JP2010101762A - 放射性金属廃棄物の除染方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】除染液の使用量ないし除染処理時間を増大させずに、除染レベルの高いものを得ることができる放射性金属廃棄物の除染方法を提供すること。
【構成】放射能で表面が汚染された鉄系金属等の放射性金属廃棄物の化学的除染方法。放射性金属廃棄物を、ギ酸等の脂肪族カルボン酸を含む除染液に浸漬させて、前記放射性金属廃棄物の表面部を脂肪族カルボン酸金属塩として除染液中に溶出させて除染処理を行う。除染処理処理後の放射性金属廃棄物を、脱塩水(純水)中で超音波洗浄して仕上げ洗浄を行って、残留放射能を低減させる。脱塩水としては、導電率が約1μS/cm(pH:5.8)以下であるのものを使用する。超音波洗浄は、出力×出力密度×周波数:1200W×0.49W/cm2×40kHz又はそれに相当する出力仕様で0.5〜1.5h施す。
【選択図】 図2
【構成】放射能で表面が汚染された鉄系金属等の放射性金属廃棄物の化学的除染方法。放射性金属廃棄物を、ギ酸等の脂肪族カルボン酸を含む除染液に浸漬させて、前記放射性金属廃棄物の表面部を脂肪族カルボン酸金属塩として除染液中に溶出させて除染処理を行う。除染処理処理後の放射性金属廃棄物を、脱塩水(純水)中で超音波洗浄して仕上げ洗浄を行って、残留放射能を低減させる。脱塩水としては、導電率が約1μS/cm(pH:5.8)以下であるのものを使用する。超音波洗浄は、出力×出力密度×周波数:1200W×0.49W/cm2×40kHz又はそれに相当する出力仕様で0.5〜1.5h施す。
【選択図】 図2
Description
本発明は、放射能で表面が汚染された放射性金属廃棄物の化学的除染方法に関する。
原子力発電所等で発生する放射能で表面が汚染された放射性金属廃棄物の除染方法として、放射性金属廃棄物の汚染度の高い表面部を酸により溶解して再利用可能な許容汚染レベルまで金属を除染するとともに、溶解して生成させた金属塩や水酸化物等の汚染度の高い沈殿物は、ろ過分離して、該ろ滓をセメントで固めて処分する化学的除染方法がある。この化学的除染方法は、原子力発電所から排出される廃棄物を、再利用可能な汚染レベルまで容易に除染することができるとともに、二次放射性廃棄物の発生量も少ない。このため、放射性廃棄物として法規制を受け、所定場所に保管した後に、法規制に適合した処分をすることが必要な放射性廃棄物の発生量を大幅に低減できるとともに、省資源にもつながる。
そして、酸として、ギ酸等の脂肪族カルボン酸を使用すれば、酸化により水と炭酸ガスに分解することができ、使用済除染液を再使用でき液廃棄物の発生が殆どない点等において、無機酸に比して有利である。
例えば、特許文献1(米国特許5386078号)で、ギ酸により除染する処理法が提案されている。
当該米国特許のアブストラクトを、和訳して、以下に引用する。
「放射汚染金属を除染する方法。放射性汚染金属(対象金属)を第一浴に投入して、該第一浴の非放射性のギ酸水溶液に、ギ酸濃度が化学量論に一致した量を消費した水溶液になるまで接触させる。次に、対象金属を同じ化学組成を有する第二浴に投入する。第二浴の非放射性の水溶液にも同様に、化学量論に一致した量のギ酸が消費されるまで対象金属を接触させることが望ましい。ギ酸濃度は、約0.3mol/Lとする。これらの操作を許容汚染率(例えば、0.37Bq/cm2)になるまで繰り返す。放射性金属水酸化物乃至酸化物(汚染スラッジ)が沈降分離される。そして、これらの汚染スラッジはセメントで固化されてさらに除染されていく。」
さらに、非特許文献1(kohli & Hanulik「汚染金属廃棄のための新規な除染方法(AN INNOVATIVE CHEMICAL DECONTAMINATION SYSTEM FOR FREE RELEASE OF METALS)」)における要約(abstract)には上記方法について、次の記載(和訳)がある。
「廃棄可能基準までの経済的な化学的除染方法が開発されている。当該方法「DECOFOR」(特許されたギ酸処理に基づく)は、ニッケル、鉛、銅、炭素鋼やアルミニウム等の広範な金属に適用可能である。本処理は、経済的で、毒性薬剤を使用せず、液体廃棄物は生成されずに最小限の固体廃棄物が生成されるのみである、除染しない水が循環される、等において長所を有する。本方法は、除染処理前後の除染率を測定し、そして、個々に適合可能な全体的な除染技術に展開するための金属試料の精確な採取技術も含む。除染は迅速で効率的である。即ち、室温における除去速度は、酸濃度が0.5〜1.0%において、Pb,Cu:1.0mg/(cm2・min);Al,炭素鋼,Ni:0.1〜1.0mg/(cm2・h)である。この処理法は、U.S. Department of Energy (DOE) 施設内や他の廃棄プロジェクトにおける在庫汚染金属の廃棄基準までの除染に適用できるものである。」
また、同じく、「III.除染方法の説明、A.DECOFORの基本原理、B.処理法の概括」の項には下記記載(和訳)がある。なお、訳文中の「Fig.1」は、本願の図1(翻訳図)として添付してある。
「A.DECOFORの基本原理:
ギ酸(HCOOH)は、殆どの金属と金属酸化物を溶解してギ酸塩となる。ギ酸は溶解度が非常に高い。例えば、2molのギ酸は1molのFeを溶解してギ酸鉄を生成する。その他の反応生成物は存在しないので、この反応は化学量論的に精確に制御でき、結果的に、除染に必要なギ酸量及び廃液量を最小限とすることができる。殆どのギ酸金属塩は水溶性であるため、除染液から溶解金属を回収するとともに水を再生して再使用することが容易となる。
ギ酸(HCOOH)は、殆どの金属と金属酸化物を溶解してギ酸塩となる。ギ酸は溶解度が非常に高い。例えば、2molのギ酸は1molのFeを溶解してギ酸鉄を生成する。その他の反応生成物は存在しないので、この反応は化学量論的に精確に制御でき、結果的に、除染に必要なギ酸量及び廃液量を最小限とすることができる。殆どのギ酸金属塩は水溶性であるため、除染液から溶解金属を回収するとともに水を再生して再使用することが容易となる。
ある金属群は他の金属群より水に溶け易い。例えば、鉛の溶解速度は、pH0.5前後では実質的に酸濃度に無関係である。しかし、H2O2の濃度は反応速度に関係する。鉛は、2%を超える濃度でのH2O2の激しい分解により溶解する。したがって、本処理法では、当初H2O2濃度3%で開始し、除染サイクルを通じて、丁度2%を超える濃度に維持する。金属表面におけるH2O2の活発な分解は金属表面における除染効率を機械的に高める。鉛は大部分がPb2+として溶けるが、部分的に酸化して酸化物(PbO,PbO2)となる。溶解反応は、酸が消費された後、H2O2及びH+イオンもなくなって停止する(pH=6〜7)。
B.方法の概括:
処理体系の概括及び物質流れを、Pbを例とするFig.Iに示す。DECOFOR除染処理は、汚染金属を希釈ギ酸溶液に短時間浸漬する工程を含む。当該酸溶液を汚染金属にスプレーしてもよい。ギ酸が化学量論的に消費された後、汚染表面層を水で濯いで除去する。化学量論的に消費された溶液(使用済み溶液)は、酸化剤としてのH2O2で再生することができる。酸化剤は不溶性化合物を沈殿させる。該使用済溶液に当初濃度となるようにギ酸を添加すれば、当該酸溶液は再使用可能である。溶解金属を含む当該溶液は、化学的に又は電気化学的に処理して、金属を回収する。電解後のギ酸溶液は再利用のために除染タンクに戻す。本処理法は水と除染薬剤の閉サイクルで行われることとなる。したがって、そこには廃棄液がなく、二次固体廃棄物が最小限となる(金属又は金属酸化物としての当初金属の0.01〜0.1%)。」
処理体系の概括及び物質流れを、Pbを例とするFig.Iに示す。DECOFOR除染処理は、汚染金属を希釈ギ酸溶液に短時間浸漬する工程を含む。当該酸溶液を汚染金属にスプレーしてもよい。ギ酸が化学量論的に消費された後、汚染表面層を水で濯いで除去する。化学量論的に消費された溶液(使用済み溶液)は、酸化剤としてのH2O2で再生することができる。酸化剤は不溶性化合物を沈殿させる。該使用済溶液に当初濃度となるようにギ酸を添加すれば、当該酸溶液は再使用可能である。溶解金属を含む当該溶液は、化学的に又は電気化学的に処理して、金属を回収する。電解後のギ酸溶液は再利用のために除染タンクに戻す。本処理法は水と除染薬剤の閉サイクルで行われることとなる。したがって、そこには廃棄液がなく、二次固体廃棄物が最小限となる(金属又は金属酸化物としての当初金属の0.01〜0.1%)。」
昨今、原子力発電所から排出される廃棄物の法規制等が強化される傾向にある。そして、上記除染方法により、法規制等が強化された場合に対応可能なレベルまで除染するには、浸漬回数を増やす、浸漬時間を伸ばす等の対処(方法)が必要となる。しかし、当該対処(方法)では、除染作業量も増加し、さらに除染に伴う二次廃棄物(使用済除染液等)の発生量も増えていく。このため、上記浸漬回数を増やしたり、浸漬時間を伸ばしたりする対処とは、別の対処が要望されていた。
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、中性電解液を用いた放射性金属廃棄物の電解除染法において、除染面に付着した水酸化物スラッジを除去するために、水洗槽で超音波洗浄する技術が記載されている(特許文献2、段落0005)。
米国特許5386078号明細書
特開平5−27092号公報
kohli & Hanulik「汚染金属廃棄のための新規な除染方法(AN INNOVATIVE CHEMICAL DECONTAMINATION SYSTEM FOR FREE RELEASE OF METALS)」原子力廃棄物及び危険廃棄物管理に関する国際会議(Nuclear and Hazardous Waste Management, Proceeding of an International Topic Meeting)1996年議事録
本発明は、上記にかんがみて、ギ酸水溶液等に放射性金属廃棄物を浸漬溶解して除染するに際して、浸漬回数や浸漬時間を増大させることなく再利用可能なレベルまで除染できる放射性金属廃棄物の除染方法を提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成の放射性金属廃棄物の除染方法に想到した。
放射能で表面が汚染された放射性金属廃棄物の化学的除染方法であって、
該放射性金属廃棄物を、金属塩が水溶性であり酸化分解可能な脂肪族カルボン酸を含む除染液に浸漬させて、前記放射性金属廃棄物の表面部を脂肪族カルボン酸金属塩として前記除染液中に溶出させることにより除染処理を行う放射性金属廃棄物の除染方法において、
前記除染処理後の放射性金属廃棄物を、脱塩水中(純水)中で超音波洗浄して仕上げ洗浄を行って、前記放射性金属廃棄物の残留放射能を低減させることを特徴とする。
該放射性金属廃棄物を、金属塩が水溶性であり酸化分解可能な脂肪族カルボン酸を含む除染液に浸漬させて、前記放射性金属廃棄物の表面部を脂肪族カルボン酸金属塩として前記除染液中に溶出させることにより除染処理を行う放射性金属廃棄物の除染方法において、
前記除染処理後の放射性金属廃棄物を、脱塩水中(純水)中で超音波洗浄して仕上げ洗浄を行って、前記放射性金属廃棄物の残留放射能を低減させることを特徴とする。
後述の実施例で示す如く、純水中で超音波洗浄することにより、放射性金属廃棄物の除染率を予期以上に向上させることができた。
上記脂肪族カルボン酸としては、通常、あらゆる金属に対する溶解性に優れたギ酸とし、その濃度は約0.217〜2.17mol/L、望ましくは約0.435mol/L(2wt%)程度とする。
上記脱塩水は、通常、導電率が約1μS/cm(pH:5.8)以下であるものを使用する。
前記超音波洗浄は、出力×出力密度×周波数:1200W×0.49W/cm2×40kHz又はそれに相当する出力仕様で、処理時間0.5〜1.5h施す。
本発明は、ギ酸除染液に対する浸漬時間を長くする必要がある鉄系金属に適用することで、効果(除染処理の生産性の増大)が顕著となる。
以下、本発明の除染方法を、図2を例に採り、さらに詳細に説明をする。なお、ここでは、汚染金属(放射性金属廃棄物)が、鉄系金属である場合を例に採り説明するが、他の、ギ酸が溶解可能な金属、例えば、Al系金属やNi系金属等にも、鉄系金属の場合と同様な効果が期待できる。
まず、汚染金属11の汚染層の厚さから反応モル数を予測し、浸漬時間を求めて、除染液13を充填した除染槽12を準備する。
ここで、除染液13の濃度は、脂肪族カルボン酸の種類により異なるが、ギ酸の場合、0.217〜2.17mol/Lの範囲から適宜選定する。
除染槽12の大きさは、汚染金属11の大きさにより異なるが、例えば、2〜6m3程度充填可能のものを通常使用する。汚染金属11の嵩は、0.5〜1.5m3程度とする。
そして、汚染金属11を浸漬用篭14に入れクレーン等で吊り下げて除染槽12へ投入して、所定時間、浸漬させる。このときの浴温は、常温でもよいが、約60℃以上とすることが、反応速度的に望ましい。上限は、約80℃、望ましくは約65℃とする。高温になるにしたがって、昇温に要する時間が長くなるとともに、ギ酸成分が蒸気とともに系外へ逸散し易くなって望ましくない。
また、浸漬(接触)時間は、温度、ギ酸濃度等により異なるが、通常、0.5〜2hとする。
なお、浸漬中は、汚染金属11は、通常、揺動させない。揺動による除染効率の増大効果を認めることができなかったためである。むしろ、揺動(攪拌)させるための余分な機器及びエネルギーが必要となる不利がある。
そして、所定時間浸漬後、浸漬用篭14に入れた状態で汚染金属11を、脱塩水(純水)15を充填した超音波発生機(図示せず)を備えた超音波洗浄槽16中へクレーン等を用いて移動し、超音波洗浄を行なう。
ここで、脱塩水15は、導電率が約1μS/cm(pH:5.8)以下、望ましくは1μS/cm(pH:5.8)未満であるものを使用する。脱塩水は、川水等の原水をろ過後、慣用の方法により脱塩して調製する。また、汚染金属11は揺動させない。除染液の場合と同様、揺動による除染効率の増大効果を認めることができなかったためである。むしろ、揺動(攪拌)させるための余分な機器及びエネルギーが必要となる不利があり、さらには、超音波の作用に偏在等の影響を与えたりするおそれがある。
ここで、超音波洗浄槽16の大きさは、除染槽12と同じ乃至若干小さ目で、浸漬用篭14を投入可能な大きさであればよく、通常、2〜6m3とする。
超音波洗浄の条件は、出力×出力密度×周波数:1200W×0.49W/cm2×40kHz又はそれに相当する出力条件で0.5〜1.5h施す。
超音波洗浄に使用した後の純水は、ろ過・脱塩処理して再使用する。活性炭吸着処理してもよい。
ここで、使用済除染液は、過酸化水素等の酸化剤を添加して、ギ酸を分解させて(水と炭酸ガス)生成させた放射性沈殿物(Fe(OH)2)をろ過分離し、さらに、セメント固化等して処分する。
この際、過酸化水素を添加する前に、電解槽に使用済除染液を移送して、電解処理を行うことが望ましい(図3参照)。
電解により陰極でFe2+イオンがFeとなって回収できるとともに、陽極で「HCOO−」イオンを「HCOOH」に再生できる。したがって、再生した「HCOOH」は、除染液のギ酸成分として再使用できる。また、使用済除染液を廃棄する場合は、従来と同様、酸化剤を添加して、ギ酸を分解させるとともにFe水酸化物を沈殿させるが、沈殿物(Fe水酸化物)の発生量も陰極で回収した鉄分に応じて、少なくなるため、ろ過分離も簡単となる。
<試験例>
本発明の効果を確認するために行なった、試験例1・2・3について説明する。試験例1は、超音波不使用の除染処理工程のみ;試験例2は、超音波併用の除染処理工程のみ;試験例3(本発明対応)は、除染処理工程後超音波洗浄した事例である(表1参照)。
本発明の効果を確認するために行なった、試験例1・2・3について説明する。試験例1は、超音波不使用の除染処理工程のみ;試験例2は、超音波併用の除染処理工程のみ;試験例3(本発明対応)は、除染処理工程後超音波洗浄した事例である(表1参照)。
試験片は、原子力発電所から出た放射性金属廃棄物で、同一形状の同一大きさ・質量(約600g)の炭素鋼廃棄物を使用した。
除染液は、いずれも2%(0.435mol/L)のギ酸溶液240Lを用いた。
そして、表1に示す条件で試験を行ない、試験前後の除染率(残留放射能)を、下記方法で計測した。
計測項目:汚染計数率(単位 cpm)
計測機器:GM管式サーベイメータ(アロカ社製)
計測方法:直接式
計測時間:1分間(スケーラーモード)
計測値:正味値(Net値)=[試験片計測値]−[BG計測値]
それらの結果を表1に示すが、本発明の方法に対応する試験No.3は、試験No.1(超音波不使用の除染処理工程のみ)に比しては勿論、試験No.2(超音波併用除染処理工程のみ)に比しても、格段に除染率が高い(残留放射能が少ない)ことが確認できた。
計測機器:GM管式サーベイメータ(アロカ社製)
計測方法:直接式
計測時間:1分間(スケーラーモード)
計測値:正味値(Net値)=[試験片計測値]−[BG計測値]
それらの結果を表1に示すが、本発明の方法に対応する試験No.3は、試験No.1(超音波不使用の除染処理工程のみ)に比しては勿論、試験No.2(超音波併用除染処理工程のみ)に比しても、格段に除染率が高い(残留放射能が少ない)ことが確認できた。
ギ酸に浸漬処理後の放射性金属廃棄物の表面には、ギ酸との反応により細かな凹凸が無数作られるが、超音波洗浄することにより、母材と緩く結合している錆を剥離させることができるものと推定される。
即ち、本発明のギ酸等除染後に残留している放射性物質は鉄酸化物に由来するものが殆どであることを知見した。当該鉄酸化物は、他の金属酸化物に比してギ酸に対する溶解性が低く、放射性金属酸化物の表面凹凸に沈着し易い。したがって、超音波を併用して純水中で後洗浄することにより該鉄酸化物の金属表面からの剥離除去が可能となる。
なお、電解除染により生成する付着スラッジは、鉄水酸化物でありギ酸により溶解するため、ギ酸等の除染液で容易に除染可能である。
11…汚染金属(放射性金属廃棄物)
12…除染槽
13…除染液
14…浸漬用篭
15…脱塩水(純水)
16…超音波洗浄槽
12…除染槽
13…除染液
14…浸漬用篭
15…脱塩水(純水)
16…超音波洗浄槽
Claims (5)
- 放射能で表面が汚染された放射性金属廃棄物の化学的除染方法であって、
該放射性金属廃棄物を、金属塩が水溶性であり酸化分解可能な脂肪族カルボン酸を含む除染液に浸漬させて、前記放射性金属廃棄物の表面部を脂肪族カルボン酸金属塩として前記除染液中に溶出させることにより除染処理を行う放射性金属廃棄物の除染方法において、
前記除染処理後の放射性金属廃棄物を、脱塩水(純水)中で超音波洗浄して仕上げ洗浄を行って、前記放射性金属廃棄物の残留放射能を低減させることを特徴とする放射性金属廃棄物の除染方法。 - 前記脂肪族カルボン酸をギ酸とするとともに、該ギ酸の濃度を0.217〜2.17mol/Lとすることを特徴とする請求項1記載の放射性金属廃棄物の除染方法。
- 前記脱塩水として、導電率が1μS/cm(pH:5.8)以下であるものを使用することを特徴とする請求項1又は2記載の放射性金属廃棄物の除染方法。
- 前記超音波洗浄を、出力×出力密度×周波数:1200W×0.49W/cm2×40kHz又はそれに相当する出力仕様で0.5〜1.5h施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の放射性金属廃棄物の除染方法。
- 前記放射性金属廃棄物が、鉄系金属であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載の放射性金属廃棄物の除染方法。
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