JP2007126878A - 地中空洞の施工方法およびトンネル工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地中空洞の施工予定位置の外側に複数のルーフシールドトンネル6を所定間隔で配列した状態で施工して、掘削予定位置を取り囲むシールドルーフ先受工3を構築し、各ルーフシールドトンネルの内側からその周囲地山を改良して改良ゾーンを形成し、該改良ゾーンを補強しかつルーフシールドトンネルに対して一体化させるための補強定着手段を少なくとも内側の改良ゾーンに対して設置した後、改良ゾーンの内側を掘削して地中空洞を施工する。道路トンネルにおける分岐合流部となる地中空洞を上記工法により施工する。改良ゾーンを凍結工法による凍結ゾーン8として形成する。
【選択図】図6
Description
また、近年においては様々な新工法も提案され、たとえば特許文献1には本坑掘削に先立って導坑から人工地山アーチを先行施工するという鯨骨工法(WBR工法)が提案されている。
すなわち、本線トンネルおよびランプトンネルはそれぞれ在来のシールド工法により地山を安定に支保し、また止水性を確保しつつ支障なく施工できるが、分岐合流部では断面を漸次変化させつつ双方のシールドトンネルどうしを接合する必要があることから、分岐合流部の施工に際しては在来のシールド工法をそのまま適用できるものではなく、何らかの補助工法の採用が不可欠である。
しかる後に、前記凍結ゾーンの内側において本線シールドトンネルを拡幅してその拡幅部にランプシールドトンネルの先端部を接合するとともに分岐合流部の覆工壁を施工することを特徴とする。
特に、シールドルーフ先受工は複数のルーフシールドトンネルを所定間隔で配列した構造であるので、大規模な先受工としての所望剛性を充分に確保できることはもとより、その施工は在来のシールド工法により容易にかつ精度良く施工できるものであるし、施工するべき地中空洞の形態や規模に応じてルーフシールドトンネルの本数やその配列を設定することによって、最適な形態、構造のシールドルーフ先受工を自由に構築することができる。
しかも、各ルーフシールドトンネル内からその周囲地山を改良して改良ゾーンを形成した後、その改良ゾーンを補強定着手段によってさらに補強するとともにルーフシールドトンネルに対して確実に一体化させるので、改良ゾーンの耐力を充分に増強できてクリープも有効に低減でき、シールドルーフ先受工全体と改良ゾーン全体とによる万全の支保効果が得られる。
特に、本トンネル工法ではルーフシールドトンネルに一体に形成する改良ゾーンを凍結工法による凍結ゾーンとして安定かつ確実に形成でき、その凍結ゾーンを補強定着手段によってさらに充分に補強できかつルーフシールドトンネルに対して確実に一体化させることができる。
その拡幅のための工法としては、例えば本線シールドトンネル1の拡幅側の側壁の一部を撤去し、そこからバックホー等の掘削機械を本線シールドトンネル1外に搬出し、その掘削機械によって分岐合流部の拡幅部分を上方から下方に向かって掘削するとともに、本線シールドトンネル1の側壁の不要部分を撤去していき、最終的に分岐合流部の覆工壁4を築造するという工法を採用すれば良い。
なお、本実施形態では本線シールドトンネル1の直径がたとえば17m程度、ランプシールドトンネル2の直径がたとえば11m程度であることを想定している。また、本実施形態では、図2に示すように分岐合流部において本線シールドトンネル1を側方に3段階にわたって拡幅し、最終的には図3に示すように分岐合流部の各部の断面形状が前方に向かって漸次縮小するような横長楕円形状の覆工壁4を形成するものとしている。
なお、ルーフシールドトンネル6の間隔とその配列は、後工程により形成する凍結ゾーン8(あるいは薬液による改良ゾーン)が、隣接するルーフシールドトンネル6間で支保機能および止水機能を有効に発揮し得るように、地盤条件等を勘案して設定するものであり、本実施形態では図3に示すように多数のルーフシールドトンネル6を分岐合流部の輪郭に沿って比較的密に配列している。
勿論、可能であれば全てのルーフシールドトンネル6をそれぞれ独立のルーフシールド機5により同時に施工することでも良いし、あるいは、分岐合流部の先端部に達したルーフシールド機5をそこからUターンさせて他のルーフシールドトンネル6を逆方向に連続的に施工することも考えられる。
また、ランプシールドトンネル2の側壁部からルーフシールド機5を発進させるための手法としては、在来のシールドトンネルの側壁部からのシールド機の発進手法、および在来のシールドトンネルどうしのT字接合技術をそのまま採用可能である。
たとえば上記実施形態は都市圏における大深度・大断面の道路トンネルへの適用例であるが、本発明のトンネル工法は分岐合流部を有するものであれば様々な規模、用途、形態のトンネルを施工する場合全般に広く適用できるものであるし、施工対象のトンネルにおける分岐合流部の規模や形態に応じて、また周辺環境等の諸条件を考慮して様々な設計的変更が可能である。
すなわち、ルーフシールドトンネル6の本数やそれによるシールドルーフ先受工3全体の規模や形態は、所望の先受効果を確保できる範囲で適宜変更して良いし、シールドルーフ先受工3に一体に形成する凍結ゾーン8,10の範囲、覆工壁4の形態やその施工方法、その他の各工程の細部についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で最適設計すれば良く、必要に応じて適宜の補助工法を採用しても勿論良い。
2 ランプシールドトンネル
3 シールドルーフ先受工
4 覆工壁
5 ルーフシールド機
6 ルーフシールドトンネル
7 凍結管(改良手段)
8 凍結ゾーン(改良ゾーン)
9 凍結管(改良手段)
10 凍結ゾーン(改良ゾーン)
20 補強定着手段
21,24 支圧板
22 PC鋼棒
23 充填材
Claims (3)
- 地中を掘削して地中空洞を施工するに際し、
掘削予定位置の外側に複数のルーフシールドトンネルを所定間隔で配列した状態で施工して、掘削予定位置を取り囲むシールドルーフ先受工を構築し、
各ルーフシールドトンネルの内側からその周囲地山を改良して改良ゾーンを形成し、
該改良ゾーンを補強しかつルーフシールドトンネルに対して一体化させるための補強定着手段を各ルーフシールドトンネル内から少なくともその内側の改良ゾーンに対して設置し、
しかる後に、前記改良ゾーンの内側を掘削して地中空洞を施工することを特徴とする地中空洞の施工方法。 - シールド工法により施工する複数のシールドトンネルどうしの分岐合流部を施工するに際し、
いずれかのシールドトンネルからルーフシールド機を発進させて、施工するべき分岐合流部の外側にその延長方向に沿う複数のルーフシールドトンネルを分岐合流部の輪郭に沿って所定間隔で配列した状態で施工することにより、分岐合流部を取り囲むシールドルーフ先受工を構築し、
各ルーフシールドトンネルの内側からその周囲地山を改良して改良ゾーンを形成し、
該改良ゾーンを補強しかつルーフシールドトンネルに対して一体化させるための補強定着手段を各ルーフシールドトンネル内から少なくともその内側の改良ゾーンに対して設置し、
かつ、ルーフシールドトンネルの端部からその内側地山を改良してシールドルーフ先受工の端部内側に改良ゾーンを形成し、
しかる後に、前記改良ゾーンの内側においてシールドトンネルを拡幅して分岐合流部を施工することを特徴とするトンネル工法。 - シールド工法により施工する本線シールドトンネルとランプシールドトンネルどうしの分岐合流部を施工するに際し、
本線シールドトンネルよりもランプシールドトンネルを先行掘進し、ランプシールドトンネルが分岐合流部の施工予定位置に少なくとも達するまで掘進して停止し、その先端部付近からルーフシールド機を発進させることにより、分岐合流部の延長方向に沿う多数のルーフシールドトンネルを分岐合流部の外側にその輪郭に沿って密に配列した状態で施工することにより、分岐合流部を取り囲むシールドルーフ先受工を構築し、
前記ルーフシールドトンネルの内側からその周囲地山を凍結して凍結ゾーンを形成し、
該凍結ゾーンを補強しかつルーフシールドトンネルに対して一体化させるための補強定着手段を各ルーフシールドトンネル内から少なくともその内側の凍結ゾーンに対して設置し、
前記ルーフシールドトンネルの施工と並行して本線シールドトンネルを掘進してシールドルーフ先受工の内側を通過させた後、
ルーフシールドトンネルの両端部からその内側地山に凍結管を挿入してシールドルーフ先受工の両端部内側に凍結ゾーンを形成し、
しかる後に、前記凍結ゾーンの内側において本線シールドトンネルを拡幅してその拡幅部にランプシールドトンネルの先端部を接合するとともに分岐合流部の覆工壁を施工することを特徴とするトンネル工法。
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