JP2007143360A - ステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】適切な制御を容易に実行可能とする。
【解決手段】第1および第2U相環状巻線14a,14bと第1および第2W相環状巻線15a,15bとを短節波巻きとし、各環状巻線14a,15bが配置されるUV相間スロット27と、各環状巻線14b,15aが配置されるVW相間スロット28との各周方向幅C1を、各環状巻線14a,14b,15a,15bが配置されるWU相間スロット29の周方向幅C2の1/2の値(C2/2)に設定した。各環状巻線14a,15aの第1巻線数n1と、各環状巻線14b,15bの第2巻線数n2との比を、各スロット27,28,29毎に各環状巻線14a,15bによる誘起電圧を合成あるいは各環状巻線15a,14bによる誘起電圧を合成した際に、合成して得られる各誘起電圧同士の位相差が電気角の120°(edeg)となるように設定した。
【選択図】図3
Description
しかしながら、隣接するティースの周方向間隔を不均等に設定すると、2相の環状巻線の位相差にずれが生じ、各相電流の位相にずれが生じることから、各相電流間の電流位相差が2π/3=120°(edeg)であることを前提とする通常のベクトル制御において、適切な電流制御が困難になるという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、容易に適切な制御を実行することが可能なステータを提供することを目的とする。
しかも、隣接するティースの周方向間隔が不均等になるように設定されることによって、2相の環状巻線の位相差にずれが生じ、各相電流の位相にずれが生じる場合であっても、各スロット毎に2相の環状巻線が互いに異なる巻線数を有するように装着されることで、各スロット毎に2相の環状巻線の誘起電圧が合成され、2相の誘起電圧ベクトルの位相差が所定の位相差となるように設定されることから、このステータを備えるモータに対して、例えば各相電流間の電流位相差が2π/3=120°(edeg)であることを前提とする通常のベクトル制御等のように、各相電流間の電流位相差が所定の位相差であることを前提とする適宜の電流制御を容易かつ適切に適用することができる。
また、請求項2に記載の本発明のステータによれば、各スロット毎に2相の環状巻線が装着されることで、各環状巻線の誘起電圧が合成されることになり、合成して得られる2相の誘起電圧ベクトルの位相差が所定の位相差(例えば、電気角で120°等)となるように巻線数比を設定することにより、このステータを備えるモータに対して、例えば各相電流間の電流位相差が2π/3=120°(edeg)であることを前提とする通常のベクトル制御等のように、各相電流間の電流位相差が所定の位相差であることを前提とする適宜の電流制御を容易かつ適切に適用することができる。
さらに、請求項5に記載の本発明のステータによれば、全節巻きの2相の環状巻線を備える3相モータのステータにおいて、各相の電気角位相差が略120°となるようにして、スロット毎に配置される2相の環状巻線の巻線数比が設定されることから、このステータを備える3相モータに対して、各相電流間の電流位相差が2π/3=120°(edeg)であることを前提とする通常のベクトル制御を容易かつ適切に適用することができる。
本実施の形態に係るステータ10は、例えば内燃機関と共に車両の駆動源としてハイブリッド車両に搭載されるクローポール型モータを構成し、例えば内燃機関とクローポール型モータとトランスミッションとを直列に直結した構造のパラレルハイブリッド車両では、少なくとも内燃機関またはクローポール型モータの何れか一方の駆動力は、トランスミッションを介して車両の駆動輪に伝達されるようになっている。
また、このハイブリッド車両の減速時に駆動輪側からクローポール型モータに駆動力が伝達されると、クローポール型モータは発電機として機能していわゆる回生制動力を発生し、車体の運動エネルギーを電気エネルギー(回生エネルギー)として回収する。さらに、内燃機関の出力がクローポール型モータに伝達された場合にもクローポール型モータは発電機として機能して発電エネルギーを発生する。
そして、第1U相環状巻線14aおよび第2W相環状巻線15bは、軸線方向PにおけるU相ティース22の一方側に各渡り部14aF,15bFが設けられ、軸線方向PにおけるV相ティース24およびW相ティース26の他方側に、各渡り部14aR,15bRが設けられている。
また、第2U相環状巻線14bおよび第1W相環状巻線15aは、軸線方向PにおけるU相ティース22およびV相ティース24の一方側に各渡り部14bF,15aFが設けられ、軸線方向PにおけるW相ティース26の他方側に、各渡り部14bR,15aRが設けられている。
なお、ステータ10の軸線方向Pに対する断面を模式的に示す図3において、例えば周方向Cに沿って周回した場合に、軸線方向Pにおける他方側から一方側に向かうようにしてWU相間スロット29に配置される各U相環状巻線14a,14bを「U+」とし、軸線方向Pにおける一方側から他方側に向かうようにして各UV相間スロット27,VW相間スロット28に配置される各U相環状巻線14a,14bを「U−」とした。また、例えば周方向Cに沿って周回した場合に、軸線方向Pにおける一方側から他方側に向かうようにして各UV相間スロット27,VW相間スロット28に配置される各W相環状巻線15a,15bを「W+」とし、軸線方向Pにおける他方側から一方側に向かうようにしてWU相間スロット29に配置される各W相環状巻線15a,15bを「W−」とした。
ここで、第1U相環状巻線14aと第1W相環状巻線15aとは互いに同等の第1巻線数n1を有するように、かつ、第2U相環状巻線14bと第2W相環状巻線15bとは互いに同等の第2巻線数n2を有するように設定され、第1巻線数n1と第2巻線数n2との比(巻線数比n1/n2)は、後述する所定の値を有するように設定されている。
つまり、2相の第1U相環状巻線14aおよび第2W相環状巻線15bが配置されるUV相間スロット27と、2相の第2U相環状巻線14bおよび第1W相環状巻線15aが配置されるVW相間スロット28との各周方向幅C1は、2相の第1および第2U相環状巻線14a,14bと第1および第2W相環状巻線15a,15bとが配置されるWU相間スロット29の周方向幅C2よりも小さな値、例えば周方向幅C2の1/2の値(C2/2)に設定されている。
これにより、各ティース22,24、26の周方向幅C0は電気角の60°(edeg)に相当し、UV相間およびVW相間スロット27,28の各周方向幅C1は電気角の45°(edeg)に相当し、WU相間スロット29の周方向幅C2は電気角の90°(edeg)に相当している。
また、2相の第1U相環状巻線14aと第1W相環状巻線15aとの位相差、および、2相の第2U相環状巻線14bと第2W相環状巻線15bとの位相差は、それぞれ電気角の210°(edeg)となっている。
これにより、互いに直列に接続された第1および第2U相環状巻線14a,14bと、互いに直列に接続された第1および第2W相環状巻線15a,15bとは、V字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電されることにより、例えば漏れ磁束が無視できる場合には、U相,V相,W相の3相巻線がY字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電される3相モータのステータと同等の回転磁界を発生するようになっている。
なお、下記数式(1)において、L=−2Mであり、漏れ磁束を無視した。
つまり、本実施の形態に係るステータ10において、合成される各環状巻線14a,15bおよび15a,14bの各巻線数n1,n2と、例えば図6(a)に示す合成前の各誘起電圧ベクトル、つまり第1U相環状巻線14aの誘起電圧ベクトルV1(x1,y1)と、第1W相環状巻線15aの誘起電圧ベクトルV2(x2,y2)とに対して、例えば図6(a)に示す合成後の各誘起電圧ベクトル、つまり第1U相環状巻線14aと第2W相環状巻線15bとの合成による誘起電圧ベクトルVu(x1’,y1’)と、第1W相環状巻線15aと第2U相環状巻線14bとの合成による誘起電圧ベクトルVw(x2’,y2’)とは、例えば下記数式(7)に示すように記述される。
なお、下記数式(9)において、合成後の各誘起電圧ベクトルVu(x1’,y1’),Vw(x2’,y2’)間の位相差を120°(edeg)とし、合成前の各誘起電圧ベクトルV1(x1,y1),V2(x2,y2)間の位相差φ(例えば、210°)により、位相差α(例えば、150°)=360°−φである。
しかも、各スロット27,28,29毎に、第1U相環状巻線14aによる誘起電圧と第2W相環状巻線15bによる誘起電圧とを合成、あるいは、第1W相環状巻線15aによる誘起電圧と第2U相環状巻線14bによる誘起電圧とを合成した際に、合成して得られる各誘起電圧同士の位相差が電気角の120°(edeg)となるように、第1U相環状巻線14aおよび第1W相環状巻線15aの各第1巻線数n1と、第2U相環状巻線14bおよび第2W相環状巻線15bの各第2巻線数n2との比(巻線数比n1/n2)が設定されることから、このステータ10を備えるモータに対して、各相電流間の電流位相差が2π/3=120°(edeg)であることを前提とする通常のベクトル制御を容易かつ適切に適用することができる。
この第2の実施形態に係るステータ60は、例えば図7に示すように、U相およびV相およびW相からなる3相の各相毎の複数のU相ステータ片61,…,61およびV相ステータ片62,…,62およびW相ステータ片63,…,63と、U相およびW相からなる2相の第1および第2U相環状巻線64a,64bと第1および第2W相環状巻線65a,65bとを備えて構成されている。
そして、第1U相環状巻線64aと第1W相環状巻線65a同士と、第1W相環状巻線65aと第2U相環状巻線64b同士と、第2U相環状巻線64bと第2W相環状巻線65b同士とは、順次、互いに電気角で270°(edeg)の位相差を有するようにして周方向Cに沿って相対的にずれた位置に配置されている。
また、V相ティース75は、軸線方向Pにおける一方側に配置された第1および第2U相環状巻線64a,64bの各渡り部と、他方側に配置された第1および第2W相環状巻線65a,65bの各渡り部とによって、あるいは、軸線方向Pにおける一方側に配置された第1および第2W相環状巻線65a,65bの各渡り部と、他方側に配置された第1および第2U相環状巻線64a,64bの各渡り部とによって、軸線方向Pの両側から挟み込まれるようにして配置されている。
また、W相ティース76は、軸線方向Pにおける一方側に配置された第2U相環状巻線64bおよび第2W相環状巻線65bの各渡り部と、他方側に配置された第1U相環状巻線64aおよび第1W相環状巻線65aの各渡り部とによって、軸線方向Pの両側から挟み込まれるようにして配置されている。
これにより、各ティース74,75、76の周方向幅Ctおよび各スロット77,78の周方向幅Csは電気角の45°(edeg)に相当している。
ここで、第1U相環状巻線64aと第1W相環状巻線65aとは互いに同等の第1巻線数n1を有するように、かつ、第2U相環状巻線64bと第2W相環状巻線65bとは互いに同等の第2巻線数n2を有するように設定され、第1巻線数n1と第2巻線数n2との比(巻線数比n1/n2)は、後述する所定の値を有するように設定されている。
これにより、互いに直列に接続された第1および第2U相環状巻線64a,64bと、互いに直列に接続された第1および第2W相環状巻線65a,65bとは、V字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電されることにより、例えば漏れ磁束が無視できる場合には、U相,V相,W相の3相巻線がY字状に結線され、互いに120°の位相差の正弦波で通電される3相モータのステータと同等の回転磁界を発生するようになっている。
また、所定の巻線数比n1/n2が、適宜の整数値の比となるようにして、各スロット27,28,29の周方向幅C1,C1,C2、および、各スロット77,78の周方向幅Csを設定してもよい。
14a,64a 第1U相環状巻線(環状巻線)
14b,64b 第2U相環状巻線(環状巻線)
15a,65a 第1W相環状巻線(環状巻線)
15b,65b 第2W相環状巻線(環状巻線)
22,72 U相ティース(ティース)
24,74 V相ティース(ティース)
26,76 W相ティース(ティース)
27,77 UV相間スロット(スロット)
28,78 VW相間スロット(スロット)
29 WU相間スロット(スロット)
Claims (5)
- 2相の環状巻線を備える3相モータのステータであって、
前記ステータは周方向で隣接するティース間に形成されるスロットを備え、
各前記スロット毎に前記2相の環状巻線が互いに異なる巻線数を有するように装着されてなることを特徴とするステータ。 - 2相の環状巻線を備える3相モータのステータであって、
前記ステータは周方向で隣接するティース間に形成されるスロットを備え、
周方向で隣接する前記スロット毎に前記2相の環状巻線の巻線数比が異なることを特徴とするステータ。 - 前記2相の環状巻線は短節巻きであり、周方向で隣接する前記ティースの周方向間隔が不均等になるように設定されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
- 前記スロット毎に配置される前記2相の環状巻線の巻線数比は、各相の電気角位相差が略同等となるように設定されてなることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかひとつに記載のステータ。
- 前記2相の環状巻線は全節巻きであり、前記スロット毎に配置される前記2相の環状巻線の巻線数比は、各相の電気角位相差が略120°となるように設定されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
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