JP2007138354A - 紙料離解装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】紙料容器101内に配置され第1孔141が形成された第1孔板131と、第1多孔板131の一面に対向し且つ第1孔131が形成されている領域である第1孔領域に対し近接して回転する第1離解羽根121と、第1多孔板131の他面に対向し且つ第1孔領域に近接して第1離解羽根121の回転中心C102を同心として回転するポンプ羽根と、紙料容器101内に配置され第2孔が形成された第2孔板と、第2多孔板の一面に対向し且つ第2孔が形成されている領域である第2孔領域に対し近接し第1離解羽根の回転中心を同心として回転する第2離解羽根と、第1離解羽根,ポンプ羽根および第2離解羽根を回転させる駆動源とを備えて構成する。
【選択図】図1
Description
この紙料離解装置500は、図14に示すように、紙料を収容する容器501の底部に多孔板503を備えている。また、この多孔板503には多数の孔が穿設され、また、その中心にはロータ502が配設されている。また、このロータ502には、外周側へ向けて6枚の離解羽根521が突設されている。なお、ロータ502及び多孔板503の構造は、紙料の離解の難易度に応じて、種々の形態に変更することが可能である。
より具体的には、図16に示すように、ロータ502が回転軸506の上端に固定されたフランジ502Aにシム561を介して取り付けられており、このシム561の枚数を増減したり、その厚さを変更したりすることで、多孔板503と離解羽根521との間の隙間を適宜調整できるようになっている。
また、図14に示すように、容器501の底部には、この容器501の中心から径方向に延在し且つ容器501の内部へ隆起して形成された転向板507が設けられており、ロータ502および離解羽根521の回転に伴って容器501内で生じる紙料の周方向流れが、この転向板507によって縦方向の流れに転向されるようになっている。
そして、所定時間ロータ502を回転させた後に、多孔板503の裏側に設けられたチャンバ509の出口管505に設けられたバルブ(図示略)を開放することで、この出口管505を通じて紙料が外部に排出できるようになっている。
この紙料離解装置600は、図17に示すように、径方向に延びる複数の長孔614が、多孔板603に形成されており、また、この多孔板603の裏面(即ち、離解羽根621に対向する面とは反対側の面)において、長孔614よりも外周側に、環状の固定刃681が取り付けられている。
この紙料離解装置600の構造によれば、ロータ602が回転することで、離解羽根621と多孔板603との間の隙間に流入した紙料が、離解羽根621の下縁と長孔614の周縁とによって引き裂かれることにより、離解処理が行なわれるようになっている。
このように、所定時間ロータ602を回転させることで離解処理が完了すると、多孔板603の裏側に設けられたチャンバ609の出口管(図示略)に設けられたバルブ(図示略)が開放され、離解済みの紙料が排出されるようになっている。
この図18に示すように、多孔板703には複数の丸孔714が形成されている。また、ロータ702のフランジ702Aは、ロータ702の中心軸C402側から多孔板703の裏面に延在するように形成されている。
そして、この紙料離解装置700の構造によれば、ロータ702が回転することで、離解羽根721と多孔板703との間の隙間に流入した紙料が、離解羽根721の下縁と丸孔714の周縁との間で引き裂かれることにより離解される。
なお、上述の図14〜図16に示す従来の紙料離解装置に関する技術については、以下の特許文献1に開示されている。
しかしながら、これらの紙料離解装置500および600において、離解羽根521,621による攪拌力が弱い場合には、多孔板503,603における孔514,614が形成されている部分(作用部分)に紙料を集中させることは困難である。これは、離解羽根521,621による攪拌力が弱いと、紙料が浮き上がってしまうことによるものである。
また、希釈液に対する紙料の濃度が高い場合には、ロータ502,602を回転させるために大きな駆動トルクが求められるが、このような場合に、駆動トルクをさらに増大することは現実的ではなく、結局は、離解処理が不十分となったり、あるいは、離解処理に要する時間が長くなったりするといった事態を招くことになる。
また、図16に示す従来の紙料離解装置500においては、離解羽根521と多孔板503との間の隙間において紙料を離解することを狙っているが、この紙料離解装置500における紙料は、周方向の流れよりも径方向の流れが強いため、紙料は、外周側へ集められてしまい、離解羽根521と多孔板503との間の隙間に流入することが困難である。
しかしながら、固定刃681と回転刃682とが対向する部分(作用部分)が、ロータ602の回転中心から離れた外周側に設けられているため、ロータ602を回転させるための駆動トルクを増大させることが必要となってしまう。
このため、紙料離解装置600においては、固定刃681および回転刃682よりも内周側において、未離解紙料が堆積しやすいという課題もある。
しかしながら、この紙料離解装置700において、ポンプ羽根725の刃725Bの回転軌跡上に位置しない部分に形成された丸孔714を通じてチャンバ709内に流入した紙料は、多孔板703およびポンプ羽根725による離解処理を経ずに、そのまま循環口760を通じて容器に戻るため、離解効果が高いとは言いがたく、また、ポンプ羽根725の刃725Bと多孔板703とにより離解処理が施された紙料も、循環口760を通じて容器に戻り、再度、離解処理が施されることとなるため、離解効率が良いとは言えない。
本発明は、上記の課題に鑑み創案されたものであり、離解処理に要する動力を抑制しながら、高い離解効果を得られる紙料離解装置を提供することを目的とする。
また、請求項3に係る本願発明の紙料離解装置は、請求項1記載の内容において、上記第1離解羽根の上方には、第4離解羽根が設けられ、上記第4離解羽根は、上記第1離解羽根の回転中心からその外周端までの距離が上記第1離解羽根の回転中心から上記第1離解羽根の外周端までの距離よりも短く且つその高さが上記第3離解羽根の高さよりも低くなるように形成されていることを特徴としている。
また、請求項5に係る本願発明の紙料離解装置は、請求項1〜4いずれか1項記載の内容において、上記第2離解羽根は、上記第2孔板に向けて突出する刃部を備え、上記第2離解羽根の刃部は、上記第2孔板に対する隙間がその後流側ほど徐々に広くなるように形成されていることを特徴としている。
また、請求項7に係る本願発明の紙料離解装置は、請求項1〜6いずれか1項記載の内容において、上記第1孔は、上記第1孔板の略径方向に延びる長孔として形成され且つその長手方向軸線が上記第1離解羽根に対して0よりも大きく20度以下の範囲で傾斜して形成されていることを特徴としている。
また、請求項9に係る本願発明の紙料離解装置は、請求項1〜7いずれか1項記載の内容において、上記第2孔は、略真円の丸孔として形成されていることを特徴としている。
上記第2離解羽根は、上記円筒状の第2孔板の内周側で回転することを特徴としている。
また、請求項12に係る本願発明の紙料離解装置は、請求項6記載の内容において、上記第1孔は、3〜40mmの孔幅に形成されるとともに、上記第2孔は、0.15〜16mmの孔幅に形成され、上記第1および第2孔板の開口率は10〜50%となるように設定されていることを特徴としている。
また、請求項14に係る本願発明の紙料離解装置は、請求項1〜13いずれか1項記載の内容において、上記第2孔板の一面とは反対側の他面側に配設された通路であって上記第2孔板の一面側から他面側へ第2孔を通過した紙料を外部に排出する出口管を備えるとともに、上記第1孔板は、上記第1孔領域よりも外周側に穿設され上記第1孔板の他面側と上記容器内とを連通させる循環口を有することを特徴としている。
また、第1離解羽根の上方に第4離解羽根を設けることで、容器内に希釈液とともに投入された紙料をより良好に攪拌し離解することが可能となる。〔請求項3および請求項4〕
また、第2離解羽根に設けられた刃部は、第2孔板に対する隙間がその後流側ほど徐々に広くなるように形成されているため、刃部と第2孔板との間で負圧を発生させることが可能となり、これにより、第2孔板に形成された第2孔内に紙料が詰まることを防止することができる。〔請求項5〕
また、第1孔を、上記第1孔板の略径方向に延びる長孔として形成し、且つ、その長手方向軸線を、第1離解羽根に対して0よりも大きく20度以下の範囲で傾斜するように設定することで、回転中の第1離解羽根が、第1孔に対して所定の角度を維持した状態で通過するようにできる。つまり、第1離解羽根と長孔である第1孔とを鋏の両刃の如く協働させることが可能となり、第1離解羽根と第1孔との間(第1作用部分)において、大きな力で紙料を引き裂くことが可能となり、離解効率を向上させることができる。〔請求項7〕
また、回転軸を長手方向中心軸とする円筒状に第2孔板を形成し、この円筒状の第2孔板の内周側で第2離解羽根が回転するようにすることで、紙料に対して遠心力を作用させることが可能となり、より多くの紙料を円筒形状の第2孔板に対してガイドすることができる。〔請求項10〕
また、第2離解羽根の刃部を複数枚設けることで、離解処理の効率をより高めることができる。また、第2離解羽根の刃部の間にはそれぞれ溝部が形成されているので、この溝部において負圧を発生させて、第2孔板に形成された第2孔内に紙料が詰まることを防止することができ、さらに、第2孔を通過できず第2孔板上に堆積した紙料を、この溝部を通じて外周側に吹き飛ばすこともできる。〔請求項11〕
また、第3および第4離解羽根の外縁部と第1離解羽根の上面部との成す角度を直角または鋭角となるように形成することで、第3および第4離解羽根の外縁上端を尖った形状にすることが可能となり、紙料を良好に引き裂いて効率よく離解処理を行なうことができる。〔請求項13〕
図1は本実施形態に係る紙料離解装置100の全体構成を示す模式的な上面図、図2はその中心近傍を示す模式的な拡大図、図3は図1のIII−III矢視断面図、図4はその要部を示す模式的な断面図、図5はポンプ羽根を示す模式的な平面図、図6は第2離解羽根を示す模式的な平面図、図7は図4の模式的なVII−VII矢視断面図、図8および図9はその要部構成を示す模式的な斜視図、図10は第1孔を主に示す平面図である。なお、図4に示す紙料離解装置100の要部構成(符号100A)を、以下、「攪拌離解部」という名称で説明する場合がある。
また、容器101の底部101bには、第1多孔版(第1孔板)131およびチャンバ109が固定されており、また、このチャンバ109に対しては、第2多孔板(第2孔板)132が取り付けられている。
また、図4に示すように、このチャンバ109の中心には、回転軸106が挿入されるスリーブ109Aが形成されている。なお、この回転軸106の軸心C102は、後述するロータ102の回転中心軸と一致している。
容器101の内側には、転向板111Aと旋回防止板111Bとが形成されている。
第1多孔版131は、中央に開口を有する環状の一枚板であって、ロータ102の回転中心である軸心C102を同心として水平に配設されている。また、この第1多孔板131には、複数の長孔(第1孔)141および循環口160が穿設されている。
図10に示すセグメント131Aにおいて、最も右側に形成されている第1孔141A1は、第1離解羽根121の前下縁121bがこの第1孔141A1に交差した状態において、その長手方向軸線C141A1と第1離解羽根121の前下縁121bとの角度α121bが、0度よりも僅かに大きい角度(例えばα121b≒1°)で交差するように形成されている。
また、図10に示すセグメント131Aにおいて、最も左側に形成されている第1孔141A11の長手方向軸線C141A11と第1離解羽根121の前下縁121bとの角度α121bは、約20度となる。
そして、このように各第1孔141A1〜141A11を形成することにより、第1離解羽根121が回転した際に、第1離解羽根121の前下縁121bが各第1孔141A1〜141A11に対して斜めに交差して通過するようにでき、第1離解羽根121と各第1孔141A1〜141A11とを鋏の両刃の如く協働させることができるようになっている。
第1多孔板131の中心には、軸心C102を同心とし、第1多孔板131に対して相対回転できるようにロータ102が配設されている。
また、この回転軸106の先端部には、ロータ102のフランジ102Aを支持するロータスリーブ102Bが挿入されており、また、ロータ102の上端部に取り付けられたカバー190を介して、ロータ102と回転軸106とはボルト191により固定されている。
このうち、第1離解羽根121の回転領域A121は、軸心C102を中心とし且つロータ102の軸心C102から第1離解羽根121の外周端121cまでを半径とする外円R121OUTと、軸心C102を中心とし且つ軸心C102から第1離解羽根121の内周端121dまでを半径とする内円R121INとの間で囲まれることによって定義される領域である。
つまり、この第1離解羽根121の回転領域A121は、第1多孔板131の第1多孔領域A141を全て包含するようになっている。
図1に示すように、6枚の第1離解羽根121の上には、第3離解羽根123および第4離解羽根124が、それぞれ、交互に設けられている。
また、この第3離解羽根123は、その外縁部123bと、第1離解羽根121の上面部121dとの成す角度α123が直角になるように形成されている。なお、これらの第3離解羽根123の外縁部123bと第1離解羽根121の上面部121dとの成す角α123は、直角または鋭角となるように設定することで、紙料の離解効率を向上させることができることが、発明者の研究により判明している。
また、フランジ102Aとポンプ羽根125との間にはシム152が介装されており、このシム152の厚さを変更することで、第1多孔板131とポンプ羽根125との間の距離を適宜調整することができるようになっている。なお、発明者の研究によれば、この第1多孔板131とポンプ羽根125との距離を約0.5〜5mm程度に設定することで、高い離解効果が得られることがわかっている。
このポンプ羽根125は、図4に示すように、環状の基体125Aと、この基体125Aの上面において一定の間隔で複数形成された刃125Bとから構成されている。
また、これらの刃125bは、第1多孔領域A141を包含する領域を占めるように基体125a上において形成されている。なお、このポンプ羽根125には、フランジ102Aとこのポンプ羽根125とを接続するためのボルト180が挿入されるボルト穴125Cも穿設されている。
また、この第2多孔板132は、出口管105の上方に配設され、チャンバ109内に形成された座台109C,109Dに対してボルト182,182により固定されている。また、この第2多孔板132の上面(一面)132aに近接して後述する第2離解羽根122が回転するようになっている。
これは、斜面122a1を形成することにより第2離解羽根122が回転する際に生じる流れ抵抗を減少させ、また、直立面122a2を形成することより第2離解羽根122による離解効果を減少させないように工夫しているものである。
本実施形態に係る紙料離解装置100は上述のように構成されており、この紙料離解装置100が作動することによって以下のような作用が生じ、また、種々の効果を得ることができる。
このとき、第1離解羽根121は第1多孔板131の上面131aに近接した状態で回転し、また、ポンプ羽根125は第1多孔板131の下面131bに近接した状態で回転する。
そして、ロータ102が回転すると(図7中矢印R121参照)、第1離解羽根121の上前縁121aおよび第3離解羽根123の上前縁123aが、容器101内の紙料が効率よく引き裂かれる。特に、第3離解羽根123の頂部(外縁上端)123cおよび第4離解羽根124の頂部(外縁上端)124cは、それぞれ、尖った形状に形成されているため、容器101内の紙料を鋭く引き裂くことができる。
一方、ロータ102が回転すると、ポンプ羽根125も軸心C102を中心に回転し、これにより、紙料に対して遠心力を作用させることができる。その結果、チャンバ109内(より詳しくは、ポンプ羽根125における刃125Bと刃125Bとの間に形成された溝部G125)に存する紙料が強制的に外周に送出され、ポンプ羽根125の溝部G125内の圧力が低下する。そして、容器101内の紙料が、ポンプ羽根125の旋回領域上に形成された第1多孔板131の複数の第1孔141を通じて、圧力の低下したポンプ羽根125の溝部G125内に強制的に導入される。
もっとも、この丸穴142の内径は、第1多孔板131に形成された第1孔141の内径よりも小さくなるように形成されているため、第1孔141を通過できる程度には離解されたものの、第2孔142を通過できる程度には離解されていない紙料(以後、「半離解紙料」という)が、この第2多孔板132の上面132aに堆積し、他方、十分に離解されてその大きさが細かくなった紙料のみが、この丸穴142を通過し、離解済紙料として出口管105を通じて排出される。
なお、この第2離解羽根122が回転することにより、紙料の離解が促進されるだけではなく、第2多孔板132上に紙料が残留することを防ぐこともできる。つまり、第2多孔板132に形成された複数の丸穴142は、その内径が小さく、この丸穴142を通過できない紙料は、第2多孔板132上に残留することになる。しかし、本実施形態に係る紙料離解装置100においては、第2離解羽根122が軸心C102を中心に回転するので、第2多孔板132上に残留した紙料を取り除くことができ、その後、この紙料を遠心力によりチャンバ109内の選別部109F内の外周側に送出することができるのである。
つまり、半離解紙料はチャンバ109の選別部109Fに一時的に滞留するが、ポンプ羽根125および第2離解羽根122が回転することにより生じた選別部109F内の圧力により、この選別部109Fから第1多孔板131に形成された循環口160を通って容器101内へ送出されるのである。
また、ポンプ羽根125が回転することにより生じる吸引効果により、容器101から第1孔141を通じてチャンバ109内に吸引される紙料を、第3離解羽根123および第4離解羽根124により攪拌するとともに引き裂くことができるため、ロータ102の回転速度を高めずとも、紙料の離解効率を向上させることができ、省エネルギー化にさらに寄与することが可能となる。
また、第1孔141の孔面積よりも小さな孔面積となるように、第2孔142を形成しているので、第1孔141を通過できるほどの大きさに粗離解処理された紙料のみを第2多孔板132に到達させ、その後、第2孔142を通過できるほどの大きさに細離解処理された紙料のみを離解済紙料として、出口管105を通じて外部に排出することができる。
また、複数の第2離解羽根122の間にはそれぞれ溝部G122を形成することで、この溝部G122において負圧を発生させることが可能となり、第2多孔板132に形成された第2孔142内に紙料が詰まることを防止することができ、さらに、第2孔142を通過できず第2多孔板132上に堆積した半離解紙料を、この溝部G122を通じて選別部109Fの外周側に吹き飛ばすこともできる。
また、第3および第4離解羽根123,124の外縁部123b,124bと第1離解羽根121の上面部121Aとの成す角度α123,α124を直角または鋭角となるように形成することで、第3および第4離解羽根123,124の外縁上端123b,124bを尖った形状にすることが可能となり、紙料を良好に引き裂いて効率よく離解処理を行なうことができる。
さらに、第1多孔板131において第1多孔領域A141よりも外周側に穿設され、第1多孔板131と容器101とを連通させる循環口160を形成することにより、第1孔141を通過できるほどの大きさに離解されたものの、第2孔142を通過できるほどには細かく離解されていない紙料(即ち、半離解紙料)を、容器101内に戻すことが可能となり、連続運転による離解処理を行なうことができる。
以上、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、以下、いくつかその変形例について説明する。
図11は、上述の実施形態に係る紙料離解装置100の変形例としての紙料離解装置200の要部を模式的に示す断面図である。
本変形例における第3離解羽根223が、上述の実施形態における第3離解羽根123(図4参照)と異なるのは、その外縁部123bの一部に切り欠き部223dが形成されている点である。
また、本変形例における第2多孔板232が、上述の実施形態における第2多孔板132(図4参照)と異なるのは、軸心C102を長手方向の中心軸とする円筒状に形成され、且つ、その上端は外周方向へ水平に延在して形成されている点である。つまり、この第2多孔板232は、円筒状の壁面として形成された部分(円筒壁面部)232Aと、水平に延在した部分(水平部)232Bとから形成されているのである。
そして、この円筒壁面部232Aおよび水平部232Bには、それぞれ、複数の第2孔241が形成されている。なお、これらの第2孔241は、上述の実施形態と同様、略真円の丸孔として形成されている。
また、円筒状の第2多孔板232の内側で且つ第2離解羽根222の下方には、容器101とチャンバ209内とを連通させる循環管261が設けられている。また、チャンバ209の外周側には出口管205が設けられ、第2孔241を通過した紙料(即ち、離解済紙料)を外部に排出することができるようになっている。
そして、第2多孔板232に形成された第2孔241の孔径よりも小さく離解処理された紙料は、この第2孔241を通過し、その後、出口管205を通じて外部へ排出される。他方、第2孔241の孔径よりも大きい紙料は、循環口160を通じて容器101に戻されるか、或いは、円筒状の第2多孔板232の内側で且つ第2離解羽根222の下方に配設された循環管261を通じて、容器101に戻される。
図12は、上述の実施形態に係る紙料離解装置100の変形例としての紙料離解装置300の要部を模式的に示す断面図である。なお、この図12に示す、第1離解羽根121,第3離解羽根123,第1多孔板131,ポンプ羽根125の基体125Aおよび刃部125B,フランジ部102Aおよび第2多孔板132については、図7等を用いて説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
このうち、基体322Aは上面視において環状に形成されており、また、刃322Bは、基体322Aの下面において、軸心C102を略中心として放射線状で且つ直線状に形成されるとともに、それぞれが一定の間隔となるように形成されている。なお、この刃332Bは、例えば、ある程度大きな半径の円弧状に形成しても良い。また、この複数の刃322B,322Bとの間には、溝部G322が形成されている。
上述の実施形態や変形例として図1〜図12に図示した構成以外の変形例ついても念のため、以下のように説明する。
また、上述の実施形態においては、第1多孔板131が環状の一枚板である場合について説明したが、このような構成に限定するものではなく、セグメントごとに分割して形成し、その後、チャンバ109に固定する際に、軸心C102を中心とする環状に形成するようにしても良い。
また、上述の実施形態においては、第2孔142が丸孔である場合にについて説明したが、これに限定するものではなく、例えば、この第2孔142を、第2多孔板132の略径方向に延びる長孔として形成し、且つ、その長手方向軸線を、第2離解羽根122に対して0よりも大きく20度以下の範囲で傾斜するように設定してもよい。
また、第1〜第4離解羽根121,122,123,124やポンプ羽根125の羽根配列や、その配置間隔(ピッチ)およびその形状は、上述したものに限定するものではなく、種々変更することが可能である。
また、上述の実施形態では、第1離解羽根121上に第3離解羽根123,223を固定した場合を説明し、また、第1離解羽根121上に第4離解羽根124,224を固定した場合を説明したが、このような構成に限定するものではない。例えば、第3離解羽根123,223が、第1離解羽根121の上方において、第1離解羽根121とは別個に回転するように構成してもよいし、また、第4離解羽根124,224が、第1離解羽根121とは別個に回転するように構成しても良い。
102 ロータ
102A フランジ
102B ロータスリーブ
106 回転軸
108 モータ
109 チャンバ
111A 転向板
111B 旋回防止板
121 第1離解羽根
122,222,322 第2離解羽根
123,223 第3離解羽根
124,224 第4離解羽根
125 ポンプ羽根
131 第1多孔板(第1孔板)
132 第2多孔板(第2孔板)
141 第1孔
142 第2孔
151,152,153 シム
160 循環口
Claims (14)
- 紙料容器内に希釈液とともに投入された紙料を離解させる紙料離解装置であって、
上記紙料容器内に配置され第1孔が形成された第1孔板と、
上記第1孔板の一面に対向し且つ上記第1孔が形成されている領域である第1孔領域に対し近接して回転する第1離解羽根と、
上記第1孔板の他面に対向し且つ上記第1孔領域に近接して第1離解羽根の回転中心を同心として回転するポンプ羽根と、
上記紙料容器内に配置され第2孔が形成された第2孔板と、
上記第2孔板の一面に対向し且つ上記第2孔が形成されている領域である第2孔領域に対し近接し上記第1離解羽根の回転中心を同心として回転する第2離解羽根と、
上記第1離解羽根,上記ポンプ羽根および上記第2離解羽根を回転させる駆動源とを備える
ことを特徴とする紙料離解装置。 - 上記第1離解羽根の上方には、第3離解羽根が設けられ、
上記第3離解羽根は、上記第1離解羽根の回転中心からその外周端までの距離が上記第1離解羽根の回転中心から上記第1離解羽根の外周端までの距離よりも短くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の紙料離解装置。 - 上記第1離解羽根の上方には、第4離解羽根が設けられ、
上記第4離解羽根は、上記第1離解羽根の回転中心からその外周端までの距離が上記第1離解羽根の回転中心から上記第1離解羽根の外周端までの距離よりも短く且つその高さが上記第3離解羽根の高さよりも低くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の紙料離解装置。 - 該第1離解羽根は複数枚設けられ、
上記複数枚の第1離解羽根の上方には、それぞれ、上記第3離解羽根と上記第4離解羽根とが交互に配設されている
ことを特徴とする請求項2または3記載の紙料離解装置。 - 上記第2離解羽根は、上記第2孔板に向けて突出する刃部を備え、
上記第2離解羽根の刃部は、上記第2孔板に対する隙間がその後流側ほど徐々に広くなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の紙料離解装置。 - 上記第2孔は上記第1孔よりも孔面積が小さい
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項記載の紙料離解装置。 - 上記第1孔は、上記第1孔板の略径方向に延びる長孔として形成され且つその長手方向軸線が上記第1離解羽根に対して0よりも大きく20度以下の範囲で傾斜して形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜6のうちいずれか1項記載の紙料離解装置。 - 上記第2孔は、上記第2孔板の略径方向に延びる長孔として形成され且つ上記第2離解羽根に対して0よりも大きく20度以下の範囲で傾斜して形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか1項記載の紙料離解装置。 - 上記第2孔は、略真円の丸孔として形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜7のうちいずれか1項記載の紙料離解装置。 - 上記第2孔板は、上記回転軸を長手方向中心軸とする円筒状に形成されるとともに、
上記第2離解羽根は、上記円筒状の第2孔板の内周側で回転する
ことを特徴とする、請求項1〜9のうちいずれか1項記載の紙料離解装置。 - 上記第2離解羽根は複数の上記刃部を有し、
上記複数の刃部の間にはそれぞれ溝部が形成されている
ことを特徴とする、請求項1〜10のうちいずれか1項記載の紙料離解装置。 - 上記第1孔は、3〜40mmの孔幅に形成されるとともに、
上記第2孔は、0.15〜16mmの孔幅に形成され、
上記第1および第2孔板の開口率は10〜50%となるように設定されている
ことを特徴とする、請求項6記載の紙料離解装置。 - 上記第3および第4離解羽根の外縁部と第1離解羽根の上面部との成す角度が、直角または鋭角となるように形成されている
ことを特徴とする請求項4記載の紙料離解装置。 - 上記第2孔板の一面とは反対側の他面側に配設された通路であって上記第2孔板の一面側から他面側へ第2孔を通過した紙料を外部に排出する出口管を備えるとともに、
上記第1孔板は、上記第1孔領域よりも外周側に穿設され上記第1孔板の他面側と上記容器内とを連通させる循環口を有する
ことを特徴とする請求項1〜13のうちいずれか1項記載の紙料離解装置。
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