JP2011196169A - アスベスト含有材の除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な作業により作業効率を向上させて作業時間の低減を図ることができ、しかもアスベスト含有材を確実に除去することができる。
【解決手段】第1除去工程により基材1との接着面T付近に酸性液3を注入して吹付け材を粗落しをし、次いで、第1除去工程により粗落しで残った吹付け材の残留付着物2´に酸性液3をスプレーガン6を用いて吹き掛けることにより付着させ、残留付着物2´を酸性液3に反応させて溶解させ、接着力を分解させた後、スクレーパ等の工具を用いて残留付着物2´をこそぎ落して除去するようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、基材の表面に吹き付けなどによって被覆されているアスベスト含有材の除去方法に関する。
従来、吹付けアスベスト材やアスベスト含有吹付けロックウールなどのアスベスト含有材の除去方法として、ケレン棒等の工具による粗落し後、例えばブラシ等を用いてセメント成分を主体とした残留付着物を削ぎ落して磨き上げる作業が行われている。また、人力の場合に比べて作業効率を高めた除去方法として、除去装置等を使用するものが例えば特許文献1、2に開示されている。
特許文献1は、マニピュレータの先端に設けたバケット内に適宜駆動するブラシやスクレーパが備えられており、バケットの開口をアスベスト表面に押し付けた状態で、その内部でブラシやスクレーパを作動し、剥離したアスベストをそのままバケット内に落下させて、バケットから処理容器等に移すことで処理する装置について記載したものである。
特許文献2には、アスベスト含有物を剥離するカットブラシ(剥離手段)と、剥離手段を包囲する内側フードと、さらに内側フードを取り囲む外側フードと、剥離したアスベスト含有物を内側フード内から処理タンクへ吸引する吸引手段とを備えたアスベスト除去装置について開示されている。
特開平8−199832号公報 特開2008−253857号公報
しかしながら、特許文献1、2に示すようなアスベスト除去装置を用いたアスベスト除去方法では、以下のような問題がった。
すなわち、アスベスト含有材の下地部である基材の除去面にアスベスト含有材が残ることがある。その場合、残った残留付着物を金属製のたわし等を用いて人力により削り落とす作業を行っているのが一般的であり、その作業は上向き作業となるうえ、相当な力を要するため、その点で改良の余地があった。
また、このような残留付着物の削り落しの作業にあっては、湿潤剤を噴霧して作業時のアスベストの飛散を防止してから行うのが通常であるため、作業工程が長くなるといった問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、簡単な作業により作業効率を向上させて作業時間の低減を図ることができ、しかもアスベスト含有材を確実に除去することができるアスベスト含有材の除去方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るアスベスト含有材の除去方法では、基材の表面に被覆されているアスベスト含有材の除去方法であって、基材との接着面付近で前記アスベスト含有材を粗落しする第1除去工程と、第1除去工程により粗落しで残ったアスベスト含有材の残留付着物に酸性液を付着させた後に、残留付着物を除去する第2除去工程とを有することを特徴としている。
本発明では、第1除去工程により基材との接着面付近でアスベスト含有材を粗落した後、第2除去工程で基材の表面(アスベスト含有材との接触面付近)に粗落しで除去しきれずに残ったアスベスト含有材の残留付着物を除去する。つまり、基材の表面に酸性液を噴霧器等を用いて吹き掛けることにより付着させた後に、スクレーパ等の工具を用いて残留付着物をこそぎ落して除去することができる。このとき、残留付着物が酸性液に反応して溶解し、接着力が分解されるので、その後に行うこそぎ落し作業に従来のような力をかける必要がなくなる。
また、残留付着物を基材との接着面から付着残しなくきれいに除去することができるので、従来のように粗落しを行った後にブラシ等で磨き上げを行うといった手間のかかる作業も不要となるので、人力によって容易に且つ短時間で除去作業を行うことができる。
また、本発明に係るアスベスト含有材の除去方法では、第1除去工程において、接着面付近に酸性液を注入することが好ましい。
本発明では、基材との接着面付近でアスベスト含有材が酸性液に反応して溶解し、その接着面付近で第1除去工程におけるアスベスト含有材の粗落しを行うことができるので、除去されずに基材に残る残留付着物を少なくすることができる。そのため、第2除去工程で行なう残留付着物の除去作業量を低減させることが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係るアスベスト含有材の除去方法では、第1除去工程に先行して、アスベスト含有材の表面に酸性液を散布する作業を行うようにしてもよい。
この場合、これによりアスベスト含有材が酸性液に反応して溶解するので、粗落し作業をより容易に行うことができる。
また、本発明に係るアスベスト含有材の除去方法では、第1除去工程において、アスベスト含有材の表面に酸性液を散布する作業と、冶具を用いた削り落しを行う作業とを交互に繰り返しながら施工するようにしてもよい。
本発明では、アスベスト含有材の粗落し作業においても、アスベスト含有材の表面が酸性液に反応して溶解し、接着力が分解されるので、その溶解した部分を所定の冶具を用いて容易に削り落とすことができる。
また、本発明に係るアスベスト含有材の除去方法では、基材の表面に被覆されているアスベスト含有材の除去方法であって、アスベスト含有材の表面に、基材の表面にまで浸透させる量の酸性液を散布した後に、冶具を用いてアスベスト含有材の削り落しを行うことを特徴としている。
本発明では、アスベスト含有材をその表面から削り落としていくことが可能であり、冶具による削り落としが基材の表面に達するまで行えるので、アスベスト含有材全体に酸性液を浸透させて溶解させることができる。そのため、溶解した全てのアスベスト含有材を冶具を用いて容易に削り落として除去することができる。
また、本発明に係るアスベスト含有材の除去方法では、除去前のアスベスト含有材には、厚さ方向に貫通して基材に到達する凹部が設けられていることが好ましい。
これにより、アスベスト含有材の表面から酸性液が内部に浸透するとともに、形成されている凹部によって基材とアスベスト含有材との間の接着面にも酸性液がより確実に行き渡るため、アスベスト含有材に対する浸透性が高まり、さらにアスベスト含有材を凹部によって区画されたブロックで自然落下させることも可能である。
本発明のアスベスト含有材の除去方法によれば、予め粗落しをした後に残ったアスベスト含有材の残留付着物に酸性液を付着させるといった簡単な作業により、その残留付着物を溶解させることができるので、手間がかからず、作業効率が向上され、作業時間の低減を図ることができるうえ、基材に対して付着残しなく確実に除去することができる。
また、本発明のアスベスト含有材の除去方法によれば、アスベスト含有材の表面に酸性液を接着面に達する量の十分な散布を行うだけの簡易な作業により、アスベスト含有材全体を溶解させることが可能となるので、作業効率が向上され、作業時間の低減を図ることができ、基材に対して付着残しなく確実に除去することができる。
本発明の第1の実施の形態による吹付け材の除去方法の概略構成を説明するための図である。 図1に示す注射器の拡大図である。 図2に示す注射針の先端部を示す図である。 第1除去工程による吹付け材の除去作業状態を示す図である。 第2除去工程による残留付着物の除去作業状態を示す図である。 第2の実施の形態による吹付け材の除去方法を示す図である。 第3の実施の形態による吹付け材の除去方法を示す図である。 図7に示す吹付け材に形成される切れ目の状態を示す図であって、吹付け材の表面を見た図である。 変形例による噴射スクレーパの概要構成を示す図である。 図9に示す噴射スクレーパの側面図である。 変形例によるボルト回転式ブラシの除去作業状態を示す側断面図である。
以下、本発明の実施の形態によるアスベスト含有材の除去方法について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本第1の実施の形態によるアスベスト含有材の除去方法は、建物などの鉄筋コンクリート造のスラブ1Aやこのスラブ1Aを下方より支持するH型鋼材1Bからなる基材1の表面に吹付けにより被覆されたアスベスト含有材(以下、単に「吹付け材2」という)を除去する施工に適用されるものである。基材1は、スラブ1Aの下面1aがH型鋼材1Bとともに例えば吹付け厚25〜60mm程度の吹付け材2によって吹付け施工された状態となっている。ここで、スラブ1Aの下面1aには、デッキプレート1Dが敷設されている(図5参照)。なお、図1、図4では、デッキプレート1Dが省略されている。
アスベストを含有する吹付け材2としては、吹付けアスベスト材やアスベスト含有吹付けロックウール等が挙げられる。そして、吹付け材2の強度は、通常、後述する注射器4の注射針42を挿入可能な程度の材料強度となっている。
吹付け材2の除去方法は、手持ち可能な注射器4を用いて吹付け材2の基材1との間の接着面T付近に酸性液3を注入し、吹付け材2を酸性液3に反応させて溶解させ、剥離させつつ自然に落下させた後、さらに基材1の表面に対して酸性液3を噴霧し、残った吹付け材2を酸性液3に反応させて溶解し、スクレーパ等の工具を用いて人力によりこそぎ落とすことで、吹付け材2を取り除く方法となっている。
ここで、接着面T付近に注入するとともに剥離後の基材1に噴霧する酸性液3として、塩酸等の鉱物酸、酢酸、クエン酸等の有機酸水溶液が挙げられる。この酸性液3は、吹付け材2に反応させて溶解させる作用を有しており、前記接着面T付近に注入することで基材1に対して剥離を生じさせて分離させるためのものであり、吹付け材2の材質、その吹付け厚さ寸法、基材1の材質などの条件に応じて例えばPH値を1〜4程度に調整して使用される。
図2に示すように、酸性液3を接着面Tに注入するための注射器4は、適宜量の酸性液3を吸引可能であり、本体41と注射針42とからなる手持ち可能な周知の形態のものを採用することができる。図3に示すように、注射器4における注射針42は、先端部42aの針穴が横向きに開口した横穴42bが形成されている。つまり、注射針42の針穴が横向きに開いているので、吹付け材2に注射針42を挿入する際、吹付け材2が針穴に入り込んで目詰まりを起こし、酸性液3の注入が妨げられるといった不具合を抑えることができる構造となっている。
次に、吹付け材2の除去方法について、図面に基づいてさらに具体的に説明する。ここで、図4は、注射器4の注射針42のみが表示され、各注入位置に注射針42が記載された状態を示している。
先ず、図4に示すように、除去する吹付け材2の表面2aに、例えばアステクターS(登録商標)などの飛散抑制剤5を散布する。そして、上述した酸性液3を吸引させた注射器4を使用し、注射針42を先端部42a(横穴42b)が適宜な注入位置(接着面T付近)となるように挿入して酸性液3を注入する。このときの注射器4による注入は、人力により行う。そして、吹付け材2は、酸性液3が注入された基材1との接触面Tが酸により分解して溶解するため、基材1に対して剥離して自然落下する(第1除去工程)。
なお、落下した吹付け材2は、適宜な回収手段により取り除かれる。このとき、本実施の形態では、予め吹付け材2の表面2aに飛散抑制剤5を散布しておくため、吹付け材2が剥離落下する際に生じるアスベストの飛散を抑制することができる。
ここで、酸性液3の注入位置は所定の間隔をもって注入されるが、例えば高力ボルト部1CやH型鋼材1Bなどの基材1の形状が複雑となる箇所においては、形状が平坦な箇所に比べて注入箇所を増加して注入間隔を小さくして集中的に注入し、その複雑な箇所においても接着面に確実に酸性液3を浸透させる。
図4において、符号R1が平坦部(スラブ1Aと吹付け材2との接着面T1)における第1注入領域を示し、符号R2が第2の複雑な形状部(高力ボルト部1Cと吹付け材2との接着面T2)における第2注入領域を示し、符号R3が第2の複雑な形状部(H型鋼材1Bと吹付け材2との接着面T3)における第3注入領域を示している。
次に、図5に示すように、基材1の下面1a(吹付け材2との接触面)に剥離で除去しきれずに残った吹付け材2の残留付着物2´を除去する第2除去工程を行う。つまり、残留付着物2´もまたセメントがバインダとなって基材1(図5でH型鋼材1Bやデッキプレート1D)に付着しているため、その基材1の表面全体にわたって酸性液3をスプレーガン6(噴霧器)を用いて吹き掛ける。その後、図示しないスクレーパ等の工具を用いて残留付着物2´をこそぎ落して除去することができる。このとき、残留付着物2´が酸性液3に反応して溶解し、接着力が分解されるので、その後に行うこそぎ落し作業に従来のような力をかける必要がなくなる。
また、残留付着物2´を基材1との接着面Tから付着残しなくきれいに除去することができるので、従来のように粗落しを行った後にブラシ等で磨き上げを行うといった手間のかかる作業も不要となるので、人力によって容易に且つ短時間で除去作業を行うことができる。
また、上述した第1除去工程において、接着面T付近に酸性液3を注入する方法であるので、基材1との接着面T付近で吹付け材2が酸性液3に反応して溶解し、その接着面T付近で第1除去工程における吹付け材2の粗落しを行うことができるので、除去されずに基材1に残る残留付着物2´を少なくすることができる。そのため、第2除去工程で行なう残留付着物2´の除去作業量を低減させることが可能となり、作業効率の向上を図ることができる。
なお、こそぎ落とすことで、基材1の下面1aに残る酸性液3は液滴も形成し得ない程度のごく微量となることから、H型鋼材1Bの腐食も防止することができる。なお、これら第1除去工程と第2除去工程とを終えた後、基材1に対して水などを噴き掛けて乾拭きし、さらに防食塗装を施してもよい。
上述のように本第1の実施の形態によるアスベスト含有材の除去方法では、予め粗落しをした後に残った吹付け材2の残留付着物2´に酸性液3を付着させるといった簡単な作業により、その残留付着物2´を溶解させることができるので、手間がかからず、作業効率が向上され、作業時間の低減を図ることができるうえ、基材1に対して付着残しなく確実に除去することができる。
次に、本発明のアスベスト含有材の除去方法による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態によるアスベスト含有材の除去方法は、図6に示すようにスプレーガン6を用いて、吹付け材2の表面2aに酸性液3を十分に散布し、散布された酸性液3に反応して溶解した吹付け材2をその表面2aからブラシポリッシャー等の回転式ブラシ7(冶具)を用いて削り落とすものである。
このときの酸性液3の散布量は、散布した酸性液3が基材1に達するまで浸透するのに十分な量とされ、吹付け材2の材質、吹付け厚や、上記切れ目Kなどの凹部の形状、配置間隔などの条件に応じて適宜設定することができる。そのため、吹付け材2は、その表面2aから基材1に至る全体にわたって酸性液3により溶解するため、回転式ブラシ7によりすべての吹付け材2を削り落とすことができる。
このように、第2の実施の形態によるアスベスト含有材の除去方法では、吹付け材2をその表面2aから削り落としていくことが可能であり、回転式ブラシ7による削り落としが基材1の下面1aに達するまで行えるので、吹付け材2の残留付着物に対しても酸性液3を散布して溶解させることができる。また、吹付け材2の表面2aに酸性液3を接着面Tに達する量の十分な散布を行うだけの簡易な作業により、吹付け材2全体を溶解させることが可能となるので、より作業効率が向上され、作業時間の低減を図ることができ、基材1に対して付着残しなく確実に除去することができる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態によるアスベスト含有材の除去方法は、図7および図8に示すように、吹付け材2(アスベスト含有材)に基材1に到達する切れ目K(凹部)を設けた後に、図6に示すようにスプレーガン6を用いて、吹付け材2の表面2aに酸性液3を散布する作業と、散布された酸性液3に反応して溶解した吹付け材2を回転式ブラシ7(冶具)を用いて削り落とす作業とを交互に行って、吹付け材2のすべてを除去するものである。
つまり、回転式ブラシ7による削り落し厚は、吹付け材2の表面2aに散布された酸性液3によって溶解した程度の厚さとし、スプレーガン6による散布と回転式ブラシ7による削り落しの作業とを交互に繰返し行うことで、吹付け材2をすべて削り落とすようにする。
そして、吹付け材2には、その表面2aから酸性液3が内部に浸透するとともに、形成されている切れ目Kによって基材1と吹付け材2との間の接着面Tにも酸性液3がより確実に行き渡るため、吹付け材2に対する浸透性が高まり、さらに吹付け材2を切れ目Kによって区画されたブロックで自然落下させることも可能である。
ここで、吹付け材2に形成する切れ目Kは、例えば電動ノコギリ等の切込み形成冶具(図示省略)を用いて施工され、その切れ目Kの間隔(図8に示すメッシュ間隔D)は例えば50〜1000mm程度に設定される。このメッシュ間隔は、吹付け材2の吹付け厚さ寸法や強度によって適宜設定され、接着面Tにおける酸性液3の浸透により切れ目Kによって区画された吹付け材2のブロックを自然落下させ得る大きさであることが好ましい。
なお、スプレーガン6による散布前に行う切れ目Kの施工に代えて、基材1の下面1aに達する複数の孔(凹部)を設けるようにしてもよい。
このように、第3の実施の形態によるアスベスト含有材の除去方法では、吹付け材2をその表面2aから順次削り落としていくことが可能であり、回転式ブラシ7による削り落としが基材1の下面1aに達するまで行えるので、吹付け材2の残留付着物に対しても酸性液3を散布して溶解させることができる。また、予め設けた切れ目Kや孔により接着面Tにも酸性液3を浸透させることが容易に行なえるので、より作業効率が向上され、作業時間の低減を図ることができ、基材1に対して付着残しなく確実に除去することができる。
以上、本発明によるアスベスト含有材の除去方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本第1の実施の形態では第1除去工程における吹付け材2の粗落し作業に注射器4を用いて接着面T付近に酸性液3を注入して、接着面Tで溶解した吹付け材2を剥離させているが、このような粗落し作業であることに限定されることはない。例えば、注射器4の代わりに専用の注入機器を用いても良いし、酸性液3を使用しない方法による粗落し作業であってもかまわない。つまり、従来のようにケレン棒等を用いた粗落しや、スクレーパを備えた装置による粗落しであってもかまわない。
また、本第1の実施の形態では第2除去工程においてスプレーガン6(噴霧器)を使用して酸性液3を基材1に吹き掛けているが、噴霧器を使用することに制限されるものではない。要は、残留付着物2´に酸性液3を付着させることができれば良いのであって、塗布する方法であってもかまわない。
そして、第2除去工程における酸性液3の付着範囲は、基材1の全表面である必要はなく、少なくとも残留付着物2´に付着させればよい。
さらに、酸性液3の種類、付着量等は、上述したようにアスベスト含有材(吹付け材2)の材質、厚さ寸法、基材1の材質等の条件に応じて適宜設定すればよい。
また、上述した第1の実施の形態において、第2の実施の形態と同様に吹付け材2の表面2aに酸性液3を散布するようにしても良い。これにより吹付け材2が酸性液3に反応して溶解するので、粗落し作業をより容易に行うことができる。
さらに、上述した第2の実施の形態において、第3の実施の形態で吹付け材2に施工した切れ目K(凹部)を設ける方法であってもかまわない。
また、第2の実施の形態では、回転式ブラシ7(図6参照)を用いているが、これに代えてけれん棒を用いる通常の方法であってもかまわない。或いは、図9および図10に示すようなスクレーパ形状の噴射スクレーパ8(冶具)を用いて吹付け材2を削り落とすことも可能である。
すなわち、噴射スクレーパ8は、把持部81aとブレード82bとを有するスクレーパ本体81の内部に酸性液3用の流路82が設けられ、その流路82が液送管9を介して薬液槽10に接続されている。噴射スクレーパ8と薬品槽10との間には圧送ポンプ11が設けられている。スクレーパ本体81の把持部81aには弁開閉釦83が設けられている。流路82は、ブレード81bで把持部81aから複数の流路に分岐され、それぞれがブレード先端の開口81cに繋がっている。
この場合、図8に示す直線状の切れ目Kに噴射スクレーパ8のブレード先端の開口81cから酸性液3を噴射させながら吹付け材2をその表面2aから削り落とす。なお、開口81cから酸性液3は噴出させるが、上述した第2の実施の形態と同様にスプレーガン6による散布と噴射スクレーパ8による削り落しの作業とを交互に繰り返し行う方法であっても勿論かまわない。
また、図11に示すように、基材1の下面1aに突出する凸部(ここではボルト12)があり、このボルト12に吹付け材2が付着している場合にあっては、ボルト用回転ブラシ13(冶具)を用いて削り落とすようにしてもよい。このボルト用回転ブラシ13は、有底筒体をなし、この筒体の中心軸線回りに回転可能なカバー体131と、このカバー体131の内周面に設けられたブラシ132とを備えた構成となっている。この場合、先ず、吹付け材2の粗落しをした後、ボルト用回転ブラシ13のカバー体131の内側にボルト12を配置させ、カバー体131を回転させることでブラシ132でボルト12の表面に付着している吹付け材2の残留付着物を削り落とすことができる。このように、ボルト用回転ブラシ13を用いれば、形状が複雑な凸部に付着している吹付け材2であっても容易に除去することができる。
1 基材
1A スラブ
1B H型鋼材
1D デッキプレート
2 吹付け材(アスベスト含有材)
2´ 残留付着物
3 酸性液
4 注射器
6 スプレーガン
7 回転式ブラシ(冶具)
8 噴射スクレーパ(冶具)
13 ボルト回転用ブラシ(冶具)
K 切れ目(凹部)
T 接着面

Claims (6)

  1. 基材の表面に被覆されているアスベスト含有材の除去方法であって、
    前記基材との接着面付近で前記アスベスト含有材を粗落しする第1除去工程と、
    該第1除去工程により粗落しで残った前記アスベスト含有材の残留付着物に酸性液を付着させた後に、該残留付着物を除去する第2除去工程と、
    を有することを特徴とするアスベスト含有材の除去方法。
  2. 前記第1除去工程において、前記接着面付近に酸性液を注入することを特徴とする請求項1に記載のアスベスト含有材の除去方法。
  3. 前記第1除去工程に先行して、前記アスベスト含有材の表面に酸性液を散布する作業を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のアスベスト含有材の除去方法。
  4. 前記第1除去工程において、前記アスベスト含有材の表面に酸性液を散布する作業と、冶具を用いた削り落しを行う作業とを交互に繰り返しながら施工することを特徴とする請求項1に記載のアスベスト含有材の除去方法。
  5. 基材の表面に被覆されているアスベスト含有材の除去方法であって、
    前記アスベスト含有材の表面に、前記基材の表面にまで浸透させる量の酸性液を散布した後に、冶具を用いて前記アスベスト含有材の削り落しを行うことを特徴とするアスベスト含有材の除去方法。
  6. 除去前の前記アスベスト含有材には、厚さ方向に貫通して前記基材に到達する凹部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のアスベスト含有材の除去方法。
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