JP3849925B2 - 化学除染方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電施設等の放射線取扱い施設に設置された配管、機器、構造部品等の除染対象物に生成または付着した放射性物質を含む金属酸化物を化学的に溶解して除去するための化学除染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電施設において放射性物質を含む流体と接触する配管、機器、構造部品等は、運転に伴ってその内面に放射性核種を含む酸化皮膜が付着または生成する。そのため配管や機器の周囲は放射線量が高まり、定期点検作業時あるいは原子炉廃止措置時の解体作業おいて作業員の被ばく線量が増大することの原因となっている。
【0003】
このような酸化皮膜を除去するには、酸化皮膜あるいは金属母材を溶解し、酸化皮膜を溶液中に溶解あるいは剥離させる方法などが用いられる。化学的に酸化皮膜を溶解、除去する化学除染方法は、一部実機において実施されており、放射性物質低減に大きな効果を上げている。
【0004】
現在までに化学除染方法は種々提案されており、酸化皮膜中のクロム系酸化物を酸化剤により酸化溶解する工程と、酸化皮膜中の主要成分である鉄系酸化物を還元剤により還元溶解する工程を組み合わせた方法などが知られている。
【0005】
例えば、特開昭55−135800号公報には、オゾンガスを溶解させた水溶液を酸化剤とし、この酸化剤と有機酸及び酸化剤の除染液とを組み合わせて用いる除染方法が記載されている。さらに、特開平9−159798号公報にはオゾンガスを気泡材を含んだ溶液に吹き込んで気泡を発生させ、この泡除染液を除染対処物に送り込んで除染を行う方法が記載されている。
【0006】
また、特公平3−10919号公報においては酸化剤として過マンガン酸、還元剤としてジカルボン酸を用いる化学除染方法が記載されている。低濃度で酸化効果の高い過マンガン酸と、CO2とH2Oに分解可能なジカルボン酸を使用することとなり、それまでの化学除染方法と比較して二次廃棄物発生量の低減が可能である。この方法は原子力発電施設の除染工事において既に実施されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オゾンガスを溶解させた水溶液を酸化剤として用いた場合、酸化皮膜中のクロム系酸化物の酸化溶解の他に、除染対象機器の金属母材を酸化溶解し、機器の再使用のための材料健全性が確保できない課題がある。
【0008】
また、還元剤としてジカルボン酸を用いた場合、酸化皮膜の還元溶解の他に、除染対象金属もまた酸により溶解し、機器の再使用のための材料健全性が確保できない課題がある。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、例えば原子力発電施設に使用される配管、機器、構造部品等に付着した放射性物質を化学除染する場合に、除染剤に金属母材の溶解を抑制する助剤を添加して材料健全性を確保できる化学除染方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、除染対象物に生成または付着した放射性物質を含む酸化皮膜をオゾンが溶解した水溶液の酸化力により前記酸化皮膜を溶解して化学除染するにあたり、前記オゾンが溶解した水溶液に前記除染対象物の母材腐食を抑制する酸化助剤を添加して、前記酸化助剤を添加したオゾン水溶液による酸化処理と、シュウ酸水溶液に四三酸化鉄からなる還元助剤を添加したシュウ酸水溶液による前記酸化皮膜の還元処理を繰り返し行い、前記酸化皮膜を溶解して除染することを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、オゾンが溶解した水溶液に除染対象物の母材腐食を抑制する酸化助剤を添加することにより、除染対象物の表面から腐食及び孔食がなく、除染後の材料健全性を確保できる。また酸化助剤を添加したオゾン水溶液による酸化処理と、シュウ酸水溶液に四三酸化鉄からなる還元助剤を添加したシュウ酸水溶液による還元処理を繰り返し行うことにより、放射物質を100%近く除染することができるので、除染後の使用に対しても応力腐食割れを生じることはない。
【0014】
請求項2に係る発明は、前記酸化助剤は、炭酸,炭酸塩,炭酸水素塩,硼酸,硼酸塩,硫酸,硫酸塩,燐酸,燐酸塩,燐酸水素塩から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする。この発明によれば、オゾンが溶解した水溶液に溶け易く、除染作業が容易で、除染対象物の母材腐食を抑制する効果がある。
【0016】
請求項3に係る発明は、前記シュウ酸水溶液の還元処理により溶解したFe3+を、電気分解により陰極でFe2+に還元することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記電気分解により得られたFe2+をカチオン樹脂で回収することを特徴とする。この発明によれば、Fe3+イオンを電解還元によりFe2+に還元すると、使用済イオン交換樹脂の量を削減できるとともに、二次廃棄物の発生量を削減できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る化学除染方法の実施の形態を説明する。
オゾン発生器から出るオゾンは酸化力を持つ気体であり、水中に溶解したオゾンは次式(1)から(5)のような反応により分解し、各種の活性酸素が生成する。
【0018】
3+OH→HO2+O2 …(1)
3+HO2→O2+OH …(2)
3+OH→O2+HO2 …(3)
2HO2→O3+H2O …(4)
HO2+OH→O2+H2O …(5)
【0019】
オゾン及びこれら活性酸素は、次式(6)から(9)の電極反応による酸化還元電位(NHE基準)からわかるように、過マンガン酸イオンと比較して強い酸化力を持っている。
【0020】
OH+H++e=H2O 2.81V …(6)
3+2H++2e=O2+H2O 2.07V …(7)
HO2+3H++3e=2H2O 1.7V …(8)
MnO4 +4H++3e=MnO2+2H2O 1.7V …(9)
【0021】
放射線取扱い施設、例えば原子力発電所の配管、構造部品等の表面に付着または生成する酸化皮膜のうち、難溶性のクロム系酸化物は酸化力を持つ除染剤により溶解することが可能である。オゾンは上述のように強い酸化力を持つため、酸化溶解のための除染剤として適用可能である。
【0022】
しかし、オゾンは一般に耐食性があると言われているステンレス鋼及びニッケル基合金の母材に対して腐食を及ぼすことが懸念される。原子力発電所の一次冷却材と接液する配管機器には、ステンレス鋼としてSUS304及びSUS316L等が使用されており、ニッケル基合金としてインコネル600及びインコネル182が使用されている。これら材料がオゾン水により腐食された場合は、除染後の再使用において応力腐食割れを引き起こすことが懸念される。
そこで、本実施の形態では上記懸念に対処して、次に示す実施例1から8によりオゾン水溶液による母材の腐食を抑制する方法を説明する。
【0023】
(実施例1)
まず、本実施例に適用する酸化助剤の腐食抑制効果を比較するために、従来例の除染液による材料の腐食試験結果を説明する。すなわち、pH3の硝酸水溶液にオゾンを7ppm溶解させ、温度80℃の条件でSUS304及びインコネル600の腐食試験を10時間行った。試験後の材料表面を観察した結果、SUS304及びインコネル600とも若干の粒界腐食が観察された。
【0024】
このように、材料の腐食抑制対策を施していないオゾン除染剤は、放射線取扱い施設、例えば原子力発電所の配管、構造部品の除染に適用する場合、材料健全性を考慮しなくても良い使用済みの機器の除染、あるいは原子炉廃止措置時の解体前除染に適用することが可能である。ただし、材料の健全性を確保することが求められる再使用配管及び構造部品に対しては、除染後の再使用において応力腐食割れを起こすことが懸念される。
【0025】
そこで、本実施例ではオゾン水溶液の腐食を抑制する酸化助剤として炭酸ニッケルを選定し、その効果を実験により確認した。10ppmの炭酸ニッケルが溶解した水溶液中に、オゾンを5ppm溶解させ、温度80℃の条件でSUS304試験片の腐食試験を10時間行った。試験後の材料表面を観察した結果、SUS304表面から粒界腐食及び孔食等は観察されなかった。
【0026】
以上のようにオゾン水溶液に酸化助剤として炭酸ニッケルを添加することでステンレス鋼の母材腐食を抑制できるため、原子力発電所で使用される配管及び構造部品の除染に本除染剤を適用することで除染後の再使用のための材料健全性を確保することができる。
【0027】
なお、上記実施例の他に、炭酸ニッケルに代えて酸化助剤として炭酸鉄、炭酸カリウム及び炭酸カルシウム等の炭酸塩を数10ppm添加することでも同様な効果が得られた。
また、酸化助剤として炭酸を添加することで同様な効果が得られことを確認したが、この場合はオゾン水溶液の生成と同様に水溶液中に炭酸ガスを供給する必要がある。
さらに、炭酸水素塩(炭酸水素ニッケル、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウム等)も同様な効果があることを確認した。
【0028】
(実施例2)
本実施例ではオゾン水溶液の腐食を抑制する酸化助剤として硼酸を選定し、その効果を実験により確認した。50ppmの硼酸が溶解した水溶液中に、オゾンを2ppm溶解させ、温度80℃の条件でSUS304試験片の腐食試験を10時間行った。試験後の材料表面を観察した結果、SUS304表面から粒界腐食及び孔食等は観察されなかった。
【0029】
以上のように、オゾン水溶液に酸化助剤として硼酸を添加することでステンレス鋼の母材腐食を抑制できるため、原子力発電所で使用される配管及び構造部品の除染に本除染剤を適用することで除染後の再使用のための材料健全性を確保することができる。
なお、上記実施例の他に硼酸に代えて酸化助剤として硼酸ニッケル、硼酸マンガン等の硼酸塩を数10ppm添加することで同様な効果が得られた。
【0030】
(実施例3)
本実施例ではオゾン水溶液の腐食を抑制する酸化助剤として硫酸を選定し、その効果を実験により確認した。30ppmの硫酸が溶解した水溶液中に、オゾンを5ppm溶解させ、温度80℃の条件でSUS304試験片の腐食試験を10時間行った。試験後の材料表面を観察した結果、SUS304表面から粒界腐食及び孔食等は観察されなかった。
【0031】
以上のように、オゾン水溶液に酸化助剤として硼酸を添加することで、ステンレス鋼の母材腐食を抑制できるため、原子力発電所で使用される配管及び構造部品の除染に本除染剤を適用することで除染後の再使用のための材料健全性を確保することができる。
なお、上記実施例の他に酸化助剤として硫酸鉄、硫酸ニッケル及び硫酸マンガン等の硫酸塩を数10ppm添加することで同様な効果が得られた。
【0032】
(実施例4)
本実施例ではオゾン水溶液の腐食を抑制する酸化助剤として燐酸を選定し、その効果を実験により確認した。40ppmの燐酸が溶解した水溶液中に、オゾンを4ppm溶解させ、温度90℃の条件でSUS304及びインコネル600試験片の腐食試験を10時間行った。試験後の材料表面を観察した結果、SUS304及びインコネル600表面から粒界腐食及び孔食等は観察されなかった。
【0033】
以上のように、オゾン水溶液に酸化助剤として燐酸を添加することでステンレス鋼及びニッケル基合金の母材腐食を抑制できるため、原子力発電所で使用される配管及び構造部品の除染に本除染剤を適用することで除染後の再使用のための材料健全性を確保することができる。
【0034】
なお、上記実施例の他に燐酸に代えて酸化助剤として燐酸鉄、燐酸ニッケル、燐酸カリウム、燐酸カルシウム、燐酸マンガン等の燐酸塩を数10ppm添加することで同様な効果が得られた。
さらに、燐酸水素塩(硼酸水素カルシウム、燐酸水素カリウム、燐酸水素マンガン等)も同様な効果があることを実験により確認した。
【0035】
実施例1から実施例4において、オゾン水溶液に添加した酸化助剤が金属母材の腐食を抑制した原因としては、(10)式から(14)式に示すOHラジカルとの反応が考えられる。OHラジカルは、オゾン及びオゾンの分解により生成する活性酸素種の中で最も酸化還元電位が高いため、金属母材に対して腐食を及ぼす可能性が高い物質である。オゾン水溶液に添加した酸化助剤は以下に示す反応によりOHラジカルの酸化力を消失させ、ステンレス鋼及びニッケル基合金の母材腐食を抑制したものと考える。
【0036】
OH・+HCO3 →CO3+H2O …(10)
OH・+CO3 2 →OH+CO3 …(11)
OH・+H3BO4→H2O+H2BO3 …(12)
OH・+HSO4 →SO4+H2O …(13)
OH・+H3PO4→H2O+H2PO4・ …(14)
【0037】
また、燐酸は表面に不動態化皮膜を形成して母材の腐食を抑制する効果あるため、上記酸化助剤はこの作用によりステンレス鋼及びニッケル基合金の母材腐食を抑制することができる。
【0038】
(実施例5)
実施例5では、酸化助剤を添加したオゾン水溶液による酸化処理と、有機酸水溶液による還元処理を繰り返し行い、除染対象物として放射性物質で汚染したステンレス鋼試験片(10×20×5tmm)の除染試験を行った。
【0039】
試験手順は、第1サイクルの除染としてシュウ酸水溶液(シュウ酸濃度:2000ppm、温度95℃)による還元処理を5時間行った。次に第2サイクルの除染として、燐酸を20ppm添加したオゾン水溶液(オゾン濃度:3ppm、温度:80℃)による酸化処理を2時間、その後にシュウ酸水溶液(シュウ酸濃度:2000ppm、温度95℃)による還元処理を5時間行った。
【0040】
さらに、第3サイクルの除染として燐酸を20ppm添加したオゾン水溶液(オゾン濃度:3ppm、温度:80℃)による酸化処理を2時間、その後にシュウ酸水溶液(シュウ酸濃度:2000ppm、温度95℃)による還元処理を5時間行った。
【0041】
ここで、放射性物質が主に含有されるステンレス鋼表面の酸化皮膜は、シュウ酸[(COOH)2]による還元処理では(15)式に示すように酸化皮膜の主成分である鉄系酸化物が溶解する。オゾン水による酸化処理ではクロム系酸化物(Cr23)が(16)式及び(17)式の反応により溶解する。
【0042】
Fe2O3 + (COOH)2 + 4H+ → 2Fe2+ + 3H2O + 2CO2 …(15)
Cr2O3 + 3O3 + 2H2O → 2CrO4 2- + 4H+ + 3O2 …(16)
Cr2O3 + 2O3 + H2O → Cr2O4 2- + 2H+ + 3O2 …(17)
【0043】
Ge半導体核種分析装置により試験前に測定した試験片の放射性物質量は、上記の操作を行った後に放射性物質量を測定した結果、100%近く、99%以上除去されていることが認められた。
【0044】
このように、オゾン水に金属母材腐食抑制剤(燐酸)を添加しても十分な除染性能を有しているため、原子力発電施設で使用される配管、機器、構造部品等に付着した放射性物質の除染に適用可能である。
【0045】
(実施例6)
実施例6では、実施例5のシュウ酸による還元処理における金属母材腐食を抑制する方法を検討した。ステンレス鋼の酸中におけるアノード分極特性は、図1の分極曲線1のようになる。この分極曲線1は、金属材料の溶液中における腐食特性を表すのであり、縦軸に電流の対数値を、また横軸に電位をとり、ある電位に保持したときに流れる電流を表しており、ここでは電流が大きいほど腐食溶出量が大きく、耐食性が劣ることを意味する。
【0046】
ステンレス鋼やニッケル基合金のように耐食性の高い構造材料の場合には、電位によって腐食特性が異なり、電位の低い側から不感域2、活性域3、不動態域4、二次不動態域5、過不動態域6に分けられる。不感域2と不動態域4は電流値が低いため腐食量が少ない。
【0047】
しかし、ステンレス鋼のシュウ酸溶液中の腐食電位は活性域3にあるため、シュウ酸によりステンレス鋼母材が腐食されることが知られている。このため、シュウ酸溶液にFe3+イオンを添加して、ステンレス鋼の腐食電位を不動態域まで上げて保持する方法がある。
【0048】
シュウ酸溶液中でFeイオンをFe3+イオンとして存在させるためには、一般に市販されている三二酸化鉄(Fe23)または四三酸化鉄(Fe34)をシュウ酸水溶液に添加する方法が最も簡便で確実な方法である。
【0049】
そこで、本実施例ではシュウ酸溶液に三二酸化鉄と四三酸化鉄を添加し、この溶液にステンレス鋼試験片を浸漬して、それぞれのシュウ酸溶液中のFeイオンの経時変化測定とステンレス鋼表面の観察を行った。
【0050】
試験条件はシュウ酸濃度が2000ppm、温度90℃の水溶液に四三酸化鉄の粉末と三二酸化鉄の粉末をそれぞれ添加し、その中にSUS304試験片を3時間浸漬した。シュウ酸水溶液中の鉄濃度の経時変化を図2に示す。四三酸化鉄(Fe34)粉末は溶解速度が速く1.5時間で約120ppm一定となったが、三二酸化鉄(Fe23)は徐々に溶解して3時間でも80ppm程度しか溶解しなかった。
【0051】
次にシュウ酸水溶液からSUS304試験片を取り出して表面観察を行った結果、三二酸化鉄粉末を添加したシュウ酸水溶液から取り出したSUS304試験片は粒界腐食していたが、四三酸化鉄粉末を添加したシュウ酸水溶液から取り出したSUS304試験片にはほとんど変化は認められなかった。これは、三二酸化鉄粉末の溶解速度が遅いため、SUS304試験片の腐食電位が活性域から不動態域に上昇するまでの時間がかかり、その間にSUS304試験片が腐食したためと考えられる。
【0052】
本実施例によれば、シュウ酸によるステンレス鋼及びニッケル基合金の腐食を抑制するため、シュウ酸水溶液に添加する還元助剤としてシュウ酸水溶液に四三酸化鉄粉末を添加することにより原子力施設で使用される配管、機器及び構造部品等金属母材腐食を抑制することができ、除染後の材料健全性を確保することができる。
【0053】
(実施例7)
次に図3により、上記各実施例において除染するために使用する化学除染装置の一例を実施例7として説明する。
図3中、符号7は除染液8を貯留するためのバッファタンクで、このバッファタンク7には除染対象物9に対して除染液8を流入させて除染し、除染後の除染液をバッファタンク7に戻すための除染液循環系10が接続している。
【0054】
除染液循環系10はバッファタンク7の底部から除染液8を流出するための除染液流出配管11と、除染対象物9内を通流して除染し、除染後の除染液をバッファタンク7の上端からバッファタンク7内に戻す除染液戻し配管12を有している。除染液流出配管11には、除染液8を循環させる循環ポンプ13とヒータ14が順次接続され、除染液流出配管11のヒータ14と除染対象物9との間で、電解還元部15及びイオン交換部17を備えた除染液浄化系18がバイパス接続されている。
【0055】
また、バッファタンク7にはオゾン注入系19が接続されている。オゾン注入系19はオゾン水供給管20、オゾン発生器21、ミキシングポンプ22及び連結管23からなっている。連結管23はミキシングポンプ22の吸い込み側とバッファタンク7の底部とを連結している。さらに、バッファタンク7の上端には酸化助剤や還元助剤の試薬をバッファタンク7内に供給する試薬供給部24が接続されている。
【0056】
次に上記構成における化学除染装置の動作例を説明する。
除染対象物9に試薬供給部24から金属母材の腐食抑制剤である還元助剤である四三酸化鉄を120ppm(鉄濃度換算)溶解させたシュウ酸除染液8をバッファタンク7から循環ポンプ13により除染液循環系10を通して供給する。シュウ酸除染液はヒータ14により所定の温度に昇温され、所定時間にわたり除染対象物が除染される。
【0057】
シュウ酸によって、除染対象物9表面の放射性物質を含む酸化皮膜中の鉄酸化物は(15)式の反応により溶解する。また、除染液8中に溶出したFe2+イオン及び放射性核種であるCo等の陽イオンは、イオン交換部17のカチオン樹脂により分離、回収される。
【0058】
一方、シュウ酸溶液にはFe3+イオンも混在しているが、このFe3+イオンはシュウ酸と錯体[Fe((COO)233 を形成する。この錯体は、カチオン樹脂では分離、回収できないため、シュウ酸水溶液中に溶解した状態で存在する。
【0059】
そこで、シュウ酸除染終了後に電解還元部15の陽極と陰極(面積比1:10)に直流電源から直流電圧を与え、シュウ酸錯体[Fe((COO)233 のFe3+イオンは、陰極でFe2+イオンに還元する。還元されたFe2+イオンはカチオン樹脂で分離することができる。
【0060】
なお、本実施の形態においては、紫外線照射部を新たに除染液浄化系18における電解還元部15とイオン交換部17の間に設けることもできる。この場合、除染液中に残留するシュウ酸は、試薬供給部24から過酸化水素を供給するとともにこの紫外線照射部から紫外線を照射することにより、水と炭酸ガスに分解される。
【0061】
(実施例8)
本実施例はシュウ酸と錯体を形成するFe3+イオンをFe2+に還元してカチオン樹脂に分離、回収する方法で、その方法として電解還元を行う。電解還元の効果を確認するため、シュウ酸溶液中の鉄濃度の経時変化を測定した。測定結果を図4に示す。図3の電解還元部15の陽極と陰極との間に直流電圧を10V与え、所定時間毎にイオン交換樹脂部から通過するシュウ酸水溶液をサンプリングして鉄濃度を測定した。
【0062】
図4中の縦軸は鉄濃度比(各時間での濃度/初期濃度)であり、横軸は時間(h)である。図4から明らかなように、電解還元13時間でシュウ酸溶液中のほとんどの鉄はFe2+に還元され、カチオン樹脂に分離される。このようにシュウ酸溶液に溶出する鉄イオンのほとんどは、イオン交換部で分離することが可能である。
【0063】
原子力発電所において通常用いられているイオン交換樹脂(カチオン樹脂:1.9eq/L、アニオン樹脂:1.1eq/L)を基に本実施例の電解還元によりFe3+イオンをFe2+に還元してカチオン樹脂で分離、回収する場合とFe3+イオンの[Fe((COO)233 をアニオン樹脂で分離、回収する場合とでイオン交換樹脂の発生量を比較した。
【0064】
シュウ酸水溶液100m3中にFeイオンが100ppm溶解している場合は、Fe2+を分離、回収した使用済みのカチオン樹脂は190L発生する。一方、[Fe((COO)233 を分離、回収した使用済みのアニオン樹脂は490L発生する。このように、Fe3+イオンを電解還元によりFe2+に還元すると使用済みのイオン交換樹脂は、約60%削減することが可能である。
【0065】
以上のように、Fe3+イオンのシュウ酸錯体[Fe((COO)233 は、電解還元によりFe2+に還元することでカチオン樹脂で分離でき、しかもシュウ酸は炭酸ガスと水に分解できるため、シュウ酸錯体[Fe((COO)233 をアニオン交換樹脂で分離、回収する場合と比較して二次廃棄物の発生量を削減することが可能である。
【0066】
次に、試薬供給部24から金属母材腐食抑制剤としてリン酸を20ppm加えて酸性溶液にし、オゾン発生器21から発生したオゾンガスをミキシングポンプ22からオゾン水供給配管20を介してバッファタンク7内に供給してオゾンによる酸化処理用の除染液8とする。
【0067】
この除染液8を除染液流出配管11を介して循環ポンプ13により除染対象物に供給する。除染液はヒータ14により所定温度に昇温し、所定時間の除染を行うと、前述した反応式(16)ないし(17)に示した反応が起こり、除染対象物9表面の放射性物質を含む酸化皮膜中のクロム酸化物は酸化溶解される。
【0068】
除染終了後は、酸化助剤として添加したリン酸イオン(PO4 3 )、溶出金属であるクロム酸イオン(CrO4 2 、Cr24 2 )はイオン交換部17のアニオン樹脂で分離、回収される。
【0069】
なお、他の酸化助剤で燐酸塩として例えばリン酸カルシウムを添加した場合、またはリン酸水素塩としてリン酸水素カルシウムを添加した場合はカルシウムイオンはイオン交換部17のカチオン樹脂で分離、回収される。同様に硼酸、硫酸はアニオン樹脂で、それらの塩はカチオン樹脂で分離、回収される。また炭酸塩及び炭酸水素塩の塩はカチオン樹脂で分離、回収され、炭酸はガスとして気相中に脱気される。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、放射線取扱い施設等で使用される配管や機器等の金属材料の腐食を抑制して、除染後の材料健全性を確保することができる。さらに酸化助剤を添加したオゾン水溶液による酸化処理と、シュウ酸水溶液に四三酸化鉄からなる還元助剤を添加したシュウ酸水溶液による還元処理を繰り返し行うことにより、放射物質を100%近く除染することができるので、除染後の使用に対しても応力腐食割れを生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例6における耐食合金の腐食電位の分極特性図。
【図2】本発明に係る実施例6における三二酸化鉄と四三酸化鉄の溶解経時変化を示す特性図。
【図3】本発明に係る各々の実施例を行うために適用する化学除染装置を説明するための系統図。
【図4】本発明に係る実施例8において電解還元の効果を説明するための曲線図。
【符号の説明】
1…分極曲線、2…不動態域、3…活性域、4…不動態域、5…二次不動態域、6…過不動態域、7…バッファタンク、8…除染液、9…除染対象物、10…除染液循環系、11…除染液流出配管、12…除染液戻し配管、13…循環ポンプ、14…ヒータ、15…電解還元部、17…イオン交換部、18…除染液浄化系、19…オゾン注入系、20…オゾン注入配管、21…オゾン発生器、22…ミキシングポンプ、23…連結管、24…試薬供給部。

Claims (4)

  1. 除染対象物に生成または付着した放射性物質を含む酸化皮膜をオゾンが溶解した水溶液の酸化力により前記酸化皮膜を溶解して化学除染するにあたり、前記オゾンが溶解した水溶液に前記除染対象物の母材腐食を抑制する酸化助剤を添加して、前記酸化助剤を添加したオゾン水溶液による酸化処理と、シュウ酸水溶液に四三酸化鉄からなる還元助剤を添加して前記酸化皮膜の還元処理を繰り返し行い、前記酸化皮膜を溶解して除染することを特徴とする化学除染方法。
  2. 前記酸化助剤は、炭酸,炭酸塩,炭酸水素塩,硼酸,硼酸塩,硫酸,硫酸塩,燐酸,燐酸塩,燐酸水素塩から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1記載の化学除染方法。
  3. 前記シュウ酸水溶液の還元処理により溶解したFe 3+ を、電気分解により陰極でFe 2+ に還元することを特徴とする請求項2記載の化学除染方法。
  4. 前記電気分解により得られたFe 2+ をカチオン樹脂で回収することを特徴とする請求項3記載の化学除染方法。
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