JP3046251B2 - 緻密質流し込み耐火組成物の湿式吹付け施工方法 - Google Patents
緻密質流し込み耐火組成物の湿式吹付け施工方法Info
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Description
ュ、樋等の溶融金属容器の内張り材として使用される緻
密質流しこみ耐火組成物の湿式吹付け施工法に関する。
つれて溶融金属容器の内張り材は、煉瓦から施工が容易
な流し込み材へと移行してきている。しかし、省力化に
関して、流し込み施工にはまだ枠掛け作業が煩雑である
という問題点がある。その点、吹付け施工は型枠が不要
で応急かつ局部補修が可能なため、一段と省力化に寄与
するとともに補修計画に対しても柔軟な対応ができる。
そのため吹付け施工法は増加の傾向にある。現在の吹付
け施工法の主流は乾式吹付けであるが、乾式吹付けは耐
用性が劣る上に、リバンドロス、発塵による作業環境の
悪化等の問題がある。そこで近年、乾式吹付けの欠点を
改良すべく、半乾式、湿式等の種々の工法及び材料の開
発がなされている。
水分量の一部を吹付け材料と混練したものを、乾式吹付
け機を用いて吹付けノズルまで空気輸送し、ノズルで
(場合によってはノズル手前で)残りの水又は硬化剤を
含んだ溶液あるいは懸濁液を添加して吹き付けるもので
ある。この工法の開示例としては、特開昭61-111973
号、及び特公平2-27308 号、同6-17273 号、同5-63437
号、同5-21866 号等がある。
ーダ(結合剤)を使用したものを開示しており、特公平
2-27308 号及び特公平6-17273 号はローセメントキャス
タブルを対象としたものを開示している。さらに特公平
5-63437 号と特公平5-21866号は同一出願人のもので、
両方とも超微粉と分散剤を含む常温硬化性でない材料を
対象とし、前者は超微粉として耐火粘土を必須成分と
し、ノズルで添加するCa(OH)2 、珪酸ソーダ又はアルミ
ン酸ソーダで耐火粘土を凝結させて、耐乾燥爆裂性を向
上させたもの、後者はさらに湿潤保持剤を 加えて製造
工場において施工水分量の1/5〜3/4の水分量で予
備混練された湿潤状のものに、ノズルで珪酸ソーダ、ア
ルミン酸ソーダ、コロイダルシリカを添加して凝結させ
るものである。
スの減少という点ではある程度の改善が見られるもの
の、基本的にはノズル部で瞬間的に水又は水溶液と材料
を混合しなければならないため、その混合度合は良好で
はなく、水量も変動し易い。その結果、吹付け材の付着
性、施工体の均質性及び充填性が悪い。
量の全部を事前に吹付け材料と混練する方法、あるいは
既に混練された状態で提供されるプレミックスタイプの
材料を吹き付ける方法である。湿式施工法では、ノズル
で硬化調整剤や硬化剤を溶かした水溶液が少量添加され
る場合もある。更にこの工法はノズルへの材料の輸送手
段によって吹付け機法とポンプ法に区分され、ポンプ法
の場合は材料を噴射させるために、通常圧搾空気がノズ
ルで添加される。本発明は後者に属する。水分量によっ
てプラスチック状から泥漿状のものまで様々の作業性が
ある。
350 号、特公昭62-21753号、特公平2-33665 号、特公平
2-1795号等がある。特公昭57-7350 号の吹付け材は水分
量が10〜20%の泥漿状であるため、明らかに溶湯容器の
内張り材に適するような緻密な施工体組織は期待できな
い。後三者は、吹付け耐火物が粉末材料を予め水や溶液
で混練した状態で提供する湿潤状のもので、本発明と同
様、工場での造り置きが可能なものである。施工現場で
の混練作業が必要でないという点で、省力化、作業環境
の改善に寄与するものである。
るべく超微粒子の分散作用を利用するという技術を取り
入れていない。また最大粒径が4mm以下である等、粒
度構成や材料構成が依然として従来の吹付け材の構成を
踏襲している。そのため流し込み材、特に緻密質流し込
み材を流し込み施工する方法に比べて、その施工体の組
織の緻密性は劣り、耐用性はかなり悪い。
は、高密度、高強度、高耐食性を有する緻密質不定形耐
火物施工体を得るために、低水分で流し込み可能な耐火
組成物を用いて湿式吹付け施工する方法を提供すること
である。
トキャスタブルを予めミキサーで水と混練して流しこみ
軟度の作業性にしたものを圧送ポンプで吹付けノズルに
輸送し、吹付けノズルで圧搾空気とともに珪酸アルカリ
溶液を保形性付与剤として添加することを特徴とする湿
式吹付け施工方法を開発し、平成8年3月27日に出願し
た(特願平8-99386 号)。ところがその後更に研究を重
ねた結果、セメントを含まない流しこみ耐火組成物を使
用しても湿式吹付け施工が可能であることを発見し、本
発明に想到した。
は、流しこみ耐火組成物として、粒径10mm以下に粒
度調整された耐火性骨材70〜98重量%と、粒径10
μm以下の耐火性超微粉2〜30重量%との合計100
重量%に対して、分散剤0.01〜1.0重量%を外掛
けで添加したセメントを含まないものを使用し、前記流
しこみ耐火組成物を、水又はその他の混練液で混練して
流しこみ軟度の作業性に調整したものを圧送ポンプで吹
付けノズルに輸送し、前記吹付けノズルで圧搾空気とと
もに、珪酸アルカリ又はアルミン酸アルカリからなる保
形性付与剤0.1〜1重量%(外掛け)を水溶液の状態
で添加し、吹付け施工することを特徴とする。
流しこみ耐火組成物として、粒径10mm以下に粒度調
整された耐火性骨材70〜98重量%と、粒径10μm
以下の耐火性超微粉2〜30重量%との合計100重量
%に対して、分散剤0.01〜1.0重量%を外掛けで
添加したセメントを含まないものを使用し、前記流しこ
み耐火組成物に増粘剤を添加した後で水又はその他の混
練液で予備混練することにより、流しこみ軟度の作業性
に調整したプレミックスタイプの流しこみ耐火組成物と
し、前記プレミックスタイプの流しこみ耐火組成物を圧
送ポンプで吹付けノズルに輸送し、前記吹付けノズルで
圧搾空気とともに、珪酸アルカリ又はアルミン酸アルカ
リからなる保形性付与剤0.1〜1重量%(外掛け)を
水溶液の状態で添加し、吹付け施工することを特徴とす
る。
る。 [1] 流しこみ耐火組成物 本発明の流しこみ耐火組成物は、(A) 耐火性骨材、(B)
耐火性超微粉及び(C)分散剤を含有する。
ルミナ、ボーキサイト、カイヤナイト、アンダリュサイ
ト、ムライト、シャモット、ロー石、珪石、アルミナ−
マグネシアスピネル、マグネシア、ジルコン、ジルコニ
ア、炭化珪素、黒鉛、ピッチ等からなる群から選ばれた
少なくとも1種であり、必要に応じて2種以上を併用す
ることができる。その耐火性骨材の粒径は10mm以下であ
る。10mm超になるとポンプ圧送性が悪化し、リバンドロ
スも多くなる。耐火性骨材の配合量は耐火性骨材+耐火
性超微粉100 重量%当り70〜98重量%である。また好ま
しい耐火性骨材の配合量は75〜95重量%である。
カ、チタニア、ムライト、ジルコニア、クロミア、炭化
珪素、カーボン等の超微粉からなる群から選ばれた少な
くとも1種を使用し、必要に応じて2種以上を併用する
ことができる。ただ耐火性粘土は耐乾燥爆裂性や強度を
低下させるので好ましくない。耐火性超微粉の粒径は10
μm以下、好ましくは1μm以下である。粒径が10μm
超になると分散剤との併用による減水効果が小さく、1
μm以下ではその効果が顕著である。
火性超微粉100 重量%当り、2重量%〜30重量%であ
る。2重量%未満では減水効果が小さく、30重量%を超
えると施工水量が増加するとともに焼成後の収縮が大き
くなる。好ましい耐火性超微粉の配合量は5〜25重量%
である。
キサメタリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、酸性
ピロリン酸ソーダ等の縮合燐酸のアルカリ金属塩、珪
酸のアルカリ金属塩、ポリアクリル酸、フミン酸等の
有機酸及びそのアルカリ金属塩、リグニンスルホン
酸、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸等の有機ス
ルホン酸及びそのアルカリ金属塩等の1種又は2種以上
を使用することができる。中でもウルトラポリリン酸ソ
ーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソーダ、酸性ピロリン酸ソ
ーダ、ポリアクリル酸、クエン酸のように、1%水溶液
のpHが5以下の酸性を示すものは、特に有効である。
それは、これらの酸性分散剤が分散作用に加えて保形性
付与剤である珪酸アルカリ、アルミン酸アルカリのゲル
化を促して保形性付与効果を助長するからである。もち
ろん酸性分散剤の代わりに、中性又はアルカリ性の分散
剤と硼酸、リン酸等の酸性物質とを併用することも可能
である。被施工体が残熱を有する熱間施工においては、
ある程度硬化を促進した方が接着性は良好であるが、こ
のような場合に酸性分散剤はより効果を発揮する。
微粉100 重量%に対して、外掛けで0.01〜1重量%であ
る。分散剤の添加量が0.01重量%未満では耐火性超微粉
に対する十分な分散効果が得られず、また1重量%超で
は最適な分散状態が得られない。好ましい分散剤の添加
量は0.03〜0.8 重量%である。
成物プレミックスタイプの流しこみ耐火組成物は、上記
耐火性骨材、耐火性超微粉及び分散剤の他に、増粘剤及
び水又はその他の混練液を含有することを特徴とする。
レミックスタイプの流しこみ耐火組成物を施工現場に輸
送する際に、輸送時の粒度偏析や液相の分離が起こるの
を防止することにあるが、その他に結合助剤としての効
果も期待される。増粘剤の種類としては食品添加剤、土
木・建築用添加剤等として使用されているものであれば
いずれも使用可能であるが、中でもセルロース系有機化
合物及び/又はイソブチレン・無水マレイン酸系の共重
合高分子化合物が好ましい。
微粉100 重量%に対して、外掛けで0.01〜1重量%が好
ましい。0.01重量%未満では増粘性が小さすぎるため、
材料輸送時の分離防止効果が不十分であり、1重量%超
では作業性(流動性)の低下、耐乾燥爆裂性の低下等の
弊害が生じる。好ましい増粘剤の添加量は0.01〜0.8重
量%である。
こみ耐火組成物に配合できるその他の成分としては、無
機及び金属等の繊維、そして金属アルミニウム、オキシ
カルボン酸塩、有機繊維等の乾燥爆裂防止剤等が挙げら
れる。ただし、金属繊維及び金属アルミニウム等の金属
物質は、プレミックスタイプの流し込み耐火組成物には
使用することができない。なぜなら貯蔵中に金属物質が
水又はその他の混練液と反応する恐れがあるからであ
る。
て流し込み可能な程度の作業性にする。水又はその他の
混練液の添加量は、耐火組成物の粒度構成や耐火性骨材
の気孔率によって大きな影響を受けるが、約5〜8重量
%であるのが好ましい。水又はその他の混練液の添加量
が5重量%未満であると、流動性が不十分であり、また
8重量%を超えると流落等の吹付け施工性の低下が起こ
る。
こみ耐火組成物はそのまま圧送ポンプで吹付けノズルに
輸送し、吹付けノズルで圧搾空気とともに保形性付与剤
の水溶液を添加し、吹付け施工を行う。保形性付与剤水
溶液は、混練物又はプレミックスタイプの流しこみ耐火
組成物の輸送用圧送ポンプと同調して作動する定量ポン
プで供給するのが好ましい。
み耐火組成物の混練物の流動性を消失させて保形性を持
たせる作用を有する。保形性付与剤としては、珪酸アル
カリ又はアルミン酸アルカリを水溶液にして用いる。
だし、R2O はアルカリ金属酸化物)のモル比が2.0 〜3.
3 であるのが好ましい。珪酸アルカリ溶液としては、珪
酸ソーダ水溶液や珪酸カリウム溶液が広く市販されてい
る。特に珪酸ソーダ水溶液にはJIS規格があり、JI
S1号、JIS2号、JIS3号等をそのまま、あるい
は希釈して使用可能である。
/Al2O3 (ただし、R2O はアルカリ金属酸化物)のモル
比が1〜3 であるのが好ましい。中でも、Na2O/Al2O3
のモル比が1〜3程度のアルミン酸ソーダは溶液あるい
は粉末として広く市販されている。我が国では、アルミ
ン酸カリウムは高価であまり普及していないが、もちろ
ん使用可能である。
ずれも、少量すぎるとむしろ分散作用を発揮し、また多
すぎても流動性が出るので好ましくない(特に珪酸アル
カリの場合にこの傾向が顕著である)。従って、所望の
範囲内の添加量で保形性付与作用を発揮するが、その保
形性付与作用の機構は必ずしも解明されていない。保形
性付与剤の添加量は、珪酸アルカリ及びアルミン酸アル
カリのいずれの場合も、耐火性骨材+耐火性超微粉100
重量%に対して外掛けで0.1 〜1重量%が適当である。
0.1 重量%未満では保形性付与作用が小さく、1重量%
超ではアルカリ成分が多くなって耐蝕性が低下する。好
ましい保形性付与剤の添加量は0.2 〜0.8 重量%であ
る。
程度が適当である。水溶液としての添加量は水溶液濃度
に依存するが、一般に水分量が増加しすぎると施工体の
組織の緻密性が低下するので、それを防ぐために2重量
%程度以下とするのが好ましい。
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
変えて、保形性付与剤の添加量と保形性開始時間(すな
わち混練物が流動性を消失するのに要した時間)との関
係を調べた。保形性付与剤としては、JIS1号組成で
濃度44重量%の珪酸ソーダ水溶液と濃度38重量%のアル
ミン酸ソーダ水溶液(Na2O/Al2O3 モル比=1.7 )を使
用した。分散剤としてヘキサメタリン酸ソーダ、酸性ピ
ロリン酸ソーダ及びポリアクリル酸を選定し、その添加
量はすべて0.1 重量%とした。
添加し、7.0重量%の水で混練することにより流し込
み耐火組成物を作製した。その流し込み耐火組成物約3
00gを容器に入れ、これに所定量の保形性付与剤を投
入し、棒で攪拌して、保形性開始時間(即ち、容器を横
転したとき混練物が流落しなくなるまでに要した混練時
間)を測定した。試験結果を図1に示す。保形性開始時
間と実際の湿式吹付け施工の可能性との関係について
は、保形性開始時間が25秒程度までなら湿式吹付け施
工が可能であることが経験的に分かっている。
液の添加量が0.1 重量%程度と少量では保形性が不足す
るが、添加量が増加するにつれて保形性開始時間は段々
短くなり(すなわち、保形性は増大し)、ある領域で最
少値を示し、その後保形性開始時間は増加に転じる。し
かし保形性付与剤溶液の添加量が2.4 重量%程度以上に
なると、珪酸ソーダ水溶液では流動性が出てきて施工不
能領域になる。
サメタリン酸ソーダより、酸性である酸性ピロリン酸ソ
ーダ(1%水溶液のpHは約4.2 )及びポリアクリル酸
(1%水溶液のpHは約2.5 )の方が保形性開始時間が
短く、保形性付与作用が大きいことが分かる。
りである。実施例2〜4及び比較例1、2はSiC-Al2O3
質の流しこみ耐火組成物であり、実施例4はプレミック
スタイプである。また実施例5及び比較例3はAl2O3-Mg
O 質の流しこみ耐火組成物である。
備混練水分量の水を加えて混練したものを、また実施例
4ではプレミックスタイプの流しこみ耐火組成物を、そ
れぞれ圧送ポンプで吹付けノズルに輸送し、吹付けノズ
ルで圧搾空気とともに保形性付与剤溶液を表2に示す分
量(外掛け)で添加し、吹付け施工を行った。
の水を加えて所定の型枠に流しこみ施工した。また材料
が常温で硬化しないので、材料を型枠に入れたまま加熱
養生するとともに乾燥した。なお、比較例1の流しこみ
耐火組成物は垂れ落ちが著しいので、保形性付与剤を添
加しないと吹付け施工ができない。
で予め少量の水で予備混練したものを吹付け機を用いて
ノズルに空気輸送し、吹付け施工を行った。なお、比較
例2ではノズルでアルミン酸ソーダ水溶液を添加し、比
較例3では保形性付与剤溶液を添加しなかった。
〜5及び比較例1〜3の施工体より所定の大きさに切り
出したものを乾燥させて、試験片とした。吹付け施工全
工程で加えた水分量も表2に示す。各実施例及び比較例
で適用した施工法も表2に示す。
(外掛け)。 (16)濃度30重量%、SiO2/Na2Oのモル比=2.2 、配合比
(外掛け)。 (17)濃度38重量%、Na2O/Al2O3 のモル比=1.7 、配合
比(外掛け)。 (18)配合比(外掛け)。 (19)プレミックスタイプ。
0 ℃×3時間焼成後の嵩比重及び曲げ強度を測定した。
また1,450 ℃×3時間焼成後の見掛け気孔率も測定し
た。さらに回転侵蝕試験を行い損傷指数を求めた。曲げ
強度試験及び回転侵蝕試験の方法は以下の通りである。
測定条件及び結果を表3に示す。
した。
侵蝕材として高炉スラグを用い、1,500 ℃の溶融温度に
5時間保持し、回転侵蝕試験を行った。一方、Bグルー
プ(実施例5及び比較例3)では、侵蝕材として転炉ス
ラグ(CaO /SiO2のモル比=4.2 )を用い、1,650 ℃の
溶融温度に5時間保持し、回転侵蝕試験を行った。
厚みを測定し、Aグループでは実施例2の測定値を100
とし、Bグループでは実施例5の測定値を100 とし、そ
れに対する各サンプルの侵蝕厚みの相対値を損傷指数と
した。指数が大きい程侵蝕が大きい。
はいずれも材料が垂れ落ちることなく良く付着し、湿式
吹付け施工性が良好であった。これに対して半乾式吹付
け施工である比較例2及び3では、発塵及びリバンドロ
スが多かった。
け気孔率が施工体の緻密性を良く反映する。湿式吹付け
施工体(実施例2〜5)の嵩比重は、流し込み施工体
(比較例1)に比べれば幾分劣るが、半乾式吹付け施工
体(比較例2及び3)に比較すると大幅に改善されてい
る。回転侵蝕試験による損傷指数も施工体の緻密性と同
様の傾向を示し、実施例2〜4が比較例1に比肩できる
耐蝕性を示しているのに対して、比較例2はかなり悪
く、また比較例3も実施例5と比較すると大幅に耐蝕性
が低下している。
有し、セメントを含有しない流しこみ耐火組成物を予め
ミキサーで水と混練して流し込み軟度の作業性にしたも
の、あるいは既にプレミックスタイプにしたものを圧送
ポンプで吹付けノズルに送り、ノズルで圧搾空気ととも
に、保形性付与剤を溶解した溶液を少量添加して吹付け
施工することにより、従来の吹付け施工より品質、耐蝕
性の点で格段に優れ、流し込み材とも比肩できる施工体
を得ることができる。
は保形性付与剤を添加しなければ硬化しないし、またす
る必要がないので、ローセメントキャスタブル等の常温
硬化性材料に見られる可使時間及び硬化時間の調整とい
う厄介な問題から開放される。このため材料をノズルま
でポンプ輸送する過程で、材料が硬化してホース又はパ
イプを閉塞するというトラブルがなくなる。その上材料
供給に関しても、前もって上記流しこみ耐火組成物を水
又はその他の混練液で混練してプレミックスタイプにし
て提供することが可能である。
な面倒な枠掛け作業が不要で大いに省力化が可能であ
り、ポンプ輸送のため材料のノズルへの供給が非常に
安定し、それに伴いノズルでの保形性付与剤溶液の添加
量も一定にして調整する必要がなく(すなわち、従来の
半乾式あるいは乾式施工のように水量調節がノズルマン
の技量、経験に左右されることがなく)、材料は完全
に流動状態で供給されるため、従来の吹付け施工法のよ
うに発塵がなく、リバンドロスも極めて少ない等の長所
を有している。
リン酸ソーダ及び酸性ピロリン酸ソーダを使用した場合
において、珪酸ソーダ水溶液の添加量と保形性開始時間
との関係を示すグラフであり、(b)は、分散剤として
それぞれヘキサメタリン酸ソーダ及びポリアクリル酸を
使用した場合において、アルミン酸ソーダ水溶液の添加
量と保形性開始時間の関係を示すグラフである。
Claims (7)
- 【請求項1】 流しこみ耐火組成物の湿式吹付け施工方
法において、前記流しこみ耐火組成物として、粒径10mm
以下に粒度調整された耐火性骨材70〜98重量%と、粒径
10μm 以下の耐火性超微粉2〜30重量%との合計100 重
量%に対して、分散剤0.01〜1.0 重量%を外掛けで添加
したセメントを含まないものを使用し、前記流しこみ耐
火組成物を、水又はその他の混練液で混練して流しこみ
軟度の作業性に調整したものを圧送ポンプで吹付けノズ
ルに輸送し、前記吹付けノズルで圧搾空気とともに、珪
酸アルカリ及び/又はアルミン酸アルカリからなる保形
性付与剤0.1 〜1重量%(外掛け)を水溶液の状態で添
加し、吹付け施工することを特徴とする湿式吹付け施工
方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の湿式吹付け施工方法に
おいて、前記分散剤が酸性であり、その1%水溶液のp
Hが5以下であることを特徴とする湿式吹付け施工方
法。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の湿式吹付け施工
方法において、前記珪酸アルカリにおけるSiO2/R2O
(ただし、R2O はアルカリ金属酸化物である。)のモル
比が2.0 〜3.3 であり、前記アルミン酸アルカリにおけ
るR2O /Al2O3 のモル比が1〜3 であることを特徴とす
る湿式吹付け施工方法。 - 【請求項4】 流しこみ耐火組成物の湿式吹付け施工方
法において、前記流しこみ耐火組成物として、粒径10mm
以下に粒度調整された耐火性骨材70〜98重量%と、粒径
10μm 以下の耐火性超微粉2〜30重量%との合計100 重
量%に対して、分散剤0.01〜1.0 重量%を外掛けで添加
したセメントを含まないものを使用し、前記流しこみ耐
火組成物に増粘剤を添加した後で水又はその他の混練液
で予備混練することにより、流しこみ軟度の作業性に調
整したプレミックスタイプの流しこみ耐火組成物とし、
前記プレミックスタイプの流しこみ耐火組成物を圧送ポ
ンプで吹付けノズルに輸送し、前記吹付けノズルで圧搾
空気とともに、珪酸アルカリ及び/又はアルミン酸アル
カリからなる保形性付与剤0.1 〜1重量%(外掛け)を
水溶液の状態で添加し、吹付け施工することを特徴とす
る湿式吹付け施工方法。 - 【請求項5】 請求項4に記載の湿式吹付け施工方法に
おいて、前記増粘剤がセルロース系有機化合物及び/又
はイソブチレン・無水マレイン酸系の共重合高分子化合
物であることを特徴とする湿式吹付け施工方法。 - 【請求項6】 請求項4又は5に記載の湿式吹付け施工
方法において、前記分散剤が酸性であり、その1%水溶
液のpHが5以下であることを特徴とする湿式吹付け施
工方法。 - 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の湿式吹
付け施工方法において、前記珪酸アルカリにおけるSiO2
/R2O (ただし、R2O はアルカリ金属酸化物である。)
のモル比が2.0 〜3.3 であり、前記アルミン酸アルカリ
におけるR2O /Al2O3 のモル比が1〜3 であることを特
徴とする湿式吹付け施工方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8293215A JP3046251B2 (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 緻密質流し込み耐火組成物の湿式吹付け施工方法 |
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