JP2007130047A - ワイピングクロスおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】単繊維繊度が0.001デシテックス以上1.0デシテックス未満の極細合成フィラメント繊維(A)が50〜80重量%と、単繊維繊度が1.0デシテックス以上10デシテックス以下の太さの合成フィラメント繊維(B)が50〜20重量%とによって多層構造に形成された布帛からなる、少なくとも片面に立毛を有することを特徴とするワイピングクロス。
【選択図】なし
Description
(1)単繊維繊度が0.001デシテックス以上1.0デシテックス未満の極細合成フィラメント繊維(A)が50〜80重量%と、単繊維繊度が1.0デシテックス以上10デシテックス以下の太さの合成フィラメント繊維(B)が50〜20重量%とによって多層構造に形成された布帛からなる、少なくとも片面に立毛を有することを特徴とするワイピングクロス。
(1)拭取性評価方法
シリコーンオイルSH200(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)を注射針で5mlガラス板上に落とし、直径45mm、重さ9.807Nの円柱状荷重の一端面に、厚さ1mm相当の織物を介して固定された試料(ワイピングクロス)を、ガラス板上に乗せ、1×10−2m/minの速度で移動し、シリコーンを拭き取る。次に乾式複写機用トナーをガラス板上に振りかけ、そのトナーを圧縮空気(0.09807MPa)で吹き飛ばす。ガラス板上にセロテープ(積水化学工業(株)製、登録商標)を貼り付けて、ガラス板上の残留トナーを剥ぎ取り、セロテープに付着したトナーの程度を判定する。
△:トナーが少し付着しているもの
×:トナーが極めて多量に残っているもの
の3段階で肉眼判定した。
(2)抗菌評価方法
試験方法は統一試験法を採用し、試験菌体はMASA臨床分離株を用いた。試験方法は、滅菌試料布に上記試験菌のブイヨン懸濁液を注加し、密栓容器中で37℃、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準に従った。
log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を菌数増殖値差とし、1.5以上を合格レベルとした。ただし、
A:無加工品の接殖直後分散回収した菌数
B:無菌加工品の18時間培養後分散回収した菌数
C:加工品の18時間培養後分散回収した菌数を示す。
(3)保水率(%)
試料(10cm×20cm)の重量を計り、2分間水中に浸す。次に濡れた試料を引き上げて1分間ドリップ後、重量を計り、浸漬前後の重量差を次の式で求めた。
A:浸漬後、取り上げた試料の重量
B:浸漬前の試料の重量
とした。
○:200%以上400%以下の範囲のもの
×:上記範囲を外れるもの
とした。
(4)厚さ測定方法
大栄精機製作所(株)製の中型測厚器(型式:UF−60A)を用いて測定した。
判定は、
○:0.5mm以上1.5mm以下の範囲のもの
×:上記範囲を外れるもの
とした。
表裏の2層からなり、表裏面に海島型複合繊維として、トータル繊度が135デシテックス、18フィラメント(70島/フィラメント)の海島型ポリエステル複合繊維で、島成分がポリエチレンテレフタレートで海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5−ナトリウムイソフタル酸の共重合体からなるアルカリ熱水可溶ポリエステルからなる繊維(海島重量比率は20/80)40.6重量%と他の合成フィラメント繊維として56デシテックス、12フィラメント(単繊維繊度が4.7デシテックス)のポリエチレンテレフタレート繊維23.8重量%とを用い、表裏面の繋ぎ糸として56デシテックス、12フィラメント(単繊維繊度が4.7デシテックス)のポリエチレンテレフタレート繊維35.6%になるように設計し、通常のダブル丸編み機で製編した。得られた生機を130℃×30分間マレイン酸処理することによって海成分を脆化させた後、80℃×45分間水酸化ナトウム処理することにより、その海成分を完全に除去した。得られた極細合成フィラメント繊維の単繊維繊度は0.07デシテックス、編物の厚さは2.5mmであった。この編物を2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛1g/lと分散染料でライトブルーに染色した。得られた布帛の両面を#400のサンドペーパーを使ってバフィングしてワイピングクロスを得た。得られた布帛の厚みは0.98mm、立毛は極細合成フィラメント繊維とそれ以外の合成フィラメント繊維が混在して存在しており、保水率は304%、抗菌性は4.4であり、拭取性はドライ、ウエット布帛ともトナーが残っておらず、良くふき取れており、優れたワイピングクロスであった。結果を表1に示す。
極細合成フィラメント繊維として56デシテックス、18フィラメントの剥離分割型マルチフィラメント糸条(単糸繊維の断面形状は、中心がポリアミド成分の8葉形で、それを取り巻く形でポリエステル成分が配された剥離分割型の繊維であって、剥離後のポリアミド繊維の単糸繊度が0.89デシテックス、ポリエステル繊維の単糸繊度が0.22デシテックスの剥離分割型繊維)の仮より加工された糸を用い、90℃×45分間水酸化ナトウム処理で剥離分割をする以外は実施例1と同様の方法でワイピングクロスを作成した。
得られた布帛の厚みは1.02mm、立毛は極細合成フィラメント繊維とそれ以外の合成フィラメント繊維が混在して存在しており、保水率は298%、抗菌性は4.5であり、拭取性はドライ、ウエット布帛ともトナーが残っておらず、良くふき取れており、優れたワイピングクロスであった。結果を表1に示す。
110デシテックス、24フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維100%で平織り組織の織物を製織し、抗菌剤を使わないで染色・評価した。得られた布帛の厚みは0.3mm、立毛はなく、保水率は75%、抗菌性は全く見られず、拭取性はドライ、ウエット布帛ともトナーが極めて多量に残っており、ワイピングクロスとして不向きなものであった。結果を表1に示す。
市販の綿製ワイピングクロスを用いて評価した。布帛の厚みは0.8mm、立毛はなく、保水率は140%、抗菌性は全く見られず、拭取性はドライ、ウエット布帛ともトナーが極めて多量に残っており、ワイピングクロスとして不向きなものであった。結果を表1に示す。
実施例1と同様の海島型複合繊維100%で丸編み組織を通常のヨコ編み機で製編し、脱海後、染色し、抗菌剤を使わないで染色・評価した。得られた布帛の厚みは0.2mm、立毛はなく、保水率は103%、抗菌性は全く見られず、拭取性はドライ、ウエット布帛ともトナーが僅かに残っており、ワイピングクロスとして不十分なものであった。結果を表1に示す。
Claims (9)
- 単繊維繊度が0.001デシテックス以上1.0デシテックス未満の極細合成フィラメント繊維(A)が50〜80重量%と、単繊維繊度が1.0デシテックス以上10デシテックス以下の太さの合成フィラメント繊維(B)が50〜20重量%とによって多層構造に形成された布帛からなる、少なくとも片面に立毛を有することを特徴とするワイピングクロス。
- 多層構造に形成された布帛が多層構造を繋ぐ合成フィラメント繊維で結着され、該多層構造を繋ぐ合成フィラメント繊維の太さが0.1デシテックス以上10デシテックス以下の太さであることを特徴とする請求項1に記載のワイピングクロス。
- 前記極細合成フィラメント繊維(A)および合成フィラメント繊維(B)がポリエステル系繊維および/またはポリアミド系繊維からなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のワイピングクロス。
- 立毛が、単繊維繊度0.001デシテックス以上1.0デシテックス未満の極細合成フィラメント繊維(A)が50〜80重量%と、単繊維繊度1.0デシテックス以上10デシテックス以下の太さの合成フィラメント繊維(B)が50〜20重量%で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のワイピングクロス。
- 立毛の長さが0.1mm〜10mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワイピングクロス。
- 厚さが0.5〜1.5mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワイピングクロス。
- ピリジン系抗菌剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のワイピングクロス。
- 保水率が200〜400重量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のワイピングクロス。
- 海島構造または剥離構造を有する複合合成繊維と該複合合成繊維の海成分除去処去後または剥離処理後の複合合成繊維の単繊維繊度よりも太い合成繊維を用いて複数枚の筬を有するタテ編み機または織機に掛けて成編織してなる布帛を熱水中またはアルカリ液中で処理し、海成分除去処理または剥離処理した後、少なくとも片面を起毛することを特徴とするワイピングクロスの製造方法。
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