JP2008030309A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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JP2008030309A JP2006206493A JP2006206493A JP2008030309A JP 2008030309 A JP2008030309 A JP 2008030309A JP 2006206493 A JP2006206493 A JP 2006206493A JP 2006206493 A JP2006206493 A JP 2006206493A JP 2008030309 A JP2008030309 A JP 2008030309A
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Abstract

【課題】流路形成基板とノズルプレートとの接着性を向上して耐久性及び信頼性を向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】流路形成基板10の液体流路の内面の全面と、流路形成基板10のノズルプレート20が接着される一方面とには、少なくとも液体流路の一方面側に開口する開口縁部を覆う耐液体性を有する保護膜200が設けられていると共に、保護膜200の前記一方面側に相対向する領域には開口部201が設けられ、且つノズルプレート20と流路形成基板10とを接着する接着剤22を開口部201により露出された流路形成基板10の前記一方面側に接着する。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体噴射ヘッドであるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、一方面に開口する圧力発生室と圧力発生室に連通する連通部とが形成された流路形成基板と、流路形成基板の一方面側に形成された圧電素子と、流路形成基板の圧力発生室が開口する一方面に接着剤を介して接着されて圧力発生室に連通するノズル開口が設けられたノズルプレートとを具備し、流路形成基板の圧力発生室等の内面及び流路形成基板のノズルプレートが接着される一方面に耐インク性を有する保護膜を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1のように、流路形成基板のノズルプレートが接着される面に保護膜を設けると、保護膜と接着剤との接着性が低く、ノズルプレートが剥がれてしまったり、圧力発生室内のインクが外部に流出してしまうという問題がある。
また、特許文献1には、流路形成基板のノズルプレートが接着される面に保護膜を設けないようにする構成も記載されているが、このような構成では、流路形成基板とノズルプレートとを接着する接着剤によって流路形成基板の一方面側を完全に覆うのは困難であり、流路形成基板のノズルプレートが接着される面の一部が露出してしまうと、この露出した領域がインクにより侵食されてしまうという問題がある。
さらに、流路形成基板又はノズルプレートの互いに接着する接着面に凹部を設けた構成の液体噴射ヘッドが提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。しかしながら、この凹部は、接着剤が圧力発生室側に流出するのを防止するためのものであり、凹部によって流路形成基板とノズルプレートとの接着性を向上することはできず、流路形成基板とノズルプレートとの接着面を保護膜によって保護することもできない。
特開2006−082529号公報(第4及び5頁、第1及び2図) 特開2003−127360号公報(第3〜5頁、第1及び2図) 特開2002−225290号公報(第4及び5頁、第1及び2図)
本発明はこのような事情に鑑み、流路形成基板とノズルプレートとの接着性を向上して耐久性及び信頼性を向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、圧力発生室を有する液体流路の少なくとも前記圧力発生室が一方面に開口する流路形成基板と、該流路形成基板の前記液体流路が開口する前記一方面側に接着剤を介して接着されると共に前記圧力発生室に連通して液体を噴射するノズル開口が設けられたノズルプレートと、前記圧力発生室に圧力変化を生じさせて前記ノズル開口から液体を噴射させる圧力発生手段とを具備し、前記流路形成基板の前記液体流路の内面の全面と、前記流路形成基板の前記ノズルプレートが接着される前記一方面とには、少なくとも前記液体流路の前記一方面側に開口する開口縁部を覆う耐液体性を有する保護膜が設けられていると共に、該保護膜の前記一方面側に相対向する領域には開口部が設けられ、且つ前記ノズルプレートと前記流路形成基板とを接着する前記接着剤が前記開口部により露出された前記流路形成基板の前記一方面側に接着されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、流路形成基板とノズルプレートとを接着する接着剤を保護膜を介して接着することなく、保護膜の開口部によって露出された領域に接着することができるため、接着性を向上して、ノズルプレートが剥がれたり、液体が外部に流出する等の不具合を防止することができる。また、保護膜が液体流路の開口縁部を覆うことで、接着剤によって流路形成基板の一方面側が完全に覆われていない場合でも、液体による流路形成基板の侵食を確実に防止することができる。
本発明の第2の態様は、前記流路形成基板の前記開口部に相対向する領域には、前記接着剤の前記流路形成基板との接着性よりも高い接着性を有する接合層が設けられていることを特徴とする第1の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、接合層を設けることで、さらに流路形成基板とノズルプレートとの接着性を向上して、耐久性を向上することができる。
本発明の第3の態様は、前記接合層が、金属又は窒化物を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする第2の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、所定の材料の接合層を用いることで、接着剤との接着性を向上できる。
本発明の第4の態様は、前記接合層が、ニッケル、クロム、シリコン、チタン、タンタル及びアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属又は金属化合物を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする第2又は3の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、所定の接合層を用いることで、接着剤との接着性を向上できる。
本発明の第5の態様は、前記液体流路の少なくとも前記圧力発生室が、複数の隔壁で区画されて短手方向に並設されていると共に、前記開口部が前記隔壁に相対向する領域に設けられていることを特徴とする第1〜4の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、流路形成基板とノズルプレートとの特に接着性の低い領域の剥がれ及び液体の流出を防止できる。
本発明の第6の態様は、前記保護膜が、酸化タンタルからなることを特徴とする第1〜5の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第6の態様では、所定の保護膜を用いることで、液体による流路形成基板の侵食を確実に防止することができる。
本発明の第7の態様は、前記流路形成基板が単結晶シリコン基板からなると共に、前記ノズルプレートがステンレス鋼からなることを特徴とする第1〜6の何れかの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第7の態様では、流路形成基板及びノズルプレートに所定の材料を用いたとしても、保護膜によって流路形成基板を保護することができると共に、両者の接着性を向上することができる。
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第8の態様では、耐久性及び信頼性を向上した液体噴射装置を実現できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの概略斜視図であり、図2は、図1の平面図であり、図3は、図2のA−A′断面図及びB−B′断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化によって二酸化シリコンからなる厚さ0.5〜2μmの弾性膜50が形成されている。
流路形成基板10には、他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12がその幅方向(短手方向)に並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向一端部側には、インク供給路14と連通路15とが隔壁11によって区画されている。また、連通路15の一端には、各圧力発生室12の共通のインク室(液体室)となるリザーバ100の一部を構成する連通部13が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路が設けられている。
インク供給路14は、圧力発生室12の長手方向一端部側に連通し且つ圧力発生室12より小さい断面積を有する。例えば、本実施形態では、インク供給路14は、リザーバ100と各圧力発生室12との間の圧力発生室12側の流路を幅方向に絞ることで、圧力発生室12の幅より小さい幅で形成されている。なお、このように、本実施形態では、流路の幅を片側から絞ることでインク供給路14を形成したが、流路の幅を両側から絞ることでインク供給路を形成してもよい。また、流路の幅を絞るのではなく、厚さ方向から絞ることでインク供給路を形成してもよい。さらに、各連通路15は、インク供給路14の圧力発生室12とは反対側に連通し、インク供給路14の幅方向(短手方向)より大きい断面積を有する。本実施形態では、連通路15を圧力発生室12と同じ断面積で形成した。
すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12と、圧力発生室12の短手方向の断面積より小さい断面積を有するインク供給路14と、このインク供給路14に連通すると共にインク供給路14の短手方向の断面積よりも大きい断面積を有する連通路15とが複数の隔壁11により区画されて設けられている。
ここで、流路形成基板10の圧力発生室12、連通部13、インク供給路14及び連通路15からなる液体流路の内壁表面(内面)には、耐インク性(耐液体性)を有する材料であれば限定されないが、例えば、五酸化タンタル(Ta25)等の酸化タンや酸化シリコン(SiO2)からなる保護膜200が、約50nmの厚さで設けられている。なお、ここで言う耐インク性とは、アルカリ性のインクに対する耐エッチング性のことである。このように、流路形成基板10の液体流路の内面に保護膜200を設けることにより、流路形成基板10がインクにより侵食されるのを防止することができる。
また、保護膜200は、流路形成基板10の一方面側に延設され、少なくとも流路形成基板10の圧力発生室12、連通路15、インク供給路14及び連通部13からなる液体流路が開口する開口縁部を覆うように設けられている。また、流路形成基板10のノズルプレート20が接着される一方面に設けられた保護膜200には、流路形成基板10の一方面側を露出する開口部201が設けられている。本実施形態では、保護膜200を流路形成基板10の圧力発生室12等の液体流路が開口する開口縁部を覆うように設け、その他の領域が開口部201となるようにした。すなわち、本実施形態では、開口部201を流路形成基板10の隔壁11に相対向する領域と、複数の液体流路を囲う周囲とに設けるようにした。
また、流路形成基板10の保護膜200の開口部201によって露出された領域には、詳しくは後述する流路形成基板10とノズルプレート20とを接着する接着剤22の流路形成基板10への接着性に比べて高い接着性を有する接合層202が設けられている。接合層202の材料は、特に限定されず、例えば、金属又は窒化物を主成分とするものが挙げられる。具体的には、接合層202としては、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、アルミニウム(Al)を含有する金属又は金属化合物などの無機系材料を主成分とするものが挙げられる。
一方、流路形成基板10の圧力発生室12等の液体流路が開口する一方面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤22を介して接着されている。このとき、流路形成基板10の一方面側には、開口部201を有する保護膜200が形成されているため、ノズルプレート20を流路形成基板10に接着する接着剤22は、保護膜200と、保護膜200の開口部201により露出された流路形成基板10の一方面(接合層202上)に接着される。
このように、保護膜200として、接着剤22との接着性が低い五酸化タンタル等の材料を用いた場合であっても、保護膜200に開口部201を設けることで、流路形成基板10の一方面側に直接接着剤22を接着することができ、流路形成基板10とノズルプレート20との接着性を向上して、ノズルプレート20の剥がれやインクが外部に流出する等の不具合が発生するのを防止することができる。これにより、耐久性及び信頼性を向上することができる。また、保護膜200の開口部201により露出された領域に接合層202を設けることで、流路形成基板10とノズルプレート20との接着性をさらに向上することができる。すなわち、流路形成基板10と接着剤22との接着性が低くても、接合層202を設けることにより、流路形成基板10とノズルプレート20との接着性を向上することができる。
また、流路形成基板10の液体流路の開口縁部に保護膜200を設けることで、接着剤22が流路形成基板10の一方面の全面に亘って形成されない場合であっても、保護膜200によって流路形成基板10の一方面を露出することなく覆うことができ、流路形成基板10がインクにより侵食されるのを確実に防止することができる。これにより耐久性及び信頼性を向上することができる。すなわち、流路形成基板10とノズルプレート20とを接着した際に接着剤22は、流路形成基板10の液体流路の開口縁部よりも内側に設けられる場合があるが、このような場合であっても保護膜200が流路形成基板10の一方面を露出することなく覆うことができるため、流路形成基板10のインクによる侵食を確実に防止することができる。
なお、ノズルプレート20は、例えば、ガラスセラミックス、シリコン単結晶基板、ステンレス鋼等からなる。また、接着剤22としては、例えば、エポキシ系接着剤などが挙げられる。
一方、このような流路形成基板10のノズルプレート20とは反対側の面には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせてアクチュエータ装置と称する。すなわち、本実施形態では、圧力発生室12内のインク(液体)に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、圧電素子300を有するアクチュエータ装置を設けるようにした。なお、上述した例では、弾性膜50、絶縁体膜55及び下電極膜60が振動板として作用するが、弾性膜50、絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみを残して下電極膜60を振動板としてもよい。
また、このような各圧電素子300の上電極膜80には、流路形成基板10のインク供給路14とは反対側の端部近傍まで延設された金(Au)等のリード電極90がそれぞれ接続されている。このリード電極90を介して各圧電素子300に選択的に電圧が印加される。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上、すなわち、下電極膜60、弾性膜50及びリード電極90上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。圧電素子保持部32は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90の端部近傍は、貫通孔33内に露出するように設けられている。
また、保護基板30上には、並設された圧電素子300を駆動するための駆動回路120が固定されている。この駆動回路120としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路120とリード電極90とは、ボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線121を介して電気的に接続されている。
また、このような保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路120からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以上説明したように、本実施形態では、流路形成基板10のノズルプレート20が接着される一方面に接合層202を設け、流路形成基板10の一方面の保護膜200に接合層202を露出する開口部201を設けるようにしたため、流路形成基板10とノズルプレート20とを接着する接着剤22の流路形成基板10(接合層202)との接着性を向上して、ノズルプレート20が剥がれたり、インクが外部に流出する等の不具合を防止することができる。また、保護膜200によって、液体流路である圧力発生室12、インク供給路14、連通路15及び連通部13の開口縁部を覆うようにしたため、接着剤22のカバレッジが悪く、接着剤22が流路形成基板10の一方面側の全面を覆っていない場合にも、保護膜200によって、流路形成基板10がインクにより侵食されるのを確実に防止することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。上述した実施形態1では、流路形成基板10の保護膜200の開口部201により露出された領域に接合層202を設けるようにしたが、流路形成基板10として、接着剤22との接着性のよい材料(例えば、シリコン単結晶基板等)を用いた場合には、接合層202を設けなくてもノズルプレート20と流路形成基板10との接着性を向上することができる。勿論、流路形成基板10として何れの材料を用いた場合であっても、接合層202を設けることでノズルプレート20と流路形成基板10との接着性を確実に向上することができる。
また、上述した実施形態1では、保護膜200が液体流路である圧力発生室12、インク供給路14、連通路15及び連通部13の開口縁部を覆い、その他の領域が開口部201となるようにしたが、特にこれに限定されず、保護膜200の開口部201は、特に接着性の低い隔壁11に相対向する領域に少なくとも設けるようにすればよい。
さらに、例えば、上述した実施形態1では、ノズル開口21からインク滴を吐出する圧力発生手段として、薄膜型の圧電素子300を用いて説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式記録ヘッドや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のインクジェット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
また、上述した実施形態1では、ノズル開口21からインク滴を吐出する圧力発生手段として圧電素子300を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエータなどを使用することができる。
また、上述した実施形態1では、流路形成基板10として、結晶面方位が(110)面のシリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えば、結晶面方位が(100)面のシリコン単結晶基板を用いるようにしてもよく、また、SOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。何れの材料の流路形成基板10を用いた場合であっても、液体流路の内面には保護膜200が必要となると共に、保護膜200に開口部201を設けることで、流路形成基板10とノズルプレート20との接着性を向上することができると共に、流路形成基板10のインクによる侵食を防止することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図4は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図4に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
また、上述した実施形態では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの概略斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 15 連通路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 22 接着剤、 30 リザーバ形成基板、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 90 リード電極、 100 リザーバ、 120 駆動回路、 200 保護膜、 201 開口部、 202 接合層、 300 圧電素子

Claims (8)

  1. 圧力発生室を有する液体流路の少なくとも前記圧力発生室が一方面に開口する流路形成基板と、該流路形成基板の前記液体流路が開口する前記一方面側に接着剤を介して接着されると共に前記圧力発生室に連通して液体を噴射するノズル開口が設けられたノズルプレートと、前記圧力発生室に圧力変化を生じさせて前記ノズル開口から液体を噴射させる圧力発生手段とを具備し、
    前記流路形成基板の前記液体流路の内面の全面と、前記流路形成基板の前記ノズルプレートが接着される前記一方面とには、少なくとも前記液体流路の前記一方面側に開口する開口縁部を覆う耐液体性を有する保護膜が設けられていると共に、該保護膜の前記一方面側に相対向する領域には開口部が設けられ、且つ前記ノズルプレートと前記流路形成基板とを接着する前記接着剤が前記開口部により露出された前記流路形成基板の前記一方面側に接着されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記流路形成基板の前記開口部に相対向する領域には、前記接着剤の前記流路形成基板との接着性よりも高い接着性を有する接合層が設けられていることを特徴とする請求項1記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記接合層が、金属又は窒化物を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項2記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記接合層が、ニッケル、クロム、シリコン、チタン、タンタル及びアルミニウムから選択される少なくとも1種の金属又は金属化合物を主成分とする材料で形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記液体流路の少なくとも前記圧力発生室が、複数の隔壁で区画されて短手方向に並設されていると共に、前記開口部が前記隔壁に相対向する領域に設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記保護膜が、酸化タンタルからなることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記流路形成基板が単結晶シリコン基板からなると共に、前記ノズルプレートがステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液体噴射ヘッド。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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