JP2504580B2 - 放射性廃棄物の除染方法 - Google Patents
放射性廃棄物の除染方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、原子力発電所等から排出される鉄パイプ、
金属板のような金属質の放射性廃棄物の処理工程で用い
られる放射性廃棄物の除染方法に関するものである。
金属板のような金属質の放射性廃棄物の処理工程で用い
られる放射性廃棄物の除染方法に関するものである。
(従来の技術) 原子力発電所等から排出される放射性廃棄物はそのま
まドラム罐等に封入されて保管されているが、年々その
量が増大している。そこで放射性廃棄物の表面に付着し
ている放射能を除去することにより線量を低下させて被
曝を防止するとともに、線量を低下させた廃棄物を一般
廃棄物に準ずるものとして管理を容易にすることが望ま
れている。
まドラム罐等に封入されて保管されているが、年々その
量が増大している。そこで放射性廃棄物の表面に付着し
ている放射能を除去することにより線量を低下させて被
曝を防止するとともに、線量を低下させた廃棄物を一般
廃棄物に準ずるものとして管理を容易にすることが望ま
れている。
このため、従来から電解液に放射性廃棄物を浸漬し、
放射性廃棄物自体を陽極として通電してその表面を溶解
させ、付着している放射能を除去する方法が検討されて
いる。ところがこの方法は、汚染された大量の電解液が
発生し、その処理が容易でないこと、放射性廃棄物の形
状が一定でないためその形状に合わせて陰極を製作せね
ばならないこと、放射性廃棄物の表面がサビ等により不
導体の場合には通電のための前処理が必要であること、
処理速度が小さく大量処理ができないこと等の多くの問
題があった。
放射性廃棄物自体を陽極として通電してその表面を溶解
させ、付着している放射能を除去する方法が検討されて
いる。ところがこの方法は、汚染された大量の電解液が
発生し、その処理が容易でないこと、放射性廃棄物の形
状が一定でないためその形状に合わせて陰極を製作せね
ばならないこと、放射性廃棄物の表面がサビ等により不
導体の場合には通電のための前処理が必要であること、
処理速度が小さく大量処理ができないこと等の多くの問
題があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記したような従来の問題を解決して、廃液
発生量を最小限に抑えつつ放射性廃棄物の表面に付着し
ている放射能を迅速に除去することができる放射性廃棄
物の除染方法を提供するために完成されたものである。
発生量を最小限に抑えつつ放射性廃棄物の表面に付着し
ている放射能を迅速に除去することができる放射性廃棄
物の除染方法を提供するために完成されたものである。
(課題を解決するための手段) 上記の課題は、HCl、HNO3とHFとを含む混酸とペース
ト助剤とを混合したペーストを放射性廃棄物の表面に塗
布し、放射性廃棄物の表面を溶解させたうえで溶解され
た汚染物をペーストと共に、放射性廃棄物の表面から除
去することを特徴とする放射性廃棄物の除染方法により
解決することができる。
ト助剤とを混合したペーストを放射性廃棄物の表面に塗
布し、放射性廃棄物の表面を溶解させたうえで溶解され
た汚染物をペーストと共に、放射性廃棄物の表面から除
去することを特徴とする放射性廃棄物の除染方法により
解決することができる。
また上記の課題は、放射性廃棄物の汚染量を測定する
工程と、HCl、HNO3とHFとを含む混酸とペースト助剤と
を混合したペーストを放射性廃棄物の表面に塗布する工
程と、放射性廃棄物の表面を溶解させたうえで、溶解さ
れた汚染物をペーストと共に放射性廃棄物の表面から除
去する工程と、再び放射性廃棄物の汚染量を測定する工
程とからなる放射性廃棄物の除染方法により解決するこ
とができる。
工程と、HCl、HNO3とHFとを含む混酸とペースト助剤と
を混合したペーストを放射性廃棄物の表面に塗布する工
程と、放射性廃棄物の表面を溶解させたうえで、溶解さ
れた汚染物をペーストと共に放射性廃棄物の表面から除
去する工程と、再び放射性廃棄物の汚染量を測定する工
程とからなる放射性廃棄物の除染方法により解決するこ
とができる。
本発明においては上記のようにHClとHNO3とHFとの混
酸が使用される。HClとHNO3との混酸は王水として知ら
れるようにほとんどの金属を溶解することができ、また
HFは磁器質やガラス質を溶解することができるため、好
ましい混酸の組成は、HCl 1〜10%、HNO3 10〜50
%、HF1〜10%である。
酸が使用される。HClとHNO3との混酸は王水として知ら
れるようにほとんどの金属を溶解することができ、また
HFは磁器質やガラス質を溶解することができるため、好
ましい混酸の組成は、HCl 1〜10%、HNO3 10〜50
%、HF1〜10%である。
このような混酸は取扱いを容易にするために、ペース
ト助剤100重量部に対して50〜150重量部の比率で混合さ
れて使用される。ペースト助剤としては、例えば平均粒
径が0.5〜5μのBaSO4粉末20〜80%と、平均粒径が1.0
〜100μのポリ塩化ビニル粉末20〜80%との混合物や、
平均粒径が0.5〜5μのTiO2粉末20〜80%と、平均粒径
が10〜100μのポリエチレン粉末20〜80%との混合物等
が使用される。このペースト助剤の粒度が粗すぎると粘
性が低下して取扱いにくくなる。
ト助剤100重量部に対して50〜150重量部の比率で混合さ
れて使用される。ペースト助剤としては、例えば平均粒
径が0.5〜5μのBaSO4粉末20〜80%と、平均粒径が1.0
〜100μのポリ塩化ビニル粉末20〜80%との混合物や、
平均粒径が0.5〜5μのTiO2粉末20〜80%と、平均粒径
が10〜100μのポリエチレン粉末20〜80%との混合物等
が使用される。このペースト助剤の粒度が粗すぎると粘
性が低下して取扱いにくくなる。
これらの各成分の混合は使用の直前に行うことが好ま
しい。これは混合後徐々にHClとHNO3との反応が進行し
て塩素ガスと塩化ニトリルと水とに分解してしまうため
である。
しい。これは混合後徐々にHClとHNO3との反応が進行し
て塩素ガスと塩化ニトリルと水とに分解してしまうため
である。
次に本発明を図示の実施例とともに詳細に説明する。
(実施例) 第1図において、(1)はペースト助剤のタンク、
(2)はHClのタンク、(3)はHNO3のタンク、(4)
はHFのタンクであり、これらのタンクから配合比制御器
(5)によりコントロールされつつ供給された各原料は
混合部(6)で混合されてペーストとされる。
(2)はHClのタンク、(3)はHNO3のタンク、(4)
はHFのタンクであり、これらのタンクから配合比制御器
(5)によりコントロールされつつ供給された各原料は
混合部(6)で混合されてペーストとされる。
一方、放射性廃棄物Rは好ましくは予め汚染量測定器
(7)により放射線量を測定され、次にノズル(8)か
らその表面にペーストを塗布される。この状態のまま1
〜20分間、好ましくは5〜10分間程度保持すると、放射
性廃棄物Rの表面は溶解され、汚染物が剥離する。そこ
で水洗ノズル(9)から例えば80bar程度の高圧水を噴
射すれば、溶解された汚染物はペーストとともに放射性
廃棄物Rの表面から除去される。その後に再度汚染量測
定器(10)により放射線量の測定を行い、許容値以下ま
で線量が低下した放射性廃棄物Rは一般廃棄物に準ずる
ものとして取り扱うこが可能となる。
(7)により放射線量を測定され、次にノズル(8)か
らその表面にペーストを塗布される。この状態のまま1
〜20分間、好ましくは5〜10分間程度保持すると、放射
性廃棄物Rの表面は溶解され、汚染物が剥離する。そこ
で水洗ノズル(9)から例えば80bar程度の高圧水を噴
射すれば、溶解された汚染物はペーストとともに放射性
廃棄物Rの表面から除去される。その後に再度汚染量測
定器(10)により放射線量の測定を行い、許容値以下ま
で線量が低下した放射性廃棄物Rは一般廃棄物に準ずる
ものとして取り扱うこが可能となる。
なお廃液は中和タンク(11)により中和したうえで、
固化処理装置(12)で固化処理すればよい。
固化処理装置(12)で固化処理すればよい。
例えば、HCl 2%、HNO3 20%、HF3%の混酸を、平
均粒径が1μのBaSO4粉末50%と平均粒径が10μのポリ
塩化ビニル粉末50%とを混合したペースト助剤に50:50
の比率で混合してペーストを作成し、これを鉄系の放射
性廃棄物Rの表面に塗布して5分間保持後に水洗したと
ころ、放射線量を1/20にまで低下させることができた。
均粒径が1μのBaSO4粉末50%と平均粒径が10μのポリ
塩化ビニル粉末50%とを混合したペースト助剤に50:50
の比率で混合してペーストを作成し、これを鉄系の放射
性廃棄物Rの表面に塗布して5分間保持後に水洗したと
ころ、放射線量を1/20にまで低下させることができた。
(発明の効果) 以上に説明したように、本発明によれば放射性廃棄物
の表面に、HCl、HNO3、HFを含むペーストを塗布して汚
染物を溶解させたうえ、ペーストとともに除去するだけ
で、放射性廃棄物の表面の金属、サビ等を確実に溶解さ
せ、表面に付着している汚染物を容易に除去することが
できる。またこの方法によればペーストを使用したの
で、従来の電解法に比較して廃液の発生量を大幅に減少
させることができるうえ、放射性廃棄物の表面にサビ等
が付着していても煩雑な前処理等を全く必要としない。
そして除染された後の放射性廃棄物の放射線量が所定レ
ベル以下であることが確認されれば、以後は一般廃棄物
に準ずるものとしての取扱いが可能となる。
の表面に、HCl、HNO3、HFを含むペーストを塗布して汚
染物を溶解させたうえ、ペーストとともに除去するだけ
で、放射性廃棄物の表面の金属、サビ等を確実に溶解さ
せ、表面に付着している汚染物を容易に除去することが
できる。またこの方法によればペーストを使用したの
で、従来の電解法に比較して廃液の発生量を大幅に減少
させることができるうえ、放射性廃棄物の表面にサビ等
が付着していても煩雑な前処理等を全く必要としない。
そして除染された後の放射性廃棄物の放射線量が所定レ
ベル以下であることが確認されれば、以後は一般廃棄物
に準ずるものとしての取扱いが可能となる。
よって本発明は大量の放射性廃棄物の迅速な処理を可
能としたもので、従来の問題点を一掃した放射性廃棄物
の除染方法として、産業の発展に寄与するところは極め
て大きいものである。
能としたもので、従来の問題点を一掃した放射性廃棄物
の除染方法として、産業の発展に寄与するところは極め
て大きいものである。
第1図は本発明の実施例を説明するフローシートであ
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】HCl、HNO3とHFとを含む混酸とペースト助
剤とを混合したペーストを放射性廃棄物の表面に塗布
し、放射性廃棄物の表面を溶解させたうえで溶解された
汚染物をペーストと共に、放射性廃棄物の表面から除去
することを特徴とする放射性廃棄物の除染方法。 - 【請求項2】放射性廃棄物の汚染量を測定する工程と、
HCl、HNO3とHFとを含む混酸とペースト助剤とを混合し
たペーストを放射性廃棄物の表面に塗布する工程と、放
射性廃棄物の表面を溶解させたうえで、溶解された汚染
物をペーストと共に放射性廃棄物の表面から除去する工
程と、再び放射性廃棄物の汚染量を測定する工程とから
なることを特徴とする放射性廃棄物の除染方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1227902A JP2504580B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 放射性廃棄物の除染方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1227902A JP2504580B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 放射性廃棄物の除染方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0390897A JPH0390897A (ja) | 1991-04-16 |
JP2504580B2 true JP2504580B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=16868100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1227902A Expired - Fee Related JP2504580B2 (ja) | 1989-09-01 | 1989-09-01 | 放射性廃棄物の除染方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2504580B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5766471B2 (ja) * | 2011-03-07 | 2015-08-19 | 三菱重工業株式会社 | 放射性廃棄物除染方法 |
JP5936121B2 (ja) * | 2012-05-23 | 2016-06-15 | 株式会社ダイアテック | 放射性物質の除染方法 |
JP6403517B2 (ja) * | 2014-09-25 | 2018-10-10 | 三菱重工業株式会社 | 放射性廃棄物除染方法 |
CN109273130B (zh) * | 2018-08-07 | 2022-03-29 | 西南科技大学 | 一种高硫高钠高放废液玻璃陶瓷固化体的制备方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3143440A1 (de) * | 1981-11-02 | 1983-05-19 | Kernforschungszentrum Karlsruhe Gmbh, 7500 Karlsruhe | Verfahren zur dekontamination von radioaktiv kontaminierten oberflaechen metallischer werkstoffe |
JPS6232400A (ja) * | 1985-08-06 | 1987-02-12 | 株式会社東芝 | 放射能汚染の除洗方法 |
JPS6484198A (en) * | 1987-09-28 | 1989-03-29 | Toshiba Corp | Decontamination system for radioactive waste |
-
1989
- 1989-09-01 JP JP1227902A patent/JP2504580B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0390897A (ja) | 1991-04-16 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |