JPH06246249A - 超音波洗浄方法およびその装置 - Google Patents

超音波洗浄方法およびその装置

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JPH06246249A
JPH06246249A JP5031017A JP3101793A JPH06246249A JP H06246249 A JPH06246249 A JP H06246249A JP 5031017 A JP5031017 A JP 5031017A JP 3101793 A JP3101793 A JP 3101793A JP H06246249 A JPH06246249 A JP H06246249A
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恵美子 岡村
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秀明 日置
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、中空を有する角形状の被洗
浄物に付着する固着性の強い放射性クラッド等の固形分
を高効率にしかも安全に洗浄することにある。 【構成】 本発明に係る超音波洗浄装置は、被洗浄物で
ある燃料集合体105 と、この被洗浄物105 の外側より超
音波を少なくとも2方向より照射する複数の超音波振動
子111 と、支持部材109 に沿って超音波振動子111 を上
下移動させかつ超音波振動子111 からの超音波を被洗浄
物105 に向けて反射させる超音波反射機構である鋼製容
器127 を有する超音波振動子移動機構110 と、被洗浄物
105 の外部に配置しこの被洗浄物105 の内部に洗浄液を
加圧した状態で供給する洗浄液供給機構である供給ポン
プ129 と、この洗浄液供給機構129 からの洗浄液をろ過
装置であるフィルタ120 まで排出する洗浄液排出機構で
ある排出ポンプ118 とから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽水炉原子力発電施設
の構成する各機器のうち特に中空を有する角形形状の機
器に付着した放射性のクラッドあるいはスケ―ル等の固
形分を超音波を照射することにより能率的に剥離させて
除去する超音波洗浄方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】軽水炉型原子力発電施設のうち例えば沸
騰水型原子炉(以下、BWRと言う)は、一般に以下の
ような構成をなしている。すなわち、原子炉圧力容器内
には炉心及び冷却水が収納されており、炉心は複数の燃
料集合体及び制御棒等から構成されている。上記冷却水
は炉心を上方に向かって流通し、その際炉心の核反応熱
により昇温する。昇温した冷却水は水と蒸気と二相流状
態となり、炉心の上方に設置された気水分離器内に導入
されて気水分離される。分離された蒸気はさらに上方に
設置された蒸気乾燥器内に導入されて乾燥され乾燥蒸気
となる。この乾燥蒸気は原子炉圧力容器に接続された主
蒸気配管を介してタ―ビン系に移送され発電に供され
る。タ―ビンで発電に使用された蒸気は復水器内に導入
されて凝縮・液化されて復水に戻される。一方、気水分
離器で分離された水はダウンカマ部を流下し、タ―ビン
系から戻された給水と混合され炉心下方に移送される。
以下同様のサイクルが繰り返される。
【0003】ところで、原子力発電施設で放射線被ばく
の主要な原因となっている放射性腐食生成物は、原子力
発電施設を構成する各種配管及び機器等の腐食により生
成された腐食生成物が前述のサイクルにより燃料集合体
まで運ばれ、燃料集合体に付着し放射化されたものであ
る。放射化された腐食生成物の一部は燃料集合体より脱
離し炉内の冷却水に懸濁したり、あるいは溶解する等し
て原子力系統内に拡散し、これが配管及び機器に付着し
雰囲気中の放射線量率を上昇させ、この雰囲気中に作業
員が立ち入ることで放射線被ばくを誘発する原因とな
る。したがって、燃料集合体や各機器に付着した放射性
のクラッドあるいはスケ―ル等を除去することは原子力
発電施設内の放射線被ばく量を大きく低減させる上で極
めて効果的な方法である。また、燃料の場合は使用済燃
料の使用済燃料貯蔵施設や核燃料再処理工場等への搬入
・搬出に際してその取扱上の放射線汚染源の拡散防止の
観点からも上記放射性クラッド除去は重要となる。放射
性の腐食生成物が付着する機器には燃料集合体や燃料を
保管する燃料ラックのように中空を有する角形形状のも
のと配管のように円筒状の機器に区分できる。ここでは
特に中空を有する角形形状の機器に付着した腐食生成物
を除去する洗浄技術を中心に説明する。
【0004】中空を有する角形形状の機器として燃料集
合体を例に、従来の燃料集合体の洗浄装置について説明
する。例えば特公昭58-17440号公報に開示されている水
噴射式のものがある。この装置について図10及び図11を
参照して説明する。図10は装置全体構成を示す図で、図
中符号1は洗浄塔で、この洗浄塔1は燃料集合体2及び
スプレ―ノズルヘッダ3を取り囲むように細長い筒状を
なしている。スプレ―ノズルヘッダ3は、図11に示すよ
うに燃料集合体2の形状にあわせて四角形の形状をなす
貫通孔4を備えており、この貫通孔4内に燃料集合体2
が挿通される。貫通孔4の内周部には複数個のスプレ―
ノズル5が取付られており、これら複数個のスプレ―ノ
ズル5を介してチャンネルボックスを取り外された状態
の燃料集合体2に圧力水を噴射する。スプレ―ノズルヘ
ッダ3は洗浄塔1に沿って昇降可能に取り付けられてい
る。以下その昇降をなす駆動部の構成を説明する。ま
ず、燃料プ―ル6の上方にある床7上に電動機8が設置
されており、この電動機8の回転軸には歯車機構9が連
結されている。この歯車機構9には自在継手10を介して
送りねじ棒11に連結されており、この送りねじ棒11にス
プレ―ノズルヘッダ3に取り付けられたナット12が螺合
している。なお、符号13はスプレ―ノズルヘッダ3を上
下に駆動させるためのガイド棒である。かくして、電動
機8を起動すると、その回転が歯車機構9によって減速
されるとともに伝達方向が転換され、さらに自在継手10
を介して送りねじ棒11に伝達される。この送りねじ棒11
の回転によりナット12を介してスプレ―ノズルヘッダ3
がガイド棒13に案内されながら上下に昇降する。
【0005】スプレ―ノズルヘッダ3には給水部が接続
され、この給水部から圧力水が供給される。すなわち、
床7上には給水ポンプ14が設置され、この給水ポンプ14
には吸入配管15を介して燃料プ―ル6内のプ―ル水6b
を吸入する。吸引されたプ―ル水6bは排出ホ―ス17を
介してスプレ―ノズルヘッダ3の各ノズル5に供給さ
れ、そこから燃料集合体2に向かって高圧水が噴射され
る。
【0006】燃料プ―ル6の低部6aには排液移送部18
が設置されている。図中符号19は遠心分離型分離部であ
り、遠心分離型分離部19と洗浄塔1の低部とは連結配管
20を介して接続されている。この連結配管20には水中ポ
ンプ21が介挿されている。遠心分離型分離部19の下方に
は出口ノズル22、遠隔着脱式継手23を介してクラッド受
槽24が接続されている。なお、図中、符号25は開口部、
26は燃料集合体2を下方から支持する支持部である。燃
料集合体2の下方から流出するクラッドを含むプ―ル水
16は遠心分離型遠心分離部19内に導入され、清浄なプ―
ル水と固形分(剥離クラッド)とに分離される。プ―ル
水16は開口部25を介して燃料プ―ル6内放出され、一
方、固形分についてはクラッド受槽24に収納される。上
記構成による燃料集合体の洗浄装置には以下のような課
題がある。
【0007】(1) 燃料集合体2からチャンネルボックス
を取外した状態、またはもともとチャンネルボックスの
ない燃料集合体を洗浄塔1内に装着し、洗浄塔1内で燃
料集合体の外側より圧力水を噴射するので、圧力水は燃
料集合体外部の燃料棒により阻害され内部まで到達せ
ず、燃料集合体の内側に位置している燃料棒の付着クラ
ッドを除去することができない。
【0008】(2) 燃料集合体2の洗浄に際し多量の高圧
水を必要とすることから給水ポンプ14や給水された水を
排水するための水中ポンプ21は非常に大型となり取扱が
容易でなく設置スペ―スの確保及び装置自体が汚染する
恐れがあり放射性廃棄物が大量に発生する等の懸念があ
る。
【0009】(3) 洗浄に際してチャンネルボックスを着
脱する必要があり、作業が煩雑で作業員の被ばくが増大
するとともに、チャンネルボックスを外した状態で燃料
を取り扱うことにより燃料棒を損傷する可能性が増大す
るため安全上問題である。
【0010】(5) 最近のプラントでは水質管理等により
燃料に対する固形分の付着量は低減傾向であるが固着性
が増しており、従来プラントのような洗浄効率が期待で
きない。
【0011】次に超音波を用いた他の実施例を説明す
る。超音波を採用した燃料洗浄としては、例えば特開昭
55-104799号公報、特開昭59-58399号公報、実開昭 60-
113600号公報、及び”Feasibility of Using Nonchemic
al Methods to DecontaminateFuel Rods ”:EPRI NP-4
122,June 1985.等がある。ここで、図12及び図13を参
照して、EPRI NP-4122について説明する。図中符号31が
洗浄塔でこの洗浄塔31内は燃料集合体32及び超音波振動
子33が設置されている。なお、燃料集合体32と超音波振
動子33は平衡に位置するよう設置されている。すなわ
ち、超音波は燃料集合体面に対して直角に照射される。
超音波振動子33にはケ―ブル37を介して超音波発振器34
が接続されている。超音波振動子33は昇降機構35により
ガイド36に沿って昇降できるようになっている。つま
り、超音波照射は超音波振動子33を昇降させながら燃料
集合体32に対して超音波が照射し、それによって燃料棒
に付着しているクラッドを除去するものである。洗浄塔
31下端部には排水配管38を介してフィルタ39に設置さ
れ、このフィルタ39には配管40を介してポンプ41が接続
されている。このポンプ41の吐出配管42は洗浄塔31の上
端部に接続されている。
【0012】上記構成によると、超音波振動子33を昇降
させながら角形形状の被洗浄物で燃料集合体32に付着し
ている放射性のクラッドを除去する。除去されたクラッ
ドは、プ―ル水とともに流下して、排水配管38を介して
フィルタ39に導入される。このフィルタ39でプ―ル水に
含まれるクラッドが除去され、浄化されたプ―ル水はポ
ンプ41、吐出配管42を介して再び洗浄塔31内に上方から
戻される。上記構成の超音波洗浄装置によると以下のよ
うな課題がある。
【0013】(1) 本装置も燃料集合体32からチャンネル
ボックスを取り外すか、あるいはチャンネルボックスの
ない燃料集合体を洗浄するものであり、前述した従来の
水噴射装置と同様に煩雑な作業を余儀なくされるととも
に、燃料棒を損傷させる恐れがある。 (2) 超音波振動子は燃料集合体と同じ洗浄塔内に設置さ
れており、超音波振動子が放射性物質等により汚染され
るため放射性廃棄物として発生する。 (3) 超音波照射の最適条件が考慮されておらず高効率の
洗浄が不可である。
【0014】また、中空を有する角形形状の機器である
燃料ラックの洗浄については、燃料が挿入される管内面
に燃料集合体と同様に水噴射ノズルを挿入して高圧の水
を噴射し付着する固形分を除去する方法等があるが、燃
料集合体の洗浄と同様に多量の高圧水を必要とすること
からポンプ等の機器が大型となり取扱が容易でなく設置
スペ―スの確保及び装置自体が汚染する恐れがあり放射
性廃棄物が大量に発生する等の懸念がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように水噴射
式の場合には、中空を有する角形形状の機器である燃料
集合体内側に位置する燃料棒の付着クラッドが除去され
ず、しかも洗浄前後にチャンネルボックスの着脱作業等
がともない洗浄に長時間を要するとともに、チャンネル
ボックス着脱時に燃料を損傷させるおそれがある。ま
た、装置の大型化が懸念される。また、超音波を用いた
洗浄装置の場合にもチャンネルボックスの着脱が必要と
されるとともに、中空を有する角形形状の洗浄物である
燃料集合体が置かれる洗浄塔内に設置されるため超音波
振動子が汚染され放射性廃棄物となるという課題があ
る。
【0016】本発明はこれらの問題を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、中空を有する
角形状の燃料集合体や使用済燃料ラックに付着する固着
性の強い放射性クラッド等の固形分に対して高効率かつ
均一に洗浄可能でしかも洗浄を行うプ―ル周辺の保管燃
料等に対して何等悪影響を及ぼすことのない超音波洗浄
方法及びその装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、中空を有する角形状の被洗浄物の内部に洗浄液を加
圧した状態で供給する工程と、この洗浄液を内蔵した被
洗浄物に超音波を少なくとも2方向より照射して洗浄す
る工程と、この洗浄した後の洗浄液を被洗浄物から排出
しろ過する工程とから成ることを特徴とする超音波洗浄
方法を提供する。
【0018】また、中空を有する角形状の被洗浄物と、
この被洗浄物の外側より超音波を少なくとも2方向より
照射する複数の超音波振動子と、被洗浄物の上部および
下部を支持する支持部材と、この支持部材に沿って前記
超音波振動子を上下移動させかつ超音波振動子からの超
音波を被洗浄物に向けて反射させる超音波反射機構を有
する超音波振動子移動機構と、被洗浄物の外部に配置し
この被洗浄物の内部に洗浄液を加圧した状態で供給する
洗浄液供給機構と、この洗浄液供給機構からの洗浄液を
被洗浄物を介してろ過装置まで排出する洗浄液排出機構
とから成ることを特徴とする超音波洗浄装置を提供す
る。さらには、前記の超音波洗浄装置であって超音波振
動子より外部に漏洩した超音波を遮断する超音波漏洩機
構を具備したことを特徴とするものを提供する。
【0019】
【作用】このように構成することにより、プ―ル内に設
置された支持機構に中空を有する角形状の被洗浄物を装
着し、この被洗浄物の外側に配置された超音波反射機構
内に照射角度が異なるように配置された超音波振動子を
上下に移動しながら超音波照射を行うことにより連続的
に被洗浄物内側に付着する固形分が剥離される。この除
去された固形分を含む洗浄排液は排出機構で吸引し洗浄
部より除去する。排出された洗浄排液中の固形分は固形
分を捕獲するための捕獲機構で除去する。固形分が除去
された浄化後の洗浄液は再びプ―ルに戻されるものであ
る。超音波振動子全体を覆う超音波反射機構は被洗浄物
から反射してくる超音波を再び洗浄物側へ反射できこれ
により超音波の利用効率の向上することから洗浄効率の
向上がはかれる。
【0020】
【実施例】本発明に係る超音波式洗浄方法とその装置の
実施例を図面を参照しながら説明する。
【0021】図1は本発明の第1の実施例を燃料集合体
に適用した場合の超音波式洗浄装置の構成例である。図
中符号101 は燃料プ―ルである。この燃料プ―ル101 の
中には燃料プ―ル水102 が収納されている。また燃料プ
―ル101 の上方にはオペレ―ションフロア103 がある。
上記燃料プ―ル101 内には燃料集合体支持機構104 が配
置されており、この燃料集合体105 はチャンネルボック
ス106 を装着した状態で支持されている。上記燃料集合
体支持機構104 は上部支持部107 、下部支持部108 を支
持する支柱109 から構成されている。支柱109 は基台10
9a上に立設されている。また、燃料集合体105 の上部に
はチャネルボックス106 内に溶存ガス濃度の低いプ―ル
水102 を供給するためのフレキシブルの接続配管123 が
装着され、接続配管123 の先には溶存ガス濃度の低い洗
浄液125 を供給させる供給口124が配置されている。ま
た、プ―ル水102 を供給させるための接続配管129 には
プ―ル水102 中に含まれる溶存ガス濃度として酸素濃度
を監視するための溶存酸素計126 、チャンネルボックス
116 を有する燃料集合体115 にプ―ル水102 を供給する
ための供給ポンプ129 が設置されている。上記支柱109
には超音波振動子移動機構110 が昇降可能な状態に取り
付けられている。この超音波振動子昇降機構110 に設置
された超音波振動子111 はケ―ブル112 を介して前記オ
ペレ―ションフロア103 上に設置された超音波発振器11
3 と接続される。
【0022】また、上記超音波振動子111 は超音波振動
子昇降機構110 に保持され、昇降機構114 により燃料集
合体105 照射面及び照射距離を保ちながら上下に所定の
速度で昇降可能である。上記昇降機構114 によって燃料
集合体105 各面に対し配置された超音波振動子111 は超
音波振動子移動機構110 を昇降させながらチャンネルボ
ックス106 を装着したままの燃料集合体105 に超音波を
照射してチャンネルボックス106 内面あるいはチャンネ
ルボックス106 内に収納されている複数の燃料棒115 に
付着する放射性のクラッドあるいはスケ―ル等の固形分
を均一に除去する。除去した放射性のクラッドあるいは
スケ―ル等の固形分はチャンネルボックス106 内をプ―
ル水102 とともに流下させ、前記下部支持部108 に接続
された排出ノズル116 、調整用バルブ130 及び排出配管
117 を介して排出ポンプ118 に吸引される。さらにクラ
ッドあるいはスケ―ルは吐出配管119 を介して捕獲フィ
ルタ120 に移送され、そこでプ―ル水102 中の固形分が
除去される。固形分が除去されて浄化された燃料プ―ル
水102 は配管121 を介して燃料プ―ル101 内に再び排出
される。上記フィルタ120 は場合によっては架台122 等
に支持し取扱性及び安全性が確保できるように考慮され
ている。
【0023】以上が本実施例による超音波洗浄方法及び
その装置の概略構成である。なお、本実施例において
は、溶存ガス濃度の低いプ―ル水102 を燃料集合体105
の上部より取り入れる例を示したが、本吸入口130 は燃
料集合体105 の下部であっても何等問題ないものであ
る。また、超音波照射面を移動させる方法として超音波
振動子111 を昇降させる方法の例について説明したが燃
料集合体105 を昇降せても何等問題がない。
【0024】以下詳細に説明して行く。まず超音波振動
子移動機構110 であるが図2及び図3に示す構成となっ
ている。図2は超音波振動子移動機構110 を上方より見
た構成例で、図3は同機構110 の縦断面図である。図2
中符号127 は超音波振動子移動機構110 に取り付けられ
ている超音波振動子111 を覆う超音波反射機構の鋼製容
器である。鋼製容器127 は超音波振動子111 から発せら
れた超音波のうちチャンネルボックス116 を透過しなか
ったものを再び鋼製容器127 で反射させ超音波を再びチ
ャンネルボックス106 内へ透過させるのに用いられる。
鋼製容器127 の内側に照射方向を45°異にする角度で超
音波振動子111 が一列に配置されており、チャンネルボ
ックス106 の4側面に対して超音波振動子111 から発せ
られる超音波はチャンネルボックス106 各側面に対して
垂直(90°)および45°方向から入射する方法を取る構
成例となっている。これらの超音波振動子111 は前記ケ
―ブル112 を介して超音波発振器113 に接続されてい
る。
【0025】また、鋼製容器127 の上部カバ―132 には
プ―ル水102 を容器内に取入れるための取入れ口133 と
下部カバ―134 には取り入れたプ―ル水102 を排出する
ための排出口135 が設けられており排出口135 は配管13
6 を介して上記排出ポンプ118 に接続されている。これ
により仮にチャンネルボックス106 の外表面に固形分が
付着しており超音波照射によりこれら固形分が剥離して
もプ―ル101 周辺に剥離した固形分を漏洩させることな
く確実に捕獲フィルタ120 にて捕獲可能とし超音波振動
子111 の汚染を低減できる構成となっている。さらに、
鋼製容器127 の外周には鋼製容器127 を透過してプ―ル
101 へ超音波が漏洩拡散するのを防止するための超音波
漏洩防止機構131 が配置される。超音波漏洩防止機構13
1 は鋼製容器127 全体を覆う構成となっている。鋼製容
器127 の肉厚は薄いと超音波がそのまま透過して行く可
能性があるため、ステンレス鋼の 0.5cm以上の肉厚のあ
るものを使用した。また昇降機構114 には超音波振動子
移動機構110 を上下に昇降させるための昇降用ワイヤ12
8 が付属されており、超音波振動子昇降機構110 を所定
の速度で上下に昇降しながらの超音波照射を可能として
いる。
【0026】なお、本実施例では超音波振動子111 を一
列で配置する方法について説明したが、図4及び図5に
示すように超音波振動子111 を各4基2列で各列を45°
ずらして配置する場合でもその効果は同様である。ま
た、本実施例では燃料集合体105 の4側面を90°と45°
の照射で一度に洗浄できる方法について説明したが、被
洗浄物の隣合う2側面(直角2面)に対し超音波を90°
と45°で照射するようにし、残る2側面は燃料集合体ま
たは超音波振動子側を 180°回転させて同様に洗浄する
ことも可能である。この場合は超音波振動子を4基に削
減可能である。
【0027】ここで上記燃料集合体105 と超音波振動子
111 の対向角度を45°変化させて超音波を照射するよう
にした背景について説明する。図6は燃料集合体105 に
対して超音波振動子111 面を平行に置きチャンネルボッ
クス106 側面に対し超音波振動子111 から発せられる超
音波がチャンネルボックス106 に直角(90°)に入射す
る方法で燃料洗浄を行った場合の燃料集合体の燃料棒位
置と洗浄効率を相対的に比較(中央部の燃料棒(A)の
洗浄効率を1とした相対比較)した図である。この結果
より、燃料集合体105 面に対し超音波を直角方向より入
射させた場合は中央部の燃料棒の洗浄効率に比べ端のコ
―ナ―の燃料棒の洗浄効率は低下することがわかる。特
にコ―ナ―の燃料棒((D)の位置)の洗浄効率の低下
は著しい。これは、燃料集合体105 のチャンネルボック
ス106 は完全な中空を有する角形形状ではなくコ―ナ―
部が丸くなっておりこの部分では超音波の入射角度が90
°からズレるため超音波の透過率が低下(超音波反射が
増大)することや超音波振動子111 の端部は中央部に比
べ超音波強度が低下する等の理由により生じたものと考
えられる。
【0028】試験条件は超音波振動子の周波数は26kHz
、出力は600W/基を2基(直角2面照射)、照射距離
(チャンネルボックス外表面から超音波振動子照射面ま
での距離)は100mm 、模擬水深は6m、洗浄時間は3分
間である。超音波振動子の配置と模擬燃料棒の位置関係
は図中に示す通りである。次に燃料集合体105 の側面に
対し超音波振動子111 の照射面が45°となる条件で超音
波洗浄を行った結果について述べる。超音波を45°方向
より入射した場合のコ―ナ―部の燃料棒の洗浄効率を前
記直角方向から照射して得られた洗浄効率と相対比較
(90°方向で超音波を入射させて洗浄したコ―ナ―部燃
料棒●印の洗浄効率を1とした相対比較)した結果を図
7に示す。
【0029】なお、試験条件は上記条件と同様であり使
用した超音波振動子は周波数26kHz、出力は600W/基を
2基(直角2面照射)、照射距離(チャンネルボックス
のコ―ナ―外表面から超音波振動子照射面までの距離)
は約70mm(直角照射の照射距離100mm で45°に回転させ
た距離)、模擬水深は6m、洗浄時間は3分間である。
本結果より明らかなように燃料集合体111 のコ―ナ―部
の燃料棒に付着するクラッドを高効率で洗浄するために
はチャンネルボックスに対し超音波を直角方向から入射
させるより45°の角度から入射させ洗浄する方がすぐれ
ていると言える。これは超音波照射が45°の場合、燃料
集合体105 のコ―ナ―部が超音波強度の高い超音波振動
子111 の中央部に位置する、平行の位置関係に比べコ―
ナ―部と超音波振動子111 の距離が近づくことにより超
音波がよりチャンネルボックスを透過しその結果クラッ
ドの洗浄効率が増加したものと考えられる。したがっ
て、角筒体の被洗浄物であるチャンネルボックス106 を
装着したままの燃料集合体105 全体を高効率でしかも均
一に洗浄する手段としては、燃料集合体111 の中央部に
位置する燃料棒の洗浄に対しては燃料集合体105 側面と
超音波振動子111 照射面を平行に配置して超音波を直角
90°方向より入射させる方法と燃料集合体111側面と超
音波振動子105 照射面を45°に配置して超音波を45°よ
り入射させる方法を組み合わせることが効果的であると
言える。
【0030】次に上記超音波振動子移動機構110 に取り
付けられた超音波振動子111 部の超音波反射機構として
超音波振動子111 全体を覆う鋼製容器127 のカバ―を設
置した背景について説明する。ジルカロイ製のチャンネ
ルボックス106 を装着したままの燃料集合体105 の外側
よりチャンネルボックス106 に対し垂直(90°方向)か
ら超音波を入射した場合、チャンネルボックス106 を透
過する超音波の割合(D)は以下の式で求まる。
【0031】
【数1】 D=1/{4cos2 (2πL/λ1 )+(z0 /z1 +z1 /z0 2 ・ sin2 (2πL/λ1 )}
【0032】ここに、Lはチャンネルボックスの厚み、
λ1 はチャンネルボックス中の超音波の波長、zは固有
音響インピ―ダンスで添字の0は洗浄液(水)、1はチ
ャンネルボックスを表す。26kHz の周波数の超音波を使
用した場合、チャンネルボックス106 を透過する超音波
の割合はおおよそ5割程度で、残る超音波はチャンネル
ボックス106 を透過できずプ―ル周辺へ反射する。そし
て反射した超音波はプ―ル周辺に拡散して減衰して行
く。このため、超音波振動子111 周囲(含上下)に超音
波反射機構である鋼製容器127 で覆うことによりチャン
ネルボックス106から反射した超音波を鋼製容器127 で
再びチャンネルボックス106 方向に反射させてやり超音
波を再度チャンネルボックス106 へ入射させるような手
段を講じることで従来無駄にしていた超音波をより有効
に利用することが可能となる。このように超音波反射部
分を超音波反射機構127 で覆うことにより超音波反射機
構127 の中すなわち超音波振動子とチャンネルボックス
106 間で超音波の乱反射を繰返させることができ超音波
を従来以上に有効利用できるため洗浄効率を向上させる
ことが可能となるものと考える。
【0033】図8に超音波を超音波反射機構127 の効果
を確認するために超音波反射用の鋼製容器(この場合は
ステンレス鋼製の角形のカバ―で厚さ 0.5cmのものを使
用)127 の有無による洗浄効率の違いを確認した結果
(鋼製容器を設置しない場合の洗浄効率を1として相対
比較)を示す。なお、試験条件としてはこれまでと同様
で超音波振動子の周波数26kHz 、出力は600W/基を2基
(直角2面照射)、照射距離(チャンネルボックス外表
面から超音波振動子照射面までの距離)は100mm、模擬
水深は6m、洗浄時間は3分間である。本結果より、超
音波振動子111 を超音波反射機構である鋼製カバ―127
で覆うことにより燃料棒の洗浄効率を向上させることが
できることを確認した。この結果、超音波反射機構127
を講じることで燃料集合体105 のチャンネルボックス10
6 より一部反射した超音波を超音波反射機構である鋼製
容器127 内で再び燃料集合体105 側へ反射させることが
できチャンネルボックス106 を透過する超音波量が増大
することから燃料集合体105内の複数の燃料棒をより高
効率で洗浄するうえで効果的な手段であると言える。な
お、鋼製容器127 として角形の鋼製容器を使用したが本
形状はとくに円柱形状等であっても何等問題ない。
【0034】次に超音波反射体である鋼製容器127 の厚
さとしては、ステンレス鋼を使用する場合、上式よりチ
ャンネルボックスより跳ね返った超音波に対し、厚みが
0.1cmの場合で約20%、 0.5cmの場合で約80%、1cmの
場合で約95%を反射することができる。したがって、鋼
製容器127 の厚みとしては 0.5cm以上あれば超音波を約
8割以上反射させることができ十分超音波を有効に利用
できると言える。
【0035】次に超音波の反射を目的とした鋼製容器12
7 のさらに外側に超音波漏洩防止機構131 を設置し鋼製
容器全体を覆った背景について説明する。前述したよう
に超音波を反射させる鋼製容器127 はチャンネルボック
ス106 より反射した超音波を再びチャンネルボックス10
6 側に反射させ超音波を有効に活用するものである。し
かし、上述した如く鋼製容器127 にて完全に超音波を反
射できないため鋼製容器127 にあたった超音波の一部は
鋼製容器127 を透過してプ―ル101 周辺に拡散する。プ
―ル101 内には多くの使用済燃料等が保管されており、
これらの使用済燃料に超音波があたると燃料に付着する
固形分が剥離しプ―ル水102 を汚染させる懸念がある。
このため、鋼製容器127 を透過した超音波がプ―ル101
内の周囲保管燃料に対し悪影響を及ばさないようにする
ことが極めて重要となってくる。
【0036】この超音波の漏洩防止として、超音波の波
長(26kHz の場合、水中での波長は50〜60mm)に比べ小
さいピッチ(平き目)を有する格子形状物(例えば、ス
テンレス製の金網)により超音波の透過を防止する方法
が考えられる。試験の結果、周波数26kHz の超音波に対
する効果的な漏洩防止対策を講ずることのできる金網の
ピッチとしては1〜3mmかつ線径 0.25 〜 0.5mmの範囲
であることを確認した。本超音波漏洩防止機能である金
網131 を鋼製容器127 外周全域に配置することによりプ
―ル101 周辺に漏洩拡散する超音波の強度(音圧レベ
ル)を1/25〜1/75まで低減可能であり、プ―ル101
周辺に保管される使用済燃料等に対する超音波漏洩拡散
の問題を解決でき安全性、信頼性の向上がはかれる。
【0037】次に燃料集合体105 のチャンネルボックス
106 内に流入させるプ―ル水102 の静圧を上げる機構を
具備した背景について説明する。超音波を用いた洗浄技
術は液中で超音波を発生することにより生じるキャビテ
―ション(液中に発生する小さな空洞の圧壊現象)等を
利用している。キャビテ―ションは図9に示す如く表さ
れる。超音波は疎密波であり振幅を静圧以上にすると負
の圧力を生じる。しかし、負圧というのは実在しないた
め液体が引き裂かれる力が働き真空(液中で溶液が蒸発
した空洞)が発生しそれが次の圧縮により破壊される。
これをキャビテ―ションと呼ぶ。
【0038】また、破壊にともない近傍の液体に局所的
な流体の流れ(マイクロジェット)が発生し、このキャ
ビテ―ションやマイクロジェットが燃料棒表層近傍で生
じることにより燃料に付着する固形分を剥離する。この
キャビテ―ションおよびマイクロジェットは洗浄部(キ
ャビテ―ションが発生する箇所)の液の静圧を上げる、
すなわち外圧を上げてやることにより空洞が圧壊する時
の圧壊速度は上昇し、これにともなうマイクロジェット
流も高速となる。この結果、これらを燃料棒表層近傍で
発生させると燃料棒に付着する固形分に対してより大き
な剥離力を得ることができる。したがって、チャンネル
ボックス106 内の燃料集合体105 内の洗浄部の静圧を上
昇させることで強力なキャビテ―ションを発生させるこ
とが可能となり従来以上に強固に付着する固形分を除去
することができ洗浄効率の高い洗浄装置を提供可能とな
る。
【0039】なお、チャンネルボックス106 内の燃料集
合体105 の洗浄部の静圧の上昇は、燃料集合体105 の上
部に接続されたプ―ル水102 を供給するための接続配管
123の一部に設置した供給ポンプ129 と燃料集合体105
下端出口部に設置された調整用バルブ130 の開度調整に
より行う。燃料集合体105 を供給ポンプ129 の吐出側と
し、燃料集合体105 下端部に設置された調整用バルブ13
0 により流入流量を調整することにより燃料集合体105
内の圧力は供給ポンプ129 により加圧されることにな
る。圧力計(図示なし)を本ラインに設置することで設
定圧力を確認可能である。本手段により容易にチャンネ
ルボックス106 内の静圧を上昇させることが可能であ
る。
【0040】次に燃料集合体105 のチャンネボックス10
6 内に流入させる溶存ガス濃度の低いプ―ル水102 を取
り入れるようにした背景について説明する。超音波の洗
浄原理についてはすでに述べた通りである。すなわち、
超音波はキャビテ―ション等を利用している。したがっ
て、洗浄液中に溶解ガスが多く含まれると減圧となった
瞬時に洗浄液中に溶解するガスの気泡が発生しない強力
なキャビテ―ション(真空状態)の発生を阻害すること
になり洗浄効率の低下につながる。このため、キャビテ
―ション力を大きくするためには超音波振動子111 に十
分強力(1W/cm2 以上)な出力密度を有するものを使用
することと溶解ガス量が低いプ―ル水を洗浄液とするこ
とが強力なキャビテ―ションを発生せるうえで重要であ
り、これにより燃料棒表面に付着するクラッドをより除
去することができる。
【0041】原子力発電施設の燃料プ―ルのプ―ル水に
含まれる溶存ガス量(代表として酸素濃度)を調査した
結果、プ―ル表層のプ―ル水に含まれる溶存酸素濃度に
比べプ―ル低部のプ―ル水102 に含まれる溶存酸素濃度
は約1/2であった。よって、この場合にはプ―ル低部
125 のプ―ル水102 をチャンネルボックス106 内に供給
することにより各燃料棒近傍で強力なキャビテ―ション
を発生させることが可能となりその結果燃料集合体105
をより高効率で浄化するための手段として効果的である
と言える。さらに、この供給ラインの一部に溶存酸素計
を設置することにより常時供給水中に含まれる溶存酸素
濃度を監視でき確実な洗浄状況を把握することが可能と
なる。
【0042】以上、中空を有する角形形状の機器として
チャンネルボックスを装着したままの燃料集合体の洗浄
を例に説明したが、同様の構成でチャンネルボックスを
装着したままの燃料集合体(チャンネルボックス□約14
0mm 、板厚約 2.5mm、長さ約4m)のかわりに工事等で
発生する燃料ラック単管(□約170mm 、板厚6mm、長さ
約4m)を洗浄対象としても燃料ラック単管内面に付着
する固形分を同様に均一にかつ高効率で除去することが
可能である。以上本実施例によると以下のような効果を
奏することができる。
【0043】1. まず本実施例によれば中空を有する角
形形状の機器であるチャンネルボックス106 を装着した
ままの燃料集合体または燃料ラックの外側より超音波を
照射することにより、チャンネルボックス106 内の複数
の燃料棒115 または燃料ラック内面に付着する固着性の
強いクラッド等の固形分を従来以上に高効率で洗浄する
ことができる。
【0044】2. また、燃料集合体の洗浄に際してはチ
ャンネルボックス106 の着脱作業が不要であるので、洗
浄作業が大幅に容易になるとともに、従事する作業者を
低減できるため、作業にともなう被曝線量を低減でき
る。
【0045】3. また、チャンネルボックス106 を外し
た状態で燃料集合体105 を取り扱うことがないので、燃
料棒115 を破損させる危険性を大幅に低減することがで
きる。
【0046】4. そして本実施例の場合には、従来必要
としていた洗浄塔が不要となり、すなわち本発明ではチ
ャンネルボックス106 または燃料ラック自身が従来の洗
浄塔の機能をなすものである。よって装置全体が簡略化
されるとともにコンパクトになりスペ―スの確保及び費
用の観点から極めて効果的である。
【0047】5. 洗浄塔の削除に加え、本発明はチャン
ネルボックスを装着したままの洗浄であることから超音
波振動子は放射性の固形分と直接接触しないため、放射
性廃棄物量を大幅に低減できる。
【0048】6. また、本実施例の場合には、超音波振
動子111 の照射条件(超音波照射角度、超音波反射機
構、洗浄部静圧上昇、洗浄液中の溶存ガス濃度)を最適
な条件に設定しているので中空を有する角形形状の機器
に対し最も効果的に放射性クラッド等の固形分の除去が
可能である。
【0049】7. さらに、洗浄時にプ―ル周辺に漏洩拡
散する超音波を大幅に低減できるため周辺に置かれた燃
料にたいして何等悪影響を及ぼすことがなく、安全性と
信頼性の向上がはかれる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る超音
波洗浄方法およびその装置によれば、中空を有する角形
状の被洗浄物に付着する固着性の強い放射性クラッド等
の固形分を高効率にしかも安全に洗浄することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である超音波洗浄装置の全体
を示す構成図。
【図2】図1に適用される超音波振動子移動機構の平面
図。
【図3】図2に示した超音波振動子移動機構の縦断面
図。
【図4】本発明の他の実施例である超音波振動子移動機
構の平面図。
【図5】図4に示した超音波振動子移動機構の縦断面
図。
【図6】直角(90°)方向から超音波照射した場合の中
央部とコ―ナ―部燃料棒のクラッド洗浄効率の比較を示
す特性図。
【図7】直角(90°)方向と45°方向より超音波照射し
た場合のコ―ナ―部燃料棒のクラッド洗浄効率の比較を
示す特性図。
【図8】鋼製容器の有無による燃料棒のクラッド洗浄効
率の比較を示す特性図。
【図9】超音波のキャビテ―ションの原理を示す特性
図。
【図10】従来の水噴射洗浄装置の全体の構成を示す構
成図。
【図11】図10に適用したスプレ―ノズルヘッダを拡大
して示す平面図。
【図12】従来の超音波洗浄装置の全体を示す構成図。
【図13】図12に適用した超音波振動子および昇降機構
を示す側面図。
【符号の説明】
104…燃料集合体支持機構、 105…燃料集合体、 106…
チャンネルボックス、107…上部支持部、 108…下部支
持部、 110…超音波振動子移動機構、 111…超音波振動
子、 115…燃料棒、 117…排出配管、 118…排出ポン
プ、 119…吐出配管、 120…フィルタ、 123…接続配
管、 127…鋼製容器、 129…供給ポンプ、 130…調整用
バルブ、 131…漏洩防止具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 裕明 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空を有する角形状の被洗浄物の内部に
    洗浄液を加圧した状態で供給する工程と、この洗浄液を
    内蔵した被洗浄物に超音波を少なくとも2方向より照射
    して洗浄する工程と、この洗浄した後の洗浄液を被洗浄
    物から排出しろ過する工程とから成ることを特徴とする
    超音波洗浄方法。
  2. 【請求項2】 中空を有する角形状の被洗浄物の外側よ
    り超音波を少なくとも2方向より照射する複数の超音波
    振動子と、前記被洗浄物の上部および下部を支持する支
    持部材と、この支持部材に沿って前記超音波振動子を上
    下移動させかつ超音波振動子からの超音波を被洗浄物に
    向けて反射させる超音波反射機構を有する超音波振動子
    移動機構と、前記被洗浄物の外部に配置しこの被洗浄物
    の内部に洗浄液を加圧した状態で供給する洗浄液供給機
    構と、この洗浄液供給機構からの洗浄液を被洗浄物を介
    してろ過装置まで排出する洗浄液排出機構とから成るこ
    とを特徴とする超音波洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記超音波振動子より外部に漏洩した超
    音波を遮断する超音波漏洩機構を具備したことを特徴と
    する請求項2記載の超音波洗浄装置。
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