JP2005131888A - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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寛成 大脇
Yoshinao Miyata
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Abstract

【課題】 圧電素子の破壊を長期間に亘って確実に防止することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 液滴を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室12が形成される流路形成基板10と、流路形成基板10の一方面側に振動板を介して設けられる下電極60、圧電体層70及び上電極80からなる圧電素子300と、流路形成基板10の圧電素子300側の面に接合されて圧電素子300を保護する圧電素子保持部31を有する保護基板30とを具備する液体噴射ヘッドであって、保護基板30に圧電素子保持部31と外部とを連通する連通孔32を設け、圧電素子保持部31が少なくとも連通孔32を介して大気開放されているようにする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被噴射液を吐出する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室に供給されたインクを圧電素子によって加圧することにより、ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
そして、たわみ振動モードのアクチュエータを使用したものとしては、例えば、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが知られている。
また、このような圧電素子は、例えば、塵や湿気等の外部環境に起因して破壊され易いという問題がある。この問題を解決するために、圧力発生室が形成される流路形成基板に、圧電素子保持部を有する封止基板(リザーバ形成基板)を接合し、この圧電素子保持部内に圧電素子を密封するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このように圧電素子を密封しても、例えば、封止基板と流路形成基板との接着部分から圧電素子保持部内に水分が入り込むこと等により、圧電素子保持部内の湿気が徐々に上昇し、最終的にはこの湿気が結露したものが圧電素子に付着して当該圧電素子が破壊されてしまうという問題がある。
特開2003−136734号公報(第1図、第2図、第5頁)
本発明は、このような事情に鑑み、圧電素子の破壊を長期間に亘って確実に防止することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、液滴を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に接合されて当該圧電素子を保護する圧電素子保持部を有する保護基板とを具備する液体噴射ヘッドであって、前記保護基板に前記圧電素子保持部と外部とを連通する連通孔が設けられて、前記圧電素子保持部が少なくとも前記連通孔を介して大気開放されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、圧電素子保持部内の湿度が上がることによる結露の発生を抑えることができ、結露による水滴が圧電素子に付着することで惹起される圧電体層の破壊が防止される。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記保護基板には、前記圧電素子保持部が前記圧電素子の列毎に設けられ、前記連通孔が各圧電素子保持部毎に独立して設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、各圧電素子保持部が確実に大気開放され、圧電素子保持部内の湿度が過剰に上がることがないので、圧電素子保持部内で結露の発生を抑えることができ、結露による圧電素子の破壊を防止できる。
本発明の第3の態様は、第1の態様において、前記保護基板には、前記圧電素子保持部が前記圧電素子の列毎に複数設けられ、前記連通孔が各圧電素子保持部に連通していることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、一つの連通孔を介して各圧電素子保持部が大気開放されるため、連通孔を形成するスペースを小さく抑えてヘッドの小型化を図ることができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記保護基板上に、前記圧電素子を駆動するための駆動ICを有すると共に該駆動ICを囲む空間であるIC保持部が厚さ方向に貫通して設けられたケースヘッドが接合され、該ケースヘッドが、前記連通孔に接続されて当該ケースヘッドの少なくとも一方の端面に開口する通気孔を有し、前記圧電素子保持部が前記連通孔及び前記通気孔を介して大気開放されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、保護基板の表面が、駆動IC、ケースヘッド等によって覆われてしまうが、ケースヘッドに通気孔を設けて圧電素子保持部を大気開放させることで、圧電素子保持部内の水分が結露することを防止できる。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記ケースヘッドに設けられる前記通気孔が、前記ノズル開口の穿設方向とは反対側の面に開口していることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、ノズル開口から液体を吐出した際に、通気孔から圧電素子保持部内に水分が侵入するのを防止できる。
本発明の第6の態様は、第4の態様において、前記通気孔が前記ノズル開口の穿設方向と直交する方向に形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第6の態様では、ノズル開口から液体を吐出した際に、通気孔から圧電素子保持部内に水分が侵入するのを防止できる。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記通気孔が前記ケースヘッドの相対向する側端面間に亘って連続的に設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第7の態様では、圧電素子保持部内の湿気がより確実に外部に排出される。
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第8の態様では、信頼性及び耐久性を向上した液体噴射装置を実現することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、複数の圧力発生室12がその幅方向に並設された列が2列設けられている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には各圧力発生室12の列毎に連通部13が形成され、連通部13と圧力発生室12とがインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述する保護基板のリザーバ部と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、圧力発生室12を形成する際のマスクとして用いられた絶縁膜51を介して、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又は不錆鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、厚さが例えば、約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1.0μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
また、各圧電素子300の上電極膜80の一端部近傍にはリード電極90が接続されている。このリード電極90は、流路形成基板10の中央部近傍まで延設され、後述する保護基板30上に実装された駆動ICと接続される。さらに、本実施形態では、圧電素子300を構成する各層及びリード電極90が、駆動ICとの接続部を除いて、例えば、無機絶縁材料からなる絶縁膜100によって覆われている。この絶縁膜100の材料としては、無機絶縁材料であれば、特に限定されず、例えば、酸化アルミニウム(Al)、五酸化タンタル(Ta)等が挙げられるが、特に、酸化アルミニウム(Al)を用いるのが好ましい。
このような無機絶縁材料からなる絶縁膜100は、薄膜でも水分の透過性が極めて低いため、この絶縁膜100によって、下電極膜60、圧電体層70、上電極膜80及びリード電極90の表面を覆うことにより、圧電体層70の水分(湿気)に起因する破壊を防止することができる。
また、このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300に対向する領域にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。なお、この圧電素子保持部31は、本実施形態では、並設された圧電素子300の列毎に設けられている。
また、保護基板30には、各圧電素子保持部31に連通して保護基板30の上面に開口する連通孔32が設けられており、詳しくは後述するが、圧電素子保持部31は、少なくともこの連通孔32を介して外部と連通されている。さらに、保護基板30の各圧電素子保持部31の外側には、リザーバ110の少なくとも一部を構成するリザーバ部33が、圧電素子保持部31に隣接して設けられている。これらのリザーバ部33は、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って設けられており、流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の列毎の共通のインク室となるリザーバ110をそれぞれ構成している。また、本実施形態では、保護基板30の圧電素子保持部31の間の領域には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔34が、各圧電素子300の列に対応して設けられている。そして、各圧電素子300から引き出されたリード電極90は、その端部近傍が貫通孔34内で露出されている。なお、このような保護基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、この保護基板30の表面、すなわち、流路形成基板10との接合面とは反対側の面には、圧電素子300を駆動するための駆動IC(半導体集積回路)120が各圧電素子300の列毎に実装されている。そして、各駆動IC120と各圧電素子300から引き出されたリード電極90とは、保護基板30の貫通孔34内にワイヤボンディングによって形成される接続配線130によって接続されている。
さらに、保護基板30上には、リザーバ部33に対応する領域を含む周縁部を囲むように、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部33の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ110に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ110の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
さらに保護基板30上には、駆動IC120を囲む空間であるIC保持部141を有するケースヘッド140が接合されている。本実施形態では、ケースヘッド140は、保護基板30上に設けられたコンプライアンス基板40に接合されている。このケースヘッド140は、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成され、IC保持部141はケースヘッド140を厚さ方向に貫通して設けられている。なお、ケースヘッド140の材料は、樹脂材料に限定されず、例えば、ニッケル、アルミニウム等の金属材料を用いてもよい。このような金属材料を用いることにより、寸法精度を向上でき、また、その応力による部材の剥離を防止することができる。
そして、このIC保持部141内には、例えば、シリコーン樹脂又はウレタン樹脂等の低応力性樹脂材料からなるポッティング剤150が充填され、保護基板30上に設けられた駆動IC120及び接続配線130が、IC保持部141に充填されたポッティング剤150で完全に覆われている。
また、ケースヘッド140には、その一方の端部に開口すると共に、コンプライアンス基板40に設けられた接続孔43を介して保護基板30の連通孔32に接続される通気孔142が設けられている。本実施形態では、この通気孔142は、ケースヘッド140の厚さ方向に貫通して設けられ、ケースヘッド140の上面に開口している。そして、上述したように保護基板30の表面はケースヘッド140及びポッティング剤150が設けられ、これらによって完全に覆われているが、保護基板30の圧電素子保持部31は、保護基板30の連通孔32及びケースヘッド140の通気孔142を介して外部と連通して大気開放されている。なお、この通気孔142の内径は、特に限定されないが、例えば、異物、あるいは水滴等が入り込まない程度に比較的小径であることが好ましい。
このようにケースヘッド140の通気孔142等を介して圧電素子保持部31を大気開放させることにより、水分に起因する圧電体層70の破壊を確実に防止することができる。具体的に説明すると、上述したように圧電素子300は絶縁膜100で覆われているため、圧電素子保持部31内の湿気に起因する圧電体層の破壊は基本的には防止されている。しかし、圧電素子保持部31はインクの流路であるリザーバ110に隣接して設けられているため、リザーバ110内の液体、例えばインクが流路形成基板10と保護基板30とを接合している接着剤35を介して侵入してしまう。このため、圧電素子保持部31が密封されていると、圧電素子保持部31内の湿度が徐々に上昇してしまい、圧電素子保持部31内の湿度が外部よりも高くなると、外部の温度変化によってその湿気が結露する虞がある。そして、結露により生じた水滴によって圧電体層70が破壊されてしまう虞がある。すなわち、圧電素子保持部31内が低湿度下であれば絶縁膜100によって圧電体層70の破壊を防ぐことができるが、高湿度下では結露が発生し、この結露による圧電体層70の破壊は絶縁膜100をもってしても完全には防ぐことができない。
これに対し、本実施形態では、保護基板30に連通孔32を設けると共に、この連通孔32に接続される通気孔142をケースヘッド140に設け、これら連通孔32及び通気孔142を介して圧電素子保持部31を大気開放させている。このため、圧電素子保持部31内の湿度が外気よりも高くなっても、連通孔32及び通気孔142を介して湿気が外部に排出されるため、圧電素子保持部31内は常に外気と同程度の湿度に維持されるため、圧電素子保持部31内で結露が発生する程の高湿度になることがない。したがって、圧電素子保持部31内で結露が発生することがなく、圧電体層70の水滴に起因する破壊を確実に防止することができる。
また、本実施形態では、通気孔142が、ケースヘッド140の表面、すなわち、ノズル開口21とは反対側の面に開口しているため、印刷時にインクの水分が通気孔142を介して圧電素子保持部31内に侵入するのを防止することができる。
なお、本実施形態では、保護基板30上にケースヘッド140が設けられ、保護基板30に設けられた連通孔32とケースヘッド140に設けられた通気孔142とで圧電素子保持部31が大気開放されるようにしたが、これに限定されず、例えば、ケースヘッド140は設けなくてもよく、この場合には、保護基板30に設けられた連通孔32のみを介して圧電素子保持部31が大気開放されるようにすればよい。
また、このようなインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等の外部インク供給手段が、ケースヘッド140、コンプライアンス基板40及び保護基板30に設けられたインク導入口160(図1参照)に接続され、インク供給手段からインク導入口160を介してインクを取り込む。そして、リザーバ110からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC120からの駆動信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に駆動電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70とにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
また、このようなインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図3は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図3に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図5は、その断面図である。本実施形態は、連通孔32及び通気孔142の変形例である。詳細には、図4及び図5に示すように、本実施形態では、保護基板30Aの中央部に、連通部32Aが2つの各圧電素子保持部31に連通するように設けられている。すなわち、連通部32Aは、保護基板30Aの流路形成基板10との接合面側に、並設された圧電素子保持部31間に亘って設けられる凹部32aと、保護基板30Aを厚さ方向に貫通する貫通部32bとで構成されている。また、ケースヘッド140Aには、保護基板30Aとは反対側の表面に幅方向に亘って梁部143が設けられ、この梁部143の中央部にケースヘッド140Aの周縁部と同じ厚さの支柱部144が設けられている。そして、この支柱部144に、連通孔32Aに接続される通気孔142Aが設けられている以外、実施形態1と同様である。
このような構成としても、実施形態1と同様に、圧電素子保持部31は外部と同等の湿度に維持されるため、圧電素子保持部31内で結露が生じることがなく、圧電体層32の水分に起因する破壊が確実に防止される。
なお、本実施形態では、ケースヘッド140Aの通気孔142Aが一定の内径で設けられているが、この通気孔142Aの内径は、その一部が比較的小径に形成されていれば、特に限定されない。例えば、図6に示すように、連通孔32A側に設けられる小径部142aと、この小径部142aよりも大径の大径部142bで構成される通気孔142Bを有するケースヘッド140Bとしてもよい。このような構成では、ケースヘッド140Bを成型によって形成した場合でも、通気孔142Bを比較的容易に形成することができ、製造コストを削減することができる。
また、本実施形態では、通気孔142Aが設けられる支柱部144が、梁部143を介してケースヘッド140Aに一体的に設けられているが、これに限定されず、この支柱部は、ケースヘッド140Aとは別部材であってもよい。
(実施形態3)
図7は、実施形態3に係るケースヘッドの斜視図であり、図8は、実施形態3に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。本実施形態は、ケースヘッド140Cの側端面に開口する通気孔142Cを設けるようにした例であり、ケースヘッド140C以外の構成は、実施形態2と同様である。すなわち、図7及び図8に示すように、本実施形態では、ケースヘッド140Cの保護基板30Aとの接合面側に、ケースヘッド140Cの長手方向に亘って梁部145が設けられ、この梁部145の保護基板30側には、長手方向に亘って溝部146が設けられている。そして、このような溝部146を有するケースヘッド140Cを保護基板30Aに接合することで、溝部146が保護基板30Aの上面で封止され、保護基板30Aの表面にケースヘッド140Cの相対向する両側端面に開口する通気孔142Cが形成されると共に、通気孔142C(溝部146)と連通孔32Aとが接続されて圧電素子保持部31が大気開放される。
このような構成においても、上述の実施形態と同様に、圧電素子保持部31内の湿度を常に外気と同等に維持することができ、水分に起因する圧電体層70の破壊を確実に防止することができる。
また、本実施形態では、通気孔142Cがケースヘッド140Cの側端面、すなわち、ノズル開口21の穿設方向とは略直交する方向に開口しているため、印刷時にインクの水分が通気孔を介して圧電素子保持部31内に侵入するのを防止することができる。
なお、本実施形態のように、通気孔142Cが、ノズル開口21の穿設方向とは直交する方向に設けられている場合、インクジェット式記録ヘッドは、通気孔142Cの延設方向がキャリッジの走査方向と略直交する方向となるように、キャリッジに搭載されていることが好ましい。これにより、キャリッジを移動させたときに発生する、例えば、風切音等の騒音を防止することができる。また、本実施形態では、通気孔142Cがケースヘッド140Cの相対向する側端面にそれぞれ開口するようにしているが、勿論、通気孔142Cは、ケースヘッド140Cの一方の側端面に開口していてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、通気孔142は、一方向に直線的に延設されているが、これに限定されず、例えば、L字状等、2方向以上に延びるように形成してもよい。また、上述の実施形態では、圧電素子300を絶縁膜100で覆うようにしたが、これに限定されず、絶縁膜100は設けられていなくてもよい。すなわち、圧電体層70の膜厚が薄い場合には厚膜に比べ水分の影響を受けやすいので絶縁膜100の必要性が高いが、例えば膜厚が10μm程度の比較的厚いものであれば絶縁膜100を設けるまでもなく、圧電素子保持部31内の一部が大気開放されるのみで圧電体層70の破壊は防止される。
また、上述した実施形態においては、本発明の液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 実施形態1に係る記録装置の概略図である。 実施形態2に係るヘッドケースの斜視図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの断面図である。 実施形態2に係る記録ヘッドの変形例を示す断面図である。 実施形態3に係るヘッドケースの斜視図である。 実施形態3に係る記録ヘッドの断面図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 13 連通部、 14 インク供給路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 連通孔、 33 リザーバ部、 34 貫通孔、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 60 下電極膜、 70 圧電体層、 80 上電極膜、 100 絶縁膜、 110リザーバ、 120 駆動IC、 130 接続配線、140 ケースヘッド、 141 IC保持部、 142 通気孔、 150 ポッティング剤、 300 圧電素子

Claims (8)

  1. 液滴を吐出するノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子と、前記流路形成基板の前記圧電素子側の面に接合されて当該圧電素子を保護する圧電素子保持部を有する保護基板とを具備する液体噴射ヘッドであって、
    前記保護基板に前記圧電素子保持部と外部とを連通する連通孔が設けられて、前記圧電素子保持部が少なくとも前記連通孔を介して大気開放されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 請求項1において、前記保護基板には、前記圧電素子保持部が前記圧電素子の列毎に設けられ、前記連通孔が各圧電素子保持部毎に独立して設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 請求項1において、前記保護基板には、前記圧電素子保持部が前記圧電素子の列毎に複数設けられ、前記連通孔が各圧電素子保持部に連通していることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記保護基板上に、前記圧電素子を駆動するための駆動ICを有すると共に該駆動ICを囲む空間であるIC保持部が厚さ方向に貫通して設けられたケースヘッドが接合され、該ケースヘッドが、前記連通孔に接続されて当該ケースヘッドの少なくとも一方の端面に開口する通気孔を有し、前記圧電素子保持部が前記連通孔及び前記通気孔を介して大気開放されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  5. 請求項4において、前記ケースヘッドに設けられる前記通気孔が、前記ノズル開口の穿設方向とは反対側の面に開口していることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  6. 請求項4において、前記通気孔が前記ノズル開口の穿設方向と直交する方向に形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項6において、前記通気孔が前記ケースヘッドの相対向する側端面間に亘って連続的に設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  8. 請求項1〜7の何れかの液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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