JP2019047630A - 回転電機 - Google Patents

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Yuji Tsuji
裕司 辻
金澤 宏至
Hiroshi Kanazawa
宏至 金澤
一農 田子
Kazuatsu Tago
一農 田子
大祐 郡
Daisuke Koori
大祐 郡
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Abstract

【課題】コギングトルクを低減することができる回転電機を提供する。
【解決手段】各ティース対向部14は、高磁気抵抗部を有し、各ティースは、高磁気抵抗部11、11Aがティース基部13の周方向の中心より周方向の一方側に配置された第1のティース10aと、高磁気抵抗部11、11Aがティース基部13の周方向の中心より周方向の他方側に配置された第2のティース10bとを含み、各高磁気抵抗部11、11Aは、高磁気抵抗部11、11Aの周方向における中心がロータ3の回転中心と、ティース対向部14とティース基部13との境界部24における周方向側の端部24a、24bとを結ぶ直線よりもティース基部13側に配置されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機に関する。
電動化による油圧の代替や、ハイブリッド自動車、電気自動車の市場拡大の流れを受けて、電気モータがステアリングホイール操作をアシストする電動パワーステアリング(以下、EPS)装置の装着率が急速に増大している。EPS装置に使用されるモータでは、モータのトルク変動は、車室内の騒音や振動の原因となり、乗り心地を悪くする。トルク変動の要因としてコギングトルクやトルクリプルが挙げられる。コギングトルクを低減するには、例えば、ロータの磁極を軸方向に沿って段階的にスキュー角に相当する分ずらした構造とする。スキューレスのロータを有する回転電機では、ティースの永久磁石に対向する対向部に、周回り方向に突出する爪部を設け、該爪部の先端に切り欠き溝を設ける構造が知られている。この構造の回転電機では、切り欠き溝が、周回り方向の一方側に形成された第一ティースと、周回り方向の他方側に形成された第二ティースとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−295765号公報
特許文献1に記載された回転電機では、切り欠き溝が爪部の先端に設けられているため、磁束飽和し、コギングトルクを十分に抑制することができない。
本発明の第1の態様によると、回転電機は、M極(Mは2以上の自然数)の永久磁石を有するロータと、前記永久磁石と径方向に空隙を介して対向するN個(Nは2以上の自然数)のティースを有するステータ、とを備え、複数相により駆動される回転電機において、前記複数のティースは、巻線が配置される基部と、径方向における前記基部と前記ロータとの間に配置され、前記基部の周方向の幅より大きく、かつ、周方向に突出する対向部と、により構成され、前記各ティースの前記対向部は、前記基部の周方向の中心から外れた位置に、前記ステータのコアよりも磁気抵抗が大きい高磁気抵抗部を有し、前記ティースは、前記高磁気抵抗部が前記基部の周方向の中心より周方向の一方側に配置された第1のティースと、前記高磁気抵抗部が前記基部の周方向の中心より周方向の他方側に配置された第2のティースとを含み、前記各高磁気抵抗部は、前記高磁気抵抗部の周方向における中心が前記ロータの回転中心と、前記対向部と前記基部との境界部における周方向側の端部とを結ぶ直線よりも前記基部側に配置されている。
本発明の第2の態様によると、回転電機は、M極(Mは2以上の自然数)の永久磁石を有するロータと、前記永久磁石と径方向に空隙を介して対向するN個(Nは2以上の自然数)のティースを有するステータ、とを備え、複数相により駆動される回転電機において、前記複数のティースは、巻線が配置される基部と、径方向における前記基部と前記ロータとの間に配置され、前記基部の周方向の幅より大きく、かつ、周方向に突出する対向部と、により構成され、前記各ティースの前記対向部は、前記基部の周方向の中心から外れた位置に、前記ステータのコアよりも磁気抵抗が大きい高磁気抵抗部を有し、前記各ティースの前記対向部は、前記高磁気抵抗部が前記基部の周方向の中心より周方向の一方側に配置された第1の領域と、前記高磁気抵抗部が前記基部の周方向の中心より周方向の他方側に配置され、前記第1の領域とは軸方向の異なる位置に設けられた第2の領域とを有し、前記各高磁気抵抗部は、前記高磁気抵抗部の周方向における中心が前記ロータの回転中心と、前記基部と前記対向部との境界部の周方向における端部とを結ぶ直線よりも前記基部側に配置されている。
本発明によれば、コギングトルクを低減することができる。
本発明の回転電機を、電動パワーステアリング用の永久磁石型モータを例として示す第1の実施形態の断面図である。 図1におけるII−II線断面図である。 図2に図示されたステータ及びロータの一部を拡大した図である。 本発明の第2の実施形態を示し、図2に対応する図である。 本発明の第3の実施形態を示し、図2に対応する図である。 本発明の第4の実施形態を示し、図2に対応する図である。 本発明の第5の実施形態であり、軸方向に切断したステータコアのほぼ半分を示す斜視図である。 本発明の第6の実施形態であり、軸方向に切断したステータコアのほぼ半分を示す斜視図である。 本発明の第7の実施形態であり、軸方向に切断したステータコアのほぼ半分を示す斜視図である。 本発明の第8の実施形態であり、軸方向に切断したステータコアのほぼ半分を示す斜視図である。 本発明の第9の実施形態を示し、(a)は、図2に対応する図であり、(b)は、電磁鋼板の一部を屈曲することにより高磁気抵抗部を形成したステータの一例を示す断面図。 本発明の第10の実施形態を示し、図3に対応する図。 本発明の第1の実施形態および第10の実施形態と、比較品とのトルク、コギングトルクおよびトルクリプルの効果の差を示す図。 本発明の第11の実施形態を示し、図1に対応する図。 本発明の第12の実施形態を示し、(a)は、図2に対応する図であり、(b)は、(a)の変形例であり、図15(a)における領域XVbの拡大図。 本発明の第13の実施形態を示し、モータを複数のインバータで駆動する分散インバータ駆動システムを説明するための図。 本発明の第14の実施形態を示し、本発明を埋込磁石内蔵型モータに適用した場合の一例を示す、図2に対応する図。 本発明の第15の実施形態を示し、本発明をコンシクエントポール式永磁石型モータに適用した場合の一例を示す、図2に対応する図。
−第1の実施形態−
図1〜図3を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明の回転電機の一例として、電動パワーステアリング用の永久磁石型モータを例として示す第1の実施形態の断面図である。電動パワーステアリング(EPS)システムは、例えば、ガソリン自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車に用いられる。但し、本発明の回転電機は、EPSシステム用以外にも電動ブレーキ装置等の自動車用電動補機装置に適用することができる。
第1の実施形態では、モータ100は表面磁石型として例示されている。
永久磁石型のモータ100は、ステータ1と、ステータ1内に回転可能に配置されたロータ3と、駆動軸7と、ステータ1を保持するハウジング8とを備える。ロータ3は、ロータコア4と、ロータコア4に貼り付けられた複数の永久磁石5とを有する。ステータ1は、ステータコア2と、ステータコア2のティース10に巻回されるステータ巻線と、を有する。図1においては、ステータ巻線のコイルエンド部6が図示されている。後述するが、ティース10の先端には溝11(図2等参照)が設けられている。
図示はしないが、駆動軸7の下部側にはプーリが取付けられ、ベルトなどを介してモータ100の動力が伝達される。また、ハウジング8の駆動軸7の下部とは反対側の面には、不図示の磁極センサや、U相、V相およびW相のターミナルが突出される。磁極センサはモータ100の磁極位置を検出し、その出力を、磁極位置の検出部を有する不図示のECUに出力する。
図2は、図1におけるII−II線断面図である。
ロータコア4は、貫通孔を駆動軸7に圧入または焼き嵌めすることにより、該駆動軸7に固定されている。ロータコア4は、断面正8角形状をしており、各辺上には、永久磁石5が、隣接する永久磁石5と隙間を存して配置されている。すなわち、ロータコア4の外表面には、8極の永久磁石が配置されている。各永久磁石5は、永久磁石5間に設けられた磁石回り止め50により周方向に位置決めされている。磁石回り止め50は、ロータコアと同じ材料で形成されている。
ステータコア2は、電磁鋼板を積層して構成され、ロータ3の外周に配置されている。ステータコア2には、12個のティース10が設けられている。各ティース10は、図2に示すとおり、外周側で連結され一体化されている。また、ステータコア2は、周方向に分割された分割コアでもよい。各ティース10は、その内周側の先端面21が、ロータ3の永久磁石5と、径方向に隙間を存して配置されている。ティース10間のスロット22内には、各相の固定子コイル(巻線)9が配置されている。本実施形態に示すモータ100は、8極12スロットの三相交流モータとして例示されている。各固定子コイル9は、それぞれ、スロット22のステータコア2の軸方向に挿通され、対応するティース10に巻回されている。固定子コイル9は、ティース10に巻き回され、U相、V相、W相の環状の相巻線を構成する。
各ティース10の先端面21には、溝11が形成されている。ティース10は、駆動軸7の回転中心15(図3参照)とティース10の周方向の中心とを結ぶ直線(以下、単に「ティース10の周方向中心線」という)に対して、一方側(反時計回転方向側)に溝11が形成された第1のティース10aと、他方側(時計回転方向側)に溝11が形成された第2のティース10bとを有している。図2に図示されるように、U1、V1、W1相およびU3、V3、W3相のティース10が、第1のティース10aとされ、U2、V2、W2相およびU4、V4、W4相のティース10が、第2のティース10bとされている。つまり、周方向に連続する3つのティース10が、第1のティース10a群または第2のティース10b群とされ、1/4周、換言すれば、90°毎に第1のティース10a群と第2のティース10b群とが、交互に、入れ替わって配列されている。
ティース10全数の半数は第1のティース10aであり、残りの半数は第2のティース10bである。つまり、第1のティース10aと、第2のティース10bとは同数である。また、U相、V相、W相それぞれの第1のティース10aの数と第2のティース10bの数は、同数である。
図3は、図2に図示されたステータ及びロータの一部を拡大した図である。
ティース10は、ティース基部13とティース対向部14とを有する。ティース対向部14は、先端面21を含み、ロータ3の永久磁石5と対向するティース10の内周側に配置されており、ティース基部13は、ティース対向部14のティース10の外周側に配置されている。ティース基部13とティース対向部14とは、点線で示す境界部24を有する。ティース対向部14は、先端面21側においてティース基部13よりも周方向に幅広く形成され、周方向の各端部14a、14bが、ティース基部13の周方向の各側部13a、13bから周方向に突出している。
ティース対向部14の反時計回転方向側の端部14aは、ティース10の反時計回転方向側の側部13aで、境界部24の一端24aに接続されている。ティース対向部14の反時計回転方向側の端部14aと境界部24の一端24aとの間の形状は、凹状に湾曲された形状である。ティース対向部14の時計回転方向側の端部14bは、ティース10の時計回転方向側の側部13bで、境界部24の他端24bに接続されている。ティース対向部14の時計回転方向側の端部14bと境界部24の他端24bとの間の形状は、凹状に湾曲された形状である。ティース対向部14の幅、すなわち、周方向の長さが、ティース基部13の幅よりも大きくなっている始端が、ティース対向部14とティース基部13との境界部24である。上述したように、第1のティース10a(例えば、V1相のティース10)は、ティース10の周方向中心線に対して、反時計回転方向側に溝11を有する。第1のティース10aの溝11の周方向の幅の中心12は、スロットピッチθ(360°÷(ティース10の数))に対して(θ/2+φ)の位置に配置されている。他方、第2のティース10bの溝11の周方向の幅の中心12は、スロットピッチθ(360°÷(ティース10の数))に対して(θ/2−φ)の位置に配置されている。
第1のティース10aの溝11の周方向の幅の中心12は、駆動軸7、すなわちロータ3の回転中心15と、ティース対向部14とティース基部13との境界部24における反時計回転方向側の一端24aとを結ぶ直線16aの内側(ティース基部13側)に配置されている。同様に、第2のティース10bの溝11の周方向の幅の中心12は、駆動軸7すなわちロータ3の回転中心15と、ティース対向部14とティース基部13との境界部24における時計回転方向側の他端24bとを結ぶ直線16bの内側(ティース基部13側)に配置されている。UVW各相の第1のティース10aの数と第2のティース10bの数は、同数である。
永久磁石型のモータ100は無負荷状態のときにロータ3が回転すると、永久磁石5とティース10との相互作用で騒音や振動の原因となるコギングトルクが発生する。コギングトルクの基本次数は、ロータ3の1回転当たりの極数とスロット数の最小公倍数である。例えば、8極12スロットの場合、コギングトルクの基本次数は24次である。これに対し、ティース10に溝を形成することにより、コギングトルクの基本次数を高次化することが知られている。溝11は、高磁気抵抗部となるので、例えば、スロット開口22a間に等間隔に各ティース10に溝を2つ設けると、見掛け上のスロット数が3倍となり、コギングトルクの基本次数は72次となる。原理としては、スロット開口22aが作るコギングトルク波形に対して、ティース10の周方向中心線に対し、反時計回転方向に形成された溝が作るコギングトルク波形と、時計回転方向に形成された溝が作るコギングトルク波形が、振幅が同じで位相が120°ずつずれていれば相互に打ち消される。
本実施形態では、溝11は、第1のティース10aと第2のティース10bのそれぞれに1つずつ設けられている。このため、スロット開口22aが作るコギングトルク波形に対して、1つのティース10に形成された2つの溝によってコギングトルク波形が打ち消されるのではない。しかし、第1のティース10aが作るコギングトルク波形と第2のティース10bが作るコギングトルク波形とは、振幅が同じで位相が120°ずつずれているため、ロータ3が1回転する中で打ち消される。従って、本実施形態の場合も、コギングトルクの基本次数は72次となる。
しかし、各ティース10に形成する溝が、ティース対向部14の周方向の最先端の一端14aまたは他端14b側に配置されている構造では、磁路幅が狭く磁気抵抗が大きいため磁束飽和し、コギングトルクを十分に低減することができない。本実施形態では、第1のティース10aおよび第2のティース10bに設ける溝11の周方向の幅の中心12を、それぞれ、駆動軸7の回転中心15と、ティース対向部14とティース基部13の境界部24の一端24aまたは他端24bとを結ぶ直線16a、16bの内側(ティース基部13側)に配置した。また、第1のティース10aの数と第2のティース10bの数は、同数である。このため、コギングトルク波形を高次数化し、さらに、磁束飽和を抑制することができ、以って、コギングトルクを低減することができる。
全ティース10の半数が第1のティース10aであり、残り半数が第2のティース10bである構造の場合、換言すれば、第1のティース10aと第2のティース10bが、同数である構造の場合、コギングトルク低減効果は最大となる。
また、UVW各相のティース10が同数の第1のティース10aと第2のティース10bとを持つことで、電気的にもバランスが取れた状態となり、通電時のトルクがもつ変動幅であるトルクリプルの増加も防止することができる。
全ティース10について、第1のティース10aと第2のティース10bそれぞれについて非対称に溝11を1つ配置し、溝11の位置をティース対向部14の周方向の端部14a、14bよりティース中心側にすることで、ティース10先端での磁束飽和の悪化とトルク低下を抑えて、コギングトルクを低減することができる。
本発明の第1の実施形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)複数のティース10は、固定子コイル(巻線)9が配置されるティース基部13と、ティース対向部14とにより構成される。各ティース10のティース対向部14は、ティース基部13の周方向の中心から外れた位置に溝(高磁気抵抗部)11を有する。ティース10は、溝11がティース基部13の周方向の中心より周方向の一方側に配置された第1のティース10aと、溝11がティース基部13の周方向の中心より周方向の他方側に配置された第2のティース10bとを含む。溝11の周方向の幅の中心12が、ロータ3の回転中心と、ティース対向部14とティース基部13との境界部24における周方向側の一端24aまたは他端24bとを結ぶ直線16a、16bよりもティース基部13側に配置されている。このため、上述した通り、コギングトルクを低減することができる。
(2)各相のティース10は、同数の第1のティース10aと第2のティース10bとから構成される。このため、電気的にもバランスが取れた状態となり、トルクリプルの増加も防止できる。
(3)ティース基部13の周方向の中心より周方向の一方側に配置された溝11とティース基部13の周方向の中心より周方向の他方側に配置された溝11とは、ティース基部13の周方向の中心に対して逆方向の同じ角度位置に配置されている。換言すると、第1のティース10aの溝11の周方向の幅の中心12とロータ3の回転中心とを結ぶ線と第1のティース10aの中心線とのなす角度と、第2のティース10bの溝11の周方向の幅の中心12とロータ3の回転中心とを結ぶ線と第2のティース10bの中心線とのなす角度は、逆位相で等しい。このため、第1のティース10aが作るコギングトルク波形と第2のティース10bが作るコギングトルク波形との打ち消しがより確実となる。
−第2の実施形態−
図4は、本発明の第2の実施形態を示し、図2に対応する図である。
第2の実施形態のモータ100では、ステータコア2の、第1のティース10aと第2のティース10bそれぞれが、ステータコア2の全周の中、半周、換言すれば、180°の範囲に亘って、連続して配列されている。
すなわち、U1V1W1相のティース10とU2V2W2相のティース10とが第1のティース10aとされ、U3V3W3相のティース10とU4V4W4相のティース10とが第2のティース10bとされている。
第2の実施形態における他の構成は、第1の実施形態と同様であり、対応する構成に同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態においても、全ティース10の半数が第1のティース10aであり、残りの半数が第2のティース10bである。また、UVW各相における、第1のティース10aと、第2のティース10bの数は、同数である。
従って、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
−第3の実施形態−
図5は、本発明の第3の実施形態を示し、図2に対応する図である。
第3の実施形態のモータ100では、ステータコア2の、第1のティース10aと第2のティース10bが、2つずつ連続して配置され、かつ、ステータコア2の周方向に沿って、第1のティース10a群と第2のティース10b群とが、交互に、入れ替わって配列されている。換言すれば、12スロットの場合、60°毎に、第1のティース10aと第2のティース10bとが入れ替わっている。
つまり、図5に図示されるように、U1、V1、V2、W2、W3、U4相のティース10が第1のティース10aとされ、W1、U2、U3、V3、V4、W4相のティース10が第2のティース10bとされている。
第3の実施形態における他の構成は、第1の実施形態と同様であり、対応する構成に同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施形態においても、全ティース10の半数が第1のティース10aであり、残りの半数が第2のティース10bである。また、UVW各相における、第1のティース10aと、第2のティース10bの数は、同数である。
従って、第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
−第4の実施形態−
図6は、本発明の第4の実施形態を示し、図2に対応する図である。
第4の実施形態のモータ100では、ステータコア2の、第1のティース10aと第2のティース10bが、ステータコア2の周方向に沿って、1つずつ、交互に、入れ替わって配列されている。換言すれば、12スロットの場合、30°毎に、第1のティース10aと第2のティース10bとが入れ替わっている。
つまり、図6に図示されるように、U1、W1、V2、U3、W3、U4相のティース10が第1のティース10aとされ、V1、U2、W2、V3、U4、W4相のティース10が第2のティース10bとされている。
第4の実施形態における他の構成は、第1の実施形態と同様であり、対応する構成に同一の符号を付して説明を省略する。
第4の実施形態においても、全ティース10の半数が第1のティース10aであり、残りの半数が第2のティース10bである。また、UVW各相における、第1のティース10aと、第2のティース10bの数は、同数である。
従って、第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
−第5の実施形態−
図7は、本発明の第5の実施形態であり、軸方向に切断したステータコアのほぼ半分を示す斜視図である。
第5の実施形態では、ステータコア2の各ティース10は、該ティース10の周方向の異なる位置に溝11が形成された第1の領域(下段側の領域)R1と第2の領域(上段側の領域)R2とを有する。各ティース10の第1の領域R1と第2の領域R2とは、軸方向の異なる位置に設けられている。
各ティース10の第1の領域R1に設けられた溝11は、ティース10の周方向中心線に対して、一方側(反時計回転方向側)に設けられている。つまり、各ティース10の第1の領域R1は、第1の実施形態〜第4の実施形態に示された第1のティース10aに対応する。各ティース10の第2の領域R2に設けられた溝11は、ティース10の周方向中心線に対して、他方側(時計回転方向側)に設けられている。つまり、各ティース10の第2の領域R2は、第1の実施形態〜第4の実施形態に示された第2のティース10bに対応する。
第1の領域R1と第2の領域R2に形成された溝11の軸方向の長さは同一である。
第5の実施形態のステータコア2を効率的に作製する方法を示す。
先ず、電磁鋼板をティース10の周方向中心線に対して溝11が一方側に配置されるように、電磁鋼板を金型で打抜き、領域R1の積厚となるまで所定枚数積層し、ステータコア中間体を作成する。次に、前記金型で電磁鋼板を打抜き、表裏反転して領域R2の積厚分となるまで所定枚数、ステータコア中間体上に積層すればよい。
この方法では、電磁鋼板のすべてをティース10の周方向中心線に対して溝11が一方側となるように打抜けばよく、電磁鋼板をティース10の周方向中心線に対して溝11が他方側となるように打抜く必要がない。従って、金型費を節減することが可能であり、また、打抜き工程の能率化を図ることができる。
第5の実施形態においても、全ティース10の半数が第1のティース10aであり、残りの半数が第2のティース10bである。また、UVW各相における、第1のティース10aと、第2のティース10bの数は、同数である。
従って、第5の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
−第6の実施形態−
図8は、本発明の第6の実施形態であり、軸方向に切断したステータコアのほぼ半分を示す斜視図である。
第6の実施形態でも、第5の実施形態と同様、ステータコア2の各ティース10は、該ティース10の周方向の異なる位置に溝11が形成された第1の領域(下段側の領域)R1と第2の領域(上段側の領域)R2とを有する。また、各ティース10の第1の領域R1と第2の領域R2とは、軸方向の異なる位置に設けられている。
しかし、第6の実施形態では、第1の領域R1に形成される溝11の周方向の位置は、すべてのティース10に対して同一ではない。また、第2の領域R2に形成される溝11の周方向の位置は、すべてのティース10に対して同一ではない。第1の領域R1および第2の領域R2は、それぞれ、溝11が周方向の異なる位置に形成されたティース10を有している。
つまり、ステータコア2の各ティース10に形成される溝11の周方向の位置は、第1の領域R1においては、第1の実施形態と同一である。また、第2の領域R2においては、第1の実施形態におけるUVW相の溝位置配列を、反時計回転方向に90°回転した配列となっている。
第1の領域R1と第2の領域R2に形成された溝11の軸方向の長さは同一である。
第6の実施形態のステータコア2を効率的に作製する方法を示す。
先ず、電磁鋼板を金型で打抜き、領域R1の積厚となるまで所定枚数積層し、各ティース10の溝11が第1の実施形態の配列とされたステータコア中間体を作成する。次に、前記金型で電磁鋼板を打抜き、90度反時計回転方向に回転して、領域R2の積厚分となるまで所定枚数、ステータコア中間体上に積層すればよい。
この方法では、電磁鋼板のすべてを、各ティース10の溝11の配列が第1の実施形態と同じとなるように打抜けばよく、各ティース10の溝11の配列がこれとは異なるように打抜く必要がない。従って、金型費を節減することが可能であり、また、打抜き工程の能率化を図ることができる。
第6の実施形態においても、全ティース10の半数が第1のティース10aであり、残りの半数が第2のティース10bである。また、UVW各相における、第1のティース10aと、第2のティース10bの数は、同数である。
従って、第6の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
−第7の実施形態−
図9は、本発明の第7の実施形態であり、軸方向に切断したステータコアのほぼ半分を示す斜視図である。
第7の実施形態では、各ティース10の溝11は、ティース10の周方向中心線に対して、一方側および他方側それぞれに2つずつ形成されている。
図示の例では、各ティース10の第1の領域R1(下から2段目)および第3の領域(最上段)は、ティース10の周方向中心線に対して、一方側(反時計回転方向側)に設けられている。つまり、第1の実施形態〜第4の実施形態に示された第1のティース10aに対応する。各ティース10の第2の領域R2(上から2段目)および第4の領域(最下段)に設けられた溝11は、ティース10の周方向中心線に対して、他方側(時計回転方向側)に設けられている。つまり、第1の実施形態〜第4の実施形態に示された第2のティース10bに対応する。
第1の領域R1と第3の領域R3に形成された溝11の軸方向の長さの合計は、第2の領域R2と第4の領域R4に形成された溝11の軸方向の長さの合計と同一である。
溝11が同一位置の領域の、当該溝11の軸方向の長さの合計が等しいようにすれば、軸方向に形成する領域の段数は、さらに、増加してもよい。
第7の実施形態のステータコア2を効率的に作製するには、第5の実施形態のステータコア2の作製方法に準ずればよい。
つまり、電磁鋼板をティース10の周方向中心線に対して溝11が一方側に配置されるように、電磁鋼板を金型で打抜き、領域R4の積厚となるまで所定枚数積層し、ステータコア中間体4を作成する。次に、前記金型で電磁鋼板を打抜き、表裏反転して領域R1の積厚となるまで所定枚数、ステータコア中間体4上に積層し、ステータコア中間体1を作成する。次に、前記金型で電磁鋼板を打抜き、領域R2の積厚となるまで所定枚数、ステータコア中間体1上に積層し、ステータコア中間体2を作成する。最後に、前記金型で電磁鋼板を打抜き、表裏反転して領域R3の積厚となるまで所定枚数、ステータコア中間体2上に積層すればよい。
この方法では、電磁鋼板のすべてをティース10の周方向中心線に対して溝11が一方側となるように打抜けばよく、電磁鋼板をティース10の周方向中心線に対して溝11が他方側となるように打抜く必要がない。従って、金型費を節減することが可能であり、また、打抜き工程の能率化を図ることができる。
第7の実施形態においても、全ティース10の半数が第1のティース10aであり、残りの半数が第2のティース10bである。また、UVW各相における、第1のティース10aと、第2のティース10bの数は、同数である。
従って、第7の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
−第8の実施形態−
図10は、本発明の第8の実施形態であり、軸方向に切断したステータコアのほぼ半分を示す斜視図である。
第8の実施形態では、第6の実施形態(図8)に示すステータコア2を2段重ねて反時計回転方向に90度回転した構造を有する。第8の実施形態においても、第7の実施形態と同様、各ティース10の溝11は、ティース10の周方向中心線に対して、一方側および他方側それぞれに2つずつ形成されている。第7の実施形態では、第1〜第4の領域R1〜R4のそれぞれにおいては、各ティース10に形成される溝11の周方向の位置は、各領域内では同一であった。しかし、第8の実施形態では、第1の領域R1に形成される溝11の周方向の位置は、すべてのティース10に対して同一ではない。同様に、第2の領域R2〜第4の領域R4それぞれに形成される溝11の周方向の位置は、すべてのティース10に対して同一ではない。
各ティース10の第1の領域R1(下から2段目)および第3の領域(最上段)では、各ティース10に形成される溝11の周方向の位置は、第1の実施形態と同一である。また、各ティース10の第2の領域R2(上から2段目)および第4の領域(最下段)に設けられた溝11の周方向の位置は、第1の実施形態におけるUVW相の溝位置配列を、反時計回転方向に90°回転した配列となっている。
第1の領域R1と第3の領域R3に形成された溝11の軸方向の長さの合計は、第2の領域R2と第4の領域R4に形成された溝11の軸方向の長さの合計とは、同一である。
溝11の周方向の位置が同一位置の領域の、当該溝11の軸方向の長さの合計が等しいようにすれば、軸方向に形成する領域の段数は、さらに、増加してもよい。
第8の実施形態のステータコア2を効率的に作製するには、第6の実施形態のステータコア2の作製方法に準ずればよい。
つまり、電磁鋼板を金型で打抜き、領域R1の積厚となるまで所定枚数積層し90度反時計回転方向に回転させることで、各ティース10の溝11が第1の実施形態の配列を90度反時計回転方向に回転したステータコア中間体4を作成する。次に、前記金型で電磁鋼板を打抜き、90度時計回転方向に回転して、領域R1の積厚分となるまで所定枚数、ステータコア中間体4上に積層し、ステータコア中間体1を作成する。次に、前記金型で電磁鋼板を打抜き、90度反時計回転方向に回転して、領域R2の積厚分となるまで所定枚数、ステータコア中間体1上に積層し、ステータコア中間体2を作成する。最後に、前記金型で電磁鋼板を打抜き、90度時計回転方向に回転して、領域R3の積厚分となるまで所定枚数、ステータコア中間体2上に積層すればよい。
この方法では、電磁鋼板のすべてを、各ティース10の溝11の配列が第1の実施形態と同じとなるように打抜けばよく、各ティース10の溝11の配列がこれとは異なるように打抜く必要がない。従って、金型費を節減することが可能であり、また、打抜き工程の能率化を図ることができる。
第8の実施形態においても、全ティース10の半数が第1のティース10aであり、残りの半数が第2のティース10bである。また、UVW各相における、第1のティース10aと、第2のティース10bの数は、同数である。
従って、第8の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
−第9の実施形態−
図11は、本発明の第9の実施形態を示し、図11(a)は、図2に対応する図である。
上記各実施形態では、コギングトルクを低減するために、ステータ1のティース10に形成する高磁気抵抗部として、溝11を設ける構造として例示した。
図11(a)は、溝11以外の高磁気抵抗部を有するステータ1を備えたモータ100の一例を示す。
高磁気抵抗部11Aは、各ティース10のティース対向部14に形成されている。しかし、高磁気抵抗部11Aは、ティース10の内周側の先端面21に露出しておらず、ティース対向部14の内方に形成されている。
第1のティース10aおよび第2のティース10bそれぞれの高磁気抵抗部11Aの周方向の位置は、第1の実施形態と同一である。すなわち、第9の実施形態は、第1の実施形態における第1のティース10aおよび第2のティース10bそれぞれの溝11を、高磁気抵抗部11Aに置き換えたものである。
高磁気抵抗部11Aの一例としては、ティース10を軸方向に貫通する開口(孔)とすることができる。
また、高磁気抵抗部11Aの他の例として、電磁鋼板を屈曲部して形成することもできる。図11(b)は、電磁鋼板の一部を屈曲することにより高磁気抵抗部を形成したステータの一例を示す断面図である。
ステータコア2を形成する各電磁鋼板25は、下面から突出する突出部26を有する。各電磁鋼板25の突出部26の反対側は凹部26aが形成されている。各電磁鋼板25の突出部26は、下方の電磁鋼板25の凹部26aに嵌入されている。図11では、凹部26aの径と、突出部26の径とを締まり嵌めとしてかしめた構造として例示されている。この構造では、各電磁鋼板25の積層強度を高めることができる。但し、凹部26aの径と、突出部26の径とを締まり嵌めとする必要はなく、隙間嵌めや中間嵌めとしてもよい。要は、電磁鋼板25の一部を屈曲させればよい。
第9の実施形態における他の構成は、第1の実施形態と同様であり、対応する構成に同一の符号を付して説明を省略する。
電磁鋼板に設けた開口や屈曲部は、溝11と同様、ステータコア2よりも磁気抵抗が高い高磁気抵抗部として作用する。従って、第9の実施形態においても第1の実施形態(1)〜(3)と同様な効果を奏する。
なお、第9の実施形態は、第1の実施形態の態様に限られるものではなく、第2の実施形態〜第7の実施形態のいずれの態様にも適用することができる。すなわち、第9の実施形態の高磁気抵抗部11Aを、第2の実施形態〜第8の実施形態の溝11に替えたステータコア2を有するモータ100とすることができる。
−第10の実施形態−
図12は、本発明の第10の実施形態を示し、図3に対応する図である。
第10の実施形態では、ステータコア2の各ティース対向部14の内周側の先端面21からロータ3側に突出する突起17が設けられている。
突起17は、駆動軸7の回転中心15とティース10の周方向の中心とを結ぶ直線を中心として線対称に形成されている。突起17を形成することにより、磁束が突起17に吸収され易くなり、スロット開口22aへの漏れ磁束が低減する。
なお、第10の実施形態は、第1のティース10aおよび第2のティース10bそれぞれに形成される溝11の位置は、第1の実施形態と同一の態様として例示されている。しかし、第10の実施形態に示す各ティース10のティース対向部14に突起17を形成する態様は、第1の実施形態に限らず、第2の実施形態〜第9の実施形態のいずれに対しても適用することができる。
第10の実施形態の他の構成は、第1の実施形態と同様であり、対応する構成に同一の符号を付して説明を省略する。
従って、第10の実施形態においても第1の実施形態(1)〜(3)と同様な効果を奏する。また、第10の実施形態では、磁束が突起17に吸収され易くなり、スロット開口22aへの漏れ磁束が低減するので、コギンストルクの低減をより効果的にすることができる。
図13は、本発明の第1の実施形態および第10の実施形態と、比較品とのトルク、コギングトルクおよびトルクリプルの効果の差を示す図である。図13は、磁界解析によるシミュレーションを用いて計算した結果を示す。
図13における比較品1は、従来の2段スキューしたロータの永久磁石型のモータであり、比較品2は、ティース対向部の内周側の先端面に2つの溝、すなわち、ティース中心線を挟んで一方向と他方向にそれぞれ溝を設けたステータを有するモータである。
図13では、比較品1を基準として、比較品2、第1の実施形態および第10の実施形態のトルク、コギングトルク、トルクリプルの比率を示している。
この図から、比較品1および比較品2のいずれに対しても、第1の実施形態および第10の実施形態のコギングトルクは小さいことが確認できる。また、第1の実施形態および第10の実施形態のトルクリプルは、比較品2と同等程度に小さいことが確認できる。これらより、本発明の効果を確認することができた。また、各ティース対向部14に突起17を形成する第10の実施形態は、突起17を形成しない第1の実施形態よりも、コギングトルクを小さくすることができることが確認された。
なお、第1の実施形態および第10の実施形態において、コギントルクとトルクリプルとの関係は、調整することも可能であり、例えば、コギントルクの低減効果を少し犠牲にしてトルクリプルの低減効果を図13に図示された数値よりも向上することもできる。
上述した第1の実施形態〜第10の実施形態では、ステータコア2のティース10に、高磁気抵抗部を形成してコギングトルクを低減する例を示すものであった。しかして、ステータコア2のティース10に高磁気抵抗部を形成する上記各実施形態の構造に、さらに、別の構造を適用して、コギングトルクをより効果的に低減することが可能である。
以下、このような付加的構造について説明する。
−第11の実施形態−
図14は、本発明の第11の実施形態を示し、図1に対応する図である。
第11の実施形態では、ステータコア2の軸方向の長さ(電磁鋼板の積層厚さ)LSがロータ3の磁石長さ(軸方向の長さ)LMより長くなっており、かつ、ステータコア2の軸方向の各端部がロータ3の軸方向の両端面より外方に延在されている。つまり、ステータコア2がロータ3の永久磁石5に対してオーバハングしている。これにより、軸方向端面からのステータコアへの磁束の回り込みを抑制することができ、軸方向端部で発生するコギングトルクを低減することができる。
第11の実施形態は、第1の実施形態〜第10の実施形態のいずれにも適用することができる。
−第12の実施形態−
図15は、本発明の第12の実施形態を示し、図15(a)は、図2に対応する図であり、図15(b)は、図15(a)の変形例であり、図15(a)における領域XVbの拡大図である。
第12の実施形態では、磁石回り止め50Aを非磁性材料により形成し、該磁石回り止め50Aにより永久磁石5間の隙間から露出するロータコア4を覆う構造を有する。非磁性材料には、真鍮、チタン、ステンレス等の金属や樹脂を用いることができる。磁石回り止め50Aは、例えば、永久磁石5間から露出するロータコア4に接着により固定する。
あるいは、図15(b)に図示されるように、永久磁石5間から露出するロータコア4に凹部28を形成し、該凹部28に楔29を打ち込む構造とすることができる。
第12の実施形態では、非磁性材料により形成された磁石回り止め50Aにより、永久磁石5間の隙間に対応するロータコア4の部分への漏れ磁束を低減することができ、コギングトルクを、さらに低減することができる。
なお、第12の実施形態は、第1の実施形態〜第11の実施形態のいずれにも適用することができる。
−第13の実施形態−
上記各実施形態に示すモータ100を、複数のインバータで駆動するようにしてもよい。次に、モータ100を複数のインバータで駆動する分散インバータ駆動方式について説明する。
図16は、本発明の第13の実施形態を示し、モータを複数のインバータで駆動する分散インバータ駆動システムを説明するための図である。
図16では、モータ100を2つのインバータ41、42により駆動する場合の接続図として例示されている。UVW各相の巻線は、U1、U2、V1、V2,W1、W2の第1の巻線と、U3、U4、V3、V4,W3、W4の第2の巻線との二組に分割されている。第1の巻線は第1のインバータ41により駆動され、第2の巻線は第2のインバータ42により駆動される。
第1のインバータ41により給電されるUVW各相の固定子コイル9と、第2のインバータ42により給電されるUVW各相の固定子コイル9は、それぞれ、第1のティース10aと第2のティース10bに対応する固定子コイルを同数、有することが好ましい。このようにすることにより、第1、第2のインバータ41、42の一方が故障した際、他方のインバータで駆動する際にも、UVW各相が同数の第1のティース10aと第2のティース10bとを有しているため電気的バランスが保たれ、トルクリプルの増加を抑えて、コギングトルクを低減することができる。
上記では、各相の巻線を二組に分割して、2つのインバータで駆動する2分散駆動方式として例示したが、各相の巻線を四組に分割して、4つのインバータで駆動する4分散駆動方式としてもよい。
第13の実施形態は、第1の実施形態〜第12の実施形態のいずれにも適用することができる。
−第14の実施形態−
上記各実施形態では、本発明の回転電機を、表面磁石型のモータ100として例示した。しかし、本発明は、埋込磁石内蔵型のモータに適用することもできる。
図17は、本発明の第14の実施形態を示し、本発明を埋込磁石内蔵型モータに適用した場合の一例を示す、図2に対応する図である。
図17は、埋込磁石内蔵型のモータ100Aの一例を示す。
モータ100Aでは、永久磁石5Aは、ロータコア4Aに形成された開口部20に収容されている。従って、埋込磁石内蔵型のモータ100Aでは、表面磁石型のモータ100に設けられている磁石回り止め50は備えていない。ロータコア4Aは、各永久磁石5Aに対応する部分では、永久磁石5A間の部分より径大となっている。また、ロータコア4Aは、各永久磁石5Aに対応する部分では、永久磁石5Aの中央部に対応する部分が、永久磁石5Aの両端に対応する部分より径大の山形形状を有する。ステータ1の各ティース10の内周側の先端面21は、各永久磁石5Aの中央部に対応する部分のロータコア4Aの外周面から離間して配置されている。
ステータ1の各ティース10は、第1のティース10aと第2のティース10bとを含んでいる。第1のティース10aと第2のティース10bの配置を含め、第14の実施形態に示すモータ100Aの他の構成は、第1の実施形態と同様であり、対応する構成に同一の符号を付して説明を省略する。
従って、第14の実施形態においても、第1の実施形態1と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
また、表面磁石型のモータ100と比べて、埋込磁石内蔵型のモータ100Aは、遠心力による磁石の飛散を防止するための保護管(図示は無し)が不要となるため、エアギャップを小さくし、ギャップ磁束密度を大きくできる。その結果、高トルク化が期待できる。
なお、表面磁石型のモータ100を埋込磁石内蔵型のモータ100Aとする第14の実施形態の態様は、第1の実施形態に限らず、第2の実施形態〜第13の実施形態に対しても適用することができる。
−第15の実施形態―
図18は、本発明の第15の実施形態を示し、本発明をコンシクエントポール式永磁石型モータに適用した場合の一例を示す、図2に対応する図である。
コンシクエントポール式永磁石型のモータ100Bでは、永久磁石5Bは、ロータコア4Bの外周に設けられた凹部に固着されている。ロータコア4Bは軟磁性材料で形成されており、ロータコア4Bの永久磁石5B間には、突極部31が形成されている。突極部31は、永久磁石5Bと同様に、中央部分が両端部分より径大の山形形状を有し、永久磁石5Bにより形成される磁路により、結果的に永久磁石5Bと反対極になる疑似磁極である。ステータ1の各ティース10の内周側の先端面21は、各永久磁石5Bおよび突極部31に対応する部分の外周面から離間して配置されている。
ステータ1の各ティース10は、第1のティース10aと第2のティース10bとを備えている。第1のティース10aと第2のティース10bの配置を含め、第15の実施形態に示すモータ100Bの他の構成は、第1の実施形態と同様であり、対応する構成に同一の符号を付して説明を省略する。
従って、第15の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果(1)〜(3)を奏する。
また、表面磁石型モータと比べて、コンシクエントポール式永久磁石型のモータ100Bは、ロータ3の磁極が、軟磁性材料からなる疑似磁極と磁石とで構成されるため、使用磁石量を少なくすることができる。
なお、上記各実施形態では、8極12スロットのモータとして例示したが、任意の極数、スロット数のモータに本発明は適用することができる。
上記各実施形態では、集中巻のモータとして例示したが、分布巻のモータに本発明は適用することができる。
上記各実施形態では、ステータ1内に回転可能に配置されたロータ3を有するインナーロータ型のモータ100、100A、100Bとして例示した。しかし、本発明は、ステータ1外に回転可能に配置されたロータ3を有するアウターロータ型のモータに適用することができる。
上記各実施形態では、回転電機をモータ100、100A、100Bとして例示したが、本発明は、ジェネレータやジェネレータ/モータとして用いることができる。
上記各実施形態では、第1のティース10a(または第1の領域)と第2のティース10b(または第2の領域)に設けられた高磁気抵抗部11、11Aが、ティース10の周方向中心線に対し、周方向の反対方向に同じ角度φずれた位置に配置されているとして例示した。この条件は、コギングトルクの低減に対し好ましい条件である。しかし、必ずしも、ティース10の周方向中心線に対し、第1のティース10aと第2のティース10bに設ける高磁気抵抗部11、11Aを周方向の反対方向に同じ角度φずれた位置に配置しなくてもよい。第1のティース10aの高磁気抵抗部11、11Aと第2のティース10bの高磁気抵抗部11、11Aとは、ティース10の周方向中心線に対し、周方向の反対方向に異なる角度φ1、φ2ずれた位置に配置してもよい。このようにしても、各高磁気抵抗部11、11Aが、該高磁気抵抗部11、11Aの周方向における中心がロータ3の回転中心と、ティース対向部14とティース基部13との境界部24における周方向側の一端24aまたは他端24bとを結ぶ直線よりもティース基部13側に配置されている限り、本発明の効果を奏する。但し、第1のティース10aと第2のティース10bに設ける高磁気抵抗部11、11Aは、ティース10の周方向中心線上に配置することは避ける必要がある。
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。上記各実施形態を組み合わせたり、適宜、変形したりしてもよく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1 ステータ
2 ステータコア
3 ロータ
4、4A、4B ロータコア
5、5A、5B 永久磁石
10 ティース
10a 第1のティース
10b 第2のティース
11 溝(高磁気抵抗部)
11A 高磁気抵抗部
12 周方向の幅の中心
13 ティース基部(基部)
14 ティース対向部(対向部)
15 回転中心
17 突起
24 境界部
24a 一端(端部)
24b 他端(端部)
25 電磁鋼板
26 突出部(屈曲部)
41 第1のインバータ
42 第2のインバータ
100、100A、100B モータ
R1 第1の領域
R2 第2の領域

Claims (11)

  1. M極(Mは2以上の自然数)の永久磁石を有するロータと、前記永久磁石と径方向に空隙を介して対向するN個(Nは2以上の自然数)のティースを有するステータ、とを備え、複数相により駆動される回転電機において、
    前記複数のティースは、巻線が配置される基部と、径方向における前記基部と前記ロータとの間に配置され、前記基部の周方向の幅より大きく、かつ、周方向に突出する対向部と、により構成され、前記各ティースの前記対向部は、前記基部の周方向の中心から外れた位置に、前記ステータのコアよりも磁気抵抗が大きい高磁気抵抗部を有し、
    前記ティースは、前記高磁気抵抗部が前記基部の周方向の中心より周方向の一方側に配置された第1のティースと、前記高磁気抵抗部が前記基部の周方向の中心より周方向の他方側に配置された第2のティースとを含み、
    前記各高磁気抵抗部は、前記高磁気抵抗部の周方向における中心が前記ロータの回転中心と、前記対向部と前記基部との境界部における周方向側の端部とを結ぶ直線よりも前記基部側に配置されている、回転電機。
  2. 請求項1記載の回転電機において、
    前記各相のティースは、同数の前記第1のティースと前記第2のティースとから構成される、回転電機。
  3. M極(Mは2以上の自然数)の永久磁石を有するロータと、前記永久磁石と径方向に空隙を介して対向するN個(Nは2以上の自然数)のティースを有するステータ、とを備え、複数相により駆動される回転電機において、
    前記複数のティースは、巻線が配置される基部と、径方向における前記基部と前記ロータとの間に配置され、前記基部の周方向の幅より大きく、かつ、周方向に突出する対向部と、により構成され、前記各ティースの記対向部は、前記基部の周方向の中心から外れた位置に、前記ステータのコアよりも磁気抵抗が大きい高磁気抵抗部を有し、
    前記各ティースの前記対向部は、前記高磁気抵抗部が前記基部の周方向の中心より周方向の一方側に配置された第1の領域と、前記高磁気抵抗部が前記基部の周方向の中心より周方向の他方側に配置され、前記第1の領域とは軸方向の異なる位置に設けられた第2の領域とを有し、
    前記各高磁気抵抗部は、前記高磁気抵抗部の周方向における中心が前記ロータの回転中心と、前記基部と前記対向部との境界部の周方向における端部とを結ぶ直線よりも前記基部側に配置されている、回転電機。
  4. 請求項3に記載の回転電機において、
    前記各ティースは、同数の前記第1の領域と前記第2の領域を有する、回転電機。
  5. 請求項3に記載の回転電機において、
    前記各相のティースは、同数の前記第1の領域と前記第2の領域を有する、回転電機。
  6. 請求項1または請求項3に記載の回転電機において、
    前記基部の周方向の中心より周方向の一方側に配置された前記高磁気抵抗部と前記基部の周方向の中心より周方向の他方側に配置された前記高磁気抵抗部とは、前記基部の周方向の中心に対して逆方向の同じ角度位置に配置されている、回転電機。
  7. 請求項1または請求項3に記載の回転電機において、
    前記高磁気抵抗部は、前記各ティースに設けられた溝、開口または屈曲部である、回転電機。
  8. 請求項1または請求項3に記載の回転電機において、
    前記基部の周方向の中心線上における前記各ティースの対向部に、前記ロータ側に突出する突起が設けられている、回転電機。
  9. 請求項1または請求項3に記載の回転電機において、
    前記ステータの軸方向の端部は、それぞれ、前記永久磁石の軸方向の各端部から突出している、回転電機。
  10. 請求項1または請求項3に記載の回転電機において、
    前記ロータにおける前記永久磁石間のロータコアを覆う、非磁性材料から成る永久磁石位置決め部材が設けられている、回転電機。
  11. 請求項1または請求項3に記載の回転電機において、
    前記各相の前記巻線が複数に分割され、複数のインバータによる分散インバータ駆動により駆動される、回転電機。
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