JP2007123544A - スピネル型フェリ磁性微粒子粉末及びその製造方法 - Google Patents

スピネル型フェリ磁性微粒子粉末及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スピネル型フェリ磁性体粒子の微粒子化を図りつつ、さらなる磁気特性の向上、特に大きな保磁力を有する磁性粒子粉を得ること。
【解決手段】組成式(CoO)(NiO)y−z(M0.5z・n/2Fe(MはCr又はY)において、Feと(Co+Ni+M)との比n(Fe/(Co+Ni+M))の値が、2.2<n<3.0であり、0.65<x<0.9、0.08<y<0.3、0.008<z<0.025、x+y+z=1であるスピネル型フェリ磁性微粒子粉末である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スピネル型フェリ磁性微粒子粉末及びその製造方法に関し、詳しくは、微細な粒子、殊に、平均粒子径が5〜30nmであるにも関わらず、高い保磁力を有するスピネル型フェリ磁性微粒子粉末及びその製造方法に関する。
近年、磁気記録媒体である磁気テープ等に対する高性能化、高密度記録化などの要求に伴い高い保磁力(Hc)を有していて磁性特性に優れた磁気記録媒体が使用されている。磁気記録媒体の前述の特性は、磁気記録媒体に使用される磁性粒子と密接な関係を有しているため、高密度記録材料として、粒子径が比較的微細で、より高い保磁力(Hc)と大きな飽和磁化値(σs)を有するスピネル型フェリ磁性粒子が提案されている。
例えば、式:(CoO)x(NiO)y・n/2(Fe)(但し、2.0<Fe/M(モル比)<3.0、0.4≦x≦0.9、0.1≦y≦0.6 x+y=1)で示されるスピネル型フェリ磁性粒子(特許文献1参照)及び式:(CoO)0.5−x(NiO)0.5−y(MO)z+y・n/2(Fe)(式中、Mは、Co及びNiを除く2価金属、2.0<n=Fe/M(モル比)<3.0、0.4≦x≦0.5、0≦y<0.5、0<x+y<0.5)で示され、超磁性成分の含有量が2質量%以下であるスピネル型フェリ磁性粒子(特許文献2参照)、(MO)・n/2(Fe)(Mが、Co,Ni,Zn,Mnから選ばれる一種以上の金属)2.0<n<3.0であって、超常磁性粉が5質量%以下であるスピネル型フェリ磁性粉(特許文献3)が知られている。
特開2004−231460号公報 国際公開WO2004/100190号公報 特開2005−109191号公報
しかしながら、上記のスピネル型フェリ磁性粒子はこれまで以上の保磁力の向上を図ることができず、使用した磁気記録媒体は、高密度記録用磁気記録媒体としては、不十分であり、更なる改善が求められている。
本発明は、上述した従来の課題が有する欠点を改善し、特に、微粒子化を図りつつ保磁力の向上を図ることを目的とする。
本発明者らは、種々検討を重ねた結果、鉄と2価そして3価の金属からなるスピネル型フェリ磁性粒子であって、超常磁性成分が特定量以下である、平均粒子径が40nm以下のスピネル型フェリ磁性粒子は、微粒子でありながら高い保磁力を示すことを見出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
本発明は、上記の知見に基づき完成されたものであり、その第1の要旨は、組成式:(CoO)x(NiO)y−z(M)0.5z・n/2(Fe)(式中、Mは3価の金属で、n=Fe/(Co+Ni+M)(モル比)の値が2.2<n<3.0、0.65<x<0.9、0.08<y<0.3、0.008<z<0.025、x+y+z=1 で表されるスピネル型フェリ磁性微粒子粉末であって、平均粒子径が5〜30nmであることを特徴とするスピネル型フェリ磁性微粒子粉末に存する。
本発明の第2の要旨は、3価鉄(Fe)含有水溶液と2価コバルト(Co)含有水溶液、2価ニッケル(Ni)含有水溶液そして3価の金属(M:Cr、Y)含有水溶液とを2.2<Fe/(Co+Ni+M)<3.0の割合で混合する原料水溶液を調整し、原料水溶液のアルカリ濃度が0.05〜10Mとなるように、60℃以上101℃未満の温度でアルカリ水溶液を当該原料水溶液に添加する共沈殿物含有液の生成工程;当該共沈殿物含有液を80〜101℃で加熱処理する黒色微粒子の生成工程;黒色微粒子を洗浄してアルカリを除去した後、酸を添加して超常磁性成分を除去する黒色微粒子のエッチングを行い、エッチング処理された黒色微粒子含有液をろ過及び洗浄する黒色微粒子の洗浄工程から成ることを特徴とする第1の要旨に記載のスピネル型フェリ磁性微粒子の製造方法に存する。
本発明によれば、平均粒子径が5〜30nmでありながら、高い保磁力を有する。従って、本発明であるスピネル型フェリ磁性微粒子粉末は、デジタル磁気記録媒体として使用すれば記録密度の高密度化に大いに寄与できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末について説明する。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末は、式;(CoO)x(NiO)y−z(M)0.5z・n/2(Fe)で示される(MはY、Cr)。n=Fe/(Co+Ni+M)(モル比)はスピネル型フェライトの化学量論量より大きい値であり、具体的には、2.2<n<3.0である。
n=Fe/(Co+Ni+M)(モル比)が2.2を越え3.0未満の場合は単相のスピネル型フェリ磁性微粒子粉末が生成する。しかしながら、nが2.2以下の場合は2相の磁性粒子または異相が混在する粒子が生成する。nが3.0以上の場合は、酸化鉄が混在する粒子を生成する。2相の磁性粒子、異相が混在する粒子または酸化鉄が混在する粒子は、磁性材料としての磁気特性が低下し、本発明の目的を達成することが困難である。スピネル型フェリ磁性微粒子粉末の保磁力の更なる向上を考慮すると、2.25<n<2.85が好適である。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末における3価金属(M)は、Y及び/又はCrである。そして、その様なスピネル型フェリ磁性微粒子粉末は、式:(CoO)(NiO)y−z(M0.5z・n/2Feで示した場合、xが0.65<x<0.9、好ましくは0.68<x<0.89であり、yが0.08<y<0.3、好ましくは0.085<y<0.28であり、zが通常0.0008<z<0.025、好ましくは0.0009<z<0.024であり、x+y+z=1である。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末中の超常磁性成分の含有量は2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。超常磁性成分の含有量が2質量%を超える場合は、周囲の磁界の強さに応じてスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の磁化状態が変動するため、磁化を安定に保つことが出来ない。なお、本発明で言う『超常磁性成分』とは、超常磁体の中で特に強く磁化される物質を意味し、その成分は、FeとCo、Ni、Y及び/又はCrとを含む水酸化物と推定される。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の平均粒子径は5〜30nmが好ましく、より好ましくは8〜28nm、更により好ましくは9〜28である。平均粒子径が5nm未満の場合は、スピネル型フェリ磁性微粒子粉末の飽和磁化値が低くなり、磁性材料としての特性が不十分である。30nmを超える場合は、製造した磁気記録媒の粒子性ノイズが増加する。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末のBET比表面積値は、50〜100m/gが好ましい。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の飽和磁化σsは50.3×10−6〜98.0×10−6Wb・m/kg(40〜78emu/g)が好ましい。50.3×10−6Wb・m/kg(40emu/g)以下の値では磁性材料として特性不足である。より好ましくは60.0×10−6〜98.0×10−6Wb・m/kg(47〜78emu/g)である。ちなみに、本願においては、1emu/g=4π×10−7Wb・m/kgとしている(πは円周率)。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の保磁力HcJは0.239〜1.5MA/m(3.0〜18.8kOe)であるが、0.239MA/m(3000Oe)以下では目的とする磁性材料として特性不足である。好ましくは0.60〜1.5MA/m(7.5〜18.8kOe)である。ちなみに、本願においては、1Oe=10/4πA/mとしている(πは円周率)。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末のσr/σsは、0.575以上が好ましく、より好ましくは0.60〜0.65である。
次に、本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の製造法について述べる。
本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の製造法は、所定濃度に調整したFe3+、Co2+、Ni2+、Y3+、Cr3+の各水溶液を所定のモル比(上述したnの値の範囲内)に調合して混合水溶液とする第1工程、
さらに、アルカリ水溶液に当該混合水溶液中に全金属イオンに対して1当量以上で、添加後の溶液の過剰アルカリ濃度(アルカリ濃度)が0.05〜10mol/lとなる量に添加して沈殿スラリーを生成する第2工程、
続いて、沈殿スラリーを攪拌しながら80乃至101℃の温度で加熱処理し黒色粒子を生成する第3工程、
黒色粒子を洗浄してアルカリを除去した後、酸を添加して超常磁性成分を除去、エッチングする第4工程の、各工程から成る方法である。
本発明で使用する原料金属塩とは、鉄原料は塩化第二鉄、硫酸第二鉄などの第二鉄塩、コバルト原料は塩化コバルト、硫酸コバルトなど、また、ニッケル原料は塩化ニッケル、硫酸ニッケルなどの水可溶性塩類である。イットリウム原料は塩化イットリウム、硝酸イットリウムなど、クロム原料は塩化クロム、硫酸クロムなどの水可溶性塩類である。但し、これらに限定されるものではない。
前記製造方法の第1工程では、各原料水溶液を所定のモル比となるように添加・混合すればよい。添加順序及び添加速度は特に限定されるものではない。
本発明における第2工程は、アルカリ水溶液に原料混合水溶液を添加して沈殿を生成する工程であるが、アルカリの量は原料金属塩水溶液中の全金属イオンに対して1当量以上の量であり、添加後の溶液の過剰アルカリ濃度(アルカリ濃度)が0.05〜10mol/lとなる量である。なお、アルカリの量を上記のようにしたのは、0.05mol/l未満の場合はスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の結晶化が不完全なことがある。また、アルカリ添加後の水溶液のOH基濃度が10mol/l以上では、保磁力が著しく低下することがある。
本発明で使用するアルカリとは、苛性ソーダ、アンモニア水など水可溶性苛性アルカリ類であるが、これらに限定されるものではない。
また、共沈殿物含有スラリー中の金属イオン濃度は、通常0.05〜1.0M(モル)が好ましく、より好ましくは0.1〜0.8M(モル)である。金属イオン濃度が0.05M未満の場合は、共沈物の濃度が低くなりすぎて、経済的でない。また、金属イオン濃度が1.0Mを越える場合は、生成するスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の粒度分布が大きくなり、本発明の目的を達成することが困難である。
また、第2工程は、30〜101℃の温度で行うことが好ましい。30℃未満の場合はスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の結晶化が不完全なことがある。
本発明における第3工程は、共沈殿含有スラリーを加熱してスピネル型結晶微粒子を生成する工程であるが、加熱温度は80〜101℃が好ましい。101℃を越えて加熱することは常圧下では困難であり、オートクレーブ等の特殊な装置を必要とするため好ましくない。加熱温度は85〜100℃がより好ましい。反応時間は1〜5時間が好ましい。
本発明における第4工程は、黒色微粒子粉末のエッチング工程である。得られた黒色微粒子を洗浄してアルカリを除去した後、酸を添加して超常磁性成分を除去する。
アルカリ液の洗浄は、酸によるエッチングを効率よく行うための工程であり、通常、デカンテーション法及び通水式洗浄方法が挙げられる。デカンテーション法及び通水式洗浄方法としては、特に制限は無く、公知の装置を用いた公知の方法が採用される。
洗浄処理後の黒色微粒子粉末を含有する懸濁液のアルカリ濃度は、通常0.01M(モル)未満、好ましくは0.001M(モル)以下である。洗浄後のアルカリ濃度が0.01M以上の場合はエッチングにおける酸の使用量が増大するので、経済的でない。
黒色微粒子粉末の酸エッチング方法は、例えば、黒色微粒子粉末中に含まれる金属イオンのモル数に対して15〜70モル%に相当する酸当量を添加すればよい。添加する酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、シュウ酸、などが使用できる。酸の添加方法は、特に限定されず、例えば、一括添加でも、逐次添加でもよい。エッチングの温度は20〜70℃が好ましい。エッチング時間は1〜48時間である。
黒色微粒子粉末のエッチング工程後の黒色微粒子を含有する懸濁液中には、可溶性金属塩などが含まれているので、洗浄によって可溶性金属塩などを除去する。洗浄方法としては、通常デカンテーション法及び通水式洗浄方法が挙げられる。デカンテーション法及び通水式洗浄方法としては、特に制限は無く、公知の装置を用いた公知の方法が採用される。
次に乾燥して、スピネル型フェリ磁性微粒子粉末を得る。乾燥温度は60〜120℃で、乾燥時間は4〜20時間である。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
沈殿物及び粒子の元素分析は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置を使用して行った。
結晶構造はX線回折装置で測定した。粒子形態は透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した。
スピネル型フェリ磁性微粒子粉末の磁気特性は物理特性測定システム(PPMS)を用いて行った。さらに、超常磁性成分はメスバウアースペクトル測定装置を用いて測定した。
(実施例1)
原料金属塩として、塩化第二鉄六水塩、塩化コバルト六水塩、塩化ニッケル六水塩、及び塩化クロム六水塩を用い、これらそれぞれを1リットルガラスビーカー中で純水に溶解して、0.25mol/lのFe+3水溶液、0.10mol/lのCo2+水溶液、0.10mol/lのNi2+水溶液及び0.10mol/lのCr+3水溶液を、各1リットル調製した。この水溶液を用いて、攪拌機と温度計を装備した容積が2リットルのフラスコにFe+3水溶液400ml、Co2+水溶液200ml、Ni2+水溶液60ml及びCr+3水溶液60mlを投入して、Fe/(Co+Ni+Cr)=2.50の混合水溶液800mlを調合した(第1工程)。
次いで、前記混合水溶液を攪拌混合しながら、別に用意した濃度が3.0mol/lの苛性ソーダ水溶液240mlに投入して、共沈殿物含有スラリーを生成した(第2工程)。
次に、この共沈殿物含有スラリーを攪拌しながら95℃の温度で120分間加熱して、金属混合沈殿から縮重合反応により黒色微粒子を生成した(第3工程)。このとき、得られた黒色粒子スラリーの一部をサンプリングし、ろ過処理して得た沈殿物を元素分析した結果、Feが47.47重量%、Coが14.03重量%、Niが2.99重量%、Crが2.65重量%であった。得られたろ過液の過剰アルカリ濃度(アルカリ濃度)を測定した結果、アルカリ濃度は0.32Nであった。
そして、その組成は、組成式(CoO)0.7(NiO)0.15(Cr0.15・2.50Fe、すなわち、(CoO)(NiO)(Cr0.5z・n/2Feで表した場合、n=Fe/(Co+Ni+Cr)=2.50で、x=0.700,y=0.150,z=0.150であった。また、この粒子は物理特性測定システム(PPMS)を用いて磁気測定を行った結果、飽和磁化σsが56.3×10−6Wb・m/kg(44.8emu/g)、保磁力HcJが417kA/m(5240Oe)あった。
得られた黒色粒子スラリーを20リットル樹脂製容器に移して、デカンテーション法で12時間毎に5回繰り返して洗浄した。次に1.0mol/lの硫酸溶液を200mlを攪拌しながら添加して、35℃で5時間、酸によるエッチング処理をした。
得られた酸エッチング黒色粒子スラリーをデカンテーション法で12時間毎に5回繰り返して洗浄した。そして、黒色粒子スラリーをヌッチエで吸引ろ過し、ろ過ケーキを60℃で12時間乾燥して黒色微粒子粉末を得た(第4工程)。
得られた黒色微粒子粉末は、X線回折測定の結果、図1に示すようにスピネル型の結晶構造を示し、その粒子形態は透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した結果、図2に示すように平均粒径が約25nmの単分散微粒子であった。また、この粒子は物理特性測定システム(PPMS)を用いて磁気測定を行った結果、飽和磁化σsが92.0×10−6Wb・m/kg(73.2emu/g)、角型比が0.639、保磁力HcJが1.39MA/m(17.42kOe)であった。メスバウアースペクトル測定の結果、超常磁性成分が含まれていなかった(1質量%以下であった)。
誘導結合プラズマ発光分光分析装置を使用して得られた黒色粒子の元素分析の結果、Feが47.93質量%、Coが17.97質量%、Niが2.18質量%、Crが0.17質量%、であった。そして、その組成式を(CoO)x(NiO)y(Cr)0.5z・n/2Feで表した場合、n=Fe/(Co+Ni+Cr)の値は、2.49であり、x=0.88、y=0.11、z=0.01であった。
第1工程における各金属のモル比、混合溶液の量及び温度、アルカリ水溶液の濃度、使用量及び温度、第2工程における溶液の温度、アルカリ濃度、第3工程における加熱温度及び時間、第4工程における酸の濃度及びエッチング処理の温度を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にしてスピネル型フェリ磁性微粒子粉末を得た。
このときの製造条件、第3工程終了後に得られた粉末の特性及び得られたスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の諸特性を表1〜表5に示す。
前記実施例及び比較例から明らかなとおり、本発明に係るスピネル型フェリ磁性微粒子粉末は、Cr及び/又はYを含有するとともに、特定の組成範囲とすることによって、高い保磁力を有するスピネル型フェリ磁性微粒子粉末を得ることができる。
実施例1で得られたスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の電子顕微鏡TEM写真の図である。 実施例1で得られたスピネル型フェリ磁性微粒子粉末のX線回折パターンを示した図である。

Claims (5)

  1. 組成式(CoO)(NiO)y−z(M0.5z・n/2Fe(MはCr又はY)において、Feと(Co+Ni+M)との比n(Fe/(Co+Ni+M))の値が、2.2<n<3.0であり、0.65<x<0.9、0.08<y<0.3、0.008<z<0.025、x+y+z=1であることを特徴とするスピネル型フェリ磁性微粒子粉末。
  2. 前記スピネル型フェリ磁性微粒子粉末は、保磁力HcJが0.239〜1.5MA/mであることを特徴とする請求項1記載のスピネル型フェリ磁性微粒子粉末。
  3. 平均粒子径が5〜30nmであることを特徴とする請求項1又は2記載のスピネル型フェリ磁性微粒子粉末。
  4. 前記スピネル型フェリ磁性微粒子粉末は、飽和磁化σsが50.3×10−6〜98.0×10−6[Wb・m/kg]であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスピネル型フェリ磁性微粒子粉末。
  5. 鉄、コバルト、ニッケル、クロム又はイットリウムの各金属塩の水溶液を、コバルト、ニッケル、クロム又はイットリウムとの合計モル数に対する鉄のモル数が2.0より大きく3.0未満となるようなモル比に調合して混合水溶液とする第1工程と、
    該第1工程で得た混合水溶液を攪拌しながら、アルカリ水溶液を当該混合水溶液中に全金属イオンに対して1当量以上で、添加後の溶液の過剰アルカリ濃度(アルカリ濃度)が0.05〜10mol/lとなる量を添加して沈殿スラリーを生成する第2工程と、
    該第2工程で得られた沈殿スラリーを攪拌しながら80〜101℃の温度で加熱して黒色微粒子粉末を生成する第3工程と、
    該第3工程で得られた黒色微粒子粉末を洗浄してアルカリを除去した後、酸を添加して超常磁性成分を溶解・除去する黒色粒子の第4工程とからなることを特徴とするスピネル型フェリ磁性微粒子粉末の製造方法。
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