JPH07111476B2 - 超音波洗浄装置 - Google Patents

超音波洗浄装置

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JPH07111476B2
JPH07111476B2 JP62034468A JP3446887A JPH07111476B2 JP H07111476 B2 JPH07111476 B2 JP H07111476B2 JP 62034468 A JP62034468 A JP 62034468A JP 3446887 A JP3446887 A JP 3446887A JP H07111476 B2 JPH07111476 B2 JP H07111476B2
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ultrasonic
fuel
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cleaning device
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浩明 安井
章 菊地
史朗 古村
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Tokyo Electric Power Co Inc
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Toshiba Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、原子炉の炉心を構成する燃料集合体の燃料棒
の外面に付着したクラッドあるいはスケール等を超音波
により剥離させて除去する超音波洗浄装置に関する。
(従来の技術) 原子炉のうち例えば沸騰水型原子炉(以下BWRという)
は一般に以下のような構成をなしている。すなわち原子
炉圧力容器内には炉心及び冷却水が収容されており、炉
心は複数の燃料集合体及び制御棒等から構成されてい
る。上記冷却水は炉心を上方に向って流通し、その際炉
心の核反応熱により昇温する。昇温した冷却水は水と蒸
気との二相流状態となり、炉心の上方に設置された気水
分離器内に導入されて気水分離される。分離された蒸気
はさらに上方に設置された蒸気乾燥器内に導入されて乾
燥され乾燥蒸気となる。この乾燥蒸気は上記原子炉圧力
容器に接続された主蒸気配管を介してタービン系に移送
されて発電に供される。タービンで仕事をなした蒸気は
復水器内に導入されて凝縮・液化されて復水となる。こ
の復水は復水浄化系を介して浄化された後、給水系を介
して原子炉圧力容器内に戻される。一方前記気水分離器
にて分離された水はダウンカマ部を流下し、上記タービ
ン系から戻された給水と混合して炉心下方に移送され
る。以下同様のサイクルを繰返す。
ところで原子力発電所で放射線被曝の主要な原因となっ
ている放射性腐蝕生成物は、各種配管及び機器等の腐蝕
により発生した腐蝕生成物が燃料集合体に付着して放射
化されたものである。そしてその付着したものの一部が
剥離して炉水内に懸濁したり、あるいは溶解する等して
原子炉系統内に拡散し、これが放射線被曝の原因となっ
ている。したがって燃料集合体に付着したクラッドある
いはスケール等を除去することは原子力発電所内の放射
線被曝線量を低減させる上で極めて効果的なことであ
る。また使用済燃料の核燃料処理工場への搬入・搬出に
際してその取扱上の放射能汚染拡散防止の点からも上記
クラッド除去は重要なことである。
そこで従来の洗浄装置ついて説明する。例えば特公昭58
−17440号公報に示されている水噴射式のものがある。
これを第15図及び第16図を参照して説明する。第15図は
装置の全体構成を示す図で、図中符号1は洗浄塔であ
る。この洗浄塔1は燃料集合体2及びスプレイノズルヘ
ッダ3を取囲むように細長い筒状をなしている。上記ス
プレイノズルヘッダ3は、第16図に示すように燃料集合
体2の形状に合せて略四角形状をなす貫通孔4を備えて
おり、この貫通孔4内に上記燃料集合体2が挿通され
る。上記貫通孔4の内周部には複数個のスプレイノズル
5が取付けられており、これら複数個のスプレイノズル
5を介してチャンネルボックスを具備しない燃料集合体
2に圧力水を噴射する。上記スプレイノズルヘッダ3は
洗浄筒1に沿って昇降可能に取付けられており、以下そ
の昇降をなす駆動部の構成を説明する。まず燃料プール
6の上方にある床7上には電動機8が設置されており、
この電動機8の回転軸には歯車機構9が連結されてい
る。この歯車機構9には自在継手10を介して送りねじ棒
11に連結されており、この送りねじ棒11に上記スプレイ
ノズルヘッダ3に取付けられナット12が螺合している。
また符号13はガイド棒である。したがつて上記電動機18
を起動することによりその回転が歯車機構9によって減
速されるとともに伝達方向が変更され、さらに自在継手
10を介して送りねじ棒11に伝達される。この送りねじ棒
11の回転により上記ナット12を介してスプレイノズルヘ
ッダ3がガイド棒13にガイドされて昇降する。
またスプレイノズルヘッダ3には給水部が接続され、こ
の給水部から圧力水が供給される。すなわち上記床7上
には給水ポンプ13が設置され、この給水ポンプ13は吸込
配管14を介して燃料プール6内のプール水15を吸引す
る。吸引されたプール水15は吐出ホース16を介してスプ
レイノズルヘッダ3の各ノズル5に供給され、そこから
燃料集合体2に向って噴射される。
また燃料プール6の底部6aには排液移送部17が設置され
ている。図中符号18は遠心分離型分離部であり、遠心分
離型分離部18と前記洗浄塔1の底部とは配管19を介して
連結されている。この配管19には水中ポンプ20が介挿さ
れている。また上記遠心分離型分離部18の下方には出口
ノズル21、遠隔着脱式継手22を介してクラッド受槽23が
接続されている。尚図中符号24は開口部であるととも
に、符号25は燃料集合体2を下方から支持する支持部で
ある。よって燃料集合体2の下方から流出するクラッド
を含有するプール水15は上記遠心分離型分離部18内に導
入され、清浄なプール水と固形分(剥離クラッド)とに
分離される。プール水は開口部24を介して燃料プール6
内に放出され、一方固形分についてはクラッド受槽23内
に収容される。
上記構成によると以下のような問題がある。
すなわち上述した方法の場合には燃料集合体2からチ
ャンネルボックスを取外した状態で又はもともとチャン
ネルボックスのない燃料集合体を洗浄塔1内に装着し、
洗浄塔1内にて圧力水を噴射して洗浄するので、燃料集
合体の内側に位置している燃料棒のクラッドを除去する
のが困難である。
又洗浄に際してチャンネルボックスを着脱する必要が
あり、作業が煩雑で被曝が増大するとともに、チャンネ
ルボックスを外した状態で取扱うことにより燃料棒を損
傷する恐れもある。
さらに燃料集合体2及びスプレイノズルヘッダ3等を
収容する洗浄塔1を必要とし、かつこの洗浄塔1は比較
的大型のものであるので、スペースの確保及び装置自体
の汚染という問題がある。
次に従来例として超音波を使用した他の例を説明する。
超音波を採用したものとしては、例えば特開昭55−1047
99号公報、特開昭59−58399号公報、実開昭60−113599
号公報、実開昭60−113600号公報、及び“Feasibility
of Using Nonchemical Methods to Decontaminate Fuel
Rods":EPRI NP−4122,July 1985等がある。そこで第17
図及び第18図を参照して上記“EPRI NP−4122"について
説明する。図中符号31が洗浄塔であり、この洗浄塔31内
には燃料集合体32及び超音波振動子33が設置されてい
る。上記超音波振動子33にはケーブル37を介して超音波
発信器34が接続されている。また上記超音波振動子33は
昇降機構35により一対のガイド36に沿って昇降する。つ
まり超音波振動子33を昇降させながら燃料集合体32に対
して超音波を発信し、それによって付着しているクラッ
ドを除去するものである。また上記洗浄塔31の下端部に
は排水配管38を介してフィルタ39が設置され、このフィ
ルタ39には配管40を介してポンプ41が接続されている。
このポンプ41の吐出配管42は洗浄塔31の上端部に接続さ
れている。
上記構成によると、超音波振動子33を昇降させながら燃
料集合体32に超音波を照射し、それによって付着してい
るクラッドを除去する。除去されたクラッドはプール水
と共に流下して、排水配管38を介してフィルタ39内に導
入される。このフィルタ39にてプール水中のクラッドが
除去され、浄化されたプール水はポンプ41、吐出配管42
を介して洗浄塔31内に上方から戻される。
上記構成の超音波洗浄装置によると以下のような問題が
ある。すなわちこの場合にも燃料集合体32からチャンネ
ルボックスを外すか、あるいはチャンネルボックスのな
い燃料集合体を洗浄するものであり、前述した最初の従
来例の場合同様に煩雑な作業を余儀なくされるととも
に、燃料棒を損傷する恐れもある。
(発明が解決しようとする問題点) このようにまず水噴射式の場合には、内側に位置する燃
料棒のクラッドが効果的に除去されず、また洗浄に長時
間を要するとともに、装置の大型化が懸念され、さらに
チャンネルボックスの着脱が必要とされる燃料集合体の
場合、それによる燃料棒の損傷が懸念されるという問題
があり、また超音波式の場合にもチャンネルボックスの
着脱が必要とされるという問題があり、本発明はこのよ
うな点に基づいてなされたもので、その目的とするとこ
ろは、チャンネルボックスの着脱を必要とすることなく
効果的な洗浄を施すことが可能な超音波洗浄装置を提供
することにある。
[発明の構成] (問題点を解決する為の手段) すなわち本発明は、チャンネルボックスを有する燃料集
合体を燃料プール内で垂直に支持する燃料集合体支持機
構と、この燃料集合体支持機構に昇降可能に取付けられ
上記チャンネルボックスの隣接する二側面に超音波を照
射する2個の超音波振動子を有する超音波振動子機構
と、この超音波振動子機構を昇降させる昇降機構と、上
記燃料集合体支持機構の下端部に設置され上記燃料集合
体の下端部を支持する燃料集合体受座と、この燃料集合
体受座に排出配管を介して接続され上記チャンネルボッ
クス内のプール水を吸引してろ過する排出機構とを具備
したことを特徴とするものである。
(作用) つまり本発明では、2個の超音波振動子を駆動すると、
2個の超音波振動子から発振された超音波がプール水を
伝播してチャンネルボックスの隣接する二側面に超音波
振動として伝わる。そして、超音波振動子からの超音波
がチャンネルボックスの隣接する二側面に超音波振動と
して伝わると、チャンネルボックスの内側に位置する燃
料棒が超音波振動することによって燃料棒に付着したク
ラッドが燃料棒から剥離する。
(実施例) 以下第1図乃至第10図を参照して本発明の第1の実施例
を説明する。第1図は本実施例による超音波洗浄装置の
構成を示す図で、図中符号101は燃料プールである。こ
の燃料プール101内には燃料プール水102が収容されてい
る。また燃料プール101の上方にはオペレーションフロ
ア103がある。上記燃料プール101内には燃料集合体支持
機構104が設置されており、この燃料集合体支持機構104
には燃料集合体105がチャンネルボックス106を装着した
状態で支持されている。上記燃料集合体支持機構104は
上部支持部107、下部支持部108及びこれら上部支持部10
7及び下部支持部108を支持する支柱109から構成されて
いる。また支柱109は基台109a上に立設されている。
上記支柱109には超音波振動子機構110が昇降可能に取付
けられている。この超音波振動子機構110にはケーブル1
12を介して前記オペレーションフロア103上に設置され
た超音波発信器113が接続されている。また上記超音波
振動子機構110を昇降させるのが昇降機構114である。上
記昇降機構114によって超音波振動子機構110を昇降させ
ながら燃料集合体105に超音波を照射してチャンネルボ
ックス106内に収容されている燃料棒115に付着したクラ
ッドあるいはスケールを除去する。除去したクラッド或
いはスケールはチャンネルボックス106内をプール水102
と共に流下し、前記下部支持部108に接続された排出ノ
ズル116及び排出配管117を介して排出ポンプ118に吸引
される。さらに吐出配管119を介してフィルタ120に移送
され、そこでプール水102中の固形分が除去される。固
形分が除去されて浄化されたプール水102は配管121を介
して燃料プール101内に排出される。尚上記フィルタ120
は架台122に支持されている。以上が本実施例による超
音波洗浄装置の概略構成である。
以下詳細に説明していく。まず超音波振動子機構110で
あるが第2図に示すような構成となっている。図中符号
123は架台であり、この架台123には超音波振動子124
(第1の超音波振動子)及び125(第2の超音波振動
子)が取付けられている。上記超音波振動子124は燃料
集合体105のチャンネルボックス106の一側面に超音波を
照射するものであり、また超音波振動子125はその超音
波発信方向を上記超音波振動子124と略90゜異ならせる
ものであってチャンネルボックスの上記一側面に直交し
かつ隣接する他の一つの側面に向って超音波を照射する
ものである。これら2の超音波振動子124及び125が前記
ケーブル112を介して超音波発信器113に接続されてい
る。また上記架台123には複数のローラ126が取付けら
れ、これらローラ126により支柱としてのH型鋼109の一
方のプレート部を両側から挟持している。また上記架台
123の上面側には昇降用のワイヤ127が接続されている。
このワイヤ127を介して前記昇降機構114により超音波振
動子機構110の昇降をなす。尚超音波振動子124、125は
この位置に複数個の超音波振動子を集合して設置しても
よい。
そこで上記昇降機構114の構成について説明する。昇降
機構114は上記ワイヤ127と前記オペレーションフロア10
3上に設置された巻上げ機128とから構成され、この巻上
げ機128によりワイヤ127を介して超音波振動子機構110
の昇降をなす。尚上記巻上げ機128としては水密構造の
ものの採用も考えられる。また超音波振動子機構110に
直接動力源(例えば水中モータ)と駆動機構を設置して
もよい。
ここで上記超音波振動子124及び125によるクラッド除去
の原理を第3図を参照して説明する。超音波振動子124
(又は125)から照射された超音波a1の一部はチャンネ
ルボックス106を通過し(超音波a2)、残りは反射する
(超音波a4)。チャンネルボックス106内を通過した超
音波a2はチャンネルボックス106内の水中に伝播され
(超音波a3)、燃料棒115の表面に照射される。そして
超音波エネルギーによるキャビテーションにより燃料棒
115の表面に付着しているクラッド129が剥離して、チャ
ンネルボックス106内のプール水102とともに流下する。
このように超音波はチャンネルボックス106の存在にも
拘らず、その内部にまで十分に伝播されることが実験に
より確認されている。比較的内側に位置する燃料棒115
に付着しているクラッド129も効果的に除去される。
次に第4図を参照して燃料集合体支持機構104の上部支
持部107の構成について説明する。上部支持部107は前記
支柱109に固定され、先端部にチャンネルボックス106よ
り若干大きめの四角形の燃料集合体拘束部130を備えて
おり、この燃料集合体拘束部130により燃料集合体105を
支持するものである。
次に第5図を参照して燃料集合体支持機構104の下部支
持部108の構成について説明する。図中符号131は基台10
9a上に固定された燃料集合体受座であり、この燃料集合
体受座131内にはエルボ状の貫通穴132が形成されてい
る。上記貫通穴132の燃料集合体105側の開口にはろうと
状テーパ部133が形成され、このろうと状テーパ部133上
に燃料集合体105の下部タイプレート134のテーパ部135
が嵌合する。これによってシール構造を形成し、クラッ
ドを含有したプール水102の外部への流出を防止する。
尚クラッドを含有したプール水102は図中矢印cで示す
ように流下し、さらに矢印dで示すように流れていく。
また上記下部タイプレート134は複数本の燃料棒115の下
端を支持するものである。又上記貫通穴132の反対側開
口部には前述した排出ノズル116が接続されている。
次に超音波振動子124及び125の超音波照射方向を相互に
直交するように配置した背景について説明する。第6図
に示すように燃料集合体105に対して一面からのみ超音
波を照射した場合(一面照射)、対向する2面から照射
した場合(対向二面照射)、及び直交する2面から照射
した場合(直角二面照射)について比較した図である。
第6図(a)は超音波振動子の配置及びクラッド除去効
率の測定対象となっている燃料棒の位置(1乃至8)を
示している。尚ここでクラッド除去効率(η)について
述べると、ηは次の式(I)で求められる。
η=(A−B)/A ……(I) 但し A:洗浄前のクラッド量(g又はCi) B:洗浄後のクラッド量(g又はCi) である。また第6図(b)は横軸に上記制御棒を番号順
にとり、縦軸にクラッド除去効率をとって各燃料棒別に
前述した3つの場合のクラッド除去効率を比較して示す
図である。この第6図から明らかなように、直交する2
面に超音波振動子を配置した場合には、他の2つの場合
に比べて燃料棒の位置に拘らず平均して高いクラッド除
去効率が得られていることがわかるとともに、距離に対
する減衰が少ないことがわかる。
次に第7図を参照して燃料プール101内の水深との関係
で説明する。第7図は横軸に燃料プール101内の水深を
とり縦軸にクラッド除去効率をとり、1面照射の場合、
及び直交する2面に配置した場合のクラッド除去効率変
化を比較して示す図である。この第7図から明らかなよ
うに、直交する2面に超音波振動子を配置した場合に
は、水深の変化に拘らず高いクラッド除去効率を示して
いる。これは特に燃料集合体105が通常4m程度であり、
その長さ分程度の遮蔽距離をとった位置に燃料集合体10
5を配置することを考えると、水深4mから8mの間で高い
クラッド除去効率を得たいわけであり、よって上記第7
図に示されている結果は本実施例が極めて効果的である
ことを示している。
次に超音波振動子と燃料集合体のチャンネルボックスと
の距離についてであるが、本実施例では上記距離を5〜
30cmとしている。その背景について説明する。第8図を
参照して説明する。第8図は横軸に超音波振動子とチャ
ンネルボックス表面との間の距離をとり縦軸にクラッド
除去効率をとって、距離変化に伴うクラッド除去効率変
化を示した図であり、それを1面照射の場合と直交する
2面照射(本実施例)の場合とで比較して示している。
尚その際使用された超音波振動子は(19cm×29cm)の発
信面をもち、発信出力600W/台のものである。また水深
は8mであって、照射時間は135秒である。この第8図の
結果から明らかなように、1面照射の場合には距離が離
れるにしたがってクラッド除去効率が低下している。こ
れは距離が離れることによりクラッドを剥離させるのに
必要な音圧が得られなくなることによる。これに対して
直角2面照射の場合には距離が離れても高いクラッド除
去効率を得ることができ、実験によればば30cmまでは約
90%のクラッド除去効率を得られることがわかった。こ
れは1台の超音波振動子の音圧低下を直交する方向に設
置されている他の1台が効果的に補充することによる。
以上より本実施例では超音波振動子とチャンネルボック
ス表面との間の距離の最大値を30cmとした。
次に下限値の5cmについて説明する。一般に洗浄の対象
となっている燃料集合体105は原子炉中で照射・燃焼に
より、燃料のウラニウムと生成したプルトニウム及び核
分裂生成物から放射線が発生し、この放射線は水の遮蔽
効果の為距離を置くことにより減衰する。また超音波振
動子は放射線により劣化されることが予想され、特に超
音波振動子の中で使用されている接着材、ケーブル被覆
材の劣化が懸念される。また例えばケーブル被覆材の耐
放射線量は一般的には5×107R程度である(森田ら、
“原子力プラント用ケーブル材料の耐放射線性”、昭和
電線レビュー、Vol、28、NO、2、P11、1978)。したが
って超音波振動子と燃料集合体との距離は大きくする必
要がある。また超音波振動子が受ける放射線線量は次の
式(II)により算出される。
D=N×T×f ……(II) 但し D:放射線集積線量 N:洗浄対象燃料集合体数 T:燃料集合体1体当りの洗浄時間(hr) f:放射線線量率(R/hr) 又第9図は横軸に燃料集合体表面からの水中における距
離をとり、縦軸に照射燃料の放射線線量率をとってその
変化を示した図である。この第9図から明らかなよう
に、5cm、及び10cmの距離における放射線線量率は、夫
々4×105、3×105R/hrである。また燃料集合体300体
を1体当り20分で洗浄すると、5cmの距離では(20分/60
分)Hr/体×300体×4×105R/Hr=4×107Rの放射線を
受け、又10cmの距離では(20分/60分)Hr/体×300体×
3×105R/Hr=3×107Rの放射線を受ける。一方Co−60
を使用した放射線照射試験の結果、電歪型超音波振動子
(超音波工業株式会社製)の場合には5×107Rまで異常
のないことが確認できた。これを上記5cmの場合と比べ
るとそれ以下であるから、5cmの場合には超音波振動子
の健全性は維持されることとなる(尚上記以外の超音波
振動子であっても材質的には大幅な相違はないので健全
性は維持される)。そこで本実施例では超音波振動子と
チャンネルボックスの表面との距離の下限値を5cmとし
たものである。
次に照射時間について説明する。本実施例の場合には超
音波照射時間が30〜135秒となるように超音波振動子機
構110の昇降速度が設定されている。これを第10図を参
照して説明する。第10図は横軸に照射時間をとり縦軸に
クラッド除去効率をとり、照射時間変化に伴うクラッド
除去効率変化を示した図である。この第10図から明らか
なように30秒で約90%のクラッド除去効率を得ることが
でき、135秒では略飽和していることがわかる。そこで
上述した範囲の照射時間としたものである。ところでこ
の範囲の照射時間を具体的に達成させる為には、例えば
超音波振動子により音圧とクラッド除去効率との関係を
測定し、その測定から求めた横120mm×縦200mmの有効照
射面積から、片道照射の場合は400〜87mm/minの昇降速
度となり(上昇又は下降)、往復照射の場合には200〜4
4mm/minの昇降速度となる。したがって燃料集合体を4m
とすれば洗浄に要する時間は10〜46分となる。尚これは
超音波振動子機構110を軸方向に1個設置した場合のこ
とであり、複数個設置すればそれだけ時間を短縮させる
ことが可能である。又固定方式とすることもできるもの
である。
次にポンプ118による燃料集合体内の流量について説明
する。本実施例の場合には剥離クラッドを含有するプー
ル水の流速が3〜14cm/secとなるようにポンプ118の流
量を制御する。以下その背景について説明する。超音波
を照射した燃料集合体は何もしないと剥離クラッドが拡
散若しくは沈降により燃料集合体の外に流出してしま
う。又燃料集合体は燃料自身の崩壊熱により燃料集合体
内部にて上昇流が発生する。この上昇流の速度は原子炉
での照射時間が約2年で取出した後1〜2週間程度の燃
料集合体の場合には約1〜3cm/secである。これは前記
剥離クラッドが拡散あるいは沈降する速度よりも大き
い。したがって燃料集合体内の線速度が3cm/sec以上と
なるように排出ポンプ118の流量を制御する必要があ
る。本実施例の場合その流量が18/min以上である。又
ポンプ118により吸引された剥離クラッドを含有するプ
ール水を濾過するのにカートリッジフィルタを使用する
場合に、フィルタでの捕獲効率、及び捕獲容量はフィル
タの線速度若しくは流量に依存し、線速度若しくは流量
が小さい程それらは高くなる。それと同時にフィルタで
の捕獲効率及び捕獲容量はある線速度以下ではさほどの
変化はなく、具体的には85/min以下である。したがっ
て燃料集合体内の流速を14cm/sec以下とするのが、廃棄
物となるフィルタの発生量を低減させる上で有効とな
る。以上の背景から流速を3〜14cm/secとなるようにポ
ンプ118の流量を制御する。
以上の構成によると、まず燃料集合体105にチャンネル
ボックス106を装着した状態で燃料集合体支持機構104に
装着する。そしてポンプ118を所定の流量で運転する。
その状態で超音波振動子機構110を昇降機構114により昇
降させながら燃料集合体105の全長にわたって所定の照
射時間で超音波を照射する。かかる超音波の照射により
チャンネルボックス106内に装荷されている複数本の燃
料棒115の表面に付着しているクラッドが剥離される。
剥離したクラッドはチャンネルボックス106内のプール
水に含有された状態でチャンネルボックス106内を所定
の流速で流下し、排出ノズル116及び排出配管117を介し
て排出ポンプ118に吸引され、さらに吐出配管119を介し
てフィルタ120に移送される。このフィルタ120にてプー
ル水中のクラッドが除去され、浄化されたプール水は燃
料プール101内に放出される。
以上本実施例よると以下のような効果を奏することがで
きる。
まず本実施例によればチャンネルボックス106を装着
したままの状態でも燃料集合体105の洗浄を行なうこと
ができる。すなわち本実施例の場合には超音波振動子12
4及び125を備えた超音波振動機構110により洗浄するも
のであって、その際上記超音波振動子124及び125は直交
して配置されている。これは前述したように極めて高い
クラッド除去効率を提供することができ、したがってチ
ャンネルボックス106を外すことなく効果的に洗浄する
ことができるものである。尚これを第11図を参照して説
明する。これは温度が21℃、燃料集合体と超音波振動子
との距離10cm、水深4m、照射時間130秒、超音波発信出
力600W×2台の条件で、燃料集合体としては代表的な
(8行×8列)のものを採用して行なった実験結果を示
すものである。第11図(a)は測定対象となった燃料棒
の位置(1〜8)を示しており、第11図(b)はそれら
各燃料棒のクラッド除去効率を示している。この第11図
から明らかなようにいずれの燃料棒に対しても高い(90
%以上)のクラッド除去効率を提供することができた。
又洗浄に際してチャンネルボックス106の着脱作業が
不要であるので、洗浄作業が大幅に容易になるととも
に、チャンネルボックス106を外した状態で燃料集合体1
05を取扱うことがないので、燃料棒115を損傷させる危
険もない。
そして本実施例の場合には従来必要とされていた洗浄
塔が不要である。つまりチャンネルボックス106がその
機能をなすものである。よって装置全体が簡略化される
とともにコンパクトになり、スペースの確保及びコスト
の低減の観点から極めて効果的なことである。
又本実施例の場合には、超音波振動子124及び125とチ
ャンネルボックス106の表面までの距離、照射時間、及
びクラッドを含有したプール水の流速を最適なものに設
定しているので、効果的なクラッド除去が可能である。
次に第12図を参照して第2の実施例を説明する。これは
燃料集合体支持機構104の上部支持部107の構成に関する
ものであり、拘束部130に4つのガイドローラ141を設置
したものである。このようにガイドローラ141を設置し
た構成とすることにより燃料集合体105の着脱を円滑に
行なうことができる。
次に第13図を参照して第3の実施例を説明する。この実
施例も燃料集合体支持機構104の上部支持部107に関する
ものであって、拘束部130の対角位置に一対のシリンダ
機構142を設置したものである。燃料集合体105を着脱す
る場合にはシリンダ機構142による拘束を解除し、洗浄
する場合にはこれを拘束して強固に支持するものであ
る。
次に第14図を参照して第4の実施例を説明する。これは
燃料集合体支持機構104の下部支持部108に関するもの
で、燃料集合体受座131の貫通穴132の燃料集合体105側
の開口部に形成されたろうと状テーパ部133に合成樹脂
製のパッキン(弾性部材)143を設置したものである。
かかるパッキン143の設置により高いシール性が確保さ
れ、クラッドを含有したプール水の外部への流出を確実
に防止することができるとともに、燃料集合体105の下
部タイプレート134のテーパ部133との接触部の損傷等を
効果的に防止することができるものである。
尚本発明はこれら第1乃至第4の実施例に限定されるも
のではなく、例えば超音波振動子は軸方向の同一高さに
1個だけである必要はなく複数個設置してもよい。それ
によって前述したように洗浄に要する時間が大幅に短縮
される。また昇降機構を不要とする密度で設置してもよ
い。さらにチャンネルボックスがない燃料集合体に対し
ては流路(洗浄槽でもよい)を設け、その中に燃料集合
体を挿入することにより上記実施例と同一の作用・効果
が得られる。
さらに昇降機構であるが、これもワイヤ方式以外に、例
えばピストン駆動式、あるいはスクリューねじ式等が考
えられる。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、チャンネルボック
スの着脱を必要とすることなく効果的な洗浄を施すこと
ができる等その効果は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第11図は本発明の第1の実施例を示す図で、
第1図は超音波洗浄装置の全体構成を示す図、第2図は
超音波振動子機構の平面図、第3図は超音波洗浄の原理
を説明する図、第4図は上部支持部の平面図、第5図は
下部支持部の断面図、第6図は1面照射、対向2面照
射、及び直角2面照射のクラッド除去効率を比較して示
す図、第7図は水深とクラッド除去効率との関係を示す
図、第8図は超音波振動子とチャンネルボックス表面と
の間の距離とクラッド除去効率との関係を示す図、第9
図は燃料集合体からの放射線線量率を示す図、第10図は
超音波照射時間とクラッド除去効率との関係を示す図、
第11図は効果を説明するための図、第12図は第2の実施
例による上部支持部の平面図、第13図は第3の実施例に
よる上部支持部の平面図、第14図は第4の実施例による
下部支持部の断面図、第15図乃至第18図は従来例の説明
に使用した図で、第15図は水噴射式洗浄装置の全体構成
を示す図、第16図は第15図の一部を詳細に示す平面図、
第17図は超音波洗浄装置の全体構成を示す図、第18図は
超音波振動子及び昇降機構の正面図である。 101……燃料プール、102……プール水、104……燃料集
合体支持機構、105……燃料集合体、106……チャンネル
ボックス、107……上部支持部、108……下部支持部、10
9……支柱、110……超音波振動子機構、114……昇降機
構、118……排出ポンプ、120……フィルタ、124,125…
…超音波振動子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古村 史朗 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (56)参考文献 特開 昭62−47598(JP,A) 特開 昭62−75398(JP,A) 特開 昭63−9900(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チャンネルボックスを有する燃料集合体を
    燃料プール内で垂直に支持する燃料集合体支持機構と、
    この燃料集合体支持機構に昇降可能に取付けられ上記チ
    ャンネルボックスの隣接する二側面に超音波を照射する
    2個の超音波振動子を有する超音波振動子機構と、この
    超音波振動子機構を昇降させる昇降機構と、上記燃料集
    合体支持機構の下端部に設置され上記燃料集合体の下端
    部を支持する燃料集合体受座と、この燃料集合体受座に
    排出配管を介して接続され上記チャンネルボックス内の
    プール水を吸引してろ過する排出機構とを具備したこと
    を特徴とする超音波洗浄装置。
  2. 【請求項2】上記超音波振動子機構の各超音波振動子と
    燃料集合体のチャンネルボックス表面との距離を5〜30
    cmとしたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    超音波洗浄装置。
  3. 【請求項3】燃料集合体の垂直方向各位置での超音波照
    射時間が30〜135秒となるように昇降機構による超音波
    振動子機構の昇降速度が制御されるものであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の超音波洗浄装置。
  4. 【請求項4】前記排出機構は前記チャンネルボックス内
    のプール水を3〜14cm/secの流速で排出する排出ポンプ
    を備えていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の超音波洗浄装置。
  5. 【請求項5】前記燃料集合体受座はろうと状テーパ部を
    備え、このろうと状テーパ部に燃料集合体の下部タイプ
    レートの下端部を嵌合させシールするものであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の超音波洗浄装
    置。
  6. 【請求項6】上記ろうと状テーパ部には弾性部材が取り
    付けられていることを特徴とする特許請求の範囲第5項
    記載の超音波洗浄装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6247598A (ja) * 1985-08-27 1987-03-02 株式会社東芝 原子炉燃料集合体の洗浄方法
JPS6275398A (ja) * 1985-09-30 1987-04-07 株式会社東芝 燃料集合体洗浄装置
JPS639900A (ja) * 1986-06-30 1988-01-16 株式会社東芝 燃料集合体洗浄装置

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