JP2007144998A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電素子の破壊を確実に防止した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体を噴射するノズル開口21に連通する圧力発生室12が設けられた流路形成基板10の一方面側に設けられた下電極60、圧電体層70及び上電極80からなる圧電素子300と、該圧電素子300の側面及び前記上電極80の少なくとも上面の周縁部を覆うと共に前記上電極80の上面側に開口する開口部101が設けられた無機絶縁材料からなる保護膜100とを具備し、前記保護膜100の前記開口部101側の端部に厚さが前記開口部101に向かって漸小した漸小部102を設ける。
【選択図】図3

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室が形成された基板の表面に圧電素子を形成して、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
インクを吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインクを吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
そして、たわみ振動モードのアクチュエータを使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。このような圧電素子は、例えば、湿気等の外部環境に起因して破壊され易いという問題を有する。
そこで、このような圧電素子の破壊を防止すると共に圧電素子の変形を阻害しないようにするヘッド構造として、圧電素子を構成する上電極の上面の少なくとも周縁及び圧電体層の側面を覆うように、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、有機材料、好ましくは感光性ポリイミドからなる薄い絶縁体膜を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、圧電素子の破壊を防止すると共に圧電素子の変形を阻害しないようにするヘッド構造として、圧電素子を絶縁体からなる保護膜で覆うと共に、上電極の主要部に対応する領域に他の領域よりも薄い薄肉部を設けたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許第3552013号(第4頁、第4図) 特開2001−260357号公報(第5〜6頁、第7〜8図)
しかしながら、特許文献1の構成では、上電極を露出させた領域の長手方向の端部が規定されておらず、この端部が圧電素子の実質的な駆動部である圧電体能動部の端部よりも外側になっていると、圧電素子が撓み変形した際に、露出された領域の端部近傍に応力が集中し、圧電素子が破壊されてしまうという問題がある。
また、特許文献2では、保護膜の上電極の表面に薄肉部を設けることにより、圧電素子の外部環境に起因する破壊を防止することができるものの、薄肉部は、エッチング時間を調整するハーフエッチングにより形成されるため、薄肉部の厚さの管理が困難であり、均一な変位特性の圧電素子を得るのは難しいという問題がある。さらに、薄肉部によって圧電素子の撓み変形量が減少し、インク吐出特性が低下してしまうという問題がある。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけでなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、圧電素子の破壊を確実に防止した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に設けられた下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、該圧電素子の側面及び前記上電極の少なくとも上面の周縁部を覆うと共に前記上電極の上面側に開口する開口部が設けられた無機絶縁材料からなる保護膜とを具備し、前記保護膜の前記圧電素子の幅方向及び長手方向の前記開口部側の端部には、厚さが前記開口部に向かって漸小した漸小部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、保護膜によって、圧電素子の湿気等の外部環境に起因する破壊を確実に防止することができると共に、漸小部によって圧電素子の保護膜で覆われた領域と保護膜によって覆われていない開口部との境界の応力を分散することができ、応力集中による圧電素子及び振動板の破壊を防止することができる。
本発明の第2の態様は、前記漸小部が、前記保護膜の前記開口部側の端部の厚さを薄くすることで形成されていることを特徴とする第1の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、保護膜の端部に段差状の漸小部を設けることによって、圧電素子の保護膜で覆われた領域と保護膜によって覆われていない開口部との境界の応力を分散することができ、応力集中による圧電素子及び振動板の破壊を防止することができる。
本発明の第3の態様は、前記漸小部が、前記保護膜の前記開口部側に向かって厚さが徐々にテーパ状に漸小して形成されていることを特徴とする第1の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、保護膜の端部にテーパ状の漸小部を設けることによって、圧電素子の保護膜で覆われた領域と保護膜によって覆われていない開口部との境界の応力を分散することができ、応力集中による圧電素子及び振動板の破壊を防止することができる。
本発明の第4の態様は、前記上電極の少なくとも前記開口部に対応する領域には、前記保護膜よりも柔軟な材料からなる柔軟膜が設けられていることを特徴とする第1〜3の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、開口部に保護膜よりも柔軟な材料からなる柔軟膜を設けることにより、保護膜で覆った場合と比べて圧電素子の変形を阻害することなく、さらに応力を分散することができ、応力集中による圧電素子及び振動板の破壊を防止することができる。
本発明の第5の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に設けられた下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、該圧電素子の側面及び前記上電極の少なくとも周縁部を覆うと共に前記上電極の表面側に開口する開口部が設けられた無機絶縁材料からなる保護膜とを具備し、前記保護膜よりも柔軟な材料からなる柔軟膜が、前記開口部の少なくとも前記保護膜側に設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、開口部に柔軟膜を設けることにより、圧電素子の変形を阻害することなく、圧電素子の湿気等の外部環境に起因する破壊を確実に防止することができる。また、柔軟膜によって圧電素子の保護膜で覆われた領域と保護膜によって覆われていない開口部との境界の応力を分散することができ、応力集中による圧電素子及び振動板の破壊を防止することができる。
本発明の第6の態様は、前記柔軟膜が、前記開口部の前記保護膜側のみに設けられていると共に、当該柔軟膜には前記上電極の上面側の中央側に開口する中抜き部が設けられていることを特徴とする請求項5の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第6の態様では、柔軟膜に中抜き部を設けることによって、柔軟膜によって圧電素子の変位特性を低下させることなく、優れた液体噴射特性を得ることができる。
本発明の第7の態様は、前記柔軟膜が、前記保護膜の前記開口部側の開口縁部上に延設されていることを特徴とする第4〜6の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第7の態様では、柔軟膜と保護膜との間に隙間が発生することがなく、隙間に応力集中することによる圧電素子及び振動板の破壊を確実に防止することができる。また、柔軟膜の開口縁部に設けることで、柔軟膜によって圧電素子の変位特性が低下するのを最小限に抑えることができる。
本発明の第8の態様は、前記柔軟膜が、前記圧力発生室に相対向する領域に延設されていることを特徴とする第4〜7の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第8の態様では、複数の圧力発生室に対応して設けられた振動板の振動特性にばらつきが生じるのを防止して、振動特性を均一化できる。
本発明の第9の態様は、前記柔軟膜が、前記保護膜上の全面に延設されていることを特徴とする第4〜8の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第9の態様では、柔軟膜と保護膜との間に隙間が発生することがなく、隙間に応力集中することによる圧電素子及び振動板の破壊を確実に防止することができる。
本発明の第10の態様は、前記下電極の前記圧力発生室の長手方向の端部が、前記圧力発生室に相対向する領域内に設けられて、前記圧電素子の実質的な駆動部となる圧電体能動部の長手方向の端部を規定していると共に、前記上電極及び前記圧電体層の前記圧力発生室の短手方向の端部が、前記圧力発生室に相対向する領域内に設けられて、前記圧電体能動部の短手方向の端部を規定していることを特徴とする第1〜9の何れか一つの態様に記載の液体噴射ヘッドにある。
かかる第10の態様では、上電極及び下電極によって、圧電体能動部の長手方向及び短手方向の端部を規定することができ、圧電素子の高密度化を実現できる。
本発明の第11の態様は、前記開口部の前記圧力発生室の長手方向の端部が、前記下電極の端部よりも内側に設けられていることを特徴とする第10の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第11の態様では、開口部の端部を圧電体能動部の端部に基づいて規定することで、圧電体能動部と実質的に駆動しない圧電体非能動部との境界の剛性を低下させることなく、圧電素子や振動板などの破壊を防止することができる。
本発明の第12の態様は、前記開口部の前記圧力発生室の長手方向の端部には、当該開口部よりも幅狭の幅狭部が設けられていることを特徴とする第1〜11の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第12の態様では、保護膜に幅狭部を設けることによって、圧電素子の圧電体能動部と圧電体非能動部との境界の応力をさらに分散させることができ、圧電素子や振動板などの破壊を防止することができる。
本発明の第13の態様は、第1〜12の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第13の態様では、信頼性を向上した液体噴射装置を実現できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドの要部平面図であり、図3は、図2のA−A′断面図及びB−B′断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、隔壁11によって区画された複数の圧力発生室12がその幅方向に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述する保護基板のリザーバ部と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、後述するマスク膜52を介して接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、二酸化シリコンからなり厚さが例えば、約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなり厚さが例えば、約0.3〜0.4μmの絶縁体膜55が積層形成されている。また、絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.1〜0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約0.5〜5μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とからなる圧電素子300が形成されている。
ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、下電極膜60を圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室12毎に圧電体能動部320が形成されていることになる。
また、本実施形態では、下電極膜60の圧力発生室12の長手方向の端部を圧力発生室12に相対向する領域内に設けることで、圧電素子300の実質的な駆動部となる圧電体能動部320の長手方向の端部(長さ)を規定している。また、圧電体層70及び上電極膜80の圧力発生室12の幅方向の端部を圧力発生室12に相対向する領域内に設けることで、圧電体能動部320の短手方向の端部(幅)を規定している。すなわち、圧電体能動部320は、パターニングされた下電極膜60及び上電極膜80によって、圧力発生室12に相対向する領域にのみ設けられていることになる。さらに、本実施形態では、圧電体層70及び上電極膜80が、図3(b)に示すように、上電極膜80側の幅が狭くなるようにパターニングされ、その側面は傾斜面となっている。
また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータ装置と称する。なお、本実施形態では、下電極膜60を複数の圧電素子300の並設方向に亘って設け、下電極膜60の圧力発生室12の長手方向の端部を、圧力発生室12に相対向する位置となるように設けた。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみが振動板として作用するようにしてもよい。
そして、圧電素子300を構成する下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80(圧電体能動部320)は、耐湿性を有する無機絶縁材料からなる保護膜100によって覆われている。具体的には、保護膜100は、圧電体層70の側面と上電極膜80の側面及び上面の周縁部を覆うように設けられている。すなわち、上電極膜80の上面の略中心領域は、保護膜100が設けられておらず、上電極膜80の上面の略中心領域を開口する開口部101が設けられている。開口部101は、保護膜100を厚さ方向に貫通して圧電素子300の長手方向に沿って矩形状に開口するものであり、例えば、流路形成基板10上の全面に亘って保護膜100を形成した後、選択的にパターニングすることで形成することができる。
このような開口部101の長手方向の端部は、圧電体能動部320の長手方向の端部、すなわち、下電極膜60の圧力発生室12の長手方向の端部から所定の距離内側となるように設けられている。
また、保護膜100の圧電素子300の幅方向及び長手方向の開口部101側の端部、すなわち、開口部101の周縁部には、図3に示すように、開口部101側に向かって厚さが漸小する漸小部102が設けられている。本実施形態の漸小部102は、保護膜100の開口部101側の端部の厚さを薄く形成することで形成した。なお、本実施形態では、詳しくは後述するが、保護膜100を100nmで形成し、漸小部102を50nmで形成した。
なお、本実施形態では、漸小部102として、保護膜100の開口部101側の厚さを薄くしたが、特にこれに限定されず、例えば、厚さが異なる複数段の漸小部102を形成してもよく、また、厚さが徐々にテーパ状に漸小する漸小部としてもよい。このような漸小部102は、流路形成基板10上の全面に亘って保護膜100を形成後、レジストを介してパターニングすることにより開口部101を形成する際に、漸小部102となる領域のレジストの厚さを薄くすることで形成することができる。
このように圧電素子300を保護膜100で覆うことにより、大気中の水分等に起因する圧電素子300の破壊を防止することができる。ここで、このような保護膜100の材料としては、耐湿性を有する材料であればよいが、例えば、酸化シリコン(SiO)、酸化タンタル(TaO)、酸化アルミニウム(AlO)等の無機絶縁材料を用いるのが好ましく、特に、無機アモルファス材料である酸化アルミニウム(AlO)、例えば、アルミナ(Al)を用いるのが好ましい。保護膜100の材料として酸化アルミニウムを用いた場合、保護膜100の膜厚を100nm程度と比較的薄くしても、高湿度環境下での水分透過を十分に防ぐことができる。本実施形態では、保護膜100としてアルミナ(Al)を用いた。
また、保護膜100に開口部101を設けることにより、圧電素子300(圧電体能動部320)の変位を阻害することなく、インク吐出特性を良好に保持することができる。さらに、開口部101の端部を上述のように圧電体能動部320の端部に基づいて規定することにより、圧電体能動部320の駆動によって圧電素子300の圧電体能動部320と実質的に駆動しない圧電体非能動部との境界に応力が集中した際に、この境界周辺の剛性を低下させることなく、応力集中による圧電素子300及び振動板の破壊を防止することができる。
さらに、保護膜100の開口部101側の端部に漸小部102を設けたため、漸小部102によって圧電体能動部320と圧電体非能動部との境界の応力を分散して、応力集中による圧電素子300及び振動板の破壊を防止することができる。
なお、本実施形態では、保護膜100を図3(b)に示すように、複数の圧電素子300(圧電体能動部320)に亘って連続して設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、保護膜100を各圧電素子300毎に設けるようにしてもよい。
この保護膜100上には、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が設けられている。リード電極90は、保護膜100に設けられた連通孔100aを介して一端部が上電極膜80に接続されると共に、他端部が流路形成基板10の端部近傍まで延設され、延設された先端部は、後述する圧電素子を駆動する駆動回路と接続配線を介して接続されている。
また、圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部31を有する保護基板30が、接着剤35によって接合されている。なお、圧電素子保持部31は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
また、保護基板30には、連通部13に対向する領域にリザーバ部32が設けられており、このリザーバ部32は、上述したように、流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ110を構成している。また、保護基板30の圧電素子保持部31とリザーバ部32との間の領域には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられ、この貫通孔33内に下電極膜60の一部及びリード電極90の先端部が露出されている。
また、保護基板30上には、圧電素子300を駆動するための駆動回路200が固定されている。この駆動回路200としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路200とリード電極90とはボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線210を介して電気的に接続されている。
保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ110に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ110の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ110からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図4に示すように、本実施形態では、圧電素子300は実施形態1と同様の材料からなる耐湿性を有する保護膜100Aによって覆われている。具体的には、保護膜100Aは、圧電体層70の側面と上電極膜80の側面及び上面の周縁部を覆うように設けられている。すなわち、上電極膜80の上面の略中心領域は、保護膜100Aが設けられておらず、上電極膜80の上面の略中心領域を開口する開口部101Aが設けられている。開口部101Aは、保護膜100Aを厚さ方向に貫通して圧電素子300の長手方向に沿って矩形状に開口するものである。
また、開口部101Aの圧電素子300の幅方向及び長手方向の開口部101A側の端部、すなわち、開口部101Aの周縁部には、厚さが徐々にテーパ状に漸小する漸小部102Aが設けられている。このような漸小部102Aは、例えば、流路形成基板10の全面に亘って保護膜100Aを形成後、所定形状に設けられたレジストを介してイオンミリングすることで形成することができる。
このように、保護膜100Aの開口部101A側に厚さがテーパ状に漸小する漸小部102Aを設けることで、漸小部102Aによって圧電体能動部320と圧電体非能動部との境界の応力を分散して、応力集中による圧電素子300及び振動板の破壊を防止することができる。
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係る液体噴射ヘッドの断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図5に示すように、保護膜100には、上電極膜80の表面側に開口部101が設けられ、この開口部101には、保護膜100よりも柔軟な材料からなる柔軟膜103が設けられている。本実施形態では、保護膜100としてアルミナ(Al)を用いたため、柔軟膜103として、アルミナよりも柔軟な材料、例えば、五酸化タンタル(Ta)やポリイミドなどが挙げられる。
このように圧電素子300を覆う保護膜100の開口部101に柔軟膜103を設けることにより、圧電素子300の変形を阻害することなく、圧電体能動部320と圧電体非能動部との境界の応力を分散することができ、応力集中による圧電素子300及び振動板の破壊を防止することができる。
なお、柔軟膜103は、少なくとも開口部101の保護膜100側の端部に設けられていれば、保護膜100と開口部101との境界の応力を分散して応力集中による圧電素子300及び振動板の破壊を防止することができる。
また、本実施形態では、開口部101に柔軟膜103を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、上述した実施形態1及び2と同様に、保護膜100の開口部101、101A側の端部に漸小部102、102Aを設け、さらに開口部101、101Aに柔軟膜103を設けるようにしてもよい。
(実施形態4)
図6は、本発明の実施形態4に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。なお、上述した実施形態3と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態では、圧電素子300は耐湿性を有する保護膜100によって覆われている。具体的には、保護膜100は、圧電体層70の側面と上電極膜80の側面及び上面の周縁部を覆うように設けられており、上電極膜80の上面の略中心領域は、保護膜100が設けられておらず、上電極膜80の上面の略中心領域を開口する開口部101が設けられている。
そして、柔軟膜103Aは、上電極膜80の開口部101により露出された表面と、保護膜100上の全面とに亘って連続して設けられている。すなわち、柔軟膜103Aは、上電極膜80の開口部101により露出された表面から保護膜100上の全面に延設されている。
このような柔軟膜103Aの材料としては、上述した実施形態3と同様に、保護膜100よりも柔軟な材料、例えば、五酸化タンタル(Ta)やポリイミドなどが挙げられる。
このように、柔軟膜103Aを上電極膜80の開口部101により露出された表面から保護膜100上の全面に亘って延設することで、柔軟膜103Aによって圧電体能動部320と圧電体非能動部との境界の応力を分散することができ、応力集中による圧電素子300及び振動板の破壊を防止することができる。
また、柔軟膜103Aを上電極膜80の開口部101により露出された表面から保護膜100上の全面に延設することで、開口部101の柔軟膜と保護膜100との間に隙間が発生するのを確実に防止して、柔軟膜と保護膜100との間の隙間に応力集中が発生するのを確実に防止することができる。すなわち、柔軟膜を上電極膜80の開口部101により露出された表面のみに設けようとすると、マスクを介して部分的にスパッタリング法により形成するか、柔軟膜を全面に形成した後、所定形状にパターニングすることによって形成することができるが、このときの機器の誤差等により柔軟膜と保護膜100との間に隙間が発生する虞がある。しかしながら、本実施形態のように、柔軟膜103Aを、上電極膜80の開口部101により露出された表面から保護膜100上の全面に延設することで、この隙間が発生するのを確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、柔軟膜103Aを上電極膜80の開口部101により露出された表面から保護膜100上の全面に亘って連続して延設するようにしたが、保護膜100と柔軟膜との間に隙間が発生しないようにするためには、柔軟膜を形成する領域は、特にこれに限定されない。
例えば、図7に示すように、柔軟膜103Bを開口部101の開口縁部を覆うように設ければよい。このような柔軟膜103Bは、保護膜100上に2μm以上延設すれば、柔軟膜103Bと保護膜100との間に隙間が発生するのを確実に防止することができる。また、柔軟膜103Bのように、保護膜100上に延設する距離を短くすれば、柔軟膜103Bによって圧電素子300の変位特性が低下するのを防止することができ、優れたインク吐出特性を得ることができる。
また、例えば、図8に示すように、柔軟膜103Cを上電極膜80の開口部101により露出された表面から圧力発生室12に相対向する領域を覆うように延設してもよい。このように柔軟膜を圧力発生室12に相対向する領域を覆うように設けることで、複数の圧力発生室12に相対向する振動板の振動特性にばらつきが生じるのを防止することができる。
なお、図7及び図8は、実施形態4の保護膜の他の例を示すインクジェット式記録ヘッドの他の例である。
また、柔軟膜は、少なくとも開口部101の保護膜100側の端部に設けられていれば、保護膜100と開口部101との境界の応力を分散して応力集中による圧電素子300及び振動板の破壊を防止することができる。すなわち、図9に示すように、柔軟膜103Dは、開口部101により露出された上電極膜80の表面の保護膜100側から保護膜100上の全面に延設されており、柔軟膜103Dには、上電極膜80の上面の略中心領域を開口する中抜き部103aが設けられている。このように柔軟膜103Dに中抜き部103aを設けることで、柔軟膜103Dにより圧電素子300の変位特性が低下するのを防止することができ、優れたインク吐出特性を得ることができる。勿論、このような中抜き部103aは、上述した実施形態3の柔軟膜103に設けてもよく、また、図7及び図8に示す柔軟膜103B、103Cに設けるようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1〜4では、保護膜100、100Aに開口が矩形状の開口部101、101Aを設けるようにしたが、開口部101、101Aの形状は、特にこれに限定されるものではない。ここで、保護膜100の開口部の他の形状について図10を参照して説明する。なお、図10は、本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの要部平面図である。図10に示すように、開口部101Bの圧力発生室12の長手方向端部には、開口部101Bの幅が端部に向かって漸小する幅狭部104が設けられている。本実施形態では、幅狭部104として、矩形状の角部を面取りした形状で開口するように設けた。このような幅狭部104を有する開口部101Bは、所定形状に開口するレジストを介してイオンミリングすることにより形成することができる。このように開口部101Bの長手方向端部に幅狭部104を設けることにより、圧電素子300の圧電体能動部320と圧電体非能動部との境界の応力集中を分散させることができ、さらに圧電素子300(圧電体能動部320)及び振動板の破壊を防止することができる。なお、図10に示すように、開口部101Bに幅狭部104を設けた場合にも、上述した実施形態1と同様に、保護膜100の開口部101B側の端部に漸小部102が設けられている。なお、幅狭部104を有する開口部101B側の端部に上述した実施形態2と同様に、厚さが徐々に漸小するテーパ状の漸小部102Aを設けるようにしてもよく、また、幅狭部104を有する開口部101Bに上述した実施形態3及び4と同様に、柔軟膜103、103A〜103Dを設けるようにしてもよい。
また、図10に示す例では、幅狭部104として、矩形状の角部を面取りした形状で開口するように設けたが、特にこれに限定されず、例えば、図11に示すように、開口部101Bの圧力発生室12の長手方向端部に、開口部101Bの幅が端部に向かって漸小して三角形状に開口する幅狭部104Aを設けるようにしてもよい。また、図11に示す例では、幅狭部104Aとして、開口部101の幅が漸小して三角形状の開口となるように形成したが、幅狭部104、104Aの形状は特にこれに限定されず、例えば、台形状、円形状及び楕円形状の開口となるように形成してもよい。勿論、図12に示すように、幅狭部104Bとして、開口部101Bよりも幅狭の矩形状の開口となるように設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態1〜4では、圧電素子保持部31を有する保護基板30を設けるようにしたが、圧電素子300は保護膜100によって覆われて外部環境に起因する破壊が防止されているため、保護基板30を厚さ方向に貫通する圧電素子保持部としてもよく、また保護基板を設けなくてもよい。
さらに、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図13は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図13に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述した実施形態1及び2では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。さらに、本発明は、このような液体噴射ヘッドに圧力発生手段として搭載されるアクチュエータ装置だけでなく、あらゆる装置に搭載されるアクチュエータ装置に適用することができる。例えば、アクチュエータ装置は、上述したヘッドの他に、センサー等にも適用することができる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態3に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態4に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態4に係る記録ヘッドの他の例を示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る記録ヘッドの他の例を示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る記録ヘッドの他の例を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る記録ヘッドの要部平面図である。 本発明の他の実施形態に係る記録ヘッドの要部平面図である。 本発明の他の実施形態に係る記録ヘッドの要部平面図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 40 コンプライアンス基板、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 100、100A 保護膜、 101、101A、101B 開口部、 102、102A 漸小部、 103、103A、103B、103C、103D 柔軟膜、103a 中抜き部、 104、104A、104B 幅狭部、 110 リザーバ、 200 駆動回路、 210 接続配線、 300 圧電素子、 320 圧電体能動部

Claims (13)

  1. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に設けられた下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、該圧電素子の側面及び前記上電極の少なくとも上面の周縁部を覆うと共に前記上電極の上面側に開口する開口部が設けられた無機絶縁材料からなる保護膜とを具備し、
    前記保護膜の前記圧電素子の幅方向及び長手方向の前記開口部側の端部には、厚さが前記開口部に向かって漸小した漸小部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記漸小部が、前記保護膜の前記開口部側の端部の厚さを薄くすることで形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記漸小部が、前記保護膜の前記開口部側に向かって厚さが徐々にテーパ状に漸小して形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記上電極の少なくとも前記開口部に対応する領域には、前記保護膜よりも柔軟な材料からなる柔軟膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が設けられた流路形成基板の一方面側に設けられた下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、該圧電素子の側面及び前記上電極の少なくとも周縁部を覆うと共に前記上電極の表面側に開口する開口部が設けられた無機絶縁材料からなる保護膜とを具備し、
    前記保護膜よりも柔軟な材料からなる柔軟膜が、前記開口部の少なくとも前記保護膜側に設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 前記柔軟膜が、前記開口部の前記保護膜側のみに設けられていると共に、当該柔軟膜には前記上電極の上面側の中央側に開口する中抜き部が設けられていることを特徴とする請求項5記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記柔軟膜が、前記保護膜の前記開口部側の開口縁部上に延設されていることを特徴とする請求項4〜6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記柔軟膜が、前記圧力発生室に相対向する領域に延設されていることを特徴とする請求項4〜7の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  9. 前記柔軟膜が、前記保護膜上の全面に延設されていることを特徴とする請求項4〜8の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  10. 前記下電極の前記圧力発生室の長手方向の端部が、前記圧力発生室に相対向する領域内に設けられて、前記圧電素子の実質的な駆動部となる圧電体能動部の長手方向の端部を規定していると共に、前記上電極及び前記圧電体層の前記圧力発生室の短手方向の端部が、前記圧力発生室に相対向する領域内に設けられて、前記圧電体能動部の短手方向の端部を規定していることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  11. 前記開口部の前記圧力発生室の長手方向の端部が、前記下電極の端部よりも内側に設けられていることを特徴とする請求項10記載の液体噴射ヘッド。
  12. 前記開口部の前記圧力発生室の長手方向の端部には、当該開口部よりも幅狭の幅狭部が設けられていることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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