JPH04324400A - 燃料集合体の洗浄方法及びその装置 - Google Patents

燃料集合体の洗浄方法及びその装置

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JPH04324400A
JPH04324400A JP9424291A JP9424291A JPH04324400A JP H04324400 A JPH04324400 A JP H04324400A JP 9424291 A JP9424291 A JP 9424291A JP 9424291 A JP9424291 A JP 9424291A JP H04324400 A JPH04324400 A JP H04324400A
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JP
Japan
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fuel
ultrasonic
cleaning
channel box
fuel assembly
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JP9424291A
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English (en)
Inventor
Shiro Furumura
古村 史朗
Hideaki Hioki
秀明 日置
Hiroaki Kato
裕明 加藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、軽水炉型原子力発電設
備の炉心を構成する燃料集合体の燃料棒に付着したクラ
ッドあるいはスケール等を超音波を照射することにより
剥離させて除去する燃料集合体の洗浄方法及びその装置
に関する。
【0003】
【従来の技術】軽水炉型原子力発電設備のうち例えば沸
騰水型原子炉(以下、BWRと言う)は、一般に以下の
ような構成をなしている。すなわち、原子炉圧力容器内
には炉心及び冷却水が収納されており、炉心は複数の燃
料集合体及び制御棒等から構成されている。冷却水は炉
心を上方に向かって流通し、その際炉心の核反応熱によ
り昇温する。昇温した冷却水は水と蒸気との二相流状態
となり、炉心の上方に設置された気水分離器内に導入さ
れて気水分離される。分離された蒸気はさらに上方に設
置された蒸気乾燥器内に導入されて乾燥され乾燥蒸気と
なる。この乾燥蒸気は原子炉圧力容器に接続された主蒸
気配管を介してタービン系に移送されて発電に供される
。タービンで仕事をなした蒸気は復水器内に導入されて
凝縮・液化されて復水となる。この復水は復水浄化系を
介して浄化された後、給水系を介して原子炉圧力容器内
に戻される。一方、気水分離器で分離された水はダウン
カマ部を流下し、タービン系から戻された給水と混合し
て炉心下方に移送される。以下同様のサイクルを繰返す
【0004】ところで、原子力発電所で放射線被曝の主
要な原因となっている放射性腐蝕生成物は、各種配管及
び機器等の腐蝕により発生した腐蝕生成物が燃料集合体
に付着して放射化されたものである。そして、その付着
したものの一部が剥離して炉水内に懸濁したり、あるい
は溶解する等して原子炉系統内に拡散し、これが放射線
被曝の原因となっている。したがって、燃料集合体に付
着したクラッドあるいはスケール等を除去することは原
子力発電所内の放射線被曝線量を低減させる上で極めて
効果的なことである。また、使用済燃料の核燃料処理工
場への搬入・搬出に際してその取扱上の放射能汚染拡散
防止の点からも上記クラッド除去は重要なことである。
【0005】そこで、従来の燃料集合体の洗浄装置につ
いて説明する。例えば特公昭58− 17440号公報
に開示されている水噴射式のものがある。この洗浄装置
について図7及び図8を参照して説明する。図7は装置
の全体構成を示す図で、図中符号1は洗浄塔で、この洗
浄塔1は燃料集合体2及びスプレイノズルヘッダ3を取
囲むように細長い筒状をなしている。スプレイノズルヘ
ッダ3は、図8に示すように燃料集合体2の形状に合せ
て略四角形状をなす貫通孔4を備えており、この貫通孔
4内に燃料集合体2が挿通される。貫通孔4の内周部に
は複数個のスプレイノズル5が取付けられており、これ
ら複数個のスプレイノズル5を介してチャンネルボック
スを具備しない燃料集合体2に圧力水を噴射する。スプ
レイノズルヘッダ3は洗浄筒1に沿って昇降可能に取付
けられている。以下その昇降をなす駆動部の構成を説明
する。 まず、燃料プール6の上方にある床7上には電動機8が
設置されており、この電動機8の回転軸には歯車機構9
が連結されている。この歯車機構9には自在継手10を
介して送りねじ棒11に連結されており、この送りねじ
棒11にスプレイノズルヘッダ3に取付けられたナット
12が螺合している。なお、符号13はガイド棒である
。しかして、電動機18を起動すると、その回転が歯車
機構9によって減速されるとともに伝達方向が変更され
、さらに自在継手10を介して送りねじ棒11に伝達さ
れる。この送りねじ棒11の回転によりナット12を介
してスプレイノズルヘッダ3がガイド棒13にガイドさ
れて昇降する。
【0006】スプレイノズルヘッダ3には給水部が接続
され、この給水部から圧力水が供給される。すなわち、
床7上には給水ポンプ13が設置され、この給水ポンプ
13は吸込配管14を介して燃料プール6内のプール水
15を吸引する。吸引されたプール水15は吐出ホース
16を介してスプレイノズルヘッダ3の各ノズル5に供
給され、そこから燃料集合体2に向って噴射される。
【0007】燃料プール6の底部6aには排液移送部1
7が設置されている。図中符号18は遠心分離型分離部
であり、遠心分離型分離部18と洗浄塔1の底部とは配
管19を介して連結されている。この配管19には水中
ポンプ20が介挿されている。遠心分離型分離部18の
下方には出口ノズル21、遠隔着脱式継手22を介して
クラッド受槽23が接続されている。なお、図中、符号
24は開口部、25は燃料集合体2を下方から支持する
支持部である。燃料集合体2の下方から流出するクラッ
ドを含有するプール水15は遠心分離型遠心分離部18
内に導入され、清浄なプール水と固形分(剥離クラッド
)とに分離される。プール水は開口部24を介して燃料
プール6内に放出され、一方、固形分についてはクラッ
ド受槽23内に収容される。
【0008】上記構成によると以下のような問題点があ
る。 (1) 燃料集合体2からチャンネルボックスを取外し
た状態、又はもともとチャンネルボックスのない燃料集
合体を洗浄塔1内に装着し、洗浄塔1内で圧力水を噴射
して洗浄するので、燃料集合体の内側に位置している燃
料棒のクラッドを除去するのが困難である。 (2) 洗浄に際してチャンネルボックスを着脱する必
要があり、作業が煩雑で被曝が増大するとともに、チャ
ンネルボックスを外した状態で取扱うことにより燃料棒
を損傷する恐れもある。 (3) 燃料集合体2及びスプレイノズルヘッダ3等を
収容する洗浄塔1を必要とし、かつこの洗浄塔1は比較
的大型のものであるので、スペースの確保及び装置自体
の汚染がある。
【0009】次に超音波を使用した他の従来例を説明す
る。超音波を採用したものとしては、例ば特開昭55−
104799号公報、特開昭59− 58399号公報
、実開昭60−113600号公報、及び”Feasi
bility  of  Using  Nonche
mical  Methods  to  Decon
taminate  Fuel Rods ”:EPR
I  NP−4122,July 1985等がある。 ここで、図9及び図10を参照して”EPRI  NP
−4122”について説明する。図中符号31が洗浄塔
でこの洗浄塔31内には燃料集合体32及び超音波振動
子33が設置されている。超音波振動子33にはケーブ
ル37を介して超音波発振器34が接続されている。超
音波振動子33は昇降機構35により一対のガイド36
に沿って昇降する。つまり超音波振動子33を昇降させ
ながら燃料集合体32に対して超音波を発信し、それに
よって付着しているクラッドを除去するものである。洗
浄塔31の下端部には排水配管38を介してフィルタ3
9が設置され、このフィルタ39には配管40を介して
ポンプ41が接続されている。このポンプ41の吐出配
管42は洗浄塔31の上端部に接続されている。
【0010】上記構成によると、超音波振動子33を昇
降させながら燃料集合体32に超音波を照射し、それに
よって付着しているクラッドを除去する。除去されたク
ラッドはプール水と共に流下して、排水配管38を介し
てフィルタ39内に導入される。このフィルタ39でプ
ール水中のクラッドが除去され、浄化されたプール水は
ポンプ41、吐出配管42を介して洗浄塔31内に上方
から戻される。
【0011】上記構成の超音波洗浄装置によると以下の
ような問題点がある。すなわちこの場合にも燃料集合体
32からチャンネルボックスを外すか、あるいはチャン
ネルボックスのない燃料集合体を洗浄するものであり、
冒頭に述べた従来例の場合と同様に煩雑な作業を余儀な
くされるとともに、燃料棒を損傷する恐れもある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述したように水噴射
式の場合には、内側に位置する燃料棒のクラッドが効果
的に除去されず、しかも洗浄に長時間を要する課題があ
る。また、除染装置の大型化が懸念される。さらにチャ
ンネルボックスの着脱が必要とされる燃料集合体の場合
、それによる燃料棒の損傷が懸念されるという課題があ
る。また、超音波式の場合にもチャンネルボックスの着
脱が必要とされるという課題がある。
【0013】本発明はこれらの課題を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、チャンネルボ
ックスの着脱を必要とすることなく効果的な洗浄を施す
ことが可能な超音波洗浄方法及び装置を提供することに
ある。またチャンネルボックスがもともとない燃料集合
体に関してはより効率の良い超音波洗浄方法及びその装
置を提供することにある。 [発明の構成]
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明はプール水を
洗浄液とし、このプール水中でチャンネルボックスを装
着した状態の軽水炉用燃料集合体の外側から超音波を前
記チャンネルボックスを透過させて前記チャンネルボッ
クス内の複数の燃料棒に到達させることにより前記燃料
棒に付着した固形分を除去し、この除去した固形分を含
む前記チャンネルボックス内の洗浄廃液を排出すること
を特徴とする。
【0015】第2の発明はプール水中に設置された支持
機構にチャンネルボックスを装着した状態の軽水炉用燃
料集合体が取着され、前記チャンネルボックスの一側面
と、この一側面に直交するいずれかの他側面のいずれか
の側面から超音波を各側面に対し直角方向から照射する
超音波振動子が上下動自在に設置された超音波振動子移
動機構を備え、前記チャンネルボックスは上端部に洗浄
液供給口が接続されかつ下端部に洗浄廃液排出用排出ポ
ンプおよび固形分除去用フィルタが接続されていること
を特徴とする。
【0016】なお第1および第2の発明において、超音
波の周波数は20から40kHz以内で、超音波の強度
は単位面積当たり1W以上の超音波振動子であり、チャ
ンネルボックス内を流入する洗浄液中に含まれる溶存ガ
スの濃度を飽和濃度の10%以上に制御することを特徴
とする。
【0017】
【作用】第1の発明においては、プール水を洗浄液とし
、このプール水中でチャンネルボックスを装着した状態
の軽水炉用燃料集合体に外側から超音波を照射する。 この超音波をチャンネルボックスを透過させてチャンネ
ルボックス内の複数の燃料棒に照射することにより燃料
棒に付着した固形分が除去される。この除去された固形
分を含むチャンネルボックス内の洗浄廃液を排出ポンプ
で吸引しチャンネルボックス内から排出する。排出され
た洗浄廃液中の固形分をフィルタで除去する。固形分が
除去された洗浄廃液は浄化され、再びプール水として使
用される。
【0018】第2の発明においては、燃料集合体の一側
面と及びこの一側面に直交するいずれかの一側面側から
超音波を各側面から直角に照射する手段を講じる。そし
て、残る2側面についても前記照射位置と重ならない位
置において同様な手段によりチャンネルボックスの外側
から超音波を照射する。これらの手段により洗浄効率を
向上させる。また、燃料集合体のチャンネルボックスの
各側面と平行に配置された超音波振動子の照射面は燃料
集合体各側面に対し上下左右に移動することにより燃料
棒に対する洗浄むらを防止できる。さらに、超音波の周
波数を20から40kHzの範囲で、超音波の強度を単
位面積当り1W以上の超音波振動子を選定することによ
り超音波洗浄の最適化をはかるとともに、チャンネルボ
ックス内を流入する洗浄液中に含まれる溶存ガスの濃度
を飽和濃度の10%以上に制御することにより全体の洗
浄効率の向上をはかる。
【0019】
【実施例】本発明に係る燃料集合体の洗浄方法とその装
置についてを図面を参照しながら説明する。図1は本発
明に係る燃料集合体の洗浄方法とその装置の実施例を説
明するための構成図である。図中符号 101は燃料プ
ールで、この燃料プール 101内には燃料プール水 
102が収納されている。燃料プール 101の上方に
はオペレーションフロア 103が設置されている。燃
料プール 101内には燃料集合体支持機構 104が
配置されており、この燃料集合体 105はチャンネル
ボックス 106を装着した状態で支持されている。燃
料集合体支持機構 104は上部支持部 107、下部
支持部 108を支持する支柱 109から構成されて
いる。支柱 109は基台109a上に立設されている
。燃料集合体 105の上部にはチャンネルボックス 
106内に洗浄液として溶存ガス濃度の高いプール水 
102を供給させるための接続配管 129が装着され
、接続配管の先には溶存ガス濃度の高いプール水 10
2表層の洗浄液を供給させる供給口 130が配置され
ている。なお、本実施例には示していないが、プール水
 102表層の溶存ガス濃度が低い場合には、供給口 
130部に強制的に空気等をプール水に溶け込ませ洗浄
液中の溶存ガスの濃度を高めるための手段等が講じられ
る。
【0020】支柱 109には超音波振動子移動機構1
10a、110bが昇降可能に取り付けられている。こ
の超音波振動子昇降機構110a、110bに設置され
た超音波振動子111a、111bはケーブル 112
を介してオペレーションフロア 103上に設置された
超音波発振器113と接続される。超音波振動子111
a、111bは超音波振動子昇降機構110a、110
bに保持され、昇降機構 114により燃料集合体 1
05と1/2波長の照射距離を保ちながら上下に一定の
速度で昇降可能である。昇降機構 114によって超音
波振動子111a、111bが配置された超音波振動子
移動機構を昇降させながら燃料集合体 105に超音波
を照射してチャンネルボックス 106内に収納されて
いる複数の燃料棒 115に付着するクラッドあるいは
スケールを除去する。除去したクラッドあるいはスケー
ルはチャンネルボックス 106内を洗浄廃液としてプ
ール水 102とともに流下させ、下部支持部 108
に接続された排出ノズル 116及び排出配管 117
を介して排出ポンプ 118に吸引される。吸引された
クラッドあるいスケールを含んだ洗浄廃液は吐出配管 
119を通ってフィルタ 120に移送され、このフィ
ルタ 120で洗浄廃液中の固形分が除去される。固形
分が除去され浄化された洗浄廃液は再びプール水 10
2となり、このプール水 102は配管 121を通っ
て燃料プール 101内に排出される。フィルタ 12
0は場合によっては架台 122等に支持し取扱上及び
安全性が確保できるように考慮されている。なお、本実
施例においては、溶存ガス濃度の高いプール水 102
を洗浄液として吸入口 130から接続配管 129を
通し燃料集合体105の上部から取り入れる例を示した
が、吸入口 130を燃料集合体 105の下部に設置
し、接続配管 129から洗浄液としてプール水 10
2を導入しても何等問題ないものである。
【0021】次に、上記実施例における超音波振動子移
動機構について図2を参照しながら説明する。図中符号
 123は超音波振動子111aを支持するための支持
架台である。この支持架台 123には超音波振動子1
11a、111bが2台設置され、各超音波振動子は燃
料集合体 105の一側面を照射するものであり、各超
音波振動子111aは90°照射方向を異にする方向で
配置されており、チャンネルボックス 106の4側面
のうちの隣接する2側面に対して超音波を照射する方法
(直角2面照射方法)を取る構成例となっている。これ
ら2つの超音波振動子111a、111bはケーブル 
112を介して超音波発振器 113に接続されている
。架台 123には超音波振動子移動機構110a、1
10b自身が上下に昇降するための昇降用ワイヤ 12
4等が設置され、超音波振動子昇降機構 110を任意
の速度で上下に昇降自在としている。一方、超音波振動
子111aは、左右 125に移動自在なスライド板 
126上に設置されており、任意の速度で左右 125
に移動しながら燃料集合体 105に対し超音波を照射
可能となっている。この左右 125への移動速度はケ
ーブル 127を介し制御器(図示なし)へ接続されて
いる。なお、図2には燃料集合体4側面のうち側面を照
射する部分の移動機構の構成について説明したが、残る
2側面についても上記機構をまったく同様の方式にて実
施例可能である。ただし、この超音波振動子移動機構 
110における超音波振動子111a、111bの照射
位置は図1に示すように照射位置が重ならないようにし
て行われる。また、燃料集合体 105のチャンネルボ
ックス 106と超音波振動子111aの距離(照射距
離)128は、洗浄に使用する超音波の周波数から、そ
の1/2波長の整数倍増加させた距離で設定されている
【0022】ここで燃料集合体 105の4側面を同じ
照射位置で照射しないで、照射位置が重ならないように
した背景について説明する。図3は燃料集合体 105
に対して一面から照射した場合(Aのみ)、対向する2
面から照射した場合(A+B)、及び直交する2面から
照射した場合(A+C)について相対的に洗浄効率を比
較(A+Cの洗浄効率を 100とした相対評価)した
図である。なお、図3(a)は燃料集合体の横断面に対
する超音波照射位置関係を示す模式図で、図3(b)は
図3(a)の洗浄効率と照射位置との関係を示す棒線図
である。洗浄効率(相対値)は図中に示す燃料棒 13
1で比較した結果である。図3(b)から明らかなよう
に超音波の照射方法としては直交する方向よりの2面照
射(直角2面照射)がすぐれており、対向する2面照射
の洗浄効率は直角2面より低い結果であった。これは超
音波が対向する場合、それぞれの面から照射された超音
波が相手を相殺するために洗浄効率の低下が生じたもの
と考えられる。 したがって、燃料集合体を高効率で洗浄する場合には、
超音波振動子が対向する条件は好ましくなく、直角2面
照射を照射位置を変えて燃料集合体 105の4側面を
洗浄することが高効率の洗浄のためには効果的であるこ
とを示している。
【0023】次に上記超音波振動子111a及び111
bを上下左右に移動する場合の作用効果について説明す
る。図4に示すように超音波振動子111a、111b
の照射面 132から発せられる超音波の照射強度は均
一ではなく図中曲線 133で示すような特性を有して
いる。したがって、超音波振動子111a及び111b
の照射面 132の両端部分の超音波強度は中央部と比
較すると低いため、その結果、燃料集合体の両端部分の
燃料棒に付着するクラッドまたはスラッジの除去効率が
低下する懸念がある。そのため、本発明では、超音波振
動子111a及び111bを上下に移動すると同時に超
音波振動子111a及び111bを左右に移動すること
で、超音波の照射強度が大きい部分を燃料集合体の全面
に均一に当てることが可能となり、洗浄効率の向上を図
ることができる。
【0024】次に、超音波の周波数の適用範囲について
述べるが、本実施例では上記周波数は20〜40kHz
の範囲に選択している。その理由について図5を基に説
明する。図5は横軸に燃料集合体の洗浄に適用した超音
波の周波数をとり、縦軸にその超音波の周波数に対する
クラッドの洗浄効率の傾向を示したものである。なお、
試験に使用した超音波振動子の出力強度は1W/cm2
 のものである。超音波の周波数が20kHz未満の領
域において洗浄効率が低下した理由としては、燃料集合
体105内に配置されている燃料棒 115間の隙間へ
まんべんなく透過できる波長以上となるためで、その結
果、超音波が燃料集合体 115内全体に十分透過でき
なくなり、洗浄効率が低下したものと考えられる。また
、40kHzを超えると燃料棒 115に付着したクラ
ッドを剥離させるに十分な音圧が発生しなくなり、その
ためクラッドを除去させるためのキャビテーション(小
さな気泡の圧壊現象によるクラッド剥離)の発生頻度が
低下しクラッドの洗浄効率が低下したものと考えられる
。よって、高効率の燃料洗浄を行うために適した超音波
の周波数領域としては、20〜40kHzの範囲に選択
することが望ましい。
【0025】次に燃料集合体 105のチャンネルボッ
クス 106内に流入させる燃料プール水中に含まれる
溶存ガスの濃度について述べるが、本実施例では飽和溶
存ガス濃度の10%以上としている。その理由について
図6を参照し説明する。図6は横軸に溶存ガスとして酸
素を例に飽和酸素濃度に対する溶解割合をとり、縦軸に
クラッドの洗浄効率変化を示したものである。なお、本
実施例は超音波周波数26kHz及び強度1W/cm2
 を使用した例である。この図6の結果から超音波洗浄
の効率は洗浄液中に溶解する酸素濃度に大きく影響され
ることがわかる。 これは洗浄液中に溶解するガス量が減少するとクラッド
を剥離させるためのキャビテーション現象(小さな気泡
の圧壊現象によるクラッドの剥離)が発生しづらくなる
ためである。図6から明らかなように、超音波による燃
料集合体 105のクラッド洗浄効率を従来技術(水噴
射式洗浄方法等)で得られている洗浄効率(おおよそ5
0%程度)以上の洗浄効率を得るためには、洗浄液中に
含まれる溶存酸素濃度を飽和溶解度の10%以上に保持
することで可能であることを示している。
【0026】以上説明した本実施例によれば次のような
効果がある。 (1) チャンネルボックス 106を装着したままの
状態でその外側より超音波を照射することにより、チャ
ンネルボックス 106内の複数の燃料棒 115に付
着する固形分をむら無く高効率で洗浄することができる
。 (2) 洗浄に際してチャンネルボックス 106の着
脱作業が不要であるので、洗浄作業が大幅に容易となる
とともに、従事する作業者を低減できるため、作業にと
もなう被曝線量を低減できる。 (3) チャンネルボックス 106を外した状態で燃
料集合体 105を取り扱うことがないので、燃料棒 
115を破損させる危険性を大幅に低減することができ
る。 (4) 従来必要としている洗浄塔が不要となる。すな
わち、本実施例ではチャンネルボックス 106がその
洗浄塔の機能をなすものである。よって装置全体が簡略
化されるとともにコンパクトになり、スペースの確保及
び費用の観点から極めて効果的である。 (5) 超音波振動子111a及び111bの照射方法
、適用する超音波の周波数及び強度、洗浄液中の溶存ガ
ス濃度を最適な条件に設定しているので最も効果的なク
ラッド除去が可能である。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば従来より簡単な構成でよ
り効率の高い燃料集合体の洗浄を行うことができる等そ
の効果は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料集合体の洗浄方法およびその
装置の実施例を示す構成図。
【図2】図1における超音波振動子移動機構を一部断面
で示す平面図。
【図3】(a)は燃料集合体に対する超音波の照射位置
を示す横断面図、(b)は超音波照射位置によるクラッ
ド洗浄効率を比較して示す棒線図。
【図4】図3における超音波振動子の照射面と超音波強
度との関係を示す曲線図。
【図5】図1における超音波の周波数に対するクラッド
洗浄効率の関係を示す曲線図。
【図6】図1における洗浄液中に溶存酸素溶解割合とク
ラッドの洗浄効率との関係を示す特性図。
【図7】従来の水噴射式洗浄装置を示す構成図。
【図8】図7の一部を詳細に示す平面図。
【図9】従来の超音波洗浄装置を示す構成図。
【図10】図9における超音波振動子及び昇降機構を示
す正面図。
【符号の説明】
1…洗浄塔、2…燃料集合体、3…スプレイノズルヘッ
ダ、4…貫通孔、5…スプレイノズル、6…燃料プール
、7…床、8…電動機、9…歯車機構、10…自在継手
、11…ねじ棒、12…ナット、13…ガイド棒、14
…吸込配管、15…プール水、16…吐出ホース、17
…排液移送部、18…遠心分離型分離部、19…配管、
20…水中ポンプ、21…出口ノズル、22…遠隔着脱
式継手、23…クラッド受槽、24…開口部、25…支
持部、31…洗浄塔、32…燃料集合体、33…超音波
振動子、34…超音波発振器、35…昇降機構、36…
ガイド、37…ケーブル、38…排水配管、39…フィ
ルタ、40…配管、41…ポンプ、42…吐出配管、 
101…燃料プール、 102…燃料プール水、 10
3…オペレーションフロア、 104…燃料集合体支持
機構、 105…燃料集合体、 106…チャンネルボ
ックス、 107…上部支持部、 108…下部支持部
、 109…支柱、109a…基台、110a、b …
超音波振動子移動機構、111a、b …超音波振動子
、 112…ケーブル、 113…超音波発振器、 1
14…昇降機構、 115…燃料棒、 116…排出ノ
ズル、 117…排出配管、118…排出ポンプ、 1
19…吐出配管、 120…フィルタ、 121…配管
、 122…架台、 123…支持架台、 124…昇
降用ワイヤ、 125…左右、 126…ローラ、 1
27…ケーブル、 128…照射距離、 129…接続
配管、130…供給口、 131…燃料棒、 132…
超音波振動子照射面、 133…曲線。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  プール水を洗浄液とし、このプール水
    中でチャンネルボックスを装着した状態の軽水炉用燃料
    集合体の外側から超音波を前記チャンネルボックスを透
    過させて前記チャンネルボックス内の複数の燃料棒に到
    達させることにより前記燃料棒に付着した固形分を除去
    し、この除去した固形分を含む前記チャンネルボックス
    内の洗浄廃液を排出することを特徴とする燃料集合体の
    洗浄方法。
  2. 【請求項2】  プール水中に設置された支持機構にチ
    ャンネルボックスを装着した状態の軽水炉用燃料集合体
    が取着され、前記チャンネルボックスの一側面と、この
    一側面に直交するいずれかの他側面のいずれかの側面か
    ら超音波を各側面に対し直角方向から照射する超音波振
    動子が上下動自在に設置された超音波振動子機構を備え
    、前記チャンネルボックスは上端部に洗浄液供給口が接
    続されかつ下端部に洗浄廃液排出用排出ポンプおよび固
    形分除去用フィルタが接続されていることを特徴とする
    燃料集合体の洗浄装置。
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