JP2007147699A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)水系媒体中で結着樹脂を乳化して樹脂乳化粒子を製造する工程、(2)ノニオン性の高分子分散剤の存在下、離型剤を分散させて離型剤粒子を製造する工程、及び(3)前記樹脂乳化粒子と離型剤粒子とを凝集及び合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法である。
【選択図】なし
Description
しかしながら、特許文献1記載の方法などのトナー製造方法においては、例えば、微粒子分散液の微粒子として離型剤粒子を用いた場合、高温で分散処理を行う際、離型剤への分散剤の吸着力が低下し、微粒子同士の凝集が発生することがある。その結果トナー中の微粒子の分散不良や分散粒子径が大きくなるなどの問題が生じ、また定着性の悪化などが問題となっていた。
(1)水系媒体中で結着樹脂を乳化して樹脂乳化粒子を製造する工程、
(2)ノニオン性の高分子分散剤の存在下、離型剤を分散させて離型剤粒子を製造する工程、及び
(3)前記樹脂乳化粒子と離型剤粒子とを凝集及び合一させる工程
を有する電子写真用トナーの製造方法、
に関する。
工程(1)
工程(1)は「水系媒体中で結着樹脂を乳化して樹脂乳化粒子を製造する工程」である。
水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。これらのなかでは、トナーへの混入を防止する観点から、樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒が使用できる。本発明では、実質的に有機溶剤を用いることなく、水のみを用いて結着樹脂を微粒化させることが好ましい。
結着樹脂がポリエステルを含む場合、該ポリエステルは、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルのいずれであってもよい。
この結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。ここで、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。吸熱の最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば、このピーク温度を融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合は、このピークをガラス転移に起因するピークとする。結晶性指数を規定する軟化点及び吸熱の最高ピーク温度の測定方法については後で説明する。
具体的には、アルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等の脂肪族ジオール;式(1):
また、樹脂粒子を迅速かつ均一に分散させる観点から、結着樹脂として、開口径5.6mmの篩いを95重量%以上、更に98重量%以上通過する粒度を有する樹脂粒子を用いることが好ましい。このような粒度を有する樹脂粒子を用いることにより、均一に分散することができ、次の中和工程において、均一な中和が可能となり、均質な乳化粒子を作製することができる。
非晶質ポリエステルとしては、その軟化点が95〜160℃、ガラス転移点が50〜75℃、酸価は1〜40mgKOH/g、及び水酸基価は3〜60mgKOH/gの少なくとも一つの性状を有するものが好ましく用いられる。
非晶質ポリエステルの数平均分子量は、耐久性及び定着性の観点から、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましく、1,000〜12,000が更に好ましい。
上記非晶質ポリエステルは、トナーの耐久性及び帯電性の点から、結着樹脂中好ましくは60重量%以上、更に好ましくは70重量%以上の割合で含有される。
結晶性ポリエステルの軟化点及び融点は、低温定着性の観点から、好ましくは60〜150℃、より好ましくは60〜130℃、更に好ましくは60〜120℃である。
本発明の製造方法の工程(1)において、樹脂乳化粒子は、少なくとも上記結着樹脂、さらに必要に応じて着色剤、離型剤、荷電制御剤等の添加剤を含有することができる。
上記着色剤は、トナーの印字濃度の点から上記乳化粒子中の結着樹脂100重量部に対して好ましくは3〜30重量部、更に好ましくは3〜20重量部含有される。
水系媒体の量は、後の凝集工程で均一な凝集粒子を得る観点から、結着樹脂100重量部に対して100〜2000重量部が好ましく、150〜1500重量部がより好ましい。
樹脂乳化粒子の体積中位粒径(D50)は、後の凝集工程で均一な凝集ができる観点から、0.05〜3μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましく、0.05〜0.6μmがさらに好ましい。
工程(2)は、「ノニオン性の高分子分散剤の存在下、離型剤を分散させて離型剤粒子を製造する工程」である。
上記工程(2)におけるノニオン性の高分子分散剤は、離型剤への分散剤の吸着力に優れ、離型剤に強固に吸着でき、良好な定着性が得られる観点から用いられる。
上記ノニオン性の高分子分散剤は、得られるトナーに良好な定着性等を付与する観点から、離型剤粒子の分散時に、離型剤100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは3〜10重量部存在させる。
使用しうるカチオン性高分子分散剤としては、カチオン化ポリビニルアルコール、カチオン化デンプン、カチオン化セルロース、ポリジメチルエチルメタクリレート4級塩、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。アニオン性高分子分散剤としては、ポリアクリル酸塩、マレイン酸α-オレフィン共重合体塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩等が挙げられる。
本発明においては、離型剤の乳化性および樹脂乳化粒子との凝集性の観点から、アルキル変性ポリビニルアルコールとカチオン化ポリビニルアルコールを併用することが好ましい。
離型剤の融点は、離型効果、帯電性、耐久性の観点から50〜100℃が好ましく、70〜90℃がより好ましい。また、離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、より好ましくは1.5〜15重量部である。
分散時の離型剤の固形分濃度は、乳化性および生産性の観点から5〜40重量%が好ましく、10〜35重量%がより好ましく、15〜35重量%がさらに好ましい。
また、分散温度は、離型剤の乳化性の点から、60〜120℃であることが好ましく、80〜110℃であることがより好ましく、80〜100℃であることが更に好ましい。
定着性および耐久性の観点から、離型剤粒子の体積中位粒径は1μm以下であることが好ましく、0.05〜1μmがより好ましく、0.10〜0.85μmが更に好ましい。
工程(3)においては、前記工程(1)で製造した樹脂乳化粒子と工程(2)で製造した離型剤粒子とを凝集及び合一させる。以下、凝集工程と合一工程の各々について説明する。
(凝集工程)
凝集工程においては、前記樹脂乳化粒子および上記離型剤粒子の各々を主成分とする各分散液に、必要に応じて着色剤やその他の添加剤を混合し、少なくとも樹脂乳化粒子と離型剤粒子を構成成分とする凝集粒子を生成させる。
樹脂乳化粒子と離型剤粒子は、樹脂乳化粒子に対して離型剤粒子を、重量比で好ましくは0.008〜0.23、より好ましくは0.012〜0.18、更に好ましくは0.024〜0.18で混合する。
凝集工程における系内の固形分濃度は、均一な凝集を起こさせるためには、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
前記凝集剤の添加は、均一な凝集を行うために、凝集工程系内のpHを調整した後で、かつ樹脂の融点以下の温度、好ましくは融点―10℃以下の温度で行うのが望ましい。なお、結着樹脂の融点が観測されない場合には、軟化点―30℃以下の温度、好ましくは軟化点―40℃以下の温度で行うのが望ましい。また、添加は凝集剤を水性媒体溶液にして行うことができる。さらに、凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。
高画質化の観点から、凝集粒子の体積中位粒径は1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmが更に好ましい。
本発明においては、前記凝集工程で得られた少なくとも樹脂乳化粒子と離型剤粒子とを構成成分とする凝集粒子を、中和した結着樹脂の融点以上に加熱して、合一させる。このときの加熱温度は、目的とするトナーの粒径、粒度分布、形状制御、及び凝集粒子の融着性の観点から、結着樹脂の融点以上、融点+20℃以下が好ましく、より好ましくは融点以上、融点+15℃以下であり、さらに好ましくは融点以上、融点+10℃以下である。なお、結着樹脂の融点が観測されない場合には、軟化点―60℃以上、軟化点+10℃以下が好ましく、より好ましくは軟化点―60℃以上、軟化点以下が好ましく、さらに好ましくは軟化点―60℃以上、軟化点―10℃以下である。また、攪拌速度は凝集粒子が沈降しない速度が好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー粒子の乾燥後の水分含量は、トナーの帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。
高画質化の観点から、合一粒子の体積中位粒径は1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmが更に好ましい。
電子写真用トナー
本発明の製造方法により、高精細、高画質に適した球形で小粒径かつ粒度分布が狭い、定着性に優れた電子写真用トナーが得られる。
トナーの軟化点は、低温定着性の観点から、60〜140℃であることが好ましく、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃である。また、示差走査熱量計による吸熱の最大ピーク温度は、同様の観点から、60〜140℃であることが好ましく、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃である。
本発明におけるトナーには、外添剤として流動化剤等の助剤をトナー粒子表面に添加処理することができる。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
高画質化の観点から、トナー粒子の体積中位粒径は1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmが更に好ましい。
本発明の製造方法は種々のトナーの製造にも適用できるが、中でも非磁性の一成分および二成分トナーに好適である。
1.分散剤の粘度
90℃で分散剤を水に溶解して2重量%の水溶液を調製後、冷却して40℃にてB型粘度計(東京計器社製、B形粘度計、型式BM、No1ローター)で粘度を測定した。
2.樹脂の酸価
JIS K0070に従って測定した。
(1)軟化点
フローテスター(島津製作所、CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)吸熱の最高ピーク温度と融点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定した。結晶性ポリエステルを含む樹脂では吸熱の最高ピークが観測され、その温度を本発明では融点とみなす。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定した。結着樹脂が結晶性ポリエステルの他に非晶質樹脂を含む場合は、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度として読み取る。
以下の方法に従い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布から数平均分子量を求めた。
(1)試料溶液の調製:濃度が0.5g/100mlになるように試料樹脂をクロロホルム中に溶解後、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業製、FP-200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量分布測定:溶解液としてクロロホルムを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに前記試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO-8010(東ソー製)
分析カラム:GMHLX +G3000HXL(東ソー製)
(1)分散液の調製:分散媒(花王製、エマールE−27C(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム)2重量%水溶液)30mlに測定試料0.1mlを添加し、超音波分散機にて1分間分散させて分散液を得た。
(2)測定装置:レーザー回折型粒径測定機(島津製作所製 SALD−2000J)
測定粒径範囲:0.03〜700μm
解析ソフト:Wing−SALD−2000J
(3)測定条件:測定用セルに蒸留水10mlと分散液を加え、吸光度=0.08〜0.10の範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)を測定した。
(1)分散液の調製:分散液(エマルゲン109P (花王製、ポリオキシエチレンラウリルエーテルHLB13.6)5重量%水溶液)5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液(アイソトンII(ベックマンコールター製))25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1 分間分散させ分散液を得た。
(2)測定装置:コールターマルチサイザーII (ベックマンコールター製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜40μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター製)
(3)測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子について、体積中位粒径(D50)と粒度分布を測定した。また、CV値は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径)×100
赤外線水分計(ケット科学研究所製、FD−230)により測定した。
8.TEM観察
エポキシ系樹脂、または水溶性樹脂でトナーのガラス転移温度以下で包埋処理したトナーを、クライオウルトラミクロトームを用い、凍結状態で約100nmの厚さの薄切片にし、透過電子顕微鏡(日立製H−8100)を用いて加速電圧100kV、写真倍率2万倍及び5万倍にて、トナー中に分散する離型剤を観察した。
ポリエステルの製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1592g及びジブチル錫オキサイド(エステル化触媒)32gを窒素雰囲気下、常圧下230℃で5時間反応させ、更に減圧下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸1672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間反応させた後に、更に減圧下で反応させて、ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂Aの軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃、酸価は24.4mgKOH/g、数平均分子量は3760であった。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン17500g、ポリオキシエチレン(2.0)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン16250g、テレフタル酸11454g、ドデセニルコハク酸無水物1608g、トリメリット酸無水物4800g及びジブチル錫オキサイド15gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で攪拌し、ASTM D36−86に準拠して測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Bを得た。ポリエステル樹脂Bの軟化点は121℃、ガラス転移点は65℃、酸価は18.5mgKOH/g、数平均分子量は3394であった。
製造例1で製造したポリエステル樹脂Aの微粉末70部及び大日精化製銅フタロシアニンのスラリー顔料(ECB−301:固形分46.2%)を顔料分30部になる様にヘンシルミキサーに仕込み5分間混合し湿潤させた。次にこの混合物をニーダー型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃にて樹脂が熔融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら20分間90〜110℃で混練を続けた。
更に120℃にて混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させた。更に120〜130℃にて10分間混練を続けた。冷却後更に加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗砕して青色顔料を30%の濃度で含有する高濃度着色組成物の粗砕品(マスターバッチ1)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は全て微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。
ポリエステル樹脂A 65重量部とポリエステル樹脂B 35重量部、カーボンブラック「モーガルL(CABOT社製)」5重量部との混合物を20リットル容ヘンシェルミキサーを用いて、羽根回転数を1500回/分に設定し5分間予備混合した。
得られた混合物を、テーブルフィーダーにて、10kg/hの供給速度で、連続式2本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山(株)製、ロール外径:140cm、有効ロール長:80cm)に供給し、混練物を得た。なお、混練機の運転条件は、高回転ロール(前ロール)の回転数を75r/min、低回転ロール(後ロール)の回転数を50r/min、ロールの間隙を0.15mmに調整した。また、ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側を120℃、混練物排出側を100℃、低回転ロールの原料投入側を30℃、混練物排出側を30℃に、それぞれ設定した。
得られた混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmφのスクリーンを有するミルにて粗粉砕し、トナー混練物の粗砕品(トナー混練物1)を得た。
樹脂乳化粒子Aの製造
2リットル容のステンレス釜で、ポリエステル樹脂A319.9g、ポリエステル樹脂B210.0g、マスターバッチ1 100.2g及び、アニオン性界面活性剤「ネオペレックスG−65(花王製)」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:65%)9.23g、および非イオン性界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)6.0g及び、5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、25℃で分散させた。内容物を96℃で安定させ、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下で2時間保持した。続いて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を6mL/minで滴下し、計1735.4gを添加した。この間、系の温度は96℃に保持し、200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂乳化粒子Aを得た。得られた樹脂分散液中の樹脂粒子の体積中位粒径は0.56μm、固形濃度は24.7重量%、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。
2リットル容のステンレス釜で、トナー混練物1 630g及び、アニオン性界面活性剤「ネオペレックスG−65(花王製)」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(固形分:65%)9.23g、および非イオン性界面活性剤「エマルゲン430(花王製)」ポリオキシエチレンオレイルエーテル(HLB:16.2)6.0g及び、5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、25℃で分散させた。内容物を96℃で安定させ、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下で2時間保持した。続いて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を6mL/minで滴下し、計1265gを添加した。この間、系の温度は96℃に保持し、200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂乳化粒子Bを得た。得られた樹脂分散液中の樹脂粒子の体積中位粒径は0.43μm、固形分濃度は30.1重量%、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。
離型剤粒子分散液Aの製造
1リットル容のビーカーで、90℃で脱イオン水400gにノニオン性高分子分散剤「X−150F(日本酢ビ・ポバール社製)」(40℃、2重量%水溶液での粘度:3.4mPa・s)アルキル変性ポリビニルアルコール10gを溶解させた後、カルナウバロウワックス(加藤洋行社製、融点85℃)100gを分散させた。この分散液を85〜90℃に温度を保持しながら、Ultrasonic Homogenizer 600W (日本精機社製)で30分間分散処理を行い、体積中位粒径0.48μmの離型剤分散液を得た。
分散剤及びその添加量を表1に示すようにした以外は、離型剤粒子分散液Aと同様にして離型剤粒子分散液B〜Gを調製した。なお、各分散液に使用した分散剤は、下記の通りであり、表1中において、離型剤粒子分散液の調製に用いた各分散剤の量は、離型剤100重量部に対する添加量で示した。
・カチオン性高分子分散剤「ゴーセファイマーK210(40℃、2重量%水溶液での粘度:3.4mPa・s、日本合成化学工業社製)」カチオン性ポリビニルアルコール
・ノニオン性活性剤「エマルゲン109P(花王製)」ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:13.6)
・ノニオン性活性剤「エマルゲン123P(花王製)」ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB:16.9)
・ノニオン性活性剤「エマルゲン320P(花王製)」ポリオキシエチレンステアリルエーテル(HLB:13.9)
凝集粒子の作製
樹脂乳化粒子A 500gを2リットル容の容器に入れ、カイ型の攪拌機で100r/minの攪拌下、22℃で離型剤粒子分散液C 65.68gを添加しよく混合した。次に、硫酸アンモニウム12.0gを脱イオン水508gに溶かした溶液を4mL/minで滴下した。その後、攪拌しながら、60℃まで昇温速度1.27℃/minで加熱し、60℃で90分間保持した。体積中位粒径4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。
アニオン性界面活性剤「エマールE−27C(花王製)」ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム5.42gを添加して、昇温速度1℃/minで加熱し、分散液の温度が87℃になった時点で加熱を止め、攪拌しながら室温まで除冷した(合一粒子の作製)。内容物を、吸引ろ過、洗浄、乾燥して着色樹脂微粒子を得た。着色樹脂微粒子の体積中位粒径(D50)は4.4μmであった。
この着色樹脂微粒子100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカ(日本アエロジル社製R972、個数平均粒子径:16nm)をヘンシェルミキサーを用いて外添し、シアントナーとした。得られたシアントナーの体積中位粒径(D50)は4.0μm、CV値は23%、軟化点は100℃、ガラス転移温度は51.8℃であった。
得られたシアントナーをMICROLINE5400(沖データ社製)で現像し、オイルレス定着が可能であることを確認した。また、TEM観察からも1μm以下の分散径で離型剤が分散されていることを確認した。
凝集粒子の作製
得られた樹脂乳化粒子B 340gを2リットル容の容器に入れ、カイ型の攪拌機で100r/minの攪拌下、25℃で離型剤粒子分散液B 100gを添加しよく混合した。次に、10重量%硫酸ナトリウム100gを4mL/minで滴下した。その後、攪拌しながら、75℃まで昇温速度0.33℃/minで加熱した(凝集粒子の作製)。
合一粒子の作製
分散液の温度が75℃になった時点で加熱を止め、攪拌しながら室温まで除冷した(合一粒子の作製)。内容物を、吸引ろ過、洗浄、乾燥して着色樹脂微粒子を得た。着色樹脂微粒子の体積中位粒径(D50)は8.0μmであった。
この着色樹脂微粒子100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカ(日本アエロジル社製R972、個数平均粒子径:16nm)をヘンシェルミキサーを用いて外添し、黒トナーとした。得られた黒トナーの体積中位粒径(D50)は7.6μm、CV値は25%、軟化点は98.5℃、ガラス転移温度は52.2℃であった。
得られた黒トナーを沖データ社製MICROLINE5400で現像し、オイルレス定着が可能であることを確認した。また、TEM観察からも1μm以下の分散径で離型剤が分散されていることを確認した。
凝集粒子の作製
得られた樹脂乳化粒子B 340gを2リットル容の容器に入れ、カイ型の攪拌機で100r/minの攪拌下、25℃で離型剤分散液A 100gを添加しよく混合した。次に、10重量%硫酸ナトリウム70gを4mL/minで滴下した。その後、攪拌しながら、75℃まで昇温速度0.33℃/minで加熱した(凝集粒子の作製)。
合一粒子の作製
分散液の温度が95℃になった時点で加熱を止め、攪拌しながら室温まで除冷した(合一粒子の作成)。内容物を、吸引ろ過、洗浄、乾燥して着色樹脂微粒子を得た。着色樹脂微粒子の体積中位粒径(D50)は5.5μmであった。
この着色樹脂微粒子100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカ(日本アエロジル社製R972、個数平均粒子径:16nm)をヘンシェルミキサーを用いて外添し、黒トナーとした。得られた黒トナーの体積中位粒径(D50)は5.2μm、CV値は22%、軟化点は101℃、ガラス転移温度は51.6℃であった。
得られた黒トナーを沖データ社製MICROLINE5400で現像し、オイルレス定着が可能であることを確認した。また、TEM観察からも1μm以下の分散径で離型剤が分散されていることを確認した。
凝集粒子の作製
樹脂乳化粒子A 500gを2リットル容の容器に入れ、カイ型の攪拌機で100r/minの攪拌下、22℃で離型剤粒子分散液D 65.68gを添加しよく混合した。次に、硫酸アンモニウム12.0gを脱イオン水508gに溶かした溶液を4mL/minで滴下した。その後、攪拌しながら、60℃まで昇温速度1.27℃/minで加熱し、60℃で90分間保持した。体積中位粒径4.6μmの凝集粒子が生成していることを確認した。
合一粒子の作製
アニオン性界面活性剤「エマールE−27C(花王製)」ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム5.42gを添加して、昇温速度1℃/minで加熱し、分散液の温度が87℃になった時点で加熱を止め、攪拌しながら室温まで除冷した(合一粒子の作製)。内容物を、吸引ろ過、洗浄、乾燥して着色樹脂微粒子を得た。着色樹脂微粒子の体積中位粒径(D50)は4.5μmであった。しかし、白いワックスの凝集物が多数見られ、ワックスが内包できていないことわかった。
凝集粒子の作製
樹脂乳化粒子A 500gを2リットル容の容器に入れ、カイ型の攪拌機で100r/minの攪拌下、22℃で離型剤粒子分散液E 65.68gを添加しよく混合した。次に、硫酸アンモニウム12.0gを脱イオン水508gに溶かした溶液を4mL/minで滴下した。その後、攪拌しながら、60℃まで昇温速度1.27℃/minで加熱し、60℃で90分間保持した。体積中位粒径4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。
合一粒子の作製
アニオン性界面活性剤「エマールE−27C(花王製)」ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム5.42gを添加して、昇温速度1℃/minで加熱し、分散液の温度が87℃になった時点で加熱を止め、攪拌しながら室温まで除冷した(合一粒子の作製)。内容物を、吸引ろ過、洗浄、乾燥して着色樹脂微粒子を得た。着色樹脂微粒子の体積中位粒径(D50)は4.4μmであった。しかし、白いワックスの凝集物が多数見られ、ワックスが内包できていないことわかった。
凝集粒子の作製
樹脂乳化粒子A 500gを2リットル容の容器に入れ、カイ型の攪拌機で100r/minの攪拌下、22℃で離型剤粒子分散液F 65.68gを添加しよく混合した。次に、硫酸アンモニウム12.0gを脱イオン水508gに溶かした溶液を4mL/minで滴下した。その後、攪拌しながら、60℃まで昇温速度1.27℃/minで加熱し、60℃で90分間保持した。体積中位粒径4.7μmの凝集粒子が生成していることを確認した。
合一粒子の作製
アニオン性界面活性剤「エマールE−27C(花王製)」ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム5.42gを添加して、昇温速度1℃/minで加熱し、分散液の温度が87℃になった時点で加熱を止め、攪拌しながら室温まで除冷した(合一粒子の作製)。内容物を、吸引ろ過、洗浄、乾燥して着色樹脂微粒子を得た。着色樹脂微粒子の体積中位粒径(D50)は4.7μmであった。しかし、白いワックスの凝集物が多数見られ、ワックスが内包できていないことわかった。
凝集粒子の作製
樹脂乳化粒子A 500gを2リットル容の容器に入れ、カイ型の攪拌機で100r/minの攪拌下、22℃で離型剤粒子分散液G 65.68gを添加しよく混合した。次に、硫酸アンモニウム6.0gを脱イオン水254gに溶かした溶液を4mL/minで滴下した。その後、攪拌しながら、60℃まで昇温速度1.27℃/minで加熱し、60℃で90分間保持した。体積中位粒径8.1μmの凝集粒子が生成していることを確認した。
合一粒子の作製
アニオン性界面活性剤「エマールE−27C(花王製)」ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム5.42gを添加して、昇温速度1℃/minで加熱し、分散液の温度が80℃になった時点で加熱を止め、攪拌しながら室温まで除冷した(合一粒子の作製)。内容物を、吸引ろ過、洗浄、乾燥して着色樹脂微粒子を得た。着色樹脂微粒子の体積中位粒径(D50)は7.9μmであった。しかし、ワックスの凝集物が見られた。
Claims (6)
- (1)水系媒体中で結着樹脂を乳化して樹脂乳化粒子を製造する工程、
(2)ノニオン性の高分子分散剤の存在下、離型剤を分散させて離型剤粒子を製造する工程、及び
(3)前記樹脂乳化粒子と離型剤粒子とを凝集及び合一させる工程、
を有する電子写真用トナーの製造方法。 - 離型剤粒子の分散が、ノニオン性の高分子分散剤と、カチオン性又はアニオン性の高分子分散剤との共存下で行われる請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
- ノニオン性の高分子分散剤がビニル系高分子分散剤である請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 離型剤粒子の分散を60〜120℃の温度で行う請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 結着樹脂がポリエステルを含有する請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 離型剤分散液中の離型剤粒子の体積中位粒径が1μm以下である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
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