JP2007119645A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハロゲン系難燃剤を使用することなく、高いレベルでベース樹脂を難燃化する。
【解決手段】ベース樹脂(A)、及びアミノ基含有トリアジン化合物と、硫酸及びスルホン酸から選択された少なくとも一種との塩で構成された難燃剤(B)を含む難燃性樹脂組成物であって、前記難燃剤(B)として、下記(1)〜(3)の要件を充足する難燃剤を用いて調製する。
(1)窒素気流下、昇温速度20℃/分で30℃から250℃まで昇温したとき、加熱重量減少量が8重量%以下である
(2)20℃において、水に対する溶解度が5g/100g以下である
(3)20℃において、1重量%濃度の水性スラリーがpH3〜7である
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂を難燃化するのに有用な難燃性樹脂組成物およびその製造方法、ならびにこの難燃性樹脂組成物で形成された成形体に関する。
熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂は、優れた機械的特性、電気的特性、耐候性、耐水性、耐薬品性や耐溶剤性を有する。このため、エンジニアリングプラスチックとして電気・電子部品、機械機構部品、自動車部品など種々の用途に利用されている。一方、ポリエステル系樹脂には、利用分野が拡大するにつれ、機械的特性の向上とともに、安全上、難燃性であることが要求される。一般的に高い難燃性を付与する難燃剤としては、ハロゲン化合物が知られている。しかし、ハロゲン系難燃剤においては、燃焼分解時にダイオキシン系化合物を多量に発生する場合があり、環境上好ましくない。
一方、非ハロゲン系難燃剤として、トリアジン環を含有する化合物を用いた難燃性樹脂組成物が提案されている。例えば、特開2000−169729号公報(特許文献1)には、熱可塑性樹脂中に、難燃剤として、平均粒径0.5〜50μmであり、かつ粉末又は粒状のアミノトリアジン化合物の硫酸塩が均一に分散された難燃性樹脂組成物が開示されている。
また、特開2003−292753号公報(特許文献2)には、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(A)30〜99重量部とトリアジン環を有する化合物を主成分とする難燃剤(B)1〜70重量部とからなる難燃性ポリトリメチレンテレフタレート樹脂組成物が開示されている。この文献には、前記難燃剤として、メチレンジメラミン、エチレンジメラミン、硫酸メラミンなどが例示され、成形品外観の点で、これらの難燃剤の粒径は100μm以下、好ましくは50μm以下に粉砕した粉末を用いるのが好ましいと記載されている。
しかし、これらの難燃性樹脂組成物でも、樹脂中における難燃剤の分散が充分ではなく、樹脂組成物の機械的特性や難燃性が充分でない。
特開2000−169729号公報(請求項1、5及び7、段落番号[0011]、実施例) 特開2003−292753号公報(請求項1及び4、段落番号[0022]、実施例)
従って、本発明の目的は、ハロゲン系難燃剤を使用することなく、電気特性に優れ、かつ高いレベルで難燃化された樹脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、ベース樹脂の特性を低下させることなく、難燃化された実用性の高い樹脂組成物およびその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、難燃性が改善されるとともに、ブリードアウトが抑制された成形体を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、難燃剤として、特定の物性を有し、かつアミノ基含有トリアジン化合物と硫酸及び/又はスルホン酸との塩で構成された難燃剤を用いると、非ハロゲン系難燃剤であるにもかかわらず、ベース樹脂(ポリエステル系樹脂など)を高いレベルで難燃化できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の難燃性樹脂組成物は、ベース樹脂(A)、及びアミノ基含有トリアジン化合物と、硫酸及びスルホン酸から選択された少なくとも一種との塩で構成された難燃剤(B)を含む難燃性樹脂組成物であって、前記難燃剤(B)として、下記(1)〜(3)の要件を充足する難燃剤を用いて調製する。
(1)窒素気流下、昇温速度20℃/分で30℃から250℃まで昇温したとき、加熱重量減少量が8重量%以下である
(2)20℃において、水に対する溶解度が5g/100g以下である
(3)20℃において、1重量%濃度の水性スラリーがpH3〜7である
ベース樹脂(A)は、ポリエステル系樹脂で構成されていてもよく、例えば、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、C2-4アルキレンテレフタレート及びC2-4アルキレンナフタレートから選択された少なくとも1種の単位を有するホモ又はコポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートから選択された少なくとも1種、特に、ポリエチレンテレフタレートと、ポリプロピレンテレフタレート及び/又はポリブチレンテレフタレートとの組み合わせ)を含んでいてもよい。ベース樹脂(A)は、ポリエステル系樹脂及びスチレン系樹脂で構成されていてもよい。
難燃剤(B)は、3重量%以下の加熱重量減少量及び水に対して1g/100g以下の溶解度を有し、1重量%濃度で難燃剤(B)を含む水性スラリーのpHが3.5〜7であってもよい。また、難燃剤(B)は、硫黄原子1モルに対して1.6〜2.2モルのメラミンを有する硫酸(ジ)メラミン(B1)、及び/又は硫黄原子1モルに対して0.9〜1.3モルのメラムを有するメタンスルホン酸メラミン・メラム・メレム複塩(B2)であってもよい。
本発明の難燃性樹脂組成物において、難燃剤(B)は、最大粒径15μm以下であり、かつ針状、柱状及び板状から選択された少なくとも一種の形状を有するとともに、ベース樹脂(A)マトリックス中に分散していてもよい。また、難燃剤(B)の一部が、短径0.5μm以下であり、かつ針状及び/又は柱状の形状を有するとともに、ベース樹脂(A)マトリックス中に分散していてもよい。このような最大粒径や短径を有する難燃剤(B)は、通常、溶融混練によって調製できる。溶融混練前の難燃剤(B)は、平均粒径は30μm以下であってもよい。難燃剤(B)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対して5〜100重量部(好ましくは10〜100重量部)程度である。
本発明の難燃性樹脂組成物には、さらに、酸化防止剤、安定剤、滑剤、充填剤、ドリッピング防止剤、難燃助剤などが含まれていてもよい。また、本発明の難燃性樹脂組成物には、活性水素原子に対して反応性の官能基を有する反応性安定剤(エポキシ系反応性安定剤、オキサゾリン系反応性安定剤、カルボジイミド系反応性安定剤など)及び/又はリン系難燃助剤(縮合リン酸エステル、縮合リン酸エステルアミド、ホスファゼン化合物、有機ホスホン酸化合物、有機ホスフィン酸化合物など)が含まれていてもよい。
本発明には、前記難燃性樹脂組成物で形成された成形体も含まれる。この成形体は、電気特性として、比較トラッキング指数が300V以上であり、かつ難燃性として、厚み0.8mmにおけるUL94規格の燃焼性がV−2、V−1又はV−0であってもよい。このような成形体は、電気又は電子部品、オフィスオートメーション機器部品、自動車部品、あるいは機械機構部品に適している。この成形体は、前記難燃性樹脂組成物を射出成形して得られる成形体であって、(1)難燃剤(B)が、最大粒径15μm以下であり、かつ針状、柱状及び板状から選択された少なくとも一種の形状を有するとともに、成形体の樹脂マトリックス中に分散した成形体、及び/又は(2)難燃剤(B)が、短径0.5μm以下であり、かつ針状及び/又は柱状の形状を有するとともに、成形体の樹脂マトリックス中に分散した成形体であってもよい。
本発明には、要件(1)〜(3)を充足する難燃剤を用いて、前記難燃性樹脂組成物を製造する方法も含まれる。
本発明では、難燃剤として、特定の物性を有し、かつアミノ基含有トリアジン化合物と硫酸及び/又はスルホン酸との塩で構成された難燃剤を用いることにより、ポリエステル系樹脂などのベース樹脂を、ハロゲン系難燃剤を使用することなく、高いレベルで難燃化できる。特に、ベース樹脂の特性を低下させることなく、難燃化された実用性の高い樹脂組成物が得られる。さらに、この難燃性樹脂組成物を用いて得られた成形体は、難燃性が改善されるとともに、優れた電気特性(例えば、比較トラッキング指数)を有し、ブリードアウトが抑制されている。
[ベース樹脂(A)]
ベース樹脂(A)としては、成形用として利用される種々の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂などが挙げられる。これらのベース樹脂は、単独でまたは二種以上組合わせて使用してもよい。
(1)ポリエステル系樹脂
ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸成分とジオール成分との重縮合、オキシカルボン酸、ラクトン又はラクチドの重縮合、またはこれらの成分の重縮合などにより得られるホモポリエステル又はコポリエステルである。好ましいポリエステル系樹脂は、通常、飽和ポリエステル系樹脂、特に芳香族飽和ポリエステル系樹脂が含まれる。
ジカルボン酸成分としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸などの炭素数4〜40程度のジカルボン酸、好ましくは炭素数4〜14程度のジカルボン酸)、脂環式ジカルボン酸(例えば、ヘキサヒドロテレフタル酸などの炭素数8〜12程度のジカルボン酸)、芳香族ジカルボン酸[炭素数8〜16程度のジカルボン酸、例えば、アレーンジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸など)、ビスフェニル−ジカルボン酸(4,4′−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルアルカンジカルボン酸(4,4′−ジフェニルエタンジカルボン酸など)、ジフェニルケトンジカルボン酸など)]、又はこれらの誘導体(例えば、低級アルキルエステル、アリールエステル、酸無水物などのエステル形成可能な誘導体)などが挙げられる。これらのジカルボン酸成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸などを併用してもよい。
好ましいジカルボン酸成分には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が含まれる。
ジオール成分には、例えば、アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオールなどの炭素数2〜12程度のアルカンジオール、好ましくは炭素数2〜10程度のアルカンジオール)、ポリアルキレングリコール[アルキレン基の炭素数が2〜4程度であり、複数のオキシアルキレン単位を有するグリコール、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど]、脂環族ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAなど)、複素脂環族ジオール(例えば、イソソルビド、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなど)などが挙げられる。また、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、キシリレングリコールなどの芳香族ジオールを併用してもよい。これらのジオール成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオールを併用してもよい。
好ましいジオール成分には、C2-6アルキレングリコール(エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの直鎖状アルキレングリコール)、繰返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有する(ポリ)オキシアルキレングリコール[ジエチレングリコールなどのオキシC2-4アルキレン単位を含むグリコール]、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが含まれる。
オキシカルボン酸には、例えば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、グリコール酸、乳酸(D−、L−又はD/L−乳酸)などのオキシカルボン酸又はこれらの誘導体(例えば、アセチル化体、ラクチドなど)などが含まれる。
ラクトンには、プロピオラクトン、カプロラクトン(例えば、ε−カプロラクトンなど)などのC3-12ラクトンなどが含まれる。
好ましいポリエステル系樹脂には、アルキレンテレフタレート、アルキレンナフタレートなどのアルキレンアリレートを主成分(例えば、50〜100重量%、好ましくは75〜100重量%程度)とするホモポリエステル又はコポリエステル[例えば、ポリアルキレンテレフタレート(例えば、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリC2-4アルキレンテレフタレート)、ポリアルキレンナフタレート(例えば、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリC2-4アルキレンナフタレート)などのホモポリエステル;アルキレンテレフタレート及び/又はアルキレンナフタレート単位を主成分(例えば、50重量%以上)として含有するコポリエステル]が含まれる。特に好ましいポリエステル系樹脂には、ブチレンテレフタレート単位を主成分として含有するポリブチレンテレフタレート系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートコポリエステル)やエチレンテレフタレート単位を主成分とするポリエチレンテレフタレート系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートコポリエステル)が含まれる。なお、これらのポリエステル系樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
また、コポリエステルにおいて、共重合可能な単量体としては、C2-6アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの直鎖状又は分岐鎖状アルキレングリコールなど)、脂環族ジアルコール(1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)、繰返し数が2〜4程度のオキシアルキレン単位を有する(ポリ)オキシアルキレングリコール(ジエチレングリコール、ポリブチレングリコールなどのオキシC2-4アルキレン単位を含むグリコールなど)、複素脂環族ジオール(イソソルビドなど)、C6-12脂肪族ジカルボン酸(アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸など)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸など)、オキシカルボン酸(オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸など)、スルホ芳香族ジカルボン酸塩[例えば、スルホイソフタル酸アルカリ金属塩(例えば、5−ナトリウムスルホイソフタル酸など)、スルホイソフタル酸ホスホニウム塩など]などが挙げられる。なお、ポリエステル系樹脂は、溶融成形性などを損なわない限り、直鎖構造のみならず分岐鎖構造を有していてもよく、架橋されていてもよい。また、液晶ポリエステルであってもよい。
ポリエステル系樹脂は、慣用の方法、例えば、エステル交換、直接エステル化法などにより製造できる。
(2)スチレン系樹脂
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン系単量体(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなど)の単独又は共重合体;スチレン系単量体とビニル系単量体(例えば、アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸などのα,β−モノオレフィン性不飽和カルボン酸又はその酸無水物あるいはそのエステルなど)との共重合体;スチレン系グラフト共重合体、スチレン系ブロック共重合体などが挙げられる。
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン[GPPS、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)]、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、AS樹脂、ゴム成分にスチレン系単量体と必要により共重合性単量体がグラフト重合したグラフト共重合体(HIPS、ABS樹脂、MBS樹脂など)、ポリスチレンブロックとジエン又はオレフィンブロックとで構成されたブロック共重合体[例えば、SBSブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、エポキシ化SBS、エポキシ化SIS]などが挙げられる。これらのスチレン系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(3)ポリアミド系樹脂
ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド46、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド11、ポリアミド12などの脂肪族ポリアミド、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸および/又はイソフタル酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミンなど)とから得られるポリアミド、芳香族および脂肪族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸とアジピン酸)と脂肪族ジアミン(例えば、ヘキサメチレンジアミン)とから得られるポリアミド、脂肪族ジカルボン酸と半芳香族ジアミンとから得られるポリアミド(例えば、ポリアミドMXD6など)、共重合ポリアミド(例えば、ポリアミド6T/6、ポリアミド6T/66、ポリアミド6T/11、ポリアミド6T/12、ポリアミド6I/6、ポリアミド6I/66、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6T/6I/6、ポリアミド6T/6I/66、ポリアミド6T/M5Tなど)などが挙げられる。ポリアミド系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(4)ポリカーボネート系樹脂
ポリカーボネート系樹脂には、ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又はジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとの反応により得られる重合体が含まれる。ジヒドロキシ化合物は、脂環族化合物などであってもよいが、好ましくはビスフェノール化合物である。好ましいポリカーボネート系樹脂には、ビスフェノールA型ポリカーボネートが含まれる。ポリカーボネート系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(5)ポリフェニレンオキシド系樹脂(ポリフェニレンエーテル系樹脂)
ポリフェニレンオキシド系樹脂には、単独重合体および共重合体が含まれる。単独重合体としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)オキシド、ポリ(2,5−ジエチル−1,4−フェニレン)オキシド等のポリ(モノ、ジ又はトリC1-6アルキル−フェニレン)オキシド、ポリ(モノ又はジC6-20アリール−フェニレン)オキシド、ポリ(モノC1-6アルキル−モノC6-20アリール−フェニレン)オキシドなどが挙げられる。共重合体としては、前記単独重合体のモノマーユニットを2つ以上有する共重合体、ベンゼンホルムアルデヒド樹脂やアルキルベンゼンホルムアルデヒド樹脂に、アルキルフェノールを反応させて得られるアルキルフェノール変性ベンゼンホルムアルデヒド樹脂ブロックと、主体構造としてのポリフェニレンオキシドブロックとで構成された変性ポリフェニレンオキシド共重合体、ポリフェニレンオキシド又はその共重合体にスチレン系重合体及び/又は不飽和カルボン酸又は無水物がグラフトしている変性グラフト共重合体などが挙げられる。ポリフェニレンオキシド系樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(6)ビニル系樹脂
ビニル系樹脂としては、ビニル系単量体(例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステル;塩素含有ビニル単量体(例えば、塩化ビニル、クロロプレンなど);フッ素含有ビニル単量体;ビニルケトン類;ビニルエーテル類;N−ビニルカルバゾールなどのビニルアミン類など)の単独又は共重合体、あるいは他の共重合可能なモノマーとの共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)などが含まれる。前記ビニル系樹脂の誘導体(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタールなど)も使用できる。これらのビニル系樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
(7)オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレンなどのα−C2-10オレフィンの単独又は共重合体、環状オレフィン系樹脂(C3-10環状オレフィンの単独重合体、α−C2-10オレフィン−環状オレフィン共重合体など)、特に、プロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂(例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体など)などが挙げられる。
(8)アクリル系樹脂
アクリル系樹脂には、例えば、(メタ)アクリル系単量体((メタ)アクリル酸又はそのエステルなど)の単独又は共重合体の他、共重合性単量体との共重合体、例えば、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体などが含まれる。
(9)その他の樹脂
その他の樹脂としては、ポリアセタール樹脂;ケトン樹脂(例えば、エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−プロピレン−一酸化炭素共重合体など);ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4′−ビスフェノールエーテルスルホンなど);ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルケトン、ポリ(エーテルエーテルケトン)など);ポリエーテルイミド;熱可塑性ポリウレタン系樹脂;熱可塑性ポリイミド;ポリオキシベンジレン;熱可塑性エラストマーなどが例示できる。
好ましいベース樹脂は、液晶ポリエステルであってもよいポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ビニル系樹脂である。中でも、機械的特性、電気的特性、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性などの各種特性に優れるとともに、難燃剤(B)との組み合わせにおいて、ベース樹脂の特性とを難燃性とを両立できる点から、ポリエステル樹脂が好ましい、。ポリエステル系樹脂の中でも、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、C2-4アルキレンテレフタレート及びC2-4アルキレンナフタレートから選択された少なくとも1種の単位を有するホモ又はコポリエステル、特に、PET、PPT、PBT、及びイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートから選択された少なくとも1種(例えば、PET単独、PPT単独、PBT単独、PETとPBTとの組み合わせ、PETとPPTとの組み合わせ、PETとイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートとの組み合わせなど)が好ましい。
ブルーミング防止の観点から、ポリエステル系樹脂とスチレン系樹脂とを併用してもよい。ポリエステル系樹脂とスチレン系樹脂との割合(重量比)は、前者/後者=99/1〜50/50、好ましくは95/5〜60/40、さらに好ましくは90/10〜70/30程度である。
前記ベース樹脂の数平均分子量は、特に制限されず、樹脂の種類や用途に応じて適宜選択され、例えば、5×103〜200×104、好ましくは1×104〜150×104、さらに好ましくは1×104〜100×104程度の範囲から選択できる。また、ベース樹脂がポリエステル系樹脂の場合、数平均分子量は、例えば、5×103〜100×104、好ましくは1×104〜70×104、さらに好ましくは1.2×104〜30×104程度であってもよい。
[難燃剤(B)]
本発明で使用する難燃剤(B)は、加熱重量減少量が8重量%以下(例えば、0.001〜8重量%)である[要件(1)]。この加熱重量減少量は、例えば、6重量%以下(例えば、0.001〜6重量%)、好ましくは5重量%以下(例えば、0.003〜5重量%)、さらに好ましくは3重量%以下(例えば、0.005〜3重量%)、特に0.01〜1重量%程度であってもよい。加熱重量減少量が大きすぎると、難燃性の他、成形性、耐トラッキング性、ブルーミング性が低下する。
前記加熱による重量減少量は、例えば、熱重量分析装置を用いて、窒素気流下、20℃/分の昇温速度で、難燃剤を30℃から250℃まで昇温加熱したとき、30℃での難燃剤の重量に対する250℃での重量減少量(重量%)で表すことができる。
なお、難燃剤(B)は、大気下又は不活性ガス(ヘリウム、窒素、アルゴンなど)雰囲気下で予め加熱処理することにより、揮発量を低減させることができる。加熱処理は、例えば、100〜350℃、好ましくは150〜340℃、さらに好ましくは170〜330℃(特に200〜320℃)程度の温度で、例えば、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間、さらに好ましくは2〜10時間程度加熱することにより行ってもよい。
また、難燃剤(B)は、20℃において、水に対する溶解度が5g/100g以下(例えば、0.001〜5g/100g)である[要件(2)]。この溶解度は、例えば、3g/100g以下(例えば、0.005〜3g/100g)、好ましくは1g/100g以下(例えば、0.01〜1g/100g)、さらに好ましくは0.5g以下(例えば、0.05〜0.5g/100g)であってもよい。本発明の難燃剤は、水(20℃)に対する溶解度が5g/100g以下であるため、樹脂組成物の製造工程にて、難燃剤の溶出、湿潤条件下での樹脂成形品からの難燃剤の染み出しがほとんど起こらない。一方、溶解度が高すぎると、難燃性の他、成形性、耐トラッキング性の他、特にブルーミング性が低下する。
さらに、難燃剤(B)は、20℃において、1重量%濃度の水性スラリーがpH3〜7である[要件(3)]。この水性スラリーのpHは、例えば、3.2〜7、好ましくは3.5〜7、さらに好ましくは3.5〜6.5(特に3.7〜6)程度である。本発明の難燃剤(B)は、pHが3〜7であるため、ベース樹脂(A)の分解による特性の低下が抑制され、さらに、成形加工装置(押出機、成形機、金型など)または金属一体型の成形品において金属腐食を引き起こすこともない。
本発明では、水性スラリーに使用される水性溶媒は、水、低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(アセトンなど)又はこれらの混合溶媒であり、通常、水である。
なお、これらの要件(1)〜(3)は、樹脂組成物に調製(特に、溶融混練)する前(原料段階)の特性であり、通常、溶融混練などにより樹脂組成物を調製した場合には、これらの特性は変化する。
このような特性を有する難燃剤(B)は、例えば、アミノ基含有トリアジン化合物と、硫酸及びスルホン酸から選択された少なくとも一種との塩で構成されている。前記塩は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
アミノ基を有するトリアジン化合物としては、塩基性窒素原子を有するトリアジン類[アミノ基(モノ置換アミノ基(イミノ基)も含む)を有するトリアジン類など]、例えば、1,3,5−トリアジン類[メラミン、置換メラミン(2−メチルメラミンなどのアルキルメラミン、グアニルメラミンなど)、メラミン縮合物(メラム、メレム、メロンなど)、メラミンの共縮合樹脂(メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール−メラミン樹脂、ベンゾグアナミン−メラミン樹脂、芳香族ポリアミン−メラミン樹脂など)などのメラミン又はその誘導体;アンメリン、アンメリドなどのシアヌール酸アミド類;グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、アジポグアナミン、フタログアナミン、CTU−グアナミン、ヘテロ環含有基を置換基として有するグアナミン化合物[特公昭47−41120号公報に記載の化合物、例えば、2,4−ジアミノ−6−(2’−イミダゾリル)エチル−s−トリアジンなどのイミダゾール環の3級炭素原子にC1-6アルキル基及び/又はC6-10アリール基を有していてもよい2,4−ジアミノ−6−(2’−イミダゾリル−(1’)−C1-4アルキル)−s−トリアジンなど]のグアナミン又はその誘導体など]、1,2,3−トリアジン類(1,2,3−トリアジン、ベンゾ−1,2,3−トリアジンなど)、1,2,4−トリアジン類などの各種アミノトリアジン類が挙げられる。なお、アミノ基はトリアジン環を構成する適当な部位(窒素原子及び炭素原子、特に、炭素原子)に置換していてもよい。アミノ基の個数は、特に制限されず、例えば、1〜3個程度、好ましくは2〜3個程度である。
好ましいアミノ基含有トリアジン化合物には、メラミン、メラミン縮合物[例えば、メラム、メレム、メロン(特に、メラム及びメレム)など]などが含まれる。
アミノ基含有トリアジン化合物と、硫酸及び/又はスルホン酸とは、通常、トリアジン環に置換した少なくとも1つのアミノ基を介して塩を形成する。前記トリアジン化合物が複数のアミノ基を有する場合、全てのアミノ基が前記酸と塩を形成していてもよく、例えば、アミノ基の一部が硫酸と塩を形成し、残りの全部又は一部がスルホン酸と塩を形成していてもよい。
前記硫酸としては、硫酸(オルト硫酸)、亜硫酸などの非縮合硫酸;ピロ硫酸などの縮合硫酸などが挙げられる。好ましい硫酸は、オルト硫酸及びピロ硫酸(以下、オルト硫酸又はピロ硫酸を、単に(ピロ)硫酸と称する場合がある)である。前記硫酸は一種で又は二種以上組合せて使用してもよい。
前記スルホン酸としては、アルキルスルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、エタンジスルホン酸など)、アレーンスルホン酸(ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ベンゼンジスルホン酸など)などが挙げられる。好ましいスルホン酸は、C1-10アルキルスルホン酸及びC6-12アレーンスルホン酸である。前記スルホン酸は一種で又は二種以上組合せて使用してもよい。
(アミノ基含有トリアジン化合物の硫酸塩)
アミノ基含有トリアジン化合物の硫酸塩としては、アミノ基含有トリアジン化合物の硫酸塩、例えば、非縮合硫酸塩[硫酸メラミン類(硫酸メラミン、硫酸ジメラミン、硫酸グアニルメラミンなど)、硫酸メラミンに対応する亜硫酸メラミンなどの非縮合硫酸メラミン類;前記非縮合硫酸メラミン塩に対応するメラム塩、メレム塩、メロン塩、メラミン・メラム・メレム複塩、グアナミン塩など]、縮合硫酸塩[ピロ硫酸メラミン類(ピロ硫酸メラミン、ピロ硫酸ジメラミンなど)、ピロ硫酸メラミン塩に対応するメラム塩(ピロ硫酸メラム、ピロ硫酸ジメラムなど)、メレム塩、メロン塩、メラミン・メラム・メレム複塩、グアナミン塩など]などが例示できる。好ましい硫酸塩は、硫酸メラミン、硫酸ジメラミン、ピロ硫酸メラミンなどの(ピロ)硫酸メラミン類;硫酸メラム、ピロ硫酸ジメラムなどの(ピロ)硫酸メラム類;(ピロ)硫酸メラミン・メラム・メレム複塩類などである。
なお、硫酸メラミン及び硫酸ジメラミン(以下、硫酸メラミン又は硫酸ジメラミンを単に硫酸(ジ)メラミンと称する場合がある)は、例えば、特開平8−231517号公報及び特開平9−255811号公報などに記載の方法などにより得ることができる。また、ピロ硫酸ジメラムは、例えば、特開平10−306082号公報に記載の方法などにより得ることができる。
(アミノ基含有トリアジン化合物のスルホン酸塩)
アミノ基含有トリアジン化合物のスルホン酸塩としては、アルカンスルホン酸塩[アルキルスルホン酸メラミン類(メタンスルホン酸メラミン、エタンスルホン酸メラミンなどのC1-6アルカンスルホン酸メラミン又は対応するC1-6アルカンジスルホン酸メラミンなど)、前記アルカンスルホン酸メラミン塩に対応するメラム塩、メレム塩、メロン塩、メラミン・メラム・メレム複塩、グアナミン塩、アセトグアナミン塩、ベンゾグアナミン塩など]、アミノ基含有トリアジン化合物のアレーンスルホン酸塩[アレーンスルホン酸メラミン類(ベンゼンスルホン酸メラミン、トルエンスルホン酸メラミンなど)、前記アレーンスルホン酸メラミン塩に対応するメラム塩、メレム塩、メロン塩、メラミン・メラム・メレム複塩、グアナミン塩、アセトグアナミン塩、ベンゾグアナミン塩など]などが例示できる。これらのスルホン酸塩のうち、メタンスルホン酸塩などのC1-4アルカンスルホン酸塩(メラミン塩、メラム塩、メレム塩、メラミン・メラム・メレム複塩など)、ベンゼンスルホン酸塩又はp−トルエンスルホン酸塩(メラミン塩、メラム塩、メレム塩、メラミン・メラム・メレム複塩など)などが好ましい。アミノ基含有トリアジン化合物のスルホン酸塩は、例えば、特表平10−511409号公報、特開2001−288361号公報などに記載の方法などにより得ることができる。また、メタンスルホン酸メラムは、日産化学工業(株)から「MMS−200」として入手可能である。
アミノ基含有トリアジン化合物と、硫酸及びスルホン酸の総量との割合は、前記要件(1)〜(3)を充足する限り特に制限されないが、アミノ基含有トリアジン化合物の硫酸塩の場合、硫黄原子1モルに対して、アミノ基含有トリアジン化合物が、例えば、1〜3モル、好ましくは1.5〜2.5モル、さらに好ましくは1.6〜2.2モル程度である。本発明では、アミノ基含有トリアジン化合物の硫酸塩として、硫黄原子1モルに対して1.6〜2.2モルのメラミンを有する硫酸(ジ)メラミン(B1)が特に好ましい。また、アミノ基含有トリアジン化合物のスルホン酸塩の場合、硫黄原子1モルに対して、アミノ基含有トリアジン化合物が、例えば、0.5〜2モル、好ましくは0.7〜1.5モル、さらに好ましくは0.9〜1.3モル程度である。本発明では、アミノ基含有トリアジン化合物のスルホン酸塩として、硫黄原子1モルに対して0.9〜1.3モルのメラムを有するメタンスルホン酸メラミン・メラム・メレム複塩(B2)が特に好ましい。
また、アミノ基含有トリアジン化合物と硫酸及び/又はスルホン酸との塩には、フリーのアミノ基含有トリアジン化合物、水(吸着水、結晶水など)、及び溶剤などの成分が含まれる場合があり、樹脂組成物の加工性、さらには成形性に悪影響を及ぼす場合がある。このような場合、前記硫酸塩又はスルホン酸塩として、熱による揮発量(すなわち、加熱による重量減少量)が少ない塩を用いることにより、前記成分による加工性及び成形性の低下を抑制することもできる。
本発明では、難燃剤(B)の形状とは、原料段階(溶融混練前)の形状ではなく、調製後(溶融混練後)の樹脂組成物(又は成形品)中での形状を意味し、原料段階での形状は、特に限定されず、不定形の形状であってもよい。例えば、原料段階で不定形の粒子状であっても、組成物(成形品も含む)を調製するための条件を調整することにより、針状、柱状、板状などの形状とすることができる。原料段階における難燃剤(B)の平均粒径は、例えば、30μm以下(例えば、1〜30μm)、好ましくは3〜28μm、さらに好ましくは5〜25μm程度である。
溶融混練後の組成物中における難燃剤(B)の最大粒径は、例えば、15μm以下(例えば、0.1〜15μm)、好ましくは10μm以下(例えば、0.3〜10μm)である。さらに、難燃剤(B)の一部は、短径0.5μm以下(例えば、0.01〜0.5μm)、好ましくは0.3μm以下(例えば、0.05〜3μm)程度の針状及び/又は柱状物であるのが好ましい。このような短径を有する針状及び/又は柱状物の割合は、難燃剤(B)中、例えば、1〜99重量%、好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは10〜80重量%程度である。本発明では、このような最大粒径や短径を有する難燃剤(B)をベース樹脂マトリックス中に分散させることにより、難燃性を向上できる。これらの難燃剤は、前述のように、前記条件を調整することにより調製してもよい。
さらに、本発明では、難燃剤(B)が、成形体樹脂中[特にベース樹脂(A)マトリックス中]に分散しているのが好ましい。特に、針状、柱状、板状などの形状であり、かつ前記最大粒径を有する難燃剤が成形体の樹脂マトリックス中に分散しているのが好ましく、前記短径を有する針状及び/又は柱状難燃剤がベース樹脂マトリックス中に微少分散しているのが更に好ましい。本発明では、溶融加工プロセス(例えば、射出成形、押出成形など)によって、特定形状の難燃剤が成形体のベース樹脂マトリックス中に分散することにより、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、10〜100重量部、特に15〜70重量部程度の難燃剤であっても充分に成形体樹脂の難燃性を向上できる。
難燃剤をベース樹脂中に充分に分散させる方法としては、特定の平均粒径を有し、かつ要件(1)〜(3)を充足する難燃剤を用いて、組成物の調製条件を調整する方法を使用できる。具体的には、押出及び/又は成形加工による混合(混練)の過程における条件、例えば、押出混練条件(スクリューパターン、スクリュー回転速度、混練滞留時間、吐出量、樹脂温度、圧力など)及び/又は成形条件(射出速度、射出圧力、樹脂温度、成形サイクル、金型温度など)を調整する方法を使用できる。例えば、押出機を用いて混練する場合、ベース樹脂の溶融温度で押出混練すればよく、ポリエステル系樹脂では、例えば、200〜350℃、好ましくは220〜300℃、さらに好ましくは230〜280℃程度である。スクリュー回転速度は、例えば、50〜500rpm、好ましくは80〜300rpm程度である。
難燃剤(B)は、エポキシ系化合物、カップリング剤(シラン系化合物、チタネート系化合物、アルミニウム系化合物など)、クロム系化合物などの表面改質剤により処理してもよい。
また、難燃剤(B)は、被覆成分、例えば、金属、ガラス、トリアジン誘導体のシアヌール酸塩、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂又はこれらの共縮合樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミドなど)、熱可塑性樹脂などで被覆処理してもよい。これらの被覆成分のうち、通常、熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂やエポキシ樹脂など)で被覆処理するのが好ましい。難燃剤(B)の被覆処理方法として、例えば、特開2000−169120号公報、特開2001−131293号公報などを参照することができる。被覆成分で被覆した難燃剤(被覆難燃剤)(B)において、被覆成分の割合は、特に制限されないが、被覆難燃剤の0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%(例えば、0.1〜8重量%)程度である。
[難燃剤(B)の使用割合]
難燃剤(B)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、例えば、0.1〜300重量部の範囲から選択できるが、通常、1〜200重量部、好ましくは3〜150重量部、さらに好ましくは5〜100重量部程度である。本発明では、ベース樹脂中での難燃剤の分散性を低下させずに、比較的多量の難燃剤を配合できるため、例えば、難燃剤(B)の割合は、ベース樹脂(A)100重量部に対して、例えば、10〜130重量部、好ましくは10〜120重量部、さらに好ましくは15〜110重量部(特に15〜100重量部)程度であってもよい。
[難燃助剤(C)]
本発明の難燃性樹脂組成物は、必要に応じて、難燃助剤(C)を含んでいてもよい。難燃助剤(C)としては、例えば、芳香族系樹脂[ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(ポリフェニレンスルフィド、ポリビフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドケトン、ポリビフェニレンスルフィドスルホンなど)、ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリアミド(MXD6、PMD6など)、ポリアリレート系樹脂(ポリエステル成分として、ビスフェノール類及び/又はベンゼンジオール類を用いて得られる芳香族ポリエステル系樹脂など)、芳香族エポキシ樹脂(ビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂などのエーテル系エポキシ樹脂、アミン系エポキシ樹脂など)、フェノール系樹脂(ノボラック型フェノール樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂など)、アラルキル樹脂(フェノールアラルキル樹脂など)、芳香族ビニル樹脂(ポリヒドロキシスチレンなど)など]、窒素含有化合物[例えば、アセチレン尿素や尿酸などの環状尿素系化合物、テトラゾール、メラミン又はその縮合物(メラム、メレム、メロンなど)、グアナミン又はその誘導体(アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、アジポグアナミン、フタログアナミン、CTU−グアナミン)、シアヌール酸メラミン、リン酸メラミン、メタリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アミド、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩、有機ホスホン酸メラミン、有機ホスフィン酸メラミン(メチルエチルホスフィン酸メラミン、ジエチルホスフィン酸メラミン、ジエチルホスフィン酸メラム、ジエチルホスフィン酸メラミン・メラム・メレム複塩)など)、ホウ酸メラミンなどなど]、無機金属系化合物[例えば、無機酸の金属塩(ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カリウム、リン酸アルミニウム、(次)亜リン酸カルシウム、(次)亜リン酸アルミニウム、(含水)スズ酸亜鉛など)、金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化アンチモンなど)、金属水酸化物(水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウムなど)、金属硫化物(硫化亜鉛など)など]、リン含有化合物[縮合リン酸エステル(例えば、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ハイドキノンビス(ジフェニルホスフェート)、ビフェニルビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノール−A(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)、ハイドキノンビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)、ビフェニルビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)、ビスフェノール−Aビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)、ペンタエリスリトールジフェニルホスフェート、ペンタエリスリトールジ−2,6−キシリルホスフェート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ[2.2.2]オクタン−4−メタノール−1−オキシド、及び米国特許4154775号及び米国特許4801625号明細書に記載のリン酸エステル化合物など)、縮合リン酸エステルアミド(例えば、1,4−ピペラジンジイルテトラフェニルホスフェート、1,4−ピペラジンジイルテトラ−2,6−キシリルホスフェート、N,N’−ビス(ネオペンチレンジオキシホスフィニル)ピペラジン、及び特開平10−175985号、特開2001−139823号及び特開2001−354689号公報に記載のリン酸エステルアミドなど)、ホスホニトリル化合物(例えば、フェノキシホスファゼン、トリルオキシホスファゼン、キシリルオキシホスファゼン、フェノキシトリルオキシホスファゼン、フェノキシキシリルホスファゼンなどの環状及び/又は鎖状のホスファゼン化合物、それらの架橋ホスファゼン化合物(例えば、ビスフェノール類残基で架橋されたフェノキシホスファゼンなど)、及びWO99/19383号、WO00/9518号、WO02/98886号及びWO04/24844号明細書に記載のホスファゼン化合物など)、有機ホスホン酸化合物(例えば、ペンタエリスリトールジメチルホスホネート、ペンタエリスリトールジエチルホスホネート、ペンタエリスリトールジフェニルホスホネート、メチルホスホン酸のトリメチロールプロパンエステル、米国特許3789091号、米国特許3849368号、米国特許4390477号明細書に記載の化合物などの有機ホスホン酸エステル、有機ホスホン酸金属塩、有機ホスフィン酸化合物(例えば、メチルエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、特開平8−73720号公報に記載の有機ホスフィン酸金属塩など)、及び無機リン化合物(例えば、赤燐、(次)亜リン酸カルシウム、(次)亜リン酸アルミニウム、リン酸ホウ素など)など)]などを用いることができる。これらの難燃助剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの難燃助剤のうち、芳香族系樹脂(ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、芳香族エポキシ樹脂、フェノール系樹脂、芳香族ポリアミドなど)、環状窒素含有化合物(アセチレン尿素、メラミンシアヌレート、メラミン又はその縮合物など)、無機酸の金属塩((含水)ホウ酸亜鉛、リン酸水素カルシウムなど)、リン含有化合物(縮合リン酸エステル、縮合リン酸エステルアミド、ホスファゼン化合物、有機ホスホン酸化合物、及び有機ホスフィン酸化合物など)などが好ましく用いられる。ポリフェニレンオキシド系樹脂及びポリカーボネート系樹脂としては、前記ベース樹脂(A)の項で例示した樹脂と同様の樹脂を使用することができ、ベース樹脂と芳香族系樹脂とは、通常、異種の樹脂が使用される。
難燃剤(B)と難燃助剤(C)との割合(重量比)は、難燃剤(B)/難燃助剤(C)=100/0〜1/99程度の範囲から選択できるが、本発明では、難燃助剤の割合が微量であっても高度な難燃性を発現でき、例えば、難燃剤(B)/難燃助剤(C)=99.999/0.001〜90/10、好ましくは99.997/0.003〜99/1、さらに好ましくは99.995/0.005〜99.9/0.1(特に99.995/0.005〜99.95/0.05)程度であってもよい。
[添加剤]
本発明の難燃性樹脂組成物は、必要に応じて種々の添加剤(例えば、他の難燃助剤、酸化防止剤、安定剤、ドリッピング防止剤、滑剤、可塑剤など)を含んでいてもよい。前記添加剤は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。添加剤の全体の含有量は、ベース樹脂100重量部に対して、0.01〜50重量部、好ましくは、0.1〜30重量部、さらに好ましくは1〜20重量部程度である。
他の難燃助剤としては、例えば、硫黄含有難燃助剤、ケイ素含有難燃助剤、アルコール系難燃助剤、膨張性難燃助剤(膨張性黒鉛など)などが挙げられる。これら他の難燃剤は、一種で又は二種以上組み合わせて使用できる。他の難燃助剤の含有量は、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜50重量部程度、好ましくは0.05〜30重量部程度、特に0.1〜20重量部程度の範囲から選択できる。
酸化防止剤及び安定剤には、例えば、フェノール系(ヒンダードフェノール類など)、アミン系(ヒンダードアミン類など)、リン系、イオウ系、ヒドロキノン系、キノリン系酸化防止剤(又は安定剤)、無機系安定剤[無機金属又は鉱物系安定剤(ハイドロタルサイト、ゼオライトなど)、及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属カルボン酸塩(炭酸塩、有機カルボン酸塩など)など]、活性水素原子に対して反応性の官能基を有する化合物(反応性安定剤)[環状エーテル基(エポキシ基やオキセタン基など)、酸無水物基(無水マレイン酸基など)、イソシアネート基、オキサゾリン基(環)、オキサジン基(環)、カルボジイミド基などから選択された少なくとも一種の官能基を有する化合物など]などが含まれる。
これらのうち、リン系安定剤、反応性安定剤が汎用される。リン系安定剤としては、例えば、ホスファイト系安定剤(トリアルキルホスファイト、トリスアルキルアリールホスファイト、トリス(分岐アルキルフェニル)ホスファイト、(分岐アルキルフェニル)フェニルホスファイト、ビス(アルキルアリール)ペンタエリスリトールジホスファイトなど)、トリフェニルホスフェート系安定剤、ジホスホナイト系安定剤などが挙げられる。反応性安定剤としては、例えば、エポキシ系反応性安定剤(グリシジルエーテル化合物、エポキシ基含有アクリル系重合体など)、オキサゾリン系反応性安定剤(フェニレンビス(2−オキサゾリン)など)、カルボジイミド系反応性安定剤(ポリアリールカルボジイミド、ポリアルキルアリールカルボジイミド、ポリ[アルキレンビス(アルキル又はシクロアルキルアリール)カルボジイミド]など)などが挙げられる。
これらの酸化防止剤及び/又は安定剤は単独で又は二種以上使用できる。酸化防止剤及び/又は安定剤の含有量は、それぞれ、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜8重量部、特に0.1〜5重量部程度の範囲から選択できる。
ドリッピング防止剤としては、フッ素系樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライドなどの単独重合体;テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体などの共重合体が例示される。これらのフッ素樹脂は単独で又は二種以上混合して使用できる。
前記フッ素系樹脂は、粒子状で使用してもよく、平均粒径は、例えば、10〜5000μm程度、好ましくは100〜1000μm程度、さらに好ましくは100〜700μm程度であってもよい。
ドリッピング防止剤の含有量は、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜10重量部程度、好ましくは0.1〜5重量部程度、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度である。
滑剤としては、長鎖脂肪酸又はその誘導体[一価の飽和又は不飽和脂肪酸(カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、べヘン酸、モンタン酸等のC10-34飽和脂肪酸など)、二価の飽和又は不飽和脂肪酸(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸等のC10-34不飽和脂肪酸など)、及びこれらの脂肪酸エステルや脂肪酸アミドなど]、ポリオキシアルキレングリコール[C2-6アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなど)の単独又は共重合体、それらの誘導体]、シリコーン系化合物[ジアルキルシロキサン(ジメチルシロキサンなど)、アルキルアリールシロキサン(フェニルメチルシロキサンなど)、ジアリールシロキサン(ジフェニルシロキサンなど)などのモノオルガノシロキサン、これらの単独重合体又は共重合体、変性ポリオルガノシロキサンなど]、ワックス類[天然パラフィン、合成パラフィン、マイクロワックス、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリC2-4オレフィン系ワックス、エチレン共重合体ワックスなどのオレフィン共重合体ワックスなど)など]などが挙げられる。滑剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
滑剤の含有量は、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.01〜10重量部である。
可塑剤としては、ポリエステル系化合物[(ジ)エチレングリコールジベンゾエート、2−メチル−1,3−ジヒドロキシプロパンジベンゾエート、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ポリエチレングリコールモノ又はジベンゾエート、ポリカプロラクトンモノ又はジベンゾエート;ビフェノール又はビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)のC1-3アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシドなど)付加物の長鎖脂肪酸エステルなど]、アジピン酸エステル化合物(アジピン酸ジ−2−エチルヘキシルなど)、クエン酸エステル系化合物、フタル酸エステル系化合物(フタル酸ジ−2−エチルヘキシルなど)、テトラヒドロフタル酸エステル系化合物、トリメリット酸エステル系化合物(トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシルなど)、エーテル系化合物[ビフェノール又はビスフェノール類(ビスフェノール−Aなど)のC1-3アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシドなど)付加物など]、リン酸エステル系化合物(リン酸トリメチルなどのアルキルエステル;リン酸トリクレジル、リン酸クレジルジフェニルなどのアリールエステル;ビスフェノール系芳香族縮合リン酸エステル類など)などが挙げられる。これらの可塑剤は単独で又は二種以上混合して使用できる。
可塑剤の含有量は、例えば、ベース樹脂(A)100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.0〜10重量部である。
さらに、本発明の難燃性樹脂組成物は、他の添加剤、例えば、安定剤(紫外線吸収剤、耐熱安定剤、耐候安定剤など)、離型剤、着色剤、衝撃改良剤、摺動剤などを含んでいてもよい。
[充填剤]
本発明の難燃性樹脂組成物は、機械的強度、剛性、耐熱性及び電気的性質などをさらに向上させるため、充填剤(繊維状充填剤、非繊維状充填剤(板状充填剤、粉粒状充填剤など))により改質されていてもよい。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維、高融点有機質繊維などが例示できる。
非繊維状充填剤のうち、板状充填剤には、例えば、ガラスフレーク、マイカ、グラファイト、各種金属箔などが例示できる。粉粒状充填剤には、カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、ミルドファイバー、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、カオリン、タルク、マイカ、クレー、ケイ藻土、ウォラストナイトなどのケイ酸塩;酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナなどの金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属の硫酸塩、炭化ケイ素などの金属粉末が含まれる。好ましい充填剤は、繊維状充填剤(ガラス繊維、カーボン繊維)、非繊維状充填剤(粉粒状又は板状充填剤、特に、ガラスビーズ、ミルドファイバー、カオリン、タルク、マイカ、及びガラスフレーク)を含む。特に好ましい充填剤は、ガラス系充填剤、例えば、ガラス繊維(チョップドストランドなど)が含まれる。
難燃性樹脂組成物中の充填剤の割合は、例えば、1〜60重量%程度、好ましくは1〜50重量%程度、さらに好ましくは1〜45重量%程度である。
充填剤は、必要に応じて、収束剤又は表面処理剤(例えば、エポキシ系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物などの官能性化合物、好ましくはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ系化合物)で処理してもよい。充填剤の処理は、充填剤の添加と同時に行ってもよく、添加前に予め処理してもよい。また、官能性表面処理剤又は収束剤の使用量は、充填剤に対して5重量%以下、好ましくは0.05〜2重量%程度である。
[難燃性樹脂組成物及び成形体]
本発明の難燃性樹脂組成物の形態は、粉粒体混合物や溶融混合物であってもよく、ベース樹脂(A)と、難燃剤(B)と、必要により難燃助剤(C)、ドリッピング防止剤、他の添加剤などとを慣用の方法で混合(又は溶融混練)することにより調製できる。難燃性樹脂組成物はペレットの形態であってもよい。なお、押出機によるペレットの製造方法としては、脆性充填剤(ガラス系充填剤など)を除く成分を先に溶融混合した後に、脆性充填剤成分を混合する製造方法等が採用できる。
なお、ハンドリングの観点から、非樹脂状成分と、樹脂状成分とを一旦溶融混合することにより、マスターバッチを調製すると便利である。マスターバッチと、ベース樹脂と、必要に応じて、残りの成分とを溶融混合することにより、難燃性樹脂組成物を製造できる。
本発明では、さらに成形体の電気特性(耐トラッキング性など)を改善することもできる。従って、本発明には、難燃性、耐ブリードアウト性及び電気特性(耐トラッキング性など)のうち、少なくともいずれかの特性を改善する方法(又は向上させる方法)も含まれる。
本発明の成形体(成形品、成形材)は、前記難燃性樹脂組成物で形成できる。本発明では、成形体のベース樹脂(A)(マトリックス樹脂)中において、最大粒径15μm以下で、かつ針状、柱状及び板状から選択された少なくとも一種の形状を有する難燃剤(B)が分散している。
本発明の成形体は、難燃性及び電気特性の双方の特性を有している。すなわち、成形体は、電気特性として、300V以上(例えば、300〜1000V程度)、好ましくは350V以上(例えば、350〜900V程度)、さらに好ましくは400〜800V程度の比較トラッキング指数を有していてもよい。また、成形体は、難燃性として、厚み0.8mmを有する試験片を用いてUL94に準拠して測定した燃焼性試験において、V−2、V−1又はV−0の難燃性能を有していてもよい。
本発明には、ベース樹脂(A)と難燃剤(B)とを含む難燃性樹脂組成物を射出成形し、成形体を製造する方法も含まれる。
なお、難燃剤(B)の項で記載したように、樹脂組成物の製造方法、成形体の製造方法の諸条件を調整することにより、樹脂組成物中での難燃剤(B)の形状や分散状態を制御する可能となる。
本発明の難燃性樹脂組成物を溶融混練し、押出成形、射出成形、圧縮成形などの慣用の方法で成形でき、形成された成形品は、難燃性および成形加工性に優れているため、種々の用途に使用できる。例えば、電気・電子部品(電気及び/又は電子部品)、家電機器部品、オフィスオートメーション(OA)機器部品、機械機構部品、自動車部品、包装材料やケースなどに好適に用いることができる。また、本発明の成形体は、具体的に、コネクター部品、スイッチ部品、リレー部品、トランス部品、ブレーカー部品、電磁開閉機器部品、フォーカスケース部品、コンデンサー部品、モーター部品、複写機部品、又はプリンター部品などに使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、下記の試験により樹脂組成物の各種特性を評価した。
[燃焼試験]
UL94に準拠して、試験片の厚み0.8mmで燃焼性を評価した。
[耐トラッキング性]
IEC112規格(UL746A)に準拠して、0.1重量%濃度の塩化アンモニウム水溶液を用いて、比較トラッキング指数(CTI[単位:V])を測定し、電気特性(絶縁性)を評価した。
[成形性(モールドデポジット)]
50t射出成形機[東芝機械(株)製]を用いて、厚み0.8mmの燃焼試験片を200ショット成形した後に目視観察により金型表面上のモールドデポジットを下記の基準で評価した。
○:金型表面にモールドデポジットが全く観察されない
△:金型表面にモールドデポジットが若干観察される
×:金型表面に著しいモールドデポジットが観察される。
[ブルーミング性の評価]
厚み0.8mmの燃焼試験片を相対湿度95%、温度50℃で10日間保存した後、試験片表面における染み出し状態を目視観察し、下記の基準によりブルーミング性を評価した。
○:染み出しが全く見られない
△:若干の染み出しが見られる
×:顕著な馴染み出しが見られる。
また、実施例及び比較例で用いた成分は、以下の通りである。
[ベース樹脂A]
A−1:ポリブチレンテレフタレート[固有粘度=0.85]
A−2:ポリエチレンテレフタレート[固有粘度=0.75]
A−3:ポリプロピレンテレフタレート[固有粘度=0.85]
A−4:アクリロニトリル−スチレン共重合体[セビアンN JD、ダイセル化学工業(株)製]。
[難燃剤(アミノ基含有トリアジン化合物と硫酸又はスルホン酸との塩)B]
B1−1:以下の調製例1で調製した硫酸ジメラミン
(調製例1)
蒸留水1000mlにメラミン250gを加え85〜90℃で加熱攪拌した。次いで、この温度維持しながら、75重量%硫酸130gを徐々に滴下し、1時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却して白色粉末状反応生成物を濾別洗浄して、100℃で24時間真空加熱乾燥して硫酸ジメラミン[(b1):熱重量減少量=9.5重量%、水溶解度(20℃)=0.15g/100g、1重量%濃度の水スラリーpH(20℃)=4.1、硫酸の硫黄原子/メラミンのモル比率=1/1.9、平均粒子径=19μm]を得た。得られた硫酸ジメラミン(b1)の走査型顕微鏡(SEM)写真(1000倍、5000倍)を図1及び図2に示す。
この硫酸ジメラミン(b1)を、窒素気流下、200℃で3時間の加熱処理により硫酸ジメラミン[(B1−1):熱重量減少量=0.6重量%、水溶解度(20℃)=0.1g/100g、1重量%濃度の水性スラリーpH(20℃)=4.2、硫酸の硫黄原子/メラミンのモル比=1/1.9、平均粒子径=17μm]を得た。得られた硫酸ジメラミンのSEM写真(1000倍及び5000倍)を、それぞれ図3及び図4に示す。
B2−1:以下の調製例2で調製したメタンスルホン酸メラミン・メラム・メレム複塩
(調製例2)
メラミン250gに70重量%メタンスルホン酸水溶液130gを攪拌しながら徐々に滴下し、90℃で0.5時間加熱攪拌した。反応後、水分をエバポレータで除去し、さらに、100℃で24時間真空加熱乾燥して白色粉末のメタンスルホン酸メラミン[(b2):熱重量減少量=15重量%、水溶解度(20℃)=5g/100g以上、1重量%濃度の水スラリーpH(20℃)=6.5、メタンスルホン酸の硫黄原子/メラミンのモル比=1.0/2.1]を得た。次いで、この白色粉末を330℃で6時間焼成した後、粉砕してメタンスルホン酸メラミン・メラム・メレム複塩[(B2−1):熱重量減少量=0.08重量%、水溶解度(20℃)=0.10g/100g水、1重量%濃度の水性スラリーpH(20℃)=5.5、メタンスルホン酸の硫黄原子/メラムのモル比=1.0/1.0、メラミン/メラム/メレムのモル比(高速液体クロマトグラフィー)=0.5/99.0/0.4、平均粒子径=13μm]を得た。
B3−1:調製例1に記載の100℃で24時間真空加熱乾燥した硫酸ジメラミン(b1)
B3−2:調製例2に記載の100℃で24時間真空加熱乾燥したメタンスルホン酸メラミン(b2)。
[難燃助剤C]
(芳香族系樹脂C1)
C1−1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂[エピコート1004K、油化シェルエポキシ(株)製]。
(リン含有化合物C2)
C2−1:レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリルホスフェート)
C2−2:1,4−ピペラジンジイルテトラフェニルホスフェート
C2−3:フェノキシホスファゼン[環状3量体]
C2−4:メチルエチルホスフィン酸アルミニウム
(窒素含有化合物C3)
C3−1:メラミンシアヌレート。
[酸化防止剤D]
D−1:ペンタエリスリトール テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][Irganox1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製]
[安定剤E]
(リン系安定剤E1)
E1−1:テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト[サンドスタブP−EPQ、サンド(株)製]
E1−2:ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト[アデカスタブPEP36、アデカアーガス(株)製]
(反応性安定剤E2)
E2−1:ビスフェノール−Aジグリシジルエーテル[エピコート828、油化シェルエポキシ(株)製]
E2−2:エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルメタクリレート共重合体[モディパーA4200、日本油脂(株)製]
E2−3:ポリカルボジイミド[カルボジライトHMV−8CA、日清紡績(株)製]
E2−4:1,3−フェニレンビス(2−オキサゾリン)。
[ドリッピング防止剤 F]
F−1:ポリテトラフルオロエチレン
[滑剤G]
G−1:モンタン酸エステル[LUZA WAX−P、東洋ペトロライト(株)製]
G−2:ポリエチレンワックス[サンワックス、三洋化成(株)製]
[充填剤H]
H−1:直径10μm、長さ3mmのガラスチョップドストランド。
実施例1〜16及び比較例1〜6
上記成分を表1及び表2に示す割合(重量部)で混合し、30mmΦ二軸押出機[(株)日本製鋼所製TEX30:シリンダー温度=260℃、スクリュー回転数=100rpm、吐出量=10kg/時間]を用いてストランド状に押出し、カッティングを行いペレット状の樹脂組成物を調製した。尚、ガラス充填剤は折損を避ける為に押出機のサイドより途中フィードした。次いで、このペレット状の樹脂組成物を、射出成形機を用いて成形することにより試験用成形品を作製し、特性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
表の結果から明らかなように、比較例3〜5は、難燃剤(B3−1)又は(B3−2)の存在により原料フィード口で原材料のフィード不良とストランドの発泡が発生した。
また、実施例1〜3は、難燃剤の樹脂マトリックス中での分散状態を見るべく、ペレット状組成物を液体窒素を用いて凍結破断し、破断面をSEMで観察した。実施例1のペレット破断物のSEM写真(1000倍及び5000倍)を、それぞれ図5及び図6に、実施例2の写真(1000倍及び5000倍)を、それぞれ図7及び図8に、実施例3の写真(1000倍及び5000倍)を、それぞれ図9及び図10に示す。
SEM写真から、平均粒子径17μmの硫酸(ジ)メラミン(B1−1)が押出加工工程を経ることによりベース樹脂組成物マトリックス中に、最大粒径10μm以下の針状、柱状及び板状で分散していることがわかる。さらに、高倍率の写真である図6、図8及び図10から、難燃剤の一部が短径0.5μm以下で針状及び/又は柱状の硫酸(ジ)メラミンが微分散していることがわかる。
図1は、実施例の調製例1に記載の硫酸ジメラミン(b1)の走査型顕微鏡(SEM)写真(1000倍)である。 図2は、実施例の調製例1に記載の硫酸ジメラミン(b1)のSEM写真(5000倍)である。 図3は、実施例の調製例1で調製した硫酸ジメラミン(B1−1)のSEM写真(1000倍)である。 図4は、実施例の調製例1で調製した硫酸ジメラミン(B1−1)のSEM写真(5000倍)である。 図5は、実施例1で得られたペレット状組成物の破断面のSEM写真(1000倍)である。 図6は、実施例1で得られたペレット状組成物の破断面のSEM写真(5000倍)である。 図7は、実施例2で得られたペレット状組成物の破断面のSEM写真(1000倍)である。 図8は、実施例2で得られたペレット状組成物の破断面のSEM写真(5000倍)である。 図9は、実施例3で得られたペレット状組成物の破断面のSEM写真(1000倍)である。 図10は、実施例3で得られたペレット状組成物の破断面のSEM写真(5000倍)である。

Claims (16)

  1. ベース樹脂(A)、及びアミノ基含有トリアジン化合物と、硫酸及びスルホン酸から選択された少なくとも一種との塩で構成された難燃剤(B)を含む難燃性樹脂組成物であって、前記難燃剤(B)として、下記(1)〜(3)の要件を充足する難燃剤を用いて調製された難燃性樹脂組成物。
    (1)窒素気流下、昇温速度20℃/分で30℃から250℃まで昇温したとき、加熱重量減少量が8重量%以下である
    (2)20℃において、水に対する溶解度が5g/100g以下である
    (3)20℃において、1重量%濃度の水性スラリーがpH3〜7である
  2. ベース樹脂(A)が、ポリエステル系樹脂で構成されている請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  3. ベース樹脂(A)が、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、C2-4アルキレンテレフタレート及びC2-4アルキレンナフタレートから選択された少なくとも1種の単位を有するホモ又はコポリエステルを含む請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  4. ベース樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びイソフタル酸変性ポリブチレンテレフタレートから選択された少なくとも1種である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  5. ベース樹脂(A)が、ポリエチレンテレフタレートと、ポリプロピレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートから選択された少なくとも一種との組み合わせである請求項1記載の難燃樹脂組成物。
  6. ベース樹脂(A)が、ポリエステル系樹脂及びスチレン系樹脂で構成されている請求項1記載の難燃樹脂組成物。
  7. 難燃剤(B)が、硫黄原子1モルに対して1.6〜2.2モルのメラミンを有する硫酸(ジ)メラミン(B1)、及び/又は硫黄原子1モルに対して0.9〜1.3モルのメラムを有するメタンスルホン酸メラミン・メラム・メレム複塩(B2)である請求項1記載の難燃樹脂組成物。
  8. 難燃剤(B)が、最大粒径15μm以下であり、かつ針状、柱状及び板状から選択された少なくとも一種の形状を有するとともに、ベース樹脂(A)マトリックス中に分散している請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  9. 難燃剤(B)の一部が、短径0.5μm以下であり、かつ針状及び/又は柱状の形状を有するとともに、ベース樹脂(A)マトリックス中に分散している請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  10. 難燃剤(B)の割合が、ベース樹脂(A)100重量部に対して5〜100重量部である請求項1記載の難燃性樹脂組成物。
  11. さらに、酸化防止剤、安定剤、滑剤、充填剤、ドリッピング防止剤、及び難燃助剤から選択された少なくとも一種を含む請求項1記載の難燃樹脂組成物。
  12. さらに、活性水素原子に対して反応性の官能基を有する反応性安定剤及び/又はリン系難燃助剤を含む請求項1記載の難燃樹脂組成物。
  13. 反応性安定剤が、エポキシ系反応性安定剤、オキサゾリン系反応性安定剤、及びカルボジイミド系反応性安定剤から選択された少なくとも一種の反応性安定剤であり、リン系難燃助剤が、縮合リン酸エステル、縮合リン酸エステルアミド、ホスファゼン化合物、有機ホスホン酸化合物、及び有機ホスフィン酸化合物から選択された少なくとも一種の難燃助剤である請求項12載の難燃樹脂組成物。
  14. 請求項1記載の難燃性樹脂組成物で形成された成形体であって、電気又は電子部品、オフィスオートメーション機器部品、自動車部品、あるいは機械機構部品である成形体。
  15. 比較トラッキング指数が300V以上であり、かつ厚み0.8mmにおけるUL94規格の燃焼性がV−2、V−1又はV−0である請求項14記載の成形体。
  16. 要件(1)〜(3)を充足する難燃剤を用いて、請求項1記載の難燃性樹脂組成物を製造する方法。
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