JP2009126756A - ガラスモールド用成形型及びガラスモールド成形品の成形方法 - Google Patents

ガラスモールド用成形型及びガラスモールド成形品の成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形後のガラスモールド成形品の取り出しを容易にし、かつその側面を、表面及び裏面等に形成された所定の凹凸形状に対し高精度に位置決めされた外形基準面として形成する。
【解決手段】本発明に係るガラスモールド用成形型27は、対向配置される一対の加圧型28,29の一方に形成され、レンズアレイ2(ガラスモールド成形品)の表面を加圧成形する表面成形面41と、他方の加圧型に形成され、レンズアレイ2の裏面を加圧成形する裏面成形面42と、少なくとも片方の加圧型に形成され、レンズアレイ2の複数の側面のうちの周方向に連続する二側面を、互いに直角な外形基準面51,52として加圧成形する外形基準面成形面48,49と、これらの面48,49に対向する側に位置し、レンズアレイ2の加圧成形時において、軟化したガラス素材の膨出を許容する膨出空間57,58とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、加熱して軟化させたガラス素材を所定の形状に加圧成形して光学素子等を製造するためのガラスモールド用成形型及びガラスモールド成形品の成形方法に関するものである。
従来、ガラスモールドによる光学素子の成形方法において、その成形型の素材としては、ガラス素材が軟化する温度(概ね500℃以上)に充分耐えうる素材、例えば、超硬合金系素材やセラミック系素材といった、高価で加工が困難な素材が主に使用されていた。
ところが、金属系金型は、一般に、その熱膨張率がガラス素材よりも大きいため、ガラス素材の成形・冷却後に金属系金型の内寸が成形品よりも収縮し、所謂焼き嵌め状態となって成形品である光学素子等を金属系金型から取り出せなくなってしまう虞がある。尚、成形型素材として超硬合金系素材やセラミック系素材を用いた場合には、これらの素材の熱膨張率が一般にガラス素材より小さいため、冷却後の成形品の取り出しに問題は生じない。しかし、金属系金型に比べて成形型素材の材質が硬いため、例えば光学素子の表面を形成する成形面等の加工性には問題が残る。
そこで、成形型を、成形品の上面を成形する上型と、成形品の下面を成形する下型と、成形品の側面を成形する胴型とを備えた少なくとも3ピース構造の組型として構成し、上記胴型の素材として、ガラス素材よりも低い熱膨張係数を有する低熱膨張素材を選定することにより、成形品及び成形型の冷却後に成形品側面と成形型の胴型内面との間に間隙を発生させて成形品を無理なく取り出し可能にすると共に、上型と下型を加工しやすい金属系金型とした技術が提案されている(特許文献1参照)。
例えば凸レンズのような軸対称レンズを成形する場合には、仮にそのレンズ軸中心に対してレンズ外周寸法に偏心等の狂いが生じても、後でレンズ軸中心を基準にレンズ外周面を芯取りする等して規定寸法に仕上げることができるため、上述のように成形、冷却後に成形品側面と胴型内面との間に間隙が発生することについては問題がない。
特開2006―206346号公報
しかしながら、例えば光通信用の光学部材等に用いられているレンズアレイを成形する場合には、このレンズアレイの側面を外形基準面として、レンズアレイの表面及び裏面の中央部に位置する複数のレンズの球芯位置(X座標、Y座標)を正確に設定しなければならない。
しかし、上型と下型と胴型とを含む多分割式の成形型は、型の総数が多くなり、これらの型同士を保持する保持部材及び位置決め部材等も別途必要になることから、精度よく基準面を成形することが難しい。さらに成形型全体の構造が複雑化し、その製造や保守管理等が難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、成形後のガラスモールド成形品の取り出しが容易であり、かつガラスモールド成形品の側面を、ガラスモールド成形品の表面及び裏面等に形成された所定の凹凸形状に対して高精度に位置決めされた外形基準面として形成可能であり、しかも成形型の全体構造を簡素かつ安価に構成することのできるガラスモールド用成形型及びガラスモールド成形品の成形方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するために、本発明に係るガラスモールド用成形型は、対向配置される一対の加圧型の一方に形成され、ガラスモールド成形品の表面を加圧成形する表面成形面と、前記加圧型の他方に形成され、前記ガラスモールド成形品の裏面を加圧成形する裏面成形面と、前記加圧型の少なくとも片方に形成され、前記ガラスモールド成形品の複数の側面のうちの周方向に連続する二側面を、互いに直角な外形基準面として加圧成形する外形基準面成形面と、前記外形基準面成形面に対向する側に位置し、前記ガラスモールド成形品の加圧成形時において、軟化したガラス素材の膨出を許容する膨出空間とを備えたことを特徴とする。
また、本発明に係るガラスモールド成形品の成形方法は、本発明に係る前記ガラスモールド用成形型を用いて、前記一対の加圧型を型開きした状態で前記ガラスモールド成形品の母材であるプリフォームを前記加圧型のキャビティに収容する収容工程と、前記プリフォームを前記加圧型とともに真空下及び不活性ガス雰囲気下のいずれかで加熱する加熱工程と、前記一対の加圧型を型閉めし、加熱された状態の前記プリフォームに前記加圧型の前記表面成形面及び前記裏面成形面を押圧し、当該表面成形面及び裏面成形面の形状を前記プリフォームの表裏面に転写すると共に、前記加圧型の前記外形基準面成形面にて前記プリフォームの複数の側面うちの周方向に連続する二側面を、互いに直角な外形基準面に加圧成形する加圧工程と、前記加圧型の加圧状態を保持すると同時に、成形されたガラスモールド成形品及び前記加圧型を所定温度以下に冷却する保持冷却工程と、前記所定温度以下に冷却した前記ガラスモールド成形品を前記加圧型から剥離する剥離工程と、前記ガラスモールド成形品の、前記外形基準面に対向する側面を、前記外形基準面を基準に研磨する側面研磨工程とを有することを特徴とする。
本発明に係るガラスモールド用成形型によれば、加圧型に設けられた表面成形面と裏面成形面と外形基準面成形面とにより、ガラスモールド成形品の側面を、ガラスモールド成形品の表面及び裏面等に形成された所定の凹凸形状に対して高精度に位置決めされた外形基準面として形成することができる。また、同じく加圧型に設けられた膨出空間により、成形後のガラスモールド成形品を成形型から取り出し易くすることができる。
また、本発明に係るガラスモールド成形品の成形方法によれば、ガラスモールド成形品の外形基準面に対向する側面、即ち前記膨出空間内にガラス素材が膨出した部分を、外形基準面を基準に研磨することによって精度良く加工することができ、ひいてはガラスモールド成形品の四側面全てを、ガラスモールド成形品の表面及び裏面等に形成された所定の凹凸形状に対して高精度に位置決めし、極めて高品質なガラスモールド成形品を提供することができる。
以下は本発明の実施形態である。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1を図1乃至図9に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るガラスモールド用成形型が組み込まれたガラスモールド用成形装置を示す縦断面図である。このガラスモールド用成形装置1は、例えば図9(a),(b)に完成形状を示すレンズアレイ2をモールド成形するためのものである。レンズアレイ2は、略直方体形状のレンズ本体3の表面(上面)4及び裏面(下面)5に、複数の球面状のレンズ凸部6が一列に連なるように凸設されている。レンズ本体3とレンズ凸部6は一体に成形される。
ガラスモールド用成形装置1は、上部ベース11と下部ベース12との間に直管状の石英ガラス管13が鉛直に配置されることで、内部に成形用空間14を有するチャンバー15が構成され、チャンバー15の周囲には赤外線ヒーター等からなる加熱部16が配設されている。また、石英ガラス管13には、成形用空間14内の気体を図示しない真空ポンプ等により真空引きするための真空引き通路17と、成形用空間14内に不活性ガスを導入可能な不活性ガス導入通路18とが接続されている。
下部ベース12には加圧シリンダー21が設けられてそのプランジャー(押圧子)22が下部ベース12を密に貫通して成形用空間14の内部に、かつ伸縮可能に挿入されている。上部ベース11の下面には炭化珪素等で形成された直管状の上継手部材23が固定される一方、プランジャー22の上面には上継手部材23に対向する形で同じく炭化珪素等で形成された直管状の下継手部材24が固定されている。
ガラスモールド用成形型27は、上下に対向配置される一対の加圧型28,29を備えて構成されており、加圧型28が上継手部材23の下面に固定され、加圧型29が下継手部材24の上面に固定されている。加圧型28,29には、それぞれ温度検知用の熱電対31,32が接続されている。
加圧シリンダー21のプランジャー22が縮むと、加圧型29が加圧型28から離れた位置に下降してガラスモールド用成形型27が型開きされ、加圧シリンダー21のプランジャー22が伸びると、加圧型29が上昇してガラスモールド用成形型27が型閉めされる。
図2乃至図4に拡大して示すように、加圧型28,29は、それぞれ平板状の型底部材35,36に、略凸型断面の上型37及び下型38が一体的に設置され、これら上型37及び下型38の周囲がそれぞれ型周囲部材39,40により隙間無く被包された構造である。
型底部材35,36と型周囲部材39,40の材質は例えば一般カーボン材であり、上型37及び下型38の材質は例えばガラス状カーボン材である。これらの材質はモールド成形されるガラス素材の材料特性(軟化温度等)に応じて適宜選定される。
加圧型28側では上型37の下面が、ガラスモールド成形品であるレンズアレイ2の表面4を加圧成形する表面成形面41となり、加圧型29側では下型38の上面が、レンズアレイ2の裏面5を加圧成形する裏面成形面42となっている。
加圧型29の裏面成形面42の高さは型周囲部材40の上面よりも低く設定され、これにより加圧型29には上方に開放された所定容積のキャビティ45が形成されている。このキャビティ45は、レンズアレイ2の母材となるガラス素材である、所定形状にカットされたプリフォームPが収容される部分である。
例えばキャビティ45の内部平面寸法は7mm×3mmであり、プリフォームPの平面寸法はキャビティ45への収容を容易にするために若干小さく6.8mm×2.8mmとされ、高さ寸法はプリフォームPの体積がキャビティ45の内部容積よりも大きくなるように、キャビティ45の内寸高さよりも充分に大きくされている。プリフォームPの材質は例えば石英ガラスである。また、加圧型28の表面成形面41は型周囲部材39の下面と同じ高さに設定されている。
さらに、加圧型29(キャビティ45)には、裏面成形面42の連続する二辺から直角に起立する形で二面の外形基準面成形面48,49が形成されている。これらの外形基準面成形面48,49は、レンズアレイ2(プリフォームP)の四側面のうちの、周方向に連続する二側面を、互いに直角、かつレンズアレイ2の裏面4及び表面5の平坦部4a,5a(レンズ凸部6でない部分)に対して垂直な外形基準面51,52として加圧成形する面である。なお、外形基準面成形面48,49の上縁部には、成形品の角部にガラス素材の余肉を誘導するための面取り部53,54が形成されている。
また、外形基準面成形面48,49にそれぞれ対向する側に位置して膨出空間57,58が設けられている。これらの膨出空間57,58は、レンズアレイ2(プリフォームP)の加圧成形時において、軟化したガラス素材の膨出を許容するスペースである。
膨出空間57,58は、図7にも拡大して示すように、側面視で加圧型29のキャビティ45から水平方向(図中では右方)に離れるに従って収束し、かつ加圧型28,29の接合面M(パーティングライン)に向かう方向、即ちレンズアレイ2の抜き方向(図中では上方)に向かって開放される楔状の空間であり、この膨出空間57,58を形成する斜面Sの一辺(ここでは底辺)が裏面成形面42の端部に段差なく連続している。
膨出空間57,58の斜面Sの角度θは、プリフォームPの加圧成形時において、軟化したガラス素材に、キャビティ45の隅々まで行き渡ることのできる粘動圧力を付与する角度に設定される。例えばここでは、斜面Sの角度θが水平面から45°〜60°程度の範囲内に設定されているが、この角度θはガラス素材の材料特性(軟化時の粘性等)に応じて適宜選定される。角度θが大きくなる程、軟化したガラス素材に付与される粘動圧力は高まる。
なお、膨出空間57,58の斜面Sの形状としては、図7に示す平面状に限らず、例えば図8(a)〜(c)に示すように多様なものが考えられる。図8(a)では斜面Sを途中で途切れさせ、図8(b)では斜面Sを下方に湾曲する湾曲面に形成し、図8(c)では斜面Sを上方に湾曲する湾曲面に形成している。この中では、図8(c)の形状が、軟化したガラス素材に最も高い粘動圧力を付与する。
表面成形面41と裏面成形面42には、それぞれレンズアレイ2の表裏面に凸設されたレンズ凸部6を成形するための、多球面状の成形凹部61が形成されている。図4(b)に示すように、この成形凹部61の面方向の位置(X寸法、Y寸法)は、外形基準面成形面48,49を基準にして高精度に設定されている。
次に、上記のように構成されたガラスモールド用成形装置1およびガラスモールド用成形型27を用いて、レンズアレイ2を成形する方法(工程)について説明する。
まず、石英ガラス管13を上昇させてチャンバー15を開放し、加圧シリンダー21のプランジャー22を縮ませて加圧型29を下降させ、ガラスモールド用成形型27を型開き状態にして、加圧型29のキャビティ45にレンズアレイ2のプリフォームPを収容する(収容工程)。この時には、プリフォームPの連続する二側面がキャビティ45の外形基準面成形面48,49に当接するようにプリフォームPを載置する。
次に、チャンバー15を閉鎖して成形用空間14を密閉空間とし、チャンバー15の内部に不活性ガス導入通路18から窒素等の不活性ガスを充填して、加熱部16によりガラスモールド用成形型27一式(加圧型28,29)をプリフォームPとともに加熱する(加熱工程)。この時、加圧型28,29に接続された熱電対31,32により加熱温度が制御される。加圧型28,29が所定の温度(例えば1420℃)に達したら、そのまま所定時間(例えば3分間)温度を保持する。チャンバー15内部に不活性ガスを充填してから加熱することにより、熱によるプリフォームPの表面酸化を防止できる。
次に、外付けの真空ポンプにより、真空引き通路17からチャンバー15内部の空気を抜く。この時の真空度は、例えば1.0×10E−2(Pa)以下であり、概ね90秒間程度引き続ける。この時、プリフォームPは成形するに充分な軟らかさに軟化している。
次に、加圧シリンダー21を駆動させてプランジャー22を伸ばし、加圧型29を上昇させて加圧型28に当接させ、ガラスモールド用成形型27を型閉めする(加圧工程)。この時の加圧圧力は例えば0.2KN/cm2である。これにより、図5に示すように、加熱されて軟化したプリフォームPの表裏面4,5に加圧型28の表面成形面41及び加圧型29の裏面成形面42が押圧され、表面成形面41及び裏面成形面42に形成された成形凹部61の形状がプリフォームPの表裏面4,5に転写されてレンズ凸部6が成形される。
同時に、加圧型29の外形基準面成形面48,49にてプリフォームPの四側面のうちの周方向に連続する二側面が、互いに直角かつプリフォームPの表面4及び裏面5の平坦部4a,5a(図6参照)に対して垂直な外形基準面51,52として加圧成形される。また、プリフォームPの体積がキャビティ45の内部容積よりも大きいことから、加圧成形時に余剰なガラス素材が膨出空間57,58に膨出して膨出部63,64が発生する。なお、面取り部53,54にも余剰なガラス素材が膨出してバリ65,66が形成される。
レンズアレイ2の製品要件として非常に重要な項目である、レンズ凸部6と外形基準面51,52との相対位置精度は、加圧型29(キャビティ45)の外形基準面成形面48,49を基準に高精度に位置設定された成形凹部61の位置(X,Y寸法)がそのままプリフォームPに転写されて実現されるため、極めて高精度なものとなる。
このように、レンズアレイ2の成形時に、外形基準面48,49がレンズ凸部6の位置に対して精度良く形成されるため、完成したレンズアレイ2を光学機器等の保持部に取り付ける際には極めて正確な位置決めが可能となる。よって、レンズアレイ2の成形後に、本来では非常に困難な作業であるレンズ凸部6の芯取加工を行う必要が無い。
レンズアレイ2の加圧成形時においては、加圧型29(キャビティ45)に形成された膨出空間57,58の形状が、キャビティ45から離れるに従って収束し、かつ加圧型28,29の接合面Mに向かって開放される楔状の空間楔状に形成されていることから、軟化したガラス素材が膨出空間57,58に膨出する際には、ガラス素材の粘性に伴う反発圧力により、軟化したガラス素材がキャビティ45の隅々まで行き渡ることができ、気泡や退け(巣)の発生を効果的に防止することができる。
加圧型29の上昇ストロークが所定値に達したら、加圧した状態を保持しながらチャンバー15内に窒素ガス等の不活性ガスを充填し、成形されたレンズアレイ2とガラスモールド用成形型27を冷却する(保持冷却工程)。
そして、熱電対31,32の検知温度が1100℃まで下がったら、プランジャー22を下降させて加圧を終了させ、さらに大量の不活性ガスをチャンバー15内に流すことにより、レンズアレイ2をハンドリングできる温度まで下げた後、石英ガラス管を上昇させてチャンバー15を開放し、レンズアレイ2を取り出す(剥離工程)。
最後に、レンズアレイ2の外形基準面51,52の上縁部に発生したバリ65,66を研削、研磨して外形基準面51,52を完全に平坦化するとともに、外形基準面51,52に対向する側面、即ち膨出部63,64の部分を、外形基準面51,52を基準に研磨して平坦な側面67,68に加工し、(側面研磨工程)、レンズアレイ2を完成させる(図9(a),(b)参照)。
このように、レンズアレイ2を成形型27から取り出した後に、外形基準面51,52に全面的な研削加工を施すことなく、そのままレンズアレイ2の最終完成品の側面とすることができるため、製品側面の研削、研磨の工程を大幅に省略して製品価格の低減に貢献することができる。
加圧型29のキャビティ45からレンズアレイ2を取り出す剥離工程においては、キャビティ45に楔状の膨出空間57,58が形成されており、この膨出空間57,58を形成する斜面Sの底辺が裏面成形面42の端部に段差なく連続していることから、レンズアレイ2が縦方向及び横方向に拘束されることがなく、従って成形後のレンズアレイ2のキャビティ45からの取り出しが非常に容易である。
このため、例えば本実施形態のように、レンズアレイ2の材質である石英ガラスの熱膨張係数が、加圧型28(キャビティ45)の材質であるガラスカーボン材の熱膨張係数よりも小さいにも拘わらず、冷却後にレンズアレイ2がキャビティ45の内部にて焼き嵌め状態となって取り出しが困難になることがない。故に、上型と下型と胴型とを備えた多ピース構造の複雑な成形型とする必要もなく、安価で加工性の良い金属系金型やカーボン系の素材を用いて簡素な2ピース構造の成形型とすることができ、ガラスモールド用成形型27の全体構造を簡素かつ安価に構成することができる。
[実施の形態2]
本発明に係るガラスモールド用成形型の実施の形態2を図10(a),(b)に基づいて説明する。
図10(a)はガラスモールド用成形型71が型開きされた状態を示す縦断面図であり、図10(b)は同じく型閉めされた状態を示す縦断面図である。
ここでは、レンズアレイ2の素材となるプリフォームPの表面を成形する加圧型73と、レンズアレイ2の裏面を成形する加圧型74とが上下対称な断面形状となっている。型底部材75,76と、下型77及び上型78と、型周囲部材79,80との相互関係は実施形態1と同様であるため説明は省く。
加圧型73,74には、それぞれ半割り状のキャビティ81,82が形成されており、その各々に外形基準面成形面84,85と膨出空間87,88と面取り部89,90が形成されている。膨出空間87,88の斜面Sの角度は45°〜60°程度に設定される。各部材の材質等は実施形態1と同様である。
このガラスモールド用成形型71の作用は実施形態1と同様であるが、このように加圧型73と加圧型74とを上下対称な断面形状にすることにより、加圧型73,74に互換性を持たせて製造および保守を容易にすることができる。
なお、実施形態1および2では、ガラスモールド成形品の一例としてレンズアレイを例示したが、これに限らず、他の多くのガラスモールド製品の成形型としても本発明に係る成形型および成形方法を適用することができる。さらには、ガラスモールド成形品に限らず、例えば樹脂モールド成形品等、他の素材によるモールド成形品の成形型および成形方法として本発明を応用することもできる。
本発明の実施の形態に係るガラスモールド用成形型が組み込まれたガラスモールド用成形装置を示す縦断面図である。 同実施の形態に係る図1に示すガラスモールド用成形型を拡大した縦断面である。 同実施の形態に係る図2のIII-III線に沿うガラスモールド用成形型の縦断面図である。 (a),(b)は、それぞれ図2のIVa-IVa矢視図、IVb-IVb矢視図である。 (a)はガラスモールド用成形型が型閉めされた状態を示す縦断面図であり、(b)は(a)のVb-Vb矢視に沿う縦断面図である。 (a)はモールド成形が完了した多球面レンズの長手方向に沿う縦断面図であり、(b)は(a)のVIb-VIb矢視に沿う縦断面図であり、(c)は(a)のVIc矢視による平面図である。 図5(a)のVII部を拡大した膨出空間の縦断面図である。 (a),(b),(c)は、それぞれ膨出空間の変形例を示す縦断面図である。 (a)はレンズアレイの完成形状を示す平面図であり、(b)は(a)のIXb-IXb線に沿う縦断面図である。 (a)はガラスモールド用成形型が型開きされた状態を示す縦断面図であり、(b)はガラスモールド用成形型が型閉めされた状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1 ガラスモールド用成形装置
2 ガラスモールド成形品であるレンズアレイ
4 ガラスモールド成形品の表面
5 ガラスモールド成形品の裏面
6 レンズ凸部
27 ガラスモールド用成形型
28,29 加圧型
41 表面成形面
42 裏面成形面
45 キャビティ
48,49 外形基準面成形面
51,52 外形基準面
57,58 膨出空間
61 成形凹部
63,63 膨出部
M 加圧型の接合面
P プリフォーム
S 膨出空間を形成する斜面

Claims (6)

  1. 対向配置される一対の加圧型の一方に形成され、ガラスモールド成形品の表面を加圧成形する表面成形面と、
    前記加圧型の他方に形成され、前記ガラスモールド成形品の裏面を加圧成形する裏面成形面と、
    前記加圧型の少なくとも片方に形成され、前記ガラスモールド成形品の複数の側面のうちの周方向に連続する二側面を、互いに直角な外形基準面として加圧成形する外形基準面成形面と、
    前記外形基準面成形面に対向する側に位置し、前記ガラスモールド成形品の加圧成形時において、軟化したガラス素材の膨出を許容する膨出空間とを備えたことを特徴とするガラスモールド用成形型。
  2. 前記膨出空間は、前記加圧型の側面視で、前記加圧型のキャビティから離れるに従って収束し、かつ前記加圧型の接合面に向かって開放される楔状の空間であり、この膨出空間を形成する斜面の一辺が前記表面成形面及び裏面成形面の少なくとも一方の端部に連続することを特徴とする請求項1に記載のガラスモールド用成形型。
  3. 前記膨出空間の斜面角度を、前記ガラスモールド成形品の加圧成形時において、軟化したガラス素材を前記加圧型のキャビティの隅々まで行き渡らせ得る粘動圧力を付与する角度に設定したことを特徴とする請求項2に記載のガラスモールド用成形型。
  4. 前記ガラスモールド成形品は、その表裏面の少なくとも片面に球面状のレンズ凸部が凸設されたものであり、前記加圧型の前記表面成形面及び裏面成形面には、その少なくとも片面に前記レンズ凸部を成形するための成形凹部が形成され、この成形凹部の面方向の位置は前記外形基準面成形面を基準にして設定されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載のガラスモールド用成形型。
  5. 前記外形基準面が、全面的な研削加工をすることなく、そのまま前記ガラスモールド成形品の最終完成品の側面となるように前記加圧型の外形基準面成形面の寸法を設定したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載のガラスモールド用成形型。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載のガラスモールド用成形型の、前記一対の加圧型を型開きした状態で前記ガラスモールド成形品の母材であるプリフォームを前記加圧型のキャビティに収容する収容工程と、
    前記プリフォームを前記加圧型とともに真空下及び不活性ガス雰囲気下のいずれかで加熱する加熱工程と、
    前記一対の加圧型を型閉めし、加熱された状態の前記プリフォームに前記加圧型の前記表面成形面及び前記裏面成形面を押圧し、当該表面成形面及び裏面成形面の形状を前記プリフォームの表裏面に転写すると共に、前記加圧型の前記外形基準面成形面にて前記プリフォームの複数の側面うちの周方向に連続する二側面を、互いに直角な外形基準面に加圧成形する加圧工程と、
    前記加圧型の加圧状態を保持すると同時に、成形されたガラスモールド成形品及び前記加圧型を所定温度以下に冷却する保持冷却工程と、
    前記所定温度以下に冷却した前記ガラスモールド成形品を前記加圧型から剥離する剥離工程と、
    前記ガラスモールド成形品の、前記外形基準面に対向する側面を、前記外形基準面を基準に研磨する側面研磨工程と、
    を有することを特徴とするガラスモールド成形品の成形方法。
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