JP2934620B1 - 湿式吹付用不定形耐火物 - Google Patents

湿式吹付用不定形耐火物

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JP2934620B1
JP2934620B1 JP10107970A JP10797098A JP2934620B1 JP 2934620 B1 JP2934620 B1 JP 2934620B1 JP 10107970 A JP10107970 A JP 10107970A JP 10797098 A JP10797098 A JP 10797098A JP 2934620 B1 JP2934620 B1 JP 2934620B1
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Abstract

【要約】 【課題】 本発明の目的は、湿式吹付工法の材料におい
て、従来からの硬化剤及び硬化促進剤の組み合わせより
も優れた施工性及び耐用性を有する湿式吹付用不定形耐
火物を提供することにある。 【解決手段】 本発明の湿式吹付用不定形耐火物は、湿
潤耐火粉末部(A)を圧送機にて吹付ノズルへ圧送し、
該吹付ノズルにてアルカリ性物質ゲル化剤(B)または
アルカリ性物質ゲル化剤(B)及び水を添加、混合した
後、吹付施工することからなる湿式吹付に使用するため
の湿潤耐火粉末部(A)及びアルカリ性物質ゲル化剤
(B)よりなる湿式吹付用不定形耐火物であって、湿潤
耐火粉末部(A)が必須成分として耐火骨材及びコロイ
ダルシリカを含有してなり、アルカリ性物質ゲル化剤
(B)がコロイダルシリカに対して急激なゲル化作用を
及ぼす物質であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不定形耐火物に関
し、更に詳細には、製鋼用窯炉である高炉樋、溶銑鍋、
混銑車、転炉、取鍋、RH、TD等や各種工業用窯炉等
の施工及び補修に用いられる湿式吹付用不定形耐火物に
関する。
【0002】
【従来の技術】不定形耐火物は、その施工に際して、れ
んが積み作業に見られるような熟練作業を必要とせず、
施工の自動化、省力化も比較的容易にできることから各
種炉にて幅広く適用されている。特に、吹付用不定形耐
火物は施工枠が不要であるために適用増加の傾向にあ
る。しかし、吹付工法は施工時の粉塵発生、リバウンド
ロス、組織のルーズさによる耐用性不足等から主に補修
に適用されている。
【0003】上述のような吹付工法の問題点を解決する
ため、例えば特公昭57−7350号公報には、泥漿状
の不定形耐火物を圧送機によって輸送管で圧送し、該輸
送管の先端に設けられた先絞りノズルで圧搾空気と共
に、硬化促進剤を添加し吹付けることを特徴とする不定
形耐火物の吹付施工法が開示されている。この吹付施工
法に使用されている不定形耐火物は、常温硬化性結合剤
(硬化剤)を含有しており、従って、硬化促進剤を添加
しなければ、施工枠を使用した流し込み施工にも適用可
能である。
【0004】しかしながら、該工法に開示されている吹
付施工法に使用される泥漿状の不定形耐火物には、アル
ミナセメントに代表される常温硬化性結合剤が含まれて
おり、得られた施工体には充分な強度が付与されるもの
の、吹付施工時に何らかの理由により施工が中断し、再
開にまで長時間を要した場合には、圧送機及び圧送ホー
ス内の泥漿状の不定形耐火物の硬化が徐々に始まり、施
工不能となるという問題点がある。即ち、可使時間が限
定されてしまうという欠点があった。しかし、不定形耐
火物から常温硬化性結合剤を除いた場合には、施工体の
強度が発現し難いことは言うまでもない。
【0005】一方、不定形耐火物の耐用性を向上させる
手法として、例えば特開昭53−14712号公報に
は、水溶性シリケートを硬化調整剤として配合してなる
アルミナセメントを結合材とするキャスタブル耐火調合
物が開示されている。なお、該公報には、水溶性シリケ
ートとしてシリカゾル(コロイダルシリカ)、リチウム
シリケート(nLi2O・SiO2)、エチルシリケート
等が例示されている。
【0006】また、特公昭61−52112号公報に
は、通常の耐火性原料からなる混合物100重量部に対
し、結合材として難溶性珪酸ソーダを0.3〜5重量部
とコロイダルシリカを固形分換算で0.09〜3重量部
とを添加したことを特徴とする自硬性を有する不定形耐
火物が開示されている。なお、該公報には、コロイダル
シリカの固形分と難溶性珪酸ソーダとの比を5以下の範
囲とすれば、自硬性の発現を効果的に行わせ、脱型時間
を最適化できることが記載されている。
【0007】更に、特開昭58−55366号公報に
は、シリカゾルを添加することを特徴とする結合剤がρ
−アルミナである耐火組成物が開示されている。また、
特開平9−48676号公報には、耐火材100重量部
に対して、シリカゾル又はアルミナゾル2〜10重量部
を添加して混練したことを特徴とする吹付用不定形耐火
物が開示されている。なお、該公報には、吹付用不定形
耐火物の発塵対策として、プレダンブナにより吹付用不
定形耐火物に水を噴霧して発塵を抑制する方法;吹付用
不定形耐火物を構成する骨材と微粉を分け、微粉部をス
ラリーにして吹付る方法;吹付作業前に予め吹付用不定
形耐火物に水を加えて混練し、吹付用不定形耐火物を湿
らせる方法等があることが開示されている。また、アル
ミナセメントやリン酸を結合剤とする吹付用不定形耐火
物には下記のような問題点があることも開示されてい
る:アルミナセメントやリン酸で硬化させる場合、施工
体が層状になり易く、稼動中の剥離による損耗の原因と
なる;アルミナセメントの水和による結合の場合、急速
乾燥を行うと、水和物の脱水による爆裂が生ずる;アル
ミナセメントやリン酸を結合剤とする吹付用不定形耐火
物を施工する場合、リバウンドロスは不可避であり、そ
のために目標とする施工体が得られない。
【0008】上述のようなシリカゾル(コロイダルシリ
カ)を含有してなる不定形耐火物は、シリカゾル(コロ
イダルシリカ)が常温では安定で、そのままの状態では
凝固しないため、流し込み材として使用する場合には、
硬化剤としてアルミナセメント、珪酸ソーダ、リン酸
塩、ρ−アルミナ等を添加することが必要となる。
【0009】また、シリカゾル(コロイダルシリカ)は
マグネシアクリンカー等のアルカリ土類金属酸化物に対
し、瞬間的にゲルを生ずる欠点を有している。このた
め、特開平7−149575号公報には、耐火組成物1
00重量部に対し、シリカゾル、アミンシリケート、エ
チルシリケートなどのケイ酸質化学結合材をSiO2
換算して0.05〜5.0重量部と、ポリアクリル酸及び
/またはその塩0.001〜1.0重量部とを添加したこ
とを特徴とする流し込み不定形耐火物が開示されてお
り、ポリアクリル酸及び/またはその塩を添加すること
により、シリカゾルなどのケイ酸質化学結合材のゲル化
時間(硬化時間)を調整している。
【0010】なお、上述の特開平9−48676号公報
には、結合剤としてコロイダルシリカのみを添加した吹
付用不定形耐火物が開示されているが、コロイダルシリ
カは熱があればゲル化を伴い凝固するものの、常温で凝
固せず吹付施工時に充分な保形性が得られない。そのた
めアンカー等の補助のない垂直壁や天井等の施工は極め
て困難てある。
【0011】また、特公昭62−21754号公報に
は、粒度調整された耐火骨材の74μ以上には硬化剤
を、74μ以下の微粉部には解膠剤を添加して個別に混
練し、且つ該74μ以下の微粉部は液体バインダーでス
ラリー状とし、それぞれを吹付ノズルに別個に供給し、
両者をノズル部で混合し吹付ける、吹付施工用耐火組成
物の施工方法が開示されている。
【0012】更に、特公平2−7911号公報には、ア
ルミナ、アルミナ・マグネシア系スピネル、高アルミナ
質シリカ・アルミナ、シャモット、ロー石及びシリカよ
りなる群より選択された1種または2種以上の酸化物原
料を主要量とし、これに炭化珪素、窒化珪素、窒化珪素
鉄、カーボン、ピッチ、金属Si、金属Al及び炭化ホ
ウ素よりなる群より選択された1種または2種以上の非
酸化物原料を含有する耐火骨材84〜98重量%、10
μ以下の耐火超微粉2〜12重量%及びアルミナセメン
ト0〜4重量%からなる耐火原料、及び該耐火原料10
0重量%当たり、解膠剤を外掛で0.01〜0.5重量%
含有するローセメントキャスタブル耐火物を吹付け施工
に使用する吹付け施工用耐火組成物において、該組成物
が前記耐火原料100重量%当たり外掛で0.05〜0.
5重量%の速硬性硬化剤及びピッチを実質上含有してな
る前記耐火骨材の粗粒、細粒部(A)、及び前記耐火骨
材の残部微粉部、前記解膠剤、前記耐火超微粉及び前記
耐火原料100重量%当たり4〜10重量%の水または
コロイダルシリカまたはそれら両者を含有してなるスラ
リー部(B)よりなり、かつ前記粗粒、細粒部(A)ま
たはスラリー部(B)のどちらか一方が前記アルミナセ
メント0〜4重量%含有することを特徴とする粗粒、細
粒部(A)及び微粉部(B)よりなる溶銑樋及び溶銑容
器吹付け施工用2成分耐火組成物が開示されている。
【0013】また、特公平4−27190号公報には、
粗粒部と微粉部を別個に吹付ノズルへ供給し、該ノズル
内で所定の割合で混合して吹付施工するための吹付施工
用耐火組成物において、粗粒部が耐火性原料の粒度3m
m〜74μの粗粒100重量部、直径0.1〜20μ、
長さ1〜5mm、水に対する溶解温度50℃以上の温水
可溶性繊維状物質0.05〜1.0重量部、及び硬化剤
0.1〜1.5重量部よりなり;且つ微粉部が耐火性原料
の粒度74μ以下の微粉100重量部、固形分20〜3
0重量%のコロイダルシリカ液及び水よりなる泥漿であ
ることを特徴とする吹付施工用耐火組成物が開示されて
いる。
【0014】上記公報に開示されている吹付施工用耐火
物は、アルカリ性ゲル化材を含む骨材とコロイダルシリ
カを含む微粉からなるスラリーをノズルで混合するもの
であり、これらは従来コロイダルシリカの欠点とされて
いたコロイダルシリカとアルカリ性物質との急激なゲル
化反応を吹付に利用しているものである。しかし、これ
らの吹付施工用耐火物は、施工現場にて特殊混練機を使
用しスラリーを製造する必要があり、更に、施工には専
用のスラリーポンプが必要であるなど施工性に劣るもの
であった。
【0015】また、特開平4−83763号公報には、
アルミナ、アルミナ−シリカ、シリカ、ジルコン、クロ
ム鉱及び炭化珪素からなる群から選択された1種または
2種以上の耐火原料を80〜97重量部、10μm以下
のシリカ質、アルミナ質、炭化珪素質及びジルコン質か
らなる群から選択された1種または2種以上の微粉原料
を3〜20重量部、コロイダルシリカのゲル化剤を0.
01〜1.0重量部、固形分20〜30重量%のコロイ
ダルシリカを1〜10重量部及び水を0〜10重量部含
有してなる、骨材とスラリーをノズルで混合する吹付施
工用耐火物であって、スラリーが20μm以下の原料、
コロイダルシリカ及び水を予め混練し、得られたスラリ
ーを24時間以上自然放置したものであることを特徴と
する吹付施工用耐火物が開示されている。該公報に記載
の吹付施工用耐火物は、スラリーの保存期間に限界があ
り、施工体の品質も満足のいくものではなかった。更
に、これらの骨材とスラリーをノズルで混合する吹付施
工においては、前記の湿式吹付工法による施工と比較し
た場合、施工時に発生する粉塵の量が多く、施工環境は
かなり悪いものであった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、湿式吹付工法の材料において、従来からの硬化剤及
び硬化促進剤の組み合わせよりも優れた施工性及び耐用
性を有する湿式吹付用不定形耐火物を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、コロイダルシリ
カと耐火粉末とを混練した混練物を圧送機によって輸送
管で圧送し、該輸送管の先端に設けられた先絞りノズル
で圧搾空気と共に、コロイダルシリカに対して急激なゲ
ル化作用を及ぼすアルカリ性物質ゲル化剤を添加するこ
とにより吹付施工が可能であること、並びに該混練物
は、アルカリ性物質ゲル化剤添加前であれば吹付施工の
長時間に及ぶ中断においても混練物が全く硬化せず、速
やかに施工再開できるため混練物の可使時間の調整が不
要であること、更に、該混練物を使用する吹付施工にお
いては、無粉塵であることは言うまでもなく、施工時の
接着性と得られた施工体の品質が従来の湿式吹付用不定
形耐火物より格段に優れていることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0018】即ち、本発明は、湿潤耐火粉末部(A)を
圧送機にて吹付ノズルへ圧送し、該吹付ノズルにてアル
カリ性物質ゲル化剤(B)またはアルカリ性物質ゲル化
剤(B)及び水を添加、混合した後、吹付施工すること
からなる湿式吹付に使用するための湿潤耐火粉末部
(A)及びアルカリ性物質ゲル化剤(B)よりなる湿式
吹付用不定形耐火物であって、湿潤耐火粉末部(A)が
必須成分として耐火骨材及びコロイダルシリカを含有し
てなり、アルカリ性物質ゲル化剤(B)がコロイダルシ
リカに対して急激なゲル化作用を及ぼす物質であること
を特徴とする湿式吹付用不定形耐火物に係る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の湿式吹付用不定形耐火物
は、吹付施工の際の長時間に及ぶ中断においても、不定
形耐火物と水との混練物が全く硬化せず、速やかに吹付
施工を再開できるため混練物の可使時間の調整が不要で
あり、吹付時には優れた接着性を有し、更に、吹付され
た施工体の耐火物組織が緻密且つ高強度であるところに
特徴を有するものである。以下、本発明の湿式吹付用不
定形耐火物を詳細に説明する。
【0020】本発明の湿式吹付用不定形耐火物は、湿潤
耐火粉末部(A)とアルカリ性物質ゲル化剤部(B)よ
りなり、アルミナセメントのような常温硬化性結合剤は
実質上不含である。
【0021】本発明の湿式吹付用不定形耐火物を構成す
る湿潤耐火粉末部(A)は、耐火骨材とコロイダルシリ
カを含有してなるものである。ここで、本発明の湿式吹
付用不定形耐火物は、高炉樋、取鍋、TD等の他、各種
炉に使用可能であり、該耐火骨材としては、アルカリ土
類金属酸化物に代表されるアルカリ性物質を除く種々の
耐火性原料を使用することができる。例えば、電融アル
ミナ、焼結アルミナ、仮焼アルミナ、ボーキサイト、バ
ン土頁岩、カイヤナイト、ムライト、フェロシリコン、
アルミニウム、炭化硼素、黒鉛、無定形炭素、ピッチ、
粘土、ベントナイト、無水無定形シリカ等を使用するこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0022】湿潤耐火粉末部(A)を構成するコロイダ
ルシリカは、シリカ超微粒子が液体分散媒中に安定して
分散したものであり、固形分としてSiO2を10〜5
0重量%含有するものである。湿潤耐火粉末部(A)に
おけるコロイダルシリカの配合量は、前記耐火骨材10
0重量部に対して外掛で0.5〜20重量部の範囲内で
ある。該配合量が0.5重量部未満では、後述のアルカ
リ性物質ゲル化剤との反応性が乏しいためゲル生成が充
分でなく、吹付施工時に接着性が充分に得られないため
に好ましくない。また、該配合量が20重量部を超える
と、湿潤耐火粉末部(A)中の水分量が過剰となり、緻
密な組織を有する施工体を得ることができないために好
ましくない。なお、湿潤耐火粉末部(A)がコロイダル
シリカからの水分量のみでは充分な流動性が得られない
場合には、適宜水を添加、混練することができる。
【0023】次に、本発明の湿式吹付用不定形耐火物を
構成するアルカリ性物質ゲル化剤(B)としては、湿潤
耐火粉末部(A)中に配合されているコロイダルシリカ
にゲル化作用を及ぼすあらゆるアルカリ性物質を使用可
能である。例えば珪酸ソーダ、珪酸リチウム、珪酸カリ
ウムのような珪酸塩、硫酸塩、炭酸リチウムのような炭
酸塩、水酸化カリウムのような水酸化物、アルミン酸塩
等の粉末または水溶液等が使用可能であり、これらの中
で、広く市販されており、容易に入手可能であり、且つ
分散性が良好な珪酸ソーダ水溶液または珪酸カリウム水
溶液が好ましい。アルカリ性物質ゲル化剤(B)の配合
量は、前記耐火骨材100重量部に対して外掛で0.0
5〜3.0重量部(固形分換算量)である。ここで、該
配合量が0.05重量部未満では、コロイダルシリカへ
のゲル化作用が充分でなく、吹付に必要な接着性や保形
性が得られないために好ましくない。また、該配合量が
3.0重量部を超えると、施工体の気孔率が増加して緻
密な耐火組織が得られないために好ましくない。
【0024】なお、本発明の湿式吹付用不定形耐火物に
おいて、湿潤耐火粉末部(A)は、アルカリ性物質ゲル
化剤(B)と混合前であれば、即ち、耐火骨材とコロイ
ダルシリカの混練物として常温で保存可能である。この
場合、湿潤耐火粉末部(A)の輸送時の粒度偏在や液相
分離を防止するために湿潤耐火粉末部(A)へ増粘剤を
配合することもできる。増粘剤としては、例えばメチル
セルロース等のセルローズ系有機化合物や、スチレン、
イソプロピレン、エチレン、メタアクリル酸エステル、
アクリル酸エステル等より得られる種々の共重合体や不
飽和カルボン酸またはジカルボン酸等の多元共重合体の
合成エマルジョン等を使用することができる。
【0025】本発明の湿式吹付用不定形耐火物は、慣用
の湿式吹付工法に適用でき、例えば湿潤耐火粉末部
(A)を圧送機にて吹付ノズルへ圧送し、該吹付ノズル
にてアルカリ性物質ゲル化剤(B)を添加、混合した
後、吹付施工することによって、吹付施工することがで
きる。
【0026】更に、湿潤耐火粉末部(A)は、混練後も
常温では硬化することがないために、混練物として保存
することもできる。そのため、半湿式混練のセミウェッ
ト物として施工現場に搬入すれば、ミキサー混練時の粉
塵を防止することができる。また、完全混練物として施
工現場に搬入すれば、粉塵防止は言うまでもなく、混練
用ミキサーが不要となる。更に、半湿式混練のセミウェ
ット物として施工現場に搬入した場合には、ミキサーに
よる混練を行わず、そのまま従来の吹付用ガンにて圧送
して、吹付ノズル部でアルカリ性物質ゲル化剤と水分を
添加して施工することもできる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の湿式吹付用不
定形耐火物を更に説明する。 実施例 以下の表1に示す配合割合を有する耐火骨材とコロイダ
ルシリカとを混練した湿潤耐火粉末部(A)について、
硬化時間を測定した。耐火骨材とコロイダルシリカとの
混練物を、ビニール袋に密封した後、20℃の雰囲気で
放置し、72時間まで1時間毎に硬化の状態を確認し
た。また、表1に示す配合割合を有する湿潤耐火粉末部
(A)を市販のピストン式コンクリートポンプにより吹
付ノズルへ圧送し、該吹付ノズルにてアルカリ性物質ゲ
ル化剤(B)を添加、混合することによる湿式吹付工法
で吹付テストを実施して接着率を測定した。なお、接着
率は施工面に接着した不定形耐火物の重量を測定し、吹
付した不定形耐火物の総重量を100とした時の指数と
して表示した。更に、上記吹付テストで得られた施工体
を105℃で24時間乾燥した後、40×40×160
mmに切断加工し、見掛気孔率及び曲げ強度を測定し
た。得られた結果を表1に併記する。
【0028】
【表1】
【0029】なお、表1において、コロイダルシリカ
は、SiO2含有量20重量%、pH9.5、Na2O安
定化品であり、珪酸ソーダ水溶液は、濃度40重量%の
ものである。
【0030】表1の結果から明らかなように、本発明の
湿式吹付用不定形耐火物の湿潤耐火粉末部(A)は、混
練後3日間放置しても硬化しなかった。また、本発明の
湿式吹付用不定形耐火物の吹付状態は接着率も高く、良
好であり、吹付によって得られた施工体は低気孔率であ
り、曲げ強度においても良好な結果が得られた。
【0031】
【発明の効果】本発明の湿式吹付用不定形耐火物は、常
温硬化性結合剤を含まず、必須成分として耐火骨材とコ
ロイダルシリカとを含有してなる湿潤耐火粉末部(A)
に必要に応じて水を添加、混練して流動可能な状態と
し、圧送ポンプにて吹付ノズルへ圧送し、該吹付ノズル
にてアルカリ性物質ゲル化剤(B)を添加、混練するこ
とによりコロイダルシリカをゲル化して不定形耐火物と
して吹付可能な状態とするものであり、施工された不定
形耐火物は、乾燥時の昇温過程において脱水と同時に強
度を発現するため、使用時には充分な強度を提供するこ
とができるものである。
【0032】また、湿潤耐火粉末部(A)は、常温硬化
性結合剤を含まず、常温で安定であり、アルカリ性物質
ゲル化剤(B)と混練前は硬化することがない。従っ
て、何らかの理由(例えば圧送ポンプ等のトラブル等)
による長期間の施工中断においても湿潤耐火粉末部
(A)は変化せず、速やかに施工を再開することがで
き、当然のことながら可使時間を調整する必要はない。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿潤耐火粉末部(A)を圧送機にて吹付
    ノズルへ圧送し、該吹付ノズルにてアルカリ性物質ゲル
    化剤(B)またはアルカリ性物質ゲル化剤(B)及び水
    を添加、混合した後、吹付施工することからなる湿式吹
    付に使用するための湿潤耐火粉末部(A)及びアルカリ
    性物質ゲル化剤(B)よりなる湿式吹付用不定形耐火物
    であって、湿潤耐火粉末部(A)が必須成分として耐火
    骨材及びコロイダルシリカを含有してなり、アルカリ性
    物質ゲル化剤(B)がコロイダルシリカに対して急激な
    ゲル化作用を及ぼす物質であることを特徴とする湿式吹
    付用不定形耐火物。
  2. 【請求項2】 コロイダルシリカの配合量が耐火骨材1
    00重量部に対して外掛で0.5〜20重量部である、
    請求項1記載の湿式吹付用不定形耐火物。
  3. 【請求項3】 アルカリ性物質ゲル化剤(B)が珪酸ソ
    ーダ水溶液または珪酸カリウム水溶液である、請求項1
    または2記載の湿式吹付用不定形耐火物。
  4. 【請求項4】 珪酸ソーダ水溶液または珪酸カリウム水
    溶液の配合量が耐火骨材100重量部に対して外掛で
    0.05〜3.0重量部(固形分換算量)である、請求項
    3記載の湿式吹付用不定形耐火物。
JP10107970A 1998-04-17 1998-04-17 湿式吹付用不定形耐火物 Expired - Lifetime JP2934620B1 (ja)

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