などの耐火物としての性能が低下するおそれがある。
図1は、本発明の代表的な吹付け施工法を実施する概略図である。以下、図1を参照して本発明の方法を説明するが、図1は本発明の方法の理解を容易にするために例示したものであり、本発明の方法はこれに限定されない。
粉末状の不定形耐火材2は、上記した各成分を所定の割合で含むようにあらかじめ充分に混合されており、気流搬送機1を使用して搬送管4内に所定量づつ送り込まれ、該搬送管4の内部を粉末状のままの状態で気流にのせて搬送される。つまり、空気搬送される。気流搬送機1としては、粉末状のものを空気搬送できるものであれば特に制限はないが、汎用されている吹付け機や気送コンベアの送給機などが使用できる。気流搬送機1の気流源としては、コンプレッサー3からの圧縮空気が使用される。また、不定形耐火材2は必要な成分を所定の割合で充分に混合してホッパー7に収納しておき、ここから上記気流搬送機1にコンベア6により供給される。不定形耐火材2はこのようにあらかじめ混合したものを施工現場に運んで使用するほかに、施工現場に混合装置を設置し各成分を計量混合して気流搬送機1に供給することもできる。
不定形耐火材2の搬送に使用される搬送管4の内径は、65mm以下が好ましい。搬送管の内径が65mmを超えると単位時間当りの吹付け量が大きくなり過ぎ、実用的でなくなる。逆に内径が過度に小さいと、圧力損失が大きくなり円滑な搬送が困難となるため、特には38mm以上で65mm以下が好ましい。
また、本発明では、粉末状での不定形耐火材2の搬送が可能なため、搬送管4で極めて長距離を搬送できることが特徴である。したがって、搬送管4は気流搬送機1の能力さえあれば長くすることが可能となる。従来の湿式吹付け法では高々100m程度であった搬送距離が、本発明では、乾式吹付け法や新吹付け法と同様に水平距離で約200m、高さで約150mもの長距離の搬送ができる。これにより不定形耐火材を遠隔供給して吹付け施工が可能となる。また、搬送管4としては、所定の強度を有し気流搬送機1と吹付けノズル5を接続できるものであれば特に特定されず、既知の金属管やゴムホースなどが使用できる。
本発明において、搬送管4で搬送中の不定形耐火材2には、施工水が搬送の途中にて搬送管4の終端に近い部分に設けた2箇所以上の施工水供給部9から多段的に添加される。図1は搬送管4に設けた3箇所の施工水供給部9から施工水を添加する例を示している。図示するように、送水ポンプ8で送られてくる施工水は、配水管10から各施工水供給部9に分配して供給され、該施工水供給部9から搬送管4内を搬送中の不定形耐火材に添加される。各施工水供給部9には、それぞれ水量調節弁13が付設されていて、添加水量を該水量調節弁13で調節できるようになっている。
本発明において上記の各施工水供給部9は、吹付けノズル5の先端からLだけ上流の搬送管4に設置するのが好ましい。このLとしては好ましくは0.3〜15m、より好ましくは1〜10m、最も好ましくは2〜6mである。搬送管4の2箇所以上に設けられる施工水供給部9はLの範囲内に位置し、搬送管4の終端に近い部分すなわち吹付けノズル5に近い部分から不定形耐火材に施工水を多段的に添加するのが好ましい。添加水が、ノズル先端から0.3mよりも近い位置にて添加されると、不定形耐火材2と施工水との混合が充分に行なわれる前に、吹付けノズル5からの吹付けが行なわれることになり好ましくない。一方、15mより遠い位置で水の添加が行なわれるときには、施工水添加後の搬送距離が長くなるため圧送抵抗が大きくなり、圧縮空気での搬送力不足により搬送管が閉塞されるおそれがあるので好ましくない。水の添加は、なかでも、吹き付けノズルの先端から2〜6m上流の位置で多段的に行われるのが最も好ましい。
また、搬送管4に設ける施工水供給部9の数は、不定形耐火材の種類、搬送管4の内径の大きさや添加する施工水量などによって変わり限定されないが、通常は操作性などの面から2〜4個程度であり、好ましくは2〜3個である。これらの施工水供給部9は、搬送管4に一定間隔または間隔を変えて設けることができ、さらに搬送管内の不定形耐火材に対して施工水を一様に添加するために、その供給口を搬送管4の周方向に分散して設けるのが好ましい。一つの施工水供給部9から添加する水の量は、水量調節弁13により適宜調節できる。その場合、吹付けノズル5に近い側の施工水供給部9の添加水量を、吹付けノズル5から遠い側の施工水供給部9の添加水量より多くすることによって、搬送管4内における不定形耐火材の圧送抵抗を一層減少できる。しかし、すべての施工水供給部9の添加水量を同一にしてもよい。
本発明で不定形耐火材2に添加される水の量は、不定形耐火材の吹付け施工に必要な水量の実質的に全量が施工水供給部9から添加される。ここで、実質上とは、ほとんど全ての必要な水量を意味し、場合により少量の水を他の位置で加えることもできる。例えば、粉体の舞い上がりを防止するために少量の水をあらかじめ不定形耐火材2に添加し、所謂プレモイストとしてもよい。このようなプレモイストにするためにプレダンプナーなどが適宜使用できる。
さらに、搬送管4において添加する水を吹付けノズル5に近い方から順次1,2,・・・N次添加水とするとき、1次添加水以外の添加水量、すなわち2,3・・・N次添加水の合計添加水量が、施工時に添加される施工水の全量すなわち施工時合計添加水量の10〜70%であるのが好ましく、25〜50%であればより好ましい。1次添加水以外の添加水量が10%より少ないと、圧送抵抗を小さくできるが、残りの施工水は実質的に1次添加水として吹付けノズル5に近い位置で添加されるため、粉末状の不定形耐火材との接触が少なくなり充分に混合できなくなるおそれがある。また、1次添加水以外の添加水量が70%を超えると、一般に流動性が悪い状態での搬送距離が長くなり圧送抵抗が大きくなるので好ましくない。
本発明では、多段的な施工水の添加により不定形耐火材は、吹付けノズル5に近づくに従って次第に湿潤状態を増すが、最終的な湿潤状態になるのは吹付けノズルに近い1次添加水以降であるため、同じ添加水量を例えば多段添加のN次添加水の1箇所でまとめて添加する場合に比べて搬送管に付着する不定形耐火材量は少なくほとんど付着しない。これは本発明で施工水を添加した湿潤状の不定形耐火材についての特異な現象である。
かくして、施工水が添加され湿潤状になった不定形耐火材は、搬送用の空気によって吹付けノズル5に搬送され、該吹付けノズル5から吹付けされる。吹付けノズル5から吐出された耐火材は、施工部位である炉壁構築部11等に高圧空気で吹付けられ、施工体12を形成する。つまり、搬送用空気は炉壁構築部11に吹付けられた時の衝撃により外気中に脱し、脱気された後の吹付け耐火材は、急結剤の効果で急速に凝集し、その後硬化して施工体12を構築する。なお、施工の際には、必要に応じて型枠等を使用してもよい。
本発明の多段的な施工水の添加は、種々の不定形耐火材の吹付け施工に適用できるが、特に高炉樋の内張り又は該内張りの補修部の吹付け施工に好適する。
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限して解釈されない。
(実施例1)
表1に示す組成の吹付け施工用不定形耐火材を用いて本発明の吹付け施工法と従来の新吹付け施工法との比較実験を行った。表1の含有量は、不定形耐火材100質量部当たりの質量部の数値である。実験は、図1の実施形態の方法により実施した。内径38cm、長さ25mの搬送管を用いて粉末状の前記不定形耐火材を40kg/分の割合で空気搬送し、この搬送の途中にて施工水を添加した。施工水の添加は、本発明の吹付け施工法では搬送管の3箇所から施工水を多段的に添加し、すなわち合計添加水を1次添加水、2次添加水および3次添加水に分けて添加し、また新吹付け施工法では上記1次添加水の位置の1箇所から添加水の全量を添加した。この場合、施工水の添加位置(吹付けノズル先端からの距離)は、1次添加水の添加位置はすべて同一とし、本発明の吹付け施工法における2次添加水および3次添加水の添加位置、並びに2次添加水および3次添加水の水量は表2に示す通りである。なお、添加水量は、不定形耐火材に対する質量%である。
施工水を添加した不定形耐火材(坏土)は吹付けノズルに送り、該ノズルから吐出して炉壁構築部に吹付け施工した。その際に、吹付けノズルからの吹付け状況および吹付けされた吐出材を観察し、(A)吐出状態、(B)吐出材の混合状態および(C)発塵状況、を次の指標に従って評価した。その結果を表2に示す。表2において、例1〜7は実施例であり、例8は従来の新吹付け施工法(比較例)である。
なお、吹付け施工後に搬送管内の坏土の残存状況について調べたところ、例1〜7では施工水を多段的に添加しても、全量を1次添加水として添加する、例8の従来の新吹付け施工法のものと実質的に同じであった。
A.吐出状態:
吐出材がノズルから安定して円滑に吹付けされるか否かを、◎:特によい、〇:よい、△:若干閉塞、×:閉塞で評価。
B.吐出材の混合状態:
吹付けされた吐出材から不定形耐火材と施工水との混合状態を目視し、◎:特によい、〇:よい、△:やや不良で評価。
C.発塵状況:
吹付け時の吹付けノズルにおける発塵を、◎:なし、〇:殆どなし、△:若干ありで評価。
Figure 2006220348
Figure 2006220348
本発明は、以上説明したように搬送管を用いて空気搬送する不定形耐火材に、その搬送の途中にて施工水を多段的に添加することにより、吹付け材料の安定的な吐出と発塵の低減により施工性が良好となり、かつ施工終了時における搬送管内の残存材料の掃除等が大幅に簡便となるので、不定形耐火材の吹付け施工に広く適用可能であり、特に高炉樋用の吹付け施工に好適する。
本発明の代表的な吹付け施工法を示す概略図。
符号の説明
1: 気流搬送機 2: 不定形耐火材
3: コンプレッサー 4: 搬送管
5: 吹付けノズル 6: コンベア
7: ホッパー 8: 送水ポンプ
9: 施工水供給部 10:配水管
11: 炉壁構築部 12:施工体
13: 水量調節弁

Claims (6)

  1. 耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤を含む不定形耐火材を、粉末の状態で気流にのせて搬送管に送り搬送管内を空気流により搬送し、搬送の途中にて搬送管の2箇所以上において施工水を多段的に添加した後、吹付けノズルを通じて吹付け施工することを特徴とする不定形耐火材の吹付け施工方法。
  2. 施工水を、吹付けノズルの先端から0.3〜15mの上流の搬送管において添加する請求項1に記載の不定形耐火材の吹付け施工方法。
  3. 施工水の添加量を吹付けノズルに近い側の添加水量を遠い側の添加水量より大にする請求項1又は2に記載の不定形耐火材の吹付け施工方法。
  4. 搬送管において添加する水を吹付けノズルに近い方から順次1,2,・・・N次添加水とするとき、1次添加水以外の添加水量が施工時合計添加水量の10〜70%である請求項1、2又3に記載の不定形耐火材の吹付け施工方法。
  5. 高炉樋の内張り又は該内張りの補修部の吹付け施工法である請求項1〜4のいずれかに記載の不定形耐火材の吹付け施工方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の不定形耐火材の吹付け施工法により構築された施工体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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