JP4228311B2 - トンネル工法 - Google Patents

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本発明はトンネル工法に係わり、特にたとえば都市圏に大深度・大断面の道路トンネルを設ける場合に分岐合流部を効率的に施工可能なトンネル工法に関する。
周知のように、大深度・大断面のトンネルを構築するためのトンネル工法としてはNATM(New Austrian Tunneling Method)あるいはシールド工法が代表的であるが、都市圏における道路トンネルの施工に際しては、地表および地中の既存構造物に対する悪影響を回避するべく地山に対する高度の支保性能が要求され、また施工中および完成後の止水性能と地下水保全性能が高度に要求されることから、シールド工法の採用が最も一般的である。また、近年においては様々な新工法も提案され、たとえば特許文献1には本坑掘削に先立って導坑から人工地山アーチを先行施工するという鯨骨工法(WBR工法)が提案されている。
特開平11−159275号公報
ところで、道路トンネルをシールド工法により施工するに際しては本線トンネルの他にランプトンネルを設け、それら双方のトンネルを要所にて接合して分岐合流部を施工する必要があるが、そのような分岐合流部の施工は必ずしも容易ではない。すなわち、本線トンネルおよびランプトンネルはそれぞれ在来のシールド工法により地山を安定に支保し、また止水性を確保しつつ支障なく施工できるが、分岐合流部では断面を漸次変化させつつ双方のシールドトンネルどうしを接合する必要があることから、分岐合流部の施工に際しては在来のシールド工法をそのまま適用できるものではない。そのため、分岐合流部の施工に際しては何らかの補助工法の採用が不可欠である。
上記事情に鑑み、本発明はトンネル施工に際してその分岐合流部を効率的に施工し得る有効適切なトンネル工法を提供することを目的とする。
請求項1の発明のトンネル工法は、複数のシールドトンネルどうしの分岐合流部を施工するに際し、いずれかのシールドトンネルからルーフシールド機を発進させて、施工するべき分岐合流部の外側にその延長方向に沿う複数のルーフシールドトンネルを分岐合流部の輪郭に沿って所定間隔で配列した状態で施工することにより、分岐合流部を取り囲むシールドルーフ先受工を構築し、それらルーフシールドトンネルの内側から周囲地山を改良してルーフシールドトンネル間に改良ゾーンを形成するとともに、ルーフシールドトンネルの端部においてもシールドルーフ先受工の端部内側に改良ゾーンを形成した後、
前記シールドルーフ先受工および前記改良ゾーンにより囲まれた空間の内側においてシールドトンネルを拡幅して分岐合流部を施工することを特徴とする。
請求項2の発明のトンネル工法は、上記工法を道路トンネルの施工に適用するものであって、シールド工法により施工する本線シールドトンネルとランプシールドトンネルどうしの分岐合流部を施工するに際し、本線シールドトンネルよりもランプシールドトンネルを先行掘進し、ランプシールドトンネルが分岐合流部の施工予定位置に少なくとも達するまで掘進して停止し、その先端部付近からルーフシールド機を発進させることにより、分岐合流部の延長方向に沿う多数のルーフシールドトンネルを分岐合流部の外側にその輪郭に沿って密に配列した状態で施工することにより、分岐合流部を取り囲むシールドルーフ先受工を構築し、前記ルーフシールドトンネルの内側からその周囲地山を凍結してルーフシールドトンネル間に凍結ゾーンを形成し、前記ルーフシールドトンネルの施工と並行して本線シールドトンネルを掘進してシールドルーフ先受工の内側を通過させた後、
ルーフシールドトンネルの両端部からその内側地山に凍結管を挿入してシールドルーフ先受工の両端部内側に凍結ゾーンを形成し、しかる後に、前記シールドルーフ先受工および前記凍結ゾーンの内側において本線シールドトンネルを拡幅してその拡幅部にランプシールドトンネルの先端部を接合するとともに分岐合流部の覆工壁を施工することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、分岐合流部の施工に際してその予定位置を取り囲むようにシールドルーフ先受工および改良ゾーンを形成するので、その内側においてシールドトンネルを拡幅して分岐合流部を施工するときに、地山に対する充分な支保性能や止水性能を確保しつつ分岐合流部を安全かつ効率的に施工することが可能であり、地表あるいは地中の既存構造物に対する万全な沈下防止と周辺の地下水保全を図ることができる。特に、複数のルーフシールドトンネルを所定間隔で配列することでシールドルーフ先受工を構築するので、そのシールドルーフ先受工を高剛性とできることはもとより、その施工は在来のシールド工法により容易にかつ精度良く施工でき、しかも施工するべき分岐合流部の形態や規模に応じてルーフシールドトンネルの本数やその配列を設定することにより最適なシールドルーフ先受工を構築することができる。
請求項2の発明によれば、上記工法を道路トンネルの施工に適用するに際して、ランプシールドトンネルを本線シールドトンネルに先行させ、ランプシールドトンネルが分岐合流部の施工予定位置に達した時点でそこからシールドルーフ先受工の施工に着手し、それとの並行作業により本線シールドトンネルの掘進を行うことにより、効率的な施工が可能であって全体工期の短縮と工費軽減を図ることができ、特に都市圏における大深度・大断面トンネルの施工に適用して最適である。
本発明のトンネル工法を都市圏における大深度・大断面の道路トンネルの施工に適用する場合の一実施形態を図1〜図6を参照して説明する。本実施形態では、図1にその概要を示すように、本線シールドトンネル1とランプシールドトンネル2とをいずれも在来のシールド工法により施工するとともに、それらの分岐合流部には予めシールドルーフ先受工3を施工し、その内側において、例えば本線シールドトンネル1の拡幅側の側壁の一部を撤去し、そこからバックホー等の掘削機械を搬入し、その掘削機械によって分岐合流部の拡幅部分を上方から下方に向かって掘削するとともに本線シールドトンネル1の側壁の不要部分を撤去し、分岐合流部の覆工壁4を順次築造することで分岐合流部を拡幅施工するものである。なお、本実施形態では本線シールドトンネル1の直径がたとえば17m程度、ランプシールドトンネル2の直径がたとえば11m程度であることを想定している。また、本実施形態では、図2に示すように分岐合流部において本線シールドトンネル1を側方に3段階にわたって拡幅し、最終的には図3に示すように分岐合流部の各部の断面形状が前方に向かって漸次縮小するような横長楕円形状の覆工壁4を形成するものとしている。
具体的には、本実施形態においては本線シールドトンネル1よりもランプシールドトンネル2を先行掘進し、図2に示すようにそのランプシールドトンネル2が分岐合流部の施工予定位置に少なくとも達するまで掘進を進めて停止させる。そして、ランプシールドトンネル2の先端部付近の側壁部からルーフシールド機5(図1参照)を発進させ、分岐合流部の施工予定位置の外側に複数(図示例では20本)のルーフシールドトンネル6を分岐合流部の輪郭に沿って所定間隔で配列した状態で施工し、それら複数のルーフシールドトンネル6の全体によって上記のシールドルーフ先受工3を構成するものである。なお、ルーフシールドトンネル6における所定間隔の配列とは、後述する凍結あるいは薬液による改良ゾーンが、隣接するルーフシールドトンネル6間で、支保あるいは止水としての作用効果を奏することができる所定間隔であり、これは地盤条件等を勘案して決められるものである。図3に示す本実施形態では、ルーフシールドトンネル6は分岐合流部の輪郭に沿って比較的密に配列されている。
各ルーフシールドトンネル6は、小径(たとえば直径3m程度)のルーフシールド機5を図2に示すようにランプシールドトンネル2の先端部付近のトンネル側壁部から発進させた後に前方に向けて急旋回させて分岐合流部の延長方向(トンネル軸方向)に沿うように施工されるものであるが、本実施形態では上述のように分岐合流部は前方に向かって漸次断面形状が縮小されていくことから、図2〜図3に示すように分岐合流部の断面形状に対応して各ルーフシールドトンネル6の相互間隔も前方にいくほど狭めて、シールドルーフ先受工3の全体形状を全体として先細り形状としている。
なお、各ルーフシールドトンネル6の施工に際してはルーフシールド機5を1台ないし数台程度用意し、それをランプシールドトンネル2から順次発進させていき、分岐合流部の先端部に達したらスキンプレートおよびカッター装置等の外殻装置を残置して内部装置のみを回収し、回収した内部装置をランプシールドトンネル2内において新たな外殻装置に組み込むことで新たなルーフシールド機5を組み立て、それを再び発進させれば良い。勿論、可能であれば全てのルーフシールドトンネル6をそれぞれ独立のルーフシールド機5により同時に施工することでも良いし、あるいは、分岐合流部の先端部に達したルーフシールド機5をそこからUターンさせて他のルーフシールドトンネル6を逆方向に連続的に施工することも考えられる。また、ランプシールドトンネル2の側壁部からルーフシールド機5を発進させるための手法としては、在来のシールドトンネルの側壁部からのシールド機の発進手法、および在来のシールドトンネルどうしのT字接合技術をそのまま採用可能である。
上記のようなシールドルーフ先受工3の施工と並行して本線シールドトンネル1を掘進し、本線シールドトンネル1をシールドルーフ先受工3の内側を通過させる。また、図5に示すようにルーフシールドトンネル6内に設置した凍結管(改良手段)7により周囲地山を凍結(改良)することにより、図6に示すようにルーフシールドトンネル6間にそれらを連結する状態で凍結ゾーン(改良ゾーン)8を形成する。また、本線シールドトンネル1がシールドルーフ先受工3の内側を通過した後に、図5(a)、(b)に示すようにルーフシールドトンネル6の両端部からその内側地山にボーリングを行って凍結管(改良手段)9を挿入し、シールドルーフ先受工3の両端部に凍結ゾーン(改良ゾーン)10(図2参照)を形成する。
以上により、分岐合流部の施工予定位置は、シールドルーフ先受工3および凍結ゾーン8,10により取り囲まれてその外側の地山と隔絶される。そこで、上述したようにその内側において前述した掘削工法によって本線シールドトンネル1を側方に拡幅し、その拡幅部に対してランプシールドトンネル2の先端部を接合するとともに、分岐合流部の覆工壁4を施工する。
本実施形態の工法によれば、分岐合流部の外側にシールドルーフ先受工3を構築するとともにその周囲に凍結ゾーン8,10を形成し、その内側において本線シールドトンネル1を拡幅することで分岐合流部を施工するので、分岐合流部の施工に際して地山に対する充分な支保性能と止水性能を確保でき、地表あるいは地中の既存構造物に対する万全な沈下防止と、万全な地下水保全を図ることができる。
特に、シールドルーフ先受工3を複数のルーフシールドトンネル6を密に配列することで構築するので、それを充分に高剛性とできるばかりでなく、分岐合流部の形状に対応する最適な断面形状のシールドルーフ先受工3を自由にかつ高精度で施工することができる。なお、本実施形態のようにルーフシールドトンネル6をアーチ状に配列し、それらの間に形成される凍結ゾーン8によってルーフシールドトンネル6どうしを一体に連結した構造とすれば、シールドルーフ先受工3の全体が特に高剛性で極めて安定な筒型の地中構造物として機能し、したがって特に優れた支保効果が得られる。勿論、複数のルーフシールドトンネル6からなる高剛性のシールドルーフ先受工3は当然にそのまま残置されるものであるので、場合によっては分岐合流部における本設の覆工体としての機能の一部をこれに負担させることも考えられる。
また、本実施形態のようにランプシールドトンネル2を本線シールドトンネル1に先行させることにより、そのランプシールドトンネル2が分岐合流部の施工予定位置に達した時点でシールドルーフ先受工3の施工に早期着手できるとともに、それとの並行作業により本線シールドトンネル1の掘進が可能であるので、特に効率的な施工が可能であり、全体工期の短縮を充分に図ることができる。さらに、本実施形態の工法は、基本的にはいずれも多くの実績のある在来のシールド工法や凍結工法、掘削工法を有機的に組み合わせるものであるから、安全性や信頼性に優れるばかりでなく、比較的低コストでの施工が可能であり、特に都市圏における大深度・大断面の道路トンネルを施工する際に適用して最適な工法であるといえる。
以上で本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態はあくまで好適な一例に過ぎず、本発明は上記実施形態に限定されるものでは勿論ない。たとえば上記実施形態は都市圏における大深度・大断面の道路トンネルへの適用例であるが、本発明は分岐合流部を有するものであれば様々な規模、用途、形態のトンネルを施工する場合全般に広く適用できるものであるし、施工対象のトンネルにおける分岐合流部の規模や形態に応じて、また周辺環境等の諸条件を考慮して様々な設計的変更が可能である。たとえば、ルーフシールドトンネル6の本数やそれによるシールドルーフ先受工3の規模や形態は所望の先受効果を確保できる範囲で適宜変更して良いし、その周辺に形成する凍結ゾーン8,10の範囲、覆工壁4の形態やその施工方法、その他の各工程の細部についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で最適設計すれば良く、必要に応じて適宜の補助工法を採用しても勿論良い。
なお、上記実施形態では、ルーフシールドトンネル6間や、シールドルーフ先受工3の端部内側に施工される改良ゾーンは、凍結工法を採用したが、地下水圧があまりかからない場合等では、この改良ゾーンを薬液注入によって改良しても良く、この工法の選択は地盤条件等によって適宜採用されるものである。シールドルーフ先受工の端部内側に施工される改良ゾーンにしても、上記実施形態ではその両端に施工するようにしたが、最大拡幅区間側の端部のみ改良を施して、最小拡幅区間の端部側は、拡幅断面が小さいことからルーフシールドトンネル間に形成する改良ゾーンのみでその端部改良が兼用できれば、別途に端部改良を施さなくても良い。
さらに、上記実施形態では、ランプシールドトンネル2からルーフシールドトンネル6を発進するようにしたが、本線シールドトンネル1から発進させるようにしても良い。この場合は、本線シールドトンネル1が分岐合流部拡幅区間付近に達したら、その後方において本線シールドトンネル1の側壁部からルーフシールドトンネル6を発進させるとともに、本線シールドトンネル1はそのまま掘進を進めるものである。そして、シールドルーフ先受工3を構築し、ルーフシールドトンネル6間やシールドルーフ先受工3の端部内側に改良ゾーンを形成し、ランプシールドトンネル2のシールド機が到達してから、前述の分岐合流部を拡幅施工するようにする。勿論、工期的に早急に分岐合流部を施工する必要が生じた場合は、本線シールドトンネル1とランプシールドトンネル2の双方からルーフシールドトンネル6を発進させるようにしても良い。
本発明の実施形態であるトンネル工法の概要を示す図である。 同、分岐合流部の平面図である。 同、分岐合流部の各部の断面図であり、(a)は図2におけるA−A線視図、(b)はB−B線視図、(c)はC−C線視図、(d)はD−D線視図、(e)はE−E線視図、(f)はF−F線視図である。 同、シールドルーフ先受工を施工した状態を示す図であり、(a)は分岐合流部の手前側の断面図、(b)は前方側の断面図である。 同、凍結管を設置した状態を示す図であり、(a)は分岐合流部の手前側の断面図、(b)は前方側の断面図である。 同、凍結ゾーンを形成した状態を示す図であり、(a)は分岐合流部の手前側の断面図、(b)は前方側の断面図である。
符号の説明
1 本線シールドトンネル
2 ランプシールドトンネル
3 シールドルーフ先受工
4 覆工壁
5 ルーフシールド機
6 ルーフシールドトンネル
7 凍結管(改良手段)
8 凍結ゾーン(改良ゾーン)
9 凍結管(改良手段)
10 凍結ゾーン(改良ゾーン)

Claims (2)

  1. 複数のシールドトンネルどうしの分岐合流部を施工するに際し、
    いずれかのシールドトンネルからルーフシールド機を発進させて、施工するべき分岐合流部の外側にその延長方向に沿う複数のルーフシールドトンネルを分岐合流部の輪郭に沿って所定間隔で配列した状態で施工することにより、分岐合流部を取り囲むシールドルーフ先受工を構築し、
    それらルーフシールドトンネルの内側から周囲地山を改良してルーフシールドトンネル間に改良ゾーンを形成するとともに、ルーフシールドトンネルの端部においてもシールドルーフ先受工の端部内側に改良ゾーンを形成した後、
    前記シールドルーフ先受工および前記改良ゾーンにより囲まれた空間の内側においてシールドトンネルを拡幅して分岐合流部を施工することを特徴とするトンネル工法。
  2. シールド工法により施工する本線シールドトンネルとランプシールドトンネルどうしの分岐合流部を施工するに際し、
    本線シールドトンネルよりもランプシールドトンネルを先行掘進し、ランプシールドトンネルが分岐合流部の施工予定位置に少なくとも達するまで掘進して停止し、その先端部付近からルーフシールド機を発進させることにより、分岐合流部の延長方向に沿う多数のルーフシールドトンネルを分岐合流部の外側にその輪郭に沿って密に配列した状態で施工することにより、分岐合流部を取り囲むシールドルーフ先受工を構築し、
    前記ルーフシールドトンネルの内側からその周囲地山を凍結してルーフシールドトンネル間に凍結ゾーンを形成し、
    前記ルーフシールドトンネルの施工と並行して本線シールドトンネルを掘進してシールドルーフ先受工の内側を通過させた後、
    ルーフシールドトンネルの両端部からその内側地山に凍結管を挿入してシールドルーフ先受工の両端部内側に凍結ゾーンを形成し、
    しかる後に、前記シールドルーフ先受工および前記凍結ゾーンの内側において本線シールドトンネルを拡幅してその拡幅部にランプシールドトンネルの先端部を接合するとともに分岐合流部の覆工壁を施工することを特徴とするトンネル工法。
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