JP2007125467A - アスベスト除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アスベストが施工された建築物等から付着アスベストを除去する際に、アスベスト微粒子の飛散が生じないアスベスト除去方法を提供する。
【解決手段】柔軟粘結剤、増粘剤および湿潤浸透剤を含むアスベスト飛散抑制剤と必要に応じ使用する金属キレートを含む薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのち、柔軟粘結剤、増粘剤および湿潤浸透剤を含む飛散防止剤と必要に応じ使用する金属キレート剤を含有する薬剤を含む高圧水をノズルより噴射し、アスベストを剥離させ、剥落したアスベストと薬剤を含む水を吸引回収し、精密濾過し、濾液を高圧水として循環再利用する。濾過残渣アスベストは溶融処理又は特別管理産業廃棄物として処理する。アスベスト含有排水を捕集し高吸水剤を添加して固化し特別産業廃棄物として処理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は建築物の天井、壁等やその他の構築物に施工されたアスベスト層の除去方法に関する。更には、アスベストの除去方法に用いられるアスベスト含有水の再使用方法および発生したアスベスト含有物の廃棄方法も含めたアスベスト除去方法に関する。
従来吹付けアスベストは建築物やその他の構築物の断熱、耐火、吸音材料として使用されていたが、該アスベストの粉塵が肺がんまたは中皮腫の発生原因となることが明らかになり、吹付けアスベストの使用は厳しい制限規制を受けるようになった。
しかし規制を受ける前に施工された吹付けアスベストは劣化することにより、その粉塵が飛散し、アスベスト公害の原因となる恐れがある。これを解決する処理方法として、アスベストの表面もしくは内部に固化剤を含浸させてアスベストを固化させる「封じ込め処理」や、アスベスト層の表面を蓋をするように覆い隠す「囲い込み処理」や、アスベスト層をスクレーパー等を用いて手作業で削り取るか、圧縮空気、高圧ジェット水を噴射してアスベストを剥ぎ取る「除去方法」がある。
上記の方法のうち「封じ込め処理」ではアスベストが建物内に残留することや、固化剤の経時劣化、損傷のためメンテナンスが必要であること、また一度封じ込め処理を行ったものは除去処理が困難になるという問題がある。
除去方法の典型的な例として、オクチルフェノール誘導体を主とする非イオン界面活性剤を、吹付けアスベスト部に注入もしくは散布することにより該アスベスト部を湿潤させ、アスベスト層を略原型の状態で解体する方法である(下記特許文献1参照)。この方法ではアスベスト層の形状が平旦型か波型かアスベスト層の厚さにより界面活性剤の浸透状態が異なるため、吹付けアスベストの剥離が一様でなく剥離しやすい部分ははやく落下するので略原型の状態で解体するのは困難となる。
オクチルフェノール誘導体等の湿潤剤をアスベスト部に散布、塗布あるいは注入してスクレーパー等の除去治具を用いて削り落とす際、吹付けアスベストの削られた表面から飛散したアスベストの微粒子は床部に落下することなく浮遊し続けるので、アスベスト除去工事現場は厳重に隔離し減圧にして浮遊アスベストの外部漏洩を防止しているがそれでも出入口等から漏洩する恐れがあり湿潤剤だけを用いてもアスベスト飛散防止は十分に達成できないのである。
除去方法の第2の例として、アスベスト粉塵の飛散抑制剤としてスチレンアクリル共重合樹脂を用いることが提案されている(下記特許文献2参照)。しかし吹付けアスベスト層の最内層にまでスチレンアクリル共重合樹脂を完全に浸透させることは難しいという問題がある。
更に、アスベストなどの剥離除去時に発生する粉塵の飛散防止方法として、保水剤、増粘剤、浸透剤、発泡剤および硬化剤を含む薬剤を塗布し、その後被処理対象物を剥離除去する方法が提案されている(下記特許文献3参照)。この方法の特徴は硬化剤によってアスベスト含有物を硬化するのでケレン等の道具で剥離する時バラバラにならず塊として除去する効果を狙っているが、大きな塊の亀裂部で微小アスベストが飛散することは避けられず固く硬化させることに問題があった。
アスベスト除去をスクレーパーまたはケレン等の治具を用いて人力で削り取る作業は、アスベストの吸入防止のため防塵防毒マスク、保護メガネならびに完全防塵服を着用して作業をするので、長時間集中力を持続して作業を継続するのは難しい。作業者の手作業による方法では、アスベストの完全除去は難しく、また、作業者の安全確保に問題を生ずるおそれもある。
その解決方法の一つとして高圧ウォータージェットを用いる工法が提案されている(下記非特許文献1参照)。吹付けアスベスト部にアスベスト粉塵飛散抑制剤を吹付けたのち、アスベスト表面が硬い場合は600〜700kg/cmの水圧、表面が柔らかい場合は500〜600kg/cmの水圧のウォータージェットをアスベスト層に噴射しアスベスト層を削り落とす工法である。アスベストを比較的完全に削り取ることには成果があったが、上記のような高圧水でアスベスト層を粉砕切断する際、従来の飛散抑制剤ではアスベスト切断面から高圧水に飛ばされてアスベスト微粒子が周囲に飛散するのを防止できないという問題がある。アスベスト除去作業現場はビニールシートで隔離され減圧状態にして飛散したアスベストの漏洩を防いでいるが、高圧水で吹き飛ばされたアスベストの漏洩防止には厳重な管理が不可欠であり、高圧ウォータージェット除去作業でもアスベストの飛散がより確実に抑制ないし防止されることが必要である。
また、上記ウォータージェット工法などの加圧水を用いるアスベストの除去方法は多量の水が必要であり、アスベスト含有水を排水することは公害対策上許されないので、多量の水を含有する捕集アスベストを濾過し濾液を再使用することが必要になる。また、アスベスト除去作業が完了し、例えば濾過材表面上に付着捕集されたアスベストを採取するために、濾過材の反対側から水を少し流して濾過材を洗浄したりする場合など、残った微量アスベスト含有水の処置についての完全な無害化処理についてどのようにしたらよいかという問題も残っている。
また、上記のウォータージェット用加圧水のリサイクルシステムおよび微量アスベスト含有水の無害化のためのコスト高がウォータージェットなどの加圧水を用いる方法の普及を妨げているという問題もある。
特開昭62−178659号公報 特開2004−305904号公報 特開平10−323614号公報 日本建築センター・建築保全センター技術審査証明9801号〔BCJ−審査証明−32(2003,5,18)〕
本発明はこれらの問題をより改善し、スクレーパーまたはケレン等の治具を用いて人力でアスベスト除去を行うような場合にも、あるいは、ウォータジェットのような加圧水を噴射してアスベスト除去を行うような場合にも、アスベストの飛散がより生じにくいアスベスト除去方法を提供することを目的とする。
更には、前記目的とともに、アスベストが鉄構造物に吹き付けられている場合でも、より完全に前記鉄構造物からアスベストを剥離できるアスベスト除去方法を提供することを目的とする。
更には、前記目的とともに、加圧水を用いてアスベスト除去を行う場合に、加圧水のリサイクルを可能にするアスベスト除去方法を提供することを目的とする。
更には、前記目的とともに、加圧水を用いてアスベスト除去を行う場合に、微量アスベスト含有水のコスト的にも実用化可能な無害化方法も加味したアスベスト除去方法を提供することを目的とする。
前記課題を達成するため
(1)本発明の第1のアスベスト除去方法は、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのちアスベストを剥離除去することを特徴とする。
(2)前記(1)項に記載の本発明のアスベスト除去方法においては、薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤であることが好ましい。
(3)本発明の第2のアスベスト除去方法は、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤を含む加圧水を、ノズルからアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去することを特徴とする。
(4)前記(3)項に記載の本発明のアスベスト除去方法においては、薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤であることが好ましい。
(5)本発明の第3のアスベスト除去方法は、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのち、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤を含む加圧水を、ノズルから前記アスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去することを特徴とする。
(6)前記(5)項に記載の本発明のアスベスト除去方法においては、前記組成物を構成する薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤であることが好ましい。
(7)前記(5)または(6)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、前記薬剤を含む加圧水における薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤であることが好ましい。
(8)本発明の第4のアスベスト除去方法は、(A)増粘剤、柔軟粘結剤および湿潤浸透剤を含有する薬剤、又は、(B)増粘剤、柔軟粘結剤、湿潤浸透剤および金属キレート剤を含有する薬剤、を含む加圧水を、ノズルよりアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去し、剥離落下した捕集アスベストと前記(A)または(B)の薬剤とを含有する水を分離するため、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターによりろ過したのち、濾液を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密ろ過し、この濾液を加圧用水として循環利用することを特徴とする。
(9)本発明の第5のアスベスト除去方法は、(A)増粘剤、柔軟粘結剤および湿潤浸透剤を含有する薬剤、又は、(B)増粘剤、柔軟粘結剤、湿潤浸透剤および金属キレート剤を含有する薬剤、を含む加圧水を、ノズルよりアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去し、剥離落下した捕集アスベストと前記(A)または(B)の薬剤とを含有する水を分離するため、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターによりろ過し、濾液を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密ろ過し、前記ステンレス網でろ過したアスベスト殘渣および前記高分子分離膜で精密ろ過されたアスベスト殘渣を捕集アスベストとして溶融処理または特別管理産業廃棄物として処理し、精密ろ過された濾液は加圧水として循環利用し、更にアスベスト含有排水を吸水剤により吸水し固体状としたのち特別管理産業廃棄物として処理することを特徴とする。
(10)前記(2)、(4)、(6)、(7)〜(9)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、金属キレート剤が、柔軟粘結剤としてアクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物濃度5重量%(固形分換算)、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び金属キレート剤濃度3重量%を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分で直径1mmのノズルから距離20cmはなれた位置にあるアスベスト含有物に噴射し、アスベストを剥離落下させた後、アスベストが接着していた鉄板の表面に残存するアスベストがほとんど見られなくなる化合物であって、
ヒドロキシルアミノカルボン酸誘導体、チオ尿素、ジチオカルバミン酸塩、チオグリコール酸又はその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する金属キレート剤であることが好ましい。
(11)前記(9)〜(10)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、吸水剤が、アクリル酸重合物部分アルカリ塩架橋物、アクリル酸・ビニルアルコール共重合物、デンプンとポリアクリル酸アルカリ塩の架橋物、カルボキシアルキルセルロースアルカリ塩の架橋物から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
(12)前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、湿潤浸透剤が、JISP8141に記載された吸水度測定方法に準じて湿潤浸透剤を0.1重量%添加した水溶液の吸水度がオクチルフェノールエチレンオキサイド付加物と同等以上であって、且つ、アスベスト除去作業においてアスベスト微粒子の飛散が、前記オクチルフェノールエチレンオキサイド付加物を用いた場合に比べて少ない化合物であって、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、アルキルスルホ酢酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコールエトキシ硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する湿潤浸透剤であることが好ましい。
(13)前記(1)〜(12)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、増粘剤が、増粘剤5重量%を含む水溶液をブルックフィールドデジタル粘度計で測定した粘度が2000c.p.s以上であり、且つ、増粘剤10重量%を含有する水を、10日間常温中に放置後の硬度がデュロメータAの硬度で35以下である化合物であって、デンプングルコール酸アルカリ塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸アルカリ塩、ペクチンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する増粘剤であることが好ましい。
(14)前記(1)〜(13)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、柔軟粘結剤が、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び柔軟粘結剤濃度5重量%(固形分換算)を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分で直径1mmのノズルから距離20cmはなれた位置にあるアスベスト含有物のアスベスト表面に噴射した場合に、アスベスト微粒子の飛散がほとんど見られず、且つ、柔軟粘結剤10重量%を含有する水を、10日間常温で放置後のデュロメータAの硬度が35以下の粘結剤であって、
エマルジョン重合により製造された、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル酸共重合物、酢酸ビニル・メタクリル酸共重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、アクリル酸エステル同士の共重合物、メタアクリル酸エステル同士の共重合物、または、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルの共重合物から選ばれたエマルジョン;
水性合成樹脂を水に分散させたエマルジョン、
からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する柔軟粘結剤であることが好ましい。
(1)本発明の第1のアスベスト除去方法は、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのちアスベストを剥離除去するので、アスベスト除去の際に、微小アスベストが空中に浮遊しないような大きさにアスベストが比較的大きな塊状で剥離して落下するようにすることができ、しかも、柔軟粘結剤を使用しているので粘結剤を付与されたアスベスト塊状物が硬くならず(硬くなるとアスベスト塊状物の亀裂部などから微小アスベストが発生しやすくなる)、アスベスト除去の際に微小アスベストが空中に浮遊するのを極力防止しできるアスベスト除去方法を提供できる。従って、アスベスト除去作業者のアスベストの吸い込みや、作業周囲環境の微小アスベストによる環境汚染を極力防止したアスベスト除去方法を提供できる。
(2)前記(1)項に記載の本発明のアスベスト除去方法において、薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である本発明の好ましい態様とすることにより、金属キレート剤は、アスベスト含有物と鉄構造物との接着結合力を化学的に弱める作用があり、鉄構造物に付着施工されているアスベストも、残留量がほとんどなくなるくらいにきれいにアスベストを除去でき好ましい。従来、スクレーパーなどの治具では、現実には、構造上、アスベストを削り取りにくい部分など、十分アスベストを除去しきれず、付着残留したアスベストは、その上から、樹脂を吹き付けて固めるなどの応急処理をしているが、本発明では、そのような部分も、より容易にアスベストを除去でき好ましい。
(3)また、本発明の第2のアスベスト除去方法は、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤を含む加圧水を、ノズルからアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去するので、スクレーパーなどの治具を用いる場合よりも、効率的にアスベストを除去でき、加圧水噴射の衝撃により、通常、スクレーパーなどの治具を用いる場合に比べて、従来法においてはより一層、微小アスベストが空中に浮遊しやすくなるが、本発明方法により、微小アスベストが空中に浮遊しないような大きさにアスベストが比較的大きな塊状で剥離して落下するようにすることができ、しかも、柔軟粘結剤を使用しているので粘結剤を付与されたアスベスト塊状物が硬くならず、アスベスト除去の際に微小アスベストが空中に浮遊するのを極力防止しできるアスベスト除去方法を提供できる。更に、柔軟粘結剤は増粘剤が水で薄められて、増粘作用が低下するのをできるだけ少なくする機能も有するのでこの両者の併用効果が発揮される。
(4)また、前記(3)項に記載の本発明のアスベスト除去方法において、薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である本発明の好ましい態様とすることにより、上記(3)項で説明した効果に加え、金属キレート剤は、アスベスト含有物と鉄構造物との接着結合力を化学的に弱める作用があり、鉄構造物に付着施工されているアスベストも、残留量がほとんどなくなるくらいにきれいにアスベストを除去でき好ましい。
(5)また、本発明の第3のアスベスト除去方法においては、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのち、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤を含む加圧水をノズルから前記アスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去するので、前記(3)項に記載の効果において、アスベスト除去の際に、更に一層、微小アスベストが空中に浮遊するのを極力防止でき好ましい。
(6)また、前記(5)項に記載の本発明のアスベスト除去方法においては、前記組成物を構成する薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である本発明の好ましい態様とすることにより、上記(5)項で説明した効果に加え、金属キレート剤は、アスベスト含有物と鉄構造物との接着結合力を化学的に弱める作用があり、鉄構造物に付着施工されているアスベストも、残留量がほとんどなくなるくらいにきれいにアスベストを除去でき好ましい。
(7)また、前記(5)または(6)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、前記薬剤を含む加圧水における薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である本発明の好ましい態様とすることにより、加圧水に更に金属キレート剤が含まれているので、前記(5)または(6)項に記載の効果に加えて、鉄構造物に付着施工されているアスベストも、より一層きれいに除去でき好ましい。
(8)また、本発明の第4のアスベスト除去方法は、(A)増粘剤、柔軟粘結剤および湿潤浸透剤を含有する薬剤、又は、(B)増粘剤、柔軟粘結剤、湿潤浸透剤および金属キレート剤を含有する薬剤、を含む加圧水を、ノズルよりアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去し、剥離落下した捕集アスベストと前記(A)または(B)の薬剤とを含有する水を分離するため、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターによりろ過したのち、濾液を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密ろ過し、この濾液を加圧用水として循環利用するので、前記(3)または(4)項に記載の効果に加えて、アスベストの剥離に使用した加圧水を循環せずに廃棄可能な処理をして廃棄する場合に比べ、処理のコストを大幅に低減し、ウォータージェットなどの加圧水によるアスベスト除去方法の商業的工業的利用を現実に可能にできる。
(9)また、本発明の第5のアスベスト除去方法は、(A)増粘剤、柔軟粘結剤および湿潤浸透剤を含有する薬剤、又は、(B)増粘剤、柔軟粘結剤、湿潤浸透剤および金属キレート剤を含有する薬剤、を含む加圧水を、ノズルよりアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去し、剥離落下した捕集アスベストと前記(A)または(B)を含有する水を分離するため、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターによりろ過し、濾液を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密ろ過し、前記ステンレス網でろ過したアスベスト殘渣および前記高分子分離膜で精密ろ過されたアスベスト殘渣を捕集アスベストとして溶融処理または特別管理産業廃棄物として処理し、精密ろ過された濾液は加圧水として循環利用し、更にアスベスト含有排水を吸水剤により吸水し固体状としたのち特別管理産業廃棄物として処理するので、前記(3)、(4)または(8)項に記載の効果に加えて、捕集アスベストとして溶融処理または特別管理産業廃棄物として処理し、アスベスト含有排水を固体状に固めて特別管理産業廃棄物として処理するので、最終廃棄処理段階においても、微細アスベストが空中に浮遊する機会を十分防止できる。
(10)また、前記(2)、(4)、(6)、(7)〜(9)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法において、金属キレート剤が、柔軟粘結剤としてアクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物濃度5重量%(固形分換算)、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び金属キレート剤濃度3重量%を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分で直径1mmのノズルから距離20cmはなれた位置にあるアスベスト含有物に噴射し、アスベストを剥離落下させた後、アスベストが接着していた鉄板の表面に残存するアスベストがほとんど見られなくなる化合物であって、ヒドロキシルアミノカルボン酸誘導体、チオ尿素、ジチオカルバミン酸塩、チオグリコール酸又はその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する金属キレート剤である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの金属キレート剤は、鉄構造物に付着したアスベストの鉄構造物との接着結合力を弱める効果が優れており、アスベストの除去において、鉄構造物上の残留アスベストの量をより一層少なくでき好ましい。
(11)また、前記(9)〜(10)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法において、吸水剤が、アクリル酸重合物部分アルカリ塩架橋物、アクリル酸・ビニルアルコール共重合物、デンプンとポリアクリル酸アルカリ塩の架橋物、カルボキシアルキルセルロースアルカリ塩の架橋物から選ばれた少なくとも一種である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの吸水剤は、アスベスト含有排水を容易に、しっかりした固体状に固化することができ好ましい。
(12)また、前記(1)〜(11)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、湿潤浸透剤が、JISP8141に記載された吸水度測定方法に準じて湿潤浸透剤を0.1重量%添加した水溶液の吸水度がオクチルフェノールエチレンオキサイド付加物と同等以上であって、且つ、アスベスト除去作業においてアスベスト微粒子の飛散が、前記オクチルフェノールエチレンオキサイド付加物を用いた場合に比べて少ない化合物であって、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、アルキルスルホ酢酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコールエトキシ硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する湿潤浸透剤である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの湿潤浸透剤は、アスベスト層の内部まで水分、増粘剤、柔軟粘結剤、或いは、金属キレート剤を浸透させる能力が大きく、微小アスベストが空中に浮遊するのをより一層防止しでき好ましい。
(13)また、前記(1)〜(12)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法において、増粘剤が、増粘剤5重量%を含む水溶液をブルックフィールドデジタル粘度計で測定した粘度が2000c.p.s以上であり、且つ、増粘剤10重量%を含有する水を、10日間常温中に放置後の硬度がデュロメータAの硬度で35以下である化合物であって、
デンプングルコール酸アルカリ塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸アルカリ塩、ペクチンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する増粘剤である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの増粘剤は、増粘効果が大きいだけでなく、作業者の休日や何らかの事故などにより除去作業が一時的に中断された場合でも、増粘剤が施されたアスベスト表層部の固化が進行しにくく、アスベスト表層部の固化が進行してしまうと、作業を再開する場合に、アスベストの除去作業がしにくくなる問題を解決でき、好ましい。
(14)また、前記(1)〜(13)項のいずれかに記載の本発明のアスベスト除去方法においては、柔軟粘結剤が、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び柔軟粘結剤濃度5重量%(固形分換算)を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分で直径1mmのノズルから距離20cmはなれた位置にあるアスベスト含有物のアスベスト表面に噴射した場合に、アスベスト微粒子の飛散がほとんど見られず、且つ、柔軟粘結剤10重量%を含有する水を、10日間常温で放置後のデュロメータAの硬度が35以下の粘結剤であって、
エマルジョン重合により製造された、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル酸共重合物、酢酸ビニル・メタクリル酸共重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、アクリル酸エステル同士の共重合物、メタアクリル酸エステル同士の共重合物、または、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルの共重合物から選ばれたエマルジョン;
水性合成樹脂を水に分散させたエマルジョン、
からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する柔軟粘結剤である本発明の好ましい態様とすることにより、これらの柔軟粘結剤は、固化し難く、しかも、付与した場合に、表層部が柔らかく、アスベスト除去作業時に微小アスベストが空中に浮遊するのをより一層防止しでき、好ましい。
アスベスト含有物を例えばスクレーパーまたはケレン等の治具を用いて人力で削り取るか、加圧水などを噴射して剥離除去するか、除去作業をする際、大きな塊は落下するが微小なアスベスト繊維は浮遊し続けて作業現場の周囲を囲ってある合成樹脂フィルムなどの覆いから外部に漏洩する可能性がある。このアスベスト飛散を抑制または防止するために、アスベスト含有物に飛散抑制剤を塗布(散布、注入、または噴霧も、本発明では塗布と言う概念に含めている。)する。
飛散抑制剤に必要な機能は固いアスベスト層をその内部まで水分で湿潤させること、アスベストの表面に塗布した飛散抑制剤を構成する薬剤が最内層まで浸透すること、表面に塗布した飛散抑制剤を構成する薬剤が落下しないように、また微小アスベストが空中で浮遊しない大きさに集合させ比較的大きな塊状となるように飛散抑制剤の粘度を高めること、アスベスト除去作業の際アスベスト層が粉状または小さな塊状になると微小アスベストが発生するので、大きな塊状になって落下させるようにアスベスト相互間に結合力を付与することである。ただし、結合力を付与する薬剤が固化して固い状態になると、アスベスト除去作業の際、大きな塊の固まりの亀裂部で微小アスベストが発生することは避けられない。それを解決するために飛散抑制剤には、柔軟で粘りのある柔軟粘結性が必要である。
また、スクレーパー等の治具を用いて人力や機械で削り取る除去作業にくらべて、加圧水を噴射してアスベストに衝撃力を与え剥落させる除去作業では微小アスベストの飛散が多くなりやすい傾向があり、このような、加圧水の噴射によるアスベスト除去においても、微小アスベストの飛散を抑制した、高性能の微小アスベストの飛散防止剤が必要であった。
スクレーパー等の治具を使って人力でアスベスト含有物を削り取る際には湿潤浸透剤を含有する水で湿らせるだけでもある程度の飛散抑制効果は認められる。しかし形状が平旦な構造でなく、例えば、金属折板屋根材(角波板)のような波型形状でアスベスト層の厚みが20mm以上のアスベスト層の除去作業において飛散は避けられず、増粘剤と併用することにより、飛散抑制効果が顕著になる。
加圧水をノズルから噴射してアスベスト含有物に衝撃、特に衝撃波(通常、強い衝撃とそれより弱い衝撃が交互に加わるようにすると、剥離効果が向上するが、このように、周期的に、交互に強弱の衝撃を与える場合をここでは衝撃波と言う)を与え剥落除去する場合、湿潤浸透剤のみでは微細アスベストの飛散を抑制するのは難しい。飛散防止剤として増粘剤と湿潤浸透剤を併用すると微細アスベストの飛散を改善させるが完全に抑制するのは難しい。増粘剤は、通常、水溶性か水分散系の物質であるため加圧水の侵入により増粘効果が薄められてしまう。
しかし、柔軟粘結剤は水溶性あるいは水分散系であるが、水の浸入による粘結効果の減少が少ないので、加圧水を用いたウォータージェットの衝撃波を受けてもアスベストの飛散を抑制または防止する効果が大きい。更にスクレーパー等の治具を使って人力でアスベスト含有物を削り取る際においても卓越した粘結効果によって微小アスベストの飛散を抑制または防止できる。また柔軟粘結剤の最内層への浸透を促進するためには湿潤浸透剤の併用が必要である。更に増粘剤との併用は柔軟粘結剤の柔軟性を向上させ柔軟粘結剤の添加率を減少できる効果があるので本発明では、これらの各薬剤成分両者の併用が必要である。
(湿潤浸透剤の吸水度測定方法)
JIS P8141に記載された「紙および板紙の吸水度試験方法(クレム法)」では比較的吸水性の高い紙の下端を鉛直に水の中に浸漬し、一定時間後毛細管現象によって前記水が上昇した高さを目盛板でmm単位で測定し、吸水度としている。
本測定においては、JIS P8141の規定に従ったクレム吸水度試験機(安田精機製作所製 製品番号310)を用いて吸水度を測定した。
株式会社NBSリコー製の複写機用上質コピー紙 タイプ “6200”、規格 AOY目をテープ状に、幅15±1mm、上下端を吸水度試験機備え付けのクリップでつかんだ場合の上下のクリップ間の前記テープの長さが200mmになるような寸法にカットし、測定したい湿潤浸透剤を0.1重量%添加した温度23±1℃の水溶液に、前記所定寸法にカットしたテープ状の上質コピー紙が前記水溶液の水面から深さ15mm浸漬するようにその下端を吸水度試験機備え付けのクリップで止め、且つ上端も前記上側のクリップで止めて、10分間±10秒間放置した後の前記水溶液の水面から前記水溶液が上昇した高さを、この湿潤浸透剤の吸水度とした。即ち、前記吸水度の測定法においては、湿潤浸透剤が添加された水を用いる点を除いては、JISP8141の規定の測定法に従ったものである。
(アスベスト除去時の飛散試験)
縦100mm、横100mm、底が鉄製の折板屋根材[断面が上下互いに逆向きの略台形状(台形の底辺がない)の繰り返しからなる角波板。従って底の深さが浅いところで50mm、深いところで61mm]の鉄製の容器にアスベストが厚み4〜5cm吹き付けられて10日以上経過したものをアスベストが吹き付けられている側を下にして、高さ2mの位置に置き、湿潤浸透剤水溶液を噴霧によりアスベスト露出面の面積1mあたりに換算しておよそ2kgの割合で塗布し、温度は常温(以下の薬剤はすべて常温)下で、3時間放置後、ブレード部分がステンレス製で、刃の横方向長さが36mmのスクレーパーによる手作業で吹付けアスベスト除去を行い、アスベスト微粒子の飛散状態を目視で判定した。
(湿潤浸透剤の評価方法)
上記の吸水度の測定法において、特開昭62−178659号に記載のオクチルフェノールエチレンオキサイド付加物を標準として、これと同等以上の吸水度を示す湿潤浸透剤であって、前記アスベスト微粒子の飛散状態を目視で判定し飛散が前記オクチルフェノールエチレンオキサイド付加物を同濃度で同量用いた場合に比べて少ないものを合格と判定した。本発明においては、合格品を用いることが好ましい。
上記記載した評価方法に適合した湿潤浸透剤としては、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、アルキルスルホ酢酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコールエトキシ硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルから選ばれた界面活性剤があげられる。
前項に示した湿潤浸透剤において、その骨格を構成しているアルキル基Rは
Figure 2007125467
で表され、ここでnは正の整数を表す。アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい。湿潤浸透剤が塩の場合、アルカリ金属塩、又は、アルカリ土類金属塩が用いられ、具体例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム塩があげられる。
より好ましい具体例としては、次のものが挙げられる。
(1)アルキルナフタレンスルホン酸塩においてアルキル基の炭素数は2〜5が好ましく、イソプロピル基、ブチル基、又は、イソブチル基が特に好ましい。アルキル基は1個か2個有するものが好ましい。アルキル基の炭素数1の場合、および6以上の場合では湿潤性が低下する傾向になる。従って、アルキルナフタレンスルホン酸塩においては、アルキル基の炭素数は2〜5が好ましい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
(2)ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物における塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、又は、マグネシウム塩が好ましい。
(3)メラミンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物における塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、又は、マグネシウム塩のほか、リチウム塩などが挙げられる。
(4)ジアルキルスルホコハク酸エステル塩のアルキル基の炭素数は4〜12の範囲が湿潤性が良好で好ましい。炭素数が4より小さいか13以上では湿潤性が低下する傾向になる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
(5)スルホコハク酸アルキル二塩のアルキル基の炭素数は4〜12のものが湿潤性が良好で好ましい。炭素数が4より小さいか13以上では湿潤性が低下する傾向になる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
(6)アルキルスルホ酢酸塩のアルキル基の炭素数は12〜18の範囲が湿潤性が良好で好ましい。炭素数が12より小さいか18より大きいと湿潤性が低下する傾向にある。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
(7)高級アルコール硫酸エステル塩において高級アルコールセグメントのアルキル基の炭素数は12〜18が湿潤性が良好で好ましい。炭素数が12より小さいか18より大きいと湿潤性が低下する傾向になる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
(8)第2級高級アルコールエトキシ硫酸塩において、下記化学式で示されるものが好ましい。
Figure 2007125467
ここでR、Rはアルキル基を示し、nは1〜12の整数を表し、Mはアルカリ金属を示す。
、Rの炭素数の合計は11〜17の範囲が湿潤性が良好で好ましい。炭素数が11より小さいか17より大きいと湿潤性が低下する傾向にある。またnは1〜12の範囲のものが、起泡性が大きくならず好ましい。Mのアルカリ金属としては、ナトリウム又はカリウムが好ましい。
(9)脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩において脂肪酸セグメントの炭素数は12〜18が湿潤性が良好で好ましい。炭素数11以下および19以上では湿潤性が低下する傾向になる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
(10)ポリオキシエチンジスチリルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルのエチレンオキサイド付加モル数は4〜12が湿潤性が良好で、起泡性が大きすぎることがなく好ましい。付加モル数が3以下では、湿潤性が低下する傾向になり、付加モル数が13以上では、起泡性が大きくなりすぎる傾向になる。
(増粘剤の粘度の測定方法)
増粘剤の増粘効果を調べるため株式会社テックジャム製のブルックフィールドデジタル粘度計“HV−50”を用いて増粘剤5重量%を含む水溶液において粘度を測定した
本発明においては、増粘剤5重量%を含む水溶液を、粘度が2000c.p.s以上である増粘剤を用いることが好ましい。
増粘剤として液体の増粘効果は高いほど好ましい。しかしアスベスト表層部を固化させるものは好ましくない。作業継続中の休日その他の事故などにより作業を数日間〜10日間一時的に休止した場合、増粘剤が固化してしまうとアスベストの除去がしにくくなる。例えばポリビニルアルコール、スチレン−アクリロニトリル共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物、ポリウレタン等の増粘剤は固化しやすく好ましくない。
(増粘剤の固化試験方法とその評価方法)
増粘剤の固化試験方法として、増粘剤10重量%を含有する水を、縦5cm、横10cm、深さ7cmの鉄製容器に満たし、10日間常温中に放置後、JIS 6050 プラスチック字消の(6.2)項の硬さの試験方法に準拠し、株式会社シロ製のゴム・プラスチック硬度計“SGS 701N”を用いて硬度を測定し、デュロメータDの硬度で10以下で、且つデュロメータAの硬度で35以下のものを本発明では用いることが好ましい。通常、デュロメータDの硬度で10以下の測定精度は、デュロメータAの硬度で測定した方が測定精度が良好である。従って、デュロメータDの硬度で10以下かどうかをまず測定しておいて、次いで、デュロメータAで測定すると、早く評価が可能となる。従って、デュロメータDでの測定は必ずしも必要ではない。
以上より、本発明において増粘剤としては、増粘剤5重量%を含む水溶液をブルックフィールドデジタル粘度計で測定した粘度が2000c.p.s以上であり、且つ前記増粘剤10重量%を含有する水を10日間常温に放置後の硬度が、デュロメータAの硬度で35以下のものを合格と判定した。本発明ではこの合格品を用いることが好ましい。
上記に記載した評価方法に合格した好適な増粘剤としては、デンプングリコール酸アルカリ塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸アルカリ塩、ペクチンがあげられる。これらは、アスベスト表層部を固化させにくく好ましい。
前項の増粘剤のアルカリ塩のアルカリとはナトリウム、カリウム、又は、リチウムが挙げられる。アルギン酸プロピレングリコールエステルのエステルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、又は、イソブチルエステル等が挙げられる。
柔軟粘結剤の評価方法は、縦100mm、横100mm、底が鉄製の折板屋根材[断面が上下互いに逆向きの略台形状(台形の底辺がない)の繰り返しからなる角波板。従って底の深さが浅いところで50mm、深いところで61mm]の鉄製の容器にアスベストが厚み4〜5cm吹き付けられている側を下にして高さ2mの位置に置き、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び測定対象の柔軟粘結剤濃度5重量%(固形分換算)を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)をアスベスト含有物のアスベスト表面から20cmはなれた下方から下記で説明するノズルから噴射し、アスベスト含有物に水流を衝突させた時にアスベスト微粒子が飛散するかどうか目視で判定し、飛散する微粒子がほとんどないか見つからない場合を合格とした。
図3にこの柔軟粘結剤の評価に用いるノズルの断面概略図を示した。図3において、左側がノズルの穴の先端(出口)であり、ノズル1の穴の先端部の穴2は、細い円筒状であり、それより内側(図3の右側方向)のノズルの穴3は、円錐台状に次第に大きくなっている。4は、加圧水の導入方向を示す矢印である。ノズルの穴の先端部の細い円筒状の穴2のノズル径Dは1.0mm、その部分の長さLは3.5mm、ノズルの全長は37.5mm、ノズルの穴3の円錐台状部の角度αは13度である。ノズルとその噴射対象物であるアスベスト含有物間の距離は20cmで、高圧水用の駆動ポンプは三連プランジャー式、モータは60Hp(45kw)3層交流200V、高圧水の圧力650kg/cm2、流水量35リットル/分の条件で、アスベスト含有物のアスベスト表面から20cmはなれた下方より加圧水を噴射し、柔軟粘結剤の評価を行ったものである。
先に説明したように、粘結剤としては、固化しやすいものは柔軟粘結剤として不適である。更に固化しなくても表面層が固いものは好ましくない。言い換えれば、放置乾燥において、固化しにくく、且つ塗布した表面層が固くならないものが柔軟粘結剤とされるものであり、柔軟粘結剤の固化試験方法として、前記増粘剤の固化試験法と同様の方法を採用し、柔軟粘結剤10重量%を含有する水を、縦5cm、横10cm、深さ7cmの鉄製容器に満たし、10日間常温で放置後のデュロメータAの硬度で35以下のものを合格品とした。
以上より、本発明において柔軟粘結剤としては、前記加圧水噴射試験でアスベスト微粒子の飛散がほとんど見られず、且つ、前記固化試験方法において、前記デュロメータAの硬度で35以下のものを合格品とした。本発明において柔軟粘結剤としては、かかる合格品を用いることが好ましい。
上記に記載した評価に適合した柔軟粘結剤としては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル酸共重合物、酢酸ビニル・メタアクリル酸共重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステルの共重合物、アクリル酸エステル同士の共重合物、メタアクリル酸エステル同士の共重合物、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルの共重合物等のエマルジョン重合によって得られるエマルジョンと、水性合成樹脂を水に分散させたエマルジョンが挙げられる。
上記のアクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル又はマレイン酸エステルのエステルとしては、メチル、エチル、プロピル又はブチルエステル等が挙げられる。
上記においてアクリル酸エステル同士の共重合物としては、アクリル酸メチル、エチル、プロピル又はブチルエステルから選ばれた少なくとも2種以上の共重合体が挙げられ、メタアクリル酸エステル同士の共重合物としては、メタクリル酸メチル、エチル、プロピル又はブチルエステルから選ばれた少なくとも2種以上の共重合体が挙げられ、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルの共重合物としては、アクリル酸メチル、エチル、プロピル又はブチルエステルから選ばれた少なくとも1種以上とメタクリル酸メチル、エチル、プロピル又はブチルエステルから選ばれた少なくとも1種以上の共重合体が挙げられ
また、上記記載の水性合成樹脂を水に分散させるエマルジョンに用いられる水性合成樹脂として、水性アルキド樹脂、水性メラミン樹脂、水性アクリル樹脂等が挙げられる。
前項記載のアルキド樹脂は多価アルコールと多塩基酸のポリ縮合物からなる。多塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラクロルフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これら以外に、通常、変性剤として炭素数12〜18の飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸、例えば、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リシノレイン酸など、又はこれらの2種以上の混合物が用いられている。
水性アルキド樹脂の具体例として変性剤である脂肪酸と、無水フタル酸と、多価アルコールであるペンタエリスリトールとのポリ縮合物や、無水トリメリット酸とアジピン酸とエチレングリコールとのポリ縮合物などが好適な例として挙げられる。
水性アクリル樹脂としては、アクリル酸エステル、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸などを共重合させ、水酸基をアンモニアまたはアミンで塩として水溶化した樹脂である。
水性メラミン樹脂は、トリメチロールメラミンとメタノールをシュウ酸と加熱反応させ、冷却後メタノールを濃縮し除去したのちアミンで中和して得られる。
また、前述した金属キレート剤はアスベストと当該アスベストが吹付けられた鉄構造物との接着結合力を化学的に弱め、鉄構造物とアスベストの間の剥離を促進する。そのため鉄構造物に残留するアスベストが少なく、きれいにアスベストを除去できる。スクレーパー等の治具で削り取りにくいアスベストを化学的に除去できるので、鉄構造物に付着しているアスベストを除去する場合には、金属キレート剤用いることが好ましい。
金属キレート剤の評価方法は、縦100mm、横100mm、底が鉄製の折板屋根材[断面が上下互いに逆向きの略台形状(台形の底辺がない)の繰り返しからなる角波板。従って底の深さが浅いところで50mm、深いところで61mm]の鉄製の容器にアスベストが厚み4〜5cm吹き付けられて10日以上経過したもののアスベストが吹き付けられている側を下にして、高さ2mの位置に置き、柔軟粘結剤として比較例3に記載した柔軟粘結剤アクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物濃度5重量%(固形分換算)、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び測定対象の金属キレート剤濃度3重量%を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分の割合で柔軟粘結剤の評価方法と同様のノズルを用いて同様の条件で、前記アスベスト含有物のアスベスト表面から20cmはなれた下方から噴射し、アスベストを剥離落下させ、前記鉄製容器の表面に残存するアスベスト量を目視で判定し、残存アスベストがほとんどなく、鉄製容器の表面がきれいな状態であるものを合格とした。本発明では合格品を用いることが好ましい。
前項の評価に適合した金属キレート剤としては、ヒドロキシルアミノカルボン酸誘導体、チオ尿素、ジチオカルバミン酸塩、チオグリコール酸又はその誘導体が挙げられる。
ヒドロキシルアミン誘導体の一般式は
Figure 2007125467
で示される。ここで、R、Rは炭素数2〜12のアルキル基を表し、Aはフェニル基である。
チオ尿素の構造式は
Figure 2007125467
で示される。
ジチオカルバミン酸塩としては、ジエチルアミン系とピペラジン系が挙げられる。
ジエチルアミン系のジチオカルバミン酸塩としては、下記化学式で示されるジエチルアミン−N−カルボチオアート塩が挙げられる。
Figure 2007125467
ここで、Mはアルカリ金属を示す。
アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられる。
ピペラジン系のジチオカルバミン酸塩としては、下記化学式で示されるピペラジン−1.4−ジカルボジチオアート二塩が挙げられる。
Figure 2007125467
ここで、Mはアルカリ金属を示す。
アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムなどが挙げられる。
チオグリコール酸又はその誘導体において、チオグリコール酸は別名メルカプト酢酸と呼ばれ下記化学式で示される。
Figure 2007125467
チオグリコール酸誘導体としては、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸2エチルヘキシル、チオグリコール酸メトキシブチル等が挙げられる。
ウォータージェット用加圧水に含有させるアスベストの飛散抑制防止剤の必要な機能は、既に記載したように、飛散抑制防止剤の必要特性である湿潤浸透性、増粘性、柔軟粘結性が必要である。しかし、用いる各成分の重要度がスクレーパー等の治具を用いた加圧水噴射を適用しないアスベスト除去方法に比べて若干異なる。そのために本発明で、スクレーパー等の治具を用いて人力や機械で削り取る除去作業に用いられるアスベスト飛散防止用の薬剤組成(ただし、金属キレート剤は飛散防止作用と直接関連しないので、金属キレート剤を除いた、湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤からなる薬剤組成)を、以後、説明の区別が必要な際に「飛散抑制剤」と言い、加圧水を噴射してアスベストに衝撃力を与え剥落させる除去作業に用いる同様のアスベスト飛散防止用の薬剤組成を、以後、説明の区別が必要な際に「飛散防止剤」と称して説明するが、これらの名称は、どの除去作業で用いられる薬剤組成物かをいちいち断ることを省略するために区別して用いている名称(呼び名)であって、その薬剤組成が必ずしも異なると言うことを意味するものではない。
飛散防止剤においては、柔軟粘結性が最重要であり、次に増粘性であり、湿潤浸透性は前二者の能力を発揮する補完機能となる。すなわち、柔軟粘結剤を単独で使用するよりも湿潤浸透剤との併用が有効であり、増粘剤の単独使用より湿潤浸透剤との併用が効果がある。また、柔軟粘結剤と増粘剤と併用すると柔軟粘結剤の使用率を減少できるので好ましい。
従って、アスベストの除去作業の前にアスベスト含有物に塗布する飛散抑制剤に用いる湿潤浸透剤、増粘剤および柔軟粘結剤或いは必要に応じて用いる金属キレート剤の種類や含有率とウォータージェット用加圧水に含有させる飛散防止剤として用いる湿潤浸透剤、増粘剤および柔軟粘結剤或いは必要に応じて用いる金属キレート剤の種類や含有率は、アスベスト含有物の形状、固さや、加圧水を用いる場合には当該加圧水の加圧の程度、流量等の条件により適宜決定すればよく、必ずしも同一でなくてもよいのである。
ウォータージェット加圧水によりアスベストを除去する際、多量の水を使用するので、前述したように、ウォータージェット用加圧水の回収・再利用が採算上極めて重要である。更に水のリサイクルと同時に水に添加する薬剤もリサイクルできれば採算上有利となる。そのため前述したアスベスト飛散抑制剤と飛散防止剤の薬剤をできれば同一種類にし含有率もなるべく近似できるような薬剤を選定することが好ましい。前述した、湿潤浸透剤、増粘剤および柔軟粘結剤の具体的に記載した化合物は、この条件を満足できるものとして、極めて有用であることを見出している。
湿潤浸透剤、増粘剤および柔軟粘結剤、必要に応じて用いる金属キレート剤、水の使用割合としては、これら全体の重量に対し、湿潤浸透剤が好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜1.5重量%、増粘剤が好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは、1〜5重量%、および柔軟粘結剤が好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%である。また、金属キレート剤を用いる場合には、金属キレート剤の使用割合は、好ましくは0.5〜8重量%、より好ましくは、1〜4重量%である。
加圧水の噴射によって、アスベストを除去する方式を採用する場合、除去されたアスベストとともに使用済みの前記薬剤を含む水も含めて、加圧水の噴射を受けて剥落したアスベストは減圧吸引されて捕集アスベストタンクに収容されたのち、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網からなるフィルターにより濾過される。濾過は1回とは限らず、一段目は例えばメッシュの目開きが80〜100μm(市販品では例えば88μm)のフィルターで濾過したのち、二段目は例えばメッシュの目開きが51〜70μm(市販品では例えば63μm)のフィルター、三段目は例えばメッシュの目開きが41〜50μm(市販品では例えば44μm)のフィルター、四段目は例えばメッシュの目開きが30〜40μm(市販品では例えば37μm)のフィルターと言うように、順次こまかい目開きのフィルターを用いてろ過することも好ましい。
捕集スベストがろ過残渣として付着しているステンレスフィルターは、濾液の通過方向とは逆方向に、圧縮空気と水を逆流させる逆流洗浄により完全に再生することができる。
本発明方法により、建築物などから、塊状に剥離された捕集アスベストは上記のステンレスフィルターで濾過されるが、単体の微小アスベスト繊維は、通常、例えば直径0.02μm、長さ0.3μmと超微粒子であるため、ステンレスフィルターで完全に捕促することができない。これを捕促するために、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μm孔径を有する高分子分離膜にて超精密濾過し、微小アスベストを確実に捕集することが好ましい。高分子分離膜の孔径は、通常一律ではなく、小さい孔から大きい孔まで分布を持っている。これらの高分子分離膜は、目的に応じて適宜選定して用いることができる。
高分子分離膜としては、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲の微粒子および微生物を分離できる精密濾過膜と、2nm〜0.1μmの範囲の物を分離できる。限外濾過膜、2nmより小さい物を分離できる逆浸透膜が挙げられる。
本発明方法において、微小アスベストは前記高分子分離膜の精密分離膜でほとんど捕集できる。さらに限外濾過膜では完全に捕集可能である。精密濾過と限外濾過の中間領域を狙い、0.02〜0.2μmの濾過機能を有する膜も市販されており、これでも微小アスベストを完全に捕集できる。
これらの高分子分離膜は、分離の必要性に応じて、適宜選択して用いればよい。
これらの高分子分離膜も逆流洗浄により目づまりを解消し再生することができる。
精密濾過膜を構成するポリマーとしてはポリビニルアルコール、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等が用いられる。限外濾過膜と精密濾過膜の中間領域用の高分子分離膜にはポリビールアルコールが用いられている。限外濾過膜にはポリスルフォンが使われている。逆浸透膜としては酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリスフォン、芳香族ポリアミド、セラミックス等が挙げられる。これらの分離膜は、単独成分膜だけではなく複合膜もあり、例えばポリスルフォンの多孔質膜の表面に芳香族ポリアミドを界面重合させた複合膜が多く好適に使用されている。
限外濾過膜で濾過すると飛散抑制剤、または飛散防止剤に使用した湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤および金属キレート剤をもほとんど完全に除去できる。
濾過した回収水を再利用するに際し、アスベスト含有物に噴射する高圧水中の含有成分である湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤および金属キレート剤も同時に再利用したい場合、第一の方法はアスベストの剥離作業継続中はメッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターにより濾過した濾液を密閉系でそのまま加圧水として循環使用する方法が挙げられる。この場合には、薬剤は濾過によって除去されないし、微小なアスベストも含んだ状態の加圧水が循環使用される。
第二の方法は上記ステンレス網フィルターで濾過後、限外濾過膜を使用せず精密濾過膜を用いて濾過することにより微小アスベストのほとんどを除去できるが、湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤および金属キレート剤のほとんどを回収し再利用することができる。
上記の第二の方法において回収し再利用する水の湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤および必要に応じて用いた金属キレート剤を完全に除去したいか、わずかに存在する微小アスベストを除去したいかの必要が生じた場合には限外濾過膜を用いて濾過すればよい。
図1にアスベスト除去工程を示した。図1は本発明のアスベスト除去方法の一実施形態の工程説明フローチャートである。図1において、工程1ではアスベスト飛散抑制剤必要に応じて更に金属キレート剤を含有する薬剤と水からなる組成物をアスベストを含有する処理対象物に塗布する。工程2ではアスベスト飛散防止剤必要に応じて更に金属キレート剤を含有する薬剤を含む加圧水をアスベストを含有する前記処理対象物にノズルより噴射してアスベストを剥離させ、落下するアスベストと前記使用した加圧水を減圧吸引する。工程3では、前記工程2で減圧吸引したアスベスト等を含む加圧水(排水)をメッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターにより濾過し、濾液の少なくとも1部又は全部を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密濾過し、濾過残渣のアスベストは符号(A)のところに示すように廃棄処理する(溶融処理するか特別管理産業廃棄物として処理する)。工程4では工程3で濾過された薬剤を含有した水を回収し工程2にもどして加圧水として再利用する。ステンレス網のみで濾過された濾液を回収し工程2にもどして加圧水として再利用する場合には、回収した加圧水中には薬剤のほかにステンレス網フィルターで捕捉できなかった微小アスベストも含まれている。
上記工程3の部分を更に詳細に示したのが、図2の工程3詳細説明図である。
図2において、第1段階は、目開きが1〜100μmのステンレス網フィルターで濾過する。濾液は、図2において、第1段階の右側のブロック内に示されているように、湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤、および必要に応じて用いる金属キレート剤と微小アスベスト繊維を含む水溶液となる。この濾液は微小アスベストを漏洩しない状態に厳密に管理することにより、図1に示したようにアスベスト飛散防止剤および必要に応じて用いる金属キレート剤を含有する加圧水として再利用することができる。
第2段階は、第1段階で得られた濾液の一部又は全部を0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲の微粒子を捕促できる高分子分離膜で精密濾過する。濾液には、湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤および必要に応じて用いる金属キレートを含み、微小アスベスト繊維は含まない水溶液が得られる。
アスベストの除去工事が終了し作業場を清掃した排水、ステンスで構成されたフィルターを再生するために逆流洗浄した排水、高分子分離膜を再生するために逆流洗浄した排水、密閉系の管やタンクを洗浄した排水、その他アスベストが残留する可能性のある水は廃棄用容器(図示せず)に集められ、図1の工程5に示すように高吸水性の吸水剤を添加して固体化することにより微小アスベストの漏洩を完全に防止する。吸水剤で固化した微小アスベスト含有廃棄物は、図1中の符号(B)で示されるところに表示されている。これは特別管理産業廃棄物として処理する。
上記において、回収したアスベストを無害化するための溶融処理は、通常、そのまま、又は、適宜の融点降下剤(融剤)となるような添加物とともにアスベストを溶融した後、固化させることにより、アスベストの結晶構造が変化して、無害化される処理である。融点降下剤等の添加剤を使用しない場合には、通常1500以上で電気炉などで溶融処理される。融点降下剤等の添加剤を使用するとそれより低温で溶融処理できるので、コストの面でも有利になる。
例えば、特開平9−206726号公報に記載されているように、アスベストに都市ゴミの焼却灰を混合して、600〜1700℃で加熱し、反応焼結させることにより、アスベスト含有物を無害化する方法が採用できる。アスベストの主成分が、SiとMgであるのに対しり、都市ゴミの焼却灰の主成分は、容易にガラス相(液相)を生成する成分であるCa、Na、K及びSiを多量含んでいる。そこで両者の混合物を600〜1700℃で低温熱処理しアスベストを無害化する方法なども採用できる。
これに類すると思われる方法として、特開2005−181412号公報に記載のように、汚泥、鉱サイ、燃え殻、プリント基板、パット屑、排触媒、金属屑などの産業廃棄物を横型炉で溶融し、湯溜まり部にスラグ浴を形成するとともに、アスベストをスラグ浴に投入し、スラグ浴中に溶解させて無害化する方法も採用できる。
また、日本特許第3120308号には、アスベストにCaFを加えて溶融し、ガラス質とする方法が示されている。更に、融解剤としてフッ化カルシウムを用いることもできる。
その他、特開2005−168632号公報に示される様に、フロンを廃棄する場合に、フロンをプラズマ処理により熱分解することによりフロンを無害化処理する方法によって生成されたフロン分解物とアスベストを混合し、600℃程度の低温熱処理でアスベストを無害化する方法も採用可能である。
また、上記の特別管理産業廃棄物として処理する場合の、「特別管理産業廃棄物」とは、日本国の廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年12月25日 法律137号。 最終改正:平成17年5月18日 法律42号)の第2条第5項に規定されている。従って、この法律とその関連政令に従い、処理される。
関連政令としては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年9月23日 厚生省令35号、最終改正:平成17年4月19日 環境省令11号)の第10条の17のイの(6)に、石綿などの処分に適する溶融施設その他の処理施設についての規定がある。第10条の17の2のイの(1)に、特別管理産業廃棄物を埋立処分を業として行う場合の規定が示されている。
特別管理産業廃棄物の収集、運搬、処理などの基準については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(昭和46年9月23日 政令第300号、 最終改正:平成17年8月15日 政令277号)の第6条の5の3のルに廃石綿などの埋立処分を行う場合の、飛散防止、耐水材での二重梱包、固形化処理等が規定されている。
以上のように、特別管理産業廃棄物として処分する場合には、これらの法律、政令の規定に従った処理された特別管理産業廃棄物を、上述のごとき規定された方法に従い、埋め立てなどの方法により処分される。通常は、この特別管理産業廃棄物としての処理を行う業者に委託して廃棄処分にする。本発明において特別管理産業廃棄物として処理するとは、特別管理産業廃棄物の処理を行う業者に委託して処理することを含むものである。
また、上記の排水の固化に用いる吸水剤(吸水性樹脂とも言う)の評価方法としては吸水剤の重量の5倍以上の水を吸水することができ、固体状になるものを合格とした。本発明では合格品を用いるのが好ましい。
上記の評価に適合する吸水剤としては、アクリル酸重合物部分アルカリ塩架橋物、アクリル酸−ビニールアルコール共重合物、デンプンとポリアクリル酸アルカリ塩の架橋物、カルボキシアルキルセルロースアルカリ塩の架橋物が挙げられる。
アクリル酸重合体の部分アルカリ塩の架橋物は、ポリアクリル酸またはそのアルカリ塩を重合して直鎖状のポリマーとしたのち架橋剤で架橋して製造する方法と、アクリル酸またはアクリル酸アルカリ塩と架橋剤モノマーを同時に共重合して一挙にポリアクリル酸の部分アルカリ塩の架橋物を得る方法とがあるが、いずれの方法で製造されたものも好適に使用できる。部分アルカリ塩とは、アクリル酸のカルボキシル基(−COOH)の水素が一部分アルカリ金属塩になった物である。アルカリ金属塩のアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム、リチウムが挙げられる。架橋剤としては二官能性モノマーを用いる。例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびこれらの酸の無水物、またはエチレングリコールジメタクリレート、エチレンビスアクリルアミドなどを用いることができる。
アクリル酸−ビニールアルコール共重合物は、酢酸ビニルとアクリル酸メチルを共重合し、アルカリで鹸化することによって得ることができる。
デンプンとポリアクリル酸アルカリ塩の架橋物は、澱粉にアクリル酸アルカリ塩例えばナトリウム塩、カリウム塩をグラフト重合し重合時に架橋剤となる二官能性モノマーを共重合するか、あるいは重合後に架橋剤で架橋することによって得られる。架橋剤ないし二官能性モノマーは、上述したものが使用できる。
カルボキシアルキルセルロースアルカリ塩の架橋物のアルキル基としは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、又はイソブチル基が挙げられる。例えば、セルロースとモノクロロ酢酸を反応させるとカルボキシメチルセルロースが得られる。これを架橋剤で架橋するとカルボキシメチルセルロース架橋物得られる。架橋剤は上述したものが使用できる。アルカリ塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
上記のような吸水剤で固化したアスベスト含有水は特別管理された産業廃棄物処理場で前述した特別管理産業廃棄物として処理することにより、アスベスト含有水を漏洩することなく安全に処理できる。
以下に述べる、実施例、比較例においては、まずアスベスト除去現場の周囲を合成樹脂フィルム例えばポリ塩化ビニルのフィルムで完全に包囲し、外部との出入口には開閉可能な仕切扉を取り付ける。真空ポンプにより作業現場の空気を減圧にすると共に除塵装置を稼動してアスベスト除去作業により万一浮遊アスベストが発生したとしても外部へ漏洩しないよう万全の準備をする。
アスベスト除去作業者は保護衣、防毒・防塵マスクを含む呼吸用保護具、ヘルメット、手袋等アスベストの身体への侵入を防備する完全防塵体勢で作業をする。
以上の事項は、以下の実施例、比較例に共通の事項であるので、各実施例、比較例では説明を省略している。
[比較例1]
飛散抑制剤の一成分として湿潤浸透剤単独で使用した場合を説明する。湿潤浸透剤としては前述した湿潤浸透剤の測定法によって吸水度を測定し、湿潤浸透剤の評価方法により合格した界面活性剤のなかから竹本油脂製のジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を用い、これと水とからなる組成物をアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材[断面が上下互いに逆向きの略台形状(台形の底辺がない:台形の上辺と下辺間の高さに相当する距離が11mm)の繰り返しからなる角波板]の内側のアスベストが厚み4〜5cm吹き付けられて10日以上経過したものをアスベストが吹き付けられている側を下にして高さ2mの位置に置き、下から噴霧により1mあたりに換算しておよそ2kgの割合で塗布し、温度は常温(以下の薬剤はすべて常温)下で、3時間放置後、スクレーパーによる手作業で吹付けアスベスト除去を行った。湿潤浸透剤の濃度0.05重量%で水の湿潤効果は認められ、濃度0.5重量%以上では湿潤効果は変わらなかった。そこで濃度0.1重量%の前記湿潤浸透剤を上記の条件で塗布し3時間経過した後ブレード部分がステンレス製で、刃の横方向長さが36mmのスクレーパーによりアスベストの除去作業を行った結果大小の塊の落下と共に微小アスベストが飛散した。
[比較例2]
前述した増粘剤の評価方法に合格したものの中から日澱化学製のデンプングリコール酸ソーダを選び水と混合し、濃度5重量%では増粘効果は十分であるが濃度0.5重量%では不十分であり、1重量%で増粘効果は認められた。そこで3重量%の前記増粘剤と前項記載の湿潤浸透剤0.1重量%を含有する水との混合物からなるアスベスト飛散抑制剤を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、比較例1で用いたスクレーパーと同様のスクレーパーによりアスベスト除去作業を行った結果小さな塊は減少し大きな塊の落下が多くなり微小アスベストの飛散は明らかに減少したが、まだ微小アスベストの飛散がわずかに認められた。なお増粘剤単独では内部への浸透が悪く微小アスベストの飛散が多かった。よって増粘剤と湿潤浸透剤の併用効果は認められた。
[比較例3]
前述した柔軟粘結剤の評価方法に合格したものの中から大日本塗料製のアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸メチル及びメタアクリル酸エチルエステル共重合物(以下これをアクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物と略称する)のエマルジョンを選び、柔軟粘結剤5重量%と前記湿潤浸透剤0.1重量%を含有する水との混合物からなる飛散抑制剤を、比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、比較例1で用いたスクレーパーと同様のスクレーパーによりアスベスト除去作業を行った結果小さな塊は激減し大きな塊の落下が大部分となり、微小アスベストの飛散は明らかに減少したが、まだ微小アスベストの飛散がわずかに認められた。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面に残存アスベストが認められた。
[実施例1]
比較例3に記載した柔軟粘結剤アクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物のエマルジョン3重量%と比較例2の増粘剤デンプングリコール酸ソーダ2重量%と湿潤浸透剤ジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩0.1重量%を含有する水との混合物からなるアスベスト飛散抑制剤を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時間放置後、比較例1で用いたスクレーパーと同様のスクレーパーにより除去作業を行った結果、小さな塊は少なく、大きな塊の落下が大部分で微小アスベストの飛散はほとんど認められず合格であった。
柔軟粘結剤、増粘剤及び湿潤浸透剤の三者の併用効果が明らかに認められた。またこの場合、柔軟粘結剤、増粘剤の添加率を減少できる。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面に残存アスベストが認められた。
[実施例2]
前述した金属キレート剤の評価方法により合格した中から佐々木化学製のチオグリコール酸アンモニウム塩を選び、実施例1に記載した柔軟粘結剤3重量%、増粘剤2重量%、湿潤浸透剤0.1重量%と金属キレート剤2重量%と水を含有する組成からなる、飛散抑制剤と金属キレートの混合水溶液を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、比較例1で用いたスクレーパーと同様のスクレーパーにより除去作業を行った結果、大きな塊の落下が大部分で微小アスベストの飛散はほとんど認められず合格であり、鉄構造体である鉄製折板屋根材表面にアスベストが残存せずきれいであった。
[比較例4]
アスベスト飛散抑制剤として湿潤浸透剤ジ・2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を0.1重量%と水を含有する組成からなる飛散抑制剤を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、加圧水に添加する飛散防止剤として前記湿潤浸透剤を0.1重量%含有させ、この加圧水を圧力650kg/cm2で流量30リットル/分の割合で、図3に示したノズル径Dが直径1mmのノズルから20cm離れた下方から、アスベスト吹き付け鉄製折板屋根材のアスベスト付着側に噴射して除去作業を行った結果、大小のアスベスト塊が落下し、微小アスベストの飛散も多く認められた。
[比較例5]
アスベスト飛散抑制剤として増粘剤デンプングリコール酸ソーダを3重量%と湿潤浸透剤ジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を0.1重量%含有する混合水溶液を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、加圧水に添加する飛散防止剤として、同一増粘剤3重量%と同一湿潤浸透剤0.1重量%を含有させ、圧力650kg/cm2で流量30リットル/分の割合で、図3に示したノズル径Dが直径1mmのノズルから20cm離れた下方から、アスベスト吹き付け鉄製折板屋根材のアスベスト付着側に噴射し、付着アスベストの除去作業を行った結果、大中の塊が落下したが、微小アスベストの飛散も少し認められた。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面はスクレーパーで削る手作業よりきれいであるが、まだアスベスト残存物が存在した。
[比較例6]
アスベスト飛散抑制剤として柔軟粘結剤アクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステルの共重合物のエマルジョンを5重量%と湿潤浸透剤ジ・2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を0.1重量%と水を含有する組成からなる飛散抑制剤を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、加圧水に添加する飛散防止剤として、前記と同一の柔軟粘結剤を5重量%と湿潤浸透剤を0.1重量%を含有させ、圧力650kg/cm2で流量30リットル/分の割合で、図3に示したノズル径Dが直径1mmのノズルから20cm離れた下方から、アスベスト吹き付け鉄製折板屋根材のアスベスト付着側に噴射し、付着アスベストの除去作業を行った結果、大中の塊が落下したが、微小アスベストの飛散も少し認められた。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面はスクレーパーで削る手作業よりきれいであるが、まだアスベスト残存物が存在した。
[実施例3]
アスベスト飛散抑制剤として柔軟粘結剤アクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステルの共重合物3重量%、増粘剤デンプングリコール酸ソーダを2重量%、湿潤浸透剤ジ・2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩を0.1重量%と水とを含有する組成からなる混合液を比較例1で用いたアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材に同様の条件で同量塗布し、常温で3時時間放置後、加圧水に添加する飛散防止剤として、前記と同一の柔軟粘結剤を3重量%、前記と同一の増粘剤を2重量%、前記と同一の湿潤浸透剤を0.1重量%含有させ、この加圧水を圧力650kg/cm2で流量30リットル/分の割合で、図3に示したノズル径Dが直径1mmのノズルから20cm離れた下方から、アスベスト吹き付け鉄製折板屋根材のアスベスト付着側に噴射して付着アスベストの除去作業を行った結果、大きな塊が主体で微小アスベストの飛散もなく極めて良好であった。柔軟粘結剤、増粘剤、湿潤浸透剤の3種の薬剤の併用効果が認められる。また増粘剤と柔軟粘結剤を併用するので、柔軟粘結剤を減少することができる。なお鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面はスクレーパーで削る手作業よりきれいであるが、まだアスベスト残存物が存在した。
[実施例4]
実施例3に使用した飛散抑制剤および飛散防止剤の他に、金属キレート剤として、チオグリコール酸アンモニウム塩を2重量%を前記飛散抑制剤および飛散防止剤にそれぞれ含有させた水溶液並びに同様の加圧水を用いて実施例3と同様にアスベスト吹き付け鉄製折板屋根材の付着アスベストの除去作業を行った結果、大きな塊が主体で落下し、微小アスベストの飛散もなく極めて良好であった。また鉄構造体である鉄製折板屋根材の表面はきれいでアスベストの残存物は認められなかった。
[実施例5]
実施例4において、加圧水の噴射を受けて剥落したアスベストと薬剤を含んだ水は真空ポンプで減圧吸引され捕集アスベストタンクに収容されたのち、ステンレス網より構成されたフィルターとして、東京特殊電線製の“MSフィルター”で第1段目に目開き88μmのフィルターを、続いて、第2段目に目開き63μmのフィルターを、第3段目に目開き44μmのフィルターを、第4段目に目開き37μmのフィルターをそれぞれ用いて濾過を行った。濾過されたアスベスト残渣は図1の工程3からアスベスト廃棄と記載されている如く、溶融処理場に送付されて溶融処理されるかないし特別管理廃棄物として廃棄処理される。濾過された濾液について、湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤、金属キレート剤等の薬剤含有率を分析した結果、当初の添加率とほとんど差がなく含まれていた。その他に小さなアスベスト繊維を少量含有していた。この回収水を密閉系で小さなアスベスト繊維を漏洩しない状態に厳密に管理することにより、図1に示す如くアスベスト飛散防止剤並びに金属キレート剤を含有する加圧水として再利用することができた。
[実施例6]
実施例5に記載した“MSフィルター”で濾過した濾液には、小さなアスベスト繊維が少量含有されており、濾液を加圧水としてリサイクルを続けることにより小さなアスベスト繊維の含有量がリサイクル加圧水中に蓄積してくる。そこで、実施例5のステンレス網“MSフィルター”で濾過した濾液を更に高分子分離膜を用いて精密濾過することにより小さなアスベスト繊維は完全に除去することができる。
即ち、実施例5のステンレス網“MSフィルター”で濾過した濾液を更にクラレ株式会社製のポリビニールアルコールからなる“SFフィルター”を用いて更に濾過する工程を設けて実施例5と同様に付着アスベストの除去を行った。“SFフィルター”は精密濾過と限外濾過の中間領域に対応し、0.02〜0.2μmの微粒子を分離できるので、“MSフィルター”で濾過した濾液に含まれていた小さなアスベスト繊維は完全に除去でき、且つ湿潤浸透剤、増粘剤、柔軟粘結剤、金属キレート剤等の薬剤を含有する水を回収し、加圧水として循環再利用することができた。
[実施例7]
実施例6において、付着アスベストの除去作業が終了した段階で、作業場を清掃した排水、ステンレス網製“MSフィルタ”を再生するために逆流洗浄した排水、高分子分離膜精密濾過“SFフィルタ”を再生するために逆流洗浄した排水、密閉系の管やタンクを洗浄した排水、その他アスベストが残留する可能性のある水を廃棄用容器に集めた。吸水剤として住友精化製のアクリル酸重合体部分ナトリウム塩架橋物“アクアキープ”(商品名)を用いて、容器中の水分重量の10分の1の重量の上記吸水剤を添加した結果、水を完全に吸収し固化した。これを特別管理廃棄物として処理した。
本発明は、アスベストの飛散がより生じにくいアスベスト除去方法を提供することができ、従って、アスベストが使用されている建築物や構築物からアスベストを除去する方法として有効に利用できる。
本発明のアスベスト除去方法の一実施形態の工程説明フローチャート。 図1の工程3の詳細説明図。 柔軟粘結剤並びに金属キレート剤の評価の際に用いた、加圧水をアスベスト含有物のアスベスト表面に噴射するためのノズルの断面図。
符号の説明
1 ノズル
2 ノズル1の穴の先端部の穴
3 2より内側(図3の右側方向)のノズルの穴

Claims (14)

  1. 増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのちアスベストを剥離除去することを特徴とするアスベスト除去方法。
  2. 薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である請求項1に記載のアスベスト除去方法。
  3. 増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤を含む加圧水を、ノズルからアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去することを特徴とするアスベスト除去方法。
  4. 薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である請求項3に記載のアスベスト除去方法。
  5. 増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤と水とからなる組成物を、アスベストを含有する処理対象物に塗布したのち、増粘剤、柔軟粘結剤及び湿潤浸透剤を含有する薬剤を含む加圧水を、ノズルから前記アスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去することを特徴とするアスベスト除去方法。
  6. 前記組成物を構成する薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である請求項5に記載のアスベスト除去方法。
  7. 前記薬剤を含む加圧水における薬剤が、更に金属キレート剤を含有する薬剤である請求項5または6のいずれかに記載のアスベスト除去方法。
  8. (A)増粘剤、柔軟粘結剤および湿潤浸透剤を含有する薬剤、又は、(B)増粘剤、柔軟粘結剤、湿潤浸透剤および金属キレート剤を含有する薬剤、を含む加圧水を、ノズルよりアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去し、剥離落下した捕集アスベストと前記(A)または(B)の薬剤とを含有する水を分離するため、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターによりろ過したのち、濾液を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密ろ過し、この濾液を加圧用水として循環利用することを特徴とするアスベスト除去方法。
  9. (A)増粘剤、柔軟粘結剤および湿潤浸透剤を含有する薬剤、又は、(B)増粘剤、柔軟粘結剤、湿潤浸透剤および金属キレート剤を含有する薬剤、を含む加圧水を、ノズルよりアスベストを含有する処理対象物に噴射してアスベストを剥離除去し、剥離落下した捕集アスベストと前記(A)または(B)の薬剤とを含有する水を分離するため、メッシュの目開きが1〜100μmのステンレス網より構成されたフィルターによりろ過し、濾液を更に0.01〜10μmの孔径を有する高分子分離膜により精密ろ過し、前記ステンレス網でろ過したアスベスト殘渣および前記高分子分離膜で精密ろ過されたアスベスト殘渣を捕集アスベストとして溶融処理または特別管理産業廃棄物として処理し、精密ろ過された濾液は加圧水として循環利用し、更にアスベスト含有排水を吸水剤により吸水し固体状としたのち特別管理産業廃棄物として処理することを特徴とするアスベスト除去方法。
  10. 金属キレート剤が、柔軟粘結剤としてアクリル酸とメタクリル酸のメチル・エチルエステル共重合物濃度5重量%(固形分換算)、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び金属キレート剤濃度3重量%を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分で直径1mmのノズルから距離20cmはなれた位置にあるアスベスト含有物に噴射し、アスベストを剥離落下させた後、アスベストが接着していた鉄板の表面に残存するアスベストがほとんど見られなくなる化合物であって、
    ヒドロキシルアミノカルボン酸誘導体、チオ尿素、ジチオカルバミン酸塩、チオグリコール酸又はその誘導体からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する金属キレート剤である、請求項2、4、6、7〜9のいずれかに記載のアスベスト除去方法。
  11. 吸水剤が、アクリル酸重合物部分アルカリ塩架橋物、アクリル酸・ビニルアルコール共重合物、デンプンとポリアクリル酸アルカリ塩の架橋物、カルボキシアルキルセルロースアルカリ塩の架橋物から選ばれた少なくとも一種である請求項9または10に記載のアスベスト除去方法。
  12. 湿潤浸透剤が、JIS P8141に記載された吸水度測定方法に準じて湿潤浸透剤を0.1重量%添加した水溶液の吸水度がオクチルフェノールエチレンオキサイド付加物と同等以上であって、且つ、アスベスト除去作業においてアスベスト微粒子の飛散が、前記オクチルフェノールエチレンオキサイド付加物を用いた場合に比べて少ない化合物であって、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、メラミンスルホン酸塩のホルマリン重縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、アルキルスルホ酢酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコールエトキシ硫酸塩、脂肪酸アルキロールアマイドの硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンジスチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチルフェニルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する湿潤浸透剤である請求項1〜11のいずれかに記載のアスベスト除去方法。
  13. 増粘剤が、増粘剤5重量%を含む水溶液をブルックフィールドデジタル粘度計で測定した粘度が2000c.p.s以上であり、且つ、増粘剤10重量%を含有する水を、10日間常温中に放置後の硬度がデュロメータAの硬度で35以下である化合物であって、
    デンプングルコール酸アルカリ塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸アルカリ塩、ペクチンからなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する増粘剤である請求項1〜12のいずれかに記載のアスベスト除去方法。
  14. 柔軟粘結剤が、湿潤浸透剤としてジ−2エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩濃度0.1重量%、増粘剤としてデンプングリコール酸ソーダ濃度3重量%及び柔軟粘結剤濃度5重量%(固形分換算)を含有する加圧水(圧力650kg/cm2)を流量35リットル/分で直径1mmのノズルから距離20cmはなれた位置にあるアスベスト含有物のアスベスト表面に噴射した場合に、アスベスト微粒子の飛散がほとんど見られず、且つ、柔軟粘結剤10重量%を含有する水を、10日間常温で放置後のデュロメータAの硬度が35以下の粘結剤であって、
    エマルジョン重合により製造された、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル酸共重合物、酢酸ビニル・メタクリル酸共重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、アクリル酸エステル同士の共重合物、メタアクリル酸エステル同士の共重合物、または、アクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルの共重合物から選ばれたエマルジョン;
    水性合成樹脂を水に分散させたエマルジョン、
    からなる群から選ばれた少なくとも一種を含有する柔軟粘結剤である請求項1〜13のいずれかに記載のアスベスト除去方法。
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