JP2007125467A - アスベスト除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】柔軟粘結剤、増粘剤および湿潤浸透剤を含むアスベスト飛散抑制剤と必要に応じ使用する金属キレートを含む薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのち、柔軟粘結剤、増粘剤および湿潤浸透剤を含む飛散防止剤と必要に応じ使用する金属キレート剤を含有する薬剤を含む高圧水をノズルより噴射し、アスベストを剥離させ、剥落したアスベストと薬剤を含む水を吸引回収し、精密濾過し、濾液を高圧水として循環再利用する。濾過残渣アスベストは溶融処理又は特別管理産業廃棄物として処理する。アスベスト含有排水を捕集し高吸水剤を添加して固化し特別産業廃棄物として処理する。
【選択図】 図1
Description
(1)本発明の第1のアスベスト除去方法は、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのちアスベストを剥離除去することを特徴とする。
ヒドロキシルアミノカルボン酸誘導体、チオ尿素、ジチオカルバミン酸塩、チオグリコール酸又はその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する金属キレート剤であることが好ましい。
エマルジョン重合により製造された、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル酸共重合物、酢酸ビニル・メタクリル酸共重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、アクリル酸エステル同士の共重合物、メタアクリル酸エステル同士の共重合物、または、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルの共重合物から選ばれたエマルジョン;
水性合成樹脂を水に分散させたエマルジョン、
からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する柔軟粘結剤であることが好ましい。
アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、アルキルスルホ酢酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコールエトキシ硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する湿潤浸透剤である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの湿潤浸透剤は、アスベスト層の内部まで水分、増粘剤、柔軟粘結剤、或いは、金属キレート剤を浸透させる能力が大きく、微小アスベストが空中に浮遊するのをより一層防止しでき好ましい。
デンプングルコール酸アルカリ塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸アルカリ塩、ペクチンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する増粘剤である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの増粘剤は、増粘効果が大きいだけでなく、作業者の休日や何らかの事故などにより除去作業が一時的に中断された場合でも、増粘剤が施されたアスベスト表層部の固化が進行しにくく、アスベスト表層部の固化が進行してしまうと、作業を再開する場合に、アスベストの除去作業がしにくくなる問題を解決でき、好ましい。
エマルジョン重合により製造された、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル酸共重合物、酢酸ビニル・メタクリル酸共重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、アクリル酸エステル同士の共重合物、メタアクリル酸エステル同士の共重合物、または、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルの共重合物から選ばれたエマルジョン;
水性合成樹脂を水に分散させたエマルジョン、
からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する柔軟粘結剤である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの柔軟粘結剤は、固化し難く、しかも、付与した場合に、表層部が柔らかく、アスベスト除去作業時に微小アスベストが空中に浮遊するのをより一層防止しでき、好ましい。
JIS P8141に記載された「紙および板紙の吸水度試験方法(クレム法)」では比較的吸水性の高い紙の下端を鉛直に水の中に浸漬し、一定時間後毛細管現象によって前記水が上昇した高さを目盛板でmm単位で測定し、吸水度としている。
縦100mm、横100mm、底が鉄製の折板屋根材[断面が上下互いに逆向きの略台形状(台形の底辺がない)の繰り返しからなる角波板。従って底の深さが浅いところで50mm、深いところで61mm]の鉄製の容器にアスベストが厚み4〜5cm吹き付けられて10日以上経過したものをアスベストが吹き付けられている側を下にして、高さ2mの位置に置き、湿潤浸透剤水溶液を噴霧によりアスベスト露出面の面積1m2あたりに換算しておよそ2kgの割合で塗布し、温度は常温(以下の薬剤はすべて常温)下で、3時間放置後、ブレード部分がステンレス製で、刃の横方向長さが36mmのスクレーパーによる手作業で吹付けアスベスト除去を行い、アスベスト微粒子の飛散状態を目視で判定した。
上記の吸水度の測定法において、特開昭62−178659号に記載のオクチルフェノールエチレンオキサイド付加物を標準として、これと同等以上の吸水度を示す湿潤浸透剤であって、前記アスベスト微粒子の飛散状態を目視で判定し飛散が前記オクチルフェノールエチレンオキサイド付加物を同濃度で同量用いた場合に比べて少ないものを合格と判定した。本発明においては、合格品を用いることが好ましい。
増粘剤の増粘効果を調べるため株式会社テックジャム製のブルックフィールドデジタル粘度計“HV−50”を用いて増粘剤5重量%を含む水溶液において粘度を測定した
本発明においては、増粘剤5重量%を含む水溶液を、粘度が2000c.p.s以上である増粘剤を用いることが好ましい。
増粘剤の固化試験方法として、増粘剤10重量%を含有する水を、縦5cm、横10cm、深さ7cmの鉄製容器に満たし、10日間常温中に放置後、JIS 6050 プラスチック字消の(6.2)項の硬さの試験方法に準拠し、株式会社シロ製のゴム・プラスチック硬度計“SGS 701N”を用いて硬度を測定し、デュロメータDの硬度で10以下で、且つデュロメータAの硬度で35以下のものを本発明では用いることが好ましい。通常、デュロメータDの硬度で10以下の測定精度は、デュロメータAの硬度で測定した方が測定精度が良好である。従って、デュロメータDの硬度で10以下かどうかをまず測定しておいて、次いで、デュロメータAで測定すると、早く評価が可能となる。従って、デュロメータDでの測定は必ずしも必要ではない。
また、上記記載の水性合成樹脂を水に分散させるエマルジョンに用いられる水性合成樹脂として、水性アルキド樹脂、水性メラミン樹脂、水性アクリル樹脂等が挙げられる。
ジエチルアミン系のジチオカルバミン酸塩としては、下記化学式で示されるジエチルアミン−N−カルボチオアート塩が挙げられる。
アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられる。
アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられる。
飛散抑制剤の一成分として湿潤浸透剤単独で使用した場合を説明する。湿潤浸透剤としては前述した湿潤浸透剤の測定法によって吸水度を測定し、湿潤浸透剤の評価方法により合格した界面活性剤のなかから竹本油脂製のジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を用い、これと水とからなる組成物をアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材[断面が上下互いに逆向きの略台形状(台形の底辺がない:台形の上辺と下辺間の高さに相当する距離が11mm)の繰り返しからなる角波板]の内側のアスベストが厚み4〜5cm吹き付けられて10日以上経過したものをアスベストが吹き付けられている側を下にして高さ2mの位置に置き、下から噴霧により1m2あたりに換算しておよそ2kgの割合で塗布し、温度は常温(以下の薬剤はすべて常温)下で、3時間放置後、スクレーパーによる手作業で吹付けアスベスト除去を行った。湿潤浸透剤の濃度0.05重量%で水の湿潤効果は認められ、濃度0.5重量%以上では湿潤効果は変わらなかった。そこで濃度0.1重量%の前記湿潤浸透剤を上記の条件で塗布し3時間経過した後ブレード部分がステンレス製で、刃の横方向長さが36mmのスクレーパーによりアスベストの除去作業を行った結果大小の塊の落下と共に微小アスベストが飛散した。
前述した増粘剤の評価方法に合格したものの中から日澱化学製のデンプングリコール酸ソーダを選び水と混合し、濃度5重量%では増粘効果は十分であるが濃度0.5重量%では不十分であり、1重量%で増粘効果は認められた。そこで3重量%の前記増粘剤と前項記載の湿潤浸透剤0.1重量%を含有する水との混合物からなるアスベスト飛散抑制剤を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、比較例1で用いたスクレーパーと同様のスクレーパーによりアスベスト除去作業を行った結果小さな塊は減少し大きな塊の落下が多くなり微小アスベストの飛散は明らかに減少したが、まだ微小アスベストの飛散がわずかに認められた。なお増粘剤単独では内部への浸透が悪く微小アスベストの飛散が多かった。よって増粘剤と湿潤浸透剤の併用効果は認められた。
前述した柔軟粘結剤の評価方法に合格したものの中から大日本塗料製のアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル及びメタアクリル酸エチルエステル共重合物(以下これをアクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物と略称する)のエマルジョンを選び、柔軟粘結剤5重量%と前記湿潤浸透剤0.1重量%を含有する水との混合物からなる飛散抑制剤を、比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、比較例1で用いたスクレーパーと同様のスクレーパーによりアスベスト除去作業を行った結果小さな塊は激減し大きな塊の落下が大部分となり、微小アスベストの飛散は明らかに減少したが、まだ微小アスベストの飛散がわずかに認められた。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面に残存アスベストが認められた。
比較例3に記載した柔軟粘結剤アクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物のエマルジョン3重量%と比較例2の増粘剤デンプングリコール酸ソーダ2重量%と湿潤浸透剤ジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩0.1重量%を含有する水との混合物からなるアスベスト飛散抑制剤を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時間放置後、比較例1で用いたスクレーパーと同様のスクレーパーにより除去作業を行った結果、小さな塊は少なく、大きな塊の落下が大部分で微小アスベストの飛散はほとんど認められず合格であった。
前述した金属キレート剤の評価方法により合格した中から佐々木化学製のチオグリコール酸アンモニウム塩を選び、実施例1に記載した柔軟粘結剤3重量%、増粘剤2重量%、湿潤浸透剤0.1重量%と金属キレート剤2重量%と水を含有する組成からなる、飛散抑制剤と金属キレートの混合水溶液を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、比較例1で用いたスクレーパーと同様のスクレーパーにより除去作業を行った結果、大きな塊の落下が大部分で微小アスベストの飛散はほとんど認められず合格であり、鉄構造体である鉄製折板屋根材表面にアスベストが残存せずきれいであった。
アスベスト飛散抑制剤として湿潤浸透剤ジ・2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を0.1重量%と水を含有する組成からなる飛散抑制剤を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、加圧水に添加する飛散防止剤として前記湿潤浸透剤を0.1重量%含有させ、この加圧水を圧力650kg/cm2で流量30リットル/分の割合で、図3に示したノズル径Dが直径1mmのノズルから20cm離れた下方から、アスベスト吹き付け鉄製折板屋根材のアスベスト付着側に噴射して除去作業を行った結果、大小のアスベスト塊が落下し、微小アスベストの飛散も多く認められた。
アスベスト飛散抑制剤として増粘剤デンプングリコール酸ソーダを3重量%と湿潤浸透剤ジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を0.1重量%含有する混合水溶液を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、加圧水に添加する飛散防止剤として、同一増粘剤3重量%と同一湿潤浸透剤0.1重量%を含有させ、圧力650kg/cm2で流量30リットル/分の割合で、図3に示したノズル径Dが直径1mmのノズルから20cm離れた下方から、アスベスト吹き付け鉄製折板屋根材のアスベスト付着側に噴射し、付着アスベストの除去作業を行った結果、大中の塊が落下したが、微小アスベストの飛散も少し認められた。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面はスクレーパーで削る手作業よりきれいであるが、まだアスベスト残存物が存在した。
アスベスト飛散抑制剤として柔軟粘結剤アクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステルの共重合物のエマルジョンを5重量%と湿潤浸透剤ジ・2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を0.1重量%と水を含有する組成からなる飛散抑制剤を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、加圧水に添加する飛散防止剤として、前記と同一の柔軟粘結剤を5重量%と湿潤浸透剤を0.1重量%を含有させ、圧力650kg/cm2で流量30リットル/分の割合で、図3に示したノズル径Dが直径1mmのノズルから20cm離れた下方から、アスベスト吹き付け鉄製折板屋根材のアスベスト付着側に噴射し、付着アスベストの除去作業を行った結果、大中の塊が落下したが、微小アスベストの飛散も少し認められた。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面はスクレーパーで削る手作業よりきれいであるが、まだアスベスト残存物が存在した。
アスベスト飛散抑制剤として柔軟粘結剤アクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステルの共重合物3重量%、増粘剤デンプングリコール酸ソーダを2重量%、湿潤浸透剤ジ・2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を0.1重量%と水とを含有する組成からなる混合液を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、加圧水に添加する飛散防止剤として、前記と同一の柔軟粘結剤を3重量%、前記と同一の増粘剤を2重量%、前記と同一の湿潤浸透剤を0.1重量%含有させ、この加圧水を圧力650kg/cm2で流量30リットル/分の割合で、図3に示したノズル径Dが直径1mmのノズルから20cm離れた下方から、アスベスト吹き付け鉄製折板屋根材のアスベスト付着側に噴射して付着アスベストの除去作業を行った結果、大きな塊が主体で微小アスベストの飛散もなく極めて良好であった。柔軟粘結剤、増粘剤、湿潤浸透剤の3種の薬剤の併用効果が認められる。また増粘剤と柔軟粘結剤を併用するので、柔軟粘結剤を減少することができる。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面はスクレーパーで削る手作業よりきれいであるが、まだアスベスト残存物が存在した。
実施例3に使用した飛散抑制剤および飛散防止剤の他に、金属キレート剤として、チオグリコール酸アンモニウム塩を2重量%を前記飛散抑制剤および飛散防止剤にそれぞれ含有させた水溶液並びに同様の加圧水を用いて実施例3と同様にアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材の付着アスベストの除去作業を行った結果、大きな塊が主体で落下し、微小アスベストの飛散もなく極めて良好であった。また鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面はきれいでアスベストの残存物は認められなかった。
実施例4において、加圧水の噴射を受けて剥落したアスベストと薬剤を含んだ水は真空ポンプで減圧吸引され捕集アスベストタンクに収容されたのち、ステンレス網より構成されたフィルターとして、東京特殊電線製の“MSフィルター”で第1段目に目開き88μmのフィルターを、続いて、第2段目に目開き63μmのフィルターを、第3段目に目開き44μmのフィルターを、第4段目に目開き37μmのフィルターをそれぞれ用いて濾過を行った。濾過されたアスベスト残渣は図1の工程3からアスベスト廃棄と記載されている如く、溶融処理場に送付されて溶融処理されるかないし特別管理廃棄物として廃棄処理される。濾過された濾液について、湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤、金属キレート剤等の薬剤含有率を分析した結果、当初の添加率とほとんど差がなく含まれていた。その他に小さなアスベスト繊維を少量含有していた。この回収水を密閉系で小さなアスベスト繊維を漏洩しない状態に厳密に管理することにより、図1に示す如くアスベスト飛散防止剤並びに金属キレート剤を含有する加圧水として再利用することができた。
実施例5に記載した“MSフィルター”で濾過した濾液には、小さなアスベスト繊維が少量含有されており、濾液を加圧水としてリサイクルを続けることにより小さなアスベスト繊維の含有量がリサイクル加圧水中に蓄積してくる。そこで、実施例5のステンレス網“MSフィルター”で濾過した濾液を更に高分子分離膜を用いて精密濾過することにより小さなアスベスト繊維は完全に除去することができる。
実施例6において、付着アスベストの除去作業が終了した段階で、作業場を清掃した排水、ステンレス網製“MSフィルタ”を再生するために逆流洗浄した排水、高分子分離膜精密濾過“SFフィルタ”を再生するために逆流洗浄した排水、密閉系の管やタンクを洗浄した排水、その他アスベストが残留する可能性のある水を廃棄用容器に集めた。吸水剤として住友精化製のアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物“アクアキープ”(商品名)を用いて、容器中の水分重量の10分の1の重量の上記吸水剤を添加した結果、水を完全に吸収し固化した。これを特別管理廃棄物として処理した。
2 ノズル1の穴の先端部の穴
3 2より内側(図3の右側方向)のノズルの穴
Claims (14)
- 増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのちアスベストを剥離除去することを特徴とするアスベスト除去方法。
- 薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である請求項1に記載のアスベスト除去方法。
- 増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤を含む加圧水を、ノズルからアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去することを特徴とするアスベスト除去方法。
- 薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である請求項3に記載のアスベスト除去方法。
- 増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのち、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤を含む加圧水を、ノズルから前記アスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去することを特徴とするアスベスト除去方法。
- 前記組成物を構成する薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である請求項5に記載のアスベスト除去方法。
- 前記薬剤を含む加圧水における薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である請求項5または6のいずれかに記載のアスベスト除去方法。
- (A)増粘剤、柔軟粘結剤および湿潤浸透剤を含有する薬剤、又は、(B)増粘剤、柔軟粘結剤、湿潤浸透剤および金属キレート剤を含有する薬剤、を含む加圧水を、ノズルよりアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去し、剥離落下した捕集アスベストと前記(A)または(B)の薬剤とを含有する水を分離するため、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターによりろ過したのち、濾液を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密ろ過し、この濾液を加圧用水として循環利用することを特徴とするアスベスト除去方法。
- (A)増粘剤、柔軟粘結剤および湿潤浸透剤を含有する薬剤、又は、(B)増粘剤、柔軟粘結剤、湿潤浸透剤および金属キレート剤を含有する薬剤、を含む加圧水を、ノズルよりアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去し、剥離落下した捕集アスベストと前記(A)または(B)の薬剤とを含有する水を分離するため、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターによりろ過し、濾液を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密ろ過し、前記ステンレス網でろ過したアスベスト殘渣および前記高分子分離膜で精密ろ過されたアスベスト殘渣を捕集アスベストとして溶融処理または特別管理産業廃棄物として処理し、精密ろ過された濾液は加圧水として循環利用し、更にアスベスト含有排水を吸水剤により吸水し固体状としたのち特別管理産業廃棄物として処理することを特徴とするアスベスト除去方法。
- 金属キレート剤が、柔軟粘結剤としてアクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物濃度5重量%(固形分換算)、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び金属キレート剤濃度3重量%を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分で直径1mmのノズルから距離20cmはなれた位置にあるアスベスト含有物に噴射し、アスベストを剥離落下させた後、アスベストが接着していた鉄板の表面に残存するアスベストがほとんど見られなくなる化合物であって、
ヒドロキシルアミノカルボン酸誘導体、チオ尿素、ジチオカルバミン酸塩、チオグリコール酸又はその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する金属キレート剤である、請求項2、4、6、7〜9のいずれかに記載のアスベスト除去方法。 - 吸水剤が、アクリル酸重合物部分アルカリ塩架橋物、アクリル酸・ビニルアルコール共重合物、デンプンとポリアクリル酸アルカリ塩の架橋物、カルボキシアルキルセルロースアルカリ塩の架橋物から選ばれた少なくとも一種である請求項9または10に記載のアスベスト除去方法。
- 湿潤浸透剤が、JIS P8141に記載された吸水度測定方法に準じて湿潤浸透剤を0.1重量%添加した水溶液の吸水度がオクチルフェノールエチレンオキサイド付加物と同等以上であって、且つ、アスベスト除去作業においてアスベスト微粒子の飛散が、前記オクチルフェノールエチレンオキサイド付加物を用いた場合に比べて少ない化合物であって、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、アルキルスルホ酢酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコールエトキシ硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する湿潤浸透剤である請求項1〜11のいずれかに記載のアスベスト除去方法。
- 増粘剤が、増粘剤5重量%を含む水溶液をブルックフィールドデジタル粘度計で測定した粘度が2000c.p.s以上であり、且つ、増粘剤10重量%を含有する水を、10日間常温中に放置後の硬度がデュロメータAの硬度で35以下である化合物であって、
デンプングルコール酸アルカリ塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸アルカリ塩、ペクチンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する増粘剤である請求項1〜12のいずれかに記載のアスベスト除去方法。 - 柔軟粘結剤が、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び柔軟粘結剤濃度5重量%(固形分換算)を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分で直径1mmのノズルから距離20cmはなれた位置にあるアスベスト含有物のアスベスト表面に噴射した場合に、アスベスト微粒子の飛散がほとんど見られず、且つ、柔軟粘結剤10重量%を含有する水を、10日間常温で放置後のデュロメータAの硬度が35以下の粘結剤であって、
エマルジョン重合により製造された、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル酸共重合物、酢酸ビニル・メタクリル酸共重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、アクリル酸エステル同士の共重合物、メタアクリル酸エステル同士の共重合物、または、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルの共重合物から選ばれたエマルジョン;
水性合成樹脂を水に分散させたエマルジョン、
からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する柔軟粘結剤である請求項1〜13のいずれかに記載のアスベスト除去方法。
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