JP2016056521A - アスベスト含有壁の処理方法 - Google Patents

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【課題】湿式環境下でアスベストを除去することができるとともに、後処理としてのアスベストを含む処理材を短時間で効率よく、かつ経済的に処理することができる。【解決手段】水を混入させた切削機を用いてアスベスト含有壁を除去するアスベスト除去工程と、そのアスベスト除去工程で除去されたアスベストを含有する処理材を吸引して回収する処理材回収工程と、その処理材回収工程で回収された処理材を粗取り処理工程10及び凝集分離工程20からなる固液分離処理により固形分と水分とに分離する濁水処理工程と、を有し、アスベスト除去工程における除去部、及び処理材回収工程における処理材吸引部は、アスベスト含有壁に対して隙間なく密接可能な筐体内で行われるアスベスト含有壁の処理方法を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、例えばウォータージェット等の湿式除去手段を用いてアスベスト含有壁を除去した処理材を効率よく処理できるようにしたアスベスト含有壁の処理方法に関する。
アスベスト(石綿)は、不燃性、断熱性、吸音性等の優れた性質を有しているため、従来から建築物の建材等として広く使用されてきた。しかし、アスベストは、これを含む粉塵を吸引すると中皮腫に代表されるような健康被害を引き起こすことが明らかになってきている。このため、現在ではアスベストが建材等として使用されていない。
しかしながら、現在、アスベストが建材等として使用されなくなってきていても、アスベストを含む建材を使用した建築物は多く存在し、そのような建築物の解体あるいは改修にあたっては、アスベストが飛散しないような厳重な管理の下に作業を進めることが法規制により義務付けられている。
特許文献1には、吹付けアスベストや石綿含有吹付けロックウールをアスベストが飛散しないようにした除去方法が開示されている。すなわち、この特許文献1には、建築物の建材に付着している石綿の除去作業中に作業現場周辺への石綿の飛散防止を図るため作業場所を隔離する養生工程と、石綿を剥離して取り除く除去工程と、除去した石綿及び石綿を含んだ廃棄物を処理する処理工程とからなる除去方法が示されている。
そして、その除去方法における除去工程では、圧縮エアと高圧水の混気ジェット噴流とによる直接洗浄を行う剥離手段によって建築物に付着している石綿を剥離させるとともに、隔離養生内を噴霧状態にして剥離された石綿と噴霧水滴とを混合させて落下させ、泥状とするようにしている。
特開2007−92387号公報
しかしながら、従来のアスベストの除去方法では、以下のような問題があった。
すなわち、上記特許文献1に示されるように、高圧水を噴射することによってアスベストを除去する場合は、大掛かりで厳重な養生を行わなければならないといいう欠点があった。
また、上記特許文献1に示されるように、湿式環境下でアスベストを除去する場合は、除去したアスベストと高圧水とを含む処理材をバキューム等で洩れなく回収する必要があり、手間と時間がかかるという問題があった。しかも、水とアスベストが混合された処理材の後処理としては、単に沈降分離で固液分離処理する方法が一般的であるが、大容量の沈殿池を必要とするとともに、沈降分離に長時間要するという問題点を有していた。
このように、湿式によるアスベスト含有壁の除去方法において、除去工程と除去後の処理材の処理工程とを、短時間で効率よく、かつ経済的に処理でき、しかも質の高い処理をバランス良く達成できる処理方法が求められており、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、湿式環境下でアスベストを除去することができるとともに、後処理としてのアスベストを含む処理材を短時間で効率よく、かつ経済的に処理することができるアスベスト含有壁の処理方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係るアスベスト含有壁の処理方法は、アスベスト含有壁を除去し、この除去工程により発生したアスベスト材を処理するためのアスベスト含有壁の処理方法であって、水を混入させた湿式除去手段を用いてアスベスト含有壁面を除去するアスベスト除去工程と、前記アスベスト除去工程で除去されたアスベストを含有する処理材を吸引して回収する処理材回収工程と、前記処理材回収工程で回収された処理材を固液分離処理により固形分と水分とに分離する濁水処理工程と、を有し、前記アスベスト除去工程における除去部、及び前記処理材回収工程における処理材吸引部は、前記アスベスト含有壁に対して隙間なく密接可能な筐体内で行われることを特徴としている。
本発明に係るアスベスト含有壁の処理方法では、湿式除去手段を用いて湿式でアスベスト含有壁が剥離、除去されるとともに、その除去に使用された水や除去されたアスベストが混合された処理材を吸引により回収される。そして、処理材回収工程で回収された処理材は、濁水処理工程で放流可能処理水とアスベストを含む固形物とに分離され、処理することができる。
このとき、アスベスト除去工程における除去部、及び処理材回収工程における処理材吸引部は、アスベスト含有壁に対して隙間なく密接される筐体内で行われることから、除去に使用される水や除去されるアスベストの周囲への飛散を防止することができる。しかも除去時に生じる水や除去したアスベスト材をその除去部分で確実に回収することができるので、作業壁面の下方に落下したものを吸引する場合に比べて作業効率を向上させることができる。
本発明に係るアスベスト含有壁の処理方法は、前記湿式除去手段は、噴射ノズルを備えたウォータージェットであって、高圧水を噴射させることにより前記アスベスト含有壁を除去することが好ましい。
この場合には、湿式処理手段が高圧水を用いたウォータージェットであるので、効率よく短時間でアスベスト含有壁を切削することが可能となる。そして、このように高圧水によるウォータージェットを用いた場合であっても、筐体内でアスベスト含有壁の除去を行うことができるので、周囲への飛散を防止することができる。
本発明に係るアスベスト含有壁の処理方法は、前記アスベスト除去工程及び前記処理材回収工程では、前記筐体内において噴射ノズルから高圧水を噴射するとともに、その噴射された高圧水と除去されたアスベストからなる処理材を吸引する吸引回収型の切削機が用いられることが好ましい。
このように構成されるアスベスト含有壁の処理方法では、ハンディタイプの吸引回収型の切削機を用いる方法となるので、作業員が切削機を手で持って容易に作業を行うことができる利点がある。
本発明に係るアスベスト含有壁の処理方法は、前記濁水処理工程は、水分中に含まれている懸濁物を凝集処理した後に固液分離する凝集分離工程を有することが好ましい。
この場合には、処理材から固形物を凝集分離処理するので、処理水を放流可能な程度まで容易に処理することができる。
本発明に係るアスベスト含有壁の処理方法は、前記凝集分離工程の前には、スクリーンを用いて濁水から固形物を粗取りする粗取り処理工程が設けられていることがより好ましい。
上記構成に係るアスベスト含有壁の処理方法は、スクリーンを使用した粗取り処理工程を用いているので、後段にあたる凝集分離工程の負荷を軽減することができるうえ、質の高い処理を行うことができる。
本発明のアスベスト含有壁の処理方法によれば、アスベスト含有壁の除去作業から処理までの一連の工程において、処理材の周囲への飛散が抑制される処理方法となり、アスベスト含有壁の周辺を従来のように厳重に養生する必要がなくなることから、短時間で効率よく、かつ経済的な処理を行うことができる。
本発明の一実施形態に係るアスベスト含有壁の処理方法におけるアスベスト除去及び処理材回収の工程図である。 本発明の一実施形態に係るアスベスト含有壁の処理方法における濁水処理の工程図である。
以下、本発明の実施の形態によるアスベスト含有壁の処理方法について、図面を用いて説明する。なお、本発明は、この実施の形態により限定されるものではなく、また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一ものも含まれる。
図1は、本発明の一実施形態に係るアスベスト含有壁の処理方法におけるアスベスト除去及び濁水回収の両方を含むアスベスト除去工程・処理材回収工程1を示している。この図1では、建築物Bの垂直状に設けられているアスベスト含有壁Wは、コンクリート製壁面に下地としてアスベストが塗布され、そのアスベスト塗布面上に塗料が塗布されている。このため、塗料の剥離・除去に当たっては下地のアスベストの塗布層を含んで除去される。また、除去物中にはアスベストが含まれているために、廃棄物としての除去物は、法規制により、排出されてから処理されるまでの間、常に注意して取り扱うこととされている「特別管理産業廃棄物」、いわゆる「特管物」として扱われる。以下、各工程を順に説明する。
(アスベスト除去工程・処理材回収工程)
先ず、建築物B内を事前清掃した後、作業員Mの作業床面や作業用の足場Fの下側床面等の作業箇所が図示しないビニールシート等の水を通さないプラスチックス性フィルムで覆われる。なお、この不透水性のフィルムによる養生は、仮に水がこぼれたときに、後に水を容易に除去できるようにするためであり、従来のような剥離及び除去の作業現場を厳重に、かつ、気密状に養生するのと異なっている。
上述の不透水性のフィルムによる養生後、作業員Mによって切削機2(湿式除去手段)を用いて剥離及び除去作業が行われる。作業員Mの作業は、特管物を取り扱うのに適したマスク等の保護具が着用して行われる。そして、作業員Mの使用する切削機2は、噴射ノズルを備えたウォータージェットが切削機構となっており、吸引部を有する周知の吸引回収型のハンディタイプの切削機が用いられる。この切削機2は、作業員Mが保持可能な大きさと重量を持った椀状または有底筒状の筐体を有し、その筐体の開放口側をアスベスト含有壁Wに密接させた状態で移動できるように構成されている。
切削機2の筐体内に配設された図示しない噴射ノズルには、建築物Bの近くに運ばれてきている高圧水生成車3で生成された高圧水が高圧水供給ホース3aを介して供給されるように構成されている。また、切削機2の筐体内は、建築物Bの近くに運ばれてきているバキュームカー4と吸引ホース4aを介して接続されている。さらに、高圧水供給ホース3a及び吸引ホース4aの途中には、セフティセレクタ5が設けられていて、筐体の開放口側がアスベスト含有壁Wから離れたときには、筐体への高圧水の供給が停止されるとともに、筐体内からの吸引が停止されるように構成されている。
上記構成からなる切削機2は、筐体内に供給された高圧水によりその筐体の開口面に対向した部分のアスベストを含む塗料(処理材)を剥離することができ、そして、その剥離されたアスベストを含む塗料は筐体内から吸引され、バキュームカー4に回収される。したがって、この切削機2を用いたアスベストを含む塗料の除去に当たっては、切削機2の筐体内から高圧及び水剥離されたアスベストを含む塗料が漏れることなく作業を行うことができる。
アスベストを含む塗料の剥離が終了した後は、足場F等の機材が撤去された後に事後清掃が行われる。その後、建築物Bは、必要に応じて、再度、新たな塗料が塗布されたり、あるいは解体処理されたりされる。
(濁水処理工程)
次に、図2の本発明の一実施形態に係るアスベスト含有壁の処理方法における濁水処理工程図を用いて説明する。この濁水処理工程には、建築物Bから離れている所定の処理センタに設けられていて、前段の粗取り処理工程10と、後段の凝集分離工程20とで構成されている。以下、順に説明する。
(粗取り処理工程)
粗取り処理工程10は、前述したアスベスト除去・処理材回収工程1のバキュームカー4(図1参照)で回収されたアスベスト及び塗料を含んだ濁水を受け入れるベッセルタンク11と、スクリーン処理部12とで構成されている。
ベッセルタンク11は、一台のバキュームカー4の容量以上とされていて、複数の剥離・除去作業現場にも耐用できるような容量とされている。そして、このベッセルタンク11内の濁水は、ポンプ11aを介してスクリーン処理部12に供給できるように構成されている。
スクリーン処理部12は、受水槽12aと、スクリーン12bと、固形物貯槽12cと、ろ過水槽12dとを含んで構成されている。
受水槽12aは、ベッセルタンク11側からの濁水を受け入れられるように構成されているとともに、スクリーン12b上に濁水を均一に供給できるように構成されている。
スクリーン12bは、所定の目開きを有するスクリーンで構成されている。なお、スクリーン12bとしては、水処理分野や食品加工分野等の各種分野で汎用されている濾布やバースクリーン等の所定の目開きを有する周知の固液分離手段を用いることができる。
固形物貯槽12cは、スクリーン12bでろ過されなかった固形物、すなわち、アスベスト及び塗料を含んだ固形物がスクリーン12bから受け入れられるように構成されている。なお、この固形物貯槽12c内の固形物は、二重袋に袋詰め等が施されて特管物に適合した処理がなされる。
ろ過水槽12dは、スクリーン12bを通過したろ過水を受けられるように構成されている。このろ過水中には、スクリーン12bの目開きを通過したアスベスト及び塗料の懸濁固形物を含んでいるので、ろ過水槽12dのろ過水は、ポンプ12eを介して次の凝集分離工程20に送出されるように構成されている。
(凝集分離工程)
凝集分離工程20は、原水槽21と、混合撹拌凝集槽22と、凝集反応装置23と、サイクロン固液分離槽24と、スリット式固形物分離機25と、処理水槽26と、固形物貯槽27と、中和装置28とを含んで構成されている。
原水槽21は、粗取り処理工程10のろ過水槽12dのろ過水を原水として受け入れることができるように構成されている。そして、その受け入れられた原水、すなわち、アスベスト及び塗料の懸濁固形物を含んでいる原水をポンプ21aを介して混合撹拌凝集槽22に送出できるように構成されている。
混合撹拌凝集槽22は、所定容量の容積を有していて、原水槽21から受け入れた原水と凝集剤注入器22aから注入された無機凝集剤等の所定の凝集剤とを混合撹拌できるように構成されているとともに、原水中に含まれているアスベスト及び塗料の懸濁固形物のフロック化を生成できるように構成されている。そして、混合撹拌凝集槽22でフロック化された原水は、ポンプ22bを介して凝集反応装置23に供給されるように構成されている。なお、この混合撹拌凝集槽22で使用される凝集剤は、原水に含まれる懸濁固形物の性状によって適宜選択される。
凝集反応装置23は、パイプ式凝集反応装置で構成されていて、パイプ内を流れる途中において、アスベスト及び塗料の懸濁固形物のフロック化が促進されるように構成されている。そして、この凝集反応装置23の下流側は、サイクロン固液分離槽24に接続されるように構成されている。
サイクロン固液分離槽24は、周知のサイクロン式の固液分離槽と同様に、内部に内筒24aを設けて構成されていて、その内筒24aの上端部には、凝集反応装置23からのフロックを含む原水が供給されるように構成されている。そして、このサイクロン固液分離槽24の下部からはサイクロン作用により分離された固形物及び内筒24a内に浮遊している浮上物(スカム)は、スリット式固形物分離機25に排出されるように構成され、また、サイクロン固液分離槽24の上部に設けられている越流樋24bに流出した越流水は、処理水槽26に排出されるように構成されている。
スリット式固形物分離機25は、複数の楕円状体を水平方向に回転自在に並設して構成されていて、それら楕円状体上には、サイクロン固液分離槽24からの固形物を受け入れることができるように構成されている。そして、このスリット式固形物分離機25は、互いに隣接する楕円状体間に存在する隙間から固形物に含まれる水分を落下させて分離できるように構成されているとともに、水分を分離した固形物を楕円状体上の一方向(図示の例では右方向)に移動して固形物貯槽27に排出できるように構成されている。また、スリット式固形物分離機25で分離された水分は、凝集反応装置23に返送されて処理されるように構成されている。なお、このスリット式固形物分離機25の代わりに、固形物を回転スクリューで持ち上げて固液分離するスクリュー式固形物分離機等の他の形式の固形物分離機としてもよい。
処理水槽26は所定容量を有して構成されている。そしてその処理水槽26内には中和装置28のセンサ28aが設けられていて処理水槽26内の処理水のpHを検出できるように構成されている。また、この処理水槽26内の処理水は、後述するように中和処理されているので放流できる基準まで処理されている。なお、処理水槽26内の処理水は、高圧水生成車3用の原料水に使用することもできる。
固形物貯槽27は、所定容量を有していて、スリット式固形物分離機25からの固形物を受け入れることができるように構成されている。そして、この固形物には、アスベストを含んでいるので、粗取り処理工程10の固形物貯槽12c内の固形物と同様に特管物に適合した処理がなされる。
中和装置28は、処理水槽26内に設けられているセンサ28aにより処理水のpHの検出信号を入力できるように構成されているとともに、その入力された検出信号に基づいてサイクロン固液分離槽24の内筒24aに中和剤を注入できるように構成されている。したがって、サイクロン固液分離槽24から処理水槽26に排出される処理水の水質は、放流基準を満たすpHに調整される。
次に、上述した構成のアスベスト含有壁の処理方法の作用・効果について、図面に基づいて詳細に説明する。
上記構成からなるアスベスト含有壁の処理方法は、図1に示すように、ウォータージェットを備えた切削機2を用いて湿式でアスベスト含有壁Wが剥離、除去されるとともに、その除去に使用された水や除去されたアスベストが混合された処理材を吸引により回収される。そして、処理材回収工程で回収された処理材は、濁水処理工程で放流可能処理水とアスベストを含む固形物とに分離され、処理することができる。
このとき、アスベスト除去工程における除去部、及び処理材回収工程における処理材吸引部は、アスベスト含有壁Wに対して隙間なく密接される切削機2の筐体内で行われることから、除去に使用される水や除去されるアスベストの周囲への飛散を防止することができる。
しかも除去時に生じる水や除去したアスベスト材をその除去部分で確実に回収することができるので、作業壁面の下方に落下したものを吸引する場合に比べて作業効率を向上させることができる。
また、本実施の形態では、切削機2(湿式処理手段)が高圧水を用いたウォータージェットであるので、効率よく短時間でアスベスト含有壁Wを切削することが可能となる。そして、このように高圧水によるウォータージェットを用いた場合であっても、筐体内でアスベスト含有壁Wの除去を行うことができるので、周囲への飛散を防止することができる。
しかも、ハンディタイプの吸引回収型の切削機2を用いる方法となるので、作業員が切削機を手で持って容易に作業を行うことができる利点がある。
また、本実施の形態では、処理材から固形物を凝集分離処理するので、処理水を放流可能な程度まで容易に処理することができる。
さらに、図2に示すように、スクリーン12bを使用した粗取り処理工程10を用いているので、後段にあたる凝集分離工程20の負荷を軽減することができるうえ、質の高い処理を行うことができる。
なお、上述したアスベスト含有壁の処理方法では、凝集分離工程20の前にスクリーン12bを用いた粗取り処理工程10を設けているが、この粗取り処理工程10を省略することもできる。しかし、この粗取り処理工程10を用いたときは、後段の凝集分離工程20の負荷を軽減できる効果を得ることができる。
上述のように本実施の形態によるアスベスト含有壁の処理方法によれば、アスベスト含有壁Wの除去作業から処理までの一連の工程において、処理材の周囲への飛散が抑制される処理方法となり、アスベスト含有壁Wの周辺を従来のように厳重に養生する必要がなくなることから、短時間で効率よく、かつ経済的な処理を行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明のアスベスト含有壁の処理方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述の例では、切削機2は、筐体内に高圧水を噴出させるウォータージェットを備えるとともに、噴出された水を吸引する吸引回収型としたが、表面を切削やブラシ等で剥離する他の形式の切削機を用いることができる。いずれにしても、アスベスト含有壁を湿式環境下で剥離・除去し、その剥離・除去した固形物を含む濁水を吸引できる形式の水を混入させた湿式除去手段によるものであれば採用することができる。
また、上述の例では、アスベスト含有壁Wは建築物Bの壁面としたが、建築物内に設けられているアスベスト含有する物体にあってもよい。例えば、建築物内の風呂釜の煙突や排水管、灌漑用導水管などで用いられているような石綿管を適用対象とすることも可能である。
B 建築物
W アスベスト含有壁
M 作業員
F 足場
1 アスベスト除去工程・処理材回収工程
2 切削機
3 高圧水生成車
3a 高圧水供給ホース
4 バキュームカー
4a 吸引ホース
5 セフティセレクタ
10 粗取り処理工程
11 ベッセルタンク
11a ポンプ
12 スクリーン処理部
12a 受水槽
12b スクリーン
12c 固形物貯槽
12d ろ過水槽
12e ポンプ
20 凝集分離工程
21 原水槽
21a ポンプ
22 混合撹拌凝集槽
22a 凝集剤注入器
22b ポンプ
23 凝集反応装置
24 サイクロン固液分離槽
24a 内筒
24b 越流樋
25 スリット式固形物分離機
26 処理水槽
27 固形物貯槽
28 中和装置
28a センサ

Claims (5)

  1. アスベスト含有壁を除去し、この除去工程により発生したアスベスト材を処理するためのアスベスト含有壁の処理方法であって、
    水を混入させた湿式除去手段を用いてアスベスト含有壁を除去するアスベスト除去工程と、
    前記アスベスト除去工程で除去されたアスベストを含有する処理材を吸引して回収する処理材回収工程と、
    前記処理材回収工程で回収された処理材を固液分離処理により固形分と水分とに分離する濁水処理工程と、
    を有し、
    前記アスベスト除去工程における除去部、及び前記処理材回収工程における処理材吸引部は、前記アスベスト含有壁に対して隙間なく密接可能な筐体内で行われることを特徴とするアスベスト含有壁の処理方法。
  2. 前記湿式除去手段は、噴射ノズルを備えたウォータージェットであって、高圧水を噴射させることにより前記アスベスト含有壁を除去することを特徴とする請求項1に記載のアスベスト含有壁の処理方法。
  3. 前記アスベスト除去工程及び前記処理材回収工程では、前記筐体内において噴射ノズルから高圧水を噴射するとともに、その噴射された高圧水と除去されたアスベストからなる処理材を吸引する吸引回収型の切削機が用いられることを特徴とする請求項2に記載のアスベスト含有壁の処理方法。
  4. 前記濁水処理工程は、水分中に含まれている懸濁物を凝集処理した後に固液分離する凝集分離工程を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアスベスト含有壁の処理方法。
  5. 前記凝集分離工程の前には、スクリーンを用いて濁水から固形物を粗取りする粗取り処理工程が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のアスベスト含有壁の処理方法。
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