JP2013158991A - 液滴吐出ヘッド、インクカートリッジおよび画像形成装置 - Google Patents

液滴吐出ヘッド、インクカートリッジおよび画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電素子の周囲に形成される空間の圧力変化を抑制する。
【解決手段】インクを吐出する複数のノズル2が設けられたノズルプレート1と、該ノズルプレート1と接合され、流路基板隔壁16により区切られた複数の個別液室11が設けられた流路基板10と、個別液室11内の液体を加圧する圧力を発生するための圧電素子24と、個別液室11の少なくとも一部の壁面を形成する振動板13と、流路基板10のノズルプレート1とは反対側に接合され、シリコンからなる保持基板40と、を備えた液滴吐出ヘッド100において、保持基板40は、流路基板10側の圧電素子24に対向する位置に、該保持基板40と流路基板10とで囲まれる保持基板凹部41を有し、該保持基板凹部41は、保持基板40に設けられた第一溝部44を介して大気と連通している。
【選択図】図4

Description

本発明は、液滴吐出ヘッド、インクカートリッジおよび画像形成装置に関する。さらに詳述すると、駆動手段により振動板を変位させノズルから液滴を吐出させる液滴吐出ヘッド、および該液滴吐出ヘッドを備えたインクカートリッジおよび画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド(以下、ヘッドともいう)を含む装置を用いて、記録媒体(以下、用紙ともいうが材質を限定するものではなく、印刷媒体、被記録媒体、記録用紙、転写材、記録紙なども同義で使用する)を搬送しながら、液体としてのインク(記録液)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる)を行なう、いわゆるインクジェット方式の画像形成装置(インクジェット記録装置ともいう)が知られている。
近年、インクジェット記録装置は、印刷速度の高速化、高画質化、低価格化、小型化が進んで広く普及している。このようなインクジェット記録装置に用いられる液滴吐出ヘッドは、一般に、複数のノズル列を有し、ノズル列に連通した複数の個別液室(圧力室)を有し、該複数の個別液室には比較的容積の大きな共通の共通液室が連通されている構成が一般的である。個別液室に選択的にエネルギーを印加することにより個別液室を変形させ、液滴を吐出させて任意の画像をオンデマンドで形成することができる。
液滴吐出ヘッドの個別液室に圧力変動を発生させる方式は複数のものが実用化、製品化されている。例えば、個別液室内にヒータを設置することで液体を気化させ、圧力変動を利用するサーマルインクジェット方式、個別液室にアクチュエータを設置する方式等が挙げられる。また、アクチュエータを用いる方式では、アクチュエータの種類により圧電素子方式、静電方式等が知られている。
アクチュエータを用いる方式では、幅広い物性のインクに対応可能である反面、液室配列の高密度化、ヘッドの小型化が困難とされているが、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスを用いることで高密度化する技術が確立されてきている。すなわち、個別液室に薄膜形成技術を用いて振動板、電極、圧電体等を積層したユニモルフ型アクチュエータとすることで、半導体デバイス製造プロセス(フォトリソグラフィ)を用いて個別の圧電素子と電極、配線をパターニングすることで高密度化することが可能となってきている。
インクジェット記録ヘッドには印刷速度の高速化の対応への要求が高まっており、高速化を図るためにはノズルから高い周波数でインクを吐出することが求められ、高い周波数で吐出するためには、液滴吐出ヘッドの剛性を高くして固有周期を短くする必要がある。また、画像の高画質化の要求に対しては、ノズルの数を増加して高密度化する傾向にある。それに伴い、各個別液室の間隔は狭まる傾向にあり、ヘッドの小型化、高密度化も対応する必要がある。また、高速化の要求に対しては、ヘッドの長尺化も試みられており、例えば、記録媒体の幅全領域を覆うことのできる記録ヘッドを備えたいわゆるライン型プリンタも提案されている。
ところで、圧電素子の周囲の空間に生じる圧力変化により、ヘッドの液滴吐出性能に変化が生じるおそれがあることが知られている。具体的には、ヘッドを組立てる際に接着剤を加熱接合することによる熱や、フォトリソグラフィプロセス中の熱や、ヘッド駆動による圧電素子の発熱によって、空間の温度が変化する場合、圧電素子の周囲の空間の圧力も変化してしまい、吐出特性が変化してしまうものである。
このような問題に対して、圧電素子の周囲の空間を密閉させない構成とすることが考案されている。例えば、特許文献1には、複数のノズルと、各ノズルに連通され、吐出するインクを貯留する複数の圧力室と、複数の圧力室の一壁部となる振動板と、振動板に積層され、振動板を挟んで圧力室に対向する位置に形成された空間を有する隔壁部材と、空間内で振動板に設けられ、駆動電圧の印加により振動板を変位させる圧電素子と、隔壁部材に積層され、圧電素子に駆動電圧を印加する電極に接続された配線層部と、を備え、配線層部における空間に露出する面に、該空間と大気とを連通する溝を形成したインクジェットヘッドが開示されている。
また、特許文献2には、圧電素子が設けられる圧電素子基板と、圧電素子基板と離間して対向するように配置された上部基板と、上部基板と圧電素子基板との間に空洞を構成するリブ隔壁、を備え、該空洞が、大気に連通している液滴吐出ヘッドが開示されている。
特許文献1に記載の技術では、圧電素子上に形成される空間は、流路基板と隔壁部材と配線層部との3つの部材で囲まれることで形成し、圧電素子の上部に位置する配線層部に設けた溝を介して大気と連通させている。また、特許文献2に記載の技術では、圧電素子上に形成される空間は、圧電素子基板と上部基板とリブ隔壁との3つの部材で囲まれることで形成され、リブ隔壁に設けた空洞を介して大気と連通させている。
特許文献1では、隔壁部材をDFR(ドライフィルレジスト)で形成しているため、高密度化を図る上では、隔壁部材の幅を狭く加工する必要があるが、DFRの加工精度はシリコンより劣るため、小型高密度を図ることが難しいという問題がある。また、高い周波数で液滴を吐出するためには、固有周期を短くするために圧電素子の周囲を圧電素子ごとに保持する必要があるが、DFRでは剛性が低いために高速印字に対応することが難しい。さらに、隔壁部材にインク流路が形成されるが、DFRではインク耐性を考慮すると選択性が低いという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術では、隔壁部材が感光性樹脂で形成されているため、高い周波数でインクを吐出するためには圧電素子の周囲を圧電素子ごとに保持する必要があるが、感光性樹脂では剛性が低いために高速印字に対応できないという問題がある。
そこで本発明は、圧電素子上の空間を流路基板と、シリコンからなる保持基板との2つの部材により形成し、該保持基板に大気と連通させるための溝部を設けることにより、圧電素子の周囲に形成される空間の圧力変化を抑制することができ、また、高速化に対応可能であって、かつ、小型化および高密度化を図ることができる液滴吐出ヘッド、インクカートリッジおよび画像形成装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明に係る液滴吐出ヘッドは、液体を吐出する複数のノズルが設けられたノズルプレートと、該ノズルプレートと接合され、隔壁により区切られた複数の液室が設けられた流路基板と、前記液室内の液体を加圧する圧力を発生するための駆動手段と、前記液室の少なくとも一部の壁面を形成する振動板と、前記流路基板の前記ノズルプレートとは反対側に接合され、シリコンからなる保持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、前記保持基板は、前記流路基板側の前記駆動手段に対向する位置に、該保持基板と前記流路基板とで囲まれる空間部を有し、該空間部は、前記保持基板に設けられた溝部を介して大気と連通しているものである。
本発明によれば、圧電素子上に形成される空間の圧力変化を抑制することができ、また、高速化に対応可能であって、かつ、小型化および高密度化を図ることができる。
本発明に係る液滴吐出ヘッドの一実施形態であるインクジェット記録ヘッドの個別液室長手方向の断面図である。 インクジェット記録ヘッドの流路基板の平面図である。 インクジェット記録ヘッドの個別液室短手方向の断面図である。 第1の実施形態に係る保持基板の模式図であって、(A)は共通液室基板側からの保持基板平面図、(B)は流路基板側からの保持基板平面図である。 第2の実施形態に係る保持基板の模式図であって、(A)は共通液室基板側からの保持基板平面図、(B)は流路基板側からの保持基板平面図である。 第3の実施形態に係る保持基板の模式図であって、(A)は共通液室基板側からの保持基板平面図、(B)は流路基板側からの保持基板平面図である。 第4の実施形態に係る保持基板の模式図であって、(A)は共通液室基板側からの保持基板平面図、(B)は流路基板側からの保持基板平面図である。 ヘッド一体型インクカートリッジの一例を示す斜視図である。 インクジェット記録装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図(1)である。 インクジェット記録装置の機構部の要部平面説明図である。 インクジェット記録装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図(2)である。
以下、本発明に係る構成を図1から図11に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
<第1の実施形態>
(液滴吐出ヘッド構成)
本実施形態に係る液滴吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド100)は、液体(インク)を吐出する複数のノズル(ノズル2)が設けられたノズルプレート(ノズルプレート1)と、該ノズルプレートと接合され、隔壁(流路基板隔壁16)により区切られた複数の液室(個別液室11)が設けられた流路基板(流路基板10)と、液室内の液体を加圧する圧力を発生するための駆動手段(圧電素子24)と、液室の少なくとも一部の壁面を形成する振動板(振動板13)と、流路基板のノズルプレートとは反対側に接合され、シリコンからなる保持基板(保持基板40)と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、保持基板は、流路基板側の駆動手段に対向する位置に、該保持基板と流路基板とで囲まれる空間部(保持基板凹部41)を有し、該空間部は、保持基板に設けられた溝部(第一溝部44、および/または第二溝部45)を介して大気と連通しているものである。
図1は、本発明に係る液滴吐出ヘッドの一実施形態であるインクジェット記録ヘッド100の個別液室長手方向の断面図を示している。また、図2は、インクジェット記録ヘッド100の流路基板の平面図(上面図)、また、図3は、インクジェット記録ヘッド100の個別液室短手方向の断面図を示している。
インクジェット記録ヘッド100の構成について図1〜図3を参照しつつ説明する。インクジェット記録ヘッド100は、振動板13を上部に積層した流路基板10の下面にノズルプレート1を接合し、流路基板10の上部に保持基板40、共通液室基板50を積層した積層構造に、インク流路を形成することで構成されている。
ノズル2から吐出されるインクは、先ず、インクタンク(図示せず)から連通する共通液室51から、保持基板40に設けられた保持基板開口部43と、流路基板10に開口するインク供給口17と、インク供給口17から個別液室11まで連通するインク供給路12を介して、個別液室11に供給される。また、個別液室11の振動板13上に形成される圧電素子24(下部電極(共通電極)21、圧電体22、上部電極(個別電極)23、からなる)を駆動することで生じる圧力により個別液室11に連通するノズル2から吐出されるものである。
なお、圧電素子24は上部電極23、下部電極21からそれぞれ個別電極配線25、共通電極配線27を用いて引き出され駆動IC60と接続されている。また、駆動IC60は、図示しない駆動電圧制御部から供給された電圧を、印字パターンをもとに圧電素子24に選択的に供給して、圧電素子24を制御するものである。以下、各部の構成例について説明する。
[ノズルプレート]
ノズルプレート1は、インク吐出用のノズル2が複数列(例えば、4列)配列されている基板である。ノズルプレート1の材料は、所望の剛性や加工性に応じて種々選択可能である。例えば、SUS、ニッケル等の金属または合金や、シリコン、セラミックス等の無機材料、ポリイミド等の樹脂材料を用いることができる。
なお、ノズル2の加工方法は、ノズルプレート1の材料特性や要求される精度・加工性から最適な方法を選択すればよく、例えば、電鋳めっき法、エッチング法、プレス加工法、レーザ加工法、フォトリソグラフィ法等によればよい。また、ノズル2の開口径、ノズル配列数、配列密度等についても、インクジェット記録ヘッド100に要求される仕様に合わせて所望の組み合わせを設定すればよい。
[流路基板]
流路基板10は、には、個別液室11、インク供給口17、インク供給口17から個別液室11への流体抵抗部であるインク供給路12、が形成される。個別液室11はノズルプレート1と接合する面に配置される。また、保持基板40と接合する側の面には振動版13、圧電素子24、個別電極配線25、個別電極パッド26、共通電極配線27、共通電極パッド28等が配置される。また、個別電極配線25および共通電極配線を27を覆うように第一絶縁膜29が配置され、圧電素子24の全面もしくは一部を覆うように第二絶縁膜30が配置されている。
流路基板10の材料は、所望の加工性・物性から種々選択可能であるが、例えば、300dpi(約85μmピッチ)以上ではフォトリソグラフィ法を用いることができるシリコン基板を用いることが好ましい。
個別液室11の加工は、フォトリソグラフィ法を用いる場合は、例えば、ウェットエッチング法、ドライエッチング法等を用いることができる。これにより、振動板13の個別液室11側を二酸化シリコン膜等として、エッチストップ層とできるため、液室高さを高精度に制御することができる。
個別液室11は、ノズル2に対応する位置に設けられてインクに圧力を加え、ノズル2からインク液滴を吐出させるものである。個別液室11の上部には振動板13が形成され、振動板13上には下部電極21、圧電体22、上部電極23が積層された圧電素子24が形成される。振動板13としては、例えば、シリコンや窒化物、酸化物、炭化物等の剛性の高い材料を用いることが好ましい。また、これらの材料の積層構造としても良い。積層膜とする場合は、それぞれの材料の内部応力を考慮し、残留応力が少ない構成とすることが好ましい。例えば、SiとSiOの積層の場合は、引っ張り応力となるSiと圧縮応力となるSiOを交互に積層し、応力を緩和することができる。
また、振動板13の厚さは、所望の特性に応じて選択可能であるが、例えば、0.5μm〜10μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは1.0〜5.0μmの範囲である。振動板13が薄すぎる場合、クラック等により振動板13が破損しやすくなり、厚すぎる場合は変位量が小さくなり吐出効率が低下するためである。また、薄すぎる場合は、振動板13の固有振動数が低下し、駆動周波数が高められないことに繋がる。
下部電極21および上部電極23としては、導電性材料を用いることができる。例えば、金属、合金、導電性化合物等である。また、単層膜でも積層膜でも良い。なお、圧電体22と反応したり、拡散したりしない安定性の高い材料とする必要がある。また、圧電体22、振動板13との密着性を考慮し、密着層を形成することも好ましい。下部電極21および上部電極23の例としては、例えば、Pt、Ir、Ir酸化物、Pd、Pd酸化物等が安定性の高い材料として挙げられる。また、振動板13との密着層としては、Ti、Ta、W、Cr等を用いることができる。
圧電体22としては、圧電性を示す強誘電体材料を用いることができる。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛やチタン酸バリウムを用いることができる。圧電体22の成膜方法は、特に限られるものではないが、例えば、スパッタリング法、ゾルゲル法等によることができる。なお、成膜温度の低さからゾルゲル法が好ましい。
また、上部電極23および圧電体22は、個別液室11ごとにパターニングされる。パターニングは、通常のフォトリソグラフィ法を用いることができる。なお、圧電体22の成膜をゾルゲル法にて行う場合は、スピンコーティング法や印刷法を用いることとしても良い。
圧電体22と下部、上部電極21,23から構成される圧電素子24は、個別液室11の上部相当位置に形成されることが好ましい。個別液室11を区画する流路基板隔壁16上に形成した場合は、振動板13の変形を阻害してしまうため、吐出効率の低下や応力集中による圧電素子24の破損等の原因となりうる。
また、流路基板10には、個別液室11に連通するインク供給路12が形成される。インク供給路12は共通液室51から個別液室11にインクを供給する機能を有すると同時に、圧電素子24を駆動することにより個別液室11に発生する圧力により、インクの逆流を防止しノズル2から吐出させる機能を有する。
そのため、個別液室11のインク流動方向の断面積を小さくし、流体抵抗を高くする必要がある。流路基板10にシリコン基板を用い、個別液室11とインク供給路12をフォトリソグラフィ法(エッチング含む)を用いて形成することは、個別液室11と同一の条件で加工することができるため好ましい。
なお、インク供給路12の高さを個別液室11より低くすることで、流体抵抗を高めるためには、個別液室11のオーバーエッチング量を時間管理で制御する必要があるため、エッチングレートのばらつきにより、流体抵抗を均一にすることができない。その結果、吐出均一性が悪化する。
インク供給路12は、振動板13が開口するインク供給口17、保持基板開口部43を通じて共通液室51に連通している。
個別液室11は、図1に示す断面図における手前方向から奥方向に、流路基板隔壁16を介して配列されている(図3)。個別液室11は流路基板隔壁16により区画されており、それぞれに対応する圧電素子24が形成される。
なお、個別液室11の高さはヘッド特性に応じて任意に選択可能であるが、例えば、20〜100μmの範囲とすることが好ましい。また、流路基板隔壁16は、配列密度に合わせて任意に設定することが可能であるが、隔壁幅は、例えば、10〜30μmとすることが好ましい。なお、隔壁幅が狭い場合、隣接する個別液室11の圧電素子24を駆動した場合に隣接液室間の相互干渉が発生し、吐出ばらつきが大きくなるおそれがある。したがって、隔壁幅を狭くすることが必要な場合は、液室高さを低くすることが好ましい。
[電極配線]
配列した圧電素子24に駆動信号を入力するために、上部電極23から個別電極を引き出し、下部電極21から共通電極を引き出す構成となっている。図2に示すように、個別電極は、配列する上部電極23から個別電極配線25を介して個別電極パッド26まで引き出される。下部電極21は個別電極パッド26と反対側のインク供給口17の手前のインク供給路上にまで延伸され、下部電極21と導通する共通電極配線27を介して共通電極パッド28まで引き出される。なお、図2では振動板13の図示は省略している。
なお、下部電極21と共通電極配線27との間には、第一絶縁膜29が形成され、第一絶縁膜29に開けられたコンタクトホール15を介して電気的に接続されている。同様に、上部電極23と個別電極配線25との間には、第一絶縁膜29が形成され、第一絶縁膜29に開けられたコンタクトホール14を介して電気的に接続されている。また、共通電極パッド28、個別電極パッド26は、駆動IC60に接続される。
なお、個別電極配線25と共通電極配線27は同一材料、同一工程で形成することが好ましい。電極材料としては、抵抗値の低い金属、合金、導電性材料等を用いることができる。また、上部電極23、下部電極21とコンタクト抵抗の低い材料を用いることが必要である。例えば、Al、Au、Ag、Pd、Ir、W、Ti、Ta、Cu、Crなどを用いることができる。
また、コンタクト抵抗を低減するために、これらの材料の積層構造としても良い。コンタクト抵抗を下げる材料として、導電性化合物を用いても良い。例えば、Ta、TiO、TiN、ZnO、In、SnO等の酸化物,窒化物およびその複合化合物を用いることができる。膜厚は特に限られるものではないが、例えば、1μm以下とすることが好ましい。
また、成膜には真空成膜法等の膜厚均一性が高い成膜方法を用いることが好ましい。これらの電極は、保持基板40との接合面となるため、高さ均一性を確保できる膜厚、成膜方法とすることが必要である。
個別電極配線25および共通電極配線27を、保持基板外側まで引き出して個別電極パッド26および共通電極パッド28を形成する。また、個別電極パッド26および共通電極パッド28に駆動IC60からの信号を入力するワイヤ62を接続する。また、ワイヤ62の他端側は駆動IC60に形成された駆動ICパッド61に接続される。
なお、配線の接続方法は、特に限られるものではないが、例えば、FPCを用いたACF接合、ハンダ接合や、ワイアボンディング法、駆動IC60の出力端子と直接接合するフリップチップ法等を用いることができる。各接合方式に合わせてパッドの材料、構造を選定すればよい。
[保持基板]
保持基板40は、流路基板10(20〜100μm厚)の剛性を確保するために、流路基板10のノズルプレート1とは対向する側に接合される。保持基板40の材料は、シリコンである。なお、流路基板10の反りを防止するために熱膨張係数の近い材料を選定することが好ましい。また、例えば、ガラスやSiO、ZrO、Al等のセラミクス材料とすることも好ましい。
また、保持基板40には、共通液室51から個別液室11まで液体を供給するためのインク供給路である保持基板開口部43が形成されている。保持基板開口部43は共通液室51の一部を形成するといえ、流路基板10側のインク供給口17と連通している。
さらに、保持基板40は、個別液室11に対向する領域に保持基板凹部41が形成される。保持基板凹部41は保持基板40の堀加工により形成された空間で、内部に圧電素子24が配置されて圧電素子24が変位可能な稼働領域を形成している。
この各保持基板凹部41は隣接する個別液室11ごとに区画され、保持基板隔壁42で隔てられている。この保持基板隔壁42は、流路基板隔壁16上で接合されることが好ましい。それにより、板厚の薄い流路基板10の剛性を高めることができ、圧電素子24を駆動した際の隣接液室間の相互干渉を低減することが可能となる。また、保持基板凹部41は個別液室11ごとに区画されるため、高密度化のためには高度な加工精度が要求され、300dpiヘッドにおいては保持基板隔壁幅42を5〜20μmとすることが望ましい。
図4に本実施形態の保持基板40の模式図を示す。なお、図4(A)は共通液室基板側からの保持基板平面図、図4(B)は流路基板側からの保持基板平面図を示している。図4に示すように、保持基板凹部41を個別液室11毎(すなわち、圧電素子24毎)に形成し、各保持基板凹部41から見て保持基板開口部43とは反対側の側部からヘッド外部の大気へと連通する凹溝(第一溝部)44を設けている。この凹溝44によって各圧電素子24上の空間(各保持基板凹部41)を大気へ連通させることで、温度が変化しても空間の圧力が変化するのを抑制することが可能となる。また、図4に示すように、凹溝44は保持基板40の流路基板10側の面に設けられることが好ましい。
(製造方法)
以下、インクジェット記録ヘッド100の製造方法の具体例を説明する。直径6インチ、厚さ600μmのシリコンウェハ上に、SiO0.6μm、Si1.5μm、SiO0.4μmを積層することで3層構成の振動板13を形成した後に、下部電極21としてTi20nm、Pt200nmをスパッタリング法で成膜した。
次に、下部電極21上にチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を有機金属溶液に用いたゾルゲル法で厚さ2μm成膜した後、700℃で焼成し、PZTの圧電体膜を形成した(圧電体22)。その後、圧電体膜上にPtを200nmスパッタリング法で成膜し、上部電極23とした。
次に、上部電極23形成後に、上部電極23、圧電体22、下部電極21をドライエッチング法でパターニングすることで、図2、図3に示した配列をした圧電素子パターンを形成した。
なお、圧電素子24の配列ピッチは85μmとし、圧電体22の幅は50μmとした。また、圧電素子24の長手方向の長さは1000μmとした。圧電素子24の配列数は300個とした。
圧電素子24の形成後に、プラズマCVD法により、第一絶縁膜29(層間絶縁膜)を成膜し、上部電極23上に個別電極コンタクトホール14、共通電極コンタクトホール15を第一絶縁膜29に形成後、Ti50nmとAl500nmを順次積層しドライエッチングすることで、個別電極配線25および共通電極配線27をパターン形成した。なお、電極パターンは図2に示した通りであり、共通電極配線27の幅は300μmである。
その後、図2に示すインク供給口17部分の振動板13をドライエッチングで除去し、流路基板10にインク供給口17を形成し、流路基板10を完成させる。
次に、保持基板凹部41、保持基板開口部43、凹溝44を有する保持基板40を、直径6インチのシリコンウェハを用いて形成した。まず、シリコンウエハを厚さ400μmに研磨し、流路基板10側に酸化膜などを形成する。
その後、その酸化膜を、保持基板凹部41および保持基板開口部43が開口するようにフォトリソグラフィでパターニングする。さらに、その上にレジストを形成し、保持基板開口部43だけが開口するようにレジストをフォトリソグラフィでパターニングする。
そして、ICPエッチングで流路基板10側から保持基板開口部43を貫通形成する。その後、流路基板10側のレジストのみを除去し、はじめにパターニングした酸化膜パターンをマスクとして、流路基板10側をICPエッチングでハーフエッチングする。最後に酸化膜を除去すると、流路基板10側のインク供給口17と貫通した保持基板開口部43を形成することができる。
また、図4に示したように、保持基板凹部41を個別液室11毎(すなわち、圧電素子24毎)に形成し、各保持基板凹部41から保持基板開口部43とは反対側へ連通する凹溝(第一溝部)44を形成した。また、保持基板隔壁42の幅を10μmとした。
この保持基板40によれば、シリコンICPエッチングであるので高い加工精度が得られ、また剛性も十分確保できるので、小型高密度化および高速化に対応することが可能となる。また、この保持基板40をDFRなどで作成するよりもコストを安くすることができ、樹脂に比べて耐インク性や耐透湿性も良好である。
作成した保持基板40の接合面にエポキシ系接着剤をフレキソ印刷機で膜厚2μmで塗布して接合し、接着剤を硬化することで流路基板10と接合した。その後、600μmの流路基板10を80μmまで研磨した後に、個別液室11、インク供給路12をICPドライエッチング法で形成した。
個別液室11の幅は60μmとし、インク供給路12の幅は30μm、長さは300μmとした。インク供給路12および個別液室11のエッチングは振動板13に到達するまで行い同一の高さとした。また、インク供給口43部分の振動板13は、事前にエッチングしたため、貫通口を形成することができる。
また、ウェハをダイシングによりチップに切り出した後に、保持基板40と同様の手法でノズルプレート1と流路基板10を接合した。ノズルプレート1は厚さ30μmのSUS材にプレス加工で直径20μmのノズルを85μmピッチで形成したものを用いた。
さらに、保持基板40の流路基板10の反対側には、図1に示したように、SUS製の共通液室基板50を接合し、図示しないインクタンクと接続し、個別電極パッド26部にACF接合にて、駆動IC60を実装したTABを接合することでインクジェット記録ヘッド100とした。
以上説明した本実施形態に係るインクジェット記録ヘッド100によれば、保持基板凹部41を個別液室11(圧電素子24)に対応するように形成し、各保持基板凹部41から保持基板開口部43とは反対側から大気へと連通する凹溝(第一溝部44)が設けられているので、凹溝44によって各圧電素子24上の空間(各保持基板凹部41)を大気へ連通させることができ、温度変化等による圧電素子周囲空間の圧力変動を抑制することができる。
また、シリコンICPエッチングであるので高い加工精度が得られ、また剛性も十分確保できるので、高速化に対応可能であって、かつ、小型化および高密度化を図ることができる。さらに、保持基板をDFRなどで作成するよりもコストを安くすることができ、樹脂に比べて耐インク性や耐透湿性も良好なものとすることができる。
<第2の実施形態>
以下、本発明に係る液滴吐出ヘッドのその他の実施形態について説明する。なお、上記実施形態と同様の点についての説明は省略する。なお、製造方法については上記第1の実施形態と同様の方法によれば良い。
図5に第2の実施形態の保持基板40の模式図を示す。なお、図5(A)は共通液室基板側からの保持基板平面図、図5(B)は流路基板側からの保持基板平面図を示している。
本実施形態では、凹溝(第一溝部)44と共に、各圧電素子24に対応して形成される各保持基板凹部41を、それぞれ隣接する保持基板凹部41同士で連通する凹溝(第二溝部)45を更に備えたものである。なお、形成方法は、第一溝部44と同様の方法に寄れば良い。
本実施形態によれば、隣接する凹部41同士を連通させることで、上記第1の実施形態の効果に併せて、隣接する凹部41間の圧力差をより少なくすることが可能となる。
<第3の実施形態>
図6に第3の実施形態の保持基板40の模式図を示す。なお、図6(A)は共通液室基板側からの保持基板平面図、図6(B)は流路基板側からの保持基板平面図を示している。
本実施形態では、第2の実施形態と同様に、凹溝(第二溝部)45を備え、第二溝部45を、隣接する凹部41のない両端部の凹部41から、さらに大気へ連通させた構成としたものである。
本実施形態によれば、各凹部41から第一溝部44で大気に連通させることに加え、第二溝部45により両端部の凹部41からも大気へ連通させているので、上記第1〜第2の実施形態の効果に併せて、隣接する凹部間の圧力差をさらに少なくすることが可能となる。
<第4の実施形態>
図7に第4の実施形態の保持基板40の模式図を示す。なお、図7(A)は共通液室基板側からの保持基板平面図、図7(B)は流路基板側からの保持基板平面図を示している。
第1〜第3の実施形態では、圧電素子24上の凹部41から保持基板開口部43とは反対側へ凹溝(第一溝部)44を設けているが、例えば、圧電素子24上の凹部41から保持基板開口部43とは反対側を、樹脂などで封入する必要がある場合等において、凹溝44が埋まってしまったり、また逆流してしまったりすることが想定される場合など、凹溝(第一溝部)44を設けることが困難な場合がある。
そこで本実施形態では、凹溝(第一溝部)44を設けず、凹部41間を連通する凹溝(第二溝部)45のみを設け、第3の実施形態と同様に、凹溝(第二溝部)45の両端部から大気へ連通させるようにしている。
本実施形態によれば、凹溝(第一溝部)44を設けることが困難な場合であっても、隣接する凹部間の圧力差を少なくすることが可能となる。
<第5の実施形態>
次に、本発明に係るインクカートリッジの一実施形態について説明する。以上説明した実施形態に係る液滴吐出ヘッドは、これを備えたヘッド一体型インクカートリッジ(液滴吐出ヘッド一体型カートリッジ)とすることが好ましい。
図8は、インクカートリッジ90の一例を示す模式図である。このインクカートリッジ90は、ノズル2等を有する上記各実施形態のいずれかのインクジェット記録ヘッド100と、このインクジェット記録ヘッド100にインクを供給するインクタンク91とを一体化したものである。
このインクタンク一体型のインクカートリッジ90では、上記のインクジェット記録ヘッド100を搭載しているため、印刷速度の高速化および高画質化を併せて実現できるインクカートリッジとすることができる。
<第6の実施形態>
次に、本発明に係る画像形成装置の一実施形態について説明する。以上説明した実施形態に係る液滴吐出ヘッドまたはインクカートリッジを備えた画像形成装置(インクジェット記録装置)とすることが好ましい。
本実施形態に係るインクジェット記録装置について図9及び図10を参照して説明する。なお、図9は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図10は同機構部の要部平面説明図である。なお、本実施形態では、液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置(インクジェット記録装置)について説明する。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板221A、221Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液滴吐出ヘッドユニットからなる記録ヘッド234を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有する液滴吐出ヘッド234a、234bを1つのベース部材に取り付けて構成したもので、一方のヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、他方のヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
なお、ここでは2ヘッド構成で4色の液滴を吐出する構成としているが、各色毎の液滴吐出ヘッドを備えることもできる。また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのサブタンク235a、235b(区別しないときは、サブタンク235という)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ236を介して、供給ユニット224によって各色のインクカートリッジ210(210k,210c,210m,210y)から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。
この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下、キャップ)282a、282b(区別しないときは、キャップ282という)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘したインクを排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け288を配置し、この空吐出受け288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。
このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このように、このインクジェット記録装置においては、上記実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを備えているので、圧電素子上の空間の圧力変動を抑制することが可能となる。また、小型高密度化および高速化に対応できる。
<第7の実施形態>
次に、本発明に係る画像形成装置の他の実施形態について説明する。図11は機構部全体の概略構成図である。
この画像形成装置は、ライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部402等を有し、装置本体401の下方側に多数枚の記録媒体(用紙)403を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙403を取り込み、搬送機構405によって用紙403を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の側方に装着された排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
また、装置本体401に対して着脱可能な両面ユニット407を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構405によって用紙403を逆方向に搬送しながら両面ユニット407内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構405に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ406に用紙403を排紙する。
ここで、画像形成部402は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の液滴を吐出する、フルライン型の4個の本発明に係る液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド411k、411c、411m、411y(色を区別しないときには、記録ヘッド411という)を備え、各記録ヘッド411は液滴を吐出するノズルを形成したノズル面を下方に向けてヘッドホルダ413に装着している。
また、各記録ヘッド411に対応してヘッドの性能を維持回復するための維持回復機構412k、412c、412m、412y(色を区別しないときには、維持回復機構412という)を備え、パージ処理、ワイピング処理などのヘッドの性能維持動作時には、記録ヘッド411と維持回復機構412とを相対的に移動させて、記録ヘッド411のノズル面に維持回復機構412を構成するキャッピング部材などを対向させる。
なお、ここでは、記録ヘッド411は、用紙搬送方向上流側から、ブランク、シアン、マゼンタ、イエローの順に各色の液滴を吐出する配置としているが、配置及び色数はこれに限るものではない。また、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で設けた1又は複数のヘッドを用いることもできるし、ヘッドとこのヘッドにインクを供給する記録液カートリッジを一体とすることも別体とすることもできる。
給紙トレイ404の用紙403は、給紙コロ(半月コロ)421と図示しない分離パッドによって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、搬送ガイド部材423のガイド面423aに沿ってレジストローラ425と搬送ベルト433との間に送り込まれ、所定のタイミングでガイド部材426を介して搬送機構405の搬送ベルト433に送り込まれる。
また、搬送ガイド部材423には両面ユニット407から送り出される用紙403を案内するガイド面423bも形成されている。更に、両面印刷時に搬送機構405から戻される用紙403を両面ユニット407に案内するガイド部材427も配置している。
搬送機構405は、駆動ローラである搬送ローラ431と従動ローラ432との間に掛け渡した無端状の搬送ベルト433と、この搬送ベルト433を帯電させるための帯電ローラ434と、画像形成部402に対向する部分で搬送ベルト433の平面性を維持するプラテン部材435と、搬送ベルト433から送り出す用紙403を搬送ローラ431側に押し付ける押さえコロ436と、その他図示しないが、搬送ベルト433に付着したインクを除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなるクリーニングローラなどを有している。
この搬送機構405の下流側には、画像が記録された用紙403を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ438及び拍車439を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト433は矢示方向に周回移動し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ434と接触することで帯電され、この高電位に帯電した搬送ベルト433上に用紙403が給送されると、用紙403は搬送ベルト433に静電的に吸着される。
このようにして、搬送ベルト433に強力に吸着した用紙403は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。そして、搬送ベルト433を周回させて用紙403を移動させ、記録ヘッド411から液滴を吐出することで、用紙403上に所要の画像が形成され、画像が記録された用紙403は排紙ローラ438によって排紙トレイ406に排紙される。
このように、このインクジェット記録装置においては、上記実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを備えているので、圧電素子上の空間の圧力変動を抑制することが可能となる。また、小型高密度化および高速化に対応できる。
尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
例えば、上記実施形態においては、本発明に係る液滴吐出ヘッドをインクジェットヘッドに適用したが、インク以外の液体の滴、例えば、パターニング用の液体レジストを吐出する液滴吐出ヘッド、遺伝子分析試料を吐出する液滴吐出ヘッドなどにも適用することできる。
1 ノズルプレート
2 ノズル
10 流路基板
11 個別液室
12 インク供給路
13 振動板
14 コンタクトホール(個別電極)
15 コンタクトホール(共通電極)
16 流路基板隔壁
17 インク供給口
21 下部電極(共通電極)
22 圧電体
23 上部電極(個別電極)
24 圧電素子
25 個別電極配線
26 個別電極パッド
27 共通電極配線
28 共通電極パッド
29 第一絶縁膜
30 第二絶縁膜
40 保持基板
41 保持基板凹部
42 保持基板隔壁
43 保持基板開口部
44 凹溝(第一溝部)
45 凹溝(第二溝部)
50 共通液室基板
51 共通液室
60 駆動IC
61 駆動ICパッド
62 ワイヤ
90 インクカートリッジ
91 インクタンク
100 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
特開2011−115972号公報 特開2006−281777号公報

Claims (9)

  1. 液体を吐出する複数のノズルが設けられたノズルプレートと、
    該ノズルプレートと接合され、隔壁により区切られた複数の液室が設けられた流路基板と、
    前記液室内の液体を加圧する圧力を発生するための駆動手段と、
    前記液室の少なくとも一部の壁面を形成する振動板と、
    前記流路基板の前記ノズルプレートとは反対側に接合され、シリコンからなる保持基板と、を備えた液滴吐出ヘッドにおいて、
    前記保持基板は、前記流路基板側の前記駆動手段に対向する位置に、該保持基板と前記流路基板とで囲まれる空間部を有し、
    該空間部は、前記保持基板に設けられた溝部を介して大気と連通していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  2. 前記空間部は、前記圧電素子毎に複数形成され、該複数の空間部がそれぞれ第一溝部を有し、該第一溝部が大気と連通していることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  3. 前記複数の空間部は第二溝部を介して連通していることを特徴とする請求項2に記載の液滴吐出ヘッド。
  4. 前記第二溝部の端部が大気と連通していることを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出ヘッド。
  5. 前記空間部は、前記圧電素子毎に複数形成され、該複数の空間部が第二溝部を介して連通し、
    該第二溝部が大気と連通していることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
  6. 前記保持基板の前記流路基板とは反対側に接合され、共通液室が設けられた共通液室基板を備え、
    前記保持基板は、前記共通液室から前記流路基板へと開口する保持基板開口部を有し、
    前記第一溝部は、前記空間部からみて、前記保持基板開口部に対向する側から大気と連通することを特徴とする請求項2から4までのいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  7. 前記第一溝部、および/または前記第二溝部は、前記保持基板の前記流路基板との接合面側に設けられることを特徴とする請求項2から6までのいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
  8. 請求項1から7までのいずれかに記載の液滴吐出ヘッドと、
    該液滴吐出ヘッドにインクを供給するインクタンクと、を備えたことを特徴とするインクカートリッジ。
  9. 請求項1から7までのいずれか記載の液滴吐出ヘッド、または、請求項8に記載のインクカートリッジを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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