JP2007119814A - 溶銑の精錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 転炉にて溶銑の予備脱Pを行い、脱P処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させてスラグを排滓する際に、溶銑の流出を抑制しつつ、残留スラグの量が少ない精錬方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 転炉にて溶銑の脱燐処理を行い、脱燐処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させてスラグを排滓し、その後、同一転炉で脱炭処理を行う、溶銑の精錬方法において、2CaO・Fe23を、30質量%以上以上含んだ精錬材を添加して脱燐処理を行うことを特徴とする溶銑の精錬方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、転炉を使用した溶銑脱燐処理において、高効率な精錬を可能とする方法に関する。
鉄鋼精錬において、脱P反応効率を向上させるため、脱P・脱炭を分割し、脱炭前に脱P処理を行う溶銑予備処理が広く行われている。溶銑予備処理の方式は、トーピードカー、溶銑鍋などの溶銑輸送容器を使用する方式と、転炉を使用する方式に大別されるが、転炉を使用する方式は、転炉の特徴を最大限活用したものであり、
1) 容器の内容積が大きく、フォーミング(=スラグの泡立ち現象)やスロッピング(=スラグや溶鉄が容器から横溢する現象)による操業障害等の問題が少ない、
2) 気体酸素を高速で送酸できるため、高速脱P処理が可能である、
3) 低塩基度での脱P処理が可能であり、精錬用生石灰の削減やスラグの有効利用上問題となるフリーCaOの低減が可能である、
4) 上記理由により、脱P処理前の事前脱珪処理が不要であり、脱珪と脱Pを同時に実施できる、
5) 固体酸素(=酸化鉄等)の使用量が少ないため熱裕度が高く、スクラップ比の向上が可能である、
6) 転炉容器内で前チャージの脱炭スラグを脱P用造滓材として熱間で再使用することが容易である、等の利点がある。
さらに、遊休転炉や現有転炉を活用できる場合は、新たな設備投資額が少なく、省資源、省エネルギーの面からも優位性の高い方式である。
転炉を使用した溶銑予備脱P処理方式の中でも、脱P処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させて脱Pスラグのみを排滓し、その後に同一転炉で脱炭吹錬を実施する方式(例えば、特許文献1参照)、2基以上の転炉をそれぞれ、脱P、脱炭の専用炉として用いる方式(例えば、特許文献2参照)等があるが、前者の方式は後者に比べて、
1) 脱P処理後に出銑、再装入する工程がないため、転炉のサイクルタイムが短い、
2) 溶銑の移し替え工程がないため、移し替えによる放熱ロスがない、
3) 脱炭スラグを炉内に残して、脱P用造滓材として使用することが容易である、
などの利点がある。
一方で、前者の方式では溶銑を転炉内に残したまま転炉を傾転させて脱Pスラグを排滓するため、溶銑の流出を抑制しつつスラグのみを完全に排出することは困難で、炉内に残留したスラグから脱炭吹錬時に復Pが生じるという問題がある。そこで、効率的な排滓法として、下記のように種々の提案がなされている。
まず、炉腹および炉底に設けた複数個の羽口からガスを吹き込んでスラグを炉口側に移動させて排滓する方法(例えば、特許文献1参照)、酸化性ガスを吹き込んでスラグフォーミングを促進して排滓する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されているが、これらの方法では、炉腹に羽口を設置するため転炉の改造が必要であること、耐火物溶損が進行した転炉では内容積の変化によりスラグ位置が変化し、羽口の位置が最適な位置から外れてくること、吹錬中の羽口閉塞を防止するために常時ガスを吹き込む必要があり、本来不要なガスコストが増大する等の問題がある。
また、電磁力を利用してスラグのみを選択的に排滓する方法(例えば、特許文献4参照)が提案されているが、設備投資コストがかかること、また、高温かつ振動の激しい劣悪な環境下で整備コストが増大する等の問題がある。
さらに、溶銑の位置を電気的導通や光ファイバーで検出し、排滓に最適な転炉傾動位置を決定して排滓する方法(例えば、特許文献5、特許文献6参照)が提案されているが、これらの方法では溶銑の位置を検出し、最適な転炉傾動位置を決定することはできるが、排滓を促進するには不十分である。
その他、トーピードカーや鍋の排滓方法として利用されている排滓板によりスラグを掻き出す方法(例えば、特許文献7参照)等を転炉に適用することも考えられるが、転炉の容量を考えると、設備が大きくなりすぎ現実的とは言えない。
特許文献1および特許文献8の方法では、脱炭滓を脱P処理にリサイクルすることで脱P処理時に添加する精錬材の量を削減することが可能であるが、例えば脱炭後の溶鋼中P濃度として0.015質量%以下などの低P鋼を溶製する場合などにおいては、リサイクルした脱炭滓中に含まれるPが原因となってばらつきや低P化の障害となることがある。
一方で、このような障害を避けるために脱炭滓をリサイクルせずに、脱P処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させて脱Pスラグのみを排滓し、その後に同一転炉で脱炭吹錬を実施する場合には、脱P処理時に投入した精錬材の溶解遅れのためにスラグ排滓性が悪く、そのため十分に排滓できないという課題がある。
特許第2582692号公報 特許第1761646号公報 特開平05−279721号公報 特開平05−247514号公報 特開平05−288479号公報 特開平06−235016号公報 特開昭59−13009号公報 特開平04−72007号公報
転炉にて溶銑の予備脱Pを行い、脱P処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させてスラグを排滓する際に、溶銑の流出を抑制しつつ、残留スラグの量が少ない精錬方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 転炉にて溶銑の脱燐処理を行い、脱燐処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させてスラグを排滓し、その後、同一転炉で脱炭処理を行う、溶銑の精錬方法において、2CaO・Fe23を、30質量%以上以上含んだ精錬材を添加して脱燐処理を行うことを特徴とする溶銑の精錬方法。
(2) 前記の精錬材によって添加されるCaO量が、溶銑脱燐処理に用いる全CaO量に対して、30質量%以上であることを特徴とする(1)に記載の溶銑の精錬方法。
(3) 溶銑の脱燐処理に際し、脱炭滓をリサイクルさせないことにより、脱炭滓を20kg/t−溶銑以下とすることを特徴とする(1)または(2)に記載の溶銑の精錬方法。
本発明により、転炉にて溶銑の予備脱Pを行い、脱P処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させてスラグを排滓する際に、溶銑の流出を抑制しつつ、残留スラグの量が少ない精錬が可能となり、その結果、脱炭吹錬開始時の炉内総P量を低位安定化することが出来る。これにより脱炭処理における生石灰などの精錬材使用量が削減されるとともに、終点P濃度の安定化が達成できる。
本発明は、以下のような形態で実施することができる。転炉に装入した溶銑に対して、2CaO・Fe23を含んだ精錬材を、CaO、酸化鉄、その他精錬材とともに添加し、溶銑を底吹きガスで攪拌しつつ、上吹きランスから酸素ガスを吹き付けて、溶銑中の不純成分であるPを酸化除去する。しかるのち、溶銑を炉内に残したまま転炉を傾転させて脱Pスラグを排出し、その後に同一転炉で脱炭吹錬を実施する。
以下、本発明について、その作用効果を説明する。
脱P処理後の高い排滓率を実現するためには脱Pスラグが適度なフォーミング状態であることが重要である。フォーミングは、液体スラグ中にガスが懸濁した状態であり、スラグの表面張力、粘度、密度によって影響されるが、未溶解の固相が存在するとフォーミングは著しく抑制される。従って、未溶解の固体が残存した場合、フォーミングが抑制され、その結果排滓性が大幅に悪化する。
これに対し、本発明者らが行った実験によれば、2CaO・Fe23を含む精錬材(以降、化合物精錬材と称す)を添加して吹錬することで、CaO分および酸化鉄分をそれぞれ別々に添加する場合に比べて、CaOの溶解が促進され、その結果、脱P処理後の到達[P]濃度(メタル中のPの質量濃度を[P]と示す。以下同様。)が低位安定化することに加え、脱P処理後の排滓率が向上することを見出した。
一例として、図1に化合物精錬材中の2CaO・Fe23濃度(質量%)と、排滓率との関係を示す。本例は300T規模の上底吹き転炉を用いて、全CaO原単位10〜20kg/Tー溶銑、化合物精錬材中のCaO分と全CaO分の質量比(=置換率)が30〜80質量%での結果である。なお、排滓率は、脱P吹錬時に完全に酸化除去されるTiのマスバランスから計算した推定値である。この図より、化合物精錬材中の2CaO・Fe23濃度が30%以上で排滓率が改善していることがわかる。
これまで、CaO分の滓化促進を目的とした精錬材の適用が検討された例はあるが、本発明者らは、初めて排滓率までもが向上することを明らかにした。排滓率が向上することで、脱炭処理に持ち越すスラグ量が低減できる上、排滓率のばらつきが減少することにより脱炭後の鋼中[P]濃度のばらつきも低減できる。
これより、本発明の第1発明に係わる精錬法は、転炉にて予備脱P処理を行い、脱P処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させてスラグを排滓する方法において、2CaO・Fe23を30質量%以上、好ましくは50質量%以上含んだ精錬材を添加して吹錬することを特徴とする精錬方法とした。
また、精錬材中の2CaO・Fe23の含有量の増加により、脱りん率も単調増加するが、60mass%以上で飽和する。但し、その上限値は特に規定するものではなく、100mass%でも構わない。
さらに、精錬材中のその他の成分については、Al,Siのいずれか一方または双方、CaO・Fe23、CaO等が挙げられる。また、その含有量は、脱P効率を良好にする観点から、以下の範囲が好ましい。
Al,Siは含有されていれば良いため、含有量の下限値は0%超である。また、上限値は特に規定するものではないが、10%以下とすることが例示できる。また、CaO・Fe23含有量は、50mass%以下とすることが好ましく、下限値は特に規定するものではないが、5%以上とすることが推奨される。さらに、CaO含有量は5〜20mass%とすることが好ましい。残部がある場合は、通常はFe23が含有されている。
さらに、本発明者らの実験によれば、予備脱P処理で用いるCaO分として、化合物精錬材中のCaOが、処理で用いる全CaO中に占める質量分率として定義されるCaO置換率(λ:(%)、[1式]で計算)が30%以上である場合に、脱Pが促進し、排滓率が安定化することを見出した。CaO分の一部を化合物精錬材で置き換えることで、生石灰の溶解も速やかに進み、その結果、脱P反応が進み、かつ流動性が向上して排滓率が高位安定化する。
λ=WCaO Flux/WCaO Total×100 ・・・[1式]
ここで、WCaO Flux:化合物精錬材中に含まれるCaO分(kg/t−溶銑)、WCaO Total:転炉内に装入された全CaO分 (kg/t−溶銑)である。
これより、本発明の第2発明に係わる精錬法は、化合物精錬材中に含まれるCaO分が、用いる全CaOの30質量%以上であることを特徴とする精錬方法とした。ここで、全CaOのうち30質量%以上を化合物精錬材とする場合に溶融促進効果が十分に得られ、その機構から比率を高めることでその効果は増すため、上限は特に定めるものではなく、適宜、設定すれば良い。
さらに続けて行った実験において、化合物精錬材を添加することによって、脱炭滓をリサイクルした場合と同等以上のCaO溶解促進効果が得られることを見出した。
従来、排滓性の確保と、脱P用精錬材の削減を目的に、脱炭滓のホットリサイクルが行われてきたが、脱炭滓から持ち込まれるP分のため、低P鋼の製造は困難であるという欠点があった。
これが、本発明の化合物精錬材を使用することにより、脱炭滓リサイクルなしで排滓性を確保することができるようになり、例えば従来技術では対応が困難であった脱炭後の溶銑中[P]濃度が0.015質量%以下の低P鋼の溶製も可能となった。すなわち、化合物精錬材を使用することで、脱炭滓リサイクルなしでも高排滓率が維持できる上、脱炭滓持込分のPが低減されるため、脱炭後[P]が低位安定化した。
従って、本発明の第3発明に係わる精錬法は、溶銑の脱燐処理に際し、脱炭滓をリサイクルさせないことにより、脱炭滓を20kg/t−溶銑以下とする、本発明の第1または第2発明に記載の精錬方法とした。ここで脱炭滓の量は、炉壁付着分などの不可避的に混入する部分として、実機データのマスバランス解析から求められた最大20kg/t−溶銑との結果から、20kg/t−溶銑以下とした。
フォーミングはガス発生量も支配因子のひとつであるため、フォーミングの促進には脱炭反応によるCO気泡の発生が効果的である。また、攪拌によってCaOの溶解が促進されるという事実もあり、転炉におけるトップスラグの攪拌は上底吹のガスによるところが大きい。
脱炭反応の程度は、脱珪反応に消費される分の酸素を除いた脱珪外酸素([2式]で定義。単位Nm3/t−溶銑)で整理できる。本発明者らの実験によれば、5Nm3/t−溶銑以上の脱珪外酸素を投入した場合に、より排滓率が向上した。
O2 ex. De-Si=QO2 gas+QO2 sol.−Δ[Si]/28×224 ・・・[2式]
ここで、QO2 ex. De-Si:脱珪外酸素(Nm3/t−投入銑鉄)、QO2 gas:脱P処理中に上底吹の酸素分として供給される気体酸素(Nm3/t−投入銑鉄)、QO2 sol.:脱P処理中に鉄鉱石、ダストあるいは本発明で用いる精錬材中の酸化鉄として供給される酸素(Nm3/t−投入銑鉄)、Δ[Si]:酸素添加前後の鋼中Si濃度の差(mass%)である。
本発明の精錬材の平均組成は以下のような範囲が望ましい。CaOとFe23の和で全体の70mass%以上を占め、残部はAl,Mn,Mg,P,Siの1種以上の酸化物で構成される。P25濃度は2mass%以下、さらには1mass%以下が好ましい。CaO濃度は20−70mass%であるが、30−50%CaOが高い効果を示す。
ここで、以上に述べてきた精錬材の製法の一例を以下に示す。
原料として、粉状の石灰石と粉状の鉄鉱石を主原料とし、燃料となる粉状の炭材と、返鉱を該原料に混合した配合原料を、焼結機で焼結して製造することを基本とし、さらに以下の1)〜4)の条件も併せて、適宜実施することにより、本発明の製錬材を製造できる。なお、ここで返鉱とは、製品の精錬材のうち、原料に戻す、5mm未満の部分を言う。
1)石灰石と鉄鉱石のどちらか一方、あるいは両方の粒度を3mm以下とすること
2)原料中のCa/Fe比をモル比で2.5〜1.5の範囲とすること
3)返鉱を配合原料中40%以上循環すること
4)配合原料準備に際して、石灰石と鉄鉱石をあらかじめ高速攪拌ミキサーで解砕・混合し、その後炭材を添加して造粒することにより、炭材を原料粒子の周りに存在させること。
以下に、300t規模の上底吹転炉を用いて、溶銑の脱燐処理を行い、脱燐処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させてスラグを排滓し、その後、同一転炉で脱炭処理を行った。その実施例及び比較例を示す。
実施例、比較例ともに、装入溶銑温度1300−1320℃、溶銑配合率(転炉装入主原料に占める溶銑量の比率で、溶銑質量/(溶銑質量+スクラップ質量+冷銑質量)×100で計算される)は90−92質量%、溶銑中[Si]濃度は0.38−0.42質量%、おなじく溶銑中[P]濃度は0.100−0.105質量%、平均送酸速度(チャージ全体の吹込酸素量を吹錬時間で割ったもの)は29000−30000Nm3/h、脱燐処理後温度は1350−1370℃である。
脱炭滓は所定の量となるよう炉内に残し、炉を数回傾動して固化させた後に受銑した。脱炭滓の残留量は、排滓時の炉の傾動角度から推定した値を用いた。また、炉を完全に倒立させて完全排滓を行っても、炉壁等に付着したスラグが不可避的に残留するが、その量は実機データのマスバランス解析から求めた平均値である7.0kg/tとおいた。
用いた化合物精錬材は表2に示す組成のものを用いた。また、脱炭滓の平均組成も表2に併せて示す。脱Pに用いた精錬材の量を表1に示す。これらの量は、投入銑鉄1tあたりの質量(kg)として示した。また、これらの精錬材に加え、吹止温度の制御のために鉄鉱石を投入した。
尚、本発明による精錬材は、粒度1−3mmに調整した石灰石、鉄鉱石およびコークスに水分を添加して混合造粒したものを焼結機で焼結する方法により製造した。
精錬材のサイズは前チャージの残留スラグである脱炭滓を除いて、5−50mm以下程度のサイズのものを用いた。生石灰中のCaO分は95%であり残部は水分などの揮発分であった。脱P処理終了後、溶銑を炉内に残したまま転炉を傾転させてスラグを排出し、しかる後に生石灰、鉄鉱石を投入して脱炭吹錬を行った。脱炭吹錬時に新たに投入するCaO分は約20kg/t−溶銑とし、生石灰で添加した。
Figure 2007119814
Figure 2007119814
吹錬結果を判断する基準として、脱炭後の鋼中[P]濃度を用いた。また、その制御性の因子として、脱P処理後の鉄中[P]と、排滓率を調査した。脱炭後の鋼中[P]濃度は脱炭期の酸素吹錬停止後にサブランスを用いて炉内から採取したメタルをQV分析(発光分光分析)法により分析した値を用いた。脱P後[P]には、同様に脱P期の酸素吹錬停止後にサブランスを用いて炉内から採取したメタルをQV法により分析した値を用いた。
また、排滓率は、マスバランス計算で求めた排出前の炉内スラグ量SVP Total(kg/t−投入銑鉄)と、受滓台車の秤量値から求めた排出スラグ量SVP Ex.(kg/t−投入銑鉄)から、SVP Total/SVP Ex×100として求めた。操業条件の範囲が狭い範囲で一定している場合は、あらかじめ上記の値と排滓時の傾動角度の関係を調査し、その結果に基づいて、排滓率を傾動角度から推定しても実行上は問題ない。
比較例1−3をベースに実施例1−9を評価すると、脱炭処理後の鋼中[P]濃度が低減しており良好な処理結果が得られている。これは化合物精錬材を用いることで、またそのCaO置換率を増やすこと、さらに、脱炭滓の量を低減することで排滓率が向上し、脱炭処理に持ち越す系内のPの量が低減できた。
精錬材中の2CaO・Fe23+CaO・Fe23濃度と排滓率の関係

Claims (3)

  1. 転炉にて溶銑の脱燐処理を行い、脱燐処理後に溶銑を転炉内に残したまま、転炉を傾転させてスラグを排滓し、その後、同一転炉で脱炭処理を行う、溶銑の精錬方法において、2CaO・Fe23を、30質量%以上含んだ精錬材を添加して脱燐処理を行うことを特徴とする溶銑の精錬方法。
  2. 前記の精錬材によって添加されるCaO量が、溶銑脱燐処理に用いる全CaO量に対して、30質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の精錬方法。
  3. 溶銑の脱燐処理に際し、脱炭滓をリサイクルさせないことにより、脱炭滓を20kg/t−溶銑以下とすることを特徴とする請求項1または2に記載の溶銑の精錬方法。
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