JP2007153677A - 光学ガラス素子成形用型および光学ガラス素子の成形方法 - Google Patents

光学ガラス素子成形用型および光学ガラス素子の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学ガラス素子のプレス成形時において,成形された光学ガラス素子を型から確実に離型させることができる光学ガラス素子成形用型および光学ガラス素子の成形方法を提供すること。
【解決手段】光学的機能転写面を備えた一対の上下型120,130と,上記上下型を案内する胴型140とを含み,上記上下型間に配置された光学ガラス素材110pを加熱押圧して光学ガラス素子110fを成形する光学ガラス素子成形用型100において,上記上下型のいずれか一方または双方の光学的機能転写面以外の領域122bに,加熱押圧時に空気を残留させる空気溜り部124を形成したことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は,光学ガラス素子成形用型および光学ガラス素子の成形方法に関する。
一般に,光学ガラス素子を製造する場合,成形用型を用いて,加熱軟化した光学ガラス素材を押圧し,成形している。光学ガラス素子成形用型は,上型,下型,胴型を備えている。まず,この成形用型の下型上に光学ガラス素材を配置した状態で,胴型,上型を型組みし,型組みした上型,下型,胴型とともに,光学ガラス素材を昇温させる。次に,上型を胴型に案内させ,下方向に降下させることによって,押圧を行い,成形する。
その後,成形用型を所定温度まで降温させてから,押圧の解除をし,型開きをする。次に,押圧成形された成形品である光学ガラス素子(たとえば,レンズ)は,上型から離型され,下型上に残ることを前提として,吸着ロボットによって,成形用型から取り出される。したがって,この一連の成形プロセスでは,型開き時に光学ガラス素子が上型に付着しないで,上型から離型していることを必要とする。また,上記の成形プロセスは,光学ガラス素子の成形から取出しまで,自動化が図られており,スムーズな作動によって,プロセスの時間を短縮することが可能となる。
しかし,上記成形プロセスにおいて,型開きの際,光学ガラス素子の成形面の形状などによって,光学ガラス素子は必ずしも下型に残らず,上型に付着する場合がある。このような場合,成形された光学ガラス素子を取り出す工程で,吸着ロボットによって,光学ガラス素子を取り出すことができないという問題がある。
すなわち,自動化された成形プロセスを一時停止した上で,上型に付着した光学ガラス素子を剥がし,下型に載せ直して,成形プロセスを再始動する必要が生じる。そのため,プロセスの自動化と時間の短縮化を図ることができない。
そこで,型開きをした際,光学ガラス素子を上型から離型させる方法として,胴型の内周部に凸部を設け,上型に付着し上型とともに上昇した光学ガラス素子を凸部に当てて,上型から離型する方法がある(たとえば,特許文献1を参照)。
特開平8−109031号公報
しかしながら,従来の胴型の内周部に凸部を設けて,上型から光学ガラス素子を離型させるという方法は,上型の外径よりも成形後の光学ガラス素子の外径のほうが大きい形状のものに限られ,光学ガラス素子の形状に制約がある。また,成形された光学ガラス素子を凸部と物理的に衝突させて,下型に残すという方法であるため,光学ガラス素子を破損させるなどのおそれがある。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,光学ガラス素子のプレス成形時において,成形された光学ガラス素子を型から確実に離型させることが可能な,新規かつ改良された光学ガラス素子成形用型および光学ガラス素子の成形方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,光学的機能転写面を備えた一対の上下型と,上記上下型を案内する胴型とを含み,上記上下型間に配置された光学ガラス素材を加熱押圧して光学ガラス素子を成形する光学ガラス素子成形用型において:上記上下型のいずれか一方または双方の光学的機能転写面以外の領域に,加熱押圧時に空気を残留させる空気溜り部を形成したことを特徴とする,光学ガラス素子成形用型が提供される。かかる構成により,空気溜り部に空気が残留し,型開きの際,光学ガラス素子の上下型からの離型が確実になる。また,光学的機能転写面外領域に空気溜り部を形成するので,成形された光学ガラス素子の光学的機能は喪失されない。
上記空気溜り部は,上記光学的機能転写面方向に傾斜した凹部として形成されるとしてもよい。加熱押圧時,下型の中央に配置された光学ガラス素材は,押圧されながら流動的に周囲方向に伸長される。したがって,空気溜り部が,光学ガラス素材の流動方向に傾斜した凹部として形成されていると,光学ガラス素材は,空気溜り部に流入してしまう。しかし,流動方向とは逆方向である光学的機能転写面方向に傾斜して凹部が形成されている場合,光学ガラス素材は凹部の奥深くまで流入せず,凹部に空気が溜まりやすくなる。
上記空気溜り部は,粗面として形成されるとしてもよい。かかる構成により,凹部が複数設けられる状態となるので,これらの凹部に空気が溜ると効果的に空気溜り部として作用し,光学ガラス素子の離型が確実となる。また,粗面とした場合,成形された光学ガラス素子に比較的大きな突起が生じないように,型を作成することができ,その結果,離型後の光学ガラス素子の整形が容易となる。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,光学的機能転写面を備えた一対の上下型と,上記上下型を案内する胴型とを含む,請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラス成形用型を用いて,上記上下型間に配置された光学ガラス素材を加熱押圧して光学ガラス素子を成形する光学ガラス素子の成形方法であって:加熱押圧後,上記上下型の周囲を減圧状態とする減圧工程を有することを特徴とする,光学ガラス素子の成形方法が提供される。かかる構成により,空気溜り部に空気が残留し,型開きの際,光学ガラス素子の上下型からの離型が確実になる。また,光学的機能転写面外領域に空気溜り部を形成するので,成形された光学ガラス素子の光学的機能は喪失されない。また,かかる構成により,空気溜り部に空気が残留するので,ガラス素材を加熱押圧する工程の後,上下型の周囲を減圧する工程を行うと,空気溜り部の空気圧が,上下型周囲の気圧より高くなる。その結果,空気溜り部の空気が膨張するため,光学ガラス素子を上下型から引き離す力が働き,光学ガラス素子の上下型からの離型が確実になる。
以上説明したように,本発明によれば,光学ガラス素子のプレス成形時において,成形された光学ガラス素子を型から確実に離型させることができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず,本発明の一実施形態にかかる光学ガラス素子成形装置1について説明する。図1は,本発明の一実施形態にかかる光学ガラス素子成形装置1の概略図である。光学ガラス素子成形装置1は,光学ガラス素子成形用型100,吸着ロボット170などの搬送装置などから構成される。
光学ガラス素子成形用型100は,一対の上型120と下型130,および上型120を案内する胴型140からなる。上型120と下型130は,光学ガラス素子110fを成形する成形面である光学的機能転写面領域122a,132aを有し,上型120と下型130の間に配置した光学ガラス素材110pを押圧成形できるように構成されている。
たとえば,図1に示した本実施形態では,下型130が固定されており,上型120に上下駆動装置,たとえばシリンダ126が連結されている。シリンダ126が上から下に動作することによって,上型120が胴型140に案内されて降下し,下型130に配置した光学ガラス素材110pを押圧成形することができる。また,シリンダ126が下から上に動作することによって,上型120と下型130が離れ,成形された光学ガラス素子110fを取り出すことができる。なお,上型120が固定され,下型130がシリンダに連結されることによって,下型130が動作する構造としてもよい。
胴型140は,上型120の上下の動作を案内するように上型120の外周に接し,下型130の周囲に嵌合されている。胴型140は,上型120と下型130との位置決めを行うものであり,上型120と下型130の軸心を一致させることによって,精度の高い光学ガラス素子110が成形される。また,胴型140の内周面(内壁面)は,押圧時に押し下げられる上型120の案内を行う機能も有する。
光学ガラス素材110pを加熱軟化するため,上型120には,加熱部,たとえば内蔵ヒータ(図示せず)が備えられ,下型130の下側には,加熱部,たとえば外付けヒータ136が配置されている。上型120および下型130は,加熱部から伝達された熱によって,あらかじめ加熱されており,光学ガラス素材110pを上型120,下型130によって押圧することによって,軟化された光学ガラス素材110pを成形することができる。なお,上型120に備えられる内蔵ヒータの代わりに,上型120の上側に外付けヒータが配置されてもよく,下型130の下側に配置された外付けヒータ136の代わりに,下型130に内蔵ヒータが備えられてもよい。また,加熱方法は,必要に応じて適宜設計される。
下型130の下側に外付けヒータ136が配置された場合は,床面への熱の伝達を防止するために外付けヒータ136の下側に断熱材138が設置される。
光学ガラス素子成形用型100は,上型120,下型130の周囲を減圧状態にするため,気密性を保てるチャンバ150内に設置される。上型120に連結されたシリンダ126は,チャンバ150を貫通しており,シリンダ126とチャンバ150が接する部分には,気密性を保つためにシーリング部材としてO−リング152が嵌め込まれている。また,チャンバ150には開口部154が設けられており,チャンバ150内部を減圧状態にするときは,開口部154を閉じ,一方,光学ガラス素材110pを下型に配置するとき,成形された光学ガラス素子110fを取り出すときは開口される。
チャンバ150内を減圧状態にするために,チャンバ150には,真空ポンプ160が配管162を通じて接続されている。なお,チャンバ150内の減圧方法は,必要に応じて適宜設計される。
吸着ロボット170は,成形された光学ガラス素子110fをチャンバ外部に取り出すために設置される。光学ガラス素材110pが成形されている間,吸着ロボット170の吸着アーム172は,チャンバ150の外部にある。光学ガラス素子110fが成形されると,吸着アーム172は,チャンバ150の開口部を通じて,光学ガラス成形装置100まで伸長する。そして,吸着アーム172に設けられた吸着装置によって,下型130上に残った光学ガラス素子110fが吸着され,チャンバ150の外部に取り出される。
図2は,本発明の一実施形態にかかる上型120の成形面を下から見た平面図である。図3は,図2のA−A線で切断した上型120の部分拡大断面図である。光学ガラス素子110を成形する成形用型である上型120は,光学的機能転写面領域122aとそれ以外の領域である光学的機能転写面外領域122bに分けることができる。たとえば,図2に示すように,光学的機能転写面領域122aは,光学ガラス素子110fの光学的機能面に対応する円形の部分であり,光学的機能転写面外領域122bは,光学的機能転写面領域122aを囲むドーナツ形状の部分である。また,下型130についても,図1に示すとおり,光学的機能転写面領域132aとそれ以外の領域である光学的機能転写面外領域132bに分けることができる。
光学的機能転写面領域122a,132aは,光学ガラス素子110fの光学的機能として作用する面を成形する領域である。成形用型の転写面の形状に対応して,転写された形状が光学ガラス素子110fの光学的機能面となる。たとえば,成形用型の形状に応じて,光学的機能面に凸面または凹面を有する光学ガラス素子110fを得ることができる。
一方,光学的機能転写面外領域122b,132bは,光学的機能として作用しない部分を成形する。したがって,光学的機能転写面外領域122b,132bは,光学ガラス素子110fの完成品を製造する際に支障がない範囲で,任意の形状とすることができる。たとえば,光学ガラス素子110fのフランジ部分として,光学ガラス素子110fを支持するための形状を成形するように,成形用型の光学的機能転写面外領域122b,132bの形状を決めることができる。また,後述する本実施形態にかかる成形用型の実施例のように,成形用型の光学的機能転写面外領域122b,132bに凹部,たとえば空気溜り部124を設けることができる。
たとえば,本発明の一実施形態にかかる上型120の例として,図2および図3に,上型120の光学的機能転写面外領域122bに,加熱押圧時に空気を残留させる空気溜り部124としての凹部を形成した例を示す。かかる空気溜り部124を形成することにより,空気溜り部124に残留した空気によって,型開きの際,光学ガラス素子110fの上型120からの離型が確実になる。
図2および図3に示すとおり,空気溜り部124の形状は,光学ガラス素材110pを加熱押圧する際に,光学ガラス素材110pが流入し,空気溜り部124に空気が残留しないことがないように,上型120面から窪んだ形状とすることができる。
光学的機能転写面外領域122bに形成した空気溜り部124は,任意の大きさ,形状とすることができる。たとえば,図2に示すように光学的機能転写面外領域122bに,入口部が円形状の空気溜り部124を4個形成することができ,空気溜り部124の形状を入口部に比べて奥に行くに従い,円錐状に狭くすることができる。
また,空気溜り部124のそれぞれの配置は,光学的機能転写面外領域122bに均等に配置されてもよい。偏って配置されるよりも,成形された光学ガラス素子110fを効果的に上型から剥がすことができるためである。なお,空気溜り部124の個数や入口部の形状,深さは図2,図3に示した実施例に限定されない。たとえば,空気溜り部124の入口部の形状を略四角形状としたり,奥行きを入口部より広くしたりすることができる。
図4は,本発明の一実施形態にかかる上型220の成形面を下から見た平面図である。本発明の実施形態にかかる上型の空気溜り部の実施例として,図2に示した例に限られず,図4に示すように,空気溜り部224の形状を溝形状とすることができる。その溝の幅を細くし,溝の深さを深く形成することによって,光学ガラス素材110pの流入を防止することができ,空気溜り部224に確実に空気を残留させることができる。
また,図4に示すように,光学的機能転写面領域222aの円形と同心円状に空気溜り部224としての溝を配置することができる。さらに,空気溜り部224の溝形状の断面については,溝の開口側から奥へ行くに従い,その幅が広くなる形状とすることができる。また,溝の列数については,1列に限られず,複数の列が平行に配置されてもよい。
図5は,本発明の一実施形態にかかる上型の変更例の部分拡大断面図である。光学的機能転写面外領域322bに形成した空気溜り部324について,その断面が光学的機能転写面方向に傾斜した凹部として形成することができる。加熱押圧時,下型130の中央に配置された光学ガラス素材110pは,押圧されながら流動的に周囲方向に伸長される。したがって,空気溜り部324が,光学ガラス素材110pの流動方向に傾斜した凹部として形成されていると,光学ガラス素材110pは,空気溜り部324に流入してしまう。しかし,流動方向とは逆方向である光学的機能転写面方向に傾斜して凹部が形成されている場合,光学ガラス素材110pは凹部の奥深くまで流入せず,凹部に空気が溜まりやすくなる。
この光学ガラス素材110pが,成形される過程について,以下に詳細に説明する。図9は,光学ガラス素材が押圧され,本発明の一実施形態にかかる空気溜り部124に空気が残留する過程を示す説明図である。光学ガラス素材110pは,上型120によって押圧されるに従い,光学ガラス素材110pが設置された成形用型の中央部から周囲方向へ,流動し伸長される(図9(a)参照)。本実施形態の空気溜り部124は,光学ガラス素材110pの流動方向と反対方向である光学的機能転写面方向に傾斜した凹部として形成されている。したがって,軟化した光学ガラス素材110pは,空気溜り部124の入口付近で上型120の抵抗を受けて,空気溜り部124の奥深くまで流入することがないため,空気溜り部124に空気を残留させることができる(図9(b)および(c)参照)。
光学ガラス素材110pを加熱押圧した後,上型120を上昇させて型開きをする際,従来の方法のように,周囲を減圧をさせない大気圧下では,空気溜り部124の空気圧と成形用型周囲の大気圧は,ほぼ等しい。そのため,空気溜り部124の空気圧だけで,光学ガラス素子110fを型離れさせる力は生じにくい。
一方,型開きをする前に,成形用型周囲を減圧状態にさせる減圧工程を設けた場合,空気溜り部124に残留した空気の空気圧は,上型120周囲の圧力より高くなる。したがって,空気溜り部124の空気が膨張するので,その圧力によって,型開きの際,上型120と光学ガラス素子110fとの離型が容易となる。
よって,上型120の光学的機能転写面外領域122bに空気溜り部124を形成した場合,上型120と光学ガラス素子110fの離型が容易となり,上型120に光学ガラス素子110fが付着するという問題を防止することができる。
また,上型120のみならず,下型130の光学的機能転写面外領域132bに空気溜り部を形成してよい。この場合,下型130と光学ガラス素子110fの付着を防止することができるので,光学ガラス素子110fの取出しが従来に比べて容易になるという効果がある。
また,本実施形態にかかる上型の変更例である空気溜り部324は,図5に示すようにその断面が光学的機能転写面方向に傾斜した凹部であれば,凹部の入口部の形状は,円形状,略四角形状など任意の形状とすることができる。上記の変更例である空気溜り部224と同様に,空気溜り部324を溝形状とすることができる。
図6は,本発明の一実施形態にかかる上型の変更例の成形面を下から見た平面図である。図7は,図6のB−B線で切断した上型420の部分拡大断面図である。光学的機能転写面外領域422bに形成した空気溜り部424について,粗面として形成することができる。たとえば,光学的機能転写面外領域422bに,細かい窪み状の孔を全面にわたって複数設けることができる。
また,粗面を構成する空気溜り部424としての凹部は,光学的機能転写面外領域422bに規則正しく配置することができ,また,ランダムに配置することもできる。空気溜り部424の密度分布は,光学的機能転写面外領域422bの全面にわたって均等であるとしてもよい。あるいは,光学的機能転写面外領域422bの外側に向かうつれて,密度が高くなる,または低くなるとしてもよい。なお,空気溜り部424の個数や入口部の形状,深さは図6に示した実施例に限定されない。たとえば,空気溜り部124の入口部の形状を略四角形状としたり,奥行きを入口部より広くしたりすることができる。
かかる構成により,凹部が複数設けられる状態となるので,これらの凹部に空気が溜ると効果的に空気溜り部424として作用し,光学ガラス素子110fの離型が確実となる。また,粗面とした場合,成形された光学ガラス素子110fに比較的大きな突起が生じないように,型を作成することができ,その結果,離型後の光学ガラス素子110fの成形が容易となる。特に,光学的機能面以外の領域(たとえば,フランジ部)に凸部を形成することのできない光学ガラス素子110fの場合,平面性を保ったフランジ部を得るために,成形用型の光学的機能転写面外領域422bを粗面とするとよい。
以上,上型120,220,320,420に空気溜り部124,224,324,424を形成する場合について説明したが,上型120,220,320,420だけでなく,下型130にも空気溜り部を形成するとしてもよい。また,光学ガラス素子110fの形状についても,両面に凸部を有する形状,一面が凹部で他面が凸部を有する形状など,その形状にかかわらず本発明の実施を適用することができる。
図8は,本発明の一実施形態にかかる光学ガラス素子の成形方法を示す説明断面図である。なお,図8の光学ガラス素子成形用型100については,上型120,下型130,胴型140のみを示し,他の部材は省略した。また,光学ガラス素子成形用型100は,チャンバ150内に設置されている。
まず,上型120および下型130が,加熱部材,たとえば下型に接する外付けヒータ136や上型に備えられた内蔵ヒータ(図示せず)によって,あらかじめ所定温度に加熱される。次に,光学ガラス素材110pが下型130上に設置される。その際,チャンバ150内は,窒素ガスが導入される。また,上型120および下型130は,加熱部によって,加熱され続けており,押圧成形時に,光学ガラス素材110pが軟化する温度に保たれる。
次に,シリンダ126に連結された上型120を下降させ,下型130に載せられた光学ガラス素材110pを押圧し,加熱された状態で,しばらく押圧した状態を維持する。この工程によって,光学ガラス素子110pは,成形された光学ガラス素子110fとなる。その後,上記加熱部の設定温度を低下させて,光学ガラス素子110fを徐冷する。
これらの過程を経た後,本実施形態では,徐冷工程を経て,光学ガラス素子110が所定温度まで冷却された後,光学ガラス素子成形用型100が設置されたチャンバ150内を減圧状態にする。しかる後に,上型120を上昇させて型開きし,光学ガラス素子110を離型する。従来の方法では,光学ガラス素子110を離型するために,減圧工程を経ずに,上型120を上昇させ,型開きをする点で,本発明と異なる。
本実施形態では,減圧工程を経ているため,空気溜り部124に残留した空気が膨張し,型開きをした際,光学ガラス素子110は上型120に付着せず,下型130に残留する。次に,チャンバ150内の減圧状態を解除し,光学ガラス素子110fを取り出すべく,チャンバ150の開口部154を開く。光学ガラス素子110の取り出しは,吸着ロボット170によって行う。吸着ロボット170の吸着アーム172を開口部154を通じて伸長し,下型130上の光学ガラス素子110を取り出すことができる。本実施形態では,光学ガラス素子110fが必ず下型130に残留するため,吸着ロボット170による光学ガラス素子110の取り出しを確実に行うことができ,プロセスの自動化と時間の短縮化を図ることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上述した実施形態においては,光学ガラス素子成形用型100の下型130が固定し,上型120が上下する場合について説明したが,反対に上型120が固定しており,下型130が上下する場合であってもよい。
たとえば,上述した実施形態においては,光学ガラス素子110fの成形用型は,1個ずつ光学ガラス素子110fが成形される場合について説明したが,光学ガラス素子110fの成形用型が,一度に複数個の光学ガラス素子110fを成形することができる型である場合であってもよい。
また,上述した実施形態において,光学ガラス素材の種類および材質は,適宜選択できる。成形用型の構造,成形装置の構造についても変更可能である。
本発明は,光学ガラス素子成形用型および光学ガラス素子の成形方法に適用可能である。
本発明の一実施形態にかかる光学ガラス素子成形装置の概略図である。 本発明の一実施形態にかかる上型の実施例の成形面を下から見た平面図である。 図2のA−A線で切断した上型の部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態にかかる上型の変更例の成形面を下から見た平面図である。 本発明の一実施形態にかかる上型の変更例の部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態にかかる上型の変更例の成形面を下から見た平面図である。 図6のB−B線で切断した上型の部分拡大断面図である。 本発明の一実施形態にかかる光学ガラス素子の成形方法を示す説明断面図である。 光学ガラス素材が押圧され,空気溜り部に空気が残留する過程を示す説明図である。
符号の説明
1 光学ガラス素子成形装置
100 光学ガラス素子成形用型
110p 光学ガラス素材
110f 光学ガラス素子
120 上型
122a,132a 光学的機能転写面領域
122b,132b 光学的機能転写面外領域
124 空気溜り部
126 シリンダ
130 下型
136 外付けヒータ
138 断熱材
140 胴型
150 チャンバ
152 O−リング
154 開口部
160 真空ポンプ
162 配管
170 吸着ロボット
172 吸着アーム

Claims (4)

  1. 光学的機能転写面を備えた一対の上下型と,前記上下型を案内する胴型とを含み,前記上下型間に配置された光学ガラス素材を加熱押圧して光学ガラス素子を成形する光学ガラス素子成形用型において:
    前記上下型のいずれか一方または双方の光学的機能転写面以外の領域に,加熱押圧時に空気を残留させる空気溜り部を形成したことを特徴とする,光学ガラス素子成形用型。
  2. 前記空気溜り部は,前記光学的機能転写面方向に傾斜した凹部として形成されることを特徴とする,請求項1に記載の光学ガラス素子成形用型。
  3. 前記空気溜り部は,粗面として形成されることを特徴とする,請求項1に記載の光学ガラス素子成形用型。
  4. 光学的機能転写面を備えた一対の上下型と,前記上下型を案内する胴型とを含む,請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラス素子成形用型を用いて,前記上下型間に配置された光学ガラス素材を加熱押圧して光学ガラス素子を成形する光学ガラス素子の成形方法であって:
    加熱押圧後,前記上下型の周囲を減圧状態とする減圧工程を有することを特徴とする,光学ガラス素子の成形方法。
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