JP2011058046A - 溶銑の脱燐処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素源及びCaO含有物質を溶銑に供給して行う溶銑の脱燐処理方法において、CaO含有物質の滓化促進剤として機能するフッ素化合物を使用せずに、脱燐反応に支障を来たすことなく、燐含有量が0.015質量%以下の低濃度の領域まで効率良く溶銑を脱燐する。
【解決手段】 反応容器2に保持された溶銑5に、脱燐精錬剤と酸化剤とを吹き込み添加して溶銑を脱燐処理するにあたり、脱燐処理開始前の溶銑の珪素濃度を予め0.20〜0.25質量%に調整した上で、前記脱燐精錬剤としてCaO含有物質からなりフッ素化合物を含有しない精錬剤を用い、生成される脱燐スラグを前記反応容器から継続的に排出しながら、溶銑の燐濃度が0.015質量%以下となるまで脱燐処理する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸素源及びCaO含有物質を溶銑に供給して溶銑中の燐を酸化除去する溶銑の脱燐処理方法に関し、詳しくは、CaO含有物質の滓化促進剤であるフッ素化合物を使用せずに、脱燐反応に支障を来たすことなく、燐濃度が0.015質量%以下となるまで安定して脱燐することのできる脱燐処理方法に関するものである。
近年、鋼材に対する要求品質は益々厳格化しており、燐や硫黄に代表される不純物元素の低減が求められている。このような要求に対応するために、製鋼工程では、溶銑段階において脱燐処理を行うことが一般的となっている。この脱燐処理は、酸素ガス(気体酸素)或いは固体の酸化鉄などの酸素源を酸化剤として溶銑に供給し、この酸化剤中の酸素で溶銑中の燐を酸化して酸化物(P25)とし、生成された燐酸化物を脱燐精錬用スラグに吸収することで行われている。脱燐精錬用スラグを形成するための脱燐精錬剤としては、安価であることから、一般的に、生石灰などのCaO含有物質が使用されている。
脱燐処理前の溶銑には0.09〜0.16質量%程度の燐が含有されており、処理後の溶銑中燐濃度を0.015質量%以下の低い領域まで脱燐処理する場合には、脱燐精錬剤としてのCaO含有物質の使用量が必然的に多くなり、また、溶銑の燐含有量の低下に伴って脱燐反応効率が低下することから処理時間を費やし、脱燐処理後の溶銑温度が必然的に低くなる。CaO系脱燐精錬剤による燐酸化物の吸収は、CaO含有物質が滓化して脱燐精錬用スラグとなることが必要であり、従って、低い燐濃度まで脱燐処理する場合には、温度の低い状態でもCaO含有物質を迅速に滓化させる目的で、ホタル石(CaF2)などのフッ素化合物を滓化促進剤として使用すること、つまり、フッ素を含有する脱燐精錬剤が使用されている。
例えば、特許文献1には、CaOとCaF2との比率が85:15である脱燐精錬剤を用い、予め混銑車(トピードカー)を適当な角度に傾転させた状態で、混銑車内の溶銑に、酸化鉄、酸素ガス及び前記脱燐精錬剤を添加し、生成されるSiO2に富むスラグを連続的に混銑車から排出しながら、溶銑を脱燐処理する方法が開示されている。
しかしながら、ホタル石などのフッ素化合物を滓化促進剤として併用した場合には、脱燐処理後に、必然的にフッ素を含有するスラグ(「脱燐スラグ」という)が発生する。フッ素を含有するスラグを路盤材などの土木工事材料としてリサイクル利用すると、スラグからフッ素が溶出して環境がフッ素により汚染される可能性がある。従って、フッ素を含有する脱燐スラグは、路盤材などの土木工事材料としてリサイクル利用することはできない。このため、フッ素を含有する脱燐スラグの処置は、有限な管理型処分地などに限られることになり、スラグのリサイクル利用を妨げるとともに製造コスト上昇の原因となる。
このスラグ中のフッ素に起因する問題を解決するべく、特許文献2には、生石灰と、酸化鉄及び/または酸素ガスとを溶銑中に吹き込んで行う溶銑の脱燐処理において、滓化促進剤としてハロゲン化合物を使用せずに、溶銑[P]が0.05質量%以下の領域でトップスラグの塩基度が1.5〜2.5になるように生石灰又は珪石を添加した脱燐処理方法が開示されている。
しかしながら、特許文献2の実施例を見る限り、脱燐処理後の到達溶銑中燐濃度は0.020質量%であり、効率的な脱燐処理が行われているとは言い難い。即ち、CaO含有物質の滓化促進剤としてハロゲン化合物を使用せずに脱燐処理する場合には更なる改善が必要である。
特開平5−5114号公報 特開2000−212622号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、酸素源及びCaO含有物質を溶銑に供給して行う溶銑の脱燐処理方法において、CaO含有物質の滓化促進剤として機能するフッ素化合物を使用せずに、脱燐反応に支障を来たすことなく、燐含有量が0.015質量%以下の低濃度の領域まで効率良く溶銑を脱燐することのできる、溶銑の脱燐処理方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る溶銑の脱燐処理方法は、反応容器内に保持された溶銑に、脱燐精錬剤と酸化剤とを吹き込み添加して溶銑を脱燐処理するにあたり、脱燐処理開始前の溶銑の珪素濃度を予め0.20〜0.25質量%に調整した上で、前記脱燐精錬剤としてCaO含有物質からなりフッ素化合物を含有しない精錬剤を用い、生成される脱燐スラグを前記反応容器から継続的に排出しながら、溶銑の燐濃度が0.015質量%以下となるまで脱燐処理することを特徴とするものである。
第2の発明に係る溶銑の脱燐処理方法は、第1の発明において、前記反応容器を脱燐処理開始前または脱燐処理開始直後に、脱燐処理中にスラグが流出可能な角度に傾転し、該反応容器を傾転したまま脱燐処理を行い、生成される脱燐スラグを前記反応容器から排出することを特徴とするものである。
本発明によれば、酸化剤及び脱燐精錬剤を溶銑中に吹き込み、酸化剤及び脱燐精錬剤の吹き込み添加によって生成される脱燐スラグを反応容器から継続的に排出しながら溶銑を脱燐処理する際に、脱燐処理開始前の溶銑の珪素濃度を0.20〜0.25質量%に調整するので、脱燐精錬剤としてCaO含有物質のみを用いるにも拘らず、溶銑中の珪素が酸化されることにより生成するSiO2がCaO含有物質の滓化促進剤として機能し、CaO含有物質の滓化促進剤であるフッ素化合物を使用しなくても、CaO含有物質の滓化が進行して、生成される脱燐スラグは継続的に反応容器から排出し、これにより、脱燐反応が促進され、フッ素化合物を含有しない脱燐精錬剤を使用しても、燐濃度が0.015質量%以下の溶銑を安定して溶製することが実現される。その結果、脱燐スラグはフッ素を含有せず、脱燐スラグのリサイクルが促進される。
混銑車に収容された溶銑に脱燐処理を実施する様子を示す概略図である。 脱燐処理後の溶銑中燐濃度と脱燐酸素効率との関係を示す図である。 脱燐処理前の溶銑中珪素濃度と、脱燐処理後の溶銑中燐濃度との関係を示す図である。 脱燐処理前の溶銑中珪素濃度と脱燐処理に必要なフラックス原単位との関係を示す図である。 脱燐処理時のフラックス原単位と脱燐処理後の溶銑温度との関係を示す図である。 生石灰のみを脱燐精錬剤としたときの脱燐スラグの液相率と脱燐処理後の溶銑温度との関係を示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明では、脱燐処理中に、生成される脱燐スラグを反応容器の上端部からオーバーフローさせて排出することから、脱燐処理対象の溶銑を収容した反応容器を所定の角度で傾転させる、或いは、反応容器の上部に周囲とは高さが低い排出口を設ける必要がある。このため、反応容器としては、転炉は使用困難であり、混銑車または溶銑鍋などの溶銑搬送容器が対象となる。以下、反応容器として混銑車を使用した場合を例とし、本発明を説明する。図1は、混銑車に収容された溶銑に対して脱燐処理を実施する様子を示す概略図である。
図1において、高炉から出銑された溶銑5を混銑車炉体2に収容した混銑車1が、上吹きランス3及びインジェクションランス4を備えた予備脱燐処理設備に搬送されている。ここで、上吹きランス3は、上下移動可能であって、酸化剤である酸素ガスを溶銑5の浴面に向けて吹き付けるための装置であり、また、インジェクションランス4は、鉛直斜め方向に移動可能であって、酸素ガスまたは不活性ガスを搬送用ガスとして、脱燐精錬剤であるCaO含有物質並びに酸化剤である酸化鉄を溶銑5に吹き込むとともに、酸素ガスを溶銑5に吹き込むための装置である。酸素ガスを溶銑5に吹き込む場合には、搬送用ガスとして酸素ガスを使用すればよく、また、酸素ガスを溶銑5に吹き込まない場合には搬送用ガスとして不活性ガスを使用すればよい。搬送用ガスとして酸素ガスを使用するか、または不活性ガスを使用するかは、ガス供給配管(図示せず)に設けた切替弁(図示せず)によって調整できるようになっている。また、CaO含有物質のみを吹き込むことも、或いは酸化鉄のみを吹き込むことも、更にはこれらを同時に吹き込むこともできるように構成されている。インジェクションランス4には、CaO含有物質を収容するホッパーと結ばれる配管及び酸化鉄を収容するホッパーと結ばれる配管が接続されているが、図1ではこれらを省略している。尚、本発明では、生石灰(CaO)とホタル石(CaF2)との混合物或いは化合物などのフッ素を含有する脱燐精錬剤は使用せず、CaO含有物質からなる脱燐精錬剤を使用する。
インジェクションランス4を溶銑5に浸漬させ、インジェクションランス4から酸素ガスを搬送用ガスとして酸化鉄及びCaO含有物質を溶銑5に吹き込むともに、上吹きランス3からも酸素ガスを供給して脱燐処理を実施する。この場合、脱燐処理の開始前或いは開始直後に、混銑車炉体2をその軸心方向に所定角度傾転させ、傾転させたまま脱燐処理を行い、生成される脱燐スラグが、混銑車炉体2の開口部つまり炉口2aから、継続的に排出されるようにする。脱燐スラグが排出される側の炉口の直下はスラグピットなどとし、予め防熱対策を講じておく。尚、上吹きランス3及びインジェクションランス4から同時に酸素ガスを供給しているが、どちらか一方のみとしても構わない。
このようにして溶銑5に脱燐処理を施すにあたり、本発明においては、脱燐処理開始前の溶銑5の珪素濃度を0.20〜0.25質量%に予め調整する。通常、高炉から出銑される溶銑5は珪素を0.3質量%程度含有しており、従って、高炉の鋳床或いは傾注樋において、酸化鉄などの酸素源を溶銑5に添加して溶銑中の珪素を酸化除去し、溶銑5の珪素濃度を0.20〜0.25質量%に調整する。当然ではあるが、高炉から出銑される溶銑5の珪素濃度が0.20〜0.25質量%の場合には珪素を酸化除去する必要はなく、そのまま、脱燐処理に供することができる。
以下、本発明において、脱燐処理開始前の溶銑5の珪素濃度を0.20〜0.25質量%に予め調整する理由を説明する。
本発明においては、効率的な脱燐反応を推進する目的で、生成される脱燐スラグを継続的に反応容器から自重によりオーバーフローさせる。溶銑5の脱燐反応は、溶銑中の燐が、酸化剤である酸化鉄或いは酸素ガスにより酸化されて燐酸化物(P25)を形成し、生成された燐酸化物が、脱燐精錬剤が滓化して形成される脱燐精錬用スラグに吸収されることで行われる。本発明において生成される脱燐スラグを継続的に反応容器から排出する理由は、生成される脱燐スラグが継続的に反応容器から排出されることにより、連続して添加される酸化剤及びCaO含有物質によって常に燐酸化物の含有量が少ない脱燐精錬用スラグが形成され、これにより、生成される燐酸化物の脱燐精錬用スラグへの吸収が迅速化されることによる。
但し、脱燐精錬剤が滓化しないときには、燐酸化物の脱燐精錬用スラグへの吸収が進行しないのみならず、固体状態の脱燐スラグはオーバーフローすることはなく、自重では反応容器から排出しない。この場合には、脱燐反応は遅延する。
図2に、生石灰を脱燐精錬剤として使用したときの脱燐処理後の溶銑中燐濃度と脱燐酸素効率との関係を示す。ここで、脱燐酸素効率とは、供給した酸素量から脱珪反応に使用した酸素量を差し引き、この脱珪反応に寄与しない酸素量に対する、脱燐反応に費やされた酸素量つまり燐酸化物(P25)を形成するために使用された酸素量の百分率である。尚、図2では、フッ素化合物(CaF2)を添加した脱燐精錬剤(CaO:CaF2=85:15)を使用した場合も比較のために示している。
図2に示すように、脱燐精錬剤として生石灰のみを使用した場合には、処理後の溶銑中燐濃度が0.015質量%以下の領域では脱燐酸素効率が低下し、効率的な脱燐処理は安定して得られないことが分かる。但し、幾つかの操業の中には、脱燐精錬剤にフッ素化合物を添加した場合と同等の脱燐酸素効率を得られる場合も存在することが分かる。
このように、生成される脱燐スラグを排出しながら行う脱燐処理方法であっても、脱燐精錬剤が滓化しないと、脱燐反応は進行しない。特に本発明では、脱燐精錬剤としてCaO含有物質を使用するだけであり、燐濃度が0.015質量%以下になるまで脱燐する場合には、脱燐スラグの継続的な排出が必須となる。図2で脱燐酸素効率が高かった操業では、何らかの理由でCaO含有物質の滓化が促進され、脱燐スラグの排出が継続して行われたからであると考えられた。
そこで、脱燐精錬剤であるCaO含有物質の滓化促進について検討した。溶銑5は、炭素、珪素、マンガン、燐、硫黄などを含有し、これらの成分の中で酸化反応により除去される成分は、珪素、燐、炭素、マンガンであるが、酸素との親和力は珪素が最も強く、溶銑5に酸素を供給すると、珪素の酸化反応が優先的に進行する。珪素の酸化反応により生成するSiO2は酸性酸化物であり、脱燐反応は脱燐スラグの塩基度が高いほど促進されることから、脱燐反応を遅延させる作用があるが、一方で、CaO含有物質の滓化促進剤としても機能する。本発明では、脱燐スラグを排出させることから、生成されるSiO2も排出され、SiO2の脱燐反応への悪影響は少ない。
そこで、生成されるSiO2をCaO含有物質の滓化促進剤として機能させることを目的とし、生石灰を脱燐精錬剤として使用し、脱燐処理前の溶銑5の珪素濃度を0.07〜0.43質量%の範囲で変更して脱燐試験を実施した。この試験では、比較のために、フッ素化合物(CaF2)を添加した脱燐精錬剤(CaO:CaF2=85:15)を使用する試験も実施した。
図3に、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度と、脱燐処理後の溶銑中燐濃度との関係を示す。図3からも明らかなように、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度が高いほど処理後の溶銑中燐濃度は低下することが分かった。特に、処理後の溶銑中燐濃度を0.015質量%以下まで脱燐処理する場合には、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度を0.20質量%以上とする必要があることが分かった。
図3の結果からは、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度が0.20質量%以上であるならば、溶銑中珪素濃度は高ければ高いほど好ましいことになるが、一方で、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度が高くなればなるほど、SiO2の生成量が多くなり、SiO2の生成量の増加に伴ってCaO含有物質の添加量を増加させなくてはならない。これは、脱燐反応は、生成される脱燐スラグの塩基度(質量%CaO/質量%SiO2)が1.5〜2.0以上確保されないと進行しないことから、SiO2の生成量増加に伴ってCaO含有物質の添加量が増加することによる。CaO含有物質の滓化には熱量が必要であり、この熱量は溶銑の顕熱が負担する。即ち、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度が高くなればなるほど、CaO含有物質の添加量が増加し、溶銑の温度は低下してCaO含有物質の滓化が停滞する。
図4に、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度と脱燐処理に必要なフラックス原単位との関係を示す。ここで、フラックスとは、生石灰と酸化鉄とを加えたものである。因みに、図4に示すように、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度が0.20質量%の場合には70kg/溶銑−t程度のフラックスが必要であり、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度が0.25質量%の場合には90kg/溶銑−t程度のフラックスが必要となる。
図5は、脱燐処理時のフラックス原単位と脱燐処理後の溶銑温度との関係を示す図であり、フラックス原単位が90kg/溶銑−t程度になると、脱燐処理後の溶銑温度は1230℃程度に低下する。
図6は、生石灰のみを脱燐精錬剤としたときの脱燐スラグの液相率と脱燐処理後の溶銑温度との関係を示す図であり、脱燐処理後の溶銑温度が1230℃程度に低下すると、脱燐スラグの液相率は40%程度であり、十分に滓化した状態とはいえない。
即ち、図4〜図6に示すように、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度が0.25質量%を超えると、フラックスの添加量が増加し、添加したCaO含有物質の滓化が十分に行われず、脱燐反応が遅延する恐れが高い。従って、本発明では、脱燐処理開始前の溶銑5の珪素濃度を0.20〜0.25質量%に予め調整することとした。
珪素を0.20〜0.25質量%含有する溶銑5に脱燐処理を施すと、珪素の酸化反応が優先的に進行する。つまり、供給する酸化鉄中の酸素及び酸素ガス中の酸素と溶銑中の珪素とが反応して、先ず、脱珪反応(Si+2O→SiO2)が進行し、SiO2が生成される。このSiO2はインジェクションランス4から吹き込み添加されるCaO含有物質と反応し、混銑車炉体2の炉口2aから継続的に排出される。その後、溶銑中の珪素の含有量が或る程度低下した後に燐の酸化反応、つまり脱燐反応が進行する。この脱燐反応とほぼ同時に脱炭反応も起こる。一般に、脱燐処理工程において、この脱珪反応が優先的に進行する期間は脱珪期と呼ばれ、その後の脱燐反応が進行する期間は脱燐期とよばれている。
脱珪期に生成されるSiO2は、反応容器から排出されない場合には、CaO含有物質からなる脱燐精錬剤のCaO分を希釈し、生成する脱燐精錬用スラグの塩基度を下げ、燐酸化物の吸収能力を低下させるが、本発明においては、脱珪期に生成されるSiO2は、生成される都度、継続的に系外に排出されるので、脱珪期に生成されるSiO2の脱燐期での脱燐反応への悪影響が防止される。
脱珪反応が進んで溶銑中の珪素濃度が0.2質量%程度未満になると脱燐反応(2P+5O→P25)が起こり、脱燐期に移行する。脱燐反応によって生成した燐酸化物(P25)はCaO含有物質の滓化によって形成される脱燐精錬用スラグに吸収されて、燐が溶銑中から除去される。脱燐期に移行しても溶銑5の珪素濃度がほぼゼロになるまで脱珪反応は継続して進行する。即ち、SiO2の発生量は徐々に少なくなるとはいえ、SiO2が継続して生成される。このSiO2は、添加されるCaO含有物質の滓化促進剤として機能し、溶融状態の脱燐スラグが形成される。そして、溶融状態の脱燐スラグは混銑車炉体2の炉口2aから継続的に排出され、安定した脱燐反応が継続的に進行し、溶銑5の燐濃度は0.015質量%以下になるまで安定して行われる。溶銑中の燐濃度が0.015質量%以下の所定値になったなら、CaO含有物質、酸素ガス及び酸化鉄の供給を停止し、脱燐処理を終了する。
この場合、生成される脱燐精錬用スラグの塩基度が1.5を確保するように、CaO含有物質の添加量を調整することが好ましい。脱燐精錬用スラグの塩基度が1.5未満になると、燐酸化物吸収能が低下するので好ましくない。
本発明で使用する酸化鉄としては、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、ダスト(集塵ダスト)、砂鉄、鉄鉱石などを使用することができる。集塵ダストとは、高炉、転炉、焼結工程において排気ガスから回収される、酸化鉄分を含むダストである。本発明では、酸化鉄をインジェクション添加するので、酸化鉄の溶融化を促進させる観点から、酸化鉄は粒径1mm以下の粉粒体であることが好ましい。
本発明では、CaO含有物質を、インジェクションランス4から搬送ガスとともに溶銑中に吹き込み添加するので、CaO含有物質の滓化を促進させる観点から、使用するCaO含有物質は粒径1mm以下の粉粒体とすることが好ましい。また、本発明で使用するCaO含有物質とは、CaOを含有し、本件の意図する脱燐処理ができるものであれば、特にCaOの含有量に制約はない。通常は、CaO単独からなるものや、またはCaOを50質量%以上含有し、必要に応じてその他の成分を含有するものである。その他の成分としては一般に滓化促進剤が挙げられる。滓化促進剤としては、特に、CaOの融点を下げて滓化を促進させる作用のある酸化チタンや酸化アルミニウムを含有する物質が挙げられ、これらを使用することが好ましい。
本発明で使用するCaO含有物質の具体例としては、安価でしかも脱燐能に優れることから生石灰または石灰石を使用することが好ましい。また、軽焼ドロマイトや脱燐処理後の溶銑を次工程の転炉で脱炭精錬した際に発生するスラグ(「脱炭滓」ともいう)を、CaO含有物質として使用することもできる。脱炭滓はCaOを主成分としており、しかも燐含有量が少ないことから、CaO系の脱燐精錬剤として十分に利用することができる。
本発明においては、脱燐精錬剤としてホタル石(CaF2)などのフッ素化合物は使用しない。当然ながら、塩素などの他のハロゲン元素を含有する物質も脱燐精錬剤として使用しない。脱炭滓をCaO含有物質として使用する場合には、フッ素を含有しない脱炭滓を使用する。
尚、脱燐精錬用スラグとしては、脱燐精錬用スラグ中のFeO濃度が10質量%以上50質量%以下の範囲が好適であるので、脱燐精錬用スラグのFeO濃度がこの範囲を維持できるように、酸化鉄の供給量を調整することが好ましい。より好ましい範囲は10質量%以上30質量%以下である。
このようにして溶銑5の脱燐処理を行うことにより、CaO含有物質の滓化促進剤であるフッ素化合物を使用しないにも拘らず、CaO含有物質の滓化が進行し、燐濃度が0.015質量%以下の溶銑5を安定して溶製することが実現される。その結果、生成される脱燐スラグはフッ素を含有せず、脱燐スラグのリサイクルが促進される。
尚、本発明は上記説明の範囲に限るものではなく、種々の変更が可能である。例えば、上記説明では反応容器として混銑車1を用いているが、混銑車1の代わりに溶銑鍋としても上記に沿って本発明を適用することができる。また、溶銑鍋のような取鍋型容器を反応容器とする場合には、取鍋型容器の上端部の一部に周囲よりも高さの低いスラグ排出口を設置しておけば、反応容器を傾転させなくても、本発明を適用することができる。
高炉から出銑された溶銑に高炉鋳床での酸化鉄添加による脱珪処理を施して、溶銑の珪素濃度を0.20〜0.25質量%に調整し、この溶銑を混銑車で受銑し、受銑後、混銑車炉体内の溶銑に生石灰粉のガス吹き込みによる脱硫処理を実施し、生成した脱硫スラグを排出し、その後、傾転させた混銑車炉体内の溶銑に、インジェクションランスを介して酸素ガス、酸化鉄及び生石灰を吹き込み、脱燐処理(本発明例)を実施した。
また、比較のために、脱燐精錬剤として生石灰とホタル石とを併用した脱燐処理(従来例)も実施した。従来例で使用した溶銑は、脱珪処理を施したものや、脱珪処理の施されていないものであり、脱燐処理前の溶銑中珪素濃度は0.17〜0.36質量%の範囲にばらついた。
表1に、本発明例及び従来例における脱燐処理前の溶銑の化学成分、生石灰添加量、ホタル石添加量などの操業条件、処理後の溶銑中燐濃度、及び、脱燐処理におけるフッ素含有スラグの発生量を示す。
表1に示すように、本発明を適用することにより、フッ素含有スラグを発生することなく、燐濃度が0.015質量%以下となるまで溶銑を脱燐処理できることが確認された。
1 混銑車
2 混銑車炉体
3 上吹きランス
4 インジェクションランス
5 溶銑

Claims (2)

  1. 反応容器内に保持された溶銑に、脱燐精錬剤と酸化剤とを吹き込み添加して溶銑を脱燐処理するにあたり、脱燐処理開始前の溶銑の珪素濃度を予め0.20〜0.25質量%に調整した上で、前記脱燐精錬剤としてCaO含有物質からなりフッ素化合物を含有しない精錬剤を用い、生成される脱燐スラグを前記反応容器から継続的に排出しながら、溶銑の燐濃度が0.015質量%以下となるまで脱燐処理することを特徴とする、溶銑の脱燐処理方法。
  2. 前記反応容器を脱燐処理開始前または脱燐処理開始直後に、脱燐処理中にスラグが流出可能な角度に傾転し、該反応容器を傾転したまま脱燐処理を行い、生成される脱燐スラグを前記反応容器から排出することを特徴とする、請求項1に記載の溶銑の脱燐処理方法。
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