JP2003254672A - 耐食性に優れた不定形耐火物の吹付け施工方法 - Google Patents

耐食性に優れた不定形耐火物の吹付け施工方法

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JP2003254672A JP2002053902A JP2002053902A JP2003254672A JP 2003254672 A JP2003254672 A JP 2003254672A JP 2002053902 A JP2002053902 A JP 2002053902A JP 2002053902 A JP2002053902 A JP 2002053902A JP 2003254672 A JP2003254672 A JP 2003254672A
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次夫 行縄
Eiji Motoki
英二 元木
Katsumi Nonaka
克美 野中
Masashi Osumi
正史 大住
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融金属や溶融スラグに対して大きい耐食性
を有し、かつ嵩密度、気孔率、曲げ強度などの物性にも
優れる、不定形耐火物の新規な吹付け施工方法 【解決手段】 耐火性骨材、耐火性粉末、及び結合剤に
加えて鱗片状黒鉛を含有する粉末状耐火組成物を、粉末
の状態で気流にのせて搬送管内に送り込み、搬送管内を
浮遊させながら搬送し、搬送管の途中にて施工水を添加
し、その後も気流搬送し、吹付けノズルを通じて吹付け
ることを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施工された耐火物
が溶融金属や溶融スラグに対して大きい耐食性を有し、
かつ嵩密度、気孔率、曲げ強度などの物性にも優れる不
定形耐火物の新規な吹付け施工方法に関する。
【0002】
【従来技術】鉄鋼、金属産業などの分野において、溶融
金属や溶融スラグに接触する容器やノズルなどの耐火物
には、溶融金属や溶融スラグにぬれにくく、かつそれら
に対する侵食抵抗性が大きい耐火物が要求されている。
従来、かかる耐食性の大きい耐火物としては、耐火物中
に黒鉛を添加することが提案され、黒鉛を含む耐火物が
製造されている。
【0003】黒鉛は、材質的に溶融金属や溶融スラグに
ぬれにくく、かつそれらに対する侵食抵抗性が高く、ま
た、溶融金属や溶融スラグが耐火物組織中への侵入を抑
制する作用が大きい。さらに、黒鉛は、一般的に酸化物
系材料に比較して熱伝導率が大きく、熱膨張率が小さい
ので耐熱的スポーリング性に優れるという優れた特性を
有する。黒鉛のなかでも、鱗片状黒鉛は、上記した黒鉛
としての特性を顕著に有し、耐食性に優れた耐火物を形
成する。
【0004】かくして、鱗片状黒鉛を含む黒鉛は、それ
単独でまたは他の各種酸化物と複合化させて、MgO−
C系、Al23−C系、ZrO2−C系、Al23−S
iC−C系などの溶融金属や溶融スラグに対する耐食性
及び耐熱的スポーリング性に優れた耐火物として、鉄
鋼、金属の分野などにおいて広く使用されている。しか
し、従来の鱗片状黒鉛を含む耐食性の大きい耐火物は、
レンガや、ノズルやプレートなどのいわゆる定形耐火物
としての使用がもっぱらである。
【0005】一方、近年、省力化や施工能率に優れるた
めに、流し込み耐火物(キャスタブル)や、吹付け施工
による不定形耐火物が主流となっており、特に吹付け施
工方法は流し込み工法に比べて型枠を必要とせず、ま
た、形状が複雑で枠組みが困難な箇所にも容易に施工が
できるため、近年ますます多くの分野で広範に使用され
ている。
【0006】しかし、これらの流し込み耐火物や吹付け
施工による不定形耐火物では、耐食性を増大させるため
に鱗片状黒鉛はほとんど使用されていない。その理由
は、流し込み耐火物や吹付け施工による耐火物では、粉
末状の耐火物材料に水を添加し混練したものを使用する
か、または粉末状の耐火物材料をホースを通じて施工場
所に運び、吹付けノズルにて施工水を添加して吹付け施
工する。いずれの場合も、添加された水の作用で施工性
が与えられるものであるが、一般的に施工水の量が大き
い場合には気孔率が大きくなり、良好な特性の耐火物は
得られないので施工水は最小限の量が使用されている。
【0007】一方、黒鉛は、一般的に水や液体にぬれに
くい性質を有し、該性質は耐食性がより大きい耐火物を
形成する鱗片状黒鉛ほど顕著である。その結果、鱗片状
黒鉛を不定形耐火物に使用する場合には水となじみにく
いために、耐火物材料と均一に混合され、充分な施工性
をもたせるためには、鱗片状黒鉛を含まない不定形耐火
物に比べて、使用する施工水の量が増加し、その結果、
嵩密度が小さく、気孔率が高く、強度も低下してしま
い、せっかくの鱗片状黒鉛の有する耐食性の増加する特
性が得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したよ
うな、従来、ぬれ性の小さい鱗片状黒鉛を添加しても耐
食性の大きい耐火物が得られなかった不定形耐火物の施
工において、鱗片状黒鉛によってもたらされる優れた耐
食性を有する耐火物を得ることのできる新規な吹付け施
工方法を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、鱗片状黒鉛を添加した耐
火物材料を使用する場合も、耐火物材料の混練作業を行
わなくても、耐火物材料による搬送管の閉塞を伴わずに
長距離搬送を可能にし、かつ施工された不定形耐火物は
高品質で均一な特性を有する新規な吹付け施工方法を提
供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意研究を行ったところ、従来の吹付
け施工法とは異なり、吹付けされる耐火性組成物を粉末
の状態で気流にのせて吹付け搬送管内に送り込み、搬送
管内を浮遊させながら搬送し、搬送管の途中にて施工水
を添加し、その後も気流搬送し、吹付けノズルを通じて
吹付けるという新規な吹付け施工方法を開発し、かかる
新規な吹付け施工方法により、鱗片状黒鉛を含む耐火組
成物を吹付け施工した場合には、得られる施工体の諸物
性を低下させることなく、耐食性が著しく増大した施工
体が得られることを見出した。
【0011】すなわち、本発明における新規な吹付け施
工方法では、後に述べるように、従来の吹付け施工法に
比べて、施工水と耐火性組成物との混合効果に優れるた
めに、添加された施工水は極めて有効に作用し、ぬれ性
の小さい鱗片状黒鉛を含む耐火性組成物の場合も少量の
施工水で足りるために上記の目的が達成されるものであ
る。
【0012】かくして、本発明は、以下に記載される特
徴を有する。 (1)耐火性骨材、耐火性粉末、及び結合剤に加えて鱗
片状黒鉛を含有する粉末状耐火組成物を、粉末の状態で
気流にのせて搬送管内に送り込み、搬送管内を浮遊させ
ながら搬送し、搬送管の途中にて施工水を添加し、その
後も気流搬送し、吹付けノズルを通じて吹付けることを
特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法。 (2)粉末状耐火組成物(鱗片状黒鉛を除く)100質
量部に対して、鱗片状黒鉛を0.5〜12質量部含有さ
れる上記(1)記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。 (3)粉末状耐火組成物中にさらに分散剤が含まれる上
記(1)又は(2)に記載の不定形耐火物の吹付け施工
方法。 (4)粉末状耐火組成物が急結剤を含まず、施工水を添
加後、吹付けノズルの先端の上流にて急結剤を添加する
上記(1)〜(3)のいずれかに記載の不定形耐火物の
吹付け施工方法。 (5)急結剤を吹付ノズルの先端から0.3〜2.5m
の上流にて添加し、施工水を急結剤の添加位置から1〜
50mの上流にて添加する上記(4)に記載の不定形耐
火物の吹付け施工方法。 (6)粉末状耐火組成物がさらに急結剤を含んでいる上
記(1)、(2)又は(3)に記載の不定形耐火物の吹
付け施工方法。 (7)施工水を吹付けノズルの先端から0.3〜15m
の上流にて添加する上記(6)に記載の不定形耐火物の
吹付け施工方法。 (8)施工水を添加した後、該施工水と粉末状耐火組成
物とを均一に混合する手段を、施工水の添加位置より下
流の搬送管に設け、施工水と耐火組成物とを更に均一に
混合する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の不定形
耐火物の吹付け施工方法。 (9)耐火性粉末が平均粒子直径10μm以下の耐火性
超微粉であり、結合剤がアルミナセメントであり、かつ
分散剤が縮合リン酸塩、カルボン酸塩又はスルホン酸塩
である上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の不定
形耐火物の吹付け施工方法。 (10)急結剤の添加量が、分散剤を除く不定形耐火組
成物100質量部に対して、乾量基準の質量で0.05
〜3質量部である上記(1)〜(9)のいずれか1項に
記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。 (11)急結剤がアルカリ金属若しくはアルカリ土類金
属のケイ酸塩、アルミン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩である
上記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の不定形耐
火物の吹付け施工方法。 (12)上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の
不定形耐火物の吹付け施工方法により構築された耐火
物。
【0013】
【発明の実施の態様】以下に、本発明の吹付け方法を図
面に従って詳しく説明する。図1は、本発明の代表的な
吹付け施工方法を実施する場合の概略図である。図1の
吹付け施工法では、気流搬送機1を使用し、急結剤が含
有された耐火組成物2を、粉末状のまま搬送管3内に送
り込まれる。気流搬送機1としては、粉状物を空気搬送
できるものであれば特に制限はないが、例えば、吹付け
機などが使用できる。気流搬送機1の気流源として、通
常コンプレッサー6から圧縮空気が供給される。ここで
使用される搬送管3の内径は、好ましくは65mm以下
が好ましい。搬送管の内径が65mmを超えると単位時
間当りの吹付け量が大きくなりすぎる。逆に内径が過度
に小さいと、圧損失が大きくなるため、特には38mm
以上で65mm以下が好ましい。
【0014】搬送管3の長さは、気流搬送機1の能力に
も関係するが、本発明では、粉末状での搬送が可能なた
め極めて長距離の施工ができる。従来の湿式吹付け法で
は高々100m程度であった搬送距離が、本発明では、
水平距離で約200m、高さで約150mもの長距離の
搬送ができる。また、搬送管3としては、気流搬送機1
と吹付けノズル5を接続できるものであれば特に特定さ
れず、既知の金属配管やゴムホースなどが使用できる。
【0015】搬送管3内を搬送された耐火組成物2に
は、施工水が施工水供給部4で添加される。施工水供給
部4の位置は、耐火組成物と施工水を充分に混合するた
めに、吹付けノズル5の先端から少なくとも0.3m以
上の上流が好ましい。本例のように耐火組成物2に初め
から急結剤を混入するときは、吹付けノズル5の先端か
ら0.3〜15mの上流が好ましい。水の添加が、吹付
けノズル5の先端から0.3mの位置より吹付けノズル
5に近い位置にて添加されたときには、耐火組成物2と
施工水との混合が充分に行われる前に、吹付けノズル5
からの吹付けが行われことになり、好ましくない。一
方、吹付けノズル5の先端から15mの位置より遠い位
置で水の添加が行われるときには、圧送抵抗が大きくな
り、圧縮空気での搬送力不足により搬送管が閉塞される
傾向があるので好ましくない。水の添加は、なかでも、
吹付けノズル5の先端から3〜5m上流の位置であるの
が好適である。
【0016】本発明で耐火組成物2に添加される水の量
は、耐火物の吹付け施工に必要な実質上全量の水が添加
される。ここで、実質上とは、ほとんど全ての必要な量
という意味で、場合により少量の水を他の位置で加える
こともできる。例えば、全水分量の40%以内の水を、
粉体の舞い上がりを防止するために耐火組成物2に添加
し、所謂プレモイストとしてもよい。このようなプレモ
イストにするためにプレダンプナーなどが適宜使用でき
る。本発明では、かかる水の添加により湿潤状態になっ
た後でも不定形耐火組成物は、搬送管に付着するような
粘性にはならない。これは本発明で水を添加した湿潤状
の不定形耐火組成物についての特異な現象であるが、必
ずしも理論的に合わないことではない。
【0017】例えば、粉体、水及び空気の分散系の構造
における研究では、一般には、かかる3つの系は種々の
構造を取り得るが、本発明の搬送管内での耐火組成物の
湿潤状態は、粉体と水との連続した粒子に空気が閉じ込
められた、所謂、「繊条(II)域」(梅屋:学振136
委員会、不定形耐火物施工技術協議会研究会資料)を構
成し、このために、本発明の湿潤状態の耐火組成物は、
搬送管内を浮遊しながら搬送されるものと思われる。し
かし、これはメカニズムの推定であり、本発明の解釈を
拘束するものではない。
【0018】なお、上記の粉末状の耐火組成物2を搬送
管3に送り込むにあたっては、かかる耐火組成物2を収
納した耐火組成物収納袋8から定量搬送機7により気流
搬送機1に供給することは、従来の施工方法と変わりは
ない。
【0019】かくして、湿潤状の耐火組成物は、搬送用
の空気とともに吹付けノズル5から吹付けされる。この
耐火組成物が炉壁構築部等の施工部に高圧で吹付けられ
ると、搬送用空気は炉壁構築部に吹付けられた時の衝撃
により外気中に脱気される。その結果、脱気された後の
吹付け耐火物は、急結剤の効果で急速に凝集し、その後
硬化して施工体となり、強固な炉壁が構築される。な
お、施工の際には、必要に応じて、型枠等を使用しても
よい。
【0020】図2は、本発明の他の実施態様の吹付け施
工方法を実施する場合の概略図であり、この方法では、
急結剤を耐火組成物2に添加しないで、搬送管3の施工
水供給部4の下流に設けた急結剤供給部12で、気流搬
送中の耐火組成物に添加する。図1と共通する部分の説
明は省略する。この場合、急結剤の添加は、吹付けノズ
ル5の先端から好ましくは0.3〜2.5mの上流にて
行われる。急結剤の添加が、0.3mよりも吹付けノズ
ル5の先端に近い位置で行われたときには、急結剤が耐
火組成物に充分均一に混合されなために凝集効果が発揮
されない。一方、2.5mよりも吹付けノズル5の先端
から遠い位置で急結剤が添加されるときには、搬送管3
の途中で耐火組成物2が凝固してしまい、搬送管3及び
吹付けノズル5を閉塞するおそれがある。
【0021】また、急結剤をこのように搬送管3の途中
に設けた急結剤供給部12で添加するとき、施工水供給
部4の位置は、急結剤供給部12から1〜50mの上流
が好ましい。水の添加が、急結剤供給部12からの距離
が1mよりも近い位置にて添加されたときには、耐火組
成物2と施工水との混合が充分に行われる前に、急結剤
が添加され、耐火組成物2の凝固が始まるので好ましく
ない。一方、急結剤供給部12からの距離が50mより
遠い位置で水の添加が行われるときには、水の添加によ
り圧送抵抗が大きくなり、圧縮空気での搬送力不足によ
り搬送管が閉塞される傾向があるので好ましくない。水
の添加は、なかでも、急結剤供給部12よりも3〜10
m上流が好適である。このように急結剤を施工水供給部
4の下流において添加するときには、施工水供給部4の
吹付けノズル5の先端からの距離を、急結剤を初めから
耐火組成物に混入する場合より長くできる。
【0022】さらに、急結剤を本例のように施工水供給
部4の下流で湿潤状態の耐火組成物に添加すると、急結
剤の耐火組成物への混入が均一に行われやすくなる。こ
れにより、耐火組成物中に水と急結剤が均一に分散して
いる耐火組成物を得ることができる。その結果、吹付け
施工された耐火物は、品質がより均一で物性が優れてい
る。具体的には、曲げ強度などが向上しかつそのバラツ
キ幅も小さい。また、急結剤を施工水供給部4の下流に
おいて添加する場合には、粉末状と液状の急結剤をほと
んど差別なく使用できる。
【0023】また、本発明においては、搬送管3の途中
で粉末状の耐火組成物に施工水を添加した後、この耐火
組成物と施工水との均一な混合を促進させるための手段
を設けて、両者を更に均一に混合することができる。図
4〜図5は、そのための手段を示すものである。図3
は、螺旋状方式を示す。この方式は、搬送管3の一部を
螺旋状にねじり、内部を空気により搬送される耐火組成
物が搬送管中で螺旋状に反転することで混合を促進す
る。図4は、搬送管3の一部の外周に圧縮空気吹込み口
13を設けて、圧縮空気により渦巻きを強制的に与え、
搬送管3で気流搬送中の耐火組成物を回転させて混合を
促進する渦巻き方式を示す。また、図5は、搬送管3の
一部の内周に、旋回を生ぜしめる案内板14(取り付け
角度が好ましくは45°以下)を取り付け、内部の流れ
を撹乱することにより混合の促進を行う案内板方式を示
す。
【0024】上記本発明で使用される吹付け施工方法で
使用される粉末状耐火性組成物には、通常含有される成
分である、耐火性骨材、耐火性粉末、結合剤、及び急結
剤に加えて、鱗片状黒鉛が含有されることを特徴とす
る。本発明で使用される鱗片状黒鉛は、複数の燐片状の
1次粒子がそれらの面間で互いに平行的に配向して重な
って形成された積層構造を有し、厚みが好ましくは1〜
20μm、面径が好ましくは100〜500μm、比重
が好ましくは1.6〜1.8の2次粒子が好適である。
鱗片状黒鉛は市販品として入手される。
【0025】粉末状耐火性組成物における鱗片状黒鉛の
含有量は、鱗片状黒鉛を除いて粉末状耐火性組成物10
0質量部に対して、好ましくは、0.5〜12質量部で
ある。鱗片状黒鉛の含有量が0.5質量部よりも小さい
場合には、耐食性の大きい耐火物が得られないので好ま
しくない。逆に、鱗片状黒鉛の含有量が12質量部を超
える場合には、施工水の使用量がどうしても多くなり、
嵩密度の低下、気孔率の増大、曲げ強度の低下を招き、
また耐食性自体も低下してしまう。なかでも、鱗片状黒
鉛の含有量は、2〜8質量部が好適である。
【0026】また、本発明の耐火性組成物に含有される
耐火性骨材としては、アルミナ、ボーキサイト、ダイア
スポア、ムライト、カイヤナイト、バン土頁岩、シャモ
ット、ケイ石、パイロフィライト、シリマナイト、アン
ダリュウサイト、クロム鉄鉱、スピネル、マグネシア、
ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ素、窒化ア
ルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、黒鉛などの炭
素、ホウ化チタン及びホウ化ジルコニウムから選ばれる
1種以上の使用が好ましい。
【0027】なお、本発明における耐火性骨材は、平均
粒子直径が30μmを超えるものをいう。これらの耐火
性骨材は、粒子直径が好ましくは12mm以下、特には
10mm以下が好ましい。粒度は、2種類以上、例えば
粗粒、中粒および細粒の組み合わせが使用できるが、こ
の場合、耐火性骨材粒子の最大粒子直径が、搬送管の内
径との関係として、最大粒子直径/搬送管の内径の比率
が1/7〜1/3になるようにするのが好ましい。ここ
で、最大粒子直径とは粒子の95質量%以上が通過でき
るJISZ8801で規定されるフルイの目開きの内、
最小のものをいう。
【0028】また、耐火組成物に含まれる耐火性粉末
は、耐火性骨材の隙間を埋めて耐火性骨材を結合する結
合部を形成するもので、平均粒子直径が10μm以下、
好ましくは5μm以下の耐火性超微粉が好ましくは使用
される。耐火性超微粉としては、アルミナやヒュームド
シリカなどが好ましい。アルミナやヒュームドシリカ
は、粉末だけでなく、その一部は、アルミナゾル、シリ
カゾルやコロイダルシリカなどの形態で使用してもよ
い。耐火性粉末は、耐火性骨材100質量部に対して、
好ましくは30〜60質量部、特には40〜50質量部
含まれるのが好適である。
【0029】耐火性粉末としては、前記の耐火性超微粉
に加えて、耐火性超微粉よりも粒度は大きいが、平均粒
子直径が好ましくは30μm以下の他の材料を加えるこ
とができる。かかる材料としては、アルミナ、チタニ
ア、ボーキサイト、ダイアスポア、ムライト、バン土頁
岩、シャモット、パイロフィライト、シリマナイト、ア
ンダリュウサイト、ケイ石、クロム鉄鉱、スピネル、マ
グネシア、ジルコニア、ジルコン、クロミア、窒化ケイ
素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、ホウ
化チタン、ホウ化ジルコニウム、ベントナイト又はシリ
カなどの無定形シリカを挙げることができる。これら
は、単独で又は併用して使用される。
【0030】本発明において、耐火組成物には、従来の
乾式施工方法の耐火材料に含まれている粘土質材料、例
えば耐火粘土、カオリン、ベントナイトなどを添加する
こともできる。この粘土質材料は、水分を加えた場合に
急激に粘度を上昇させるもので、できるだけ少なくする
のが好ましく、耐火性骨材100質量部に対して好まし
くは3質量部以下にするのが好適である。
【0031】耐火組成物に含まれる結合剤は、不定形耐
火物の結合剤として機能するもので、好ましくは、アル
ミナセメントが使用される。アルミナセメントを結合剤
として使用した場合には、施工体は常温から高温までの
広い範囲で強度を維持できる。結合剤としては、リン
酸、リン酸アルミニウムなどのリン酸塩、ケイ酸ナトリ
ウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、リグニンスルホ
ン酸塩、水溶性フェノールなどを使用することもでき
る。結合剤は、耐火性骨材100質量部に対して、好ま
しくは2.5〜20質量部、特には5〜12質量部含有
させるのが好適である。
【0032】本発明において耐火組成物には好ましくは
分散剤をさせるのが好ましい。分散剤が含まれる場合に
は、粉末状の組成物に施工水を添加した場合にも粘性が
大きく増大させることなく搬送管が閉塞しにくくする。
分散剤としては、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサ
メタリン酸ナトリウムなどの縮合リン酸塩、ポリカルボ
ン酸塩、ポリアクリル酸塩などのカルボン酸塩、メラミ
ンスルホン酸塩、及びβ−ナフタレンスルホン塩などの
スルホン酸塩から選ばれる1種以上が好ましい。分散剤
は、耐火性骨材100質量部に対して、好ましくは0.
02〜1.5質量部、特には0.03〜1質量部添加す
るのが好ましい。
【0033】本発明において、急結剤としては、粉末又
は液体のものが使用可能である。吹付け施工する坏土中
の水分量を必要最小限に留めて良好な耐火物特性を確保
するため、好ましくは粉末の急結剤が使用される。水溶
液の急結剤を使用する場合には、なるべく濃い水溶液を
使用する方が吹付け後の施工体の緻密性が低下しにくい
ため好ましい。
【0034】また、本発明において、急結剤は、耐火性
骨材、耐火性粉末、結合剤及び分散剤等の吹付け耐火組
成物に初めから添加しておく場合と、初めから吹付け耐
火組成物には添加しないで、吹付けノズルの上流の気流
搬送途中において、施工水を加えた後の吹付け耐火組成
物に添加する場合がある。急結剤をこれらのどちらで添
加するかは、急結剤の種類、吹付け耐火組成物の材質や
施工水を添加してから実際に吹付けするまでの気流搬送
距離などにより決められる。搬送管内での吹付け耐火組
成物の凝集を可能な限り防止し、より優れた品質の耐火
物を得るためには、急結剤は施工水を添加した後の吹付
け耐火組成物に添加する後者の方が好ましい。施工水を
添加してからの気流搬送距離が長い場合には、特に望ま
しい。また、急結剤を初めから添加するときには、同じ
理由から液状の急結剤より粉末状の急結剤の方が好まし
い。
【0035】粉末の急結剤の添加には、粉末の添加量を
均一に制御できる装置の使用が好ましく、通常は圧縮空
気をキャリアーとして急結剤を添加する装置が使用され
る。また、液体の急結剤を使用する場合も供給量を均一
に制御可能な液体ポンプが好ましく、使用する急結剤の
種類に応じて適宜選定されるが、プランジャーポンプ、
ダイヤフラムポンプ、回転容積型一軸偏心ネジポンプな
どが好適とされる。
【0036】本発明で使用される急結剤としては、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウムなどのケイ酸塩、アルミ
ン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カル
シウムなどのアルミン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩、C
aO・Al23、12CaO・7Al23、CaO・2
Al23、3CaO・Al23、3CaO・3Al23
・CaF2、11CaO・7Al23・CaF2などのカ
ルシウムアルミネート類、酸化カルシウム、水酸化カル
シウム、塩化カルシウム及びこれらの複合物又は混合物
から選ばれる1種以上が選ばれる。だが、上記に限定さ
れることなく、既知の急結剤及び凝集剤と呼ばれる物質
も使用できる。上記急結剤のなかでも、入手が容易であ
り、また安価で、かつその特性が優れていることから、
アルミン酸ナトリウムを使用するのが好ましい。アルミ
ン酸ナトリウムはその融点が高いので、耐火物の耐火度
を低下させることなしに、耐火組成物中に注入すると、
耐火組成物を急速に硬化させることができる。
【0037】これらの急結剤を粉末状で使用するとき、
その平均粒子直径は、好ましくは20〜200μm、特
には50〜100μmが好ましい。急結剤の添加量は、
急結剤の種類によってもある程度変化するので、急結剤
の種類と、急結剤を注入した後の吹付けノズルまでの長
さなどによって、注入量を調節するのが好ましい。ま
た、液体の急結剤の場合には、適宜希釈して使用するこ
とができ、また、粉体の急結剤の場合には、そのまま又
は水などの媒体に分散又は溶解した液状として使用でき
る。
【0038】急結剤の添加量は、分散剤を除く耐火組成
物100質量部に対して、乾量基準の質量で0.05〜
3質量部とするのが好ましい。0.05質量部より少な
いと、性能の良い急結剤であっても急結速度が不足して
吹付け施工された耐火物が流れ落ちる恐れがあり、一
方、3質量部を超えて多く注入すると、急速に硬化して
吹付け施工が難しくなったり、耐熱性や耐食性などの耐
火物としての性能が低下する恐れがある。
【0039】本発明の吹付け施工方法においては、耐火
組成物に対する急結剤の添加量を吹付け施工中に変化さ
せることにより、耐久性などの特性に優れた施工体を得
ることができる。例えば、耐火炉壁の隙間を補修するよ
うな場合、施工開始時には急結剤を添加せず、施工の最
終段階、好ましくは、終了直前に急結剤を注入する方
法、又は施工開始時には、所定量の数質量%〜数十質量
%の急結剤を注入し、施工の経過とともに急結剤の量を
増やしていき、最後に所定量の急結剤を注入する方法な
どが選ばれる。このような急結剤の注入法を採用するこ
とにより、施工体の内部は、急結剤が少ないか又は含ま
れないため、耐火特性が優れている。一方、表面付近
は、充分な急結剤があるため強度特性に優れる施工体が
得られる。
【0040】また、本発明の吹付け施工方法において
は、必要に応じて、耐火組成物100質量部に対して、
好ましくは、0.002〜0.2質量部の遅延剤を添加
することにより、凝集時間を制御でき、安定して耐火物
を吹付け施工できる。遅延剤には、シュウ酸、ホウ酸、
リンゴ酸、クエン酸、リグニンスルホン酸塩などの弱酸
が好ましく使用できる。以下に、実施例を挙げて、本発
明を更に詳しく説明するが、本発明はかかる実施例によ
り何ら制限して解釈されるべきでないことはもちろんで
ある。
【0041】
【実施例】実施例1 表1に示す試験材料を使用し、従来の、流し込み施工方
法、振動流し込み施工方法、吹付け施工方法(乾式)、
吹付け施工方法(湿式)及び本発明の吹付け施工方法を
実施し、それぞれの施工性、及び得られた施工体につい
ての各種物性の比較試験結果を表2に示す。
【0042】試験材料:使用した耐火材料の組成を表1
に示す。表1で、組成(A)は、流し込み施工方法、振
動流し込み方法、従来の吹付け施工方法(湿式)及び本
発明の吹付け施工方法の組成であり、組成(B)は、従
来の吹付け施工方法(乾式)の組成である。各成分の含
有量は、分散剤及び遅延剤を除き、耐火組成物100質
量部中の質量部の数値である。分散剤及び遅延剤は、耐
火性骨材100質量部当りの質量部の数値である。な
お、鱗片状黒鉛の含有量は、変量であり、表2に示す。
また、本発明の吹付け方法で使用する急結剤は、本実施
例1では予め所定量を耐火組成物に添加した。
【0043】施工方法 (1)流し込み施工方法:試験材料と施工水はパン型ミ
キサーで混練した。施工水量は、フロー値(JISR2
521のフローテーブルとフローコーンを使用、10回
タップ)が165mmになるように調整した。混練物
は、縦400mm ×横400mm ×深さ100mmの
木枠に流し込み成形し、硬化後に試験片を切り出し、そ
の物性を測定した。
【0044】(2)振動流し込み方法:試験材料と施工
水はパン型ミキサーで混練した。施工水量は、振動フロ
ー値(JISR2521のフローコーンを使用、280
0rpm、30秒加振)が165mmになるように調整
した。混練物は、テーブルバイブレータを用い、縦40
0mm ×横400mm ×深さ100mmの木枠に28
00rpmで振動流し込み成形し、硬化後に試験片を切
り出し、その物性を測定した。
【0045】(3)従来の吹付け施工方法(乾式):吹
付け機(日本プライブリコ社製、商品名:ニードガン4
00)を使用し、ハム型ノズルを用い、ノズルボディー
の手前で施工水を添加した。搬送管としては、内径38
mm、長さ100mのゴムホースを使用した。吹付け施
工により、縦400mm ×横400mm ×深さ100
mmの吹付けパネルを各5枚作製し、硬化後に試験片を
切り出し、その物性を測定した。
【0046】(4)従来の吹付け施工方法(湿式):試
験材料と施工水はパン型ミキサーで混練した。混練物の
搬送には、Wピストンポンプを使用し、また搬送管とし
ては、内径38mm、長さ100mの鋼製配管を使用し
た。
【0047】(5)本発明の吹付け施工方法:図1に示
した吹付け方法により、搬送管として、内径38mm、
長さ100mのゴムホースを使用し、 気流搬送機とし
て、吹付け機(日本プライブリコ社製、商品名:ニード
ガン400)を使用し、施工水を吹付けノズル先端の
1.0m上流にて添加した。吹付け施工により、縦40
0mm×横400mm×厚み100mmの吹付けパネル
を各5枚作製し、硬化後に試験片を切り出し、パネルの
物性を試験した。
【0048】
【表1】
【0049】なお、以下の表2には、従来の吹付け施工
方法(湿式)による場合の施工性、及び得られた施工体
についての物性の結果を示してない。これは、鱗片状黒
鉛を含む耐火性組成物を施工水の量を変えてミキサーに
て混練したが、ポンプで搬送できる自己流動性を発現す
る混練物は得られず、従って、吹付けノズル部で圧縮空
気と急結剤を添加して施工する、湿式吹付け施工方法を
実施できなかったためである。
【0050】
【表2】
【0051】なお、表2において、鱗片状黒鉛は、炭素
純度98質量%、粒度0.425〜0.150mmのも
のを使用した。急結剤は、アルミン酸ナトリウムの粉末
を使用した。鱗片状黒鉛量、急結剤量及び施工水量は、
耐火組成物100質量部に対する外掛けの質量部であ
る。流し込み方法での施工水の量は、幾つかの量で試験
したため「−」で示した。また、従来の吹付け(乾式)
方法での急結剤の量は、急結剤を使用しなかったため
「−」で示した。
【0052】施工性について、○印は可、×印は不可を
示す。吹付け性の発塵及び吹付けロスについて、○印は
少量、△印は若干多量、×印は多量を示す。なお、従来
の吹付け方法で燐片状黒鉛を添加した場合に見られる吹
付けロスの結果は、混合不充分によるものと思われる。
また、施工体組織を目視で観察した結果である、ラミネ
ーション(層状の組織的欠陥が生じる現象)について、
○印は無し、△印は若干有り、×印は有りを示し、骨材
の偏在について、○印は無し、△印は若干有り、×印は
有りを示す。さらに、総合評価については、◎印は極め
て良好、○印は良好、△印は不良、×印は不可を示す。
【0053】施工体の物性の単位について、嵩密度は、
g/cm3であり、(見かけ)気孔率は、%であり、曲
げ強度は、MPaである。流し込み法での「−」は、流
動性が小さいために、流し込み法が施工できず、従って
施工体の物性が測定できなかったことを示す。耐食性指
数は、侵食剤として、銑鉄と高炉スラグの7:3(質量
比)の混合物を使用し、回転炉にて1500℃で5時間
接触させた施工体の侵食度を観察し、これを指数とする
方法で示した。
【0054】表2からわかるように、従来の流し込み施
工方法においては、耐火組成物に燐片状黒鉛を添加した
場合、施工自体もできなくなる。また、振動流し込み施
工方法や従来の吹付け施工方法による場合においては、
耐火組成物に燐片状黒鉛を添加した場合、施工体の諸物
性とともに、耐食性指数も逆に低下してしまう結果を招
く。これに反し、本発明の施工法では、燐片状黒鉛を添
加した場合には、施工体の耐食性指数が顕著に増大する
とともに、施工体の物性は燐片状黒鉛を含まない場合と
遜色のない特性が得られる。
【0055】実施例2 上記実施例1と異なり、急結剤を気流搬送中の耐火組成
物に添加する本発明の図2の吹付け方法により、以下の
試験材料及試験方法により実施した結果を表3に示す。 試験材料:実施例1で使用したのと同じものを使用し
た。 試験方法:図2に示した吹付け方法により、搬送管とし
て、内径38mm、長さ100mの ゴムホース管を使
用し、気流搬送機として、吹付け機(日本プライブリコ
社製、商品名:ニードガン400)を使用し、施工水を
吹付けノズル先端の3.0m上流にて添加し、また、急
結剤を吹付けノズル先端の0.5m上流にて添加した。
吹付け施工により、縦400mm×横400mm×厚み
100mmの吹付けパネルを各5枚作製し、硬化後に試
験片を切り出し、パネルの物性を試験した。
【0056】
【表3】 上記表3の結果からして、本発明の図2の吹付け施工方
法によるハ場合も、上記実施例1に示した本発明の図1
の吹付け施工方法の場合とほぼ同様な結果が得られるこ
とがわかる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、従来の吹付け施工法に
比べて、施工水と耐火性組成物との混合効果に優れる新
規な吹付け施工方法により、燐片状黒鉛を含む耐火組成
物を吹付け施工した場合には、得られる施工体の諸物性
を低下させることなく、耐食性が著しく増大した施工体
が得られる。
【0058】更に、本発明の新規な吹付け施工方法によ
る場合、次の大きな利点が得られる。 (1)粉末状の耐火組成物の気流による搬送であるため
に、大型ミキサーによる吹付け耐火組成物の混練作業を
不要とし、また、圧損失の大きい混練物を圧送するポン
プの使用をも不要になる。 (2)搬送管内で耐火組成物と施工水との混合が行われ
るため、搬送管内での閉塞の心配がなく、200m程度
の長距離の搬送や150m程度までの高所の施工が可能
である。特に、急結剤を施工水の添加位置の下流におい
て吹付けノズル先端から所定の距離範囲内で耐火組成物
に添加すると、その効果は著しくなる。 (3)耐火組成物の搬送管内への付着や施工後の搬送管
管内への残存がないため、メンテナンスが著しく簡単に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な吹付け施工方法を実施する概
略図。
【図2】本発明の他の実施態様である吹付け施工方法を
実施する概略図。
【図3】本発明における耐火組成物と施工水との混合促
進手段の一つである螺旋状方式の説明図。
【図4】前記混合促進手段の他の実施例である渦巻き方
式の説明図。
【図5】前記混合促進手段の更に他の実施例の断面説明
図。
【符号の説明】
1: 気流搬送機 2: 耐火組成
物 3: 搬送管 4: 施工水供
給部 5: 吹付けノズル 6: コンプレ
ッサー 7: 定量搬送機 8: 耐火組成
物収納袋 9: 施工水量調整器 10: 施工壁面 11: 施工耐火物 12: 急結剤
供給部 13: 圧縮空気吹込み口 14: 案内板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野中 克美 東京都港区芝4丁目1番23号 日本プライ ブリコ株式会社内 (72)発明者 大住 正史 東京都港区芝4丁目1番23号 日本プライ ブリコ株式会社内 Fターム(参考) 4G033 AA15 AB02 AB04 AB21 BA02 4K051 AA02 AA05 AA06 AB03 BE03 LA02 LA11 LA12

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐火性骨材、耐火性粉末、及び結合剤に加
    えて鱗片状黒鉛を含有する粉末状耐火組成物を、粉末の
    状態で気流にのせて搬送管内に送り込み、搬送管内を浮
    遊させながら搬送し、搬送管の途中にて施工水を添加
    し、その後も気流搬送し、吹付けノズルを通じて吹付け
    ることを特徴とする不定形耐火物の吹付け施工方法。
  2. 【請求項2】粉末状耐火組成物(鱗片状黒鉛を除く)1
    00質量部に対して、鱗片状黒鉛を0.5〜12質量部
    含有される請求項1に記載の不定形耐火物の吹付け施工
    方法。
  3. 【請求項3】粉末状耐火組成物中にさらに分散剤が含ま
    れる請求項1又は2に記載の不定形耐火物の吹付け施工
    方法。
  4. 【請求項4】粉末状耐火組成物が急結剤を含まず、施工
    水を添加後、吹付けノズルの先端の上流にて急結剤を添
    加する請求項1〜3のいずれかに記載の不定形耐火物の
    吹付け施工方法。
  5. 【請求項5】急結剤を吹付ノズルの先端から0.3〜
    2.5mの上流にて添加し、施工水を急結剤の添加位置
    から1〜50mの上流にて添加する請求項4に記載の不
    定形耐火物の吹付け施工方法。
  6. 【請求項6】粉末状耐火組成物がさらに急結剤を含んで
    いる請求項1、2又は3に記載の不定形耐火物の吹付け
    施工方法。
  7. 【請求項7】施工水を吹付けノズルの先端から0.3〜
    15mの上流にて添加する請求項6に記載の不定形耐火
    物の吹付け施工方法。
  8. 【請求項8】施工水を添加した後、該施工水と粉末状耐
    火組成物とを均一に混合する手段を、施工水の添加位置
    より下流の搬送管に設け、施工水と耐火組成物とを更に
    均一に混合する請求項1〜7のいずれかに記載の不定形
    耐火物の吹付け施工方法。
  9. 【請求項9】耐火性粉末が平均粒子直径10μm以下の
    耐火性超微粉であり、結合剤がアルミナセメントであ
    り、かつ分散剤が縮合リン酸塩、カルボン酸塩又はスル
    ホン酸塩である請求項1〜8のいずれか1項に記載の不
    定形耐火物の吹付け施工方法。
  10. 【請求項10】急結剤の添加量が、分散剤を除く粉末状
    耐火組成物100質量部に対して、乾量基準の質量で
    0.05〜3質量部である請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の不定形耐火物の吹付け施工方法。
  11. 【請求項11】急結剤がアルカリ金属若しくはアルカリ
    土類金属のケイ酸塩、アルミン酸塩、炭酸塩又は硫酸塩
    である請求項1〜10のいずれか1項に記載の不定形耐
    火物の吹付け施工方法。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか1項に記載の
    不定形耐火物の吹付け施工方法により構築された耐火
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011208837A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Plibrico Japan Co Ltd 不定形耐火物の吹付け施工装置及び施工方法
JP2017141139A (ja) * 2016-02-12 2017-08-17 株式会社ヨータイ ポルトランドセメント質急結剤スラリー及び湿式吹き付け施工方法
WO2020088285A1 (zh) * 2018-11-01 2020-05-07 濮阳市濮耐功能材料有限公司 一种喷枪装置以及钢包内衬耐火材料喷注装置

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