JP3864054B2 - 不定形耐火物の吹付け施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来の乾式吹付け施工法及び湿式吹付け施工法の有する難点を解消し、吹付け材料の混練作業を不要とし、搬送管内での閉塞を伴わずに、長距離の搬送施工を可能にし、かつ施工された不定形耐火物は高品質を有するという新規な吹付け不定形耐火物の施工法に関する。
【0002】
【従来技術】
不定形耐火物の有力な施工法として吹付け施工法が知られている。この施工法は流し込み工法に比べて流し込み用の型枠を必要とせず、また、形状が複雑で枠組みが困難な箇所にも容易に施工ができるため、近年ますます多くの分野で広範に使用されるようになっている。かかる吹付け施工法には大別して、空気圧送方式の乾式吹付け施工法と、ポンプ圧送方式の湿式吹付け施工法があるが各々には下記のような利点及び難点がある。
【0003】
乾式吹付け施工法は、水との結合により硬化するアルミナセメント等の硬化剤と、吹付け時の付着性を良くするためのクレー等の耐火性粉末を含んだ粉末状の吹付け用耐火材を、空気圧送方式の吹付け機に供給し、搬送用配管内を空気圧送する。圧送された粉末状の吹付け用耐火材に、吹付けノズル部で施工水を添加し、ノズル内で粉末状の吹付け用耐火材を施工水を含んだ粘性の高い付着性状態とし、これをノズルを通じて吹出して、炉壁構築部に付着させて硬化し、耐火炉壁を構築する施工法である。
【0004】
かかる乾式吹付け施工法は、吹付け用耐火材を粉末状で空気圧送するため、搬送配管の閉塞が起こらないために搬送が容易であり、長距離搬送が可能である。このため、吹付け機械や吹付け用耐火材を地上に設置した状態で遠く離れた場所や高所の施工が可能である。
【0005】
反面、乾式吹付け施工法は、粉末状の吹付け用耐火材と施工水とをノズル内で混合させて粘性のある吹付け耐火材とするため、施工水と吹付け用耐火材との接触時間が短い。その結果、施工水が粉末状の吹付け用耐火材と充分均一に混合されないために、施工された耐火炉壁の品質が不均一になり、強度の大きい安定した高品質の耐火物が得られ難い傾向がある。
【0006】
一方、湿式吹付け施工法は、乾式吹付け法で得られる耐火物よりも品質がより均一で、物性が優れた炉壁を得るために開発され、近年多く採用されている施工法である。湿式吹付け施工法は、吹付け用耐火材と施工水とを予め充分に混練した「坏土」と称する混練物を製造する。かかる坏土は、ミキサーを用いてポンプ圧送が可能な流動性フロー値(JISコーン使用)が200mm前後になるまで混練し、これを圧送ポンプに供給して搬送管内を搬送する。そして、ノズル部で坏土を凝集させるための急結剤を添加し、圧縮空気により炉壁構築部に吹付け、比較的瞬間的に凝集させて炉壁等の耐火物を構築する。
【0007】
かかる湿式吹付け施工法においては、上記のように圧送ポンプに吹付け材料を供給するにあたり、ミキサーを用いて充分な流動性が出るまで吹付け材料を混練する必要があるため、大型のミキサーと多くの人員を必要とする。また、ポンプで圧送するため適正な流動性を得るための混練水量の管理が難しく、例えば、流動性が小さいとポンプ中又は搬送管内で閉塞を起こしてしまう。流動性を大きくするために混練水を添加し過ぎると吹付け用耐火材に含まれる細粒の耐火骨材と微粉状の耐火粉末が分離し、材料の搬送が不可能となる。このように湿式吹付け施工法は現場での施工時の不安定要素が多い。
【0008】
更に、混練された坏土をポンプ圧送にて長距離搬送施工するには、坏土の粘度が大きいために大型のポンプが必要であり、搬送距離も乾式吹付け施工法に比べて短く、高々100m程度である。更にポンプを用いた湿式吹付け施工法においては施工完了時、搬送管内に混練された坏土が残るため、材料のロスが多く、その取り出しの清掃に多くの人員と時間を要するという問題もある。
【0009】
また、従来、特開昭62−36071号公報に記載されるように、粉末状の吹付け耐火用組成物に対して、最終的に必要な施工水分量の1/5〜3/4の水分を使用して、これを耐火用組成物とを予めミキサーで混練し、乾式用吹付けガンで圧送し、そのノズル部にて、施工水分量の残量の水及び硬化促進剤よりなる溶液を添加したものを吹付けて不定形耐火物を構築する施工法が知られている。
【0010】
しかしながら、この施工法は、従来の乾式吹付け施工法と同様に、最終的にノズル内で吹付け用耐火材に硬化促進剤と施工水を混ぜた水溶液を添加するために、必要とされる量の水分が均一に耐火材に接触する時間が短く、充分分散されないで吹付けられるため、高品質の均一な炉壁の構築が困難であり、この結果、従来の乾式吹付け施工法の範囲をでるものではなく、乾式吹付け施工法の難点を改良した工法とはいえない。
【0011】
また、搬送距離も高々100m以内と従来の乾式吹付け施工法と比べて短いため施工箇所の制限も多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような、従来の乾式吹付け施工法及び湿式吹付け施工法の有する難点を解消し、吹付け材料の混練作業を不要とし、搬送管内での閉塞を伴わずに、長距離の搬送施工を可能にし、かつ施工された不定形耐火物は高品質で均一な特性を有するという不定形耐火物の新規な吹付け施工法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を達成するために、乾式吹付け施工法及び湿式吹付け施工法のそれぞれの特性を充分に解析した結果により得られた新規な知見及び発想に基づきなされたものである。従来の湿式吹付け施工法により得られるような優れた特性の不定形耐火物は、事前に充分に混練した坏土を使用しなくても製造できることが判明した。すなわち、粉末状の不定形耐火組成物を使用して搬送し、搬送配管に途中にて施工に必要な全量の水分を添加することにより、湿式吹付け施工法と同等の特性を有する耐火物が簡便に得られる。これは、水の添加位置が乾式吹付け施工法のごとく吹付けノズル近傍でないので、不定形耐火組成物と施工水との充分な混合が行なわれるためと推測される。
【0014】
ここで、搬送配管内を搬送される粉末状の不定形耐火組成物に対して施工に必要な全量の水分を添加した場合には、粘性が増大し、搬送管内に付着してしまうことが予想される。しかし、本発明では、搬送管内を搬送する粉末状の不定形耐火組成物が、たとえ急結剤を含む場合においても、急結剤が粉末状である限り、耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤及び分散剤を含む組成物は、搬送途中で上記水分を添加してもそれほど急速に凝集することなく搬送でき、吹付けノズルより吹付け可能なことが判明した。かくして、本発明では、上記した課題である、乾式吹付け施工法及び湿式吹付け施工法の有する難点を解消した施工法の開発に成功したものである。
【0015】
(1)耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤を含み、かつ急結剤の含有量が耐火性骨材100質量部あたり0.7〜4.5質量部である不定形耐火組成物を、粉末の状態で気流にのせて搬送管内に送り込み、搬送管内を浮遊させながら搬送し、次いで、搬送管の途中であって、吹付けノズルの先端から1 . 0〜15mの上流にて施工水を添加し、その後も気流搬送し、吹付けノズルを通じて吹付けることを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工法。
(2)耐火性粉末が平均粒子直径10μm以下の耐火性超微粉であり、結合剤がアルミナセメントであり、分散剤が縮合リン酸塩、カルボン酸塩又はスルホン酸塩であり、かつ急結剤がアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のケイ酸塩、アルミン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩である上記(1)に記載の不定形耐火物の吹付け施工法。
(3)耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤の含有量が、耐火性骨材100質量部あたり、それぞれ30〜60質量部、2.5〜20質量部、0.03〜1.5質量部及び0.72.5質量部である上記(1)又は(2)に記載の不定形耐火物の吹付け施工法。
以下に、本発明について更に詳しく説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の吹付け施工方法における粉末状の不定形耐火組成物は、耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤を含むものである。ここで、耐火性骨材としては、アルミナ、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、カイヤナイト、バン土頁岩、シャモット、ケイ石、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリュウサイト、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、黒鉛などの炭素、ホウ化チタンおよびホウ化ジルコニウムから選ばれる1種以上の使用が好ましい。本明細書において、耐火性骨材は、平均粒子直径が30μmを超えるものをいう。これらの耐火性骨材は、粒子直径が好ましくは12mm以下、特には10mm以下が好ましい。粒度は、2種類以上、例えば粗粒、中粒および細粒の組み合わせが使用できるが、この場合、粒子の95質量%以上が、搬送管の内径との関係として、最大粒子直径/搬送管の内径の比率が1/7〜1/3になるようにするのが好ましい。
【0017】
また、不定形耐火組成物に含まれる耐火性粉末は、耐火性骨材の隙間を埋めて耐火性骨材を結合する結合部を形成するもので、平均粒子直径が10μm以下、好ましくは5μm以下の耐火性超微粉が好ましくは使用される。耐火性超微粉としては、アルミナやヒュームドシリカなどが好ましい。かかるアルミナやヒュームシリカは、粉末だけでなく、その一部は、アルミナゾル、シリカゾルやコロイダルシリカなどの形態で使用してもよい。耐火性粉末は、耐火性骨材100質量部に対して、好ましくは30〜60質量部、特には40〜50質量部含まれるのが好適である。
【0018】
耐火性粉末としては、上記の耐火性超微粉に加えて、耐火性超微粉よりも粒度は大きいが、平均粒子直径が好ましくは30μm以下の他の材料を加えることができる。かかる材料としては、アルミナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、バン土頁岩、シャモット、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリュウサイト、ケイ石、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ベントナイトまたはシリカなどの無定形シリカ。これらは、単独または併用して使用される。しかしながら、本発明において、不定形耐火組成物には、従来の乾式施工法の耐火材料において含まれているごとき、水分を加えた場合に急激に粘度が上昇するような粘土質材料である、耐火粘土、カオリン、ベントナイトなどはできるだけ少なくするのが好ましく、耐火性骨材100質量部に対して好ましくは3質量部以下にするのが好適である。
【0019】
不定形耐火組成物に含まれる結合剤は、不定形耐火物の結合剤として機能するもので、好ましくは、アルミナセメントが使用される。アルミナセメントを結合剤として使用した場合には、施工体は常温から高温までの広い範囲で強度を維持できる。結合剤としては、リン酸、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、リグニンスルホン酸塩、水溶性フェノールなどを使用することもできる。結合剤は、耐火性骨材100質量部に対して、好ましくは2.5〜20質量部、特には5〜12質量部含有させるのが好適である。
【0020】
本発明において不定形耐火組成物に含まれる分散剤は重要であり、分散剤が含まれない場合には、粉末状の組成物に施工水を添加した場合に粘性が増大し、搬送管が閉塞してしまう。分散剤としては、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの縮合リン酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリアクリル酸塩などのカルボン酸塩、メラミンスルホン酸塩、及びβ−ナフタレンスルホン酸塩などのスルホン酸塩から選ばれる1種以上が好ましい。分散剤は、耐火性骨材100質量部に対して、好ましくは0.03〜1.5質量部、特には0.08〜0.35質量部添加することのが好適である。
【0021】
更に、不定形耐火組成物に含まれる急結剤は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩、CaO・Al23、12CaO・7Al23、CaO・2Al23、3CaO・Al23、3CaO・3Al23・CaF2、11CaO・7Al23・CaF2などのカルシウムアルミネート類、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩、または混合物から選ばれる1種以上が使用される。上記急結剤のなかでも、入手が容易であり、また安価であり、かつその特性が優れていることから、アルミン酸ナトリウムを使用するのが好ましい。アルミン酸ナトリウムはその融点が高いので耐火物の耐火度を低下させず、耐火物の特性を損なうことがない。
【0022】
これらの急結剤は、粉末状で不定形耐火組成物中に含有されることが必要であり、その平均粒子直径は、好ましくは20〜200μm、特には50〜100μmが好適である。急結剤の含有量は、急結剤の種類によってある程度変化するが、耐火性骨材100質量部に対して、0.7〜4.5質量部、特には0.7〜2.5質量部であるのが好適である。0.7質量部より少ないと、水を添加しても急結速度が不足して吹付け施工された耐火物が流れ落ちる恐れがあり、一方、4.5質量部を超えて多く注入すると急速に硬化して吹付け施工が難しくなったり、耐熱性や耐食性などの耐火物としての性能が低下することになる。
【0023】
図1は、本発明の代表的な吹付け施工法を実施する概略図である。上記の各成分を含み、充分に混合された粉末状の不定形耐火組成物2は、気流搬送機1を使用して、粉末状のまま搬送管3内に送り込まれる。気流搬送機としては粉を空気搬送できるものであれば特に制限はないが、例えば、吹付け機などが使用できる。気流源として、通例コンプレッサー6から圧縮空気が供給される。ここで使用される搬送管3の内径は、好ましくは65mm以下が好ましい。搬送管の内径が65mmを超えると単位時間当りの吹付け量が大きくなりすぎる。逆に内径が過度に小さいと、圧損失が大きくなるため、特には38mm以上で65mm以下が好ましい。
【0024】
搬送管3の長さは、気流搬送機1の能力にも関係するが、本発明では、粉末状での搬送が可能なため極めて長距離の施工ができることが特徴であり、従来の湿式吹付け法では高々100m程度であった搬送距離が、本発明では、水平距離で約200m、高さで約150mもの長距離の搬送ができる。また、搬送管3としては、気流搬送機1と吹付けノズル5を接続できるものであれば特に特定されず、既知の金属配管やゴムホースなどが使用できる。
【0025】
搬送管3内を搬送された不定形耐火組成物2には、施工水が施工水供給部4で添加される。施工水供給部4の位置は、吹付けノズル5の先端の位置から1.0〜15mの上流にて行なわれる。水の添加が、上記よりも近い位置にて添加されたときには、不定形耐火組成物2と施工水との混合が充分に行なわれる前に、吹付けノズルからの吹付けが行なわれことになり、好ましくない。一方、上記より遠い位置で水の添加が行なわれるときには、圧送抵抗が大きくなり、圧縮空気での搬送力不足により搬送管が閉塞される傾向があるので好ましくない。水の添加は、なかでも、吹き付けノズルの先端から3〜5m上流の位置であるのが好適である。
【0026】
本発明で不定形耐火組成物2に添加される水の量は、耐火物の吹付け施工に必要な実質上全量の水が添加される。ここで、実質上とは、ほとんど全ての必要な量ということで、場合により少量の水を他の位置で加えることもできる。例えば、粉体の舞い上がりを防止するために少量の水を不定形耐火組成物2に添加し、所謂プレモイストとしてもよい。このようなプレモイストにするためにプレダンプナーなどが適宜使用できる。本発明では、かかる水の添加により湿潤状態になった後でも不定形耐火組成物は、搬送管に付着するような粘性にはならず、これは本発明で水を添加した湿潤状の不定形耐火組成物についての特異な現象であるが、必ずしも理論的に合わないことではない。
【0027】
例えば、粉体、水及び空気の分散系の構造における研究では、一般には、かかる3つの系は種々の構造を取り得るが、本発明の搬送管内での不定形耐火組成物の湿潤状態は、粉体と水との連続した粒子に空気が閉じ込められた、所謂、「繊条(II)域」(梅屋:学振136委員会、不定形耐火物施工技術協議会研究会資料)を構成し、このために、本発明の湿潤状態の不定形耐火組成物は、搬送管内を浮遊しながら搬送されるものと思われる。しかし、これはメカニズムの推定であり、本発明の解釈を拘束するものではない。
【0028】
なお、上記の粉末状の不定形耐火組成物2を搬送管3に送り込むにあたっては、かかる不定形耐火組成物を収納した不定形耐火組成物収納袋8から不定形耐火組成物2を定量搬送機7により気流搬送機1に供給することは、従来の施工法と変わりはない。
【0029】
かくして、湿潤状の不定形耐火組成物は、搬送用の空気とともに吹付けノズル5から吹付けされる。吹付け用耐火材は施工部位である炉壁構築部等に高圧で吹付けられが、搬送用空気は炉壁構築部に吹付けられた時の衝撃により外気中に脱し、脱気された後の吹付け耐火物は、急結剤の効果で急速に凝集し、その後硬化して施工体となり、強固な炉壁が構築される。なお、施工の際には、必要に応じて、型枠等を使用してもよい。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限して解釈されるべきでないことはもちろんである。
実施例1
【0031】
本発明の吹付け工法と従来の湿式吹付け工法及び乾式吹付け工法で得られた施工体である不定形耐火組成物のついての比較試験結果を以下に示した。
試験材料:内訳を表1に示す。なお、含有量は、分散剤及び遅延剤を除き、不定形耐火組成物100質量部当りの質量部の数値である。
試験方法:各吹付け工法により、縦400mm×横400mm×厚み100mmの吹付けパネルを各5枚作成し乾燥後、パネルの物性を比較し、その試験結果を表2にまとめた。
【0032】
【表1】
Figure 0003864054
【0033】
【表2】
Figure 0003864054
【0034】
表2から、従来の乾式吹付け施工法及び湿式吹付け施工法に比べて、本発明の吹付け施工法は、乾燥後の耐火物の物性のバラツキが小さい。このことは従来の吹付け施工法に比較して本発明の吹付け施工法で構築される施工体組織が均質であることを示している。また本発明の吹付け施工法は、水との混合性が良く、施工水の供給量が従来の湿式吹付け工法より少なくて済むので結果的に品質のよい施工体であることがわかる。
実施例2
【0035】
本発明の吹付け施工法と従来の湿式吹付け施工法の作業工数とを比較した結果を表3にまとめて示した。
吹き付け材料:いずれも実施例1で使用したのと同じ。
吹付け施工部位:セメント装置のプレヒーターサイクロン(地上からの高さ50m)
【0036】
【表3】
Figure 0003864054
表3から従来の湿式吹付け工法に比べて、本発明の吹付け施工法では大幅に作業工数の減少と工期の短縮ができたことがわかる。
【0037】
実施例3
本発明の吹付け施工法において、搬送管中を流れる不定形耐火組成物に対して施工水を添加する適性な位置についての試験結果を表4に示した。
試験材料:実施例1で使用したのと同じ。
試験方法:内径38mm×全長100mの搬送管を接続し、施工水の添加位置、すなわち、施工水供給部4の位置を変えながら吹付けパネル(縦1000cm×横1000cm)に吹付けてその特性比較した。吐出量3000kg/時間、吹付け圧力0.6MPaと一定にした。
【0038】
また、吐出性の良否、吹付けロスの有無、施工性の総合判定について定性的に評価した。いずれの場合も○印は、問題のないレベル、△印は、実用上差し支えないレベル、×印は、問題のとなるレベルであることをそれぞれ示す。
【0039】
【表4】
Figure 0003864054
【0040】
表4から、本発明の施工法における施工水の適性な添加位置は、0.3〜15mの範囲であることがわかる。
【発明の効果】
本発明は、従来の湿式吹付け工法及び乾式吹付け工法の難点を解決した新規な吹付け施工法を提供する。
すなわち、本発明の施工法による場合、次のごとき大きな利点が得られる。
(1)粉末状の不定形耐火組成物の気流による搬送によるために、大型ミキサーによる吹付け不定形耐火組成物の混練作業を不要とし、また、圧損失の大きい混練物を圧送するポンプの使用をも不要とした。
(2)従来の湿式吹付け施工法では、不定形耐火組成物を坏土状で搬送するため供給先から吹付け箇所までの搬送距離が水平距離で100mm程度、高所で60m程度が限界であったが、本発明では搬送管内で不定形耐火組成物と施工水との混合が行われるため、搬送管内での閉塞の心配がなく、200m程度の長距離の搬送や150m程度までの高所の施工を可能にした。
(3)不定形耐火組成物中に急結剤をも含有せしめたため、搬送管途中で急結剤を添加する設備やその制御を行なう必要がない。
(4)搬送管内への不定形耐火組成物の付着がないことと、施工後の搬送管内への残存もないため、清掃やメンテナンス作業を大幅に減少させ、さらに搬送管内の残留による不定形耐火材料のロスを著しく低減させた。
(5)得られた吹付け耐火物は、均一で強度の大きい優れた特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の代表的な吹付け施工法を実施する概略図。
【符号の説明】
1: 気流搬送機 2: 不定形耐火組成物
3: 搬送管 4: 施工水供給部
5: 吹付けノズル 6: コンプレッサー
7: 定量搬送機 8: 不定形耐火組成物収納袋
9: 施工水量調整器 10: 施工壁面
11: 施工耐火物

Claims (3)

  1. 耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤を含み、かつ急結剤の含有量が耐火性骨材100質量部あたり0.7〜4.5質量部である不定形耐火組成物を、粉末の状態で気流にのせて搬送管内に送り込み、搬送管内を浮遊させながら搬送し、次いで、搬送管の途中であって、吹付けノズルの先端から1 . 0〜15mの上流にて施工水を添加し、その後も気流搬送し、吹付けノズルを通じて吹付けることを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工法。
  2. 耐火性粉末が平均粒子直径10μm以下の耐火性超微粉であり、結合剤がアルミナセメントであり、分散剤が縮合リン酸塩、カルボン酸塩又はスルホン酸塩であり、かつ急結剤がアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のケイ酸塩、アルミン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩である請求項1に記載の不定形耐火物の吹付け施工法。
  3. 耐火性粉末、結合剤、分散剤及び急結剤の含有量が、耐火性骨材100質量部あたり、それぞれ30〜60質量部、2.5〜20質量部、0.03〜1.5質量部及び0.72.5質量部である請求項1又は2に記載の不定形耐火物の吹付け施工法。
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