JPH032596A - 放射能汚染金属の除染装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は放射性物質で汚染された被処理金属面を除染す
る放射能汚染金属の除染装置に関する。

（従来の技術） 一般に、原子力発電所等で発生する放射性金属廃棄物は
施設内に貯蔵され、環境に悪影響を与えないよう管理さ
れている。このように貯蔵されている金属廃棄物は増加
しており、貯蔵スペースの確保が困難になる。特に、原
子力発電所等の設備の改修では大型の放射能汚染した機
器、配管類が発生し、益々貯蔵が困難になっている。

これら廃棄物の放射能の低減することは取扱における人
の放射能被爆量を低下する。また十分に低いレベル、無
拘束限界値まで下げることにより、一般廃棄物並の取扱
が可能になり、保管も容易になり、限定した範囲での再
利用も可能となる。

例えば原子力発電施設の金属廃棄物の放射能汚染は、プ
ラント機器配管構成材料からの腐食生成物が放射化され
たものあるいは放射化された構成材料から解離した放射
性腐食生成物が機器配管内を循環する流体に乗って移動
し、機器配管金属表面に堆積することか原因と考えられ
ている。したがって、機器・配管類の金属表面は金属母
材の」二に金属酸化皮膜があり、その上に放射性腐食生
成物などに由来するクラットなどが付着し堆積した状態
となっている。したがって、放射能汚染金属の断面の状
態は金属母材、酸化膜、クラッド層の順になっており、
汚染の程度の表面はど高く金属母材にはわずかに浸透し
た放射能が残る程度と言われている。また、原子力発電
所など放射能取扱施設から発生する放射能汚染金属は、
使用期間中あるいは改修撤去中に錆が発生したり、油膜
が付着したりして不均一に金属母材とは性状の異なる物
質で覆われている。したがって、放射性物で汚染した金
属の除染装置では、汚染物質を金属表面から均一に除去
していくことが二次廃棄物の発生量を低減し除染の効果
をあげることになる。従来原子力発電所などから発生す
る放射性金属には電解除染や化学除染により実施されて
きた。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、電解除染法は除染速度が速い特長がある
反面、電極面を被処理金属面に対向させなければならず
複雑形状物の除染が困難である。

また、被除染物表面酸化皮膜の剥離した部分から導電性
のよい母材を選択的に溶解し、表面の放射能の高いクラ
ットや酸化皮膜部分を部分的に残し、除染の効果を半減
する。また、溶解金属量も多くなることから廃液処理装
置の負担も大きく、二次廃棄物も増大する。

一方、化学除染は形状の適用性は良好であるが、除染速
度が遅く、除染剤が化学的に消費され、除染能力がすぐ
に低下することや使用済みの除染が二次廃棄物として発
生するなどの問題を抱えていた。

また、これらの除染法では金属表面に付着した油膜やク
ラッドの除去、また、腐食され難い酸化皮膜の溶解など
初期の処理に時間を要していた。

本発明は、不均一な放射性被処理金属の表面を確実に溶
解でき、除染速度が速く、除染剤の再生が可能で二次廃
棄物の発生量を低減させることのできる放射能汚染金属
の除染装置を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 電解槽においてセリウム３価イオンを含む硝酸あるいは
硫酸水溶液を、電解酸化反応によりセリウム３価イオン
をセリウム４価イオンに生成する。この生成したセリウ
ム４価イオンの酸化力を有する電解液と、これと混合し
た本溶液により腐食され難いブラスト材粒子を混合し、
ノズルから噴射させる。このときのブラスト材の衝撃力
により、放射能で汚染された被処理金属表面から剥離す
るとともに、セリウム４価イオンの酸化作用により金属
を溶解して汚染を除去する。

（作用） 電解槽において酸化還元反応により生成したセリウム４
価イオンを多く含む電解液と水溶液により腐食され難い
ブラスト材粒子を放射能汚染金属表面にノズルにより噴
射することによりブラスト材の衝撃により、主しこ油膜
などの汚れならびしこ溶解し難い部分のクラッドや酸化
皮膜を剥離させ、硝酸あるいは硫酸中のセリウム４価イ
オンの酸化作用により、主に金属母材に浸透したわずか
な汚染まで溶解し金属から放射能汚染を除去する。

（実施例） （実施例の構成） 以下に、本発明の実施例を第１図を参照して説明する。

電解槽］内には電解液２として３価のセリウムイオンと
４価のセリウムイオンと硝酸あるいは硫酸溶液が収容さ
れている。電解液２の中には陽極３ならびに陰極４が浸
漬され、陽極３ならびに陰極４は直流電源５に接続され
ている。また、電解槽１の中の電解液２にはガラスピー
ズが混合されている。電解槽１には循環ライン７が接続
され、電解液２が供給ポンプ６により、循環ライン７を
通って、除染槽８内の被処理金属９に向けて設置された
噴射ノズル１３に供給され、圧縮空気ライン１４より噴
射ノズル１３に送られた圧縮空気によりガラスピーズを
含んだ電解液は被処理金属９に吹き付けられる。被処理
金属３は除染槽８の」一方に配置した固定機構からケー
ブルにより吊下げられている。除染槽８には電解液を上
下部２方向から供給できるようにバルブ１０で切り替え
られる。同様に圧縮空気も圧縮空気用バルブ１６により
切り替えられる。除染槽の低部には、ドレンライン１１
を通して除染槽８から被処理金属９を処理後の流出した
汚染液が循環ポンプ１２を通って電解槽１内に流入する
。

一方、電解槽１上部ならびに除染槽８の上部には排ガス
ライン１８が接続されている。電解槽１および除染槽８
から発生する硝酸あるいは硫酸の蒸気およびミストはコ
ンデンサー１９ならびにデミスタ２０により回収され電
解槽に戻される。なお、符号１７は電解槽１を加熱し、
電解液２の温度を上昇させるためのヒータである。

（実施例の作用） 以上のように構成された本発明に係わる放射能汚染金属
の除染装置は、硝酸溶液中に硝酸セリウムあるいは硫酸
溶液中に硫酸セリウムを溶解し、直流電源５により陰極
４、陽極３間に電圧をかけることにより起こる電解酸化
反応によりセリウム３価イオンをセリウム４価イオンに
生成する。これは本溶液により腐食をうけないガラスピ
ーズを混合し供給ポンプ６により噴射ノズル１３に送り
、噴射ノズル１３において圧縮空気ライン１４より送ら
れてくる加圧空気により電解液ならびにガラスピーズは
加速され、被処理金属９に吹き付けられる。

このときの加速されたガラスピーズの衝撃力により、ク
ラッドや酸化皮膜の一部を剥離し、また、電解液中のセ
リウム４価イオンの酸化作用により、酸化皮膜や金属母
材を溶解し、被処理金属の汚染部分を表面より均一に除
去していく。さらに、このガラスピーズの衝撃力による
剥離作用とセリウム４価イオンの酸化による溶解作用の
相互作用により、除染速度は上昇する。

（実施例の効果） 本発明により、不均一に堆積付着したクラッドや酸化皮
膜を剥離させ、金属母材に浸透した微量の汚染も容易に
溶解させることができ、極低レベルまで短時間に除染す
ることが可能である。

（他の実施例） 本発明の他の実施例を第２図、第３図に示す。

第２図は、第１−図に示した前記実施例と同様の電解液
再生の機能を有し、さらに除染廃液中の廃ブラスト材、
研削したクラッドや酸化皮膜、金属母材の固体粒子を分
離・回収する分離・回収ラインを設けた構造となってい
る。

噴射ノズル１３により除染槽８内の被処理金属９に吹き
付けられたガラスピーズを含む電解液は被処理金属９を
研削、溶解し、研削粒子や破損したガラスピーズが混入
している。ブラスティングの衝撃力による効果は噴射す
る粒子の質量に比例して大きくなるため、微粒の研削粉
や破損して細かく砕けたガラスピーズは衝撃力が小さく
なり、除染能力が低下する。除染槽８に分離・回収ライ
ン２６が接続しており、除染槽８の低部に溜った除染液
の上澄み液は回収ライン２６を通って回収槽２２にオー
バーフローする。回収槽２２に溜った除染液は回収ポン
プ２３によりサイクロン２４に送られ、元の大きさのガ
ラスピーズを多く含む液はサイクロン２４の下部より回
収・分離ライン２６ａを通って除染槽８へ戻り、研削粉
や廃ガラスピーズを多く含む除染液はサイクロン２４上
部より、フィルタ２５に送られてこれら粒子を回収し、
分離・回収ライン２６ｂを通って電解槽１に至る。電解
槽では前記実施例と同様にセリウムイオンを４価に再生
し循環してガラスを含む電解液とじて使用する。

第３図は、第２図の実施例と同様に研削粒子や破損した
カラスビーズと健全なガラスピーズの分離・回収ライン
を備えている。また、第１図の前記実施例と同様の電解
液再生の機能を有している。

除染槽８に溜った電解液はガラスピーズと混合した状態
で循環ポンプ６により直接噴射ノズル１３に供給し、圧
縮空気ライン１４より噴射ノズル１３に供給される圧縮
空気により被処理金属に噴射される。

電解液の再生は回収・分離ラインのサイクロン２４とフ
ィルタ２５を通過してきた除染液について、電解槽１に
て行われ、適宜、除染槽へ供給される。

また、循環ライン７ａには、バイパスラインを設け、除
染槽８低部に溜った除染液を撹拌し、ガラスピーズの滞
留防止と研削粉や廃ガラスピーズを舞い上がらせ回収を
効率よく行う構造となっている。

〔発明の効果〕

本発明の特長であるセリウム４価イオンを含む電解液に
ガラスピーズを混合した除染液を、噴射ノズルより除染
対象物に噴射することにより、少ない除染液で、不均一
に堆積付着したクラッドや酸化皮膜を剥離させ、金属母
材に浸透した微量の汚染も容易に溶解させることができ
、極低レベルまで短時間に除染することが可能である。

また、特定部分のだけの除染も可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を示す系統図、第２図は
本発明の第２の実施例を示す系統図、第３図は本発明の
第３の実施例を示す系統図である。 １・・・電解槽　　　　　　２・・電解液３・・・陽極
　　　　　　　４・・・陰極５・直流電源　　　　　８
・・・除染槽９・・・被処理金属 １３・・噴射ノズル ２４・・・サイクロン ２５・・ フィルり 代理人　弁理士　則　近　憲　佑 同　　第子丸　健

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. セリウム３価イオンを含む硝酸水溶液あるいは硫酸水溶
   液と、これらの溶液により腐食され難いブラスト材粒子
   を混合した溶液を用い、電解酸化反応によりセリウム３
   価イオンをセリウム４価イオンに生成し、この生成した
   セリウム４価イオンの酸化力を有する電解液と混合した
   ブラスト材粒子の噴射されたときの衝撃力により放射能
   で汚染された被処理金属を溶解ならびに剥離させ除去す
   る放射能汚染金属の除染装置であって、前記、電解酸化
   反応によりセリウム３価イオンをセリウム４価イオンに
   生成する電解槽と、前記被処理金属をブラスティングと
   電解液により除染するためのブラスト材混合電解液を噴
   射するノズルを備えた除染槽と、この除染槽および電解
   槽に硝酸あるいは硫酸蒸気を回収する排ガス処理装置を
   接続したことを特長とする放射能汚染金属の除染装置。