JP7282539B2 - 不定形耐火組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、不定形耐火組成物に係り、特に、従来使用していたアルミン酸ナトリウム等の急結剤を配合しなくても施工可能とした不定形耐火組成物に関する。
不定形耐火物は、現地での施工によってその形をなす耐火物であるが、硬化発現のために硬化剤としてアルミナセメントが配合されているのが一般的である。また、アルミナセメントはセメントの中では耐熱性が高いものの、その他の耐火骨材に比べると耐熱性は低いものであるため、アルミナセメントの含有量を減らし、少量のアルミナセメントを介して超微粉の凝集を促す低セメントタイプの不定形耐火物も知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような不定形耐火物を吹付け施工するには、通常、アルミン酸ナトリウム等の急結剤が必須成分として配合され、この急結剤を組成物中に予め添加(内添)しておく場合と(例えば、特許文献2参照)、吹付け施工の吹付け直前に添加(外添)する場合と(例えば、特許文献3参照)、があった。
特開平11-199334号公報 特開2002-213880号公報 特開2002-220288号公報
ところで、特許文献2のように急結剤を内添すると、それにより性状の変化が生じるため、施工の際の吹付け性が低下し、それに伴い付着性の低下やリバウンドロスの増大等が生じてしまう。また、この場合は、上記のように性状が変化していくため長期保管性も低下してしまう。
一方、長期保管性を確保するには、特許文献3のように急結剤を施工直前に配合させることが有効であり、上記で記載した内添の場合のような特性の低下は生じないが、施工時に所定の配合とするため専用の機材が必要となる。そのため、該専用機材も施工現場に搬入し、設置しなければならず、そのためのスペースが必要となる。さらに、施工の操作においても、急結剤の添加工程が必要となるため、施工操作が煩雑となってしまう。
そして、従来良く用いられている急結剤であるアルミン酸ナトリウムは、強アルカリであり、取り扱いに注意が必要でもある。そのため、施工作業において、より安全性が高く、取り扱いの容易な成分を用いることも求められている。
そこで、本発明は、上記課題を解決して、従来の急結剤を使用しなくても同等の付着性、硬化性等を確保でき、長期保存性も良好でありながら、かつ、施工も簡便な操作で行うことができる不定形耐火組成物の提供を目的とする。
本発明の不定形耐火組成物は、耐火性骨材と、耐火性粉末と、アルミナセメントを含む結合剤と、分散剤と、を必須成分として含む不定形耐火組成物であって、前記分散剤がリン酸系分散剤を含み、さらに、ベントナイト及びリチウム塩を含有し、前記不定形耐火組成物中に、前記ベントナイトを0.5~3質量%含有し、かつ、前記耐火性骨材、前記耐火性粉末、前記結合剤及び前記ベントナイトの合計量を100質量%としたとき、前記リン酸系分散剤が0.05~0.3質量%、前記リチウム塩が0.05~1質量%、含有する
本発明の不定形耐火組成物によれば、アルミン酸ナトリウム等の急結剤を使用せずに、同等の付着性、硬化性等を確保して不定形耐火物を形成できる。また、この不定形耐火組成物は、安全で、長期保存性も良好であり、かつ、施工も簡便に行うことができる。
本発明の一実施形態である不定形耐火組成物を用いた気流搬送式吹付け施工法の説明図である。
以下、本発明について、実施形態を参照しながら詳細に説明する。
[不定形耐火組成物]
本実施形態の不定形耐火組成物は、上記のように、耐火性骨材と、耐火性粉末と、結合剤と、分散剤と、ベントナイトと、リチウム塩と、を含むものである。
(耐火性骨材)
ここで用いられる耐火性骨材は、不定形耐火物を形成する主成分であり、不定形耐火組成物の形成に用いられる従来公知の耐火性骨材をそのまま用いることができる。この耐火性骨材としては、例えば、アルミナ、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、カイヤナイト、バン土頁岩、シャモット、ケイ石、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリュウサイト、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、黒鉛などの炭素、ホウ化チタンおよびホウ化ジルコニウムから選ばれる1種以上の使用が好ましい。
本明細書において、耐火性骨材は、その粒径が、10mm以下10μm超である粒子状の骨材が好ましく用いられる。10mmを超える大きい粒子が含まれると坏土のまとまりが悪くなって塊が作れない場合があり、吹付け時のリバウンドロスが増大する。
また、上記範囲においても、粒度が2種類以上と大きさの異なる骨材を組み合わせて用いることが好ましい。例えば、粗粒、中粒および細粒の組み合わせが使用できるが、この場合、粒子の95質量%以上が、搬送管の内径との関係として、最大粒子直径/搬送管の内径の比率が1/7~1/3になるようにするのが好ましい。
より具体的な粒度としては、例えば、2mm以上6mm未満、0.1mm以上2mm未満、30μm以上0.1mm未満、30μm未満のように大きさの異なるカテゴリーに分け、これらをそれぞれ適宜組み合わせて用いることができる。好ましい組み合わせとしては、全ての骨材を100質量%としたとき、2mm以上6mm未満の骨材を5~40質量%、0.1mm以上2mm未満の骨材を10~35質量%、30μm以上0.1mm未満の骨材を10~30質量%、30μm未満の骨材を10~25質量%の範囲とすることが充填性の点で好ましい。なお、本明細書において、粒度は、JIS R 2552に準じて測定された値をいう。
この骨材の配合割合は、不定形耐火組成物中に65~90質量%が好ましく、70~85質量%がより好ましい。骨材の配合割合が65質量%未満であると、吹付け時における発塵の増大や、粉体の流動性が著しく低くなり、気流搬送式吹付け機による搬送に支障が出る。逆に90質量%超であると、得られる耐火物の強度や耐食性が十分に得られなくなってしまう。
(耐火性粉末)
ここで用いられる耐火性粉末は、耐火性骨材の隙間を埋めて耐火性骨材を結合する結合部を形成するもので、平均粒子直径が10μm以下、好ましくは5μm以下の耐火性超微粉が好ましくは使用される。耐火性超微粉としては、アルミナやシリカヒュームなどが好ましい。かかるアルミナやシリカヒュームは、粉末だけでなく、その一部は、アルミナゾル、シリカゾルやコロイダルシリカなどの形態で使用してもよい。
この耐火性粉末の配合割合は、不定形耐火組成物中に、6~24質量%が好ましく、10~20質量%がより好ましい。耐火性粉末の配合割合が6質量%未満であると、得られる耐火物の強度や耐食性が十分に得られず、逆に24質量%超であると、吹付け時における発塵の増大や、粉体の流動性が著しく低くなり、気流搬送式吹付け機による搬送に支障が出る。
耐火性粉末としては、上記の耐火性超微粉に加えて、耐火性超微粉よりも粒度は大きいが、平均粒子直径が好ましくは30μm以下の他の材料を加えることができる。かかる材料としては、アルミナ、チタニア、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、バン土頁岩、シャモット、パイロフィライト、シリマナイト、アンダリュウサイト、ケイ石、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウムまたはシリカなどの無定形シリカが挙げられる。これらは、単独または併用して使用される。
(結合剤)
ここで用いられる結合剤は、不定形耐火物の結合剤として機能するものであればよく、公知の結合剤が挙げられる。このような結合剤としては、アルミナセメント、ハイアルミナセメント、活性マグネシア、低反応性アルカリ土類金属酸化物及び水溶性の有機酸塩又は無機酸塩との組み合せ、等が挙げられ、好ましくは、アルミナセメントが使用される。アルミナセメントを結合剤として使用した場合には、施工体は常温から高温までの広い範囲で強度を維持できる。結合剤としては、リン酸、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、リグニンスルホン酸塩、水溶性フェノールなどを使用することもできる。
この結合剤は、その平均粒径が40μm未満の微粉であることが好ましく、5μm未満であることがより好ましい。結合剤の平均粒径が1μm以下であると養生時の圧縮強度の点で特に好ましい。また、本明細書において、平均粒径はレーザー回折式粒度分布測定法により算出されたものをいう。
この結合剤の配合割合は、不定形耐火組成物中に、1~15質量%が好ましく、3~12質量%がより好ましい。結合剤の配合割合が1質量%未満であると、得られる耐火物の強度や耐食性が十分に得られず、また、硬化にかかる時間が長くなりすぎることで現場の工程に支障をきたす。逆に15質量%超であると、硬化時間が短くなりすぎ、施工体の仕上げに支障をきたす。
(分散剤)
ここで用いられる分散剤は、粉末状の組成物に施工水を添加した場合において粘性の増大を抑制し、搬送管が閉塞する等の不具合を生じさせないようにするものであり、リン酸系分散剤が用いられる。ここで用いられるリン酸系分散剤としては、トリポリリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどの縮合リン酸塩が挙げられ、なかでも、トリポリリン酸ナトリウムが好ましい。
このリン酸系分散剤は、不定形耐火組成物の結合に関して急結作用を生じさせるものである。このようなリン酸系分散剤は、従来の不定形耐火組成物にも配合されていたが、本実施形態においては、その配合量を増やし0.5質量%を超えると吹付け施工に必要な保形性が得られるものの、水分を含んだ施工体を長期養生した場合に施工体が膨張・脆化する不具合のあることがわかった。このような不具合を抑えつつ、吹付けに必要な保形性を得るためには、リン酸系分散剤は外添で0.3質量%以下にし、ベントナイト、リチウム塩と併用することが有効である。
この分散剤の配合割合は、耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、ベントナイトの合計を100質量%としたとき、0.05~0.3質量%が好ましく、0.1~0.2質量%がより好ましい。分散剤の配合割合が0.05質量%未満であると、施工水を添加して坏土としたときの安定性や付着性が低下して、得られる耐火物の強度や耐食性が十分に得られず、逆に0.3質量%超であると、水分を含んだ施工体を長期養生した場合に施工体が膨張・脆化する不具合がある。
(ベントナイト)
ここで用いられるベントナイトは、粘土鉱物モンモリロナイトを主成分とする弱アルカリ性粘土岩であり、一般に、石英、α-クリストバライト、オパールなどの珪酸鉱物を副成分として、長石、マイカ、ゼオライトなどのケイ酸塩鉱物、カルサイト、ドロマイト、ジプサムなどの炭酸塩鉱物や硫酸塩鉱物、さらにパイライトなどの硫化鉱物を随伴する。
このベントナイトは、リチウム塩と併用することにより急結作用を良好にできる。ベントナイトとしては、平均粒径が45μm以下のものが好ましく、10μm以下のものがより好ましい。
このベントナイトの配合割合は、不定形耐火組成物中に、0.5~3質量%が好ましく、1.5~2.5質量%がより好ましい。分散剤の配合割合が0.5質量%未満であると、施工水を添加して坏土としたときの安定性や付着性が低下して、得られる耐火物の強度や耐食性が十分に得られず、逆に3質量%超であると、混練後の坏土の付着性が強すぎ、ホース内で閉塞を起こすおそれがある。
(リチウム塩)
ここで用いられるリチウム塩は、炭酸リチウム、塩化リチウム等の無機化合物であり、特に炭酸リチウムが好ましい。本実施形態においては、混練坏土に吹付けに必要な保形性を付与するとともに、不定形耐火組成物を施工して得られる不定形耐火物の、水分による膨潤および脆化を抑制する成分である。
このリチウム塩の配合割合は、耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、ベントナイトの合計を100質量%としたとき、0.05~1質量%が好ましく、0.1~0.5質量%がより好ましい。リチウム塩の配合割合が0.05質量%未満であると、得られる不定形耐火物が水分による膨潤や剥離等を十分に抑制できないおそれがあり、逆に1質量%超であると、吹付け時における混練坏土が硬くなりすぎ、付着性が落ちてしまう。
本実施形態において、ベントナイトとリチウム塩は互いに補完関係にあり、ベントナイトはリチウム塩のみでは不足する吹付け時の施工安定性を補い、リチウム塩はベントナイトのみでは不足する保形性を補う。
本実施形態の不定形耐火組成物においては、リバウンドロスを低減させる点で、リチウム塩はベントナイトよりも優れる。そして、本検討の結果から、不定形耐火組成物中の質量基準での含有量比較でリチウム塩はベントナイトの4.26倍以上の効果があることが分かった。したがって、リチウム塩の含有割合の4.26倍とベントナイトの合量が下記範囲を満たすと、吹付施工におけるリバウンドロスをより低減できるため好ましい。
4.26X+Y≧a
ここで、Xはリチウム塩の含有割合(質量%)、Yはベントナイトの含有割合(質量%)である。
リバウンドロスの低減を実現する点で、前記aは2.6が好ましく、2.61がより好ましく、2.63がさらに好ましい。
4.26X+Y<2.6の場合、リバウンドロス量が相対的に多かったのに対し、4.26X+Y≧2.6を満たすとリバウンドロス量が相対的に少なくなる。
本実施形態の不定形耐火組成物においては、リチウム塩とベントナイトの含有割合は、吹付施工して得られた施工体の強度にも影響しうる。そして、これらの合量を所定の範囲に抑えることで、施工体の強度をより高めることができる。さらに、前記した含有割合の影響は、リチウム塩の含有割合の方が、ベントナイトの含有割合よりも高く、本検討の結果から、不定形耐火組成物中の質量基準での含有量比較でリチウム塩はベントナイトの8.34倍以上の効果があることが分かった。したがって、リチウム塩の含有割合の8.34倍とベントナイトの合量が下記範囲を満たすと、施工体の強度をより高くできるため好ましい。
8.34X+Y≦b
ここで、Xはリチウム塩の含有割合(質量%)、Yはベントナイトの含有割合(質量%)である。
施工体の強度をより高くする点で、前記bは7.2が好ましく、7.19がより好ましく、7.17がさらに好ましい。
8.34X+Y>7.2の場合、吹付け時に過水量になり、施工体の緻密性が低下し、強度が低下するおそれがあるのに対し、8.34X+Y≦7.2を満たすと吹付け時に適当な水量を維持でき、施工体の緻密性が保たれ、高い強度が得られる。
本実施形態の不定形耐火組成物は、上記成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、従来公知の成分を配合できる。
そして、上記説明した成分を、公知の方法により十分に均一に混合することで本実施形態の不定形耐火組成物を製造できる。
[不定形耐火物]
上記のように得られる不定形耐火組成物は、不定形耐火物を形成する現場において、水と混練して坏土とし、それを流し込み施工や吹付け施工することで、耐火物を所望の箇所、形状に製造できる。
以下、吹付け施工を例に、本実施形態の不定形耐火組成物を用いて不定形耐火物を形成する方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、不定形耐火物の気流搬送式吹付け施工法を説明する図である。
まず、ここで用いる不定形耐火物の気流搬送式吹付け施工装置について説明する。図1に示したように、この吹付け施工装置1は、気流搬送機2と、搬送管3と、施工水添加手段4と、施工水添加部5と、吹付けノズル6と、コンプレッサー7と、から構成される。
気流搬送機2は、不定形耐火組成物21を粉末状態のまま搬送できるように、不定形耐火組成物21をコンプレッサー7の圧縮空気を利用して所定の固体/気体比率で搬送管3内に送り込み、送り込まれた不定形耐火組成物21は搬送管3の一端側(気流搬送機2側)から他端側(吹付けノズル6側)へ搬送される。
搬送管3は、粉末状の不定形耐火組成物21を気流によって粉末状態で搬送する通路であり、途中で施工水が添加された場合にも湿潤状態の不定形耐火組成物を吹付けノズル6まで搬送可能とする。すなわち、この搬送管3としては、気流搬送機2と吹付けノズル6を接続して、粉末状及び/又は湿潤状態の不定形耐火組成物21を安定して搬送できるものであればよい。
この搬送管3としては、従来から用いられている、例えば、鋼等の金属製の配管やゴム製、ポリエチレン等の樹脂製のホースが好ましい。このとき、搬送管3の内径は、搬送する不定形耐火組成物21の量や施工現場等により適宜選択すればよく、通常、65mm以下が好ましい。搬送管の内径が65mmを超えると単位時間当りの吹付け量が多くなりすぎ、内径が、過度に小さいと圧力損失が生じてしまう。なかでも、搬送管3の内径が25~65mmがより好ましい。
このとき、搬送管3の口径は、搬送する不定形耐火組成物21の量や大きさ等によっても適宜選択でき、用いる不定形耐火組成物21中の最大粒子直径/搬送管の内径の比率が1/7~1/3とすることが好ましく、通常、38~65mmの内径の搬送管を用いればよい。
搬送管3の長さは気流搬送を安定して行うことができれば制限されず、例えば、水平距離で約200m、高さで約150mもの長距離の搬送ができる。また、その搬送管3の形状は上記のように樹脂製のような柔軟性を有する素材で形成すると現場の状況に合わせた配置、移動が容易にでき好ましい。さらに、施工場所が高所である場合にも、搬送管3により不定形耐火組成物21を高所まで吹き送り、吹付けノズル6を施工対象物の近くまでもっていけるため、安定した施工を可能とする。
施工水添加手段4は、粉末状の不定形耐火組成物21が搬送されている搬送管3内に施工水を添加して不定形耐火組成物21を湿潤状態とするものであり、このように湿潤状態となった不定形耐火組成物21は、気流搬送機2による気流の力で吹付けノズル6まで搬送される。施工水添加手段4による搬送管3内への施工水は、施工水添加手段4により送り込まれる施工水を、施工水添加部5で搬送管内に供給して添加される。
ここで、施工水添加手段4は、例えば、ステンレス等からなる金属製の配管、ゴム製、ポリエチレン等の樹脂製のホースが好ましい。このとき、施工水添加手段4の内径は、供給する施工水の量や施工現場の状況等により適宜選択すればよく、通常、9~25mmが好ましい。
そして、施工水添加手段4は、搬送管3内へ施工水を供給できるように搬送管3の途中に設けられた水添加口と接続され、施工水添加部5が設けられる。この施工水添加部5の位置は、吹付けノズル6の先端から0.3~1mの位置が好ましい。0.3mより短いと不定形耐火組成物22と施工水とが十分に混合されないおそれがあり、十分な特性を有する耐火物を構築できず、1mより長いと搬送管3内に不定形耐火組成物21が堆積しやすくなり、吹付け量が低下したり、搬送管3内が閉塞して吹付け自体ができなくなったりするおそれがある。
吹付けノズル6は、搬送管3の先端に取り付けられており、施工水の添加された不定形耐火組成物22を施工対象物へ吹付けるものである。この吹付けノズル6としては、従来から用いられている不定形耐火組成物の吹付けノズルを用いればよい。
コンプレッサー7は、圧縮気体を気流搬送機2へ供給するものである。ここで供給される圧縮された気体は、気流搬送機2において、供給される不定形耐火組成物21を搬送管3へ導入し、不定形耐火組成物21は粉末状態のまま搬送管3内を搬送される。
不定形耐火組成物21は、気流搬送機2において、コンプレッサー7から送られてくる圧縮気体により、粉末状態のまま搬送管3内を搬送させる。気流搬送機2としては、不定形耐火組成物21の粉末を気流により搬送できるものであれば特に制限はないが、例えば、日本プライブリコ社製のニードガン(商品名)等の吹付け機などが使用できる。
なお、上記の粉末状の不定形耐火組成物21を搬送管3に送り込むにあたっては、不定形耐火組成物21の所定量を連続的に気流搬送機2に供給し、気流源としてはコンプレッサー7により、例えば、圧縮空気を供給することで、時間当たりの不定形耐火組成物21の搬送量を安定して定量とできる。
そして、搬送管3内に送り込まれた不定形耐火組成物21は、気流搬送機2に供給される圧縮空気による気流により搬送管3内を吹付けノズル6方向に搬送されていく。このとき、搬送管3の長さは、気流搬送機2の能力にも関係するが、本実施形態では、粉末状での搬送が可能なため極めて長距離、例えば200mもの長距離の搬送も可能である。
このように搬送管3内を搬送される不定形耐火組成物21には、搬送管3の途中で施工水添加手段4により施工水が添加される。実際に施工水が供給される施工水添加部5の位置は、吹付けノズル6の先端から0.3~1m上流が好ましく、水の添加が、0.3m未満の位置で行われたときには、不定形耐火組成物21と施工水とが十分に混合されず、十分な特性を有する耐火物を構築できない場合がある。一方、1mを超えて遠い位置で水の添加が行われたときには、水の添加により圧送抵抗が大きくなり、圧縮空気での搬送力不足により搬送管が閉塞される傾向があるので好ましくない。水の添加位置は、吹付けノズル6先端部よりも0.3~1m上流がより好ましい。
本実施形態で不定形耐火組成物21に添加される施工水の量は、耐火物の吹付け施工に必要な実質上全量の施工水が添加される。ここで、実質上とは、ほとんど全ての必要な量という意味で、場合により少量の水を他の位置で加えることもできる。例えば、粉体の舞い上がりを防止するために少量の水を不定形耐火組成物21に添加し、いわゆるプレモイスト状態としてもよい。
例えば、粉体、水及び空気の分散系の構造における研究では、一般には、かかる3つの系は種々の構造を取り得るが、本発明の搬送管内での耐火組成物の湿潤状態は、粉体と水との連続した粒子に空気が閉じ込められた、いわゆる、「繊条(II)域」(梅屋:学振136委員会、不定形耐火物施工技術協議会研究会資料)を構成し、このために、本実施形態の湿潤状態の不定形耐火組成物21は、搬送管内を浮遊しながら搬送されるものと思われる。しかし、これはメカニズムの推定であり、本発明の解釈を拘束するものではない。
また、ここで添加される施工水は、上記施工水添加部5までは、施工水添加手段4により供給されるものであり、通常、施工水の供給源は気流搬送機2の近傍に配設されているため、施工水添加手段4は搬送管3と同程度の長さのものとなる。
このようにして、粉末状の不定形耐火組成物21に所定の混合割合に当たる施工水を添加して湿潤状態とし、吹付けノズル6まで搬送し、そのまま施工対象物である施工壁面22に高圧で吹付けられる。なお、搬送用空気は施工壁面22に吹付けられた時の衝撃により外気中に脱気する。吹付けされた不定形耐火物は脱気後、急速に凝集しその後硬化して施工耐火物23となり、強固な炉壁が構築される。なお、施工の際には必要に応じて型枠などを使用してもよい。
以下、本発明について、実施例を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例により限定して解釈されるものではない。
(例1~8)
表1に示した配合となるように原料粉末を混合して、不定形耐火組成物を得た。なお、ここで用いた粉末原料は、以下のとおりである。
〈耐火性骨材〉
アルミナ-シリカ粉として、Alの含有量が60質量%程度のものを篩分けして、粗粒(粒度:6~2mm)、中粒(粒度:2~0.1mm)、細粒(粒度:0.1mm~)の各粒度の耐火性骨材とした。
〈耐火性粉末〉
仮焼アルミナ(Al98質量%以上、平均粒径10μm以下)
シリカヒューム(SiO94質量%以上、平均粒径5μm以下)
〈結合剤〉
アルミナセメント(Al70質量%程度のハイアルミナセメント)
〈分散剤〉
トリポリリン酸ナトリウム
〈急結剤〉
アルミン酸ナトリウム含有急結剤(AlNaO含有量5~15質量%)
〈粘土〉
ベントナイト(平均粒径45μm以下)
カオリナイト(平均粒径45μm以下)
〈金属塩〉
炭酸リチウム(LiCO含有量98質量%以上)
塩化ナトリウム(NaCl含有量98質量%以上)
〈添加剤〉
爆裂防止剤(ポリプロピレン製;平均繊維長5mm以下)
(例9~14)
表2に示した配合となるように原料粉末を混合して、不定形耐火組成物を得た。
Figure 0007282539000001
Figure 0007282539000002
[特性]
上記例1~14で得られた各不定形耐火組成物について、付着性、施工体の長期養生性、粉体組成物の貯蔵性、圧縮強さ、耐熱スポーリング性の各特性について調べ、その結果を表1~2に併せて示した。なお、各特性は次のようにして評価した。
〈付着性〉
図1に示した気流搬送式吹付け施工法により、吹付け施工を実施した。なお、この試験において、吹付け機として、ニードガン400(AGCプライブリコ株式会社製、商品名)、材料ホースとして、ゴム製の径が1.5B、水平長さ40m、ノズルの0.5m手前で施工水を添加するノズルミックス方式とし、不定形耐火組成物の吐出量は約2t/h、施工水の供給量は吹付け時に施工体が脱落せず、最もリバウンドロスの量が少なくなるように調整した。
上記方法で不定形耐火組成物250kgを施工壁面22に対して吹付け、付着せずに落ちたものを試験後に回収して質量を測定し、下式で算出した値をリバウンドロスとした。

回収物の質量/250×100=リバウンドロス(質量%)

また、リバウンドロスについて、以下のように評価した。
○:10%未満、△:10%以上20%未満、×:20%以上
〈施工体の長期養生性〉
施工壁面22を施工したときに採取した200mm□×100mmの施工体について、その底面を水に浸漬し、最大4週間放置して養生加速試験を実施した。このときの施工体表面の状態変化(膨張、脆化の有無)を目視と触感により経過観察し、以下の基準で評価した。
○:ない、△:ほぼない、×:ある
〈粉体組成物の貯蔵性〉
温度35℃、湿度80%雰囲気下に、不定形耐火組成物を4週間放置したものをミキサーで混練したときに、吹付けに必要な保形性を維持しているか否かを垂直に立てた鉄板に厚さ50mm、高さ300mm程度立ち上げ、鉄板を打撃したときに混練坏土が動かないか目視により確認し、以下の基準で評価した。
○:維持している、×:維持していない
〈圧縮強さ〉
施工体から寸法:160mm×40mm×40mmの試験体を切り出し、1000℃×3hで焼成し、JIS R2553に準じて測定した。測定結果を以下の基準で評価した。
○:50MPa以上、△:49MPa以下
〈耐熱スポーリング性〉
結果を加速するため、予焼成した試験体(1000×5h)を使用した点を除き、JIS R 2567の耐火れんがのスポーリング試験方法に準じて、剥落率を調べ、剥落率が5質量%を超えた時点(回数)で試験終了とし、最大30回まで行った。このとき得られた回数について、以下の基準で評価した。
○:20回以上30回以下、△:10回以上20回未満、×:10回未満
以上より、本実施形態の不定形耐火組成物は、急結剤を用いた従来の不定形耐火組成物と同等の付着性、硬化性等を確保できており、安全で、長期保存性も良好であり、かつ、施工も簡便に行うことができることがわかった。

Claims (5)

  1. 耐火性骨材と、耐火性粉末と、アルミナセメントを含む結合剤と、分散剤と、を必須成分として含む不定形耐火組成物であって、
    前記分散剤がリン酸系分散剤を含み、さらに、ベントナイト及びリチウム塩を含有し、
    前記不定形耐火組成物中に、前記ベントナイトを0.5~3質量%含有し、かつ、
    前記耐火性骨材、前記耐火性粉末、前記結合剤及び前記ベントナイトの合計量を100質量%としたとき、前記リン酸系分散剤が0.05~0.3質量%、前記リチウム塩が0.05~1質量%、含有する、不定形耐火組成物。
  2. 下記式(1)を満たす請求項1に記載の不定形耐火組成物。
    4.26X+Y≧a (1)
    (ここで、Yはベントナイトの配合量(質量%)、Xはリチウム塩の配合量(質量%)、aは2.6である)
  3. 下記式(2)を満たす請求項1または2に記載の不定形耐火組成物。
    8.34X+Y≦b (2)
    (ここで、Yはベントナイトの配合量(質量%)、Xはリチウム塩の配合量(質量%)、bは7.2である)
  4. 前記リン酸系分散剤が、トリポリリン酸ナトリウムである請求項1~のいずれか1項に記載の不定形耐火組成物。
  5. 前記リチウム塩が、炭酸リチウムである請求項1~のいずれか1項に記載の不定形耐火組成物。
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