JP2001021687A - 放射性汚染物の処理方法およびこれに用いる装置 - Google Patents

放射性汚染物の処理方法およびこれに用いる装置

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JP2001021687A JP11189695A JP18969599A JP2001021687A JP 2001021687 A JP2001021687 A JP 2001021687A JP 11189695 A JP11189695 A JP 11189695A JP 18969599 A JP18969599 A JP 18969599A JP 2001021687 A JP2001021687 A JP 2001021687A
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隆盛 白井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作でありながら、短時間で高い放射
性物質除去効果が得られ、且つ、分別なしで広範囲の固
体廃棄物に適用可能な、放射性汚染物の処理方法および
これに用いる処理装置を提供すること。 【解決手段】 汚染物を、アルカリ性洗浄液中に浸漬
し、当該汚染物に付着した放射性腐食生成物を前記アル
カリ性洗浄液中に離脱せしめ、この離脱した放射性腐食
生成物をアルカリ性洗浄液中から分離することを特徴と
する放射性汚染物の処理方法およびこれに用いる装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射性汚染物の処理
方法およびそれに用いる装置に関し、更に詳細には、原
子力施設の定検工事等で発生する放射能に汚染された固
体廃棄物(各種の金属物、セラミック等の無機物、プラ
スチック製品、ゴム製品等)を経済的に除染することの
できる処理方法およびこれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力施設の定検工事等で発生す
る放射性物質(金属酸化物、塵埃等)に汚染された固体
廃棄物(各種の金属物、セラミック等の無機物、プラス
チック製品、ゴム製品等)は、材料毎に、さらには廃棄
物の形状毎に分別後、各々の廃棄物に適した除染方法で
除染されてきた。例えば、比較的に単純形状の配管類は
半割後ブラスト除染法で処理され、ポンプ、バルブ等の
複雑な形状物は、化学薬品で放射性同位元素を含む鉄サ
ビ等を溶解除去する化学除染法等で対応してきた。
【0003】しかし、前者の方法は、比較的簡便に除染
出来るが、除染対象物が限定されるという問題があっ
た。一方、後者の方法は、除染時間が掛かったり、油脂
類汚染物及びペイント物には直接適用が困難であり、さ
らに溶解後の放射性物質を含む除染溶液を処理するため
に高度の処理技術を必要とすることになり、除染コスト
が高くなる問題があった。
【0004】このような事情から、広範囲の放射性汚染
物を、簡便な操作で、且つ安価に処理することのできる
方法の提供が強く求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記要求に
応えるものであり、簡単な操作でありながら、短時間で
高い放射性物質除去効果が得られ、且つ、分別なしで広
範囲の固体廃棄物に適用可能な、放射性汚染物の処理方
法およびこれに用いる処理装置を提供することをその課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、放射性汚染
物における放射性物質の存在形態について検討を行った
結果、ほとんどの場合において金属、特に鉄の酸化物や
水酸化物(以下、「金属酸化物等」という)に吸着ない
し取り込まれた放射性腐食生成物の状態で存在すること
を知った。そして、放射性汚染物の放射性物質を除去す
るには、当該汚染物に付着した放射性腐食生成物を離脱
させればよいこと、更に、離脱した放射性腐食生成物を
固液分離し、分離された放射性腐食生成物を主構成成分
とする固形物を通常の方法により除染することにより経
済的な処理が可能であることを見出し、本発明を完成し
た。
【0007】すなわち本発明は、放射性汚染物を、アル
カリ性洗浄液中に浸漬し、当該汚染物に付着した放射性
腐食生成物を前記アルカリ性洗浄液中に離脱せしめ、こ
の離脱した放射性腐食生成物をアルカリ性洗浄液中から
分離することを特徴とする放射性汚染物の処理方法を提
供するものである。
【0008】また本発明は、処理槽、処理槽中に設けら
れた被処理物収納容器および処理槽と配管で結合された
固形物分離手段を含み、被処理物収納容器は処理槽に入
れられたアルカリ性洗浄液中に全部またはその一部が浸
漬され、当該洗浄液は、前記固形物分離手段を通じ循環
することを特徴とする放射性汚染物の処理装置を提供す
るものである。更に本発明は、前記放射性汚染物の処理
方法において用いられるアルカリ性洗浄液を提供するも
のである。
【0009】
【発明の実施の態様】本発明方法を実施するには、ま
ず、放射性汚染物を、アルカリ性洗浄液中に浸漬し、当
該汚染物に付着した放射性腐食生成物をアルカリ性洗浄
液中に離脱せしめることが必要である。
【0010】本発明方法の対象となる放射性汚染物と
は、原子力施設の定期検査工事等で発生する放射性物質
で汚染された固体廃棄物(各種の金属物、セラミック等
の無機物、プラスチック製品、ゴム製品等)をいい、い
わゆる作業による二次汚染物を意味する。具体的には、
作業に用いた工具、ゴム靴やゴム手袋あるいは作業着等
の衣料品、不要になった二次的な配管類等である。これ
らの放射性汚染物における放射性物質は、放射性腐食生
成物(放射性物質を含有する鉄の酸化物あるいは鉄の水
酸化物等)単独の他、油脂類と放射性腐食生成物との混
合汚染物、配管、作業工具、靴、手袋、衣料品等保護具
に付着した放射性腐食生成物、塗装被膜中に取り込まれ
た放射性腐食生成物等として存在するが、いずれも本発
明で処理する対象である。
【0011】また、本発明方法で用いるアルカリ性洗浄
液としては、界面活性剤と無機塩を組み合わせた洗浄剤
を使用することができる。このアルカリ性洗浄液におけ
る界面活性剤としては、特に制約はないが、ポリオキシ
エチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンデシル
エーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリ
オキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンス
テアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニールエ
ーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、
ポリオキシエチレンポリオキシプロオイレンブロックポ
リマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、無
機塩(ビルダー成分)としては、オルソ珪酸ナトリウ
ム、メタ珪酸ナトリウム、セスキ珪酸ナトリウムおよび
珪酸ナトリウム液(珪酸ナトリウム1号から4号)等の
珪酸塩、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩、過炭酸ナト
リウム等の過炭酸塩、セスキ炭酸ナトリウム等の炭酸塩
が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも1種が使用
される。
【0012】このアルカリ性洗浄液は、浸漬洗浄によ
り、放射性汚染物に付着ないし吸着している放射性腐食
生成物を離脱せしめ、また、油脂類と混合している場合
にはこれを乳化ないし鹸化し、更に塗装被膜はこれを剥
離ないし接着力を低下させる作用を有するものである。
【0013】このアルカリ性洗浄液は、放射性汚染物の
汚れの程度、性質によりその使用濃度、温度および浸漬
時間を調整することができる。すなわち、放射性汚染物
に放射性腐食生成物が単に付着している場合には、弱い
条件、すなわち低い濃度、低い温度および短い浸漬時間
で放射性腐食生成物を除去することが可能であるが、放
射性汚染物に放射性腐食生成物が油と混合して付着して
いたり、塗装被膜中に取り込まれている場合には、激し
い条件、すなわち高い濃度、高い温度および長い浸漬時
間を選択する必要がある。従って、アルカリ性洗浄液の
濃度、浸漬温度および浸漬時間は特に限定されるもので
はないが、一般的な使用の場合、洗浄剤の濃度は、界面
活性剤が0.05から1%程度、無機塩が0.5から10
%程度であることが効果的であり、浸漬温度は、室温か
ら100℃程度、浸漬時間は数十分から24時間程度で
ある。
【0014】また、アルカリ性洗浄液による処理は、浸
漬のみでも良いが、更に機械力を与えると放射性腐食生
成物がより脱離し易くなるのでより好ましい。この機械
力を与える洗浄の例としては、超音波洗浄、噴流洗浄、
振動攪拌洗浄、揺動洗浄等が挙げられる。このうち、超
音波洗浄は、周波数25〜35KHz程度の超音波を被
処理物(放射性汚染物)に照射することにより行われ、
噴流洗浄はアルカリ性洗浄液のジェット流を被処理物に
ぶつけることにより行われる。更に振動攪拌洗浄は、周
波数10〜100KHz程度で上下動する水平に設置し
た振動翼の動きで発生する洗浄液の攪拌振動により、揺
動洗浄は被処理物自体をゆっくりと回転させたり、上下
あるいは往復運動等させることにより行われる。
【0015】次に、上記のようにして離脱した放射性腐
食生成物をアルカリ性洗浄液中から分離、収集する。
【0016】放射性腐食生成物は固体の状態で存在する
ので、アルカリ洗浄液中からの分離は、通常の固形物分
離手段により実施することができる。この固形物分離手
段の例としては、濾過、遠心分離、デカンテーション等
が挙げられるが、連続的に処理できることから、濾過を
用いることが好ましい。
【0017】なお、本発明方法においては、酸化鉄や水
酸化鉄等に吸着した放射性物質(Co60等)を放射性腐
食生成物として固体の状態で分離するのであるから、酸
化鉄や水酸化鉄が溶解したり、放射性物質自体が溶液中
へ溶出するような条件としないことが必要がある。従っ
て、洗浄液の液性を酸性側にしたり、懸濁状態である放
射性物質が溶解するようなキレート剤等の使用は極力避
けるべきである。また、放射性腐食生成物が油脂と混合
している場合等には、油脂等が遊離、分解、鹸化して溶
解性の有機物となり、これがアルカリ性洗浄液中に蓄
積、汚染する場合があるので、これらの溶解性の有機物
を吸着、除去できるような手段を併用することが好まし
い。このような手段の一例としては、吸着材(例えば活
性炭や吸着性樹脂)を充填した吸着塔の利用が挙げられ
る。このような溶解性の有機物の吸着、除去手段を講じ
ることにより、アルカリ性洗浄液の寿命を長くし、実質
上二次廃棄物発生量の少ないシステムとすることが可能
となる。
【0018】上記のようにして放射性汚染物である被処
理物に付着ないし吸着している放射性腐食生成物が除去
されるが、放射性汚染物の除去された被処理物にはもは
や放射能はないので、これを再使用したりあるいは通常
の方法に従って破棄することができる。一方、固体の状
態で分離、収集された放射性腐食生成物は、これも公知
の除染手段により、放射性廃棄物として処理されるが、
最初の放射性汚染物と比べてその容量は大幅に減少して
いるので、処理が極めて容易となる。
【0019】次に、本発明方法を実施するための装置の
一例を示し、更に説明を続ける。
【0020】図1は、本発明の放射性汚染物の処理装置
の構成の一例を示す図面である。図1中、aは処理槽、
bはアルカリ性洗浄液、cは超音波発生器、dはジェッ
ト噴流用ポンプ、eは噴流用ノズルであり、fは被処理
物(放射性汚染物)の収納容器、gはこの収納容器の回
転駆動部である。また、hはアルカリ性洗浄液循環用ポ
ンプ、iはフィルター、jは吸着塔をそれぞれ示す。
【0021】図1に示す装置では、処理槽aの中央に被
処理物収納容器fが、また下部には超音波発生器cが設
けられている。また、この被処理物収納容器fは、回転
駆動部gと結合され、横向きに回転されるようになって
いる。処理槽aには、アルカリ性洗浄液bが入れられ、
このアルカリ洗浄液bは処理槽aの一方に設けられた配
管を通じて、アルカリ性洗浄液循環用ポンプh、フィル
ターi、吸着塔j、更にはアルカリ性洗浄液加熱手段k
と結合され、循環される。また、処理槽aの他方に設け
られた配管は、ジェット噴流用ポンプdおよび噴流用ノ
ズルeと結合され、こちらも循環される。
【0022】アルカリ性洗浄液循環用ポンプh、フィル
ターi、吸着塔j等と結合する配管系(第1の循環系)
は、アルカリ性洗浄液から放射性腐食生成物(場合によ
っては、塗料片も含む)を固体の状態で分離するととも
に、アルカリ性洗浄液を浄化する系である。すなわち、
被処理物収納容器f中の被処理物から脱離した放射性腐
食生成物は、固体の状態でアルカリ性洗浄液中に懸濁す
ることになるが、この液を循環用ポンプhを通じ、フィ
ルターiを通ることにより、固体である放射性腐食生成
物のみがフィルターに捕捉される。固体が除去されたア
ルカリ性洗浄液は、更に加熱手段kを通って加熱された
後、処理槽a中に戻る。一方、放射性腐食生成物と共存
していた油脂等は、遊離、乳化、鹸化、分解等される
が、これらにより生成した溶解性の有機物等は、吸着材
を充填した吸着塔jにおいて捕捉される。この溶解性の
有機物が捕捉された後のアルカリ性洗浄液も、加熱手段
kを通って加熱された後、処理槽a中に戻る。なお、処
理の最初の段階では、フィルターiや吸着塔jを通さな
い方が循環効率がよいので、これらを用いずに循環させ
ることもできる。これらの循環の選択は、バルブl、
m、n、o、pおよびqの開閉により行うことができ
る。なお、フィルターiと吸着塔jは単独で用いても良
く、また、フィルターiから吸着塔jに、あるいはその
逆、またはフィルターiと吸着塔jを並列に用いる等フ
ローは随時変えることができる。
【0023】一方、ジェット噴流用ポンプdおよび噴流
用ノズルeと結合されている配管系(第2の循環系)
は、被処理物収納容器f中の被処理物を噴流洗浄するた
めのものであり、これによりより優れた洗浄力を得るこ
とができる。
【0024】なお、本発明装置において、アルカリ性洗
浄液bを高温で使用する場合は、ミストが飛散すること
もあるので、その場合にはミスト除去装置rを設けるこ
とが好ましい。
【0025】
【作用】本発明の基本的な技術思想は、放射性同位元素
を含む放射性腐食生成物を、「溶解せずに固体の状態で
収集し、処理する」ことである。すなわち、従来、放射
性汚染物はこれを酸溶液で処理し、この酸溶液中に溶け
だした金属放射性物質を濃縮、吸着あるいは固型化して
処理することが常識であったのに対し、これを溶解せ
ず、逆になるべく固体の状態を保ったまま処理するとい
うものである。
【0026】そして、このように固体の状態を保ったま
ま処理するため、酸溶液での処理に比べ、最終的な廃棄
処理物の量が少なくなり、また、油脂や塗料被膜が存在
する場合であっても経済的な処理が可能となる。
【0027】また、吸着塔を組み込んだ本発明処理装置
を利用する場合は、アルカリ性洗浄液の長期にわたる循
環使用が可能となり、環境面からも有利である。
【0028】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例等に何ら制約されるもの
ではない。
【0029】実 施 例 1 エナメルペイントの剥離洗浄試験(1):本発明方法に
よる、エナメルペイントの剥離、洗浄性について試験し
た。試験に用いる洗浄対象物としては、30mm×50
mm×3mmの、材質がSTPG−38(炭素鋼)のテ
ストピースの表面をエミリー100番で研磨したものを
用いた。また、このテストピースはエナメルペイント
(ユニグランドプライマー赤サビ;日本ペイント社製)
を塗布した。塗装は吹き付け法によりで行い、塗装後室
温下で1週間養生し、再度同様に塗装、養生を行った。
【0030】剥離洗浄試験では、中に超音波洗浄器(3
00W、28KHz)を設けた500mlのビーカを用
い、浸透力と機械力(超音波)による洗浄も併せ行っ
た。また、この試験で用いるアルカリ性洗浄液は、下記
の2種のアルカリ性洗浄液とし、これを300mlをビ
ーカー中に入れ、3ピースのテストピースを垂直設置
し、1時間洗浄した。
【0031】洗浄力は、アルカリ性洗浄液の濃度を一定
とし、その温度を変えた場合のペイント除去性により調
べた。この結果を図2に示す。この結果から明らかなよ
うに、洗浄液の温度の上昇と共にペイント除去性が上が
り、メタ珪酸塩を用いるアルカリ性洗浄液Bでは約50
℃で90%以上の除去率が、過炭酸塩を用いるアルカリ
性洗浄液Aでは約80℃で90%以上の除去率がそれぞ
れ得られた。
【0032】( 使用アルカリ性洗浄液 ) アルカリ洗浄液A: 洗浄液100ml中、過炭酸ナトリウム1g、非イオン
界面活性剤* 0.1g含有(pH13) アルカリ洗浄液B: 洗浄液100ml中、メタ珪酸ナトリウム1g、非イオ
ン界面活性剤* 0.1g含有(pH13) * 非イオン界面活性剤:ライオミックスH(ライオン
(株)製)
【0033】実 施 例 2 エナメルペイントの剥離洗浄試験(2):実施例1と同
じ方法により、温度を一定(50℃)とした場合の、ア
ルカリ性洗浄液の濃度による洗浄力の変化を調べた。こ
の結果を図3に示すが、図3から明らかなように、洗浄
剤の濃度の上昇と共にペイント除去性が上がり、メタ珪
酸塩を用いるアルカリ性洗浄液Bでは約1.5%濃度で
100%以上の除去率が、過炭酸塩を用いるアルカリ性
洗浄液Aでも約3%で90%以上の除去率がそれぞれ得
られた。なお、ペイント除去率が90%以上の放射性汚
染物では、放射性物質がほとんど除去されている。
【0034】実 施 例 3 放射能汚染物の剥離洗浄試験:種々の金属表面に付着し
た放射性物質が本発明方法で除去できるかどうかを、人
工的な放射汚染テストピースを作成し調べた。放射汚染
テストピースは、それぞれサイズが30mm×50mm
×3mm(表面積〜35cm2)の、アルミニウム、ス
テンレス、炭素鋼および銅の板の表面をエミリー100
番で研磨し、これに放射性物質を付着させることにより
調製した。放射性物質の付着は、5×104Bqの60
Oを含む水酸化鉄の懸濁液(Feとして100mg/
l)中に浸漬後、150℃の乾燥器内で乾燥させる操作
を3回繰り返すことにより行った。
【0035】剥離洗浄試験は、上記のようにして調製さ
れた放射汚染テストピースを超音波洗浄器(300W、
35KHz)を設けた500mlのビーカ中、300m
lのアルカリ性洗浄液を用い、浸透力と機械力(超音
波)により洗浄した後、浸漬100分後まで20分毎
に、残存放射能を測定することにより行った。この試験
で放射汚染テストピースは、1ピースを前記ビーカー中
に垂直設置した。また、アルカリ性洗浄液は、メタ珪酸
ナトリウム3%、非イオン界面活性剤0.1%、温度5
0℃のものを用いた。なお、残存放射能測定に先立ち、
上記洗浄剤を0.45μm孔のフィルターでろ過したろ
液で放射汚染ピースの表面を流し洗いした。この結果を
図4に示す。
【0036】図4から明らかなように、何れの金属板に
おいても40分程度の洗浄の後は、放射能量が百分の一
程度以下にまで低下していた。
【0037】
【発明の効果】本発明は、放射性汚染物を、その材質、
形状及び汚染形態(放射性腐食生成物単独、放射性腐食
生成物と油脂類との混合汚染物及び放射性腐食生成物で
汚染した塗装物)等の区別なく、また材質毎に分別する
ことなく、同一処理装置内で、簡単に、かつ短時間で脱
汚染処理することができる。また、本発明は被処理物の
素材及び放射性腐食生成物を殆ど溶解せずに放射性物質
を除去するため、二次廃棄物発生量が少なく、除染費用
の低コスト化が可能である。
【0038】従って本発明は、放射性汚染物の処理手段
として、極めて経済的であり、また工業的に有利なもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の放射性汚染物の処理装置の一例の構
成を示す図面
【図2】 洗浄液の温度とペイント除去率の関係を示す
図面
【図3】 洗浄液の濃度とペイント除去率の関係を示す
図面
【図4】 本発明方法による種々の金属板に付着した放
射性汚染物の除去状況を経時的に調べた結果を示す図面
【符号の説明】
a:処理槽 h:循環用ポンプ b:アルカリ性洗浄液 i:フィルター c:超音波発生器 j:吸着塔 d:ジェット噴流用ポンプ k:加熱手段 e:ジェット噴流用ノズル l〜q:弁 f:被処理物の収納容器 r:ミスト除去装
置 g:収納容器の回転駆動部 以 上

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性汚染物を、アルカリ性洗浄液中に
    浸漬し、当該汚染物に付着した放射性腐食生成物を前記
    アルカリ性洗浄液中に離脱せしめ、この離脱した放射性
    腐食生成物をアルカリ性洗浄液中から分離することを特
    徴とする放射性汚染物の処理方法。
  2. 【請求項2】 放射性汚染物をアルカリ性洗浄液中に浸
    漬し、これに付着した放射性腐食生成物を前記アルカリ
    性洗浄液中に離脱せしめるに当たり、機械力を加えるこ
    とを特徴とする請求項第1項記載の放射性汚染物の処理
    方法。
  3. 【請求項3】 機械力が超音波照射、噴流、振動攪拌ま
    たは揺動攪拌である請求項第2項記載の放射性汚染物の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 処理槽、処理槽中に設けられた被処理物
    収納容器および処理槽と配管で結合された固形物分離手
    段を含み、被処理物収納容器は処理槽に入れられたアル
    カリ性洗浄液中に全部またはその一部が浸漬され、当該
    洗浄液は、前記固形物分離手段を通って循環使用するこ
    とを特徴とする放射性汚染物の処理装置。
  5. 【請求項5】 アルカリ性洗浄液中に溶解性の有機物が
    存在する場合、前記固形物分離手段として吸着手段を用
    いる請求項第4項記載の放射性汚染物の処理装置。
  6. 【請求項6】 ケイ酸塩、リン酸塩、炭酸塩または過炭
    酸塩から選ばれる少なくとも1種と界面活性剤とを含む
    放射性汚染物の処理に用いるアルカリ性洗浄液。
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